JP3861032B2 - フラーレン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新しい炭素材料であるフラーレン類、中でもC60、C70の分子構造を有するフラーレン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年に炭素数60、70、84等の閉殻構造型のカーボンクラスター(球状の巨大分子)という新しいタイプの分子状炭素物質が合成され、注目されている。この特殊な分子構造を有するカーボンクラスターは、フラーレン類とも称され、その分子骨格を構成する炭素数によって、フラーレンC60、同C70、同C84などと呼ばれている(単に、C60、C70、C84とも呼ばれる)。これらのフラーレン類は、新しい炭素材料であり、また特殊な分子構造から特異な物性を示すことが期待されるので、その性質及び用途開発についての研究が盛んに進められている。特にC60、C70、C76、C78、C82、C84等のフラーレン類は例えば、ダイヤモンドコーティング、電池材料、塗料、断熱材、潤滑材、化粧品などの分野への利用が期待されている。
【0003】
フラーレン類の製造方法としては、(1)グラファイトなど炭素質材料から成る電極を原料としてこの電極間にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放電法)、(2)炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させる方法(抵抗加熱法)、(3)高エネルギー密度のパルスレーザー照射によって炭素質原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発法)、(4)ベンゼンなどの有機物を不完全燃焼させる方法(燃焼法)などが知られている。しかし、現状いずれの製造方法でも目的の有益フラーレン類だけを製造することはできず、C60及びC70を主とする複数のフラーレンとその他多数の炭素化合物との混合物(燃焼生成物「煤」と呼ばれる)として生成する。
燃焼生成物「煤」からのフラーレン類の分離方法として、(1)フラーレン類はベンゼン、トルエン、二硫化炭素等の有機溶媒に溶解し、その他の不純物成分は溶解しにくいという性質を利用して、このような有機溶媒を用いて煤からフラーレン類を抽出する方法(溶媒抽出法)、(2)高真空下で煤を加熱し、フラーレン類を昇華させる方法(昇華法)が知られている。このうち昇華法は、たとえば400℃以上の高温、10-3Torr以下の高真空条件を必要とする特殊な分離方法であり、それに比べ溶媒抽出法は操作が容易なため広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述する溶媒抽出法により抽出されたフラーレン類を含む溶液には分子量の小さい多環式芳香族炭化水素等の未フラーレン炭素類、分子量の大きい高次フラーレン類等の多くの不純物がフラーレン類と混在し、この溶液からC60及びC70等のフラーレン類を効率よく分離するためには、溶液に含まれる不純物を選択的に除去することが重要である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質から不純物を選択的に除去し、収率よくC60及びC70等のフラーレン類を製造できるフラーレン類の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るフラーレン類の製造方法は、C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、前記抽出液を液体クロマトグラフィによって、C60より分子量の小さい不純物を固定相に、C60、C70及び高次フラーレン類を液相に分離して分離液を得る第2工程と、前記分離液にC60の溶解度が10mg/L以下である溶媒を添加し、C60及びC70を溶解させた状態で高次フラーレン類を析出させてC60及びC70の溶解液を得る第3工程と、前記溶解液中の前記貧溶媒及び抽出溶媒を蒸留及び/又は冷却してC60及びC70を析出させる第4工程を有する。
ここで、抽出液を液体クロマトグラフィによって分離とは、抽出液をそのままカラムに通して新たな溶離液を加えない場合、抽出液を濃縮してカラムに通し新たに溶離液を加える場合、抽出液を濃縮しないが更に溶離液を加える場合も含まれる。抽出液をそのままカラムに通し溶離液とする場合には、製造プロセスが簡略になるし、分離液を回収して抽出溶媒として再利用できるので、工業的規模のフラーレン製造に極めて有利である。
