JP3864785B2 - 多元接続通信システム及び多元接続通信方法、無線基地局装置,無線移動局装置 - Google Patents

多元接続通信システム及び多元接続通信方法、無線基地局装置,無線移動局装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の移動端末が1つの基地局と同時に通信を行なうための多元接続通信システム及び多元接続通信方法に係り、特に、セル内外での干渉を除去してキャパシティ(通信容量)を拡張したマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、極力短い周波数繰り返しで運用してキャパシティを増大させるマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法に係り、特に、非拡散方式により1周波数繰り返しを実現してキャパシティを増大させるマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
移動体通信は、そもそも電磁波の発見に由来し、その後、船舶・航空機や列車に対する通信の必要性から研究開発が進められてきた。さらに通信する対象が自動車や人なども拡大してきた。伝送データも、電信や電話だけでなく、コンピュータ・データや、画像などのマルチメディア・コンテンツも伝送することができるようになってきた。
【0004】
最近では、製造技術の向上などにより、移動体端末の小型化、低価格化が急速に進んでいる。また、情報通信サービスの拡充などにより、携帯電話のように移動体端末はパーソナライズ化していきている。さらに、通信の自由化や通信料金の引き下げなどにより、ユーザ層がますます拡大してきている。
【0005】
移動体通信は、車載電話や携帯電話などの移動局が最寄の基地局を見つけて、移動局〜基地局間で電波のやり取りをすることを基本とする。1つの基地局からの電波が届く通信可能範囲のことを、「セル(Cell)」と呼ぶ。セルは、通常、基地局アンテナを中心とした所定半径の円となる。そして、セルを隙間なく配置していくことにより、通信サービス・エリアが構成される。
【0006】
図6には、セルラーシステムに代表されるような複数の基地局によりサービス・エリアを面展開する移動体無線通信システムにおけるセル構成を模式的に図解している。ある一定の場所間隔に基地局(図示しない)を設置して、同図に示すように、各基地局が提供する複数のセルを途切れなく敷設していくことによって、広域的なサービス・エリアが構築される。
【0007】
このように移動体通信システムがセルを使用しているのは、セル中にしか基地局の電波がと届かないようにすることで、他のセルでも同じ周波数を繰り返して使用して、限られた周波数資源を有効に利用できることや、セルに区切ることにより、通信のための電波出力を小さくして、通常はバッテリ駆動の携帯機として実装される移動体の小型化や省電力化を図ること、などのメリットがあるからである。最近では、携帯電話ユーザ数の増加などにより、ますますセルの小型化が進められている。
【0008】
ところで、1つのセル内には複数の移動端末が存在し、これらが1つの基地局と同時に通信することになる。すなわち、基地局側から見れば、多元接続(マルチプル・アクセス)、すなわち無線信号を多重化して、どの信号がどのユーザのものかを検出する必要がある(マルチ・ユーザ・ディテクション)。
【0009】
従来、無線通信における多元接続技術としては、時間分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)や、第2世代のPDC(Personal Digital Cellular)において採用されている周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、同第3世代において採用されている符号分割多重(CDMA:Code Division Multiple Access)などが知られている。
【0010】
TDMAは、通信チャンネルを時間軸上のタイム・スロットであらかじめ分割しておき、同時に通信する各移動端末毎に異なるタイム・スロットを割り当てる通信方式であり、ディジタル方式が前提である。日本国内のディジタル携帯電話方式では3チャンネル又は6チャンネルの時分割多重を行なう。
【0011】
また、FDMAは、同時に通信する各移動端末間で(すなわち通話チャンネル毎に)異なる周波数を割り当てることにより通信を行なう方式である。すなわち、通信に用いるチャンネルを周波数軸上で多数並べて、空いているチャンネルを適宜割り当てて使用する。FDMAは、アナログ、デジタルいずれの通信方式にも対応することができる。日本国内では、アナログ方式の自動車電話及び携帯電話にFDMAが採用されている。
【0012】
また、CDMAは、スペクトル拡散を用いて広い周波数を複数の移動端末で共用する方式である。移動端末は、通信の都度、スペクトル拡散用の拡散系列が割り当てられ、この拡散系列により通信信号を拡散して送信する。移動端末が共通の周波数を用いるので、自局にとって他局の通信信号はすべて干渉になり、干渉の中から受信信号を取り出す性能が受信レベルを大きく左右する。
【0013】
移動体通信が急速且つ広汎に普及し、同じセル内に多数の移動局が存在するような無線通信環境下においては、少ない資源でいかにして通信容量(キャパシティ)を拡大するかが最大の課題となる。
【0014】
ここで、上述した各多元接続方式について、マルチ・ユーザ・ディテクション並びにキャパシティ(通信容量)の問題について考察する。
