JP3856438B2 - バイオセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の特定成分について、迅速、高感度、かつ簡便に定量することができるバイオセンサ、特にコレステロールセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバイオセンサの例を、グルコースセンサについて説明する。
代表的なものとして、絶縁性の基板上にスクリーン印刷などの方法により、少なくとも測定極および対極を含む電極系を形成し、この電極系上に、親水性高分子、酸化還元酵素および電子メディエータを含む酵素反応層を形成して得られるグルコースセンサがある。酸化還元酵素にはグルコースオキシダーゼが、また電子メディエータにはフェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体などの金属錯体や有機化合物などがそれぞれ用いられる。酵素反応層には、必要に応じて緩衝剤が加えられる。
【0003】
このバイオセンサの酵素反応層上に、基質を含む試料液を滴下すると、酵素反応層が溶解して、酵素と基質が反応し、この反応に伴い電子メディエータが還元される。酵素反応終了後、この還元された電子メディエータを電気化学的に酸化する酸化電流値から試料液中の基質濃度を求めることができる。
このタイプのグルコースセンサでは、酵素反応の結果生じた電子メディエータの還元体を電極で酸化し、その酸化電流値からグルコース濃度を求める。
このようなバイオセンサは、測定対象物質を基質とする酵素を用いることで、様々な物質に対する測定が原理的には可能である。例えば、酸化還元酵素にコレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼを用いれば、各種医療機関で診断指針に用いられる血清中のコレステロール値を測定することができる。
【0004】
コレステロールエステラーゼの酵素反応の進行は非常に遅いので、適切な界面活性剤を添加することにより、コレステロールエステラーゼの活性を向上させ、全体の反応に要する時間を短縮することができる。
しかし、反応系に界面活性剤が含まれることから、界面活性剤が血球に悪影響を及ぼすため、グルコースセンサのように全血そのものを測定することは不可能である。
【0005】
そこで、血球をろ過した血漿のみを迅速にセンサ内に供給するために、試料液供給路の開口部付近にフィルタ(血球ろ過部)を設ける提案がなされている。図9に、血液を分離するメカニズムを説明するためのフィルタ装置の概略断面図を示す。
血球を分離する方法としては、図9の(a)に示すように、▲1▼血液をフィルタの一次側部分の側端部に滴下して、水平方向においてろ過し、フィルタの二次側部分の端部から血漿をにじみ出させる水平分離(Lateral Separation)方式、図9の(b)に示すように、▲2▼血液をフィルタの上表面に直接滴下して、垂直方向においてろ過し、前記フィルタの底面またはその付近の端部から血漿をにじみ出させる垂直分離(Vertical Separation)方式、および図9の(c)に示すように、▲3▼血液をフィルタの一次側部分の上表面に直接滴下して、垂直方向においてろ過するとともに水平方向においてもろ過し、フィルタの二次側部分の端部から血漿がにじみ出る複合分離(Combination)方式の3種類がある。従来からは、水平分離(例えば特願2000−399056号明細書)または複合分離(例えば特願2001−152868号明細書)が用いられている。
【0006】
しかし、センサ内へのフィルタの組み込み方が適していないと、フィルタ内に捕捉される血球が破壊され、ヘモグロビンが溶出してしまう。ヘモグロビン程度にまで小さくなると、血球成分をフィルタでろ過することが困難となり、試料液供給路内にヘモグロビンが流入し、測定誤差の原因となってしまう。
これは、試料液を吸収する前のフィルタの厚みと、試料液を吸収した後に膨張したフィルタの厚みとの差が、フィルタを上下から保持している押さえ部の間隔と適合していない点に原因があると考えられる。フィルタを上下から保持している押さえ部の間隔が、膨張したフィルタの厚みに対して狭すぎると、フィルタの膨張が妨げられる。そして、膨張が妨げられたフィルタの孔径は十分に広がることができず、浸透してきた血球を破壊してしまうのである。
【0007】
これに対し、試料液によってそのヘマトクリット値(赤血球容積比)が異なり、これに起因してフィルタの膨張の程度も異なるため、あらかじめ膨張したフィルタの厚みを想定して前記押さえ部の上下の間隔を広めに設定すると、保存期間中にフィルタがずれてしまうおそれがある。
この問題を解決するために、複合分離方式において、前記フィルタ表面を保持する押さえ部を、前記フィルタのいずれかの部分において、前記フィルタの上下いずれか一方とだけ接触するようにすることが考えられている(例えば特願2001−152868号明細書)。
【0008】