また、溶解液中の貧溶媒及び抽出溶媒を蒸留とは、溶解液を蒸留して中に含まれる貧溶媒及び抽出溶媒の全部を蒸留する場合及びそれぞれの全部あるいは一部を蒸留する場合も含む。
【0006】
第2の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で添加する貧溶媒の量が、前記抽出溶媒に対して0.1〜3倍重量、好ましくは0.5〜2倍重量である。
貧溶媒の添加量が0.1倍重量より少ないと高次フラーレン類が晶析せず、3倍重量より多いとC60、C70も一緒に晶析してしまう場合があるからである。
第3の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1、第2の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記貧溶媒が炭素数1〜4のアルコール類、炭素数3〜5のケトン類、又は炭素数3〜5のエーテル類である。
【0007】
第4の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第3の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記液体クロマトグラフィは吸着クロマトグラフィ、特に高速液体クロマトグラフィであり、使用するカラムの吸着剤はシリカゲルあるいはアルミナである。
抽出液中のC60、C70及び高次フラーレン類と、C60より分子量の小さい不純物との成分分離に吸着クロマトグラフィ、特に高速液体クロマトグラフィを使用し、さらに、使用するカラムの吸着剤にシリカゲルあるいはアルミナを使用しているので不純物を効率よく固定相に吸着できるし、大量処理が可能である。
第5の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第4の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記芳香族炭化水素はアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体である。
第6の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第5の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質が、原料炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって得られたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図、図2は同方法の具体的工程図、図3は本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図、図4は同方法の具体的工程図である。
【0009】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法を詳細に説明する。以下、工程を順に説明する。
第1工程
C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質(以下単に煤状物質という)11を燃焼炉10より採取し抽出槽12に入れ、これに抽出溶媒槽13より芳香族炭化水素を含む抽出溶媒を加え混合して、抽出液を得る。
【0010】
ここで、煤状物質とは、例えば、ベンゼン、トルエン等の原料炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって生成された、グラファイト、カーボンブラック等を含んだ煤状物質であって、これらからフラーレン類以外のグラファイトやカーボンブラック等を一部取り除いたフラーレン濃縮物を含むものである。
フラーレン濃縮物とは、煤状物質から各種の方法でフラーレンを濃縮したもので、その濃縮方法は特に限定されないが、例として煤状物質から、昇華法によって得られたフラーレン昇華物、溶媒抽出法で得られたフラーレン溶液を蒸発乾固してできたフラーレン含有残渣のほか、煤状物質をカラムクロマト分離して得られたフラーレン含有固体、及びこれらの混合物等が挙げられる。
煤状物質11の製造方法は従来公知の方法等各種方法によって合成されたもの、あるいは複数の方法で得られた煤の混合物を使用する等任意である。
【0011】
また、抽出溶媒槽13より得る抽出溶媒としては、本実施の形態では芳香族炭化水素を用いているが、芳香族炭化水素を含む、つまり芳香族炭化水素を主体とした抽出溶媒でもよく、しかも、芳香族炭化水素はアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体を使用するのが好ましい。
