JP3863629B2 - ズーム機能付カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズーム機能付カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
写真用カメラは、プロフェッショナルユースに対応した高級機種とファミリーユースに対応した普及機種とに大きく分けられ、後者では特に持ち運びの容易性(携帯性)が重視されることから、コンパクト化に急速に進展し、その結果、現在では一般的にコンパクトカメラと呼ばれるようになっている。
最近では、コンパクトカメラにズーム機能を備えることも特に珍しいことではなくなっている。ズーム機能付コンパクトカメラで望遠撮影をする際には、レンズの鏡筒をカメラボディから大きく突出させて焦点距離を長く取らねばならないが、それでも、カメラの非使用時にはその鏡筒をカメラボディ内に完全に没入させて収納できるようにして、良好な携帯性が得られるようにしたものが喜ばれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような構造のコンパクトカメラのうちに、レンズフードを装備したものは殆ど見られない。周知のごとくレンズフードは、逆光時等に画角外からの強烈な光がレンズに入射し、鏡筒内で反射してフレアーを発生させて画質が低下するのを防止するためのものであり、これがコンパクトカメラにとっても有用なものであることはいうまでもない。
例えば一眼レフカメラに装着するズームレンズでは、そのレンズに備え付けられ、いちいち着脱したりしない内蔵レンズフードが使用されている。即ち、レンズの鏡筒の最前部の外周に円筒形のレンズフードを嵌合して装備してあり、このレンズフードを手動操作によって使用時には引き出して前方へ突出させ、非使用時には後方へ押し込んで邪魔にならないようにしている。
ところが、レンズの鏡筒をカメラボディ内に完全に没入させて収納できるようにしたコンパクトカメラの場合には、これと同じ構造を採用することは甚だ困難であり、また、内蔵式でない別体のレンズフードをバヨネット式またはネジ式の結合構造でレンズの前端に結合するようにしたのでは、そのレンズフードを持ち運ばねばならないためにコンパクトカメラの命ともいうべき携帯性が損なわれてしまう。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、レンズの鏡筒をカメラボディ内に完全に没入させて収納できるようにしたズーム機能付コンパクトカメラ等のように、これまで内蔵レンズフードを装備することが困難であったカメラにも、内蔵レンズフードを好適に装備し得るようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、光軸方向に進退してカメラボディに出没する第1鏡筒部材と、ズームレンズの最前部のレンズ群を支持し光軸方向に進退して前記第1鏡筒部材に出没する第2鏡筒部材とを有するズーム機能付カメラにおいて、前記第1鏡筒部材を、後端において互いに連結した外筒部と内筒部とを有する二重筒構造に形成することで、それら外筒部と内筒部との間に前方が開放し後方が閉塞した環状空間を画成し、前記第2鏡筒部材を、前記最前部のレンズ群を支持するレンズ支持部と、前端が該レンズ支持部に連結し後方へ延出する円筒部とを有する構造に形成し、前記円筒部の外周の前端と後端にそれぞれ前端側外方フランジと後端側外方フランジを設け、前記第2鏡筒部材の円筒部の外周に略々円筒形のレンズフードを光軸方向に移動可能に嵌合して装備し、前記レンズフードの内周の後端に、前記前端側外方フランジおよび後端側外方フランジの双方に当接可能な内方フランジを設け、前記第2鏡筒部材が光軸方向に進退する際に、該第2鏡筒部材の円筒部及び前記レンズフードが前記第1鏡筒部材の前記環状空間に出没するようにし、前記第2鏡筒部材および前記レンズフードが前記環状空間に収容された状態で前記レンズフードの前記内方フランジが前記第2鏡筒部材の後端側外方フランジに当接することで前記光軸方向において前記レンズフードの前端と前記第2鏡筒部材の前記円筒部の前端とがほぼ同じ位置に位置していることを特徴とする。
