JP3856408B2 - ヘキサフルオロエタンの精製方法 - Google Patents

ヘキサフルオロエタンの精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヘキサフルオロエタン(以下、「FC−116」、または「CF3 CF3 」と称す)の精製方法に関し、さらに詳しくは不純物として分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボン類(以下、「HFC類」と称す)を含有するFC−116を精製して、不純物のHFC類を低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FC−116は、例えば半導体のドライエッチング用などに使用されるため、高純度品が要求されている。
このFC−116の製造方法に関しては、従来から様々な方法が提案されている。
具体的には、例えば(1)エタンおよび/またはエチレンを原料とする電解フッ素化法、(2)四フッ化エチレンなどを熱分解する熱分解法、(3)アセチレン、エチレンおよび/またはエタンなどを金属フッ化物を用いてフッ素化する方法、(4)ジクロロテトラフルオロエタンやクロロペンタフルオロエタンなどをフッ化水素を用いてフッ素化する方法、(5)フッ素ガスを用いてエタン、ハイドロフルオロカーボンなどと反応させる直接フッ素化法などが知られている。
【0003】
しかしながら、これらの方法によってFC−116を製造する場合には、反応によって生成するFC−116の中間体や副生成物、あるいは原料として用いたハイドロフルオロカーボンが目的物であるFC−116と共沸混合物や共沸様混合物を形成するため、その分離が極めて困難であるという問題がある。
【0004】
このため、例えば、不純物として炭素原子1個を含むクロロトリフルオロメタン(CClF3 )および/またはトリフルオロメタン(CHF3 )を含むFC−116を活性炭やゼオライトなどの吸着剤で処理するFC−116の精製方法(米国特許第5,523,499号明細書)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、不純物として分子内に炭素原子2個を含むHFC類を主として含有するFC−116を精製してHFC類を殆ど含有しない高純度FC−116を製造する簡便かつ経済的で工業的に有利な方法はなかった。
本発明の目的は、不純物として分子内に炭素原子2個を含むHFC類を含有するFC−116を吸着剤と接触させてHFC類を吸着除去して、HFC類を殆ど含有しない高純度FC−116を容易に経済的にかつ工業的に有利に得ることができる精製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、高純度のFC−116を製造する過程において、HFC類を含有するFC−116を、特定の平均細孔径およびシリカ/アルミニウム比(Si/Al)を有するゼオライトおよび/または特定の平均細孔径を有する炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)からなる吸着剤と接触させることにより、HFC類を選択的に吸着除去でき、HFC類を殆ど含有しない高純度FC−116を容易に得ることができることを見いだし本発明を成すに到った。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1の発明は、不純物として1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよびペンタフルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの化合物を主として含有するヘキサフルオロエタンを平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下であるゼオライトおよび/または平均細孔径が3.5Å〜11Åである炭素質吸着剤からなる吸着剤と接触させることにより、前記ハイドロフルオロカーボン類を低減させることを特徴とするヘキサフルオロエタンの精製方法である。
【0009】
本発明の請求項の発明は、請求項1記載の精製方法において、不純物として1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよびペンタフルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの化合物を主として含有するヘキサフルオロエタンが、分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたヘキサフルオロエタンであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
FC−116の製造方法として、例えば、分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボンであるフルオロエタン(以下、C25 Fと称す。また、CH2 FCH3 または「HFC−161」と称す場合がある)とフッ素ガス(F2 )を反応させる直接フッ素化法の場合、下記の式(6)で表される主反応以外に下記の式(1)〜式(5)で表される反応が進行する。
【0011】
25 F + F2 → C242 + HF 式(1)
242 + F2 → C233 + HF 式(2)
233 + F2 → C224 + HF 式(3)
224 + F2 → C2 HF5 + HF 式(4)
2 HF5 + F2 → C26 + HF 式(5)
────────────────────────────────────
25 F +5F2 → C26 +5HF 式(6)
【0012】
このように、目的物であるFC−116以外に、FC−116の中間体であるジフルオロエタン(C242 )、トリフルオロエタン(C233 )、テトラフルオロエタン(C224 )、ペンタフルオロエタン(C2 HF5 、以下、「HFC−125」または「CF3 CHF2 」と称す)などの分子内に炭素原子を2個含むHFC類が生成する。
【0013】
