JP3859214B2 - プロトン導電体ガスセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
この発明はプロトン導電体ガスセンサに関し、特にその水溜に関する。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】
特開平2000−146905号公報
【0003】
特許文献1は、水溜を備えたプロトン導電体ガスセンサの構造を開示している。プロトン導電体膜の表裏に検知極と対極とを設けてMEAとし、MEAを疎水性で多孔質の導電性炭素シートでサンドイッチする。上下の炭素シートを開口付きの一対の金属板で挟み込み、ガスケットで水溜の金属缶に固定する。水溜の水蒸気は、下部金属板の開口から疎水性の炭素シートを介して対極に達し、周囲雰囲気は上部金属板の開口から検知極に達する。これらによって検知極と対極とで必要な電極反応が生じ、起電力や電流値などにより、周囲雰囲気中の検知対象ガスを検出できる。
【0004】
しかしながら液体の水を水溜に収容すると、水溜温度の急上昇などにより水溜内の空気が膨張して、水が押し出されるおそれがある。そこで水をゲル化することが考えられるが、ポリアクリル酸系などの吸水性ポリマーでは、Naなどの金属イオンが含まれるため、MEAを汚染するおそれがある。発明者はそこで天然高分子をゲル化剤とすることを検討したが、高温でゲルがゾル化し、センサ出力に影響することを見出した。従って、金属イオン含有量が少なく、かつ高温でゾル化しないゲルが必要である。また水溜の有効寿命を延ばすため、保持できる水の量が大きなゲル化剤が好ましい。
【0005】
【発明の課題】
この発明の課題は、高温でもゾル化しないゲルを水溜に用いることにより、プロトン導電体ガスセンサの高温耐久性を向上させることにある(請求項1〜5)。
請求項2,3の発明での追加の課題は、ゲル化剤の具体的な組成を提供することにある。
請求項4の発明での追加の課題は、MEAと水溜側の金属板との間の、疎水性炭素シートを不要にすることにある。
請求項5の発明での追加の課題は、MEAと金属板の間の疎水性炭素シートを除いた際に、水溜側の金属板を利用してガスの分配経路を設けることにある。
【0006】
【発明の構成】
この発明は、プロトン導電体膜と検知極と対極とからなるMEAを備えたセンサ本体に、水溜から水蒸気を供給するようにしたセンサにおいて、分散媒の水中に分散質の無機微粒子を分散させたゲルで、前記水溜に水を蓄えるようにしたことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
無機微粒子の組成は任意であるが、好ましくは無機微粒子を製造が容易なシリカの微粒子とし(請求項2)、特に保水量が大きいゲル化剤として、珪素の化合物を気相で分解した、いわゆる乾式法のシリカが好ましい(請求項3)。
【0008】
また好ましくは、前記センサ本体が、前記MEAの他に、水溜側の開口付き金属板を備え、かつMEAと前記金属板とを直接に接触させる(請求項4)。金属板の種類は、プロトン導電体膜中のスルホン酸基などに対する耐食性の点から、ステンレスまたはチタン及びチタン合金が好ましい。
【0009】
特に好ましくは、前記金属板のMEA側表面に、ガス分配用の凹凸を設ける(請求項5)。凹凸の形状は任意で、例えば金属板の周辺側と中心側との間に、ガス流路を設けるものとする。
【0010】
【発明の作用と効果】
この発明では、プロトン導電体ガスセンサの水溜にゲル化した水を用い、そのゲル化剤にシリカやアルミナなどの無機微粒子を用いる。このようなゲル化剤は1次粒径が例えば5〜50nm程度で、ゲル化すると、1次粒子がチェーン状に連鎖してネットワーク状の構造体(網目構造)をなす。水はネットワーク内に保持され、ゲル化剤のチェーンとチェーンとの間が分散媒の水で満たされている。そして連続相の水中にゲル化剤のチェーンがネットワーク状に存在し、このネットワークによりゲル化しているものである。
