JP3859390B2 - 廃棄物ガス化溶融システムの運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種廃棄物の溶融処理に係り、特に固形廃棄物をガス化した後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化して処理する方法に関するものである。ここで、各種廃棄物とは一般都市ごみ、産業廃棄物、あるいは、ごみ固形燃料(ごみを原料として固形化したもの)等である。
また、本発明は特に廃棄物発電における昼夜の負荷(発電量)調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス化炉におけるガス化工程と溶融炉における高温燃焼工程とを組合せ、廃棄物をガス化した後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化して処理する方法が知られている。
この方法は、灰分を含む固形廃棄物を焼却処理するに際し、ダイオキシン類のような有害な有機化合物を発生させにくくし、かつ灰分を溶融スラグ化して減量化し安定化させることができるものであり、ガス化工程と高温燃焼工程を組合せたガス化溶融燃焼方法である。この場合、灰分の溶融温度は1200℃以上であるため、高温燃焼工程ではこれ以上の温度で燃焼させる必要がある。
【0003】
一般に、溶融炉は、ガス化炉でガス化された可燃ガス及び可燃微粒子が前記溶融炉内で高温燃焼する際に発生する燃焼熱量と溶融炉表面からの放熱量を考慮し、溶融炉内温度が1200〜1500°程度になるように計画される。
しかしながら、定格処理量の75〜100%程度の高負荷時に溶融炉内温度が1250℃以上の高温燃焼が可能であるよう計画されたガス化溶融炉であっても、定格処理量の50〜75%程度以下の低負荷時には、廃棄物供給量が低下するため溶融炉に供給される可燃ガス及び可燃微粒子だけでは燃焼熱量が低下して、前記溶融炉で高温燃焼を行うためには油などの助燃材を必要とする場合がある。一方、油などの助燃材を用いない場合は、溶融炉内での燃焼熱が不足するため高温燃焼ができなく灰分の溶融処理ができなくなることがある。
すなわち、従来のガス化溶融燃焼方法で低負荷運転を伴う場合において、廃棄物を油などの助燃材を用いないで廃棄物の自己燃焼熱のみにより廃棄物中の灰分を溶融処理する時には解決すべき問題点がある。
【0004】
また、廃棄物燃焼時に、廃棄物の燃焼熱から最も利用度の高いエネルギーである電力としてエネルギー回収を行う廃棄物燃焼発電が一般に行われている。
廃棄物発電は、廃棄物の燃焼による熱エネルギーを発電に利用するものであり、廃棄物の燃焼熱を廃熱ボイラで蒸気回収し、蒸気タービン・発電機で発電する方式が一般的である。斯かる廃棄物発電により発電された電力は場内で消費されるほか余剰分は電力会社に売電される。
【0005】
電力会社は、廃棄物発電が行われ自家消費された後の余剰電力を、朝8時頃から夜10時頃までのいわゆる「昼間」には電力需要が多いので高い購入電力単価で、逆に、夜10時頃から朝8時頃までのいわゆる「夜間」には電力需要が少ないため安い購入電力単価で、購入する制度を設けている。電力会社によっては、昼間の電力購入単価が夜間の余剰電力購入単価の4〜5倍になっているものもある。
【0006】
そこで、限られた量の廃棄物を利用して廃棄物発電を行うという観点からは、電力会社の購入単価の高い昼間に高負荷燃焼し発電電力量を最大限多くし、購入単価の安い夜間に低負荷燃焼運転にして廃棄物量の消費を抑制するという運転方法が求められる。
しかしながら、低負荷運転を行う場合には自己燃焼熱のみによる灰分の溶融処理ができなくなるという上述のような問題点があった。
【0007】
さらに、従来の廃棄物燃焼灰の溶融処理方式は、アーク式、電気抵抗式、プラズマ式等の電気溶融方式が用いられることが多い。この場合、廃棄物燃焼発電によりエネルギー回収された発電電力が場内で消費されるだけでなく廃棄物燃焼灰の溶融処理のためのエネルギー源としても費消されるため、売電電力量が大幅に低下してしまうという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の前記問題点を解決することにあり、低負荷運転を伴う場合において油などの助燃材を使用せず、廃棄物中の灰分を廃棄物の自己燃焼熱により溶融スラグ化する方法を提供することにある。