そして通常の場合、ジフルオロエタンとしては1,1−ジフルオロエタン(以下、「HFC−152a」または「CHF2 CH3 」と称す)の生成量が多く、トリフルオロエタンとしては1,1,1−トリフルオロエタン(以下、「HFC−143a」または「CF3 CH3 」と称す)の生成量が多く、テトラフルオロエタンとしては1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、「HFC−134a」または「CF3 CH2 F」と称す)の生成量が多い。
【0014】
目的物であるFC−116と中間体であるHFC類の大気圧下における沸点を次に示す。
【0015】
HFC−152a(CHF2 CH3 ) −24.2℃
HFC−134a(CF3 CH2 F) −26.5℃
HFC−161 (CH2 FCH3 ) −37.1℃
HFC−143a(CF3 CH3 ) −47.4℃
HFC−125 (CF3 CHF2 ) −48.6℃
FC−116 (CF3 CF3 ) −78.1℃
【0016】
FC−116とHFC−134a、FC−116とHFC−125は共沸様混合物を形成し、また、FC−116とHFC−143a、HFC−161、HFC−152aは蒸留操作では極めて分離困難な物質である。このため、通常の蒸留操作ではこれらの不純物を極力少なくするために、蒸留塔の段数を増やしたり蒸留塔の本数を多くするなどの対策がとられるが、不経済となる上、HFC類を殆ど含有しない高純度FC−116を製造することは極めて困難である。
【0017】
本発明においては、FC−116中のHFC類を選択的に吸着除去するため、平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下であるゼオライトや平均細孔径が3.5Å〜11Åである炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)からなる吸着剤を使用する。
前記ゼオライトや前記炭素質吸着剤はそれぞれ単独で使用することも、あるいは両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
【0018】
これらの吸着剤を用いて除去可能なHFC類としては、具体的には、例えばHFC−161、HFC−152a、HFC−143a、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(以下、「HFC−134」または「CHF2 CHF2 」と称す)、HFC−134a、HFC−152などから選ばれる少なくとも1つの化合物であり、これらの中でも好ましくはHFC−134、HFC−134a、HFC−125から選ばれる化合物であり、さらに好ましくは、FC−116と共沸様混合物を形成し蒸留操作では分離困難なHFC−134aおよび/またはHFC−125である。
【0019】
目的物であるFC−116と不純物のHFC類の分子径は計算によれば、FC−116が約4.3Åであるのに対し、例えばHFC−134aは約4.2Å、HFC−125は約4.2Åであり、FC−116と不純物のHFC類の分子径の差は小さい。従って、分子径の差のみによってFC−116中のHFC類を選択的に吸着除去することは難しいと推測された。
【0020】
そこで、本発明者等は吸着剤の極性や孔径などを考慮し、吸着剤の種類や吸着処理条件などを変化させるなど、HFC類の選択的吸着除去方法について鋭意検討を重ねた結果、特に平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下のゼオライト、例えば4.2Å程度の平均細孔径を有し、シリカ/アルミニウム比が2.0以下のゼオライトを用いて吸着操作を行うことで、不純物として約500ppmのHFC類を含有するFC−116中のHFC類の含有量を低減できることを見いだし、また前記ゼオライトの種類によっては不純物のHFC類の含有量が10ppm以下の高純度FC−116を得ることが可能であることを見いだした。
【0021】
シリカ/アルミニウム比(Si/Al)が2.0以下であっても平均細孔径が3.5Å未満、例えば3.2Å程度の平均細孔径を有するゼオライトは、HFC類の含有量の低減は認められなかった。
シリカ/アルミニウム比(Si/Al)が2.0以下であっても平均細孔径が11Åを超える平均細孔径を有するゼオライトもHFC類の含有量の低減は認められなかった。
また平均細孔径が3.5Å〜11Åであってもシリカ/アルミニウム比(Si/Al)が2.0を超えるゼオライトもHFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0022】
平均細孔径が3.5Å〜11Åの炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)、例えば約4Åまたは約5Å程度の平均細孔径を有する炭素質吸着剤についても同様な検討を行ったところ、HFC類の含有量を低減できることが認められた。
しかし、平均細孔径が11Åを超える炭素質吸着剤ではHFC類の低減が認められず、例えば、一般に使用されている強い吸着能を有する35Å程度の平均細孔径を有する活性炭はHFC類の低減がほとんど認められなかった。
【0023】
FC−116中に含有される不純物のHFC類の濃度は特に限定されないが、1Vol%以下が好ましく、更に好ましくは0.1Vol%以下が望ましい。
また、目的とするFC−116の製造方法としては、例えば前記のように分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接フッ化法があるが、原料のハイドロフルオロカーボン中に含まれる塩素化合物の濃度は0.5Vol%以下が好ましく、更に好ましくは0.1Vol%以下である。
【0024】
本発明のFC−116の精製方法において、不純物のHFC類を含有するFC−116を前記吸着剤に接触させる方法は特に限定されず、例えば気相で接触させる方法、あるいは液相で接触させる方法のいずれの方法も可能であるが、液相で接触させる方法が効率よく好ましい。
【0025】
液相で接触させる方法には、回分式や連続式などの公知の方法を用いることができるが、工業的には例えば固定床式吸着塔を2基設け、一方が飽和吸着に達すればこれを切り換え再生する方法が一般的である。