【0011】
このようなゲル化剤には例えばシリカの微粒子やアルミナの微粒子、チタニアの微粒子などがあり、特に珪素やアルミニウム、チタンなどの化合物を気相で分解したいわゆる乾式法によるものが好ましい。乾式法で得られたゲル化剤は、金属イオンの含有量を例えば数ppm以下と極めて小さくでき、湿式法の場合でも製造条件を選べば金属イオン含有量を極めて小さくできる。これは、アクリル酸ポリマーなどの合成高分子を用いたゲル化剤とは異なり、ポリマー中の金属イオンに起因する浸透圧を利用して、水をゲル化させているのではないからである。また無機微粒子をゲル化剤に用いたゲルは、合成高分子や天然高分子をゲル化剤とした場合と異なり、70℃程度でもゾル化しない。このため、MEAを汚染する恐れが少なく、ガスセンサの高温耐久性を向上させる。さらに栄養分を含まないため雑菌が繁殖することが無く、従って防腐剤も不要で、防腐剤に起因するMEAの汚染を考慮する必要がない(請求項1)。
【0012】
乾式法で得られた無機微粒子をゲル化剤とすると、少量のゲル化剤で多量の水を保持できる。例えば乾式法シリカの場合、ゲル中のゲル化剤の量を10〜30wt%、特に18〜25wt%程度にでき、ゲル中の大部分は水である。これに対して通常のシリカゲルは湿式法で製造され、例えば珪酸ソーダを水中で加水分解し、1次粒子径や比表面積を調整して製造される。湿式法のシリカゲルは、吸着剤などとして使用されているもので、保持できる水の量はゲルの乾燥重量の10wt%以下である。このため水溜に少量の水しか蓄えられず、ガスセンサの寿命あるいは水の補給の間隔が短くなる。
【0013】
ゲル化剤の製法は任意であるが、珪素の気相化合物の熱分解、例えばSiCl4やSiHCl3の水蒸気などによる熱分解、などを用いて製造できる。気相での熱分解で得られる粒子はほぼ球状で、粒径は極めて小さく、例えば5〜50nm程度である。ゲル化剤の組成は、例えば気相化合物の熱分解で微粒子が得られるものが好ましく、SiCl4等の熱分解で製造できるシリカ微粒子を用いたゲル化剤が特に好ましい(請求項2,3)。
【0014】
水溜の水をゲル化すると、液体の水がMEAに達するおそれがなく、MEAとその水溜側に配置された金属板との間の、疎水性炭素シートが不要になる。疎水性炭素シートは燃料電池用の高価な部材であり、これを不要にできると、プロトン導電体ガスセンサのコストを削減できる(請求項4)。
【0015】
COセンサやNH3センサ、H2Sセンサなどのように、水素以外のガスを検出する場合、水素感度を小さくする必要がある。発明者は、MEAの対極を水溜の側の金属板に直接接触させると、COなどに対する水素の相対感度が増すことを見出した。そして金属板の表面に凹凸を設けると、水素の相対感度を小さくできることを見出した。
【0016】
MEAの水溜側に対極を配置する場合、対極を金属板に直接接触させ、かつ金属板表面が鏡面ないしは平滑であると、対極と金属板との間に水素の拡散経路が生じ難い。これに対して、金属板の表面に凹凸を設けると、この凹凸が水素の拡散経路となり、対極側に回り込んだ水素は凹凸を介して対極のほぼ全面に拡散し、検知極側の水素感度と打ち消しあって、水素感度を小さくできる。また水溜側に検知極を設ける場合、金属板表面の凹凸を用いて、検知対象ガスを検知極のほぼ全面に分配できる(請求項5)。
【0017】
【実施例】
図1〜図9に、実施例とその変形を示す。図1〜図3において、2はプロトン導電体ガスセンサで、4はセンサ本体であり、MEA10と拡散制御板12並びに封孔体14,金属ワッシャ28で構成されている。MEA10は、図2に示すように、プロトン導電体膜42の拡散制御板12側に検知極44を設け、ワッシャ28側に対極46を設けたものである。なお検知極44と対極46との配置を逆転することができ、その場合、プロトン導電体膜42に貫通孔を設けて、周囲雰囲気を検知極へ供給し、対極側を周囲雰囲気からシールすればよい。この場合も、後述の水蒸気導入孔30をワッシャ28に設けて、水溜から水蒸気を検知極へ供給する。