【0015】
FDMAは、周波数分割のため問題はない。しかしながら、1セルに収容できるユーザ数は、使用可能な周波数帯域を分割してできたチャンネル数を上限とするので少ない。また、同じ周波数を隣接するセル間で繰り返すことは不可能であり、通信サービス全体としてもキャパシティが小さい。
【0016】
また、CDMAは、直交、並びに擬似直交符号からなる拡散系列を用いて符号分割を行なうが、セル内のユーザは同じ周波数を共有するので、他のユーザの信号はすべて干渉波となる。基地局側では各移動端末に対して使用する拡散系列を知ることができるので、基地局は各ユーザの信号を検出することができるが、逆に、移動端末側では他の移動端末が使用する拡散系列を知り得ないので、ユーザの検出は実現しない。また、拡散系列がすべて直交していればよいが直交していない成分は干渉成分となるので、擬似直交符号が作るチャンネルの数に対して収容できるユーザ数は少ない。また、CDMAは拡散により広い周波数帯域を使用してしまうので、1周波数繰り返しが実現できても、キャパシティは小さい。
【0017】
他方、図6に示したように小規模なセルが隙間なく配置してなるサービス・エリア内では、移動局がセル間を移動することに伴って、接続先となる基地局を変更しなければならなくなる。このような移動局の接続基地局の切り替えのことを、「ハンド・オーバー」又は「ハンドオフ」と呼ぶ。
【0018】
図7には、移動局がハンドオフする様子を模式的に図解している。同図の上段では、基地局BS−Aは移動局MS−Xと通信し、また、基地局BS−Bは移動局MS−Yと通信している。
【0019】
ここで、移動局MS−Yが基地局BS−A側のセルに近づくにつれ、移動局MS−Yは基地局BS−Aからの送信信号をも受信できるようになる。通常は、この時点でハンドオフの手順を開始して、基地局BS−Aは移動局MS−Yをセル内に収容するための準備を始める(図7中段)。
【0020】
その後、移動局MS−Yが完全にBS−Aの所管エリアすなわちセル内に突入すると、移動局MS−Yは接続基地局をBS−Aに変更し、最終的に移動局MS−Yは基地局BS−Aに収容される(図7下段)。
【0021】
従来の非拡散系のセルラーシステムとしては、TDMAによる多元接続を行うものが広く知られている。TDMAあるいはFDMAにより多元接続を行う通信システムにおいては、異なる周波数資源を隣接する又は近隣の各基地局に配置している。このため、ハンドオフにより接続基地局が変更されると、使用する周波数資源を変更することによりチャネルを提供している。ここで、図8を参照しながら隣接する基地局間における周波数資源アサインについて説明する。
【0022】
図8において、網掛け表示された部分が上記の基地局BS−Aにアサインされている周波数資源であり、網掛けされていない部分が上記の基地局BS−Bにアサインされている周波数資源であるとする。ここでは、説明の簡素化のため、3TDMA構造で4の周波数チャネルがこれら2つの基地局に割り当てられている場合を想定している。この場合、各基地局とも6チャネルまで収容可能である。
【0023】
各基地局は、ある移動局から通信を行いたい旨の連絡が到来したとき、自基地局にアサインされた周波数資源の中から未使用であるものを使用する。図7に示した例で言えば、基地局BS−Aが移動局MS−Xとの通信に周波数資源CH(0,0)を用いており、且つ、基地局BS−Bが移動局MS−Yとの通信に周波数資源CH(1,0)を使用していているとする。
【0024】
このとき、移動局MS−Yがハンドオフする際には、基地局BS−Aは、未使用のチャネルすなわちCH(0,1)、CH(0,2)、CH(,0)、CH(,1)、CH(,2)のうちいずれかを選択する。そして、移動局MS−Yは、基地局BS−Aと通信を開始する際に、周波数チャネル並びタイムスロットを基地局BS−Aから指示されたものに変更する。
【0025】
このように非拡散系の移動体無線通信システムにおいては、ハンドオフ時に通信に用いる周波数資源を変更する作業が強要されており、これを即時的に行えない場合には回線断などが生じる危険性がある。
【0026】
また、同一の周波数資源を隣接する基地局間で用いると混信することから、通信システムに割り当てられた周波数資源を分割してアサインする必要がある。このため、各基地局で使用可能な周波数資源が制限されてしまい、通信システム全体のキャパシティが制限されるという問題がある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セル内外での干渉を除去してキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することにある。
【0028】
本発明のさらなる目的は、極力短い周波数繰り返しで運用してキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することにある。
【0029】
本発明のさらなる目的は、非拡散方式により1周波数繰り返しを実現してキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することにある。
【0030】
本発明のさらなる目的は、ハンドオフ時に回線断などの危険が生じない、非拡散方式の優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、各基地局が1以上の移動局と通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信システム又は多元接続通信方法であって、
隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
受信側の局は、セル内及びセル外の送信側の各局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行う、
ことを特徴とする多元接続通信システム又は多元接続通信方法である。
【0032】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0033】
本発明の第1の側面に係る多元接続通信システム又は多元接続通信方法によれば、受信側の局は、セル内及びセル外の送信側の各局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして検出するので、隣接又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用することができる。
【0034】
したがって、1周波数繰り返しによるマルチセル構成を実現することができ、周波数の利用効率が高まるとともに、同じ利用効率においてはキャパシティ(通信容量)が拡大する。
【0035】
ここで、送信側の局は非拡散方式で送信信号を送出するようにしてもよい。非拡散方式で無線通信を行うことから、1つのチャンネルが使用する周波数帯域が小さくて済むので、周波数の利用効率が高まる。この結果、例えばCDMAのような通信方式に比し、キャパシティが拡大する。
【0036】
また、受信側の局は、例えばSIC(Successive Interference Cancellaer)などの干渉除去技術を適用して、各信号の検出すなわちマルチユーザ・ディテクションを行うようにしてもよい。SICは、セル内及びセル外の送信側の各局から送信され且つ各伝搬特性を経て伝搬された到来信号と雑音との和からなる受信信号を、受信電力が大きい順に復調して、且つ、自身の信号をキャンセルする処理を繰り返すことにより、受信したすべての信号を検出することができる。
【0037】
なお、セル内とは、自分(移動局)が属している(又は登録されている)基地局のセル範囲のことを言う。セルの境界にいる場合のみならず、他局からの干渉は小さくなるが、セルの中央部に存在する場合にも、マルチユーザ・ディテクションは行なわれる。「自分宛ての信号」と「それ以外の信号」という捉え方もできる。移動局がセルの周縁に存在し、ハンドオフしようとしているときは、2つの基地局からの自分宛ての信号と、それ以外の信号をいずれも希望信号として受信することになる。(稀なケースであるが、2以上の基地局からの信号を受信することも有り得る。)
【0038】
また、本発明の第2の側面は、各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信システム又は多元接続通信方法であって、
隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
基地局及び移動局はそれぞれ、セル内及びセル外の送信側の各局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行い、
基地局は、他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行する、
ことを特徴とする多元接続通信システム又は多元接続通信方法である。
【0039】
本発明の第2の側面に係る多元接続通信システム又は多元接続通信方法によれば、無線通信の受信側においてマルチユーザ・ディテクションを行うことを前提とすることにより、非拡散方式であっても基地局へアサインする周波数資源を分割する必要がなくなり、この結果、通信システム全体のキャパシティが制限されるという問題を解消することができる。
【0040】
また、本発明の第2の側面に係る多元接続通信システム又は多元接続通信方法によれば、1周波数繰り返しの実現により、ハンドオフに起因する通信チャネル切り替えを行わないで済む。この結果、ハンドオフに要する処理過程数を減らすことが可能となり、ハンドオフを高い成功率でスムーズに行うことが可能となる。
【0041】
さらに、移動局は、前記の複数ユーザの検出により得られる受信信号の品位の劣化が予期される場合に,通信中の基地局に対して自移動局に割り当てられている周波数資源の変更を要求するようにしてもよい。すなわち、移動局における受信状況が芳しくない場合に通信チャネル切り替えを行うことにより、セル境界などに位置する移動局においても好適な通信品位にてサービスを提供することが可能となる。
【0042】
また、本発明の第3の側面は、各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信環境下で動作する無線基地局装置であって、
自セル内及びセル外の各移動局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行うとともに、
他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行する、
ことを特徴とする無線基地局装置である。
【0043】
