JP3858241B2 - 中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ(ビニルピリジニウム塩)、4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、4級アミン系のジアリルアミンポリマーなどの特定の4級アミンポリマーを含有させた中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法に関し、バレルメッキを行う際の導電性媒体、或は被メッキ物の凝集を円滑に抑制して、バレルメッキの生産性を向上できるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】
スズメッキは、ハンダ付け性向上用皮膜、エッチングレジスト用皮膜などとして、弱電工業並びに電子工業部品などに広く利用されている。特に、最近の環境保全の高まりから、スズメッキはスズ−鉛合金メッキに替わる実用的な鉛フリーメッキの代表例である。
スズメッキの方法には、ラックメッキ、バレルメッキなどの各種方法があるが、なかでも、バレルメッキは、チップ抵抗器、チップコンデンサ、水晶振動子のキャップなどの小物部品をラック掛けせずにバレルに入れてメッキする点で、メンテナンスが簡単で生産性が高いという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、バレルメッキに際しては、被メッキ物を直径0.2〜1mm程度のスチール、銅、黄銅製などの球形の導電性媒体(通称:ダミー)に混ぜて、通電を改善しながら被メッキ物同士が円滑に混合する状態で電気メッキを行っているが、メッキ時に導電性媒体同士が凝集し、ひいては、これらが重畳的に集まってさらに大きな塊状物にまで成長することが多い。
導電性媒体が凝集して塊状物になると、小物部品の被メッキ物はこの中に取り込まれて給電不足からメッキ不良を起こしたり、或は、被メッキ物と導電性媒体をふるい分ける際に、塊状物がふるいを通過せず、被メッキ物を導電性媒体から選別する工程に時間を要するという問題が発生する。
また、導電性媒体を使用せずに被メッキ物だけでバレルメッキを行う場合にも、被メッキ物同士が凝集する恐れが少なくなく、やはりメッキ不良や生産性の低下を来す恐れがある。
【0004】
本発明は、導電性媒体の共存下での中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキに際して、導電性媒体の凝集を円滑に防止して、良好にバレルメッキを行うことを技術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、先に、特願2001−213691号(以下、先願技術という)で、メッキ外観とハンダ濡れ性を改善することを目的として、アルキルピリジニウム塩、ピリジニウムスルホベタイン、アラルキルアンモニウム塩などの特定の4級アンモニウム塩を含有させた中性スズメッキ浴を提案した。
また、特開平9−272995号公報(以下、従来技術という)には、被メッキ物のセラミックス部分を侵食することなく、本来メッキされる部分にのみスズメッキを施すことを目的として、(CH2CH(OH)CH2−N+−(CH3)2・Cl-)n(nは30〜50の整数)などの一般式で表されるジメチルアルキルアミンポリマー、或は、(CH2CH(OH)CH2−A+・Cl-)n(Aはイミダゾリン環、nは2〜150の整数)などの一般式で表されるポリアルキルイミダゾール塩よりなる4級アミンポリマーを含有する中性スズメッキ浴が開示されている。
【0006】
本発明者らは、上記先願技術や従来技術を出発点として、中性スズ浴を用いたバレルメッキに、4級アンモニウム塩や4級アミンポリマーを適用して上記課題を解消することを鋭意研究した結果、アルキルピリジニウム塩、ピリジニウムスルホベタインなどのカチオン電荷を1個だけ有する4級アンモニウム塩とは異なり、カチオン電荷を有する窒素原子を持つアミン単位が繰り返される特定の4級アミンポリマーを中性スズメッキ浴に含有させてバレルメッキを行うと、導電性媒体の凝集を劇的に抑制できることを見い出した。
この点をさらに詳述すれば、4級アミンポリマーに属する任意の化合物が凝集防止にすべて寄与するというわけではなく、例えば、上記ジメチルアルキルアミンポリマーなどの従来技術に開示されている4級アミンポリマーでは効果が低く、ポリビニルピリジニウム塩、4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(但し、ジメチルアミンの重縮合物は除く)、4級アミン系のジアリルアミンポリマーなどに特定された一群の4級アミンポリマーがスズメッキ浴に存在している場合に限り、バレルメッキに際して導電性媒体の凝集を劇的に抑制できることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明1は、導電性媒体の共存下で被メッキ物にスズメッキを施すバレルメッキ方法において、
(A)可溶性第一スズ塩、
(B)酸又はその塩、
(C)オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸、或はこれらの塩から選ばれた錯化剤の少なくとも一種、
(D)ポリ(ビニルピリジニウム塩)、ポリ(ビニルピペリジニウム塩)、4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(但し、ジメチルアミンとの重縮合物は除く)、4級アミン系のジアリルアミンポリマー、N,N−ジアルキルアミノアルキルスチレンポリマーの4級化物、アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、カチオン変性セルロース、カチオンデンプンよりなる群から選ばれた4級アミンポリマーの少なくとも一種
を含有する中性スズメッキ浴を用いて被メッキ物にバレルメッキを施して、導電性媒体の凝集を防止可能にすることを特徴とする中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法である。
