JP3864013B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 Download PDF

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
オレフィン重合用触媒としては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴がある。このようなカミンスキー触媒に用いられる遷移金属化合物としては、たとえばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭58ー19309号公報参照)や、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報参照)などが知られている。また重合に用いる遷移金属化合物が異なると、オレフィン重合活性や得られたポリオレフィンの性状が大きく異なることも知られている。さらに最近新しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子を持った遷移金属化合物(国際公開特許第9623010号参照)が提案されている。
【0003】
ところでポリオレフィンは、一般に機械的特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分野に用いられているが、近年ポリオレフィンに対する物性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィンが望まれている。また生産性の向上も望まれている。
【0004】
このような状況のもとオレフィン重合活性に優れ、しかも優れた性状を有するポリオレフィンを製造しうるようなオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法の出現が望まれている。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、オレフィン重合活性を発揮する新たなオレフィン重合用触媒成分および該触媒成分を含んでなるオレフィン重合用触媒を用いるオレフィンの重合方法を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン重合用触媒、下記一般式(I-b で表されるオレフィン重合用触媒成分と、(B-1a) 一般式 a m Al(OR b n p q (式中、R a およびR b は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、 (B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および (B-3) 上記オレフィン重合用触媒成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなることを特徴としている
【0011】
【化7】
Figure 0003864013
【0012】
(式中、Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる遷移金属原子を示し、
mは、1〜6の整数を示し、
Aは11 を置換基に有する窒素原子を示し、
1 〜R8 およびR11 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基またはシリル基を示し、
1 〜R8 およびR11 で示される基のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
mが2以上である場合、A、R1 〜R8 およびR11 は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またA同士、R1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士およびR11 同士は互いに連結されていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基またはシリル基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0016】
本発明に係るオレフィンの重合方法は、前記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合することを特徴としている。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
【0018】
本発明に係るオレフィン重合用触媒成分は、下記一般式(I-a)または下記一般式(II-a)のいずれかで表される化合物と、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を含む金属化合物とを反応させることにより得られる。
【0019】
まず、一般式(I-a)または(II-a)で表される化合物について順次説明する。
【0020】
【化9】
Figure 0003864013
【0021】
(式中、Aは、酸素原子もしくはイオウ原子であるか、またはR11を置換基に有する窒素原子を示し、
1 〜R8 およびR11は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、R1 〜R8 およびR11で示される基のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
【0022】
【化10】
Figure 0003864013
【0023】
(式中、Aは、酸素原子もしくはイオウ原子であるか、または置換基R12を有する窒素原子を示し、
1 〜R9 およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、
1 〜R9 およびR12で示される基のうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)
上記のような式(I-a)または(II-a)についてさらに詳細に説明する。
【0024】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、シクロヘキセニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20のシクロアルキル基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30のシクロペンタジエニル骨格を有する炭化水素基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェ ニルなどのアルキルアリール基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;などが挙げられる。
【0025】
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、このような炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
【0026】
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含イオウ化合物など残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
【0027】
酸素含有基としては、ヒドロキシ基;カルボニル基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;ホルミル、アセチル、ベンゾイル、p-クロロベンゾイル、p-メトキシベンソイルなどのアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどエステル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
窒素含有基としては、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基;アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどのなどアミド基;アセトイミド、ベンズイミドなどが、イミノ基としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどのイミノ基などが挙げられる。
【0029】
ホウ素含有基としては、−BR’R''(ただしR’およびR''は、互いに同一でも異なっていてもよく、上記炭化水素基または酸素含有基を示し、またR’およびR''は互いに連結して環を形成してもよい)が挙げられる。
【0030】
イオウ含有基としては、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;メチルチオ、エチルチオなどのアルキルチオ基;フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナルチルチオなどのアリールチオ基;アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどのチオエステル基;スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどのスルホンエステル基;フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンス ルホンアミドなどスルホンアミド基などが挙げられる。
【0031】
リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基;ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる。
【0032】
ケイ素含有基としては、シリル基;シロキシ基;メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、ジフェニルメチルシリル、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシロキシなどの炭化水素置換シロキシ基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
【0033】
これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましく、特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。
【0034】
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
1 〜R9 、R11およびR12としては、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基が好ましい。
【0035】
上記のようなR1 〜R9 、R11およびR12で示される基は、これらのうちの2個以上が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
【0036】
以下に、上記一般式(I-a)および(I-b)で表される化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(I-a)で表わされる化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0037】
【化11】
Figure 0003864013
【0038】
一般式(II-a)で表わされる化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化12】
Figure 0003864013
【0040】
上記一般式(I-a)または(I-b)で表される化合物と反応させる周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を含む金属化合物は、下記一般式(VII)で表される。
【0041】
MXk …(VII)