また、廃棄物ガス化溶融発電方法において、限られた量の廃棄物を利用して廃棄物発電を行うという観点からは、電力会社の購入単価の高い昼間に高負荷燃焼運転にして発電電力量を最大限多くし、購入単価の安い夜間に低負荷燃焼運転にして廃棄物量の消費を抑制するという運転方法を提供することにある。
さらに、廃棄物ガス化溶融発電方法において、売電電力量の最大化という観点からは、燃焼灰の溶融処理に電力を大量に消費する電気式灰溶融方式を使用することなく、売電電力量がさほど低下しない廃棄物の自己熱溶融の可能な溶融方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の廃棄物ガス化溶融システムの運転方法は、固形廃棄物を流動層ガス化炉にて450〜850℃の層温でガス化した後に廃棄物中の灰分を溶融炉で燃焼またはスラグ化する方法にあたり、定格処理量の50〜75%の低負荷時には溶融炉を燃焼室として使用して800〜950℃の温度でガスやタールやチャー等の可燃物を燃焼し、その際発生したスラグ化していない燃焼灰を前記溶融炉の排出口から排出して貯留しておき、定格処理量の75〜100%の高負荷時には前記燃焼灰を流動層ガス化炉または溶融炉に供給し、高負荷時の燃焼廃棄物の灰分とともに1200〜1600℃の温度で溶融スラグ化することを特徴とするものである。
本発明の好ましい態様によれば、前記燃焼灰に前記溶融炉から排出される燃焼排ガスから捕集される灰を加えて高負荷時に前記溶融炉に供給することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、溶融炉から排出された燃焼排ガスの熱回収により過熱蒸気を生成し、該過熱蒸気を蒸気タービン及び発電機からなる発電設備に供給し発電する。
本発明の好ましい態様によれば、昼間を高負荷運転とし、夜間を低負荷運転とする。
【0010】
本発明は、固形廃棄物をガス化した後に高温燃焼により廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する方法において、低負荷時には溶融炉を燃焼室として使用しガス化炉でガス化された可燃ガス及び可燃微粒子を800〜950℃で燃焼し、発生した燃焼灰を捕集・貯留しておき、高負荷時に前記貯留燃焼灰をガス化炉または溶融炉に供給し、高負荷時の処理廃棄物の灰分とともに溶融スラグ化するようにしたものである。
【0011】
本発明は、低負荷時にガス化溶融炉を従来の流動床焼却炉のフリーボードに相当する燃焼室として運転し、溶融処理できない灰分を焼却灰の形態で捕集・貯留しておき、高負荷時に従来のガス化溶融炉として運転し、この際に低負荷時の灰分も溶融処理するようにしたものである。
【0012】
本発明は、低負荷時には廃棄物が完全燃焼されダイオキシン類の発生抑制が達成できれば良いことと、低負荷時に捕集・貯留しておいた焼却灰を高負荷時に廃棄物の自己燃焼熱により溶融処理できることを利用する。
すなわち、常温の乾灰を溶融するのに必要な熱量は約100〜150kcal/kg程度であり、廃棄物の低位発熱量に比べて非常に小さく、処理廃棄物と焼却灰を混合燃焼してもその平均発熱量は自己熱溶融を維持できるものであることを利用する。
【0013】
一般に自己熱溶融に必要な廃棄物の発熱量は炉の規模により異なるが約1500〜2000kcal/kgであるので、廃棄物の低位発熱量が2000kcal/kg程度以上のものに対しては、約30〜40%程度まで焼却灰を追加溶融処理できる。低負荷時には流動床焼却炉のフリーボードに相当する燃焼室として利用される溶融炉(フリーボード)での燃焼温度は850〜950℃(約1120〜1220K)、高負荷時の燃焼温度は1300〜1400℃(約1570〜1670K)であるので、絶対温度での燃焼温度比は約0.7となり、燃焼ガス体積は温度低下により約70%程度に低減する。
したがって、一例として約50%負荷時には、燃焼ガス体積が50%×0.7で約35%になるので、滞留時間は約2.8倍となる。