【0018】
拡散制御板12はステンレスやチタンなどの薄板からなり、厚さは例えば0.1mm程度で、打ち抜きなどにより直径0.1mm程度の拡散制御孔26を設けてある。金属の拡散制御板12に代えて、フッ素樹脂膜などのガス透過性膜を用いて拡散制御を施しても良い。封孔体14は拡散制御板12の上流側で、被毒物質や誤報の原因となるガスを除去するためのもので、金属のキャップ16と金属の底板18とから成り、その間にガス吸着用の活性炭やシリカゲル、ゼオライトなどから成るフィルタ材20を充填してある。このシリカゲルは、シリカが連続相で、ガスを吸着するための通常のシリカゲルである。また通常のシリカゲルでは、保持し得る水の量はゲルの乾燥重量の10%以下である。なお保水量は、例えばゲルを入れた容器を倒した際に、1日以上経過してもたれ出さずに保持できる水の量をいう。
【0019】
底板18の例えば中央部に開口22があり、キャップ16の側面に開口24を設け、開口22と開口24とは封孔体14の軸方向に沿って重ならないように配置する。そして開口22,24の少なくとも一方を、複数設けることが好ましい。このようにしてフィルタ材20の全領域がフィルタとして作用するようにし、その寿命を長くする。ワッシャ28はステンレスやチタンなどの金属板から成り、拡散制御板12に比べて肉厚の例えば0.5mm厚とし、1箇所〜複数箇所に水蒸気導入孔30を設けて、水溜からの水蒸気を対極へ供給する。水蒸気導入孔30は、例えば直径0.5mm程度と、拡散制御孔26よりも大きくする。
【0020】
32は金属缶で、34は微粉末の乾式法のシリカをゲル化剤として、純水をゲル化したゲルで、さいころ状、円柱状などの適宜の形状をしている。36は凹部で、金属ワッシャ28を支持し、38はガスケットで、封孔体14と金属缶32との間に配置してある。そして金属缶32の上部をかしめることにより、センサ本体を金属缶32に対して固定し、封孔体14を金属缶32から絶縁し、センサ本体4の各部での電気的導通とシールとを行う。
【0021】
図2,図3に、センサ本体各部の構造を示すと、拡散制御板12の周囲雰囲気側に封孔体14があり、拡散制御板12のMEA10側の底面には、拡散制御孔26に連通する多数の溝40が例えば放射状に配置してある。溝40は、拡散制御孔26から供給された周囲雰囲気を、拡散制御板12の表面に沿って分配し、検知極の各部へ供給するためのものである。なお溝40の形状は任意で、拡散制御孔26と連通し、拡散制御板12の表面の凹凸を利用してガスの流路を形成するものであればよい。
【0022】
ワッシャ28側では、MEA10と重なる位置のやや外周側から水蒸気導入孔30側へ、複数の溝48を設ける。ここでは溝48を水蒸気導入孔30と連通させたが、図4のワッシャ50のように、溝52を水蒸気導入孔30と連通させなくてもよい。溝48,52は、拡散制御孔26からMEA10の外側まで拡散した水素を、再度ワッシャ28などの表面に沿って対極へと供給するためのものである。
【0023】
水素は拡散係数が大きくシールが困難なので、MEA10の外周を迂回して、溝48,52へと達することができる。これに対して検出対象のCOなどは、拡散係数が小さいので、MEA10の外周を介しての拡散はほとんど無視できる。水素が溝48,52から対極側に供給されると、検知極側の水素感度と対極側の水素感度とが打ち消し合い、COなどの検知対象ガスに対する水素の相対感度を低下させることができる。なおここでは検知対象ガスをCOとしたが、アンモニアやH2S,NOx,SOxなどとしても良い。またワッシャに設ける凹凸は溝に限らず任意の形状で良く、MEA10の周囲から対極側へと水素を拡散できる流路であればよい。例えば図5のワッシャ54では、ローレット状の溝56を設けて、水素を拡散させている。
【0024】