【0008】
本発明2は、上記本発明1において、さらに、下記の(a)〜(h)の化合物よりなる群から選ばれた4級アンモニウム塩の少なくとも一種を中性スズメッキ浴に含有することを特徴とする中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法である。
(a)一般式(a)で表されるアルキルピリジニウム塩
【化9】
(上式(a)中、R1はC1〜C24アルキルであり、R2はC1〜C24アルキル、アリール、アラルキルである;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
(b)一般式(b)で表される1,2−ジアルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩
【化10】
(上式(b)中、R1はC1〜C24アルキル、アリール、アラルキルであり、R2はC1〜C24アルキルである;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
(c)一般式(c)で表されるN,N−ジアルキルモルホリニウム塩
【化11】
(上式(c)中、R1、R2はC1〜C24アルキルである;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
(d)一般式(d)で表されるN,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン
【化12】
(上式(d)中、R1、R2、R3はC1〜C24アルキルである;nは1〜6の整数である。)
(e)一般式(e)で表されるアリールアルキルアンモニウム塩又はアラルキルアンモニウム塩
【化13】
(上式(e)中、R1〜R4のうちの少なくとも一つが置換或は無置換のアリール又はアラルキルであり、R1〜R4の少なくとも一つがC1〜C24アルキルである;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
(f)一般式(f)で表されるピリジニウムスルホベタイン
【化14】
(上式(f)中、R1はC1〜C24アルキル、アリール、アラルキルである;nは1〜6の整数である。)
(g)一般式(g)で表されるアルキルイソキノリニウム塩
【化15】
(上式(g)中、R1はC1〜C24アルキルである;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
(h)一般式(h)で表されるポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩
【化16】
(上式(h)中、R1、R2はC1〜C24アルキルである;AOはオキシエチレン、オキシプロピレンであり、オキシエチレンとオキシプロピレンの一方のみで連鎖を構成しても良いし、両者が混在しても良く、2個のAO連鎖は互いに同じでも異なっても良い;m、nは各々1〜18の整数である;XはC1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートである。)
【0009】
本発明3は、上記本発明1又は2において、さらに、酸化防止剤、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、導電性塩、pH調整剤よりなる群から選ばれた添加剤の少なくとも一種を含有することを特徴とする中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法である。
【0011】
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、被メッキ物が、プリント基板、半導体集積回路、積層セラミックス基板、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、バリスタ、LCフィルタ、アンテナスイッチ、チップアンテナ、モジュール、水晶振動子、スイッチ、リード線よりなる群から選ばれた電子部品であることを特徴とする中性スズメッキ方法を用いたバレルメッキ方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、被メッキ物に導電性媒体を混ぜて行うバレルメッキであって、特定の4級アミンポリマーを含有した中性スズメッキ浴を用いて被メッキ物にバレルメッキを施す方法である。
上記中性スズメッキ浴はpH2〜9の領域にあるスズ浴をいう。
【0013】
本発明の中性スズメッキ浴は、可溶性第一スズ塩と、浴ベースとしての酸又はその塩と、上記中性領域でSn2+を安定化させるための錯化剤と、特定の4級アミンポリマーとを必須成分として、さらに、必要に応じて、特定の4級アンモニウム塩、或は、後述の酸化防止剤、界面活性剤、pH調整剤などの各種添加剤を含有したものである。
上記可溶性第一スズ塩は基本的に水中でSn2+を発生させる有機又は無機のスズ塩であり、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、スルホコハク酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、ピロリン酸スズ、スルファミン酸スズ、塩化第一スズ、亜スズ酸塩などが挙げられる。
上記可溶性第一スズ塩は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は金属換算で0.5〜300g/L、好ましくは3〜120g/Lである。
【0014】
本発明の中性スズメッキ浴は基本的に有機酸浴、無機酸浴、或はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などをベースとした浴である。上記有機酸としては、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などが挙げられ、無機酸としては、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。このなかでは、硫酸浴を初め、スズの溶解性、排水処理の容易性などの見地から有機スルホン酸又はその塩の浴も好ましい。