また、本発明は、前記レンズフードを前記第2鏡筒部材上の最後方まで後退させ、該第2鏡筒部材を前記第1鏡筒部材に対して最後方まで後退させたときに、該第2鏡筒部材の円筒部及び該レンズフードが前記第1鏡筒部材の前記環状空間内に略々完全に収容されることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1鏡筒部材を前記カメラボディに対して最後方まで後退させたときに、該第1鏡筒部材が該カメラボディ内に略々完全に収容されることを特徴とする。
また、本発明は、前記第2鏡筒部材が、その後端の外周面及び内周面が夫々前記第1鏡筒部材の内筒部の外周面及び外筒部の内周面に対して極めて小さな隙間をもって対向しており、それによって遮光性を得ていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1鏡筒部材が、ズーム機構のカムリングとして構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記カメラが、レンズシャッタを備えたコンパクトカメラであることを特徴とする。
また、本発明は、前記レンズフードが、前記第2鏡筒部材に対して所定の摩擦抵抗をもって摺動可能に嵌合していることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかるズーム機能付カメラの非使用状態(鏡筒収納時の状態)を示した上半断面図、図2は同カメラのレンズがワイド端位置にある状態を示した上半断面図、図3は同カメラのレンズがテレ端位置にある状態を示した上半断面図、図4は同カメラの分解斜視図、図5はカメラの斜視図である。
図5に示すように、カメラ1は、レンズの鏡筒2をカメラボディ3内に完全に没入させて収納できるようにした、レンズシャッタを備えたコンパクトカメラである。カメラボディ3の前面には左右方向にスライド可能にスライドバリア4が組み付けられ、カメラボディ3の上面にはレリーズボタン5、ワイドスイッチボタン6、テレスイッチボタン7が設けられている。
カメラを使用しないときには、スライドバリア4でカメラボディ3の前面のレンズ付近を覆っておくことでレンズを保護することができ、このとき鏡筒2はカメラボディ3内に完全に没入した状態にある。
カメラを使用するときには、スライドバリア4を側方へスライドさせれば、不図示のスイッチが閉成することで後述するズームモータが駆動され、鏡筒2が突出しワイド端状態となり、図5はこの状態を示している。
鏡筒2は、図1〜図4に示すように、第1鏡筒部材12や第2鏡筒部材16等からなり、図中、L1はズームレンズの前群レンズ、L2は後群レンズ、10はレンズフードを示す。
第1鏡筒部材12はレンズの光軸方向に進退してカメラボディ3に出没するようにしてあり、また、第2鏡筒部材16は、ズームレンズの最前部のレンズ群である前群レンズL1を支持し光軸方向に進退して第1鏡筒部材12に出没するようにしてある。
尚、実施例では、第1鏡筒部材12はズーム機構のカムリング(駆動リング)として構成されているため、以下の説明では第1鏡筒部材12をカムリングと称し、また、第2鏡筒部材16はレンズの鏡筒のうちの先端部分を画成するものであるため、第2鏡筒部材16を先端鏡筒部材と称する。
【0006】
カメラのズーム機構は、カムリング12及び先端鏡筒部材16を光軸方向に進退させるための移動機構を含んでおり、先ずその移動機構について説明する。
図1〜図4において、カメラボディ3に固定される固定環11は、略々円筒形の部材であり、その内面に、雌ヘリコイド11aと、その円筒形の軸心方向(光軸方向)に延在する一対の直進案内溝11bとが形成されている。
