JP3856082B2 - エンジンのオイル通路構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンのオイル通路構造に係り、特にクランク軸側に設けたオイルポンプから吐出されるオイルをシリンダヘッド側に導くオイル通路を設けたエンジンのオイル通路構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8、9に示す如く、車両に搭載されるエンジン102においては、シリンダブロック104にシリンダヘッド106が載置して設けられ、シリンダブロック104に軸支したクランク軸108にクランクスプロケット(図示せず)を設け、シリンダヘッド106と吸気側、排気側カムハウジング110、112とに軸支した吸気側、排気側カム軸114、116には吸気側、排気側カムスプロケット118、120を設け、吸気側、排気側カム軸114、116の少なくともいずれか一方のカム軸としての吸気側カム軸114には、この吸気側カム軸114と吸気側カムスプロケット118との回転位相を変化させる可変バルブタイミング装置122の油圧アクチュエータ124をアクチュエータ取付ボルト126で取り付けている。吸気側、排気側カムハウジング110、112は、吸気側、排気側ハウジング取付ボルト128、130でシリンダヘッド106に固定されている。
【0003】
クランクスプロケットと吸気側、排気側カムスプロケット118、120とには、タイミングチェーン132が巻き掛けて設けられている。また、シリンダブロック104とシリンダヘッド106とには、タイミングチェーン132を覆ってチェーン室134を形成するように、シリンダブロック104とシリンダヘッド106とに跨るタイミングチェーンカバー136が設けられている。また、シリンダヘッド106には、カム室138を形成するように、シリンダヘッドカバー140が載置して設けられている。
【0004】
タイミングチェーンカバー136の外側面である表面(エンジン102の前面)には、可変バルブタイミング装置122のオイル制御弁142のバルブボディ144が複数のバルブ用取付ボルト146で取り付けられている。また、タイミングチェーンカバー136の内側面には、シリンダブロック104に形成したメインギャラリ148に連絡する第1ユニオンボルト150が取付けられる。オイル制御弁142バルブボデイ144には、第2ユニオンボルト152が設けられる。この第1ユニオンボルト150と第2ユニオンボルト152とには、オイルパイプ154が接続されている。また、クランク軸108には、このクランク軸108の回転で駆動されて油圧を発生するオイルポンプ(図示せず)を設けている。エンジン102には、このオイルポンプによって吐出されるオイルをシリンダヘッド106側に導くオイル通路156を設けている。
【0005】
このオイル通路156は、オイルパイプ154で形成されたポンプ側パイプオイル通路158と、タイミングチェーンカバー136に形成された進角用、遅角用カバー側オイル通路160、162と、カム室138内で吸気側、排気側カムハウジング110、112に接続した進角用、遅角用オイルパイプ164、166で形成された進角用、遅角用パイプ側オイル通路168、170と、
吸気側カムハウジング110に形成した進角用、遅角用ハウジング側オイル通路172、174と、吸気側カム軸114に形成した進角用、遅角用シャフト側オイル通路(図示せず)とからなる。進角用、遅角用オイルパイプ164、166は、吸気側カムハウジング110に進角用、遅角用ユニオンボルト176、178で固定されている。
【0006】
また、このような可変バルブタイミング装置としては、例えば、特開平11−132016号公報、特許第2839672号公報、特開平10−8987号公報、特開平11−218010016号公報に開示されている。特開平11−132016号公報に記載のものは、バルブタイミング調整機構とオイル制御弁とを備えた可変バルブタイミング装置において、シリンダヘッドカバーの上壁に開口部を形成し、オイル制御弁を収納したバルブケースで開口部をシリンダヘッドカバー上面側から覆うとともに、この開口部を利用してオイル制御弁とバルブタイミング調整機構とを連通する油路を形成したものである。特許第2839672号公報に記載のものは、バルブタイミング可変機構への油圧の供給を制御するオイル制御弁をカム軸の位置よりも上方に配設したものである。特開平10−8987号公報に記載のものは、バルブタイミング可変装置のオイル供給部から可変作動部へのオイルの供給を、タイミングチェーン側から行うようにしたものである。特開平11−218010016号公報に記載のものは、オイル制御弁のスプールの軸方向がカム軸と直交するように、タイミングベルトを覆うカバー部材上面に設置し、カバー部材には排油開口からの排油をシリンダヘッド内に還流させる排油路を形成したものである。
【0007】
