JP3858359B2 - 有機物の除去方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機物の除去方法に係り、特に、超純水又は超純水製造工程におけるTOC(全有機体炭素)除去効率を大幅に改善した有機物の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
主に半導体基板や液晶基板の洗浄用に用いられる超純水の製造において、TOCの除去は他の不純物(微粒子、イオンなど)の除去と同様に極めて重要である。また、特に、半導体基板や液晶基板の洗浄、リンス排水の回収・再利用を行う場合、バクテリアファウリングから処理装置を守り、安定運転を続ける上でも、他のユニット装置による不純物除去の前段でTOCを低減しておくことは、極めて重要である。
【0003】
このため、目標水準までTOCを低減させた処理水を得るべく、2段式逆浸透膜分離処理やイオン交換塔を併用した低圧紫外線酸化処理、生物処理などが行われている。また、処理コストを低減し、より一層のTOC低減を図るために、本出願人により、酸化剤を併用した加熱分解型のTOC除去方法が出願されている(国際公開W094/18127号公報)。本方式によると、数ppmオーダーのTOCを含む原水を1段階の処理で数ppb−TOCにまで高度に処理することができる。本出願人はまた、このTOC除去法で用いる酸化剤としては過硫酸又は過硫酸塩が最適であること、そしてその添加量は原水中のTOC1重量部当たりS2 8 2- 換算で20〜45重量部とするのが適当であることを確認し、先に特許出願を行った(特開平8−173978号公報)。
【0004】
この加熱分解法によるTOCの除去方式においては、
(a) 簡単な装置でTOCを低レベルにまで除去できる。
(b) 原水のTOC濃度に応じて、酸化剤添加量を調整するだけで対応できる。
(c) 加熱工程があるので、菌の繁殖を防止し、また、栄養源である有機物が減少し、バクテリアファウリングを軽減できる。
といった優れた利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加熱分解法では、TOC1ppm程度の原水を処理する場合にはさほど問題とはならないが、TOC4〜5ppm或いはそれ以上の原水を対象とした場合には、酸化剤添加量を相当に多くしないと目標水質までTOCを低減することができなかった。
【0006】
この方法で添加された酸化剤、例えば、過硫酸ナトリウムは、TOC成分の分解反応後、硫酸と硫酸ナトリウムとなって存在するため、加熱分解装置の後段で除去する必要がある。このため、多量の酸化剤を必要とすることは、薬剤コストの高騰のみならず、後段設備の負荷の増大の問題も引き起こすこととなる。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決し、原水を酸化剤の存在下で加熱処理して原水中のTOC成分を分解した後、脱イオン処理することにより原水中の有機物を除去する方法において、酸化剤の使用量を大幅に低減する有機物の除去方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機物の除去方法は、超純水製造工程において、TOCが4〜5ppm或いはそれ以上の原水を酸化剤の存在下で加熱処理して原水中のTOC成分を分解した後、脱イオン処理することにより原水中のTOCを数十ppb以下にまで除去する方法において、原水に触媒を接触させることなく、原水に酸素と、酸化剤として過硫酸及び/又は過硫酸塩とを添加した後、110〜150℃に加熱処理する方法であって、前記酸化剤の添加量が酸素を添加しない場合の必要酸化剤添加量よりも少ない量であることを特徴とする。なお、以下において、過硫酸塩と過硫酸とを「過硫酸塩等」と称する場合がある。
【0009】
原水中のTOC成分がすべてイソプロピルアルコール(IPA:C3 7 OH,このIPAは、半導体洗浄廃水を回収し、これを原水として純水を得る場合に洗浄廃水に含まれている代表的な物質である。)であることを想定し、これを過硫酸塩としてNa2 2 8 を用いて加熱分解法で処理する場合、次のような反応式に従って分解反応が起こる。
【0010】
C3H7OH+9Na2S2O8+9H2 O →3CO2+4H2 O +9Na2SO4 +9H2 SO4
上記反応式より明らかなように、1モルのIPA(3モルの炭素)に対して9モルのNa2 2 8 が必要である。これを濃度で表すと、1ppmのTOCの酸化分解には59.5ppmのNa2 2 8 (K2 2 8 であれば67.5ppm)を要することとなる。従って、TOC1mg/L当り、過硫酸塩70mg/L程度の添加が好ましいと考えられている。