この構成により、フィルタを保持する上下押さえ部の間の距離が、試料液を吸収して膨張したフィルタの厚みに適合しなくても、フィルタの膨張が妨げられることがなく、さらに膨張が妨げられることによって起こる血球破壊に起因する測定誤差を回避することができる。すなわち、前記フィルタを保持する押さえ部が、前記フィルタの上下から押さえていないことにより、フィルタが膨張した際、押さえ部以外の試料液供給部、および空隙部の部分において膨張することが可能となり、フィルタの孔径が自由に変化することができ、血球破壊が起こることがない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法は、試料液の量を低減する方法としては有効であるが、得られるバイオセンサの構造が複雑になるという問題があった。例えば、垂直方向への陰影図において三角形状を有する平らなフィルタを用いる場合、先端部(頂点部分)を試料液供給路の開口部(幅0.8mm)の内側に約1mmでも挿入することが、製造上非常に困難であった。
また、▲1▼および▲3▼の分離方式は▲2▼の分離方式よりもろ液の流速が遅いという問題があった。これに対し、得られるバイオセンサの構造を簡素化することができるが、コレステロールセンサとして適用する場合、電極と対向する部分に試薬を担持させる必要があることから、構造上、通常の垂直分離方式を採用することは不可能であった。この理由は2つあり、ひとつは構造上の問題であり、もうひとつは試薬担持位置の問題である。
【0010】
ひとつ目の問題点は、例えば特願昭62−180434号および特願昭62−292323号各明細書において指摘されている。例えば、上記▲2▼の分離方式を用いる場合は、図10〜12に示すような構造を採用する必要があった。
図10に示すように、このタイプのバイオセンサは、絶縁性基板201の上に作用極202および対極203が設けられ、その上に酸化還元酵素層205、空隙部206、フィルタ207および多孔体208が設けられている。この際のろ過は、重力を利用した自然ろ過法に分類されるが、試料液中に気泡が生じたり、多孔体208に試料液が入りにくかったりして流速が遅いことから、ろ液が電極に充分に到達せず、測定精度に劣るという問題があるため、上部にポンプのタイプの加圧装置211が設け、圧力214をかけることによって試料液212をろ過している。
【0011】
この点、特願昭62−292323号明細書に記載されているセンサにおいては、図11および12に示すように、加圧装置に替えて、フィルタ308を通過したろ液を電極302’、303’および304’に導くように誘導層307がセンサ内に設置されている。これにより、ろ液は誘導層307に導かれて最初に電極を濡らし、電極表面の親水性高分子層312の助けも借りて電極上に広がるため、作用極上に気泡が生じることはなく、精度の高い測定が可能となっている。
なお、図11および12において、誘導層307の上部には、フィルタ308、保持枠309、多孔体310およびカバー311が設けられている。基板301の上部には電極302、303および304が配され、絶縁層305が設けられている。しかし、いずれの場合にあっても、センサの構造が複雑であるという問題がある。
【0012】
一方、ふたつ目の試薬担持位置に関する問題点は、特願2000−018834号明細書に記載されている。当該明細書に開示されているコレステロールセンサは、血糖センサと異なり非常に濃い濃度の試薬を担持させるため、血糖センサのように必要な試薬を全て一ヵ所に担持させると試薬の拡散の妨げとなり、応答電流値の精度が下がるという問題がある。また、試薬中には血糖センサにはない界面活性剤が含まれており、これが他の試薬の保存安定性に悪影響を与えるため、分離して担持しなければならない。そのため、試薬を上下(電極上とカバー側)に分離して担持し、電極の上部にフィルタを具備するという従来の構造を採用することは不可能であった。
【0013】
そこで、本発明は、垂直分離方式を採用する際の上述のような不都合を回避し、血液のろ過によって血球を分離して得られる血漿が、迅速に電極系に達するように改良したバイオセンサを提供することを目的とする。さらに具体的には、本発明は、高精度で応答性に優れ、全血を測定対象とするコレステロールセンサを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁性の基板、前記基板上に設けられた作用極と対極を有する電極系、少なくとも酸化還元酵素と電子メディエータを含む反応層、前記電極系と前記反応層とを含み、終端部側に空気孔を有する試料液供給路、試料液を導入するための試料液供給部、および前記試料液供給路と試料液供給部との間に設けられた、試料液をろ過するフィルタを具備し、前記フィルタでろ過されたろ液が毛細管現象によって前記試料液供給路内に吸引されるようにしたバイオセンサであって、前記フィルタが前記試料液供給路内に侵入しておらず、前記試料液が前記フィルタを通過する方向が前記基板に対して垂直方向であり、さらに前記血漿が前記試料液供給路の開口部から前記空気孔に向かって通過する方向が前記基板に対して水平方向であることを特徴とするバイオセンサに関する。
【0015】
前記フィルタは円柱状であるのが有効である。
また、前記フィルタの円状端面の直径が5mm以下であるのが有効である。また、前記フィルタの上部に前記試料液を滴下するための開口部があることが有効である。さらに、前記フィルタの一次側部分から二次側部分までの領域において、前記フィルタの表面を一回り囲む空隙部を少なくとも1つ有するのが有効である。