実施例では、拡散制御板12に溝40を設けて検知対象ガスを供給するようにしたが、拡散制御板12とMEA10との間に、炭素シートを配置して周囲雰囲気を供給するようにしても良い。このような例を図6に示す。64は拡散制御板で、その中央部に直径0.1mm程度の拡散制御孔26を設け、MEA10との間に炭素シート66を設ける。炭素シート66は肉厚が数10〜100μm程度の部材で、多孔質で疎水性であり、導電性がある。また炭素シートは、MEA10とワッシャ28の間にも設けても良い。このような場合、ワッシャ28等の溝は不要になる。
【0025】
図8に、ガスセンサ2の組立手順を示す。シリカの微粒子として、SiClなどを気相で加水分解して得た、シリカの微粒子を用いる。この微粒子の粒径は5〜50nm程度で、球状である。また気相で熱分解するので、Naイオンなどの含有量は極めて少なく、乾燥時の嵩密度は50〜100g/リットル程度で、比表面積は200m2/g程度である。
【0026】
このシリカの微粒子に水を加えながら、みずほ工業(株)製のウルトラミキサーなどで、せん断力を加えながら撹拌する。この間に、せん断力によりシリカ微粒子のネットワークが崩れて、見掛けの粒径は10〜100μmから例えば1μm以下のものを含むように減少し、撹拌を終えて靜置すると、チクソトロピーによりゲル化する。靜置によりゲル化剤粒子の見掛けの平均粒径は再度10μm以上へと増加する。これはシリカ微粒子のチェーンが撹拌により崩れて、靜置により再度チェーンが成長してネットワークが形成されることを示していると考えられる。そして新たに形成されたネットワークの内部に、詰まりシリカのチェーンとチェーンとの間を満たすように、液体の水が保持されるものと考えられる。得られたゲルは安定で、放置してもゾル化せず、得られたゲルをそのままの形状で、あるいは円柱状やサイコロ状などの所望の形状にカットして、金属缶に収容する。ゲルの組成は、例えば乾式シリカ微粒子が20wt%、水が80wt%とする。そして金属缶の窪み部の上部にワッシャとMEA並びに拡散制御板をセットし、封孔体とガスケットをセットして、金属缶をかしめる。そして完成したガスセンサを検査する。
【0027】
図9,図10に、プロトン導電体ガスセンサの高温耐久特性を示す。図9は、図1〜図3の実施例のガスセンサ2の特性を示し、10個のガスセンサの出力を最大/最小の範囲で示す。図10は、ゲル化剤として澱粉系の多糖類であるカラギーナンを用いた、ガスセンサ5個の出力分布を示す。なお実施例ではゲル化剤の重量の4倍の水を加え、従来例ではゲル化剤の重量の5倍の水を加えた。これらのセンサを70℃の雰囲気に保管し、時々常温常湿雰囲気へ取り出して、CO300ppm中での出力を測定した。縦軸の出力は増幅回路の出力であり、実際には任意単位である。
【0028】
実施例では70℃中で40日以上経過しても、出力に大きな変化は見られなかった。これに対して図10の従来例では、5日程度で出力が低下するものが表れ、20日以上経過すると、全てのセンサの出力が初期値から大きく変動した。次に、高温耐久後のセンサを分解してゲルを調べると、実施例ではゲルの形状は最初のままであったが、従来例ではゲルの形状が崩れ、高温でゲルがゾル化していたことが認められた。そしてゾル化したゲルが水蒸気導入孔からMEAへ浸入して、センサ特性が変化したものと考えられる。
【0029】
発明者はこれ以外に、ポリアクリル酸などの合成高分子系のゲル化剤を用いてガスセンサを試作した。このようなガスセンサでは、70℃で数日以上エージングすると、COに対する出力が不可逆に低下した。また合成高分子系のゲル化剤は、Na+イオンなどのアルカリ金属イオンを多量に含有するので、ゾル化すると金属イオンでMEAが汚染されることになる。
【0030】
カラギーナンなどの天然高分子ゲル化剤では、ゲルに指で触って1週間室温に放置すると、雑菌がゲルの全面に拡がっていることが認められた。これに対して微粒子のシリカをゲル化剤とするゲルでは、指で触ってもその位置にのみ雑菌が繁殖し、他の位置まで雑菌が拡がることはなかった。これは無機物の微粒子をゲル化剤とすると、雑菌のエネルギー源がゲルに含まれていないので、増殖できないことを意味する。このように無機物の微粒子を用いたゲル化剤では、防腐剤を添加する必要がない。
