JP3864551B2 - インジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関、特にディーゼルエンジンのシリンダ内に燃料を噴射させるインジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンでは、かなり圧力の高い燃料を電気的な制御で、エンジンの運転に応じて、所定量、燃焼室へ噴射させる電子燃料噴射装置、いわゆるコモンレール式燃料噴射装置の開発が盛んに行われている。
【0003】
コモンレール式燃料噴射装置は、各種エンジン運転モードに応じた燃料噴射が行えるために、排ガスエミッションの低減やドライバビリティの向上等に優れるといった特徴をもつ。
【0004】
こうしたコモンレール式燃料噴射装置には、図5に示されるようにディーゼルエンジン1の気筒毎に、例えば電磁弁の開閉動作により燃料噴射が可能なインジェクタ2を設置し、これら各インジェクタ2を共通のコモンレール3につなぎ、このコモンレール3と、フィードポンプ4につながる高圧ポンプ5とを燃料通路6を介して接続するなどの構造が用いられる。なお、7はフィードポンプ4で汲み上げられる燃料を溜めておく燃料タンクである。
【0005】
そして、ECU8(制御部)を用い、コモンレール3内の燃料が所定の高圧に保たれるよう高圧ポンプ5を制御、さらにはアクセルペダル9の開度などエンジン運転に応じた各インジェクタ2の電磁弁の開閉動作で同インジェクタ2のノズルニードルを開弁させて、コモンレール3内に圧送された高圧燃料を、所定の噴射開始時期、所定の燃料噴射量で、各インジェクタ2の噴孔から筒内(燃焼室)へ噴射させるようにしてある。なお、10は、コモンレール3内の燃料圧を検知しこれをECU8へフィードバックさせるための圧力センサを示す。
【0006】
こうした燃料噴射装置に用いられるインジェクタ2は、かなり高圧の燃料を噴孔から噴射させる都合上、通常、インジェクタ本体の先端部に収容されているノズルニードルの回りに形成してある油溜り室を利用して、この油溜り室と、ノズルニードルをリフトさせるインジェクタ本体の後端部に収容されているコマンドピストンとの両者に燃料圧を導く構造、同コマンドピストンに加わる燃料圧を電磁弁でリークさせる構造を組み合わせた噴射構造が用いられている。
【0007】
具体的には、図6に示されるようにインジェクタ本体20の先端部となる、油溜り室21が形成されているノズルボディ22の先端部内にノズルニードル23を摺動自在に収め、インジェクタ本体20の後端部にノズルニードル23と同軸上にコマンドピストン24を摺動自在に収め、コモンレール3から延びる燃料通路25を2つに分岐して、一方はノズルボディ22の周壁沿いに形成された燃料供給孔26を介して油溜り室21に連通、他方はコマンドピストン24を収めている摺動路27の後端側に形成された制御室28(端部室)に連通させて、燃料圧をノズルニードル23の先端側とコマンドピストン24の後端側との双方に加える構造、コマンドピストン24の下端側から延びた軸部24a(コマンドピストン24の変位をノズルニードル23へ伝えるもの)の周りにノズルニードル23を閉弁方向に付勢する圧縮スプリング30を設ける構造、制御室28の燃料圧を電磁弁31が介装された燃料リーク路32から燃料タンク7へリークさせる構造が用いられる。なお、33,34は流量制御用の絞りである。
【0008】
そして、電磁弁31を閉じると、コマンドピストン24に加わる下向きの力Fcpと圧縮スプリング30の下向きの力Fspの総和が、油溜り室21からノズルニードル23に加わる上向きの力Fndを上回わることを利用して、ノズルニードル23を油溜り室21の近傍に形成されているシート面35aに押し付けて、燃料の噴射が行われないようにする(非燃料噴射時)。電磁弁31を開ければ、ノズルニードル23を閉止させていたコマンドピストン24に加わる圧力が燃料リーク路32から燃料タンク7へ逃げて、上向きの力Fndが下向きの力Fcpに打ち勝ち、ノズルニードル23が燃料溜り室21の燃料圧力で押し上げられ、噴孔35から高圧燃料が筒内(燃焼室)へ噴射されるようにしている(燃料噴射時)。なお、Qout は制御室28からリークする燃料の流量、Qinは制御室28へ流入する燃料の流量を示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、先に述べたような油溜り室21に燃料圧を導いて上向きの力を得るインジェクタ2は、圧縮スプリング30を収めている軸部24a回りのスプリング室30aが低圧となるので、ノズルニードル23,コマンドピストン24の双方で芯合わせが可能な別体構造が採用できるものの、ノズルボディ22の周壁には燃料供給孔26が形成されることが余儀なくされる都合上、インジェクタ2の先端部、すなわちノズルボディ22の外径が大きくなる傾向にある。