本発明の第3の側面に係る無線基地局装置は、本発明の第2の側面に係る多元接続の無線通信環境下で動作することができる。この無線基地局装置は、自セル内及びセル外の各移動局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行うことにより、1周波数繰り返しを実現する。また、他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行することにより、ハンドオフに起因する通信チャネル切り替えを行わないで済む。この結果、ハンドオフに要する処理過程数を減らすことが可能となり、ハンドオフを高い成功率でスムーズに行うことが可能となる。
【0044】
また、本発明の第3の側面に係る無線基地局装置は、通信中の移動局から使用周波数資源の変更要求を受信したことに応答して、新たな周波数資源を割り当てるようにしてもよい。すなわち、移動局における受信状況が芳しくない場合に通信チャネル切り替えを行うことにより、セル境界などに位置する移動局においても好適な通信品位にてサービスを提供することが可能となる。
【0045】
また、本発明の第4の側面は、各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信環境下で動作する無線移動局装置であって、
セル内及びセル外の移動局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行う、
ことを特徴とする無線移動局装置である。
【0046】
本発明の第4の側面に係る無線移動局装置は、本発明の第2の側面に係る多元接続の無線通信環境下で動作することができる。この無線移動局装置は、セル内及びセル外の各基地局からの到来信号をいずれも希望信号とみなして複数ユーザの検出を行うことにより、1周波数繰り返しを実現する。
【0047】
本発明の第2の側面に係る多元接続の無線通信環境下では、基地局は、複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行することにより、ハンドオフに起因する通信チャネル切り替えを行わないようになっている。これに対し移動局は、複数ユーザの検出により得られる受信信号の品位の劣化が予期される場合に,通信中の基地局に対して自移動局に割り当てられている周波数資源の変更を要求するようにしてもよい。すなわち、移動局における受信状況が芳しくない場合に通信チャネル切り替えを行うことにより、セル境界などに位置する移動局においても好適な通信品位にてサービスを提供することが可能となる。
【0048】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0050】
A.多元接続システムにおけるマルチユーザ・ディテクション
図1には、本実施形態に係るマルチセル多元接続通信システムの構成を模式的に示している。
【0051】
図1に示す例では、説明の簡素化と図面の錯綜を回避するために、1つのセル内に各1台の移動端末しか描いていないが、実際には多数の移動端末がセル内に存在していてもよい。また、セルX及びセルYの周りにもさらに隣接するセルが多数配置されて、より広大な通信サービス・エリアが構成されているものと理解されたい。
【0052】
図示のマルチセル多元接続通信システム上では、基地局BS−Xの通信可能範囲であるセルX内に1台の移動端末MS−Aが存在するとともに、基地局BS−Yによって提供されるセルY内に1台の移動端末MS−Bが存在する。ここで、セルX及びセルYは隣接して配置しているものとする。
【0053】
また、図示のマルチセル多元接続通信システムでは、多元接続に拡散系列を用いない(すなわちCDMAを行なわない)非拡散方式を採用している。1周波数繰り返しなど、小さな周波数繰り返し数で移動体通信を運用した場合、同一チャンネル干渉が起こる。まず、このマルチセル多元接続通信システム全体での通信オペレーションについて説明する。
【0054】
但し、互いに隣接又は近い位置に配置されたセルX、Yの基地局であるBS−X、BS−Yはともに同じ周波数f1を用いて、同一時刻に移動局と接続できるものとする。
【0055】
図示の時刻には、基地局BS−Xには移動局MS−Aが属し、基地局BS−Yには移動局MS−Bが属している。いずれの基地局〜移動局の間でも、同一周波数を使用し、同一時刻に接続状態にある。
【0056】
下り回線で移動局MS−Aが受信する信号は、自ら属している基地局BS−XからMS−Aに送信され伝播特性HXAで到達する信号(希望波)と、セル外の基地局BS−Yから他の移動局MS−B宛てに送信され伝播特性HYAでMS−Aに届く信号(干渉波)との和になる。
【0057】
同様に、移動局MS−Bが受信する信号は、基地局BS−Yから移動局MS−Bに送信され伝播特性HYBで移動局MS−Bに届く信号(希望波)と、セル外の基地局BS−Xから他の移動局MS−A宛てに送信され伝播特性HXBでMS−Bに届く信号(干渉波)の和になる。
【0058】
また、上り回線で基地局BS−Xが受信する信号は、セル内の移動局MS−Aから基地局BS−X宛てに送信され伝播特性HAXで基地局BS−Xに届く信号(希望波)と、セル外の移動局MS−Bから他の基地局BS−Y宛てに送信され伝播特性HBXで基地局BS−Xに届く信号(干渉波)の和になる。
【0059】
同様に、基地局BS−Yが受信する信号は、セル内の移動局MS−Bから基地局BS−Y宛てに送信され伝播特性HBYで基地局BS−Yに届く信号(希望波)と、セル外の移動局MS−Aから他の基地局BS−X宛てに送信され伝播特性HAYで基地局BS−Yに届く信号(干渉波)の和になる。
【0060】
本実施形態に係るマルチセル多元接続通信システムにおいては、隣り合うセル同士で拡散系列を用いずに同一周波数を用いているので、いずれの基地局〜移動局間における下り回線及び上り回線の双方において、隣り合う基地局・移動局は互いに干渉を与え、希望信号の受信を妨げることになる。