【0011】
しかしながら、通常の加熱分解処理においては、1ppmのTOCに対し、59.5ppmより低いおおよそ30ppm程度のNa2 2 8 (即ち、上述の理論量の50%程度)を添加すれば、良好な処理水が得られる。
【0012】
本発明者らは、この加熱分解法により、処理水中のTOCを数十ppbレベル以下に低減させるための過硫酸塩等の必要添加量/原水のTOC比についてより詳細に検討を行ったところ、この比は一定ではなく、原水中のTOC濃度がある範囲以上に上昇すると増加し、単位量のTOCを分解するために多くの過硫酸塩等の添加が必要になることを確認した。この現象について、更に鋭意解析を行った結果、加熱分解法によるTOC分解では、酸化剤としての過硫酸塩等だけでなく原水中の溶存酸素も寄与していることを見出した。
【0013】
この知見をもとに、本発明者らは、原水中のTOCの加熱分解処理においては、原水の溶存酸素濃度を予め高めることによって、過硫酸塩等の必要添加量/原水のTOC比を、低濃度TOCの原水の処理の場合と同等に保つことができ、従来に比べ過硫酸塩等の添加量を大幅に低減できることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
このような本発明の方法は、TOCが4〜5ppm或いはそれ以上の、比較的TOC濃度の高い原水の処理に有効であり、過硫酸塩等の必要添加量を有効に低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の有機物の除去方法の酸素添加手段の実施の形態を示す系統図である。
【0017】
本発明の有機物の除去方法においては、必要に応じて前処理を施した原水に、酸素と、酸化剤として過硫酸塩等を添加して加熱分解処理した後、脱イオン処理し、更に必要に応じて後処理する。なお、酸素は、加熱分解処理で酸化剤が消費される前に添加すれば良く、酸化剤添加の前後どちらでも良い。
【0018】
原水としては、一般に半導体又は液晶洗浄工程からの回収水、工水、市水、井水及びこれらを混合したものが用いられ、半導体洗浄工程からの回収水については、適当な前処理工程を経た後、加熱分解処理工程に導入するのが好ましい。
【0019】
前処理工程としては、原水水質に応じて任意の手段を設けることができ、例えば、凝集、濾過、浮上、吸着、イオン交換などの手段を採用することができる。具体的な前処理工程としては、次の(i) 〜(iii) が挙げられる。特に、半導体洗浄工程からの回収水については、下記(iii) の前処理により、活性炭吸着塔で含有されるH2 2 を除去した後、強アニオン交換塔でフッ素の除去を行って加熱分解処理工程に導入するのが好ましい。
【0020】
(i) 凝集・加圧浮上・濾過装置
(ii) イオン交換塔
(iii) 活性炭吸着塔→アニオン交換塔
本発明において、原水に酸素を添加して、溶存酸素濃度を高める方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
【0021】
即ち、一般に、水の飽和溶存酸素濃度は常温で8ppm程度であることは周知の事実であるが、これは窒素(及び他の微量成分)との混合系である空気成分と平衡状態における溶存酸素濃度である。従って、何らかの手段によって原水と接する気体の酸素分圧を高めれば、溶存酸素濃度は8ppm以上に容易に高めることができる。また、加熱分解装置へ原水を送水するポンプの出口側(反応装置側)では、原水は加圧されているので、大気圧下での溶解度以上に気体を溶解することができる。この高圧部に、酸素又は空気を圧入することによっても、原水の溶存酸素濃度を高めることができる。なお、酸素又は空気は必ずしも完全に原水中に溶解している必要はない。即ち、加熱分解装置内で未溶解のまま残る気体中の酸素は、加熱分解反応中の溶存酸素の消費と並行して水に溶解していき、溶存酸素濃度を保つ効果を持つ。
【0022】
従って、本発明において、原水に酸素を添加する手段としては、例えば、次のI−VIの方法が挙げられる。なお、下記I−VIは、本発明に係る酸素添加手段の一例を示すものであり、本発明は何らこれらの方法に限定されるものではない。I 図1(a)に示す如く、原水を処理槽1に導入して、酸素又は酸素富化空気をバブリングする方法。この原水は、その後ポンプ2により、酸化剤添加後、加熱分解反応器3に導入される。
【0023】
II 図1(b)に示す如く、原水を気体透過膜モジュール4に導入し、このモジュール4で酸素又は酸素富化空気を注入する方法。この原水は、その後ポンプ2により、酸化剤添加後、加熱分解反応器3に導入される。
【0024】