【0010】
このため、インジェクタ2の小形化を図るべく、インジェクタ2の先端部の細径化を進めるには限界がある。しかも、インジェクタ2の燃料供給孔26は細長く全長が長いために加工工数が多く、コストアップをもたらす要因ともなっている。
【0011】
そこで、図7に示されているようにコマンドピストン24の軸部24aの外周回りに形成される空間、例えば低圧に保たれていたスプリング室30aを高圧燃料が流れる燃料通路36として用いて、ノズルニードル23の先端部に高圧燃料を導き、周壁に形成されていた燃料供給孔を廃止して、インジェクタ2の先端部の細径化が図れるようにした構造が提案されている(特開平1−290960号公報)。
【0012】
こうした構造は、ノズルニードル23の近くに高圧燃料を溜める容量の大きな空間(スプリング室30a)が形成されるので、燃料噴射時における噴射圧力の低下が抑制できる利点があるものの、ノズルニードル23とコマンドピストン24とが別体であると、スプリング室30aの燃料圧がノズルニードル23には下向きの力としてだけ作用するため、ノズルニードル23を引き上げることができない。
【0013】
そこで、特開平9−32681号公報に開示されているようにノズルニードルとコマンドピストンとをばね性を有する嵌合部材によって連結し、さらにコマンドピストンを挟む両側に燃料圧を導いて、ノズルニードルをコマンドピストンで引き上げるようにした構造が提案されている。
【0014】
ところが、同構造は、嵌合部材がもつばね性により、ノズルニードルとコマンドピストンとの両者間の芯ずれが許容できるものの、嵌合部材を用いてノズルニードルとコマンドピストンとを連結する作業が求められるために、部品点数の増加、インジェクタ2の組付工数の増加により、コストアップをもたらす問題がある。
【0015】
このコストアップの抑制、組付工数の低減の対策には、図7に示されているようにノズルニードル23とコマンドピストン24とを一体に形成することが望まれる。
【0016】
ところが、ノズルニードル23は、インジェクタ本体20の先端部(ノズルボディ22)において高精度の芯合わせの加工が求められ、コマンドピストン24はそれから離れたインジェクタ本体20の後端部においてコマンドピストンが同ピストンを挟む端部室を遮りながら変位するのを実現する高精度な芯合わせの加工が求められるので、ノズルニードル23とコマンドピストン24とを一体に形成すると、双方の芯合わせを満たす加工精度の確保が求められる都合上、非常に加工や組み付けが難しくなる。
【0017】
コストの低減は、この点を克服しなくしては進められないので、芯合わせの点を解消する技術が要望されている。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、コマンドピストンとノズルニードルとが一体で形成され、両者をつなぐ軸部外周回りの空間を燃料供給通路とした構造でありながら、ピストン外周面における高精度な芯合わせを必要とせずに、コマンドピストンで同ピストン両側の端部空間を遮ることができるインジェクタを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載のインジェクタは、ノズルニードルが一体に形成され、摺動路に収容されたコマンドピストンを有し、このコマンドピストンの外周面に筒状のシール部材摺動可能に外嵌し、摺動路の内周面全体とシール部材の外周面との間に、シール部材を外周面に設置したコマンドピストンを、径方向に拘束されないフリーな状態にするクリアランスを形成し、シール部材が、摺動路のノズルニードル側の端部室の燃料圧を受ける摺動路の後端側へスライドして、同シール部材の端面が摺動路の後端側の端部室の端面と密接するようにした。
【0019】