また、前記試料液供給部の底部に前記フィルタに通じる孔があるのが有効である。さらにまた、前記試料液供給部の開口部のサイズが前記フィルタのサイズよりも小さいのが有効である。前記フィルタの表面とフィルタ保持部が接触しない部分を有するのが有効である。
【0016】
また、前記バイオセンサにおいては、前記フィルタがガラス繊維ろ紙で構成されているのが有効である。
この場合、前記フィルタが前記電極系と非接触であるのが有効である。また、前記フィルタの底面の少なくとも一部が前記絶縁性基板に接触しているのが有効である。
前記フィルタがガラス繊維ろ紙で構成されている場合は、前記フィルタを構成する繊維がポリビニルアルコールでコーティングされているのが有効である。
また、前記フィルタの試料液滴下部から試料液供給路の開口部までの領域において、前記フィルタ表面を一回り囲む空隙部を少なくとも1つ有するのが有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】
上述のように、本発明は、絶縁性の基板、前記基板上に設けられた作用極と対極を有する電極系、少なくとも酸化還元酵素と電子メディエータを含む反応層、前記電極系と前記反応層とを含み、終端部側に空気孔を有する試料液供給路、試料液を導入するための試料液供給部、および前記試料液供給路と試料液供給部との間に設けられた、試料液をろ過するフィルタを具備し、前記フィルタでろ過されたろ液が毛細管現象によって前記試料液供給路内に吸引されるようにしたバイオセンサにおいて、前記フィルタが前記試料液供給路内に侵入しておらず、前記試料液が前記フィルタを通過する方向が垂直方向であり、さらに前記血漿が前記試料液供給路の開口部から前記空気孔に向かって通過する方向が水平方向であることを特徴とするバイオセンサに関する。このような技術的事項を具備することにより、得られるバイオセンサの構造を簡素化することが可能である。
【0018】
本発明に係るバイオセンサにおいては、血球分離の方法としては垂直分離方式を用いるが、試料液として血液を用い、フィルタの二次側部分からにじみ出た血漿は、試料液供給路において、開口部からその終端部にある空気孔に向かって徐々に試薬を溶解しながら水平に流れることから、試料液供給路内に上下に分離して担持されている試薬の位置を変えることなく、センサ構造の簡素化を図ることが可能となる。
また、前記フィルタが前記試料液供給路内に侵入していないことから、フィルタが試料液供給路内の反応層に含まれる試薬と接触せず、この試薬がフィルタ内に拡散しにくい。これにより、試薬の濃度にバラツキが生じることがなく、安定したセンサ精度を実現することができる。
【0019】
本発明に用いる電子メディエータは、フェリシアン化カリウムの他、コレステロールオキシダーゼなどの酸化還元酵素との電子伝達能を有するレドックス化合物から選択することができる。
酸化還元酵素は測定対象物を基質とする酵素であり、グルコースを測定対象物とするセンサでは、グルコースオキシダーゼを用いる。診断指針に用いられる血清中のコレステロール値を測定するには、コレステロールの酸化反応を触媒する酵素コレステロールオキシダーゼまたはコレステロールデヒドロゲナーゼと、コレステロールエステルをコレステロールに変化させる過程を触媒する酵素コレステロールエステラーゼとを用いる。コレステロールエステラーゼの酵素反応の進行は非常に遅いので、適切な界面活性剤を添加することにより、コレステロールエステラーゼの活性を向上させ、全体の反応に要する時間を短縮することができる。
【0020】
電子メディエータおよび酸化還元酵素などの試薬を含む反応層は、センサ内の電極系上またはその近傍の位置に配置する。電極系を設けた基板に組み合わされるカバー部材であって、基板との間に電極系に試料液を供給する試料液供給路を形成するカバー部材を有するセンサにおいては、前記試料液供給路に露出する部分または試料液供給路の開口部などに前記反応層を配置することができる。いずれの位置であっても、導入された試料液によって前記反応層が容易に溶解して電極系に到達できることが好ましい。また、電極を保護し、形成される反応層の剥離を抑制するために、電極上に接して親水性高分子層を形成するのが好ましい。電極系以外でも、反応層を形成する際の下地として親水性高分子層を形成するのが好ましく、また、反応層を複数の層で構成する場合には最下層に親水性高分子を含ませるのが好ましい。
【0021】
電子メディエータを含む反応層は、溶解性を高めるために、界面活性剤と分離して設けることが好ましい。また、保存安定性のために、コレステロールの酸化反応を触媒する酵素コレステロールオキシダーゼおよびコレステロールエステラーゼと分離することが好ましい。
血糖値を測定するバイオセンサでは、試料液が反応層へ導入されるのを容易にするため、電極系上に形成された層などを被覆するように、脂質を含む層を形成する例がある(例えば、特開平2−062952号公報)。本発明のコレステロールを測定するバイオセンサは、反応層の一部を凍結乾燥法により形成するか(特願2000−018834号明細書)、カバー部材の表面を界面活性剤またはプラズマ照射などにより親水処理するという構成をとるのが好ましく、そのような構成にすると、脂質層はなくてもよい。