【0014】
すなわち、燃焼負荷が低下する場合は、燃焼量が低下すること自体により燃焼排ガス量が低減すること、さらに溶融炉を燃焼室として用い溶融燃焼温度より低温で燃焼することにより燃焼ガス量が低減すること、すなわち、この二重の燃焼ガス量低減効果により著しく滞留時間が長くできるため、完全燃焼が十分可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る廃棄物ガス化溶融の低負荷運転方法を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の形態はあくまで一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではないことを明記しておく。
図1は、本発明の廃棄物ガス化溶融の低負荷運転方法を実施する装置の構成の第1の例を示す概略図であり、本発明の廃棄物ガス化溶融方式の基本フローを示す。
一般都市ごみ等の廃棄物aは、流動層ガス化炉1に供給された後に流動層中にて部分酸化すなわち熱分解ガス化され、固形状物すなわち微細化した固形炭素分を同伴した生成ガスcが流動層ガス化炉1から排出される。
ここで用いる内部旋回式の流動層ガス化炉1は、流動層の中央部で下降し、周辺部で上昇するといった流動媒体の旋回流を積極的に行わせるもので、450〜850℃、好ましくは450〜650℃、より好ましくは500〜600℃に層温を維持することにより、下記に列挙するような特徴を持たせることができる。
【0016】
1)廃棄物aは粗破砕程度で供給でき、このために生ずる大きなサイズの不燃物dの流動層からの排出もスムーズに行える。
2)層温を低く保つことにより熱分解ガス化の反応が比較的緩慢となるため、ガス発生の変動が抑えられる。
3)固形炭素分の層内酸化が良好であるため、固形炭素分の微粉化並びに酸化に伴って発生する熱の有効利用が効率的に行える。
4)層内での熱の拡散が良好であるため、アグロメ(塊状化)の発生が防止でき、鉄、銅、アルミニウム等の有価金属を未酸化状態で回収できる。
【0017】
流動層の層温に関して説明すると、層温を450℃以下とすると、熱分解ガス化の反応が極端に遅くなることから、未分解物の層内への堆積が懸念される。
一方、層温を650℃以上とすると、アルミニウムの回収ができないばかりか、熱分解ガス化の反応が速くなるため、廃棄物aを供給する際の量の変動の影響をまともに受けてガス発生が大きく変動する、いわゆる「暴れる」という現象が起こる。850℃以上ではアグロメ発生の危険も増す。このため、流動層の温度範囲は450〜850℃、好ましくは450〜650℃、より好ましくは500〜600℃としている。
【0018】
本発明において、低負荷時には、廃棄物aは流動層ガス化炉1に供給される。流動層ガス化炉1からの微粉状の固形炭素分を同伴した生成ガスcは、溶融炉3に供給され、垂直の1次燃焼室4及び傾斜した2次燃焼室5、さらに垂直の3次燃焼室6にて、予熱された空気と旋回流中で混合しながら、800〜950℃の中温で完全燃焼される。
【0019】
固形炭素分中の灰分は、中温燃焼のため溶融スラグ化しないで焼却灰になる。前記焼却灰は燃焼排ガスに同伴し、2次燃焼室5及び3次燃焼室6を通り、下流の図示しない集塵器で捕集される。この時、焼却灰の一部は2次燃焼室5と3次燃焼室6の間にある排出口7より排出され捕集される。捕集された灰は高負荷時に溶融処理するために灰ホッパ18に貯留される。前記燃焼灰ガスは3次燃焼室6の下流の図示しない集塵器を含む排ガス処理設備で処理される。
【0020】
一方、高負荷時には、低負荷運転時に捕集・貯留されていた焼却灰e及び廃棄物aは流動層ガス化炉1に供給される。流動層ガス化炉1に供給された焼却灰eは、流動層で加熱され微粉状になるため流動層ガス化炉1で生成した可燃ガスcに同伴して溶融炉3に供給される。溶融炉3に供給された前記可燃ガスcは垂直の1次燃焼室4及び傾斜した2次燃焼室5にて、予熱された空気と旋回流中で混合しながら、1200〜1600℃、好ましくは1300〜1400℃の高温で部分酸化される。
【0021】