これにより、燃料噴射時は、シール部材が、コマンドピストンを挟むノズルニードル側の端部室の高圧な燃料圧を受けて、摺動路の後端側の端部室をなす端面と密接するまでスライドする。この密接によって、コマンドピストンを挟む高圧燃料で満たされる端部室と、燃料圧が逃げる端部室との両者が遮られ続けている間に、コマンドピストンが変位して、ノズルニードルを開弁させる。
【0020】
つまり、シール部材の採用により、コマンドピストン自身は、特に同ピストンを挟む端部空間の間をシールするために必要とされていた外周面における高精度な芯合わせ加工などが不要となる。
【0021】
それ故、ノズルニードルとコマンドピストンとが一体に形成され、両者間の軸部外周回りの空間に燃料供給通路を形成した構造でありながら、大幅に加工工数が削減されるようになり、大幅なコストの低減が図れる。
【0022】
請求項2に記載のインジェクタは、シール部材を、コマンドピストンの摺動路後端側の外周面にスライド可能に嵌挿し、クリアランスは、摺動路の内周面とシール部材の外周面との間に形成されシール部材を径方向が拘束されない状態にする第1のクリアランスと、摺動路の内周面とコマンドピストンのノズルニードル側の外周面との間に形成されコマンドピストンを径方向が拘束されない状態にしながら摺動路のノズルニードル側の端部室をシール部材の端面に臨ませる第2のクリアランスとを有して、芯合わせはニードルノズルだけですむようにした。
【0023】
請求項3に記載のインジェクタは、ノズルニードルが一体に形成され、摺動路に収容されたコマンドピストンの外周面に、摺動路の後端側の端部室の端面と密接するように付勢される筒状のシール部材が摺動可能に外嵌し、摺動路の内周面全体とシール部材の外周面との間に、シール部材を外周面に設置したコマンドピストンを、径方向に拘束されないフリーな状態にするクリアランスを形成した。
【0024】
これにより、常にシール部材の端面は、摺動路の後端側の端面と密接して、シール部材の周壁で、コマンドピストンを挟む高圧燃料で満たされる端部室と、燃料圧が逃げる端部室との両者が遮られるようになる。
【0025】
このために、コマンドピストン自身は、特に同ピストンを挟む端部空間の間をシールするために必要とされていた外周面における高精度な芯合わせ加工などが不要となる。
【0026】
それ故、ノズルニードルとコマンドピストンとが一体に形成され、両者間の軸部外周回りの空間に燃料供給通路を形成した構造でありながら、大幅に加工工数が削減されるようになり、大幅なコストの低減が図れる。
【0027】
請求項4に記載のインジェクタは、シール部材を、コマンドピストンの摺動路後端側の外周面にスライド可能に外嵌し、クリアランスは、摺動路の内周面とシール部材の外周面との間に形成されシール部材を径方向が拘束されない状態にする第1のクリアランスと、摺動路の内周面とコマンドピストンのノズルニードル側の外周面との間に形成されコマンドピストンを径方向が拘束されない状態する第2のクリアランスとを有して、芯合わせはニードルノズルだけですむようにした。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1および図2に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用した図5のディーゼルエンジン用コモンレール式燃料噴射装置に用いられるインジェクタ2の概略構成を示し、41はインジェクタ本体である。
【0029】
このインジェクタ本体41の下部側(先端側)には、筒形のノズルボディ42が形成してある。このノズルボディ42の先端中央から突き出たサック部43は、例えばシリンダヘッド下面44からシリンダ(図示しない)へ突き出て、サック部43の周壁に穿設されている複数の噴孔45を燃焼室(図示しない)に開口させている。
【0030】
ノズルボディ42の先端部内には、ノズルニードル46が上下方向に摺動自在に収容されている。具体的には、サック部43の上側のノズルボディ部分には筒形の嵌挿部42aが形成されていて、この嵌挿部42a内に、ノズルニードル46に形成されている2面幅を有した先端軸部47が摺動自在に嵌挿してある。そして、先端軸部47の先端の円錐部48が、噴孔45の上側に形成された円錐面状のシート面49と当接して、燃料が噴孔45から噴射されるのを防いでいる。
【0031】