但し、本発明は中性メッキ浴であるため、上記有機酸又は無機酸を浴ベースとする場合、後述するように、pH調整剤として各種の塩基を浴に添加して、pHを2〜9の領域に適正に調整することが重要である。
上記酸又はその塩は単用又は併用でき、その含有量は0.1〜10mol/L、好ましくは0.2〜5mol/Lである。
【0015】
上記有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式CnH2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などが挙げられる。
【0016】
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
CmH2m+1-CH(OH)-CpH2p-SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸(イセチオン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―スルホン酸などが挙げられる。
【0017】
上記芳香族スルホン酸は、基本的にベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸などであり、具体的には、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン酸などが挙げられる。
上記有機スルホン酸では、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸などが好ましい。
【0018】
一般に、メッキ浴中のSn2+は酸性では安定であるが、中性付近では不安定になり易い。本発明のスズメッキ浴はpH2〜9の中性浴であるため、この中性領域でSn2+を安定化させ、もって白色沈殿が生じたり、浴が分解するのを防止する目的で、錯化剤を含有させる必要がある。
上記錯化剤は、オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸などであり、具体的には、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、ジグリコール酸、或はこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、グルコン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコノラクトン、グルコヘプトラクトン、或はこれらの塩などである。
また、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−N,N,N′,N′−テトラ酢酸、グリシン類、ニトリロトリメチルホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、或はこれらの塩なども錯化剤として有効である。
【0019】
本発明は、導電性媒体の共存下で行うバレルメッキに際して、導電性媒体の凝集を防止するために、特定の4級アミンポリマーを含有させた中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法である。
上記4級アミンポリマーとは、重合に伴うアミン単位の繰り返しにより、窒素上のカチオン電荷を分子内に複数個有する化合物を意味する。本発明で使用できる4級アミンポリマーの具体例を挙げると、ポリ(ビニルピリジニウム塩)、ポリ(ビニルピペリジニウム塩)、4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、4級アミン系のジアリルアミンポリマー、N,N−ジアルキルアミノアルキルスチレンポリマーの4級化物、アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、カチオン変性セルロース、カチオンデンプンよりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種である。
【0020】
上記ポリ(ビニルピリジニウム塩)、ポリ(ビニルピペリジニウム塩)は、ビニル連鎖単位にカチオン化したピリジン核、或はピペリジン核が夫々結合した化合物である。
上記N,N−ジアルキルアミノアルキルスチレンポリマーの4級化物は、N,N−ジアルキルアミノアルキル基が結合したスチレンを単量体組成とする共重合体をアルキルハライド、ベンジルハライド、硫酸アルキルなどの4級化剤で4級塩にしたものである。
上記アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物は、アクリル酸のN,N−ジアルキルアミノアルキルエステルを単量体組成とする共重合体を4級化剤で4級塩にしたものである。
上記メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物は、メタクリル酸のN,N′−ジアルキルアミノアルキルエステルを単量体組成とする共重合体を4級化剤で4級塩にしたものである。
【0021】
上記4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(但し、ジメチルアミンとの重縮合物は除く)は、下記の一般式(イ)で表される。
−(CH2CH(OH)CH2N+R1R2・X-)n− …(イ)
(式(イ)中、R1、R2は同一又は異なるC1〜C6アルキル基である。但し、R1とR2の一方がメチル基の場合、他方はC2〜C6アルキル基である;X-はアニオンである;nは2〜200の整数である。)
上記(イ)式では、アルキル基の両方がエチル基以上(例えば、両方がブチル基)であるか、アルキル基の一方がメチル基の場合には、他方がエチル基以上であり、ジアルキルアミンのアルキル基の両方がメチル基になることはない。ちなみに、冒述の従来技術のジメチルアルキルアミンポリマーには、ジアルキルアミンのアルキル基の両方がメチル基に当たるジメチルアミンと、エピクロルヒドリンとの重縮合物が含まれるが、後述の試験例に示すように、この重縮合物は導電性媒体などの凝集防止作用に乏しい。