【0022】
親水性高分子としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体の他、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アガロース、ポリアクリル酸およびその塩、デンプンおよびその誘導体、無水マレイン酸の重合体およびその塩、ポリアクリルアミド、メタクリレート樹脂、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどがあげられる。
【0023】
界面活性剤としては、例えば、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、コール酸ナトリウム、ドデシル−β−マルトシド、ジュークロースモノラウレート、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)デオキシコールアミドおよびポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルなどがあげられ、本発明の効果を損なわない範囲で、これら以外の界面活性剤を用いることもできる。
【0024】
脂質を使用する場合、例えばレシチン、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質で両親媒性脂質が好適に用いられる。
酸化電流の測定方法としては、測定極と対極のみの二電極方式と、参照極を加えた三電極方式があり、三電極方式の方がより正確な測定が可能である。
以下、具体的な実施の形態により本発明を詳細に説明する。
【0025】
実施の形態1
図1は、好ましい実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。図1に示すように、本発明に係るバイオセンサは、例えばポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性樹脂からなる絶縁性基板1を有する。図1において、基板1の左側上面にパラジウム部分がスパッタ法または蒸着法などによって形成されており、レーザートリミングにより作用極2と対極3を含む電極系が形成されている。
電極の面積は、後述するスペーサ5上に形成されるスリット8の幅により決定される。
【0026】
前記基板1に組み合わせるスペーサ5には、得られるバイオセンサにおいて試料液供給路を形成するスリット8、スリット8の開口部7、フィルタ4を収納する連通部6が形成されている。また、カバー9には、フィルタ4を収納する連通部10の他に、空気孔11が形成されている。
フィルタ保持板12には、空隙部13と、フィルタ4を直接支える突起状のフィルタ保持部(突起部)14が形成されている。さらに、試料液滴下部を構成する上カバー15には、フィルタ4の上表面に通じる開口部16が形成されている。なお、フィルタ保持板12は、後述する実施例2に示すように、複数の部材で構成されていてもよい。
【0027】
上述の基板1、スペーサ5、カバー9、フィルタ保持板12および上カバー15を一体化した際には、スリット8に連なる連通部6、カバー9に形成されている連通部10、フィルタ保持板12に形成されている空隙部13、および上カバー15に形成されている開口部16が連通する。
血球ろ過部であるフィルタ4は、ガラス繊維製のろ紙からなり、直径2〜5mm、高さ(厚み)200〜1000μmの円柱状の形状を有する。
【0028】
このセンサを組み立てるには、後述のように基板1の所定の部分に反応層を形成する。また、図1に示す位置関係に基づいて、カバー9とスペーサ5を組み合わせた合体基板Aのスリット8により形成される凹部(試料液供給路)において、後述のように所定の部材に反応層を形成する。さらに、図1に示す位置関係に基づいて、フィルタ保持板12と上カバー15を組み合わせた合体基板Bを作製する。そして、基板1、合体基板A、フィルタ4および合体基板Bを、図1の点線および一点鎖線で示すように設置する。
【0029】
ここで、図1の構成にしたがって得られる本発明に係るバイオセンサの概略斜視図を図2に示す。さらに、図2におけるX−X線断面図を図3に示す。図3の断面図に示すように、本発明に係るバイオセンサにおいては、フィルタ4と他の部材が非接触となる空隙部13が形成される。妨害物質である血球を完全に除去するためには、試料液がフィルタを必ず通過するように、開口部16から開口部7までの領域においてフィルタ保持部と非接触の箇所、すなわちフィルタ表面を一回りする空隙部13を少なくとも一ヵ所設けることが必要である。
図2では反応層および電極系を省略したが、図4に、反応層および電極系を表した図3に対応する部分拡大断面図を示す。基板1の電極2および3上に、親水性高分子の層17および反応層18aが形成されている。また、試料液供給路の天井に相当するカバー9の下面には反応層18bが形成されている。なお、図4に示すその他の部材は、図3に示すものと同じである。
【0030】