ここで、芳香族炭化水素とは、ベンゼン核を有する炭化水素化合物であり、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1−メチルナフタレン、ジエチルベンゼン、テトラリン、シメンなどが挙げられる。
また、芳香族炭化水素の他に、更に脂肪族炭化水素や塩素化炭化水素等の有機溶媒を、単独又はこれらのうち2種以上を任意の割合で用いても良い。
脂肪族炭化水素としては、環式、非環式の脂肪族炭化水素がある。環式脂肪族炭化水素の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの単環式脂肪族炭化水素、その誘導体であるメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、n−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、多環式脂肪族炭化水素としてデカリンなどが挙げられる。非環式脂肪族炭化水素の例として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカンなどが挙げられる。
【0012】
塩素化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロフォルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
工業的観点から、これらの抽出溶媒の中でも常温液体で沸点が100〜300℃、中でも120〜250℃のものが、フラーレン抽出溶媒として好適である。具体的には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、1−メチルナフタレン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、アルキルベンゼン及び/又はテトラリン等のナフタレンの誘導体等の芳香族炭化水素などを用いることが好ましく、1種単独としても、あるいは2種以上の混合溶媒としても使用することができる。
【0013】
抽出装置として攪拌混合槽が好適に使用でき、ここでは撹拌混合槽である抽出槽12を用いたが任意の装置が使用できる。抽出の際、容器内の圧力は特に制限はなく、常圧で実施すればよい。抽出槽12における抽出時の温度としては例えば1〜90℃、好ましくは15〜40℃、特に25〜35℃の範囲とすることが、抽出効率向上の面から好ましいが、抽出効率は、温度依存性が小さいので常温程度で行うのがエネルギーコスト的に有利である。
また、抽出時間としては1〜60分、好ましくは20〜40分かけて行うとよいが、抽出時間の抽出効率に対する影響は少ないため、長時間の必要は無く、抽出の際の温度、抽出時間は適宜選択すればよい。更に必要に応じて、抽出液に超音波等を照射しながら抽出を行うと、抽出時間が短くなるので好ましい。
【0014】
抽出溶媒として用いる芳香族炭化水素の量は、抽出に用いる抽出溶媒体積と、抽出前の煤状物質重量とが以下の式を満たす範囲であればよい。
煤状物質重量/抽出溶媒体積=2〜133[mg/mL]
中でもこの数値が、33〜133[mg/mL]であることが好ましい。
抽出溶媒体積が多すぎると抽出溶媒を大量に使いコストが上がるのみであり、逆に抽出溶媒体積が少なすぎるとフラーレン原料である煤状物質と抽出溶媒との接触が充分ではなく、抽出が充分に行われない場合がある。
【0015】
第1工程によって、煤状物質中のC60より分子量が小さい不純物、C60、C70及びC70より分子量の大きい高次フラーレン類は抽出溶媒である芳香族炭化水素によって抽出され、溶解し、煤残留物は不溶物として抽出液中に混濁あるいは沈澱する。本実施の形態では抽出液を遠心分離機14で遠心分離して不溶物である煤残留物を除去するが、抽出液を遠心分離せずに静置しただけでもよい。煤残留物は次工程である高速液体クロマトグラフィで固相に分離除去されるため除かなくてもよいが、除去した方がカラムが汚れずカラムの寿命が長くなる。
【0016】
第2工程
第1工程でC60より分子量が小さい不純物、C60及びC70、高次フラーレン類を抽出し、煤残留物を除去した抽出液を吸着クロマトグラフィ、特に高速液体クロマトグラフィを用いて溶質の分離を行った。吸着クロマトグラフィのカラム15の吸着剤及び充填剤としてシリカゲルを使用し、抽出液を30〜200kg・cm-2(100〜500気圧)の高圧液体ポンプを介してカラム15に入れ流すと、C60より分子量の小さい不純物はシリカゲルに吸着され、C60、C70及び高次フラーレン類は液相中に分離され、分離液を得た。