なお、上記I,IIの手段に先立ち、真空脱気や気体透過膜モジュールによる減圧膜脱気等で、原水中の全溶存気体(特に溶存窒素)濃度を減少させておくことも、酸素溶解効率を高める上で効果的である。また、気体透過膜モジュールの気相部を減圧しつつ酸素を供給する方法も、予備処理として適当である。これらの方法は、反応器3への送水ポンプ2の上流側での処理に適当である。
【0025】
III 図1(c)に示す如く、原水を加熱分解反応器3に導入するポンプ2の出口側でコンプレッサー等で原水に圧縮空気等の酸素含有ガスを注入する方法。
IV 原水を加熱分解反応器3に導入するポンプ2の入口側の配管にエゼクター等を使って常圧又は加圧の空気又は酸素を吸い込ませる方法。
V 加熱分解反応部を多段式にし、各段の中間部を大気開放型にして溶存酸素を増加させる方法。
VI 上記Vの方法で、各段の中間部において前記I又はIIを行う方法。
【0026】
本発明において、原水への酸素の添加量は、原水中のTOC濃度や酸化剤添加量の低減割合、目標とする処理水TOC、その他の諸条件により異なるが、TOC成分としてIPAを対象とした時のTOC4ppm以上の原水の場合、原水中の溶存酸素濃度を大気との平衡状態の飽和濃度である8ppm以上(過飽和)とすることができるような添加量とするのが好ましい。この溶存酸素濃度が8ppm未満では、本発明による酸化剤低減効果が十分に得られない。酸素添加量は、酸素添加後の原水の溶存酸素濃度を溶存酸素濃度計で測定し、この測定値に基いて上記溶存酸素濃度となるように制御してもよい。
【0027】
本発明において、酸化剤としては、パーオキシ二硫酸ナトリウム(Na2 2 8 )、パーオキシ二硫酸カリウム(K2 2 8 )、パーオキシ二硫酸アンモニウム((NH4 2 2 8 )等の過硫酸塩や過硫酸(H2 2 8 )が挙げられるが、Na2 2 8 ,K2 2 8 などの過硫酸塩が好適である。
【0028】
酸化剤としての過硫酸塩等の添加量は、上記酸素添加による原水中の溶存酸素濃度等によっても異なるが、原水中のTOC1重量部当りS2 8 2- として15〜35重量部の範囲とするのが好ましい。TOC1重量部当りのS2 8 2- 換算の過硫酸塩等の添加量がこの範囲よりも少ないと、酸化剤が不足し、TOCが多く残留し、逆にこの範囲より多いと、酸化剤が過剰となり、後段の装置に負荷をかけ、後段装置からTOC成分を溶出させるなどの不具合を生じる。
【0029】
本発明では、特に、TOC成分としてIPAを対象とした場合のTOC4ppm以上の原水に対し、溶存酸素濃度が8ppm以上となるように酸素を添加した後、TOC1重量部当りS2 8 2- 20〜35重量部となるように過硫酸塩等を添加するのが好ましい。
【0030】
本発明において酸化剤添加後の加熱分解処理における加熱温度は、110〜150℃とし、また、加熱分解反応時間は、加熱温度や原水TOCや溶存酸素濃度及び酸化剤の添加量によっても異なるが、通常の場合1〜15分とするのが好ましい。
【0032】
なお、加熱分解処理のpH条件については、特に調整の必要はないが、酸性側の方がTOCが分解し易い。通常、中性の原水に過硫酸塩等を添加するとTOC成分の酸化分解もしくは酸化剤の自己分解により、H2 SO4 が生成され、pHは酸性側となるので、特にpH調整の必要はない。
【0033】
加熱分解処理水は、次いで、脱イオン処理に供するが、この脱イオン処理に先立ち、必要に応じて、酸化剤除去処理を行う。
【0034】
即ち、加熱分解工程における過剰の酸化剤が加熱分解処理水中に含有されて脱イオン処理工程に流入すると、脱イオン処理工程の逆浸透膜やイオン交換樹脂を酸化劣化させ、劣化した樹脂の溶出によるTOCの増加や装置寿命の低減等の問題を生じる。
【0035】
本発明においては、酸化剤としての過硫酸塩等の添加量が少ないことから、加熱分解処理水中に含まれる過硫酸塩等の量は少なく、従って、酸化剤除去処理は必ずしも必要とされないが、酸化剤除去処理を行うことにより、酸化剤による脱イオン処理工程への影響を確実に防止することができる。
【0036】
この酸化剤除去処理手段としては、活性炭及び/又は適当な触媒を充填した充填塔を採用することができる。
【0037】
活性炭としては、粒状、粉状、繊維状のいずれでも良いが、特に粒状か繊維状のものが通水効率の面で有利である。活性炭のタイプ(ヤシガラ系、石炭系、その他)には特に制限はない。一方、触媒としては、一般に用いられている白金系、パラジウム系のものなど、多様なものを用いることができる。
【0038】
上記活性炭及び触媒は、そのいずれか一方を用いるだけでも目的は達せられるが、場合によって、両者を併用しても良い。その他、酸化剤除去手段としては、紫外線照射も採用可能である。
【0039】