【0022】
また、4級アミン系のジアリルアミンポリマーは、ジアリルアミンの二つのアリル基に含まれるビニル結合箇所を重合反応させて、ハロゲン化アルキルなどで4級アミン塩としたものであり、下記の一般式(ロ)で表される。
【化17】
(式(ロ)中、Rは水素、C1〜C12アルキルである;Xはハロゲン、OSO3R(Rは水素又はC1〜C5アルキル基)、OCOCH3;x、yは夫々0又は1であり、x=0のときy=1、x=1のときy=0である;nは30以上の整数である。)
【0023】
上記カチオンデンプンは、各種のアンモニウム塩などをデンプンに導入して4級アミン化したものであり、例えば、エピクロルヒドリンとトリメチルアミンより得た2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドをデンプンの水酸基に作用させた化合物などが知られているが、4級アミンポリマー系に属するカチオンデンプンであれば、市販品を初め、任意のものが使用できる。
上記カチオン変性セルロースも、同様に、セルロースの水酸基に各種のアンモニウム塩を導入して4級アミン化した変性セルロースであれば、任意のものが使用できる。
【0024】
上記4級アミンポリマーは前述のように単用又は併用でき、そのスズメッキ浴に対する含有量は0.01〜50g/L、好ましくは0.1〜10g/Lである。
【0025】
本発明の中性スズメッキ浴には、電着皮膜の外観とハンダ濡れ性を向上する目的で、上記(a)〜(h)の特定の4級アンモニウム塩を含有することができる。
これらの4級アンモニウム塩のうち、アルキルピリジニウム塩(a)、1,2−ジアルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩(b)、N,N−ジアルキルモルホリニウム塩(c)、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン(d)、ピリジニウムスルホベタイン(f)、アルキルイソキノリニウム塩(g)、或は、ポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩(h)のうち、N原子に結合する置換基はC1〜C24アルキル、アリール、或はアラルキルであり、それ以外の芳香環に結合する置換基はC1〜C24アルキルである。置換基がアルキル基の場合、結合する位置に拘わらず、C1〜C18アルキルが好ましい。
また、(e)のアリールアルキルアンモニウム塩又はアラルキルアンモニウム塩では、R1〜R4のうちの少なくとも一つが置換或は無置換のアリール又はアラルキルであり、且つ、少なくとも一つがC1〜C18アルキルである。芳香環に結合する置換基としては、C1〜C3アルキル、ハロゲン、CF3、C1〜C6アルコキシなどである。
上記アルキルピリジニウム塩(a)としては、ラウリルピリジニウムクロライド、オクチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムメタンスルホネート、オレイルピリジニウムサルフェートなどが好ましい。
上記1,2−ジアルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩(b)としては、2−ノニル−1−メチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロライド、2−ラウリル−1−メチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロライド、2−オレイル−1−エチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムメタンスルホネートなどが好ましい。
上記N,N−ジアルキルモルホリニウム塩(c)としては、N,N−ジメチルモルホリニウムクロライド、N,N−ジエチルモルホリニウムアセテートなどが好ましい。
上記N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン(d)としては、N,N−ジメチル−N−ステアリル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−ミリスチル−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジブチル−N−ラウリル−N−(4−スルホブチル)アンモニウムベタインなどが好ましい。
上記(e)のアリールアルキルアンモニウム塩としては、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリ−n−ブチルアンモニウム−p−トルエンスルホネートなどが好ましい。
同じく上記(e)のアラルキルアンモニウム塩としては、R1〜R4の一つが置換又は無置換のベンジル基であり、残り3つがC1〜C18アルキルであるトリアルキルベンジルアンモニウム塩が好ましく、具体的には、ベンジルジメチルラウリルアンモニウムクロライド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムメチルスルホネート、ベンジルジメチルデシルアンモニウム塩、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム塩、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム塩、ベンジルジエチルオクチルアンモニウム塩、(トリフルオロメチル)フェニルメチルジメチルドデシルアンモニウム塩、ベンジルエチルメチルオクタデシルアンモニウム塩、モノクロロフェニルメチルジメチルヘキサデシルアンモニウム塩、ベンジルジエチルデシルアンモニウム塩などが挙げられる。