ここで、使用する吸着剤としては、例えば本実施の形態ではシリカゲルを使用したが、ジオール基、シアノ基、ジメチルアミノ基、アミノ基又はジアミノ基をそれぞれ結合したシリカゲル、表面をn−アルキル基(Rが−C2H5、C8H17、オクタデシル、デシルシラン等)で化学修飾したシリカゲル、多孔性のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アルミナ、活性炭、活性アルミナ、酸性処理粘土、モレキュラーシーブ、白土、酸化鉄、マグネシア等で、不純物との吸着性が大で、C60、C70や高次フラーレン類との吸着性が小さい吸着剤であれば使用可能である。
また、本実施の形態では、抽出液をカラム15にそのまま流して溶離液としたため製造プロセスも簡便化され、抽出液中の抽出溶媒を容易に再利用でき、工業的規模のフラーレン類の製造に非常に便利となったが、抽出液を濃縮して、あるいは濃縮せずに新たな溶離液を加える場合も本発明に含まれる。新たな溶離液を加える場合には、前記抽出溶媒と同じものを用いると回収して再利用し易い。
また、本実施の形態では、溶質の分離に吸着クロマトグラフィを使用したが、分配クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、ゲルクロマトグラフィ等を使用して分離する場合も本発明方法に含まれる。
【0017】
第3工程
C60、C70及び高次フラーレン類を溶解した分離液を結晶化槽16に入れ、攪拌しながら貧溶媒槽17よりC60の溶解度が10mg/L以下である貧溶媒を添加する。
ここで、貧溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類が挙げられる。中でも炭素数1〜4のアルコール類、炭素数3〜5のケトン類、又は炭素数3〜5のエーテル類が好ましく、更には炭素数が1〜4のアルコール類が好ましい。これらアルコール類の中でも、その沸点が第1工程で使用した抽出溶媒より低いものを用いることが好ましく、中でも炭素数が3以下のアルコール類を用いることが好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等が好ましく、中でもエタノール、メタノールが好ましく、特にメタノールは沸点が低いため抽出溶媒との分別が容易であるため好ましい。なお貧溶媒は、1種単独でも、あるいは2種以上の混合物で使用してもよい。
貧溶媒の添加量は第1工程にて抽出溶媒として用いた芳香族炭化水素1重量に対して0.5〜2倍重量とするが0.1〜3倍重量の範囲であればC60、C70が析出せず、高次フラーレン類が析出するのでかまわない。添加の方法は任意だが、徐々に添加することが好ましい。
【0018】
高次フラーレン類が析出した溶液を1〜30分、好ましくは5〜15分静置する。静置によって、この不溶物の分別(例えば濾別)が効率的に行えるので好ましい。
静置時間が短すぎると不溶物の沈澱が不十分となり、この不溶物の分別(例えば濾別)の際に、時間を要することがある。また逆に長すぎると、フラーレン類の製造全体に要する時間が長くなる。
静置後に遠心分離機18によって不溶物を分別する。なお、分別手段としては濾別でも、遠心分離と濾別の両方でもよく、分別方法は適宜選択すればよい。濾別する際には、開口径0.1〜1μm、好ましくは0.4〜0.6μmのフィルターを用いて濾別すればよい。この際、減圧濾過又は加圧濾過とすることで効率的に濾別ができ、減圧度としては1×102〜3×104Pa、中でも5×103〜2×104Paまで減圧して減圧濾過を行うことが好ましい。減圧度が高い場合は高性能のポンプが必要でコストが上がり、減圧度が低い場合は濾過が進行しないため、不都合である。また、加圧度としては、1.5×105〜5×105Paが好ましい。加圧度が低い場合には、濾過の進行が遅く、また加圧度が高い場合は、ケーキのひび割れを起こし、洗浄がうまく行われない。溶媒を添加しているので系の粘度が下がっており、濾過性は良好である。
ここで、採取される高次フラーレン類は現在は有益性が余り知られていないが、将来の研究によって有益性が増す可能性も大いにあり、高次フラーレン類をこの段階で回収してもよい。
【0019】
第4工程
