JP3861617B2 - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の車体前部構造の中には、例えば特開2000−16327号公報に示されているように、サブフレームの前端部をサイドメンバの前後方向長さの中間部に締結すると共に、該サブフレームの後端部をサイドメンバの後端部であるエクステンションサイドメンバに締結したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構造では車両の斜め前方からの衝突入力に対して、サブフレームが殆ど荷重を受けることがなく、荷重の分散伝達効率および衝突エネルギー吸収効果の向上をサブフレームに期待することはそれほどできない。
【0004】
そこで、本発明は車両の斜め前方からの衝突入力に対して、荷重の分散伝達効率を高められると共に衝突エネルギー吸収効果を高めることができる自動車の車体前部構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、パワーユニット搭載ルームの車幅方向両側部にサイドメンバを車体前後方向に配設すると共に、該パワーユニット搭載ルームの下側にサブフレームを配置してその前端部をサイドメンバの前端部下面に締結すると共に後端部をサイドメンバの後端部下面に締結した構造において、前記サイドメンバの前端部とサブフレームの前端部とが対向した部分に、斜め前方からの衝突入力によるサブフレーム前端部の車幅方向内側への曲げ荷重を、サイドメンバの上方への曲げ荷重に変換する荷重変換用の傾斜面を設けたことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のサブフレームが一対のサイドフレームと、フロントフレーム、およびリヤフレームとで井桁状に形成され、サイドフレームとリヤフレームとが連設したコーナー部分に、サイドフレームの車幅方向内側への曲げ荷重に対するエネルギー吸収部を設けたことを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載の自動車の車体前部構造であって、サイドメンバの前端部に、斜め前方からの衝突入力により、荷重変換用の傾斜面の前端近傍位置で車幅方向内側への曲げ変形を誘起させるビードを設けたことを特徴としている。
【0008】
請求項4の発明にあっては、請求項1〜3に記載の自動車の車体前部構造であって、サブフレームの前端部に、サイドメンバとの締結部の後方部位で車幅方向外側に向けて突設されて、斜め前方からの衝突入力を受ける荷重受け部を形成したことを特徴としている。
【0009】
請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の自動車の車体前部構造であって、荷重変換用の傾斜面を荷重受け部に設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項6の発明にあっては、請求項4,5に記載の荷重受け部の下面側に、斜め上方に向けて傾斜して形成されて、斜め前方からの衝突入力を受ける荷重受け面を形成したことを特徴としている。
【0011】
請求項7の発明にあっては、請求項4〜6に記載の荷重受け部を、側面形状において前端から後端側に向けて漸次突出高さを低くした側面三角形状に形成したことを特徴としている。
【0012】
請求項8の発明にあっては、請求項4〜7に記載の荷重受け部の車幅方向外側への突出量を、車体前後方向で前端から漸減させたことを特徴としている。
【0013】
請求項9の発明にあっては、請求項4に記載の荷重受け部を、荷重変換用の傾斜面を持つ上向きに凸の正面アーチ形状に形成したことを特徴としている。
【0014】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9に記載の自動車の車体前部構造であって、荷重変換用の傾斜面がサイドメンバとサブフレームの両方に設けられ、一方の傾斜面幅が他方よりも小さく形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項11の発明にあっては、請求項1〜10に記載の自動車の車体前部構造であって、サイドメンバ後端部とサブフレーム後端部との締結点を前後方向に複数設定したことを特徴としている。
【0016】