図1〜4に示すバイオセンサは、その構造をわかりやすくするために、フィルタ4と5種類の部材(基板)を用いて作製されるものである。しかし、上カバー15とフィルタ保持板12を一つの部材で形成したり、さらにこれらとカバー9を一つの部材で形成してもよい。また、フィルタ4の厚みによっては、フィルタ保持板12またはフィルタ保持部14を省略してもよい。
【0031】
実施の形態2
図5は、別の好ましい実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。図5に示すように、本発明に係るバイオセンサは、例えばポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性樹脂からなる絶縁性基板101を有す。図5において、基板101の左側上面にパラジウム部分がスパッタ法または蒸着法などによって形成されており、レーザートリミングにより、作用極102と対極103を含む電極系が形成されている。電極の面積は、後述するスペーサ105の上に形成されるスリット108の幅に対応して決定される。
【0032】
前記基板101に組み合わせるスペーサ105には、得られるバイオセンサにおいて試料液供給路を構成するスリット108、スリット108の開口部107、フィルタ104よりも小さい直径を有しフィルタ104を収納する連通部106が形成されている。また、カバー109には、フィルタ104よりも小さい直径を有しフィルタ104を収納する連通部110、および空気孔111が形成されている。
ここで、上記実施の形態1におけるフィルタ保持板12は一枚の板状体で構成されているが、実施の形態2におけるフィルタ保持板112は、フィルタ保持板112a、112bおよび112cで構成されている。
【0033】
フィルタ保持板112aには、フィルタ104よりも大きい直径の空隙部113aが形成されており、フィルタ保持板112bには、空隙部113aと同じ直径を有する空隙部113bと、フィルタ104を直接支える突起状のフィルタ保持部(突起部)114が形成されている。また、フィルタ保持板112cは、フィルタ保持板112aと同形であり、空隙部113cが形成されている。
さらに、試料液滴下部を構成する上カバー115には、フィルタ104の上表面に通じる開口部116が形成されている。
【0034】
上述の基板101、スペーサ105、カバー109、フィルタ保持板112a、112bおよび112c、ならびに上カバー115を一体化した際には、スリット108に連なる連通部106、カバー109に形成されている連通部110、フィルタ保持板112aに形成されている空隙部113a、フィルタ保持板112bに形成されている空隙部113b、フィルタ保持板112cに形成されている空隙部113c、ならびに上カバー115に形成されている開口部116が連通する。
血球ろ過部であるフィルタ104は、ガラス繊維製のろ紙からなり、直径3mm、高さ(厚み)500〜1000μmの円柱状の形状を有する。そして、ガラス繊維製のろ紙を構成する繊維はPVAがコーティングされている。
【0035】
このセンサを組み立てるには、まず、図5に示す位置関係に基づいて、スペーサ105上にカバー109をのせ、合体基板Cを得る。このとき、カバー109およびスペーサ105を合体するときにスリット108により形成される凹部(試料液供給路)において、後述するように反応層を形成する。さらに、図5に示す位置関係に基づいて、フィルタ保持板112a上にフィルタ保持板112bおよびフィルタ保持板112cをのせ、さらにその上に上カバー115をのせて合体基板Dを得る。
基板1および合体基板Aを、図5に示す位置関係に基づいて組み合わせ、連通した連通部106および110の真上に、フィルタ104を設置する。そして、基板1、合体基板Cおよび合体基板Dを、右端が一致するような位置関係で組み合わせる。
【0036】
ここで、図5の構成にしたがって得られる本発明に係るバイオセンサの概略斜視図を図6に示す。さらに、図6におけるY−Y線断面図を図7に示す。
図7では反応層および電極系を省略したが、図8に、反応層および電極系を表した図7に対応する部分拡大断面図を示す。基板101の電極系(102および103)上に、親水性高分子の層117および反応層118aが形成されている。また、試料液供給路の天井に相当するカバー109の下面には反応層118bが形成されている。なお、図8に示すその他の部材は、図7に示すもとの同じである。
【0037】
図5〜8に示す本発明のバイオセンサは、その構造をわかりやすく説明するために、フィルタ104と7種類の基材を用いて作製されるものである。しかし、カバー109とスペーサ105を一つの部材で構成したり、フィルタ104の厚みによっては、フィルタ保持板112aおよび112b、またはフィルタ保持板112bおよび112cを省略してもよい。また、フィルタ保持部114を省略してもよい。
【0038】
図1〜4または図5〜8に示すバイオセンサを用いて血液中のコレステロールを測定するためには、例えば穿刺により指先から採取した試料液である血液を上カバー15または115の開口部16または116へ供給する。ここに供給された血液は、フィルタ4または104の一次側部分の上表面からその内へ浸透し、ろ過される。そして、血球以外のろ液である血漿が二次側部分からしみ出す。そして、しみ出した血漿は、電極系を覆う位置および/またはカバー9または109の裏面に担持された反応層を溶解しながら、電極系近傍、さらに空気孔11または111まで延びるスリット8または108で構成される試料液供給路8’または108’全体を満たす。試料液供給路8’または108’全体が満たされると、フィルタ4または104に滴下された液体の流動も停止する。