高次フラーレン類が除去され、C60、C70が溶解した溶解液中の貧溶媒(低級アルコール)及び抽出溶媒の一部又は全部を除去してC60、C70を析出させ、析出したC60、C70を洗浄液で洗ってC60、C70の結晶を得る。貧溶媒及び抽出溶媒の除去の方法は任意だが、本実施の形態では蒸留温度を70〜100℃、好ましくは80〜90℃、圧力は0を超えて5×103Pa以下、好ましくは5×102〜3×103Paにして、乾燥機19により蒸発(蒸留)させて行う。温度が低すぎると蒸発に時間がかかり、高すぎるとエネルギーコストがかかる。また、減圧度が低すぎると蒸発に時間がかかり、高すぎると高性能ポンプが必要となりコストがかかる。蒸発除去した貧溶媒及び抽出溶媒は貧溶媒分別機20により、分別してそれぞれ精製し貧溶媒槽17及び抽出溶媒槽13に回収して再使用する。蒸留の温度を貧溶媒である低級アルコールの沸点近傍である50〜100℃にして先ず、貧溶媒の一部又は全部を飛ばし、その後、減圧で蒸留温度を70〜100℃にして抽出溶媒の一部又は全部を飛ばす2段階方式にしてもよい。
また、溶解液の一部を蒸発して貧溶媒及び抽出溶媒の一部又は全部を飛ばした後に冷却して、あるいは溶解液を最初から冷却することによって、C60、C70に対する抽出溶媒の溶解度を低下させてC60、C70の結晶を析出させてもよい。溶解液にフラーレンの種晶の少量を加えてもよいし、種晶を加えることにより結晶もできやすく、また結晶の粒子の大きいC60、C70を得ることができる。フラーレン結晶の洗浄液に貧溶媒である低級アルコールを使用すると、蒸発した貧溶媒、抽出溶媒と共に貧溶媒分別機20により分別蒸留して再使用できる。ここで、貧溶媒分別機20とは蒸留した貧溶媒を沸点以下にすることによって液化させ、抽出溶媒と分別する装置である。
【0020】
なお、図2は前述した第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法を具体例を用いて、簡単に説明したものである。
即ち本発明方法は、煤状物質の一例である燃焼生成物を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒の一例であるテトラリンと混合し、不溶の煤残留物(CB)を除去し抽出液を得て(第1工程)、除去後の抽出液を吸着クロマトグラフィにより、不純物(Fi)を固定相に、C60、C70(F)と高次フラーレン類(Ri)を液相に固液分離して分離液を得て(第2工程)、この分離液に貧溶媒の一例であるメタノールのコントロール量を添加して高次フラーレン類(Ri)を不溶物として析出させ、C60、C70(F)の溶解液を得(第3工程)、このC60、C70の溶解液を減圧蒸留後、冷却して析出するC60、C70(F)を得ている(第4工程)。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態(参考例、以下同じ)に係るフラーレン類の製造方法について、図3を参照して説明する。第1工程、第2工程については第1の実施の形態の工程と実質的に同一なので、その詳細な説明は省略し、第3、第4工程についてのみ以下に説明する。また、本実施の形態で使用する煤状物質、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒、C60の溶解度が10mg/L以下である貧溶媒、吸着クロマトグラフィに使用するカラム及び吸着剤についても第1の実施の形態と同じものを使用する。使用する装置についても第1の実施の形態と同じものについては同一の符号を付けてその説明は省略する。
【0022】
第3工程
第2工程で得られた分離液をまず回転式蒸留機21により撹拌しながら減圧蒸留して分離液中の抽出溶媒である芳香族炭化水素の飽和溶液にし、その後冷却することにより、C60 、C 70は溶液中に溶解したままで高次フラーレン類を析出させ、C60、C70の溶解液を得る。減圧の圧力は0を超えて5×103Pa以下、好ましくは5×102〜3×103Paとする。減圧度が低すぎると蒸発に時間がかかり、減圧度が高すぎると高性能ポンプが必要であり、コストが上がる。温度は70〜100℃、好ましくは80〜90℃とする。低すぎると蒸発に時間がかかり、高すぎるとエネルギーコストがかかる。また、ここでは撹拌装置の付いた回転式蒸留機21で減圧蒸留したが撹拌装置でなくてもよいし装置は任意である。ついで、冷却晶析を行う。圧力は常圧でよい。温度は常温まで下げればよいが、蒸発時の温度との差が大きいほど溶解度の差が出るので好ましい。
冷却により、抽出溶媒である芳香族炭化水素の溶解度が低下し、抽出溶媒に対する溶解性のより低いものから順に析出することになり、高次フラーレン類の結晶が析出する。