インジェクタ本体41の上部側(後端側)には、上下方向に延びる摺動路50が形成してある。この摺動路50内にはコマンドピストン51が収められている。このコマンドピストン51は、ノズルニードル46と一体に形成してある。具体的には、ノズルニードル46、コマンドピストン51は、同ノズルニードル46、コマンドピストン51およびそれら両者をつなぐ軸部53を一体に成形した成形部品から形成してある。
【0032】
そして、コマンドピストン51を挟む摺動路両側の端部室のうち、ノズルニードル側の端部室を高圧燃料室55とし、摺動路50の上端側(後端側)の端部室を制御室56としている。
【0033】
また軸部53の外周回りのノズルボディ部分には、スプリング室57が形成されていて、このスプリング室57内にノズルニードル46を下方(先端側)へ付勢する圧縮スプリング58が収めてある。
【0034】
コモンレール(図に図示)につながる燃料通路59は、制御室56を構成する端面に開口していて、コモンレールからの高圧燃料を制御室56へ導けるようにしてある。
【0035】
燃料通路59は、同燃料通路59から分かれた通路60を介して、高圧燃料室55の周壁に開口してある。高圧燃料室55は、スプリング室57と連通させてあり、インジェクタ本体41の略中心軸に、高圧燃料室55とノズルニードル46の先端部(2面幅の軸部53で形成される通路)との間をむすぶ燃料供給通路61を形成して、インジェクタ2のノズル細径化を図っている。
【0036】
ここで、ノズルニードル46はコマンドピストン51と一体に形成されているから、ノズルニードル46には高圧燃料室55内の燃料圧がもたらす上向きの力が発生され、制御室56内の燃料圧がもたらす下向きの力と向き合う。そして、圧縮スプリング58のスプリング力など、上向きの力を上回る下向き力を利用して、ノズルニードル46の先端部をシート面49に圧接して、噴孔45から燃料が噴射されないようにしている。
【0037】
制御室56には、同制御室56の端面から燃料タンク(図示しない)へ至る燃料リーク路62が接続してある。この燃料リーク路62には例えば常閉形の電磁弁63が介装されていて、同電磁弁63を開けると(解放)、ノズルニードル46を閉止させていた制御室56内の圧力が燃料タンクへ逃げるようにしてある。なお、64a,64bは燃料通路59/燃料リーク路62に介装された流量制御用の絞りを示す。
【0038】
またコマンドピストン51の外周面には、本発明の要部となる円筒状のシール部材65が摺動可能に外嵌されている。
具体的には、シール部材65は、コマンドピストン51の制御室56側の外周面だけにスライド可能に嵌挿してある。このシール部材65を収める摺動路部分50aの内周面全体は、シール部材65の外周面からクリアランスL1 の距離、離した位置に形成してある。
【0039】
また露出するコマンドピストン51の高圧燃料室55側の外周面を収める摺動路部分50bは、コマンドピストン51の外周面からクリアランスL2 の距離、離した位置に形成してある。
【0040】
これにより、コマンドピストン51の軸芯は、クリアランスL1 ,L2 により、径方向に拘束されずに、ほぼフリーの状態となる。このコマンドピストン51をフリーとする構造により、ノズルニードル46/コマンドピストン51を一体成形した成形部品の組み付けが、ノズルニードル46の先端軸部47とノズルボディ42の嵌挿部42aとの精度、すなわちノズルニードル46の開弁/閉弁に求められる高い精度の芯合わせだけですませられるようにしている。
【0041】
また高圧燃料室55は、クリアランスL2 からシール部材65の端面に臨んでいて、電磁弁63が開けられ、制御室56内の圧力が燃料タンクヘ逃げると、高圧燃料室55からクリアランスL2 を通じてクリアランスL1 へ流入するようにしてある。この高圧燃料の流入により、シール部材65が制御室56の端面と密接するようスライドして、高圧燃料室55から高圧燃料が制御室56へ漏れるのを防ぎながら、ノズルニードル46を閉止させていたコマンドピストン51の圧力を逃がすようにしてある。
【0042】
すなわち、インジェクタ2の作用を説明すれば、電磁弁69が閉じているときは、コマンドピストン51を挟む高圧燃料室55/制御室56の双方は、コモンレールから圧送される高圧燃料で満たされ、ほぼ同じ力が加わるから、図2(b)に示されるようにシール部材65は中間位置に位置決められる。