【0026】
本発明のFC−116の精製方法において、不純物のHFC類を含有するFC−116を前記吸着剤に接触させる際の処理温度、処理量および処理圧力は特に限定されないが、処理温度は低温が好ましく、通常は例えば−30℃〜70℃がよい。処理圧力は液相の場合は、液相に保持できればよく、気相の場合は特に限定されない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
[FC−116の製造例1]
1,1−ジフルオロエタン(CHF2 CH3 )とフッ素ガス(F2 )を窒素ガスで希釈しながら直接フッ素化反応を行い、反応ガスをアルカリ洗浄塔に導入し生成したフッ化水素(HF)および少量の未反応フッ素ガス(F2 )を除去し、FC−116に富む生成ガスを公知の方法で分別蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ下記の組成のFC−116(原料例1)を得た。
【0028】
Figure 0003856408
【0029】
[FC−116の製造例2]
現在、CFC−12(CCl22 )の代替品として供給されている1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3 CH2 F)[エコロエース134a(商品名:昭和電工株式会社製。純分は99.99%以上で異性体のCHF2 CHF2 を約20ppm含み、含塩素化合物は検出されない。]を使用した。
このエコロエース134aとフッ素ガス(F2 )を窒素ガスで希釈しながら直接フッ素化反応を行い、反応ガスをアルカリ洗浄塔に導入し、生成したフッ化水素(HF)および少量の未反応フッ素ガス(F2 )を除去し、FC−116に富む生成ガスを公知の方法で分別蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ下記の組成のFC−116(原料例2)を得た。
【0030】
Figure 0003856408
【0031】
実施例1]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス5A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径4.2Å、シリカ/アルミニウム比=1)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。尚、ガスクロマトグラフィーでのHFC類の検出限界は約1ppmである。
結果を次に示す。
【0032】
Figure 0003856408
【0033】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が4.2Åでシリカ/アルミニウム比が1のゼオライトを吸着剤として用いることにより、FC−116中のHFC類の含有量を低減でき、その含有量を10ppm以下とすることができる。
【0034】
実施例2]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス5A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径4.2Å、シリカ/アルミニウム比=1)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0035】
Figure 0003856408
【0036】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が4.2Åでシリカ/アルミニウム比が1のゼオライトを用いることにより、FC−116中のHFC類の含有量を低減でき、その含有量を10ppm以下とすることができる。
【0037】
実施例3]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス13X(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径10Å、シリカ/アルミニウム比=0.81)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0038】
Figure 0003856408
【0039】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が10Å、シリカ/アルミニウム比が0.81のゼオライトを用いることによりFC−116中のHFC類の含有量を低減できる。
【0040】
実施例4]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、炭素質吸着剤[モレキュラーシービングカーボン、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径5Å]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0041】
Figure 0003856408
【0042】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が5Åの炭素質吸着剤を用いることによりFC−116中のHFC類の含有量を低減できる。
【0043】
[実施例
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス13X(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径10Å、シリカ/アルミニウム比=0.81)]10gと炭素質吸着剤[モレキュラーシービングカーボン、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径5Å]10gを混合した吸着剤20gを充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0044】
Figure 0003856408