請求項12の発明にあっては、請求項1〜11に記載の自動車の車体前部構造であって、サイドメンバ後端部とサブフレーム後端部との締結部分に補強部材を設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項13の発明にあっては、請求項12に記載の補強部材をフロアサイドのサイドシルに跨って結合したことを特徴としている。
【0018】
請求項14の発明にあっては、請求項1〜13に記載の自動車の車体前部構造であって、一対のサイドメンバ間にパワーユニットを搭載し、該パワーユニットの左右方向をサイドメンバに、および前後方向をサブフレームにマウントしたことを特徴としている。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車両の斜め前方から衝突入力が作用すると、サイドメンバおよびサブフレームの各前端部に車幅方向内側の曲げ荷重として作用し、サブフレーム前端部に作用する車幅方向内側への曲げ荷重は荷重変換用の傾斜面によってサイドメンバの上方への曲げ荷重に変換される。
【0020】
この結果、サイドメンバからこれに連なる他の車体前部骨格メンバへ効率よく荷重を分散伝達できると共に、サブフレームを用いてサイドメンバを上方へ曲げ変形させて衝突エネルギー吸収量を増大させることができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、サブフレームのサイドフレームに作用する車幅方向内側への曲げ荷重が、該サイドフレームとリヤフレームとの連設コーナー部のエネルギー吸収部で吸収されるため、衝突エネルギー吸収効果を高めることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、斜め前方からの衝突入力によりサイドメンバ端部を荷重変換用の傾斜面の前端近傍位置でビードを起点に車幅方向内側へ曲げ変形させるため、該荷重変換用の傾斜面でのサイドメンバとサブフレームとの干渉量が増大し、サイドメンバの上方への曲げ変形量を拡大して衝突エネルギー吸収効果を更に高めることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、荷重受け部により斜め前方衝突の初期から衝突荷重をサブフレームに伝達でき、その結果、より効率的に車体前部の各骨格メンバへ荷重を分散伝達できると共に、サイドメンバの上方への曲げ荷重を高めて衝突エネルギー吸収量を増大することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、荷重受け部が荷重変換用の傾斜面を備えているため、斜め前方からの衝突入力が作用した際のサブフレームからサイドメンバへの荷重伝達効率を高められると共に、該傾斜面とサイドメンバとの干渉量が増大してサイドメンバの上方への曲げによる衝突エネルギー吸収量を更に増大することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4,5の発明の効果に加えて、斜め前方からの衝突入力を荷重受け部の下面側に傾斜成形した荷重受け面でも受けて、サイドメンバに上方への曲げ荷重として伝達できるため、サイドメンバへの荷重伝達効率が高められて該サイドメンバの上方への曲げ変形による衝突エネルギー吸収量をより一層増大することができる。
【0026】
請求項7,8に記載の発明によれば、何れも請求項4〜6の発明の効果に加えて、荷重受け部を形状的に小さくできて前輪周りの部品のレイアウトを容易にすることができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果が得られる他、斜め前方からの衝突入力で正面アーチ形状の荷重受け部自体が座屈変形して衝突エネルギーを吸収するので、衝突エネルギー吸収量を更に増大することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1〜9の発明の効果に加えて、斜め前方から衝突入力が作用した際に、傾斜面幅の小さい側の傾斜面が、他方の傾斜面に食い込むようになるため、サブフレームからサイドメンバへの荷重伝達効率を高めることができる。
【0029】
請求項11,12に記載の発明によれば、何れも請求項1〜10の発明の効果に加えて、サブフレーム後端部の締結強度が高められて車体の発生反力を増加させることができる。
【0030】
請求項13に記載の発明によれば、請求項12の発明の効果に加えて、サブフレーム後部に発生する曲げ荷重を補強部材によって車体の主要骨格メンバであるサイドシルへ効率良く伝達することができる。
