JP3857257B2 - 橋脚の段落とし部耐震補強構造 - Google Patents
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Description
この合成繊維シート等を巻き立てる方法として、具体的には、橋脚の軸方向に鋼棒を配置した後に橋脚の外周面に炭素繊維シート等を巻き立て、さらに、炭素繊維シートの外側に間隙をあけて筒状の鋼板で覆い、間隙にモルタルを充填して鋼棒を緊張してその両端を鋼板に定着する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、鋼板巻き補強工法及び特許文献1の工法では、橋脚の外周面に鋼板を巻き立てた後に、モルタルを打設しており、RC巻き工法では、橋脚の外周面にコンクリートを打設
するため、河川内の橋脚においてこのような補強工事を行うには前段階として橋脚の周囲を鋼矢板などの仮設材を打ち込み、仮締切りを構築し、水の影響を排除してから橋脚の耐震補強工事に取りかからなければならない。そのため、特に河川内にある橋脚の耐震補強工事では仮締切りなどの仮設設備が必要となるため工事費が非常に高くなるとともに、工期が長期化し、また、地盤の性質及び水深により鋼板矢板の建て込み等の作業が複雑であった。
しかも、従来と異なり、剛性部材は、第2の側面から突出しない、もしくは、突出量が非常に小さくなるように設けられているため、河川の流れ方向に直交する方向に橋脚の厚さが大きくならない。よって、剛性部材を設けることで河川の流れが阻害されることも少なくなる。
また、従来のようにコンクリートやモルタル等を使用することがないので、河川内に橋脚がある場合でも、仮締切りなどの仮設設備が不要又は一部で済むことから、工事費も安価で、工期を短縮化でき、さらには施工を簡略化することができ通年施工も可能である。
さらに、橋脚の外周面のうちの、河川の流れ方向に対向して配置された第1の側面のみに剛性部材を設ければ良いので、経済的である。
前記剛性部材(例えば、角型鋼管6、6)は、予め、前記橋脚1の第1の側面1a、1a
又は前記角部に形成された削孔7,…内に挿入されたアンカー8,…により定着されていることを特徴とする。
前記剛性部材(例えば、鋼材21、21)は前記第1の側面1a、1a又は前記角部に配置されたうえで、その外側に前記橋脚1の全周にわたって鋼棒22又は長繊維が巻き付けられていることを特徴とする。
前記鋼棒22は、PC鋼材又は鉄筋であり、
前記長繊維は、炭素繊維又はアラミド繊維を成形してなることを特徴とする。
前記剛性部材が、鋼管(例えば、角型鋼管6)、鋼板又はトラス構造に組み付けられた鋼材6Aであることを特徴とする。
また、仮締切りなどの仮設設備が不要又は一部で済み、しかも、橋脚の外周面のうち、一部のみに剛性部材を設ければ良いため、安価でかつ工期の短縮化、施工の簡略化を図ることができる。
[第1の実施の形態]
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態を示す橋脚の段落とし部耐震補強構造の縦断面図、図1(b)は、橋脚の段落とし部耐震補強構造の横断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、橋脚1は、縦方向に複数の鉄筋2,…が配設されてなる橋脚躯体に帯筋3が設けられた鉄筋コンクリート製であり、横断面視長方形状をなしている。橋脚1の下部はフーチング部4に埋め込まれており、上部には複数の梁5、5が設置されている。
複数の鉄筋2,…のうち外側の鉄筋2は、橋脚1の縦方向のほぼ全長にわたって延びており、内側の鉄筋2は、橋脚1の縦方向の途中のレベルの位置で定着し、この橋脚1の途中の位置が、いわゆる段落とし部(図中A−A間)とされている。
剛性部材6としては角型鋼管が使用されている。この角型鋼管の厚みは、橋脚1の厚みに比べて若干薄くなっている。
これら削孔7,…内にはそれぞれアンカー8,…が挿入されており、アンカー8,…に角型鋼管6が差し込まれ、アンカー8,…の橋脚1の第1の側面1a、1aから突出する先端部にナット9,…が螺合されて締め付けられることによって角型鋼管6が橋脚1の第1の側面1a、1aに定着されている。
このとき、段落とし部(A−A)だけでなく、橋脚1の上端部にも角型鋼管6がアンカー8,…により定着されており、これによって橋脚1がさらに補強されている。
また、角型鋼管6内には、強度を上げるためにコンクリート10が充填されている。
図1(a)、(b)に示すように、まず、河川内に立設された橋脚1の段落とし部(A−A)における外周面のうち、河川の流れ方向Bに対向して配置される第1の側面1a、1aに、該第1の側面1a、1aから橋脚1の幅方向に向けてコアボーリングマシン等を使用して所定の位置に削孔する。
次いで、形成された削孔7,…内にそれぞれアンカー8,…を挿入し、アンカー8,…の先端部に角型鋼管6に形成されたアンカー用孔を差し込む。そして、アンカー8,…の先端部にナット9,…を螺合し締め付けることにより角型鋼管6、6をそれぞれ第1の側面1a、1aに定着させる。