また、エンジンのシリンダヘッドに載置するシリンダヘッドカバーの構造としては、例えば、実公平6−23702号公報、実公平6−83910号公報に開示されている。実公平6−23702号公報に記載のものは、シリンダヘッドカバーの内面に、潤滑油を受けて導く油路が形成された部材を設けたものである。実公平6−83910号公報に記載のものは、シリンダヘッドカバーに導油路を形成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、可変バルブタイミング装置を備えたエンジンにおいては、図8に示す如く、吸気側、排気側カムスプロケット118、120間のタイミングチェーン132のフリースパンS部位が、急激な進角時、遅角時に、上下方向に振動し、また、進角用、遅角用オイルパイプ164、166は、製造上寸法のバラツキが大きいものである。
【0009】
このため、進角用、遅角用オイルパイプ164、166とタイミングチェーン132とのクリアランスM2を大きく設定する必要があり、このため、シリンダヘッドカバー140の高さH2が高くなってしまい(図9参照)、もって、エンジン102の高さが高くなるという不都合があった。
【0010】
また、進角用、遅角用オイルパイプ164、166の進角用、遅角用ユニオンボルト172、174との取付部位が溶接又は圧入方式の固定手段を採用していることから、その取付部位が吸気側カムハウジング110とタイミングチェーンカバー136とに跨って吸気側ハウジング取付ボルト128で固定されることから、その取付精度が低下するとともに、取付不良の過大な初期応力が発生し、しかも、エンジン102の振動によって破損するおそれが生ずるという不都合があった。
【0011】
更に、進角用、遅角用オイルパイプ164、166の進角用、遅角用ユニオンボルト176、178がシリンダヘッドカバー140内の空間に収納されていることから、進角用、遅角用オイルパイプ164、166内の油温が上昇し、このため、オイルの粘性が低下し、油圧式アクチュエータ124の作動不良が発生したり、オイルの使用寿命が低下するという不都合があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、第1に、エンジンのシリンダブロックに軸支したクランク軸にクランクスプロケットを設け、前記エンジンのシリンダヘッドに軸支した吸気側、排気側カム軸に吸気側、排気側カムスプロケットを設け、前記クランクスプロケットと前記吸気側、排気側カムスプロケットとにタイミングチェーンを巻き掛けて設け、このタイミングチェーンを覆ってチェーン室を形成するように前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとに跨るタイミングチェーンカバーを設け、前記シリンダヘッドにはカム室を形成するようにシリンダヘッドカバーを設け、前記クランク軸の回転で駆動されて油圧を発生するオイルポンプを設け、このオイルポンプによって吐出されるオイルを前記シリンダヘッドに導くオイル通路を設けるエンジンのオイル通路構造において、前記オイル通路の一部として前記シリンダヘッドカバー内で前記チェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、このヘッド側オイル通路の少なくとも前記タイミングチェーンを跨ぐ部位を前記シリンダヘッドカバーに一体的に設けたことを特徴とする。
【0013】
第2に、エンジンのシリンダブロックに軸支したクランク軸にクランクスプロケットを設け、前記エンジンのシリンダヘッドに軸支した吸気側、排気側カム軸に吸気側、排気側カムスプロケットを設け、前記クランクスプロケットと前記吸気側、排気側カムスプロケットとにタイミングチェーンを巻き掛けて設け、このタイミングチェーンを覆ってチェーン室を形成するように前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとに跨るタイミングチェーンカバーを設け、前記シリンダヘッドにはカム室を形成するようにシリンダヘッドカバーを設け、前記吸気側、排気側カム軸の少なくともいずれか一方のカム軸に前記カム軸と前記カムスプロケットとの回転位相を変化させる油圧式アクチュエータを設け、前記クランク軸の回転で駆動されて油圧を発生するオイルポンプを設け、このオイルポンプによって吐出されるオイルを前記油圧式アクチュエータに導くオイル通路を設けるエンジンのオイル通路構造において、前記オイル通路の一部として前記シリンダヘッドカバー内で前記チェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、前記吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか一方のカムスプロケットの外側に前記ヘッド側オイル通路の入口部を開口して設け、前記ヘッド側オイル通路の通路部を前記タイミングチェーンの前記吸気側、排気側カムスプロケット間のフリースパン部位で跨せて前記シリンダヘッドカバーに一体的に設け、前記吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか他方のカムスプロケットの内側に前記ヘッド側オイル通路の出口部を開口して設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明は、第1に、シリンダヘッドにオイルを導くオイル通路の少なくともタイミングチェーンを跨ぐ部位をシリンダヘッドカバーと一体的に設けているので、シリンダヘッドカバー側にオイル通路を設けた場合であっても、タイミングチェーンとの間にクリアランスを設ける必要がなく、これにより、シリンダヘッドカバーの高さを低くし、もって、エンジンの高さを低くし、エンジンをコンパクトにしてコスト、重量を低減することができる。