【0039】
フィルタ4または104としては、不連続かつ不均等質な内部構造を有し、不均一な孔径分布を有するものを用いるのが好ましい。したがって、フィルタ4または104の内部の流路の形態も不規則であるのが好ましい。なお、ろ過はフィルタ4または104の内部で行われる。また、上記実施の形態2においては、フィルタ104を構成する繊維をPVAでコーティングしておく。
このような血球ろ過の過程を経て、血漿により溶解された反応層と血漿中の測定成分(例えばグルコース、総コレステロールまたはLDLコレステロールなど)との化学反応が生じ、一定時間経過後、電極反応により電流値を測定し、血漿中の成分を定量することができる。
【0040】
上述のように、図4および8は、試料液供給路8’または108’中の電極系近傍における反応層の配置例を示している。基板1または101の電極系2および3または102および103上には、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、単に「CMC」と表す)などを含む親水性高分子の層17または117、および、例えば電子メディエータなどの反応試薬を含む反応層18aまたは118aが形成されている。また、カバー9または109とスペーサ5または105を組み合わせた合体基板AまたはCにおいては、カバー9または109の試料液供給路8’または108’に露出する面に、酸化還元反応酵素を含む反応層18bまたは118bが形成されている。
【0041】
特に、上記実施の形態1においては、フィルタ保持板12の連通部10は、フィルタ保持部14を除いて、フィルタ4と接触しておらず、フィルタ4の膨張を妨げることがないよう設計されている。そのため、試料液中の血球が破壊される恐れもない。
図1〜4に示す構造を有するバイオセンサでは、前記試料液供給路の幅が1.5mm以下、高さが150μm以下、長さが4.5mm以下であることが好ましい。
【0042】
本発明に係るバイオセンサの体積が0.05μl以上、1.0125μl以下であることが好ましい。また、前記電極系が、貴金属からなる電極であるのが好ましい。前記試料液供給路の幅が、好ましくは1.5mm以下であるため、スクリーンを用いた印刷電極では電極面積を決定する精度が劣る。しかし、貴金属電極は、0.1mm幅でレーザートリミングすることが可能であり、電極面積を決定する精度が高いからである。
【0043】
なお、特に、実施の形態1に係るバイオセンサにおいては、図13に示すように、フィルタ4の二次側部分の少なくとも一部が、基板1、スペーサ5およびカバー9に接触していればよく、例えば図14示すように、フィルタ4の二次側部分を斜めに切断して傾斜部を設けてもよい。このように、基板1との接触面において、開口部7に向かって開くような形状の傾斜部を設けることによって、ろ液を試料液供給路8’に導きやすくすることができる。
また、図13に示すように、前記フィルタの一次側部分の断面積(F1)が前記試料液供給路の開口部7の断面積(S1)よりも大きいのが好ましい。これにより、センサの試料液供給路8’内がろ過された血漿で飽和される速度が速くなるという効果が得られる。
さらに、図15に示すように、前記フィルタの一次側部分の断面積(F1)が、前記試料液供給路の開口部7側において基板1に接する二次側部分の断面積(F2)よりも大きいのが好ましい。これにより、センサの試料液供給路8’内がろ過された血漿で飽和される速度がさらに速くなるという効果が得られる。なお、図13〜15において、基板1、フィルタ4、スペーサ5およびカバー9以外の構成要素は省略した。
【0044】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されれるものではない。
《実施例1》
図1〜4に示す構造を有し、測定対象を総コレステロールとするバイオセンサであって、反応層18aに電子メディエータが含まれ、反応層18bにコレステロールオキシダーゼ、コレステロールエステラーゼおよび界面活性剤が含まれたバイオセンサを作製した。
まず、基板1の電極系上に、CMCの0.5wt%水溶液を5μl滴下し、50℃の温風乾燥機中で10分間乾燥させることにより親水性高分子の層17を形成した。つぎに、フェリシアン化カリウム水溶液4μl(フェリシアン化カリウム70mM相当)を親水性高分子の層17上に滴下し、50℃の温風乾燥機中で10分間乾燥させることにより、フェリシアン化カリウムを含む反応層18aを形成した。
【0045】
ノカルジア由来のコレステロールオキシダーゼ(EC1.1.3.6:ChOD)とシュードモナス由来のコレステロールエステラーゼ(EC.3.1.1.13:ChE)を溶解した水溶液に、界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(TritonX−100)を添加した。この混合液を、スペーサ5とカバー9を一体化して形成される凹部(カバー9の試料液供給路8’の上側に相当する部分)に0.4μl滴下し、−196℃の液体窒素にて予備凍結後、凍結乾燥機で2時間乾燥させることにより、450U/mlコレステロールオキシダーゼ、1125U/mlコレステロールエステラーゼおよび2wt%界面活性剤を含む反応層18b(図4)を形成した。