本実施の形態では、分離液を減圧蒸留した後冷却して抽出溶媒の溶解性を低下させ、C60 、C 70は溶液中に溶解したままで高次フラーレン類を析出させたが、分離液中の抽出溶媒の一部又は全部を減圧蒸留して飛ばす事により、溶解性を低下させ、C60、C70は溶液中に溶解したままで高次フラーレン類を析出させてもよいし、冷却のみによって、抽出溶媒のC60、C70に対する溶解度を低下させてもよい。高次フラーレン類とC60、C70の抽出溶媒に対する溶解度の差から、抽出溶媒の蒸留又は冷却を高次フラーレン類の析出が一応終了する迄行うことによって、C60、C70は溶液中に溶解したままで高次フラーレン類を析出させることができる。
析出した高次フラーレン類は遠心分離機18あるいは任意の方法により固液分離して、C60、C70の溶解液を得る。高次フラーレン類をここで回収してもよい。
【0023】
第4工程
第3工程で得られたC60、C70の溶解液からC60、C70を析出させ、C60、C70の結晶を得る。析出の方法は任意でよいが、本実施の形態では減圧ポンプの付いた乾燥機19で溶解液の一部又は全部を減圧蒸留して溶解液中の抽出溶媒を除去し、C60、C70の結晶を析出させる。減圧の圧力は0を超えて5×103Pa以下、好ましくは5×102〜3×103Pa、温度70〜100℃、好ましくは80〜90℃とする。ここで、減圧ポンプは乾燥機19内に設けてもよいし、外付けでもよいし、場合によっては減圧しなくてもよい。析出したC60、C70の結晶を採集し、洗浄液で洗浄する。洗浄液は任意でよいが、C60の溶解度が10mg/L以下である溶媒(貧溶媒)を使用すると抽出溶媒との分離が容易であり、洗浄液も精製して再使用できる。蒸発させた抽出溶媒は回収精製し、抽出溶媒槽13に戻し再使用する。C60、C70の溶解液にフラーレンの種晶を添加することは任意である。
本実施の形態では溶解液の一部又は全部を蒸留してC60、C70を析出させたが、溶解液を冷却してC60、C70の溶解度を低下させることにより、C60、C70の結晶を析出させてもよいし、蒸留と冷却を組み合わせてC60、C70を析出させる場合も本発明方法に含まれる。
【0024】
なお、図4は前述した第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法を具体例を用いて、簡単に説明したものである。
即ち、煤状物質の一例である燃焼生成物を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒の一例であるテトラリンと混合して不溶の煤残留物(CB)は除去して抽出液を得(第1工程)、前記抽出液を吸着剤をシリカゲルとするカラム分離によって、不純物(Fi)を固定相に、C60、C70(F)と高次フラーレン類(Ri)を液相に固液分離して分離液を得て(第2工程)、得られた分離液を蒸留及び冷却によってC60、C70は溶液中に残して高次フラーレン類を析出させ除去し、C60、C70の溶解した溶解液を得て(第3工程)、この溶解液中の抽出溶媒を蒸留させることにより除去してC60、C70(F)を析出させている(第4工程)。
【0025】
【実施例】
次に、本発明の実施例に係るフラーレン類の製造方法について説明する。
予めC60、C70及び高次フラーレン類を含むように調整したC60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質(フラーレンであるC60〜C80の合計は11.1重量%)10.2gを1リットルナス型フラスコに秤量し、テトラリンを286g添加し、攪拌しながら常温で30分超音波をかけながら抽出を行った。遠心管に76gずつ抽出液を入れ、遠心分離を行い、得られた抽出液をシリカゲルを吸着剤とする吸着クロマトグラフィにより固液分離し、液相にC60、C70と高次フラーレン類を溶解した分離液を得た。この分離液にエタノール409gを攪拌しながら添加し、5分静置すると不溶物(高次フラーレン類)が析出した。この不溶物の析出した溶液を遠心分離し、その後0.45μmのフィルターで減圧濾過を行い、得られた濾過液を乾燥機により減圧蒸留してエタノール及び抽出溶媒を飛ばし、C60が67.9重量%、C70が28.1重量%、C76〜C84が4.0重量%のフラーレン類の結晶0.881gを得た。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜6記載のフラーレン類の製造方法は、C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質をC60、C70に溶解性の高い抽出溶媒で抽出した抽出液をカラム分離して不純物を除去し、ついで、カラム分離した分離液に貧溶媒を添加することによって抽出溶媒のC60、C70に対する溶解性を低下させ、高次フラーレン類を不溶物として析出させC60、C70を不純物から分離し、更に抽出溶媒を蒸留しC60、C70を結晶化して採集しているので、高純度のC60、C70を収率良く、しかも簡単な操作及び工程によって回収する事ができる。さらに、溶媒回収を組み合わせることでプロセスコストを下げられることから、工業的規模のC60、C70の製造に極めて有利な製造方法が提供できることとなった。また、抽出液をそのまま、カラム分離する場合には、溶離液もいらず、プロセスも簡単になり費用も安い。