この時、固形炭素分中の灰分及び焼却灰eは、高温のためスラグミストとなり、このスラグミストの大部分は旋回流による遠心力の作用により、1次燃焼室4及び2次燃焼室5の炉壁上の溶融スラグ層に捕捉される。そして、この炉壁面を流れ下った溶融スラグは、2次燃焼室5と3次燃焼室6の間にある排出口7より排出され、直接又は間接的に冷却された後にスラグ粒として回収される。
【0022】
従って、低負荷時の廃棄物の灰分も油などの助燃材を用いないで廃棄物の自己燃焼熱のみにより溶融処理することが可能になる。なお、低負荷運転時に捕集・貯留されていた焼却灰eが乾灰で粉状であれば焼却灰eを溶融炉3へ直接供給することも可能である。
【0023】
図2は、廃棄物ガス化溶融システムの低負荷運転を伴う場合の運転方法を実施する装置の構成の第2の例を示す概略図である。
本実施の形態においては、廃棄物ガス化溶融システムにより廃棄物発電を行うものである。廃棄物発電は、廃棄物の燃焼による熱エネルギーを発電に利用するものであり、廃棄物の燃焼熱を廃熱ボイラで蒸気回収し、蒸気タービン・発電機で発電する方式が一般的である。斯かる廃棄物発電方式のうち燃焼炉としてガス化溶融炉を用いる本実施形態の一例を図2に示す。
【0024】
従来の技術の項において説明したように、電力会社は、廃棄物発電が行われ自家消費された後の余剰電力を、朝8時頃から夜10時頃までのいわゆる「昼間」には電力需要が多いので高い購入電力単価で、逆に、夜10時頃から朝8時頃までのいわゆる「夜間」には電力需要が少ないため安い購入電力単価で、購入する制度を設けている。電力会社によっては、昼間の電力購入単価が夜間の余剰電力購入単価の4〜5倍になっているものもある。
そこで、限られた量の廃棄物を利用して廃棄物発電を行うという観点からは、電力会社の購入単価の高い昼間に高負荷燃焼し発電電力量を最大限多くし、購入単価の安い夜間に低負荷燃焼運転にして廃棄物の消費を抑制するという運転方法が求められる。
【0025】
さらに、売電電力量の最大化という観点からは、焼却灰の溶融処理に電力を大量に消費する電気式灰溶融方式よりも、売電電力量がさほど低下しない廃棄物の自己熱溶融の可能な溶融方法が求められている。
一方、廃棄物処理という観点からは、最終処分量の最小化、灰分の有効利用化、排ガス中及び焼却灰中のダイオキシン類の最小化のためには、廃棄物中の灰分を溶融スラグ化する運転方法が求められている。
【0026】
従って、本実施形態は、このような廃棄物発電による売電収入の最大化の観点からの要求と廃棄物処理の観点からの要求の両者を満足する廃棄物ガス化溶融発電システムの低負荷運転を伴う運転方法である。
低負荷時には、廃棄物aは流動層ガス化炉1に供給される。流動層ガス化炉1からの微粉状の固形炭素分を同伴した生成ガスcは溶融炉3に供給され、垂直の1次燃焼室4及び傾斜した2次燃焼室5、さらに垂直の3次燃焼室6にて、予熱された空気と旋回流中で混合しながら、800〜950℃の中温で完全燃焼される。
【0027】
つぎに、燃焼排ガスは廃熱ボイラ13に供給され、前記燃焼排ガスの保有する熱エネルギーは熱回収されて過熱蒸気または飽和蒸気を生成する。廃熱ボイラ13を出た燃焼排ガスは、エコノマイザ等の予熱器16、排ガス処理機能を有する集塵器17を通り、低温のクリーンガスとして煙突から大気へ放出される。
【0028】
固形炭素分中の灰分は、溶融炉3において中温燃焼のため溶融スラグ化しないで焼却灰になる。前記焼却灰は、燃焼排ガスに同伴し、2次燃焼室5及び3次燃焼室6を通り下流の廃熱ボイラ13、予熱器16、集塵器17で捕集される。この時、焼却灰の一部は、2次燃焼室5と3次燃焼室6の間にある排出口7より排出され、また廃熱ボイラ13、予熱器16でも捕集され排出される。捕集された灰は高負荷時に溶融処理するために灰ホッパ18に貯留される。
一方、前記過熱蒸気又は飽和蒸気は蒸気タービン及び発電機からなる発電設備15へ供給され、電力エネルギーとしてエネルギー回収が行われる。発電された電力は場内で消費されるほか電力会社に売電される。
【0029】
高負荷時には、廃棄物a及び低負荷運転時に捕集・貯留されていた焼却灰eは流動層ガス化炉1に供給される。