【0015】
第2に、オイル通路中のヘッド側オイル通路においては、入口部が吸気側カムスプロケット又は排気側カムスプロケットのいずれか一方のカムスプロケットの外側に開口し、出口部が吸気側カムスプロケット又は排気側カムスプロケットのいずれか一方のカムスプロケットの内側に開口し、通路部がタイミングチェーンの間のフリースパン部位で跨がせているので、ヘッド側オイル通路を短く形成することができ、また、吸気側、排気側カムスプロケット間のタイミングチェーンのフリースパン部位をヘッド側オイル通路が跨いでいる場合でも、このフリースパン部位の急激な進角時、遅角時に伴うタイミングチェーンのバタツキに対応するために必要なタイミングチェーンとチェーン室とに配設されるオイル通路とのクリアランスが不要となり、タイミングチェーンカバーの高さを低くして、もって、エンジンの高さを低くし、エンジンをコンパクトにしてコスト、重量を低減することができる。
【0016】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜4は、この発明の第1実施例を示すものである。図1、2において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はシリンダブロック、6はシリンダヘッド、8はこのシリンダヘッド6に載置されたシリンダヘッドカバー、10はこのシリンダヘッドカバー8で形成されたカム室である。シリンダブロック4の下部位には、オイルパン(図示せず)が取り付けられる。
【0017】
シリンダブロック4に軸支されたクランク軸12には、クランクスプロケット(図示せず)が設けられる。また、シリンダヘッド6には、吸気側、排気側カムハウジング14、16と協働して吸気側、排気側カム軸18、20が軸支されている。この吸気側、排気側カム軸18、20には、吸気側、排気側カムスプロケット22、24が設けられている。
【0018】
この吸気側、排気側カム軸18、20の少なくともいずれか一方のカム軸としての吸気側カム軸18には、この吸気側カム軸18と吸気側カムスプロケット22との回転位相を変化させる可変バルブタイミング装置26の油圧式アクチュエータ28が設けられている。
【0019】
クランクスプロケットと吸気側、排気側カムスプロケット22、24とには、タイミングチェーン30が巻き掛けて設けられている。シリンダブロック4とシリンダヘッド6とには、このタイミングチェーン30を覆ってチェーン室32を形成するように、タイミングチェーンカバー34が跨って取付けられる。
【0020】
また、タイミングチェーンカバー34の外側面には、可変バルブタイミング装置26のオイル制御弁36のバルブボディ38が複数のバルブ用取付ボルト40によって設けられる。このオイル制御弁36は、制御手段(図示せず)で作動され、油圧式アクチュエータ28の進角用室・遅角用室(図示せず)への進角用・遅角用の油圧を制御してバルブタイミングを調整するものである。
【0021】
クランク軸12のクランクスプロケット付近には、外側からのタイミングチェーンカバー34のシリンダブロック4側の部分と協働してオイルポンプ(図示せず)が設けられる。
【0022】
タイミングチェーンカバー34の外側面には、シリンダブロック4に形成したメインギャラリ42側に連絡する第1ユニオンボルト44が取付けられる。また、オイル制御弁36のバルブボディ38には、第2ユニオンボルト46が設けられる。この第1ユニオンボルト44と第2ユニオンボルト46とには、オイルパイプ48が接続されている。
【0023】
エンジン2には、オイルポンプによって吐出されるオイルをシリンダヘッド6側や油圧式アクチュエータ28に導くために、オイル通路50が設けられる。
【0024】
このオイル通路48は、オイルパイプ48で形成されたポンプ側パイプオイル通路52と、タイミングチェーンカバー34の進角用、遅角用カバー側ボス部54、56に形成された進角用、遅角用カバー側オイル通路58、60と、シリンダヘッドカバー8に一体的に形成された進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64と、吸気側カムハウジング14に形成した進角用、遅角用ハウジング側オイル通路66、68と、吸気側カム軸18に形成した進角用、遅角用シャフトオイル通路(図示せず)とからなる。進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64は、進角用、遅角用入口側ボス部70、72と、進角用、遅角用通路側ボス部74、76と、進角用、遅角用出口側ボス部78、80とによって形成された進角用、遅角用入口部82、84と、進角用、遅角用通路部86、88と、進角用、遅角用出口部90、92とからなる。
【0025】
そして、オイル通路50の一部としてシリンダヘッドカバー8内でチェーン室32に位置する進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64のタイミングチェーン30を跨ぐ部位の進角用、遅角用通路部86、88は、図2に示す如く、シリンダヘッドカバー8に一体的に設けられている。
【0026】