【0031】
ゲル化剤の例として乾式法のシリカを示したが、これに限るものではない。ゲル化剤は、無機物で、従って防腐剤の必要が無くかつ高温でゾル化しにくく、さらにアルカリ金属イオンなどの金属イオンや塩素イオンなどの陰イオンの含有量が少なく、例えばこれらの合計で100wtppm以下で、保水力が高く、例えばゲル中のゲル化剤の乾燥重量を30wt%以下としてゲルを倒しても、ゲルが垂れ出さないようなものが好ましい。構造面から見ると、ゲル化剤の微粒子がチェーン状に連鎖してネットワークを構成し、ネットワークの内部に水を収容したものが好ましい。この場合、水はチェーンとチェーンとの間に存在する。そしてこのためには、ゲル化剤を加えた水を撹拌等によりゾル化でき、その後の靜置や加熱などによりゲル化するものが好ましい。製造時のゲル中のゲル化剤濃度は、例えば10〜30wt%、好ましくは18〜25wt%とする。材料面から見ると、ゲル化剤には乾式法のシリカの他に、乾式法のアルミナなどがある。
【0032】
なお乾燥剤として通常に用いられるシリカゲルは、珪酸ナトリウムを加水分解して得られたものであり、Na+イオンを不純物として多量に含んでいる。また保持し得る水の量は僅かで、シリカゲルの乾燥重量の10wt%以下である。プロトン導電体ガスセンサの寿命は、水溜から供給し得る水蒸気の量に依存するので、含水率の低いゲルを用いるのは非実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のプロトン導電体ガスセンサの断面図
【図2】 実施例のプロトン導電体ガスセンサでの封孔体からMEAまでの部材を示す図
【図3】 実施例のプロトン導電体ガスセンサでの、下部金属板を平面視と水平断面視とで示す図
【図4】 変形例の下部金属板の平面図
【図5】 下部金属板の他の変形例の平面図
【図6】 他の変形例での拡散制御板と上部炭素シートとを示す図
【図7】 図6の変形例での、センサ本体を示す断面図
【図8】 実施例のプロトン導電体ガスセンサの組み立て工程を示す工程図
【図9】 実施例のプロトン導電体ガスセンサの70℃耐久特性を示す特性図
【図10】 従来例のプロトン導電体ガスセンサの70℃耐久特性を示す特性図
【符号の説明】
2 プロトン導電体ガスセンサ
4,62 センサ本体
10 MEA
12,64 拡散制御板
14 封孔体
16 キャップ
18 底板
20 フィルタ材
22,24 開口
26 拡散制御孔
28,50,54 ワッシャ
30 水蒸気導入孔
32 金属缶
34 ゲル
36 凹部
38 ガスケット
40 溝
42 プロトン導電体膜
44 検知極
46 対極
48,52,56 溝
66 炭素シート

Claims (5)

  1. プロトン導電体膜と検知極と対極とからなるMEAを備えたセンサ本体に、水溜から水蒸気を供給するようにしたセンサにおいて、
    分散媒の水中に分散質の無機微粒子を分散させたゲルで、前記水溜に水を蓄えるようにしたことを特徴とする、プロトン導電体ガスセンサ。
  2. 前記ゲル中の無機微粒子がシリカの微粒子であることを特徴とする、請求項1のプロトン導電体ガスセンサ。
  3. 前記シリカの微粒子が珪素化合物を気相で分解して得たものであることを特徴とする、請求項2のプロトン導電体ガスセンサ。
  4. 前記センサ本体が、前記MEAの他に、水溜側の開口付き金属板を備え、かつMEAと前記金属板とを直接に接触させたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかのプロトン導電体ガスセンサ。
  5. 前記金属板のMEA側表面に、ガス分配用の凹凸を設けたことを特徴とする、請求項4のプロトン導電体ガスセンサ。
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