カムリング12は、固定環11内に嵌合される略々円筒形の部材であり、その後端部の外面に雄ヘリコイド12aが形成され、この雄ヘリコイド12aが固定環11の雌ヘリコイド11aと螺合している。
カムリング12には更に、その雄ヘリコイド12aの一部を切除して螺旋状にギヤ部12bが形成されており、このギヤ部12bは、固定環11に回転自在に支持されたズーム駆動ギヤ13と噛合している。
ズーム駆動ギヤ13は図示しないズームモータによって回転させられる。このズーム駆動ギヤ13がカムリング12を回転駆動すると、カムリング12は雄ヘリコイド12a及び雌ヘリコイド11aによって案内されて、回転しつつ、その回転方向に応じて光軸方向に前進または後退する。
【0007】
カムリング12は、外筒部12Aと内筒部12Bとを有する二重筒構造に形成されている。外筒部12Aと内筒部12Bとは後端において環状の遮光壁12Cを介して互いに連結しており、それら外筒部12Aと内筒部12Bとの間に、前方が開放し後方が閉塞した環状空間RSが画成されている。
内筒部12Bの内面には、前群レンズL1を進退させるための3本一組の螺旋状のカム溝(第1カム溝)12dと、後群レンズL2を進退させるための別の3本一組の螺旋状のカム溝(第2カム溝)12eとが形成されている。
【0008】
カムリング12内に、略々円筒形の直進案内環14が嵌合しており、この直進案内環14は、その後端が小ネジを介して直進案内板15の前面に固定されている。これらの直進案内環14と直進案内板15とが一体となって、直進案内部材14、15が構成されている。
直進案内板15に形成した一対の径方向突起15aが前述の固定環11の内面の一対の直進案内溝11bと係合しているため、直進案内部材14、15は光軸方向の移動が可能で、光軸を中心とした回転が不能となっている。
直進案内環14には光軸方向に延在する6本の直進案内溝14aが形成されており、それら直進案内溝14aの役割については後述する。
直進案内環14の後端の外周には小さな小径部が形成されており、この小径部と直進案内板5の前面とで周溝が画成されている。
カムリング12の後端に形成した内方フランジ12fがこの周溝に遊嵌しており、それによって、カムリング12と直進案内部材14、15とは相対回転が可能で、光軸方向の進退に関しては一体に移動するようになっている。
従って、カムリング12が、ズーム駆動ギヤ13に駆動されて回転しつつ光軸方向に進退するときには、直進案内部材14、15もカムリング12と共に光軸方向に進退するが、ただしその際に、直進案内部材14、15は回転せず、そのため直進案内環14の直進案内溝14aは、光軸回りの角度位置が常に一定に維持されている。
【0009】
先端鏡筒部材16は、前群レンズL1を支持する部材であり、光軸に対して垂直な先端の環状壁部16aと、環状壁部16aの外周縁から後方へ延出する円筒部16bと、環状壁部16aの内周縁から後方へ光軸に平行に延出する3本の平板状腕部16cと、それら平板状腕部16cの後端近傍に連結した光軸に対して垂直なリング状板部16dとを有する。
3本の平板状腕部16cは、直進案内部材14、15の6本の直進案内溝14aのうちの、1本おきの3本の直進案内溝に嵌合しており、また各々の平板状腕部16cの後端に設けたカムフォロワピン16eが、カムリング12の内筒部12Bの内面に形成した前述の螺旋状の第1カム溝12dに係合している。
そのためカムリング12が回転したならば、先端鏡筒部材16は、支持している前群レンズL1と共に、そのカムリング12の回転方向に応じて、直進案内溝14aに案内されて光軸方向に前進または後退する。
【0010】
前群レンズL1は、略々環状のユニットハウジング18aと、このユニットハウジング18aの内周部に、このユニットハウジング18aに対して相対的に光軸方向に移動可能に取り付けられた組合せレンズ18bとを有する。