また、この進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64においては、吸気側、排気側カムスプロケット22、24のいずれか一方のカムスプロケットとしての排気側カムスプロケット22の外側に進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用入口部82、84を開口して設け、進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用通路部86、88を吸気側、排気側カムスプロケット22、24間のタイミングチェーン30のフリースパンS部位で跨せてシリンダヘッドカバー8に一体的に設け、吸気側、排気側カムスプロケット22、24のいずれか他方のカムスプロケットである吸気側カムスプロケット22の内側に進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用出口部90、92を開口して設けている。
【0027】
進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64は、シリンダヘッドカバー8の外側面に形成されている。
【0028】
進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用出口部90、92と、シリンダヘッド6に固定され且つシリンダヘッド6又はカム軸にオイルを供給するオイル通路である進角用、遅角用ハウジング側オイル通路66、68の開口部位とは、当接して設けられている。
【0029】
進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用入口部82、84と、進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64に連通するオイル通路、つまり、タイミングチェーンカバー8の側面に形成された進角用、遅角用カバー側オイル通路58、60の開口部位(出口部)とは、当接して設けられている。
【0030】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0031】
オイルポンプの駆動により、オイルパン内のオイルは、メインギャラリ42からオイルパイプ48に送られ、そして、オイル制御弁36に至る。このオイル制御弁36は、エンジン回転数、アクセル開度、水温等の各条件で、制御手段(図示せず)によって作動され、進角用、遅角用カバー側オイル通路58、60側への進角用、遅角用の油圧を調整して油圧式アクチュエータ28を作動させ、適正なバルブタイミングとする。
【0032】
ところで、この第1実施例の構成によれば、シリンダヘッド6にオイルを導くオイル通路50の少なくともタイミングチェーンを跨ぐ部位の進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64をシリンダヘッドカバー8と一体的に設けているので、シリンダヘッドカバー8側にオイル通路を設けた場合であっても、タイミングチェーン30とのクリアランスM1(図2参照)を従来のクリアランスM2(図9参照)よりも小さくすることができ、これにより、シリンダヘッドカバー8の高さH1を従来の高さH2よりも高さG分だけ低くし(図1参照)、もって、エンジン2の高さを低くし、エンジン2をコンパクトにすることができる。
【0033】
また、オイル通路50中の進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64においては、進角用、遅角用入口部82、84が吸気側カムスプロケット22又は排気側カムスプロケット24のいずれか一方のカムスプロケットの外側に開口し、進角用、遅角用出口部90、92が吸気側カムスプロケット22又は排気側カムスプロケット24のいずれか一方のカムスプロケットの内側に開口し、進角用、遅角用通路部86、88がタイミングチェーン30の間のフリースパンS部位で跨がせているので、進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の長さを短く形成することができ、また、フリースパンS部位を進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64が跨いでいる場合でも、フリースパンS部位の急激な進角又は遅角に伴うタイミングチェーン30のバタツキに対応するために必要なタイミングチェーン34とチェーン室32とに配設されるオイル通路とのクリアランスM1を従来のクリアランスM2よりも小さくすることができ、これにより、シリンダヘッドカバー8の高さH1を従来の高さH2よりも高さG分だけ低くし、もって、エンジン2の高さを低くし、エンジン2をコンパクトにすることができる。
【0034】
更に、シリンダヘッドカバー8の外側面に進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64を形成したので、車両の走行風によって進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64内のオイルを積極的に冷却することができ、これにより、オイルの粘性を適正に維持し、油圧式アクチュエータ28の作動を良好とし、また、オイルの使用寿命を長くすることができる。