【0043】
これにより、高圧燃料室55と制御室56とはクリランスL1 、L2 を通じて互いに連通する。
このとき、ノズルニードル46の先端部は、コマンドピストン51の上下方向から加わる燃料圧力、さらには圧縮スプリング58のスプリング力により、シート面49に押し付けられ、噴孔45を閉止させている(非燃料噴射時)。
【0044】
燃料噴射開始時期になり、電磁弁63が開くと、制御室56内の燃料圧力が燃料タンクへ逃げる。
すると、図2(a)に示されるように高圧燃料室55の高圧燃料がクリアランスL2 で形成される隙間(50b)からクリアランスL1 で形成される隙間(50a)へ流れ込み、シール部材65を制御室56側へスライドさせ、同シール部材65の端面を制御室56の端面に密接させる。
【0045】
ここで、シール部材65はコマンドピストン51を囲む筒形をなしているから、コマンドピストン51の上端側には、シール部材65の周壁で隔てられた制御室56が形成され、高圧燃料で満たされている高圧燃料室55との間を隔離していく。
【0046】
そして、このシール部材65によって、燃料圧が逃げる制御室56と高圧燃料が満たされている高圧燃料室55との両者を隔離し続けている間、すなわち高圧燃料室55から高圧燃料が制御室56へ流入するのを防いでいる間に、コマンドピストン51が押し上げられ、ノズルニードル46を開弁させて、高圧燃料を噴孔45から噴射させる。
【0047】
かくして、シール部材65の採用により、コマンドピストン自身は、特に同ピストンを挟む高圧燃料室55,制御室56間をシールするために必要とされていた外周面における高精度な芯合わせの加工などが不要となる。
【0048】
それ故、ノズルニードル46とコマンドピストン51とを一体に形成し、軸部53の外周回りに燃料供給通路61を形成した構造でありながら、大幅に部品の加工工数を削減することができ、大幅なコストの低減を図ることができる。
【0049】
特に、クリアランスL1 ,L2 により、シール部材65、コマンドピストン51を径方向から拘束されずに、高圧燃料室55からの燃料圧で、シール部材65を制御室56の端面に密接させるので、芯合わせはニードルノズル46だけでよく、芯合わせに必要な加工工数の削減から、一層、大幅なコストの低減が図れる。
【0050】
図3および図4は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態のように高圧燃料の流入でシール部材65を制御室56の端面に密接させたのではなく、図3および図4に示されるように付勢部材、例えばスプリング部材70によって、常に端面が制御室56の端面に密接するよう付勢する構造を採用して、高精度の芯合わせ加工を必要としない軸方向のシールで、高圧燃料室55と制御室56との間を遮るようにしたものである。
【0051】
こうした構造だと、燃料圧のリークに即座に応答してノズルニードル46が開弁するようになるので、応答性に優れる。
しかも、クリアランスL1 ,L2 により、シール部材64、コマンドピストン51を径方向から拘束されずにすむので、芯合わせはニードルノズル46側だけでよく、芯合わせに必要な加工工数を削減でき、一層、大幅なコストの低減が図れる。
なお、図3および図4において、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1〜4に記載の発明によれば、芯合わせはニードルノズル側だけですませることができ、ピストン外周面における高精度な芯合わせを必要とせずに、コマンドピストンが同ピストン両側の端部空間を遮ることができる。
【0053】
それ故、コマンドピストンとノズルニードルとが一体で形成され、両者をつなぐ軸部外周回りの空間を燃料供給通路とした構造でありながら、大幅に加工工数の削減化が図れ、大幅なコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインジェクタの概略構造を示す断面図。
【図2】同インジェクタの燃料噴射時/非燃料噴射時におけるシート部材の挙動を説明するための図。
【図3】本発明の第2の実施形態のインジェクタの概略構造を示す断面図。
【図4】同インジェクタのシート部材の挙動を説明するための図。
【図5】インジェクタに使用されているコモレール式燃料噴射装置を説明するための図。