【0031】
請求項14に記載の発明によれば、請求項1〜13の発明の効果に加えて、パワーユニットによってサイドメンバの横方向が規定されるため、斜め前方からの衝突入力作用時におけるサイドメンバの上方への曲げ変形をより確実に行わせることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0033】
図1〜6において、1はパワーユニット搭載ルーム3と車室4とを隔成するダッシュパネル、5はダッシュパネル1の下側のダッシュクロスメンバ2の後端に前端を接続したフロアパネルを示す。
【0034】
パワーユニット搭載ルーム3の車幅方向両側部には、車体前部の前後方向骨格メンバである閉断面に形成したサイドメンバ6を配設してある。
【0035】
サイドメンバ6はその後端をダッシュパネル1に突き合わせて接合してあり、該後端部にはダッシュクロスメンバ2の下面からフロアパネル5の下面に廻り込んで接合されて後方に延びるエクステンションサイドメンバ7を備えている。
【0036】
フロアパネル5の左右側部には前端を上下方向骨格メンバのフロントピラー8に結合した前後方向骨格メンバであるサイドシル9を設けてある。
【0037】
このサイドシル9の前端部と前記エクステンションサイドメンバ7の前端部とをアウトリガー10で結合してある。
【0038】
11はパワーユニット搭載ルーム3の下側に配設したサブフレームで、一対のサイドフレーム12と、フロントフレーム13、およびリヤフレーム14とで井桁状に形成してある。
【0039】
このサブフレーム11はサイドフレーム12の前端部をサイドメンバ6の前端部下面に近接して、該サイドフレーム12の前端とフロントフレーム13との連設部分でボルト・ナット15Fにより締結してあると共に、サイドフレーム12のリヤフレーム14との連設部よりも後方に延びる後端部をエクステンションサイドメンバ7の下面に重合して、前後2ケ所においてボルト・ナット15Rにより締結してある。
【0040】
このサイドフレーム12の後端部の締結部分は補強部材16で補強され、本実施形態では該補強部材16を平面略三角形状の金属プレートで形成し、該補強部材16を前後2ケ所の締結点15Rで共締め固定すると共にサイドシル9の前端とアウトリガー10との連設部にボルト・ナット15Sにより締結して、該補強部材16をエクステンションサイドメンバ7とサイドシル9とに跨って結合してある。
【0041】
17はパワーユニット搭載ルーム3に搭載したパワーユニットとしてのエンジンユニットを示し、該エンジンユニット17はその左右側部をマウント部材18を介してサイドメンバ6に連結支持してあると共に、後部をマウント部材18を介してサブフレーム11のリヤフレーム14に連結支持してある。
【0042】
19はサスペンションアーム20を介してサブフレーム11のサイドフレーム12に連結支持した前輪を示す。
【0043】
ここで、前記サイドメンバ6の前端部とサブフレーム11の前端部とが対向した部分には、車両の斜め前方からの衝突入力によるサブフレーム11の前端部の車幅方向内側への曲げ荷重を、サイドメンバ6の上方への曲げ荷重に変換する荷重変換用の傾斜面21を設けてある。
【0044】
本実施形態ではサブフレーム12の前端部側面に、サイドメンバ6とのボルト・ナット15Fによる締結点の後方部位で車幅方向外側に向けて突設されて、斜め前方からの衝突入力を受ける荷重受け部22を設けて、この荷重受け部22の上面側に斜め上方に向けて傾斜した荷重変換用の傾斜面21A を形成する一方、サイドメンバ6の下部の車幅方向外側の縁部にも荷重変換用の傾斜面21B を設けてある。
【0045】
荷重受け部22はその側面に略垂直の荷重受け面23を設けてあると共に、下面側に斜め上方に向けて傾斜した荷重受け面24を設けて、これら荷重受け面23,24で斜め前方からの衝突入力を受けるようにしてあり、従って、本実施形態ではこの荷重受け部22は正面から見てサイドフレーム12の側部から斜め上方に向けて曲折して立上がる形状に形成してある(図12参照)。
【0046】
また、この荷重受け部22は傾斜面21A が前後方向に所要領域で存在するように側面方形に形成してあると共に、平面視して後端側を斜辺とした台形状に形成して前輪19と干渉しないようにしてある。
【0047】
サブフレーム11の前記サイドフレーム12とリヤフレーム14とが連設する後部コーナー部には、サイドフレーム12の車幅方向内側への曲げ荷重に対するエネルギー吸収部25を設けてある。