酸化剤除去処理条件は、加熱分解処理水中に残留する過硫酸塩等が、後段の脱イオン処理工程のイオン交換樹脂や逆浸透膜を酸化劣化させない程度の、十分低濃度にまで除去できるような条件であれば良く、加熱分解処理水中の残留過硫酸塩等の濃度や、酸化剤除去工程の仕様、即ち、活性炭や触媒の形状、粒径、充填量等によって適宜決定される。例えば、10ppmの残留Na2 2 5 を含む加熱分解処理水を、20/40メッシュの粒状活性炭充填塔で処理する場合、SV=40hr-1程度以下とするのが好ましい。
【0040】
なお、加熱分解処理水は、通常pH4以下の酸性であるので、このような残留酸化剤除去装置を腐食から保護するために、加熱分解処理工程と酸化剤除去工程との間にpH調整のためのアルカリ注入手段を設け、酸性水を中和した後、酸化剤除去工程に導入するのが好ましい。
【0041】
本発明において、脱イオン処理手段としては、イオン交換塔、逆浸透膜分離装置等を必要に応じて組み合せて用いることができる。即ち、例えば、イオン交換塔→逆浸透膜分離装置、逆浸透膜分離装置→イオン交換塔、或いは、逆浸透膜分離装置→逆浸透膜分離装置とすることができる。
【0042】
また、後処理手段としては、要求される処理水水質に応じて、任意の手段を採用することができ、紫外線酸化による殺菌、TOC分解、或いは、イオン交換、逆浸透膜分離、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離装置等、一般には超純水製造における二次純水製造工程(サブシステム)に相当する工程、即ち、低圧紫外線照射装置(有機物分解)→混床式イオン交換塔(非再生型イオン交換器:分解生成物の除去)→限外濾過膜分離装置(イオン交換塔から流出するイオン交換樹脂の微粒子の分離)が採用される。
【0043】
脱イオン処理工程及び後処理工程の具体例としては、次の(i) 〜(v) が挙げられる。
【0044】
(i) 脱炭酸塔→アニオン交換塔→逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(ii) 逆浸透膜分離装置→低圧逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(iii) カチオン交換塔→脱炭酸塔→アニオン交換塔→逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(iv) 弱アニオン交換塔→強カチオン交換塔→強アニオン交換塔→二次純水製造工程
(v) 逆浸透膜分離装置→イオン交換塔(混床式イオン交換塔又は(強カチオン交換塔→強アニオン交換塔))→二次純水製造工程
これら脱イオン処理工程及び後処理工程の装置は予め加熱処理によりTOC成分を除去している上に、酸化剤としての過硫酸塩等の添加量も少ないため、負荷が軽減され、小容量小型装置を採用できる。
【0045】
このような本発明の有機物の除去方法は、特に、TOC4〜5ppm、或いはそれ以上の比較的TOC濃度の高い水を処理する場合に有効で、顕著な酸化剤の必要添加量の低減効果を得ることができる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0047】
実施例1,2、比較例1
有機系排水の模擬液として、試薬特級のIPAを超純水に溶解した水を原水とし、酸化剤としてNa2 2 8 を用い、TOCの加熱分解実験を行った。
【0048】
反応温度を130℃、反応時間を5分間、原水TOCを9ppmに固定し、下記の溶存酸素濃度条件で、処理水のTOCを20ppb以下にするために必要なNa2 2 8 注入量及び原水TOCに対するNa2 2 8 注入量の割合を調べ、結果を表1に示した。
【0049】
溶存酸素濃度条件
比較例1:溶存酸素無調整(溶存酸素濃度7.2ppm)
実施例1:酸素バブリングにより原水の溶存酸素濃度を12ppmに高めた
実施例2:酸素バブリングにより原水の溶存酸素濃度を24.5ppmに高めた
【0050】
【表1】
Figure 0003858359
【0051】
表1より明らかなように、バブリングによって原水の溶存酸素濃度を高めることによって、酸化剤の必要量を低減できる。特に、実施例2では、溶存酸素無処理の比較例1の場合に比べて約31%もの酸化剤の低減が図れる。
【0052】
実施例3〜6、比較例2〜5
基板洗浄薬液に由来する数種類の有機物を含む実際の排水を原水とし、酸化剤としてNa2 2 8 を用い、TOCの加熱分解実験を行った。
【0053】
反応温度を130℃、反応時間を5分間とし、表2に示すTOCの原水を、下記溶存酸素濃度条件で処理する場合の、処理水のTOCを20ppb以下にするために必要なNa2 2 8 注入量及び原水TOCに対するNa2 2 8 注入量の割合を調べ、結果を表2に示した。