上記ピリジニウムスルホベタイン(f)としては、1−(3−スルホプロピル)−ピリジニウムベタイン、4−ベンジル−1−(3−スルホプロピル)−ピリジニウムベタイン、2−メチル−1−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−ピリジニウムベタインなどが好ましい。
上記アルキルイソキノリニウム塩(g)としては、ラウリルイソキノリニウムクロライド、メチルイソキノリニウムクロライド、ブチルイソキノリニウムパークロレイトなどが好ましい。
上記ポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩(h)としては、オレイルメチルジ(ポリエトキシレート)アンモニウムクロライド、ラウリルメチルジ(ポリエトキシレート)アンモニウムクロライド、ジラウリルジ(ポリエトキシレート)アンモニウムメタンスルホネートなどが好ましい。
【0026】
上記(a)〜(h)の各4級アンモニウム塩のアニオン部分X(但し、上記(d)と(f)は除く)は、C1〜C5アルキルスルホネート、ハロゲン、アセテート、サルフェート、パークロレート、ハイドロジエンサルフェート、ヒドロキサイド、芳香族スルホネート、ホスフェート、テトラフルオロボレートなどであるが、特に設備の金属腐食を有効に抑制できる見地から、C1〜C5アルキルスルホネートが好ましい。
【0027】
また、本発明のスズメッキ浴には、前述したように、各種添加剤を含有できることはいうまでもない。各種添加剤には、酸化防止剤、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、pH調整剤、導電性塩、防腐剤、消泡剤などが挙げられる。
上記酸化防止剤は浴中のSn2+の酸化防止を目的としたもので、アスコルビン酸又はその塩、エリソルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ハイドロキノンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシナフタレンスルホン酸又はその塩、ヒドラジンなどが挙げられる。本発明は中性のスズ浴を対象とするため、例えば、アスコルビン酸又はその塩などがより好ましい。
上記界面活性剤は、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性などの改善を目的とし、通常のアニオン系、カチオン系、ノニオン系、或は両性などの各種界面活性剤が使用できる。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルコキシルリン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
【0028】
上記平滑剤としては、β−ナフトール、β−ナフトール−6−スルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、(o−、p−)メトキシベンズアルデヒド、バニリン、(2,4−、2,6−)ジクロロベンズアルデヒド、(o−、p−)クロロベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2(4)−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2(4)−クロロ−1−ナフトアルデヒド、2(3)−チオフェンカルボキシアルデヒド、2(3)−フルアルデヒド、3−インドールカルボキシアルデヒド、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−バレルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グリオキサール、アルドール、スクシンジアルデヒド、カプロンアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、1−ベンジリデン−7−ヘプタナール、2,4−ヘキサジエナール、シンナムアルデヒド、ベンジルクロトンアルデヒド、アミン−アルデヒド縮合物、酸化メシチル、イソホロン、ジアセチル、ヘキサンジオン−3,4、アセチルアセトン、3−クロロベンジリデンアセトン、sub.ピリジリデンアセトン、sub.フルフリジンアセトン、sub.テニリデンアセトン、4−(1−ナフチル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−フリル)−3−ブテン−2−オン、4−(2−チオフェニル)−3−ブテン−2−オン、クルクミン、ベンジリデンアセチルアセトン、ベンザルアセトン、アセトフェノン、(2,4−、3,4−)ジクロロアセトフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、2−シンナミルチオフェン、2−(ω−ベンゾイル)ビニルフラン、ビニルフェニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、クロトン酸、プロピレン−1,3−ジカルボン酸、ケイ皮酸、(o−、m−、p−)トルイジン、(o−、p−)アミノアニリン、アニリン、(o−、p−)クロロアニリン、(2,5−、3,4−)クロロメチルアニリン、N−モノメチルアニリン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、N−フェニル−(α−、β−)ナフチルアミン、メチルベンズトリアゾール、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−ベンズトリアジン、イミダゾール、2−ビニルピリジン、インドール、キノリン、モノエタノールアミンとo−バニリンの反応物、ポリビニルアルコール、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