【0048】
エネルギー吸収部25は閉断面の三角コーナーピースとして形成され、サブフレーム11に車幅方向内側へ向けて曲げ荷重が作用すると、この曲げ荷重で圧潰変形して衝突エネルギーを吸収するようにしてある。
【0049】
一方、サイドメンバ6の前端部には、荷重変換用の傾斜面21A の前端近傍位置、つまり、荷重受け部22の前端近傍位置に、斜め前方からの衝突入力により該サイドメンバ6の車幅方向内側への曲げ変形を誘起させるビード26を設けてある。
【0050】
次に以上の実施形態構造の斜め前方衝突時における作用形態を図7〜12を参照して説明する。
【0051】
図7に示すように車両Vの斜め前方から相手車両V0 が衝突すると、サイドメンバ6およびサブフレーム11の各前端には斜め方向荷重Fa が作用する。
【0052】
図8に相手車両V0 との衝突が進行して車体変形が生じた状態を示す。
【0053】
図9はその際のサイドメンバ6およびサブフレーム11の変形状況を示しており、サイドメンバ6の前端部はビード26を起点として車幅方向内側への折れ曲がり変形を生じ、それとほぼ同時にサブフレーム11の荷重受け部22の荷重受け面23に荷重Fb1が作用し始め、フロントフレーム13が断面変化部13a を起点に折れ曲がって、サイドフレーム12が後端部の締結部分15R を支点として車幅方向内側に向けて曲げ変形を生じる。
【0054】
つまり、サイドメンバ6のビード26を起点とした先端部の折れ曲がり変形、およびサブフレーム11の後端部の締結部15R を支点としたサイドフレーム12の曲げ変形を伴って、サイドメンバ6の前端部とサブフレーム11の前端部との締結部15F が車幅方向内側へ移動することになる。
【0055】
その結果、図8,12に示すようにサブフレーム11の荷重受け部22がサイドメンバ6の下面に干渉して、傾斜面21A と21B との衝接によってサイドメンバ6に対して上方荷重FZ を発生し、即ち、サブフレーム11の斜め荷重Fb が傾斜面21A ,21B によってサイドメンバ6に上方への曲げ荷重として変換して伝達され、サイドメンバ6にその後端部の締結部15R を支点として上向きの曲げモーメントMが作用する。
【0056】
一般にサイドメンバ6は上下方向の断面寸法を比較的大きく設定してあるため高い上下方向曲げモーメントまで耐えられる。
【0057】
そして、荷重受け部22の下面側には斜め上方に向けて傾斜した荷重受け面24を備えているため、斜め荷重Fb2を受けて直接サイドメンバ6への上方荷重FZ を生じさせる。
【0058】
このようにサブフレーム11に作用する斜め荷重Fb を荷重変換用の傾斜面21A ,21B により、サイドメンバ6に上方への曲げ荷重FZ として変換して伝達できるため、サイドメンバ6からこれに連なる他の骨格メンバへ効率良く荷重を分散伝達して車体の発生反力を高められると共に、サイドメンバ6を上方へ曲げ変形させて衝突エネルギー吸収量を増大させることができる。
【0059】
特に、本実施形態では前述のようにサブフレーム11に荷重受け部22を側方へ張り出して設けると共に、この荷重受け部22に荷重変換用の傾斜面21A を設けてあるため、該荷重受け部22によって斜め前方衝突の初期から斜め荷重Fb をサブフレーム11に伝達でき、より効率的に荷重の分散伝達を行えると共に、衝突エネルギー吸収量の増大を図ることができる。
【0060】
図11には前述の変形が進行した状態を示す。
【0061】
サブフレーム11に荷重受け部22および前輪19を介して斜め荷重Fb ,Fc が作用し、これが傾斜面21A ,21B によりサイドメンバ6に伝達されてその荷重の車幅方向成分Fx と斜め荷重Fa とによってサイドメンバ6が車幅方向内側へ曲げ変形すると、該サイドメンバ6がエンジンユニット17に干渉し、サイドメンバ6に作用する車幅方向内側への曲げ荷重はエンジンユニット17を介して矢印で示すように効率的に他の骨格メンバへと分散伝達される。
【0062】
また、エンジンユニット17によってサイドメンバ6の横方向が規定されるため、サイドメンバ6の上方への曲げ変形をより確実に行わせることができる。
【0063】