式中、Mは、周期表第3〜11族(第3族にはランタノイドも含まれる)から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウムなどである。これらのなかでは第3〜7族の遷移金属が好ましく、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0042】
kは、遷移金属原子Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜6の整数である。すなわち2価金属ではk=2、3価金属ではk=3、4価金属ではk=4、5価金属ではk=5、6価金属ではk=6である。例えばTi(IV)の場合k=4、Ti(III)の場合k=3などとなる。
【0043】
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
【0044】
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基としては、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
【0045】
また、ヘテロ環式化合物残基としては、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸素含有基としてはヒドロキシ基;カルボニル基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;ホルミル、アセチル、ベンゾイル、p-クロロベンゾイル、p-メトキシベンソイルなどのアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカッルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどエステル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
窒素含有基として具体的には、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホウ素含有基として具体的には、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
イオウ含有基としては、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ハロゲン含有基として具体的には、PF6 、BF4 などのフッ素含有基、ClO4 、SbCl6 などの塩素含有基、IO4 などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
アルミニウム含有基として具体的には、AlR4 (Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
ケイ素含有基として具体的には、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
スズ含有基としては、前記一般式(I-a)のR1 〜R8 で例示したものと同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中では、ハロゲン原子、アルキル基が好ましく、さらには塩素、臭素、メチル基が好ましい。
【0052】
なお、kが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。前記一般式(VII)で表される金属化合物の具体例としては、TiCl3 、TiCl4 、TiBr3 、TiBr4 、Ti(CH2 65 4 、Ti(N(i- Pr)3 4 、ZrCl4 、ZrBr4、Zr(CH2 65 4 、Zr(N(i-Pr)3 4 、HfBr4 、HfCl4 、VCl4 、VCl6 、VBr4 、VBr5 、NbCl5 、NbBr5 、TaCl5 、TaBr4 、Ti(acac)4 、Ti(acac)3 、FeCl2 、FeCl3 、FeBr2 、FeBr3 、CoCl2 、CoCl3 、CoBr2 、CoBr3 、RhCl2 、RhCl3 、RhBr2 、RhBr3 および、これらとTHF(テトラヒドロフラン)、アセトニトリル、ジエチルエーテルなどとの錯体などが挙げられる。
【0053】
上記一般式(I-a)または(I-b)のいずれかで表される化合物(以下「配位子化合物」ということがある。)と、上記周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を含む金属化合物(以下「金属化合物」ということがある。)とを反応させる方法として具体的には、例えば溶媒に溶解した配位子化合物と、金属化合物とを直接反応させる方法、配位子化合物に必要に応じて塩基を接触させてた後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温下混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、1時間から24時間程度攪拌する方法などがある。
【0054】
上記方法で用いられる溶媒としては、エーテル、テトラヒドロフランなどの極性溶媒;トルエンなどの炭化水素溶媒が好ましいが、この限りではない。
塩基としては、n-ブチルリチウムなどのリチウム塩;水素化ナトリウムなどのナトリウム塩;ピリジン、トリエチルアミンなどの含窒素化合物などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0055】
本発明でオレフィン重合用触媒成分として用いられる遷移金属化合物は、上述のように配位子を形成する化合物(配位子化合物)と金属化合物とを反応させることにより合成することができるが、以下より具体的に説明する。
【0056】
たとえば下記のような配位子化合物の場合、以下のような方法で合成できる。 1,8-ジアミノナフタレン類化合物の片方のアミノ基を溶媒中でアルキル化、シリル化などした後、1級アミン類もしくは窒素部が無置換のアニリン類をこの溶媒に溶解または直接混合し、室温から還流条件で1〜48時間程度反応させることによって対応するアミノ基含有イミン化合物が合成できる。ここで用いられる溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール等のアルコール溶媒あるいはトルエン等の炭化水素溶媒を用いることができる。この時、蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いてもよい。反応中、ディーンシュタークを用いて系内の水を除くことは反応進行に効果的である。脱水剤としてモレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等を用いることもできる。
【0057】
8-アミノ-α-ナフトール類化合物と1級アミン類もしくは窒素部が無置換のアニリン類とを用い、上記と同様のイミノ反応を行うことによって、対応するヒドロキシ基含有イミン化合物が合成できる。
【0058】
8-アミノ-α-ナフトチオール類化合物と1級アミン類もしくは窒素部が無置換のアニリン類とを用い、上記と同様のイミノ反応を行うことによって、対応するチオール基含有イミン化合物が合成できる。
【0059】
次に、こうして得られた配位子を遷移金属M含有化合物と反応させると、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させて塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間攪拌する。溶媒としては、このような反応に普通のものを使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒などが好ましく使用される。また、塩を調製する際に使用する塩基としては、n-ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0060】
また、化合物の性質によっては、塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。
さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。
【0061】
このようにすると、下記一般式(I-b)または(II-b)で表わされる化合物が主として生成する。
また本発明に係る好ましいオレフィン重合用触媒成分は、下記式(I-b)または(II-b)で表わされる遷移金属化合物からなっている。なおこのような遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒成分は、たとえば、上記のような一般式(I-a)または(II-a)と、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を含む金属化合物とを反応させることにより得られるが、他の方法によって調製することもできる。
【0062】
一般式(I-b)
【0063】
【化13】
Figure 0003864013
【0064】
(式中、Mは、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、
mは、1〜6の整数を示し、
Aは、酸素原子もしくはイオウ原子であるか、またはR11を置換基に有する窒素原子を示し、
1 〜R8 およびR11は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、
1 〜R8 およびR11で示される基のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
mが2以上である場合、A、R1 〜R8 およびR11は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またA同士、R1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士およびR11同士は互いに連結されていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
上記式中、M、A、R1 〜R8 およびR11、Xは上記と同様である。
【0065】
より具体的には、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウムなどであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。これらのなかでは特に、Ti(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)が好ましい。
【0066】
Xは、Cl、Brなどのハロゲン、もしくはメチルなどのアルキル基を示すが、これらに限定されるものではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じであっても、異なっていてもよい。
【0067】
nは金属Mの価数により決定される。たとえば、2個のモノアニオン種が金属に結合している場合、2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属ではn=2、5価金属ではn=3になる。金属がTi(IV)の場合は、n=2となり、Zr(IV)の場合は、n=2となり、Hf(IV)の場合は、n=2となる。
【0068】
以下の化合物例示中、Meはメチル基、Etはエチル基、iPrはi-プロピル基、tBtはtert-ブチル基、Phはフェニル基を示す。
また特にMがTi、XがCl、n=2である場合について示す。MがTiにかえて、ZrまたはHfである場合も同様に例示できる。
【0069】
【化14】
Figure 0003864013
【0070】
【化15】
Figure 0003864013
【0071】
一般式(II-b)
【0072】
【化16】
Figure 0003864013
【0073】
(式中、Mは、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、
mは、1〜6の整数を示し、
Aは、酸素原子もしくはイオウ原子であるか、またはR12を置換基に有する窒素原子を示し、
1 〜R9 およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、