【図6】従来のインジェクタの構造を説明するための断面図。
【図7】同じく異なるインジェクタの構造を説明するための断面図。
【符号の説明】
40…インジェクタ
41…インジェクタ本体
45…噴孔
46…ノズルニードル
50…摺動路
51…コマンドピストン
53…軸部
55…高圧燃料室(ノズルニードル側の端部室)
56…制御室(後端側の端部室)
57…スプリング室
58…圧縮スプリング
61…燃料供給通路
63…リーク路
65…筒状のシート部材
70…スプリング部材(付勢部材)
L1 …第1クリアランス
L2 …第2クリアランス。

Claims (4)

  1. インジェクタ本体の先端部に、噴孔を開閉するノズルニードルが摺動自在に収容され、後端側に前記ノズルニードルと一体に形成されたコマンドピストンが摺動自在に収容され、かつ前記噴孔へ燃料を導く燃料供給通路が、前記ノズルニードルとコマンドピストンの間をつなぐ軸部外周回りの空間を利用して、前記ノズルニードルの先端部から前記コマンドピストンを収める摺動路のノズルニードル側の端部室に渡り形成され、前記端部室とは反対の後端側の端部室に対する燃料圧の解放にしたがい前記ノズルニードルをリフトさせて前記噴孔から燃料を噴射させるインジェクタにおいて、
    前記コマンドピストンの外周面には筒状のシール部材が摺動可能に外嵌され、
    前記摺動路の内周面全体と前記シール部材の外周面との間には、前記シール部材を外周面に設置したコマンドピストンを、径方向に拘束されないフリーな状態にするクリアランスが形成され、
    前記シール部材が、前記摺動路のノズルニードル側の端部室の燃料圧を受ける前記摺動路の後端側へスライドして、同シール部材の端面が前記摺動路の後端側の端部室の端面と密接するよう構成されている
    ことを特徴とするインジェクタ。
  2. 前記シール部材は、前記コマンドピストンの前記摺動路後端側の外周面にスライド可能に嵌挿され、
    前記クリアランスは、前記摺動路の内周面と前記シール部材の外周面との間に形成され前記シール部材を径方向が拘束されない状態にする第1のクリアランスと、前記摺動路の内周面と前記コマンドピストンのノズルニードル側の外周面との間に形成され前記コマンドピストンを径方向が拘束されない状態にしながら前記摺動路のノズルニードル側の端部室を前記シール部材の端面に臨ませる第2のクリアランスとを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ。
  3. インジェクタ本体の先端部に、噴孔を開閉するノズルニードルが摺動自在に収容され、後端側に前記ノズルニードルと一体に形成されたコマンドピストンが摺動自在に収容され、かつ前記噴孔へ燃料を導く燃料供給通路が、前記ノズルニードルとコマンドピストンの間をつなぐ軸部外周回りの空間を利用して、前記ノズルニードルの先端部から前記コマンドピストンを収める摺動路のノズルニードル側の端部室に渡り形成され、前記端部室とは反対の後端側の端部室に対する燃料圧の解放にしたがい前記ノズルニードルをリフトさせて前記噴孔から燃料を噴射させるインジェクタにおいて、
    前記コマンドピストンの外周面には、前記摺動路の後端側の端部室の端面と密接するように付勢される筒状のシール部材が摺動可能に外嵌され、
    前記摺動路の内周面全体と前記シール部材の外周面との間には、前記シール部材を外周面に設置したコマンドピストンを、径方向に拘束されないフリーな状態にするクリアランスが形成される
    ことを特徴とするインジェクタ。
  4. 前記シール部材は、前記コマンドピストンの前記摺動路後端側の外周面にスライド可能に嵌挿され、
    前記クリアランスは、前記摺動路の内周面と前記シール部材の外周面との間に形成され前記シール部材を径方向が拘束されない状態にする第1のクリアランスと、前記摺動路の内周面と前記コマンドピストンのノズルニードル側の外周面との間に形成され前記コマンドピストンを径方向が拘束されない状態にする第2のクリアランスとを有し、
    前記シール部材が摺動路に収めた付勢部材で前記摺動路後端側に付勢される
    ことを特徴とする請求項3に記載のインジェクタ。
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