一方、サブフレーム11にはその後端部の締結部15R を支点に車幅方向内側への曲げモーメントMが作用して車幅方向内側へ曲げ変形を生じる傾向となるが、該後端部の締結部15R を前後に複数設定してあることと、該後端部とサイドシル9とに跨って補強部材16を設けてあること、およびサイドフレーム12とリヤフレーム14との連設コーナー部にエネルギー吸収部25を設けてあることによって該サブフレーム11の後端部分の曲げ強度が高く、曲げ荷重をサイドメンバ6,サイドシル9,ダッシュクロスメンバ2へ効率的に分散伝達させることができる。
【0064】
そして、このサブフレーム11の車幅方向内側への曲げ変形によって前記エネルギー吸収部25が圧潰変形して衝突エネルギーを吸収するため、衝突エネルギー吸収量を更に高めることができる。
【0065】
前記実施形態では荷重変換用の傾斜面21B の傾斜面幅を他方の傾斜面21A よりも小さく設定しているが、図13に示す第2実施形態に示すようにこれとは逆に傾斜面21A の傾斜面幅を傾斜面21B よりも小さくなるように構成してもよい。
【0066】
これら何れの構成であっても、斜め前方から衝突入力が作用した際に、傾斜面幅の小さい側の傾斜面21B 又は21A が、他方の傾斜面21A 又は21B に食い込むようになるため、サブフレーム11からサイドメンバ6への荷重伝達効率を高めることができる。
【0067】
図14は本発明の第3実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、サブフレーム11の側部に設けられる荷重受け部22を、荷重変換用の傾斜面21A を持つ上向きに凸の正面アーチ形状に形成してある。
【0068】
この第3実施形態によれば前記第1実施形態と同様の効果が得られる他、斜め荷重Fb によって正面アーチ形状の荷重受け部22自体が車幅方向に座屈変形して衝突エネルギーを吸収するので、衝突エネルギー吸収量を更に増大することができる。
【0069】
図15〜17は本発明の第4実施形態を示すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態における荷重受け部22を、側面形状において前端から後端側に向けて漸次突出高さを低くした側面三角形状に形成すると共に、平面形状において車幅方向外側への突出量を車体前後方向で前端から漸減させて、平面三角形状に形成してある。
【0070】
従って、この第4実施形態によれば第1実施形態と同様の効果が得られる他、荷重受け部22を形状的に小さくできて、前輪19周りの部品のレイアウトを容易に行うことができる。
【0071】
前記各実施形態では、サブフレーム11の側部に荷重受け部22を張り出し成形して、これに荷重変換用の傾斜面21A を設けた最も好ましい例を示したが、このような荷重受け部22を設けることなく前側の締結部15F の後方部位で、サイドメンバ6の下面とサブフレーム11の上面の何れか一方、又は両方に荷重変換用の傾斜面21を設けて、車両の斜め前方衝突時にサブフレーム11の前端部の車幅方向内側への変位でサイドメンバ6の前端部に上方への曲げ荷重を発生させるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする自動車の外観斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態を示す斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるサイドメンバとサブフレームとを分解して示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるサイドメンバとサブフレームとを組付けた状態を示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態の構造を下面側から見た略示的底面図。
【図6】本発明の第1実施形態におけるサイドメンバとサブフレームとの締結状態を示す側面図。
【図7】本発明の第1実施形態における斜め衝突入力状況を示す略示的底面図。
【図8】本発明の第1実施形態における斜め衝突初期の変形状態を示す略示的底面図。
【図9】図8の状態におけるサイドメンバとサブフレームを示す斜視図。
【図10】図9の状態における側面図。
【図11】第1実施形態における斜め衝突後期の変形状態を示す略示的底面図。
【図12】本発明の第1実施形態における斜め衝突時の荷重変換状況を示す正面説明図。
【図13】本発明の第2実施形態における荷重受け部を示す正面説明図。
【図14】本発明の第3実施形態における荷重受け部を示す正面説明図。