1 〜R9 およびR12で示される基のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
mが2以上である場合、A、R1 〜R9 およびR12は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またA同士、R1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士、R9 同士、R12同士は互いに連結されていてもよい、
nはMの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
上記式中、M、A、R1 〜R9 およびR12、Xは上記と同様である。
【0074】
より具体的には、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、さらに好ましくは鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムである。これらのなかでは特に、Ti(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)が好ましい。
【0075】
Xは、Cl、Brなどのハロゲン、もしくはメチルなどのアルキル基を示すが、これらに限定されるものではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じであっても、異なっていても良い。
【0076】
nは金属Mの価数により決定される。たとえば、2座配位子が金属に配位している場合、2価金属ではn=2、3価金属ではn=3、4価金属ではn=4、5価金属ではn=5である。たとえば、金属MがTi(IV)ではn=4、Zr(IV)ではn=4、Hf(IV)ではn=4、Co(II)ではn=2、Fe(II)ではn=2、Rh(III)ではn=2、Ni(II)ではn=2、Pd(II)ではn=2となる。
【0077】
このような一般式(I-b)で表わされる遷移金属化合物の具体例を、以下に示す。そして特にMがTi、n=4である場合について示す。MがTiにかえて、ZrまたはHfである場合にも同様に例示できる。
【0078】
【化17】
Figure 0003864013
【0079】
【化18】
Figure 0003864013
【0080】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
(A)上記一般式(I-a)または(I-b)で表わされる化合物と、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を含む金属化合物とを反応させることにより得られるオレフィン重合用触媒成分と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)上記オレフィン重合用触媒成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物
とからなっている。
【0081】
また本発明に係る好ましいオレフィン重合用触媒は、
(A)上記一般式(II-a)または(II-b)で表わされる遷移金属化合物(A)と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)上記オレフィン重合用触媒成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物
とからなっている。
【0082】
次に、本発明で用いられる (B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物および(B-3)オレフィン重合用触媒(A)と反応してイオン対を形成する化合物について説明する。
【0083】
本発明で必要に応じて用いられる(B-1)有機金属化合物として、具体的には下記のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
【0084】
(B-1a) 一般式 Ra mAl(ORb)n pq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0085】
(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
【0086】
(B-1c) 一般式 Ra b 3
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdである。)
で表される周期表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
【0087】
前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物などを例示できる。
一般式 Ra m Al(ORb)3-m
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlX3-m(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlH3-m(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m Al(ORb )n q
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
【0088】
(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ tert-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチルヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
(i-C49)x Aly(C510)z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
a 2.5Al(ORb0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0089】
また(B-1a)に類似する化合物も使用することができ、たとえば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、
(C25)2AlN(C25)Al(C25)2 などを挙げることができる。
【0090】
前記(B-1b)に属する化合物としては、
LiAl(C25)4、LiAl(C715)4 などを挙げることができる。
またその他にも、(B-1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
【0091】
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
【0092】
(B-1)有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記のような(B-1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0093】
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で必要に応じて用いられる(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0094】
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0095】
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0096】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0097】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0098】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0099】
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
【0100】
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(VIII)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
【0101】
【化19】
Figure 0003864013
【0102】
式中、R1 は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
【0103】
前記一般式(VIII)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IX)で表されるアルキルボロン酸と
1 −B−(OH)2 …(IX)
(式中、R1 は前記と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
【0104】
前記一般式(IX)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-プロピルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5-ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0105】
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0106】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0107】
上記のような(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
(B-3) 上記オレフィン重合用触媒成分と反応してイオン対を形成する化合物
本発明で用いられる遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0108】
具体的には、ルイス酸としては、BR3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0109】
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式(X)で表される化合物が挙げられる。
【0110】
【化20】
Figure 0003864013
【0111】
式中、R7 としては、H+ 、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
【0112】
3 〜R6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
【0113】
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0114】
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
【0115】
7 としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0116】
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
【0117】
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0118】
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0119】
ジアルキルアンモニウム塩として具体的にはは、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0120】
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(XI)または(XII)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
【0121】
【化21】