ユニットハウジング18aには更に、レンズシャッタ機構18cと、合焦制御機構の制御の下に被写体距離に応じて組合せレンズ18aをユニットハウジング18に対して前後動させるための不図示の合焦機構とが装備されている。
前群レンズL1は、小ネジを介して先端鏡筒部材16のリング状板部16dに固定されることによって先端鏡筒部材16に支持されている。従って先端鏡筒部材16のうち、先端の環状壁部16a、3本の平板状腕部16c、それにリング状板部16dによって、前群レンズL1を支持するレンズ支持部が構成されており、前述の円筒部16bは、前端がこのレンズ支持部に連結し後方へ延出している。
【0011】
後群レンズL2は、環状の可動レンズ枠17aと、この可動レンズ枠17aの内周部に固定された組合せレンズ17bとを有する。
可動レンズ枠17aの外周には、一旦径方向外方に突出してそこから前方へ光軸に平行に延出する3本の平板状腕部17cが形成されている。
それら3本の平板状腕部17cは直進案内部材14、15の6本の直進案内溝14aのうちの、先端鏡筒部材16の平板状腕部16cが係合していない残りの3本の直進案内溝に嵌合しており、また各々の平板状腕部17cの後端に設けたカムフォロワピン17dが、カムリング12の内筒部12Bの内面に形成した前述の螺旋状の第2カム溝12eに係合している。
そのため、カムリング12が回転したならば、後群レンズL2は、そのカムリング12の回転方向に応じて、直進案内溝14aに案内されて光軸方向に前進または後退する。
【0012】
レンズフード10は、後端に内方フランジ10aを形成した略々円筒形の部材であり、先端鏡筒部材16の外周に嵌合させてある。レンズフード10は、手動で先端鏡筒部材16に対して相対的に光軸方向に移動させることができる。尚、内方フランジ10aの先端鏡筒部材16との摺接面には植毛加工が施されており、レンズフード10は、先端鏡筒部材16に対してある程度の摩擦抵抗を有して摺動する。
先端鏡筒部材16の外周には、その前端と後端に夫々、外方フランジ16fと16gとが形成されている。これら外方フランジ16f、16gはストッパとして機能し、レンズフード10の内方フランジ10aと当接することによってレンズフード10が先端鏡筒部材16から外れないようにしており、従ってレンズフード10はこのカメラに、内蔵レンズフードとして装備されている。
レンズフード10を先端鏡筒部材16の外周に嵌合するためには、予めレンズフード10を縦二つ割りの2個の部材に形成しておき、それら部材を互いに結合することで嵌合するようにしてもよく、また、レンズフード10を伸縮性を有するプラスチックで形成しておき、先端鏡筒部材16の前方から圧入して内方フランジ10aが外方フランジ16fを乗り越えるようにしてもよい。更に、2つの外方フランジ16f、16gのうちの一方を、先端鏡筒部材16の本体とは別体の部材としておき、レンズフード10を先端鏡筒部材16の外周に嵌合させた後にその別体の部材を本体に取り付けるようにしてもよい。
【0013】
先端鏡筒部材16の後端の外方フランジ16gは、ストッパとしての機能の他に、カムリング12と先端鏡筒部材16との間の隙間からカメラ内に有害光が入るのを防止する遮光部材としての機能も果たしている。
即ち、この外方フランジ16gを適切な高さに形成することによって、先端鏡筒部材16の後端の外周面及び内周面が夫々カムリング12の外筒部12Aの内周面及び内筒部12Bの外周面に対して、極めて小さな隙間をもって対向するようにしてある。
これによって迷路効果が得られるため、カムリング12と先端鏡筒部材16との間に、それらの一方に固定され他方にかなりの摩擦力をもって摺接する紙製、フェルト製、布製、ないしプラスチック製の環状遮光部材を使用することなく充分な遮光性が確保される。
この遮光構造によれば、摩擦力の働く遮光部材を使用しないことからカムリング12と先端鏡筒部材16との間の摩擦が殆どゼロとなり、ズームモータ及び電池の容量が小さなもので済むため、カメラのコンパクト化に大いに資することができる。