【図15】本発明の第4実施形態におけるサブフレームとその要部を拡大して示す斜視図。
【図16】本発明の第4実施形態におけるサイドメンバとサブフレームの組付状態とその要部を拡大して示す側面図。
【図17】本発明の第4実施形態の構造を下面側から見た状態とその要部を拡大して示す略示的底面図。
【符号の説明】
3 パワーユニット搭載ルーム
6 サイドメンバ
7 エクステンションサイドメンバ(後端部)
9 サイドシル
11 サブフレーム
12 サイドフレーム
13 フロントフレーム
14 リヤフレーム
16 補強部材
17 パワーユニット
21,21A ,21B 荷重変換用の傾斜面
22 荷重受け部
24 傾斜した荷重受け面
25 エネルギー吸収部
26 ビード

Claims (14)

  1. パワーユニット搭載ルームの車幅方向両側部にサイドメンバを車体前後方向に配設すると共に、該パワーユニット搭載ルームの下側にサブフレームを配置してその前端部をサイドメンバの前端部下面に締結すると共に後端部をサイドメンバの後端部下面に締結した構造において、前記サイドメンバの前端部とサブフレームの前端部とが対向した部分に、斜め前方からの衝突入力によるサブフレーム前端部の車幅方向内側への曲げ荷重を、サイドメンバの上方への曲げ荷重に変換する荷重変換用の傾斜面を設けたことを特徴とする自動車の車体前部構造。
  2. サブフレームが一対のサイドフレームと、フロントフレーム、およびリヤフレームとで井桁状に形成され、サイドフレームとリヤフレームとが連設したコーナー部分に、サイドフレームの車幅方向内側への曲げ荷重に対するエネルギー吸収部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体前部構造。
  3. サイドメンバの前端部に、斜め前方からの衝突入力により、荷重変換用の傾斜面の前端近傍位置で車幅方向内側への曲げ変形を誘起させるビードを設けたことを特徴とする請求項1,2に記載の自動車の車体前部構造。
  4. サブフレームの前端部に、サイドメンバとの締結部の後方部位で車幅方向外側に向けて突設されて、斜め前方からの衝突入力を受ける荷重受け部を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  5. 荷重変換用の傾斜面を荷重受け部に設けたことを特徴とする請求項4に記載の自動車の車体前部構造。
  6. 荷重受け部の下面側に、斜め上方に向けて傾斜して形成されて、斜め前方からの衝突入力を受ける荷重受け面を形成したことを特徴とする請求項4,5に記載の自動車の車体前部構造。
  7. 荷重受け部を、側面形状において前端から後端側に向けて漸次突出高さを低くした側面三角形状に形成したことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  8. 荷重受け部の車幅方向外側への突出量を、車体前後方向で前端から漸減させたことを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  9. 荷重受け部を、荷重変換用の傾斜面を持つ上向きに凸の正面アーチ形状に形成したことを特徴とする請求項4に記載の自動車の車体前部構造。
  10. 荷重変換用の傾斜面がサイドメンバとサブフレームの両方に設けられ、一方の傾斜面幅が他方よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  11. サイドメンバ後端部とサブフレーム後端部との締結点を前後方向に複数設定したことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  12. サイドメンバ後端部とサブフレーム後端部との締結部分に補強部材を設けたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
  13. 補強部材をフロアサイドのサイドシルに跨って結合したことを特徴とする請求項12に記載の自動車の車体前部構造。
  14. 一対のサイドメンバ間にパワーユニットを搭載し、該パワーユニットの左右方向をサイドメンバに、および前後方向をサブフレームにマウントしたことを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の自動車の車体前部構造。
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