【0046】
なお、測定対象をLDLコレステロールとするバイオセンサを得る場合は、LDLのみを選択的に可溶化させる界面活性剤を使用すればよい。これにより、LDLコレステロールを反応系に導き、LDLコレステロールを測定することが可能となる。LDL以外のリポ蛋白(カイロミクロン、HDL、VLDL)に対する酵素反応は、この界面活性剤により阻害されるため、これらのリポ蛋白はコレステロールの反応系に導かれることなく、反応液中にリポ蛋白の形で残存する。
【0047】
センサの各寸法については、スリット幅は0.8mm、スリット長(試料液供給路の開口部から空気孔までの長さ)は4.5mm、スペーサ5の厚み(基板1からカバー9までの距離)は100μmが好ましい。
フィルタ4は、厚さ約700μmのガラス繊維ろ紙を、直径2.5mmの円形に打ち抜いて、円柱状のものとして作製した。基板1、スペーサ5、カバー9およびフィルタ保持板12の合体して得られる連通部6、連通部10および空隙部13からなる空間にフィルタ4を設置した。
この後、フィルタ保持板12の上部に上カバー14を設置することにより、図1〜4に示す構造を有するバイオセンサを作製した。
【0048】
得られたバイオセンサの開口部16から、試料液として全血10μlまたは標準血清を滴下し、180秒後に対極を基準にして作用極にアノード方向へ+0.2Vのパルス電圧を印加し、5秒後に作用極と対極との間に流れる電流値を測定した。その結果である応答特性を図16に示した。
図16から明らかなように、本発明に係るバイオセンサによれば、総コレステロール濃度と応答値との間に良好な直線性が得られる。
【0049】
《実施例2》
図5〜8に示す構造を有し、測定対象を総コレステロールとするバイオセンサであって、反応層118aには電子メディエータが含まれ、反応層118bにはコレステロールオキシダーゼ、コレステロールエステラーゼおよび界面活性剤が含まれたバイオセンサを作製した。
まず、基板101の電極系上に、CMCの0.5wt%水溶液を5μl滴下し、50℃の温風乾燥機中で10分間乾燥させることにより親水性高分子の層117を形成した。つぎに、フェリシアン化カリウム水溶液4μl(フェリシアン化カリウム70mM相当)を親水性高分子の層117上に滴下し、50℃の温風乾燥機中で10分間乾燥させることにより、フェリシアン化カリウムを含む反応層118aを形成した。
【0050】
ノカルジア由来のコレステロールオキシダーゼ(EC1.1.3.6:ChOD)とシュードモナス由来のコレステロールエステラーゼ(EC.3.1.1.13:ChE)を溶解した水溶液に、界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(TritonX−100)を添加した。この混合液を、スペーサ105とカバー109を一体化して形成される凹部(カバー109の試料液供給路108’の上側に相当する部分)に0.4μl滴下し、−196℃の液体窒素にて予備凍結後、凍結乾燥機で2時間乾燥させることにより、450U/mlコレステロールオキシダーゼ、1125U/mlコレステロールエステラーゼおよび2wt%界面活性剤を含む反応層118b(図8)を形成した。
【0051】
なお、測定対象をLDLコレステロールとするバイオセンサを得る場合は、LDLのみを選択的に可溶化させる界面活性剤を使用すればよい。これにより、LDLコレステロールを反応系に導き、LDLコレステロールを測定することが可能となる。LDL以外のリポ蛋白(カイロミクロン、HDL、VLDL)に対する酵素反応は、この界面活性剤により阻害されるため、これらのリポ蛋白はコレステロールの反応系に導かれることなく、反応液中にリポ蛋白の形で残存する。
【0052】
フィルタ104は、PVAでコーティングされたガラス繊維ろ紙を、直径2.5mmの円形に打ち抜いて作製した。
この後、前記基板101と合体基板Cとの上にフィルタ104を設置し、ついで、フィルタ保持板112a、112bおよび112cならびに上カバー115とを一体化した合体基板Bをフィルタ104上に接着し、図5〜8に示す構造を有するバイオセンサを作製した。
【0053】
得られたバイオセンサの開口部116に、試料液として全血10μlを滴下し、180秒後に対極を基準にして測定極にアノード方向へ+0.2Vのパルス電圧を印加し、5秒後に作用極と対極との間に流れる電流値を測定した。その結果である応答特性を図17に示した。
図17から明らかなように、本発明に係るバイオセンサによれば、コレステロール濃度と応答値との間に良好な直線性が得られる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば指先の穿刺によって採取した血液を測定する場合、指先にある血液を効率的に導入することのできるバイオセンサを提供することができる。また、本発明によれば、妨害物質である血球をフィルタにより溶血することなく除去し、フィルタ厚が薄くても血球除去後の血漿を迅速に電極系へ供給することができ、したがって、応答特性に優れた電気化学的バイオセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。