【0061】
本実施形態においては、基地局及び移動局は、セル内からの希望信号だけでなく、セル外からの干渉信号も希望信号とみなして、マルチユーザ・ディテクションを行なう点に特徴がある。以下、下り回線で移動局MS−Aが受信処理を行なう場合を例にとって説明する。
【0062】
図2には、移動局MS−Aが受信するチャンネル構成を模式的に示している。図1を参照しながら既に説明したように、移動局MS−Aは、下り回線において、自ら属している基地局BS−Xからの希望信号と、セル外の基地局BS−Yから他の移動局MS−B宛てに送信された干渉信号を受信する。
【0063】
基地局BS−Xは、送信情報IXA(001)を送信する際、送信機(Transmitter X)11によって変調並びにアップコンバートなどの信号処理を行なって、送信信号TXA(002)に変換して、送出する。
【0064】
一方、基地局BS−Yは、送信情報IYB(011)を送信する際、送信機(Transmitter Y)21によって変調並びにアップコンバートなどの信号処理を行なって、送信信号TYB(012)に変換して、送出する。
【0065】
送信信号TXA(002)は伝搬特性HXAを経て移動局BS−Xに伝搬され、送信信号TYB(012)は伝搬特性HYAを経て移動局BS−Xに伝搬され、また、これらの途中で熱雑音noiseが加わる。この結果、移動局MS−Aにおいて受信される受信信号RA(020)は以下の通りとなる。
【0066】
【数1】
Figure 0003864785
【0067】
この受信信号RAを受信する受信側(この場合は移動局MS−A)は、2つの情報源である基地局BS−X及びBS−Yの情報をともに検出するため、ユーザ数を2とみなした場合の干渉キャンセルを行なう。
【0068】
図3には、2つの送信信号RXA及びRYAと雑音の和からなる受信信号RAを受信する受信機側の機能構成を模式的に示している。
【0069】
受信機側は、受信信号RA(020)からユーザ検出を行なうマルチユーザ検出器(MUD:Multi-User Detection Entity)31と、受信信号から取り出された2つの信号を硬判定して送信情報IXA及びIYBを推定する硬判定器32,33とで構成される。
【0070】
マルチユーザ検出器31は、ユーザ数を2とみなした場合の干渉キャンセルを行なう。一般に、受信信号の強いユーザがより信頼性が高いと推定される。本実施形態では、受信信号の強度を基にマルチユーザ・ディテクションを行なう手法の1つとして、SIC(Successive Interference Cancellation)を適用する。SICは、受信電力が大きい順に復調して、且つ、自身の信号をキャンセルする処理を繰り返すことにより、受信したすべての信号を検出することを可能にする技術である。
【0071】
図4には、SICを適用して構成されたマルチユーザ検出器31の内部構成を詳細に示している。
【0072】
図示の通り、マルチユーザ検出器31は、伝搬特性HXAを基に受信信号RAを補正して、復調並びに軟判定(あるいは硬判定)して基地局BS−Xからの送信信号TXAを推定するフィルタ(Demod A)41と、送信信号TXAの推定結果を基に基地局BS−Xからの受信信号を全受信信号から引き算処理する干渉キャンセラ(IC:Interference Cancelleration)42と、この干渉キャンセル結果を伝搬特性HYAを基に補正して、復調並びに軟判定(あるいは硬判定)して基地局BS−Yからの送信信号TYBを推定するフィルタ(Demod B)43と、送信信号TYBの推定結果を基に基地局BS−Yからの受信信号を引き算処理する干渉キャンセラ(IC)44とを干渉除去処理の基本単位として構成されている。そして、信号処理の精度や処理コストなどを勘案して、この基本単位の繰り返し個数が決められる。
【0073】
以下、このマルチユーザ検出器31の動作特性について説明する。
【0074】
各伝搬路を経てRAを受信すると(ステップS1)、フィルタ41−1は、伝搬特性HXAの推定値を用いて、基地局BS−Xから当該移動局MS−Aへの送信信号TXAのレプリカ(021)を出力する(ステップS2)。
【0075】
基地局BS−Xから当該移動局MS−Aへの送信信号TXAのレプリカ(021)は、乗算器45−1により伝搬特性HXAの推定値と掛け合わされて、基地局BS−Xから移動局MS−Aへの伝送路出力のレプリカ(022)が生成される(ステップS3)。
【0076】
基地局BS−Xから移動局MS−Aへの伝送路出力のレプリカ(022)は、移動局MS−Bにとっての干渉成分である。干渉キャンセラ42−1は、受信信号RA(020)から干渉成分であるレプリカ(022)を引き算して、その引き算結果(023)をフィルタ43−1に入力する(ステップS4)。
【0077】
フィルタ43−1は、伝搬特性HYBの推定値を用いて、基地局BS−Yから当該移動局MS−Bへの送信信号TYBのレプリカ(024)を出力する(ステップS5)。
【0078】
基地局BS−Yから当該移動局MS−Bへの送信信号TYBのレプリカ(024)は、乗算器46−1により伝搬特性HYBの推定値と掛け合わされて、基地局BS−Yから移動局MS−Bへの伝送路出力のレプリカ(025)が生成される(ステップS6)。
【0079】
基地局BS−Yから移動局MS−Bへの伝送路出力のレプリカ(025)は、移動局MS−Aにとっての干渉成分である。干渉キャンセラ44−1は、干渉キャンセラ42−1の引き算結果(023)から干渉成分であるレプリカ(025)を引き算する(ステップS7)。