Figure 0003864013
【0122】
(式中、Etはエチル基を示す。)
【0123】
【化22】
Figure 0003864013
【0124】
ボラン化合物として具体的には、たとえば
デカボラン(14);
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0125】
カルボラン化合物として具体的には、たとえば
4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチルシリル-1-カルバデカ ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6-ジ ブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボ レート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アン モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカ ルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸 塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)ア ンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)マンガ ン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0126】
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素およびスズから選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等との有機塩が使用できるが、この限りではない。
【0127】
上記のような(B-3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記のような遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒(A)、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて後述するような担体(C)を用いることもできる。
【0128】
(C)担体
本発明で用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0129】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al23、SiO2-TiO2 、SiO2-V25 、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが好ましい。
【0130】
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2 、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支ない。
【0131】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0132】
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0133】
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0134】
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
【0135】
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)2・H2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H2O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ−Zr(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
【0136】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
【0137】
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0138】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+ などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0139】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0140】
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0141】
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびびそれらの変成体を例示することができる。
【0142】
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
【0143】
上記(1)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
また、上記の担体(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
【0144】
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
【0145】
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0146】
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。
【0147】
成分(B-1)は、成分(B-1)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1)/M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜5000 0となるような量で用いられる。成分(B-2)は、成分(B-2)中のアルミニウム原子と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。成分(B-3)は、成分(B-3)と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0148】
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0149】
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する成分(B)の違いにより調節することもできる。
【0150】
このようなオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;
炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン;
極性モノマー、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸 tert-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジル類、塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン含有オレフィン類などを挙げることができる。
【0151】
また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;
7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8- デカトリエン;
さらに芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および
3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α- メチルスチレンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0152】
また本発明では、α−オレフィンと極性モノマーの共重合を行なうこともできる。
【0153】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、オレフィンに対して高い重合活性を有する。
【0154】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0155】
【実施例1】
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相および気相をエチレンで飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、下記化合物1を0.005mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で60分間反応させた後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した後、ポリエチレンを得た。
【0156】
【化23】
Figure 0003864013

Claims (2)

  1. (A)下記式(I-b)で表わされる遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒成分と、
    (B)(B-1a) 一般式 a m Al(OR b ) n p q
    (式中、R a およびR b は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
    (B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
    (B-3)上記オレフィン重合用触媒成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物
    から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    Figure 0003864013
    (式中、Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる遷移金属原子を示し、
    mは、1〜6の整数を示し、
    Aは11 を置換基に有する窒素原子を示し、
    1 〜R8 およびR11 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子炭化水素基
    、ヘテロ環式化合物残基またはシリル基を示し、
    1 〜R8 およびR11 で示される基のうちの2個以上が互いに連結して環を形成してい
    てもよく、
    mが2以上である場合、A、R1 〜R8 およびR11 は、それぞれ互いに同一でも異なっ
    ていてもよく、またA同士、R1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士およびR11 同士は互いに連結されていてもよく、
    nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基またはシリル基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は
    互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 請求項に記載のオレフィン重合用触媒存在下にオレフィンを重合または共重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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