【0035】
更にまた、シリンダヘッド6又は吸気側、排気側カム軸18、20にオイルを供給するオイル通路50の進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用入口部82、84と進角用、遅角用出口部90、92とを連結する際に、溶接や取付ボルト等によってオイル通路を結合させる必要がないので、取付精度の問題がなく、取付性を向上することができ、また、エンジン2の振動によって破損するのを防止することができ、しかも、従来の進角用、遅角用のオイルパイプ・ユニオンボルト・取付ボルト等の部品を不要とし、部品点数を低減するとともに、コストを低減することができる。
【0036】
また、進角用、遅角用カバー側オイル通路58、60と進角用、遅角用ヘッド側オイル通路62、64の進角用、遅角用入口部82、84とを連結する際に、溶接や取付ボルト等によりオイル通路を結合させる必要がないので、取付精度の問題がなく、取付性を向上することができ、また、エンジン2の振動によって破損するのを防止することができ、しかも、従来の進角用、遅角用のオイルパイプ・ユニオンボルト・取付ボルト等の部品を不要とし、部品点数を低減するとともに、コストを低減することができる。る。
【0037】
図5、6は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0038】
以下の実施例にあっては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には、同一符号を付して説明する。
【0039】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、シリンダヘッドカバー8のヘッド側オイル通路94には、タイミングチェーン30を跨ぐ部位で、所要の通路断面積を確保させて、タイミングチェーン30側にこのタイミングチェーン30を避ける形で凹所96を形成し、通路内径Dよりも小さな高さTで且つ大きな幅Wの平坦部94Aを形成した。
【0040】
この第2実施例の構成によれば、タイミングチェーン30を跨ぐ部位で、ヘッド側オイル通路94に平坦部94Aが形成されているので、ヘッド側オイル通路94全体を低い箇所に配設しても、タイミングチェーン30が干渉することがなく、もって、シリンダヘッドカバー8の高さを低くし、エンジン2のコンパクト化を図ることができる。
【0041】
図7は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0042】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、シリンダヘッドカバー8には、外方に突出した膨出部8Bを形成し、この膨出部8Bにヘッド側オイル通路98を形成した。
【0043】
この第3実施例の構成によれば、シリンダヘッドカバー8にはヘッド側オイル通路98を形成する膨出部8Bのみを部分的に突出させれば良く、シリンダヘッドカバー8の大型化を防止するとともに、走行風によるオイルの冷却効率を向上することができる。
【0044】
なお、この発明においては、ヘッド側オイル通路を、シリンダヘッドカバーの低い箇所で且つ各部品から避けるように廻り込ませる形で、シリンダヘッドカバーと一体的に設け、ヘッド側オイル通路を短く形成し、これにより、簡単な構成とし、また、オイルの供給を迅速に行わせることも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、第1に、オイル通路の一部としてシリンダヘッドカバー内でチェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、このヘッド側オイル通路の少なくともタイミングチェーンを跨ぐ部位をシリンダヘッドカバーに一体的に設けたことにより、シリンダヘッドカバー側にオイル通路を設けた場合であっても、タイミングチェーンとの間に大きなクリアランスを設ける必要がなく、これにより、シリンダヘッドカバーの高さを低くし、もって、エンジンの高さを低くし、エンジンをコンパクトにしてコスト、重量を低減し得る。
【0046】
第2に、オイル通路の一部としてシリンダヘッドカバー内でチェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか一方のカムスプロケットの外側にヘッド側オイル通路の入口部を開口して設け、ヘッド側オイル通路の通路部をタイミングチェーンの吸気側、排気側カムスプロケット間のフリースパン部位で跨せてシリンダヘッドカバーに一体的に設け、吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか他方のカムスプロケットの内側にヘッド側オイル通路の出口部を開口して設けたことにより、ヘッド側オイル通路を短く形成することができ、また、吸気側、排気側カムスプロケット間のタイミングチェーンのフリースパン部位をヘッド側オイル通路が跨いでいる場合でも、このフリースパン部位の急激な進角時、遅角時に伴うタイミングチェーンのバタツキに対応するために必要なタイミングチェーンとチェーン室とに配設されるオイル通路とのクリアランスが不要となり、タイミングチェーンカバーの高さを低くして、もって、エンジンの高さを低くし、エンジンをコンパクトにしてコスト、重量を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの一部断面図である。