【図2】図1のバイオセンサの合体斜視図である。
【図3】反応層などを省略した図2のX−X線断面図である。
【図4】図2の電極系付近の拡大断面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係るバイオセンサの分解斜視図である。
【図6】図5のバイオセンサの合体斜視図である。
【図7】反応層などを省略した図6のY−Y線断面図である。
【図8】図6の電極系付近の拡大断面図である。
【図9】血液を分離するメカニズムを説明するためのフィルタ装置の概略断面図である。
【図10】従来のバイオセンサの縦断面図である。
【図11】また別の従来のバイオセンサの分解斜視図である。
【図12】図11に示すバイオセンサの縦断面図である。
【図13】本発明のバイオセンサにおけるフィルタの二次側部分の形態を示す部分断面図である。
【図14】本発明のバイオセンサにおけるフィルタの二次側部分の別の形態を示す部分断面図である。
【図15】本発明のバイオセンサにおけるフィルタの二次側部分のまた別の形態を示す部分断面図である。
【図16】実施例1におけるバイオセンサの応答特性を示すグラフである。
【図17】実施例2におけるバイオセンサの応答特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1、101 基板
2、102 作用極
3、103 対極
4、104 フィルタ
5、105 スペーサ
6、106 連通部
7、107 開口部
8、108 スリット
8’、108’ 試料液供給路
9、109 カバー
10、110 連通部
11、111 空気孔
12、112 フィルタ保持板
13、113 空隙部
14、114 フィルタ保持部
15、115 上カバー
16、116 開口部
17、117 親水性高分子の層
18a、118a反応層
18b、118b反応層

Claims (11)

  1. 絶縁性基板、前記基板上に設けられた作用極と対極を有する電極系、少なくとも酸化還元酵素と電子メディエータを含む反応層、前記電極系と前記反応層とを含み、終端部側に空気孔を有する試料液供給路、試料液を導入するための試料液供給部、および前記試料液供給路と試料液供給部との間に設けられた、試料液をろ過するフィルタを具備し、前記フィルタでろ過されたろ液が毛細管現象によって前記試料液供給路内に吸引されるようにしたバイオセンサであって、
    前記フィルタが前記試料液供給路内に侵入しておらず、前記試料液が前記フィルタを通過する方向が前記基板に対して垂直方向であり、さらに前記ろ液が前記試料液供給路の開口部から前記空気孔に向かって通過する方向が前記基板に対して水平方向であることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記フィルタの一次側部分に前記試料液を供給するための開口部を有することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 前記フィルタの一次側部分から二次側部分までの領域において、前記フィルタの表面を一回り囲む空隙部を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1または2記載のバイオセンサ。
  4. 前記フィルタの一次側部分の断面積が、前記試料液供給路の開口部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセンサ。
  5. 前記フィルタの一次側部分の断面積が、前記フィルタの二次側部分の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセンサ。
  6. 前記フィルタがガラス繊維ろ紙で構成されていることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  7. 前記フィルタが前記電極系と非接触であることを特徴とする請求項1または6記載のバイオセンサ。
  8. 前記フィルタの底面の少なくとも一部が前記絶縁性基板に接触していることを特徴とする請求項1、6または7記載のバイオセンサ。
  9. 前記フィルタを構成する繊維がポリビニルアルコールでコーティングされていることを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ。
  10. 前記フィルタの試料液滴下部から試料液供給路の開口部までの領域において、前記フィルタ表面を一回り囲む空隙部を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1および6〜9のいずれかに記載のバイオセンサ。
  11. 前記フィルタの一次側断面積が、前記試料液供給路の開口部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のバイオセンサ。
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