【0045】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が10Åでシリカ/アルミニウム比が0.81のゼオライトおよび平均細孔径が5Åの炭素質吸着剤を混合した吸着剤を用いることによりFC−116中のHFC類の含有量を低減できる。
【0046】
[比較例1]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブスXH−9(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径3.2Å、シリカ/アルミニウム比=1)]を30g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約10時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0047】
Figure 0003856408
【0048】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が3.5Å未満でシリカ/アルミニウム比が1のゼオライトではFC−116中のHFC類の含有量の低減は認められない。
【0049】
[比較例2]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[H−ZSM−5(エヌ・イーケムキャット株式会社製:平均細孔径6Å、シリカ/アルミニウム比=15)](米国特許第5,523,499号の実施例VIで使用しているゼオライトに相当するゼオライト)を30g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約10時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0050】
Figure 0003856408
【0051】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が6Åであってもシリカ/アルミニウム比が2.0を超えるゼオライトではFC−116中のHFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0052】
[比較例3]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[H−ZSM−5(エヌ・イーケムキャット株式会社製:平均細孔径6Å、シリカ/アルミニウム比=75)]を30g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約10時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0053】
Figure 0003856408
【0054】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が6Åであってもシリカ/アルミニウム比が2.0を超えるゼオライトではFC−116中のHFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0055】
[比較例4]
容量200mlのステンレス製シリンダーに、炭素質吸着剤[活性炭:粒状白サギKL、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径35Å]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−116を約80g充填し、室温で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィーで分析した。
結果を次に示す。
【0056】
Figure 0003856408
【0057】
上記の結果から明らかなように、平均細孔径が11Åを超える炭素質吸着剤ではFC−116中のHFC類の含有量の低減は認められなかった。
【0058】
【発明の効果】
従来、分子内に炭素原子2個を含むHFC類を不純物として含有するFC−116を精製してHFC類を除去するのは非常に困難であったが、本発明のFC−116の精製方法により、簡便かつ経済的にしかも工業的に有利にHFC類を除去して半導体のドライエッチング用などに使用される高純度FC−116を製造できる。
本発明によれば吸着剤として平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下のゼオライトおよび/または平均細孔径が3.5Å〜11Åの炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)を使用し、不純物のHFC類を含有するFC−116をこの吸着剤と接触させることにより選択的にHFC類を吸着除去してHFC類の含有量を容易に低減できる。吸着剤の種類によってはFC−116中のHFC類の含有量が10ppm以下の高純度FC−116を製造することができる。

Claims (2)

  1. 不純物として1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよびペンタフルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの化合物を主として含有するヘキサフルオロエタンを平均細孔径が3.5Å〜11Å、シリカ/アルミニウム比が2.0以下であるゼオライトおよび/または平均細孔径が3.5Å〜11Åである炭素質吸着剤からなる吸着剤と接触させることにより、前記ハイドロフルオロカーボン類を低減させることを特徴とするヘキサフルオロエタンの精製方法。
  2. 不純物として1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよびペンタフルオロエタンから選ばれる少なくとも一つの化合物を主として含有するヘキサフルオロエタンが、分子内に炭素原子2個を含むハイドロフルオロカーボンとフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたヘキサフルオロエタンであることを特徴とする請求項1記載の精製方法。
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