また、ゼラチン、ポリペプトン、N-(3-ヒドロキシブチリデン)-p-スルファニル酸、N-ブチリデンスルファニル酸、N-シンナモイリデンスルファニル酸、2,4-ジアミノ-6-(2′-メチルイミダゾリル(1′))エチル-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(2′-エチル-4-メチルイミダゾリル(1′))エチル-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(2′-ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル-1,3,5-トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール類も平滑剤として有効である。
上記ベンゾチアゾール類としては、ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メトキシベンゾチアゾール、2-メチル-5-クロロベンゾチアゾール、2-ヒドロキシベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メチルベンゾチアゾール、2-クロロベンゾチアゾール、2,5-ジメチルベンゾチアゾール、6-ニトロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾチアゾール、2-ベンゾチアゾールチオ酢酸などが挙げられる。
【0029】
上記光沢剤、或は半光沢剤としては、上記平滑剤とも多少重複するが、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、2,4,6−トリクロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、ベンジリデンアセトン、ピリジデンアセトン、フルフリリデンアセトン、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド、パラアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリン、フェナントロリン、ネオクプロイン、ピコリン酸、チオ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
【0030】
本発明のスズメッキ浴はpH2〜9、好ましくは3.5〜6.5程度に調整する必要があるが、上記pH調整剤はこのために必要に応じて添加される。具体的には、塩酸、硫酸等の各種の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられるが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸などのジカルボン酸類、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸類なども有効である。前述したように、メッキ浴のベースに酸を使用した場合には、上記塩基でpH調整することになる。
上記導電性塩としては、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられるが、上記pH調整剤で共用できる場合もある。
上記防腐剤としては、ホウ酸、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ベンザルコニウム、フェノール、フェノールポリエトキシレート、チモール、レゾルシン、イソプロピルアミン、グアヤコールなどが挙げられる。
上記消泡剤としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合物型の界面活性剤、高級脂肪族アルコール、アセチレンアルコール及びそれらのポリアルコキシレートなどが挙げられる。
【0031】
本発明のバレルメッキ方法は、バレルに被メッキ物と導電性媒体を収容し、上記スズメッキ浴にバレルを浸漬して、被メッキ物に電気メッキを行うことを特徴とするが、導電性媒体を使用せず、被メッキ物だけをバレルに収容して行うバレルメッキに本発明で使用するメッキ浴を適用することもできる。本発明のバレルメッキ方法は、バレルメッキにおける導電性媒体同士の凝集を防止することを主な効果とするが、小物の被メッキ物同士の凝集を防止する点でも有効である。
また、本発明のバレルメッキ方法では、水平型又は傾斜型回転バレル式、揺動バレル式、或は振動バレル式などの任意のバレルメッキ装置が使用できることはいうまでもない。
バレルメッキに際して、浴温は0℃以上、好ましくは10〜50℃程度であり、陰極電流密度は0.001〜30A/dm2、好ましくは0.01〜10A/dm2である。
本発明4は、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、バリスタ、LCフィルタ、アンテナスイッチ、チップアンテナ、モジュール、水晶振動子、スイッチ、コネクタ、リード線、フープ材、プリント基板、半導体集積回路(TABのフィルムキャリア、BGA基板などを含む)、積層セラミックス基板等の電子部品などを被メッキ物とするバレルメッキ方法であり、特に、被メッキ物としては、チップ抵抗器、チップコンデンサー、水晶振動子のキャップなどの小物部品が好適である。
【0032】
【発明の効果】
本発明1では、中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキに際して、スズメッキ浴に特定の4級アミンポリマーを含有させるため、導電性媒体同士の凝集を劇的に解消して、被メッキ物のメッキ不良をなくし、また、メッキ終了後に被メッキ物と導電性媒体を円滑にふるい分けて生産性を向上できる。また、被メッキ物同士の凝集を円滑に抑制して、メッキ不良を有効に防止できる。
さらに、導電性媒体を用いないバレルメッキに本発明で使用するスズメッキ浴を適用しても、小物の被メッキ物同士の凝集を円滑に防止して、メッキ不良を有効に防止できる。