【0080】
そして、基地局BS−Xから移動局MS−Aへの伝送路出力のレプリカ(022)と干渉キャンセラ44−1の引き算結果(026)が加算器47−2によって加算されて、次段の干渉除去処理単位40−2への入力(027)となり、同様の干渉除去処理が繰り返し実行される(ステップS8)。
【0081】
干渉除去処理の繰り返し回数が所定数Nに到達したら、移動局MS−Aのフィルタ41−Nの出力(028)を、復号器・復調器(Decoder A)51に入力して、移動局MS−Aへの送信情報IXAのレプリカ(040)を出力する(ステップS9)。
【0082】
また同様にして、基地局MS−Bのフィルタ43−Nの出力(030)を復号器・復調器(Decoder B)52に入力して、移動局MS−Bへの送信情報IYBのレプリカ(01)を出力する(ステップS10)。
【0083】
上述したステップS1〜S10までのマルチユーザ・ディテクション(MUD)の処理が終了したら、各基地局BS−X及びBS−Yからの情報信号のレプリカ(040)及び(04)を硬判定処理して、それぞれを(04)及び(043)とする(ステップS11)。
【0084】
移動局MS−Aは、(04)及び(043)のうち、IXAの判定値(041)を利用する(ステップS12)。同様に、移動局MS−B側では、(04)及び(043)のうち、IYBの判定値(043)を利用する。
【0085】
したがって、各基地局BS−X及びBS−Yは、同じ周波数f1を用いているが、同一時刻に各移動局MS−A及びMS−Bと接続することができる。すなわち、1周波数繰り返しを実現することができるので、キャパシティが大幅に増大する。また、拡散系列を用いない非拡散方式を用いることから、使用する周波数帯域が小さくて済むことからも、キャパシティの増大を期待することができる。
【0086】
なお、移動局MS−Aは、自分が属するセルの基地局BS−Xからの受信信号だけでなく、隣接するセルの基地局BS−Yからの受信信号もともに希望信号として送信情報を取り出すようにしているので、移動局がセル間を移る際にハンドオフ(基地局の切り替え)を的確に扱うことができる。
【0087】
また、上述したマルチユーザ・ディテクションの説明は、基地局から移動局への下り回線を例に採ったが、移動局から基地局へ向かう上り回線の場合であっても、各基地局が同様にSICなどの干渉キャンセル方法を実装することにより、マルチユーザ・ディテクションを実現することができる。
【0088】
なお、本実施形態において、セル内とは、自分(移動局)が属している(又は登録されている)基地局のセル範囲のことを言う。セルの境界にいる場合のみならず、他局からの干渉は小さくなるが、セルの中央部に存在する場合にも、マルチユーザ・ディテクションは行なわれる。「自分宛ての信号」と「それ以外の信号」という捉え方もできる。移動局がセルの周縁に存在し、ハンドオフしようとしているときは、2つの基地局からの自分宛ての信号と、それ以外の信号をいずれも希望信号として受信することになる。(稀なケースであるが、2以上の基地局からの信号を受信することも有り得る。)
【0089】
B.ハンドオフ
次いで、本実施形態に係る多元接続通信システムにおける移動局のセル間移動に伴うハンドオフ動作について説明する。
【0090】
上述したように、基地局並び移動局の受信機では、同一の周波数資源上で受信された複数の信号を各々別個に復調する手段が備わっており、マルチ・ユーザディテクションが行われている。また、マルチユーザ・ディテクションにより、同一の周波数資源を用いて到来する複数の無線チャネルを受信し復号することから、複数ユーザが同一の周波数資源を共有することが可能となっている。
【0091】
以下では、図7に示したような状況をトレースしながら,基地局によるハンドオフ動作について説明する。なお、説明の便宜上、各基地局BS−A並びにBS−Bはそれぞれ図8に示した周波数資源のすべてを利用可能なものとする。
【0092】
基地局BS−Aは、移動局MS−Xと周波数資源CH(0,0)を用いて通信中であり、また、基地局BS−Bは移動局MS−Yと周波数資源CH(0,0)を用いて通信中である(図7上段)。
【0093】
ここで、移動局MS−Yは移動して、基地局BS−Aからの送信信号も受信できるようになる(図7中段)。そして、移動局MS−Yにおいては、基地局BS−Bから移動局MS−Y宛てに送信されてくる信号に加え、基地局BS−Aから移動局MS−X宛てに送信されてくる信号も加算された状態で受信することになる。
【0094】
このとき、移動局MS−Yの受信機においては、マルチユーザ・ディテクション(前述)を行うことにより、基地局BS−Bから移動局MS−Y宛ての信号を復号するとともに、基地局BS−Aから他の移動局MS−X宛ての信号も同様に復号するが、同一チャネル干渉に起因する信号劣化は生じない。
【0095】
その後、移動局MS−Yはさらに基地局BS−Aの近傍に移動して、最終的に基地局BS−Aのセル内に収容されることになる。基地局BS−Aでは、移動局MS−Yとの通信チャネルとして元のCH(0,0)を継続して割り当てる。すなわち、接続基地局の変更に伴うチャネルの変更を行わない。
【0096】
このとき、基地局BS−Aの受信機では、移動局MS−Xからの信号と移動局MS−Yからの信号の両方を受信するが、マルチユーザ・ディテクション(前述)を行っているので、移動局MS−Xからの信号と移動局MS−Yからの信号の両方を受信復号することが可能であり、問題とはならない。