最後に、角型鋼管6内にコンクリート10を充填して締め固める。
しかも、従来と異なり、河川の流れ方向Bに対して直交する方向に橋脚1の厚さが大きくならないので、角型鋼管6、6を設けることで河川の流れが阻害されることも少ない。
また、仮締切りなどの仮設設備が不要又は一部で済むため、工事費も安価で、工期を短縮化でき、さらには施工を簡略化することができ通年施工も可能である。
さらに、橋脚1の外周面のうちの、第1の側面1a、1aのみに角型鋼管6、6を設ければ良いので、経済的である。
角型鋼管6、6は、予め橋脚1の第1の側面1a、1aの削孔7,…内に挿入されたアンカー8,…により第1の側面1a、1aに定着されているので、橋脚1と角型鋼管6、6とを強固に一体化させることができる。よって、この点においてもせん断変形拘束力の向上を図ることができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態を示す橋脚の段落とし部耐震補強構造の横断面図である。
図3に示すように、橋脚1の段落とし部(A−A)における外周面のうち、河川の流れ方向Bに対向して配置される第1の側面1a、1aに、該第1の側面1a、1aから河川の流れ方向Bに対して突出し、かつ、該第1の側面1a、1aに直交して配置される第2の側面1d、1dから突出しないように剛性部材21、21がそれぞれ設けられている。
剛性部材21としては、横断面視略台形状をなした厚さの薄い鋼材が使用されている。この鋼材21は、その角部が丸みを帯びた曲面形状となっている。
そして、鋼材21、21は橋脚1の第1の側面1a、1aにそれぞれ配置されたうえで、鋼材21、21の外周面に鋼棒22が当接し、橋脚1の全周にわたって緩みがないように巻き付けられることによって橋脚1に鋼材21、21が一体化されている。
鋼棒22には、例えば、強度の高いPC鋼材や鉄筋等を使用することができる。
図3に示すように、まず、河川内に立設された橋脚1の段落とし部(A−A)における外周面のうちの、河川の流れ方向Bに対向して配置される第1の側面1a、1aに前記鋼材21、21をそれぞれ配置し、図示しないが接着剤やボルト、ナット等により仮固定する。
次いで、鋼材21、21の外周面に鋼棒22を当接させ、橋脚1の全周にわたって緩みがないように巻き付けることによって、橋脚1に鋼材21、21を一体化させる。
すなわち、鋼棒22は、その一端部を鋼材21の外周面に固定して、ジャッキで所定の力で押し曲げていき、鋼棒22の一端部から橋脚1の全周にわたって緩みがないように巻回する。特に、鋼材21の外周に沿って巻回する際には、鋼棒22は鋼材21の外周に沿ってRをつけながら巻回する。そして、一端部が固定された箇所で他端部を固定する。
このようにして鋼棒22を、橋脚1の段落とし部(A−A)の外周面に橋脚1の高さ方向において所定間隔を隔てて複数巻き付ける。
また、その他、第1の実施の形態と同様の構成部分については、同様の効果を得ることができるのでその説明を省略する。
さらに、鋼棒22は、橋脚1の段落とし部(A−A)のみでなく、橋脚1の補強したい箇所にも適用することができる。
1a 第1の側面
1d 第2の側面
2 鉄筋
6 角型鋼管(剛性部材)
6A トラス構造に組み付けられた鋼材
7 削孔
8 アンカー
21 鋼材(剛性部材)
22 鋼棒
A−A 段落とし部
B 河川の流れ方向
Claims (5)
- 橋脚の縦方向鉄筋の配筋が段落としとされた橋脚の段落とし部における外周面のうち、河川の流れ方向に対向して配置される第1の側面に、該第1の側面に直交して配置される第2の側面から突出しない、もしくは、該第2の側面から突出する突出量が非常に小さくなるように剛性部材が設けられていることを特徴とする橋脚の段落とし部耐震補強構造。
- 請求項1に記載の橋脚の段落とし部耐震補強構造において、
前記剛性部材は、予め、前記第1の側面又は前記角部に形成された削孔内に挿入されたアンカーにより定着されていることを特徴とする橋脚の段落とし部耐震補強構造。 - 請求項1に記載の橋脚の段落とし部耐震補強構造において、
前記剛性部材は前記第1の側面又は前記角部に配置されたうえで、その外側に前記橋脚の全周にわたって鋼棒又は長繊維が巻き付けられていることを特徴とする橋脚の段落とし部耐震補強構造。 - 請求項3に記載の段落とし部耐震補強構造において、
前記鋼棒は、PC鋼材又は鉄筋であり、
前記長繊維は、炭素繊維又はアラミド繊維を成形してなることを特徴とする段落とし部耐震補強構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の橋脚の段落とし部耐震補強構造において、
前記剛性部材が、鋼管、鋼板又はトラス構造に組み付けられた鋼材であることを特徴とする橋脚の段落とし部耐震補強構造。
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