【0014】
次に、以上に説明した実施の形態にかかるズーム機能付カメラの動作について説明する。
カメラの非使用時には、レンズフード10を手で押し込んで先端鏡筒部材16上の最後方まで後退させておき、スライドバリア4をカメラボディ3の中央にスライドさせると、図1に示したように、鏡筒2はこの動きに連動してズームモータによりカメラボディ3内に没入し、鏡筒2はスライドバリア4で覆われる。
この時、ズーム機構がカムリング12を一方の回転方向の限界位置まで回転させ、カムリング12をカメラボディ3に対して最後方まで後退させると共に先端鏡筒部材16をカムリング12に対して最後方まで後退させた状態にしている。図1から明らかなように、この鏡筒収納時の状態では、カムリング12がカメラボディ3内に略々完全に収容されており、また先端鏡筒部材16及びレンズフード10が、カムリング12の外筒部12Aと内筒部12Bとの間に形成された前述の環状空間RS内に略々完全に収容されている。
また、カメラの非使用時には、スライドバリア4でカメラボディ3の前面のレンズ付近が覆われ、レンズが保護されている。
【0015】
カメラを使用するときには、スライドバリア4をカメラボディ3の側部にスライドさせると、ズームモータにより鏡筒2が突出し図5に示すワイド端状態となる。
この状態からワイドスイッチボタン6やテレスイッチボタン7を押すことによって、ズームレンズを、図2に示したワイド端位置(最大広角撮影位置)や、図3に示したテレ端位置(最大望遠撮影位置)や、それらの間の任意の焦点距離の位置に移動させることができる。
即ち、ワイドスイッチボタン6やテレスイッチボタン7を操作すると、その操作を電気的に検出した公知のズーム機構制御装置がズームモータを制御してカムリング12を必要な方向へ回転させる。すると、このカムリング12の回転に応じて、カムリング12の内筒部12Bの内面に形成した螺旋状の第1カム溝12d及び第2カム溝12eによって前群レンズL1及び後群レンズL2が移動して、ズームレンズの焦点距離が変化する。
このように焦点距離を変化させるとき、カムリング12はみずからの回転に伴ってカメラボディ3に対して相対的に光軸方向に進退し、またそれと共に先端鏡筒部材16もカムリング12に対して相対的に光軸方向に進退する。従って2段伸縮式の鏡筒構造となっており、先端鏡筒部材16のストロークが大きく取れ、広い焦点距離範囲が得られると同時に、カメラの非使用時にはレンズの鏡筒2をカメラボディ3内に完全に没入させて収納できるため、カメラのコンパクト性を高める上で有利な構造となっている。
そして、先端鏡筒部材16がカムリング12に対して相対的に光軸方向に進退する際には、先端鏡筒部材16の円筒部16b及びレンズフード10がカムリング12の環状空間RSに出没するため、以上の利点を得ながらなおかつ内蔵レンズフードを装備することが可能になっている。
【0016】
レンズフード10は、図5に示すように、先端鏡筒部材16の前端がカムリング12の前端から突出したならば、指先で摘んで前方へ引き出すことができ、必要に応じて引き出して使用する。図2及び図3には、レンズフード10を先端鏡筒部材16上の最前方まで引き出した状態を示した。
レンズフード10を手動で引き出さない状態では、レンズフード10の内方フランジ10aは、先端鏡筒部材16の外方フランジ16gと当接した状態となっているので、非使用状態あるいはワイド端からテレ方向では、レンズフード10と先端鏡筒部材16とが一体に前進する。また、テレ方向からワイド方向への後退時は、前述の植毛加工されたレンズフード10の内方フランジ10aと先端鏡筒部材16外周面との摩擦力により、レンズフード10と先端鏡筒部材16とは一体に後退する。したがって、レンズフード10は外方フランジ16gと当接した状態を維持して先端鏡筒部材16と一体に進退するので、レンズフード非使用時であっても、レンズフード10が邪魔になることはない。