【0097】
また、基地局は、通常移動局よりも小型化や少消費電流化の制約が少ないため、移動局よりも高精度のマルチユーザ・ディテクション処理を行うことができるので、受信信号の取り扱いに困ることはほとんどない。
【0098】
さらに、この後の処理について、図5を参照しながら説明することにする。
【0099】
図8上段では、移動局MS−X並びに移動局MS−Yが同一の周波数資源CH(0,0)を用いて基地局BS−Aと通信中である場合を想定している。この後、基地局BS−Aのセル内に新たな移動局MS−Zが収容された場合を考える。ここで、移動局MS−Zには、移動局MS−Xや移動局MS−Yの通信に対して既に割り当てている周波数資源CH(0,0)を割り当てることが決定されたとする。
【0100】
基地局BS−Aが移動局MS−Zと通信を開始すると、基地局BS−Aの受信機においては、周波数資源CH(0,0)における受信信号として、各移動局MS−X、MS−Y、並びにMS−Zからそれぞれ送信された信号が加算されたものが到達する。基地局BS−Aにおいては、SICなどの高精度のマルチユーザ・ディテクション処理(前述)を利用して、これらの受信信号を分離、復号することができる。
【0101】
一方、各移動局MS−X、MS−Y、並びにMS−Zにおいても同様に、基地局BS−Aから各移動局MS−X、MS−Y、並びにMS−Z宛てに送信された各信号を受信することになるが、同様にマルチユーザ・ディテクション処理によりこれらの信号について分離、復号を試みる。
【0102】
ここで、移動局MS−Xの受信機の性能が低い場合や、移動先のセルにおいて同じ周波数を他の移動局が集中的に使用している場合などには、移動局MS−Xは自移動局宛てに送信されてきた信号の復号精度が悪くなってくる。移動局MS−Xは、このような受信信号の品位の低下をトリガにして、基地局BS−Aに対して、自分の通信に割り当てられている周波数資源の変更をリクエストする。
【0103】
基地局BS−Aは、かかるリクエストに応答して、自基地局で使用可能な他の周波数資源を検索して、移動局MS−Xとの間で用いる新たな周波数資源を割り当てる。
【0104】
上述したような手順を実行することにより、より精度の高いマルチユーザ・ディテクション装置を備える移動局は、自移動局で使用する周波数資源を変更することなくハンドオフを行うことが可能となり、より高いクオリティのサービスを享受することが可能となる。
【0105】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0106】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、セル内外での干渉を除去してキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することができる。
【0107】
また、本発明によれば、極力短い周波数繰り返しで運用してキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することができる。
【0108】
また、本発明によれば、非拡散方式により1周波数繰り返しを実現するとともにセル内・セル外の干渉を除去することによりキャパシティを増大させることができる、優れたマルチセル多元接続通信システム及びマルチセル多元接続通信方法を提供することができる。
【0109】
本発明によれば、無線通信の受信側においてマルチユーザ・ディテクションを行うことを前提とすることにより、非拡散方式であっても基地局へアサインする周波数資源を分割する必要がなくなり、この結果,通信システム全体のキャパシティが制限されるという問題を解消することができる。
【0110】
また、本発明によれば、1周波数繰り返しの実現により、ハンドオフに起因する通信チャネル切り替えを行わないこととした。この結果、ハンドオフに要する処理過程数を減らすことが可能となり、ハンドオフを高い成功率でスムーズに行うことが可能となる。
【0111】
さらに、移動局における受信状況が芳しくない場合に通信チャネル切り替えを行うことにより、セル境界などに位置する移動局においても好適な通信品位にてサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るマルチセル多元接続通信システムの構成を模式的に示した図である。
【図2】移動局MS−Aが受信するチャンネル構成を模式的に示した図である。
【図3】2つの送信信号RXA及びRYAと雑音の和からなる受信信号RAを受信する受信機側の機能構成を模式的に示した図である。
【図4】SICを適用して構成されたマルチユーザ検出器31の内部構成を詳細に示した図である。
【図5】本実施形態に係るチャンネル管理方式を説明するための図である。
【図6】複数の基地局によりサービス・エリアを面展開する移動体無線通信システムにおけるセル構成を模式的に示した図である。
【図7】移動局がハンドオフする様子を模式的に示した図である。
【図8】非拡散方式により多元接続を行う通信システムにおける周波数資源アサインを説明するための図である。
【符号の説明】
11,21…送信機
31…マルチユーザ検出器
32,33…硬判定器
41,43…フィルタ
42,44…干渉キャンセラ(IC)
45,46…乗算器
47…加算器
51,52…復号器・復調器

Claims (12)

  1. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信システムであって、
    隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
    受信側の局は、セル内及びセル外の送信側の各局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出する、
    ことを特徴とする多元接続通信システム。
  2. 送信側の局は非拡散方式で送信信号を送出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多元接続システム。
  3. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信方法であって、
    隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
    受信側の局は、セル内及びセル外の送信側の各局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出する、
    ことを特徴とする多元接続通信方法。
  4. 送信側の局は非拡散方式で送信信号を送出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の多元接続方法。
  5. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信システムであって、
    隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
    基地局及び移動局はそれぞれ、セル内及びセル外の送信側の各局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出し、
    基地局は、他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行 する、
    ことを特徴とする多元接続通信システム。
  6. 移動局は、前記の複数ユーザの検出により得られる受信信号の品位の劣化が予期される場合に,通信中の基地局に対して自移動局に割り当てられている周波数資源の変更を要求する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の多元接続通信システム。
  7. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信方法であって、
    隣接する又は近隣のセル同士で空間的、時間的並びに周波数が同一のチャンネルが共用されており、
    基地局及び移動局はそれぞれ、セル内及びセル外の送信側の各局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出し、
    基地局は、他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行する、
    ことを特徴とする多元接続通信方法。
  8. 移動局は、前記の複数ユーザの検出により得られる受信信号の品位の劣化が予期される場合に,通信中の基地局に対して自移動局に割り当てられている周波数資源の変更を要求する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の多元接続通信方法。
  9. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信環境下で動作する無線基地局装置であって、
    自セル内及びセル外の各移動局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出するとともに、
    他の基地局のセルからハンドオフしてくる移動局のために新たな周波数資源を割り当てることなく、前記の複数ユーザの検出により該移動局からの信号の受信を続行する、
    ことを特徴とする無線基地局装置。
  10. 通信中の移動局から使用周波数資源の変更要求を受信したことに応答して、新たな周波数資源を割り当てる、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線基地局装置。
  11. 各基地局が通信可能なセルが隣接又は近接して存在するマルチセル・マルチユーザ構成の多元接続通信環境下で動作する無線移動局装置であって、
    セル内及びセル外の基地局から送信され且つ各伝搬路を経て伝搬されたすべての到来信号をいずれも希望信号とみなして各到来信号と雑音との和からなる受信信号を受信し、到来信号の受信電力が大きな送信局との伝搬路特性を用いて受信信号を復調して当該送信局からの送信信号を検出とともに、該送信信号から伝搬路特性を基に該当局からの到来信号のレプリカを作成し、該レプリカを受信信号からキャンセルし、前記の到来信号の受信電力が大きな送信局からの送信信号を検出する処理を該レプリカがキャンセルされた受信信号に対して繰り返すことにより、受信したすべての到来信号から送信信号を検出する、
    ことを特徴とする無線移動局装置。
  12. 前記の複数ユーザの検出により得られる受信信号の品位の劣化が予期される場合に,通信中の基地局に対して自移動局に割り当てられている周波数資源の変更を要求する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線移動局装置。
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