【図2】図1の2−2線による断面図である。
【図3】図2の一部拡大した断面図である。
【図4】シリンダヘッドの一部平面図である。
【図5】第2実施例においてヘッド側オイル通路の概略側面図である。
【図6】第2実施例においてヘッド側オイル通路の概略平面図である。
【図7】第3実施例においてヘッド側オイル通路の断面図である。
【図8】従来のエンジンの一部断面図である。
【図9】図8の9−9線による断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
6 シリンダヘッド
8 シリンダヘッドカバー
10 カム室
12 クランク軸
18 吸気側カム軸
20 排気側カム軸
26 可変バルブタイミング装置
28 油圧式アクチュエータ
30 タイミングチェーン
32 チェーン室
34 タイミングチェーンカバー
36 オイル制御弁
50 オイル通路
62 進角用ヘッド側オイル通路
64 遅角用ヘッド側オイル通路

Claims (5)

  1. エンジンのシリンダブロックに軸支したクランク軸にクランクスプロケットを設け、前記エンジンのシリンダヘッドに軸支した吸気側、排気側カム軸に吸気側、排気側カムスプロケットを設け、前記クランクスプロケットと前記吸気側、排気側カムスプロケットとにタイミングチェーンを巻き掛けて設け、このタイミングチェーンを覆ってチェーン室を形成するように前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとに跨るタイミングチェーンカバーを設け、前記シリンダヘッドにはカム室を形成するようにシリンダヘッドカバーを設け、前記クランク軸の回転で駆動されて油圧を発生するオイルポンプを設け、このオイルポンプによって吐出されるオイルを前記シリンダヘッドに導くオイル通路を設けるエンジンのオイル通路構造において、前記オイル通路の一部として前記シリンダヘッドカバー内で前記チェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、このヘッド側オイル通路の少なくとも前記タイミングチェーンを跨ぐ部位を前記シリンダヘッドカバーに一体的に設けたことを特徴とするエンジンのオイル通路構造。
  2. エンジンのシリンダブロックに軸支したクランク軸にクランクスプロケットを設け、前記エンジンのシリンダヘッドに軸支した吸気側、排気側カム軸に吸気側、排気側カムスプロケットを設け、前記クランクスプロケットと前記吸気側、排気側カムスプロケットとにタイミングチェーンを巻き掛けて設け、このタイミングチェーンを覆ってチェーン室を形成するように前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとに跨るタイミングチェーンカバーを設け、前記シリンダヘッドにはカム室を形成するようにシリンダヘッドカバーを設け、前記吸気側、排気側カム軸の少なくともいずれか一方のカム軸に前記カム軸と前記カムスプロケットとの回転位相を変化させる油圧式アクチュエータを設け、前記クランク軸の回転で駆動されて油圧を発生するオイルポンプを設け、このオイルポンプによって吐出されるオイルを前記油圧式アクチュエータに導くオイル通路を設けるエンジンのオイル通路構造において、前記オイル通路の一部として前記シリンダヘッドカバー内で前記チェーン室に位置するヘッド側オイル通路を設け、前記吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか一方のカムスプロケットの外側に前記ヘッド側オイル通路の入口部を開口して設け、前記ヘッド側オイル通路の通路部を前記タイミングチェーンの前記吸気側、排気側カムスプロケット間のフリースパン部位で跨せて前記シリンダヘッドカバーに一体的に設け、前記吸気側、排気側カムスプロケットのいずれか他方のカムスプロケットの内側に前記ヘッド側オイル通路の出口部を開口して設けたことを特徴とするエンジンのオイル通路構造。
  3. 前記ヘッド側オイル通路は、前記シリンダヘッドカバーの外側面に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンのオイル通路構造。
  4. 前記シリンダヘッドカバーの前記ヘッド側オイル通路の出口部位と、前記シリンダヘッドに固定されるとともに前記シリンダヘッド又は前記カム軸にオイルを供給するオイル通路の開口部位とを、当接して設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンのオイル通路構造。
  5. 前記シリンダヘッドカバーの前記ヘッド側オイル通路の入口部位と、前記ヘッド側オイル通路に連通するオイル通路の開口部が形成された前記チェーンカバーの通路開口部とを、当接して設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンのオイル通路構造。
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