流動層ガス化炉1に供給された焼却灰eは流動層で加熱され微粉状となるため、流動層ガス化炉1で生成した可燃ガスcに同伴して溶融炉3に供給される。溶融炉3に供給された前記可燃ガスcは垂直の1次燃焼室4及び傾斜した2次燃焼室5にて、予熱された空気と旋回流中で混合しながら、1200〜1600℃、好ましくは1300〜1400℃の高温で部分酸化される。
【0030】
この時、固形炭素分中の灰分及び焼却灰eは、高温のためスラグミストとなり、このスラグミストの大部分は旋回流による遠心力の作用により1次燃焼室4及び2次燃焼室5の炉壁上の溶融スラグ層に捕捉される。そして、この炉壁面を流れ下った溶融スラグは、2次燃焼室5と3次燃焼室6の間にある排出口7より排出され、直接又は間接的に冷却された後にスラグ粒として回収される。
【0031】
次に、燃焼排ガスは廃熱ボイラ13に供給され、前記燃焼排ガスの保有する熱エネルギーは熱回収されて過熱蒸気または飽和蒸気を生成する。廃熱ボイラ13を出た燃焼排ガスは、エコノマイザ等の予熱器16、排ガス処理機能を有する集塵器17を通り、低温のクリーンガスとして煙突から大気へ放出される。
一方、前記過熱蒸気又は飽和蒸気は蒸気タービン及び発電機からなる発電設備15へ供給され、電力エネルギーとしてエネルギー回収が行われる。発電された電力は場内で消費されるほか電力会社に売電される。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)廃棄物のガス化溶融システムにおいて、低負荷運転を伴う場合でも、廃棄物の灰分を自己熱溶融スラグ化することができる。
(2)廃棄物ガス化溶融発電システムにおいて、売電単価の低い時間帯に低負荷運転を行い、売電単価の高い時間帯に高負荷運転を行うことにより売電収入の最大化が図られると同時に廃棄物処理としての廃棄物の自己熱溶融スラグ化が図られる。
(3)低負荷運転時には、燃焼ガス温度が高負荷運転時に比べ低くなるが、燃焼ガス滞留時間が2.8倍程度になり、ダイオキシン等は完全分解する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実施する装置の構成の第1の例を示す概略図である。
【図2】本発明の固形廃棄物の溶融処理方法を実施する装置の構成の第2の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 流動層ガス化炉
2 定量供給装置
3 溶融炉
4 1次燃焼室
5 2次燃焼室
6 3次燃焼室
7 排出口
8 流動層
9 フリーボード
13 廃熱ボイラ
15 発電設備
16 予熱器
17 集塵器
18 灰ホッパ
Claims (4)
- 固形廃棄物を流動層ガス化炉にて450〜850℃の層温でガス化した後に廃棄物中の灰分を溶融炉で燃焼またはスラグ化する方法にあたり、定格処理量の50〜75%の低負荷時には溶融炉を燃焼室として使用して800〜950℃の温度でガスやタールやチャー等の可燃物を燃焼し、その際発生したスラグ化していない燃焼灰を前記溶融炉の排出口から排出して貯留しておき、定格処理量の75〜100%の高負荷時には前記燃焼灰を流動層ガス化炉または溶融炉に供給し、高負荷時の燃焼廃棄物の灰分とともに1200〜1600℃の温度で溶融スラグ化することを特徴とする廃棄物ガス化溶融システムの運転方法。
- 前記燃焼灰に前記溶融炉から排出される燃焼排ガスから捕集される灰を加えて高負荷時に前記溶融炉に供給することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物ガス化溶融システムの運転方法。
- 前記溶融炉から排出された燃焼排ガスの熱回収により過熱蒸気を生成し、該過熱蒸気を蒸気タービン及び発電機からなる発電設備に供給し発電することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物ガス化溶融システムの運転方法。
- 昼間を高負荷運転とし、夜間を低負荷運転とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の廃棄物ガス化溶融システムの運転方法。
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