望遠撮影のためには、レンズフード10は長い方が性能がよい。ただし、長いレンズフードを装備した場合には、広角撮影時にはケラレが発生しないようにレンズフードの引き出し量を調節する必要がある。短いレンズフードを使用した場合にはケラレの心配はない。
使用後には指や手のひらで押し込むだけでレンズフードを10を容易に収納することができる。
【0017】
従って以上の実施の形態によれば、二重筒構造のカムリング(第1鏡筒部材)12の外筒部12Aと内筒部12Bとの間に画成された環状空間RSに、先端鏡筒部材(第2鏡筒部材)16の円筒部16b及びこの円筒部16bの外周に嵌装したレンズフード10が出没するようにしたため、レンズの鏡筒2をカメラボディ3内に完全に没入させて収納できるようにしたズーム機能付コンパクトカメラ等のように、これまでは内蔵レンズフードを装備することが困難であったカメラに、内蔵レンズフードを好適に装備することができる。
従って、別体のレンズフードを持ち運ぶ必要がないことから、カメラの携帯性を何ら損なうことなく、レンズフードによる画質向上効果を享受することができる。
また、この実施の形態の構造では、カムリング12と先端鏡筒部材16との間の遮光性を、必然的にそれら両者間の摩擦を伴う従来の環状遮光部材を用いずに得ているため、ズームモータ及び電池の容量が小さくて済み、カメラの一層のコンパクト化を可能にする。
【0018】
鏡筒部の遮光性は、フォーカルプレーンシャッタを備えたカメラよりもレンズシャッタを備えたカメラの方がより高度の遮光性を要求されるが、以上の実施の形態の構造は、レンズシャッタを備えたカメラにとっても充分な遮光性を達成するものであるため、その種のコンパクトカメラに特に適したものである。
ただし、本発明はその他の種類のカメラにも好適に利用し得るものであり、その適用範囲は必ずしもコンパクトカメラに限定されない。
また、以上に説明した実施の形態では、第1鏡筒部材はカムリングであっが、必ずしも第1鏡筒部材がカムリングでなければならないということはない。第1鏡筒部材は、先端鏡筒部材の円筒部及びレンズフードが光軸方向に進退する際にそこに出没する前方が開放し後方が閉塞した環状空間を画成している環状空間画成部材でありさえすればよい。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明は、光軸方向に進退してカメラボディに出没する第1鏡筒部材と、ズームレンズの最前部のレンズ群を支持し光軸方向に進退して前記第1鏡筒部材に出没する第2鏡筒部材とを有するズーム機能付カメラにおいて、前記第1鏡筒部材を、後端において互いに連結した外筒部と内筒部とを有する二重筒構造に形成することで、それら外筒部と内筒部との間に前方が開放し後方が閉塞した環状空間を画成し、前記第2鏡筒部材を、前記最前部のレンズ群を支持するレンズ支持部と、前端が該レンズ支持部に連結し後方へ延出する円筒部とを有する構造に形成し、前記円筒部の外周の前端と後端にそれぞれ前端側外方フランジと後端側外方フランジを設け、前記第2鏡筒部材の円筒部の外周に略々円筒形のレンズフードを光軸方向に移動可能に嵌合して装備し、前記レンズフードの内周の後端に、前記前端側外方フランジおよび後端側外方フランジの双方に当接可能な内方フランジを設け、前記第2鏡筒部材が光軸方向に進退する際に、該第2鏡筒部材の円筒部及び前記レンズフードが前記第1鏡筒部材の前記環状空間に出没するようにし、前記第2鏡筒部材および前記レンズフードが前記環状空間に収容された状態で前記レンズフードの前記内方フランジが前記第2鏡筒部材の後端側外方フランジに当接することで前記光軸方向において前記レンズフードの前端と前記第2鏡筒部材の前記円筒部の前端とがほぼ同じ位置に位置するように構成した。