一方、本発明2では、一群の4級アミンポリマーに加えて、特定の4級アンモニウム塩をスズメッキ浴に併用するため、バレルメッキに際して、導電性媒体又は被メッキ物の凝集を顕著に防止しながら、得られた電着皮膜の外観とハンダ濡れ性を良好に改善できる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の中性スズメッキ浴の実施例、各中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキにおける導電性媒体の凝集抑制評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0034】
下記の実施例のうち、実施例1〜2、6、7、14、16は4級アミン系のジアリルアミンポリマーの単用例、実施例3、9はポリ(ビニルピペリジニウム塩)の単用例、実施例8、17はポリ(ビニルピリジニウム塩)の単用例、実施例4〜5、15は4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物の単用例、実施例10、18はN,N−ジアルキルアミノアルキルスチレンポリマーの4級化物の単用例、実施例11はカチオンデンプンの単用例、実施例13はカチオン変性セルロースの単用例であり、実施例12は4級アミン系のジアリルアミンポリマーとメタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物の併用例である。
また、実施例1〜13は本発明1の特定の4級アミンポリマーを使用した例、実施例14〜18はこの4級アミンポリマーと本発明2の特定の4級アンモニウム塩を併用した例である。
一方、比較例1は本発明1の4級アミンポリマーを含まないブランク例、比較例2は冒述の従来技術に記載された本発明以外の4級アミンポリマーを使用した例、比較例3〜5は4級アミンポリマーに替えて、分子内に窒素原子上のカチオン電荷を1個だけ有する4級アンモニウム塩を使用した例である。
【0035】
《実施例1》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0036】
《実施例2》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0037】
《実施例3》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 80g/L
クエン酸ナトリウム 200g/L
ポリ(ビニルピペリジニウムクロライド) 5g/L
アスコルビン酸 5g/L
水酸化カリウムでpH8.0に調製
【0038】
《実施例4》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0039】
《実施例5》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0040】
《実施例6》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0041】
《実施例7》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0042】
《実施例8》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0043】
《実施例9》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 35g/L
メタンスルホン酸 80g/L
グルコン酸アンモニウム 250g/L
ポリ(ビニルピペリジニウムクロライド)(分子量約15000) 10g/L
アスコルビン酸 3g/L
アンモニア水でpH4.8に調製
【0044】
《実施例10》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0045】
《実施例11》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0046】
《実施例12》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0047】
《実施例13》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0048】
《実施例14》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0049】
《実施例15》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0050】
《実施例16》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0051】
《実施例17》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸 40g/L
グルコン酸ナトリウム 200g/L
ポリ(ビニルピリジニウムメチルスルホネート) 10g/L
ベンジルセチルジメチルアンモニウムメチルスルホネート 0.5g/L
アスコルビン酸 2g/L
水酸化カリウムでpH4.5に調製
【0052】
《実施例18》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0053】
《比較例1》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
硫酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
硫酸 60g/L
グルコン酸 160g/L
β−ナフトールポリエトキシレート(EO20モル) 6g/L
アスコルビン酸 2g/L
アンモニア水でpH5.0に調製
【0054】
《比較例2》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0055】
《比較例3》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0056】
《比較例4》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
【0057】
《比較例5》