特に請求項2記載のフラーレン類の製造方法は、第3工程で添加する貧溶媒の量が、抽出溶媒に対して0.1〜3倍重量なので、C60、C70を溶解したままで高次フラーレン類のみを不溶物として析出できる。
請求項3記載のフラーレン類の製造方法は、貧溶媒が炭素数1〜4のアルコール類、炭素数3〜5のケトン類、又は炭素数3〜5のエーテル類であるので、簡単に抽出溶媒と分別蒸留することができ回収して再使用できる。
【0027】
請求項4記載のフラーレン類の製造方法は、抽出液中のC60、C70、高次フラーレン類及びC60より分子量の小さい不純物の成分分離に吸着クロマトグラフィを使用し、さらに、使用するカラムにシリカゲルあるいはアルミナを使用しているので、大量の分離に適し工業的規模のC60、C70の製造方法に適しており費用も廉価ですむ。
請求項5記載のフラーレン類の製造方法は、芳香族炭化水素がアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体であるのでC60、C70を高率に抽出でき、また、例えばメタノールとも分別し易く、回収して再使用し易い。
請求項6記載のフラーレン類の製造方法において、C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質が、原料炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって得られたものであるので、大量生産が可能で工業的規模のC60、C70の製造に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図である。
【図2】同フラーレン類の製造方法の具体的工程図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図である。
【図4】同フラーレン類の製造方法の具体的工程図である。
【符号の説明】
10:燃焼炉、11:煤状物質、12:抽出槽、13:抽出溶媒槽、14:遠心分離機、15:カラム、16:結晶化槽、17:貧溶媒槽、18:遠心分離機、19:乾燥機、20:貧溶媒分別機、21:回転式蒸留機
Claims (6)
- C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、
前記抽出液を液体クロマトグラフィによって、C60より分子量の小さい不純物を固定相に、C60、C70及び高次フラーレン類を液相に分離して分離液を得る第2工程と、
前記分離液にC60の溶解度が10mg/L以下である貧溶媒を添加し、高次フラーレン類を析出させてC60及びC70の溶解液を得る第3工程と、
前記溶解液中の前記貧溶媒及び抽出溶媒を蒸留及び/又は冷却してC60及びC70を析出させる第4工程を有することを特徴とするフラーレン類の製造方法。 - 請求項1記載のフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で添加する貧溶媒の量が、前記抽出溶媒に対して0.1〜3倍重量であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
- 請求項1又は2記載のフラーレン類の製造方法において、前記貧溶媒が炭素数1〜4のアルコール類、炭素数3〜5のケトン類、又は炭素数3〜5のエーテル類であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記液体クロマトグラフィは吸着クロマトグラフィであり、使用するカラムの吸着剤はシリカゲルあるいはアルミナであることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記芳香族炭化水素がアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記C60、C70及び高次フラーレン類を含む煤状物質が、原料炭化水素化合物の燃焼及び/又は熱分解によって得られたものであることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
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