【0054】
溶存酸素濃度条件
比較例2〜5:溶存酸素無調整(溶存酸素濃度7.0ppm)
実施例3〜6:加圧ポンプ出口と反応器の間にコンプレッサーによる加圧空気(0.8MPa)を、原水1容量に対し0.5容量(常圧換算)定量注入した(溶存酸素過飽和とした)。
【0055】
【表2】
Figure 0003858359
【0056】
表2より明らかなように、加圧空気を注入し、原水の溶存酸素濃度を高めることによって、溶存酸素無処理の場合に比べて9〜45%の酸化剤が低減できた。また、溶存酸素濃度増加による必要酸化剤添加量低減の効果は、原水TOC濃度が高いときほど顕著であったが、TOC濃度の低い原水に対しても、効果を発揮することが確認できた。
【0057】
実施例7
図2に示す純水製造システムにより、下記原水を通水処理した。
【0058】
原水:原水1(IPA溶解超純水,TOC:20.2ppm)と原水2(厚木市水,TOC:0.8ppm)とを原水1:原水2=1:2の割合で混合した水(TOC:7ppm,DO:7.0ppm)
本実施例のシステムでは、原水を加温熱交換器11で加熱した後、酸素を注入し、次いで、酸化剤としてNa2 2 8 を添加し、加熱分解反応器12でTOCの加熱分解を行う。加熱分解処理水は、次いで冷却熱交換器13で冷却した後、中和用のNaOHを添加し、活性炭塔14で残留Na2 2 8 の除去を行う。次いで、流量調整用のタンク15を経て逆浸透膜分離装置16、イオン交換塔17に順次通水して処理水を得た。各部の仕様及び処理条件は下記の通りである。なお、図2中、カッコ内の数値は、各部の通水流量である。また、▲1▼〜▲5▼はサンプリングポイントを示す。
【0059】
Figure 0003858359
各部で採取した水の水質を分析し、結果を表3に示した。
【0060】
比較例6
酸素の注入を行わなかったこと以外は実施例7と全く同様にして処理を行い、結果を表3に示した。
【0061】
【表3】
Figure 0003858359
【0062】
表3より、酸素を注入した実施例7ではTOC1重量部に対するNa2 2 8 添加量がS2 8 2- 換算で約25重量部の加熱分解処理で、TOCの極めて少ない純水が得られることが明らかである。これに対して、酸素を注入していない比較例6では、酸化剤が不足するため、十分なTOC除去を行えない。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の有機物の除去方法によれば、TOCの加熱分解に当り、酸化剤としての過硫酸塩等の添加量を低減して低コストで効率的な処理を行うことができる。また、過硫酸塩等の添加量が少ないことから、結果として、過剰の過硫酸塩等による加熱分解処理後の脱イオン処理工程への影響が防止されると共に、添加した過硫酸塩等に由来する加熱分解処理水中の硫酸塩及び硫酸濃度が低いことから、脱イオン処理工程の装置規模の縮小を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機物の除去方法の酸素添加手段の実施の形態を示す系統図である。
【図2】実施例7における純水製造システムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 処理槽
2 ポンプ
3 加熱分解反応器
4 気体透過膜モジュール
11 加温熱交換器
12 加熱分解反応器
13 冷却熱交換器
14 活性炭塔
15 タンク
16 逆浸透膜分離装置
17 イオン交換塔

Claims (3)

  1. 超純水製造工程において、TOCが4〜5ppm或いはそれ以上の原水を酸化剤の存在下で加熱処理して原水中のTOC成分を分解した後、脱イオン処理することにより原水中のTOCを数十ppb以下にまで除去する方法において、
    原水に触媒を接触させることなく、
    原水に酸素と、酸化剤として過硫酸及び/又は過硫酸塩とを添加した後、110〜150℃に加熱処理する方法であって、
    前記酸化剤の添加量が酸素を添加しない場合の必要酸化剤添加量よりも少ない量であることを特徴とする有機物の除去方法。
  2. 前記酸化剤として過硫酸及び/又は過硫酸塩を、原水中のTOC1重量部当りS28 2-として15〜35重量部の範囲となるように添加することを特徴とする請求項1に記載の有機物の除去方法。
  3. 前記原水のTOCが4ppm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機物の除去方法。
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