下記の組成で中性スズメッキ浴を建浴した。
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 15g/L
メタンスルホン酸 40g/L
グルコン酸ナトリウム 200g/L
ベンジルセチルジメチルアンモニウムメチルスルホネート 0.5g/L
アスコルビン酸 2g/L
水酸化カリウムでpH4.5に調製
【0058】
《凝集抑制評価試験例》
そこで、浸漬型水平回転バレルメッキ装置(コンドウ社製;商品名ミニバレル)を用いて、サイズ3216のチップ抵抗器を被メッキ物とし、直径1.0mmのスチールボールを導電性媒体として、投入容量10mlの被メッキ物と投入容量50mlの導電性媒体を共にバレルに収容し、当該バレルを実施例1〜18並びに比較例1〜5の各中性スズメッキ浴に浸漬して、下記の条件でバレルメッキ処理を行った。
浴温 :25℃
陰極電流密度:1.0A/dm2
メッキ時間 :40分
次いで、メッキ終了後、メッシュ#12(1.40mm)の篩を用いて被メッキ物を導電性媒体から篩い分け操作して、下式で表される媒体の残留率(%)により、各中性スズメッキ浴の凝集防止効果の優劣を評価した。
媒体の残留率(%)=
篩に残った導電性媒体の数/バレルに収容した導電性媒体の総数
【0059】
図1はその試験結果を示す。
実施例1〜18では、残留率は2.2〜3.9%の低い値であったが、比較例1〜5では18%強〜20%強にも達したことから、実施例の中性スズメッキ浴を用いると、バレルメッキに際して媒体同士の凝集を劇的に抑制できることが判明した。
この点を詳述すると、先ず、本発明の4級アミンポリマーを含有しないブランク例である比較例1と実施例1〜18を対比すると、4級アミン塩を含有した場合の媒体の凝集抑制効果は明らかである。
また、窒素原子上に1個のカチオン電荷しか持たない4級アンモニウム塩を使用した比較例3〜5と実施例1〜18を対比すると、4級アミン塩の中でも、窒素原子上に複数のカチオン電荷を持つ4級アミンポリマーでなければ、媒体の凝集を良好に抑制できないことが判る。
次いで、冒述の従来技術に準拠した比較例2と実施例1〜18を対比すると、4級アミンポリマーの中でも、比較例2の4級アミンポリマーでは媒体の凝集を抑制できず、本発明で特定された一群の4級アミンポリマーでなければ当該抑制効果が有効に機能しないことが判る。
以上のことから、バレルメッキ時の媒体の凝集を抑制するには、4級アミンポリマーの使用と、任意の4級アミンポリマー群における特定化合物の選択性とがきわめて重要であるが明白になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜18及び比較例1〜5の各中性スズメッキ浴を用いてバレルメッキを行った場合の、導電性媒体の凝集抑制評価試験の結果を示す図表である。
Claims (4)
- 導電性媒体の共存下で被メッキ物にスズメッキを施すバレルメッキ方法において、
(A)可溶性第一スズ塩、
(B)酸又はその塩、
(C)オキシカルボン酸、ポリカルボン酸、モノカルボン酸、或はこれらの塩から選ばれた錯化剤の少なくとも一種、
(D)ポリ(ビニルピリジニウム塩)、ポリ(ビニルピペリジニウム塩)、4級アミン系のジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(但し、ジメチルアミンとの重縮合物は除く)、4級アミン系のジアリルアミンポリマー、N,N−ジアルキルアミノアルキルスチレンポリマーの4級化物、アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルエステルのポリマーの4級化物、カチオン変性セルロース、カチオンデンプンよりなる群から選ばれた4級アミンポリマーの少なくとも一種
を含有する中性スズメッキ浴を用いて被メッキ物にバレルメッキを施して、導電性媒体の凝集を防止可能にすることを特徴とするバレルメッキ方法。 - さらに、下記の(a)〜(h)の化合物よりなる群から選ばれた4級アンモニウム塩の少なくとも一種を中性スズメッキ浴に含有することを特徴とする請求項1に記載の中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法。
(a)一般式(a)で表されるアルキルピリジニウム塩
(b)一般式(b)で表される1,2−ジアルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩
(c)一般式(c)で表されるN,N−ジアルキルモルホリニウム塩
(d)一般式(d)で表されるN,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン
(e)一般式(e)で表されるアリールアルキルアンモニウム塩又はアラルキルアンモニウム塩
(f)一般式(f)で表されるピリジニウムスルホベタイン
(g)一般式(g)で表されるアルキルイソキノリニウム塩
(h)一般式(h)で表されるポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩
- さらに、酸化防止剤、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、導電性塩、pH調整剤よりなる群から選ばれた添加剤の少なくとも一種を中性スズメッキ浴に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法。
- 被メッキ物が、プリント基板、半導体集積回路、積層セラミックス基板、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、バリスタ、LCフィルタ、アンテナスイッチ、チップアンテナ、モジュール、水晶振動子、スイッチ、リード線よりなる群から選ばれた電子部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中性スズメッキ浴を用いたバレルメッキ方法。
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