そのため、レンズの鏡筒をカメラボディ内に完全に没入させて収納できるようにしたズーム機能付コンパクトカメラ等のように、これまでは内蔵レンズフードを装備することが困難であったカメラに、内蔵レンズフードを好適に装備することができる。
従って、別体のレンズフードを持ち運ぶ必要がないことから、カメラの携帯性を何ら損なうことなく、レンズフードによる画質向上効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるズーム機能付カメラの非使用状態(鏡筒収納時の状態)を示した上半断面図である。
【図2】カメラのレンズがワイド端位置にある状態を示した上半断面図である。
【図3】カメラのレンズがテレ端位置にある状態を示した上半断面図である。
【図4】カメラの分解斜視図である。
【図5】カメラの斜視図である。
【符号の説明】
L1 前群レンズ
L2 後群レンズ
RS 環状空間
2 鏡筒
3 カメラボディ
10 レンズフード
12 カムリング(第1鏡筒部材)
16 先端鏡筒部材(第2鏡筒部材)

Claims (7)

  1. 光軸方向に進退してカメラボディに出没する第1鏡筒部材と、ズームレンズの最前部のレンズ群を支持し光軸方向に進退して前記第1鏡筒部材に出没する第2鏡筒部材とを有するズーム機能付カメラにおいて、
    前記第1鏡筒部材を、後端において互いに連結した外筒部と内筒部とを有する二重筒構造に形成することで、それら外筒部と内筒部との間に前方が開放し後方が閉塞した環状空間を画成し、
    前記第2鏡筒部材を、前記最前部のレンズ群を支持するレンズ支持部と、前端が該レンズ支持部に連結し後方へ延出する円筒部とを有する構造に形成し、
    前記円筒部の外周の前端と後端にそれぞれ前端側外方フランジと後端側外方フランジを設け、
    前記第2鏡筒部材の円筒部の外周に略々円筒形のレンズフードを光軸方向に移動可能に嵌合して装備し、
    前記レンズフードの内周の後端に、前記前端側外方フランジおよび後端側外方フランジの双方に当接可能な内方フランジを設け、
    前記第2鏡筒部材が光軸方向に進退する際に、該第2鏡筒部材の円筒部及び前記レンズフードが前記第1鏡筒部材の前記環状空間に出没するようにし
    前記第2鏡筒部材および前記レンズフードが前記環状空間に収容された状態で前記レンズフードの前記内方フランジが前記第2鏡筒部材の後端側外方フランジに当接することで前記光軸方向において前記レンズフードの前端と前記第2鏡筒部材の前記円筒部の前端とがほぼ同じ位置に位置している、
    ことを特徴とするズーム機能付カメラ。
  2. 前記レンズフードを前記第2鏡筒部材上の最後方まで後退させ、該第2鏡筒部材を前記第1鏡筒部材に対して最後方まで後退させたときに、該第2鏡筒部材の円筒部及び該レンズフードが前記第1鏡筒部材の前記環状空間内に略々完全に収容される請求項1記載のズーム機能付カメラ。
  3. 前記第1鏡筒部材を前記カメラボディに対して最後方まで後退させたときに、該第1鏡筒部材が該カメラボディ内に略々完全に収容される請求項2記載のズーム機能付カメラ。
  4. 前記第2鏡筒部材は、その後端の外周面及び内周面が夫々前記第1鏡筒部材の内筒部の外周面及び外筒部の内周面に対して極めて小さな隙間をもって対向しており、それによって遮光性を得ている請求項1乃至3の何れか1項記載のズーム機能付カメラ。
  5. 前記第1鏡筒部材はズーム機構のカムリングとして構成されている請求項1乃至4の何れか1項記載のズーム機能付カメラ。
  6. 前記カメラはレンズシャッタを備えたコンパクトカメラである請求項1乃至5の何れか1項記載のズーム機能付カメラ。
  7. 前記レンズフードは、前記第2鏡筒部材に対して所定の摩擦抵抗をもって摺動可能に嵌合している請求項1乃至6の何れか1項記載のズーム機能付カメラ。
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