JP3855664B2 - 電子部品及びそれを実装した回路基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源回路、DC−DCコンバータ回路、照明用インバータ回路等に中高圧用として広く使用される例えばリード線付きコンデンサのような電子部品及びそれを実装した回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回路基板に実装される種々の電子部品が知られているが、例えばその一例としてリード線付きコンデンサがある。以下に、従来のリード線付きコンデンサについて図面を用いて説明する。
【0003】
図3(a)は従来のリード線付きコンデンサを示す正面図であり、図3(b)は従来のリード線付きコンデンサを示す側面図である。なお、図3(a),(b)において、1は基板、2は電極、3はリード線、4は外装材である。また、20はリード線付きコンデンサである。
【0004】
図3(a),(b)に示すように、従来のリード線付きコンデンサ20は、誘電体セラミックからなる円盤状の基板1の両主表面に、それぞれ電極2が形成され、更に、電極2には、それぞれリード線3が半田接合された構成である。
【0005】
また、図3(a)に示すように、2本のリード線3は、基板1の表裏面でクロスするように電極2にそれぞれ接合され、更に折り曲げられて、略平行になるように互いに離間して延設されている。
【0006】
更に、図3(b)に示すように、基板1の両主表面の電極2に接合された2本のリード線3は、基板1を間に挟んで離間し平行に延設されるが、折り曲げられて、最終的には、基板1の厚み方向で重なるように引き出されている。そして、2本のリード線3は、離間距離の略半分の位置、即ち、基板1の厚みを略半分にする位置で重なっている。
【0007】
また、このように形成されたリード線付きコンデンサ20には、リード線3の一部と、基板1及び電極2を内包する外装材4が形成される。なお、図4(a),(b)においては、外装材4は破線にて示している。
【0008】
ここで、図4(a)は従来のリード線付きコンデンサの実装状態を示す正面図であり、図4(b)は従来のリード線付きコンデンサの実装状態を示す側面図である。なお、図4(a),(b)において、5は回路基板、6はスルーホールである。
【0009】
図4(a),(b)に示すように、従来のリード線付きコンデンサ20は、リード線3の一部と、基板1及び電極2を内包する外装材4が形成されている。そして、外装材4から突出した2本のリード線3は、リード線付きコンデンサ20の幅方向では、離間し略平行に延設され、厚み方向では、外装材4近傍では離間しているが、その先では重なるように構成されている。
【0010】
そして、リード線付きコンデンサ20の2本のリード線3は、回路基板5のスルーホール6に挿入されて、回路基板5の裏面(図4(a),(b)中下側)で半田接合され、実装される。この時、リード線付きコンデンサ20の外装材4の最下部と回路基板5の間にはリード線3の一部が介在し、距離hを有することになる。
【0011】
ここで、リード線付きコンデンサ20が回路基板5との距離hを確保するのは、半田接合時の熱の影響に配慮するためである。即ち、リード線3が回路基板5の裏面で半田接合される場合に、その接合時の熱はリード線3を伝導して、リード線3と外装材4内の電極2との半田接合に影響を与える事が考えられる。そこで、回路基板5の裏面の半田接合からの熱の影響を避けるために、距離hを確保した状態で実装されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では次のような問題があった。
【0013】
回路基板5に対してリード線付きコンデンサ20を実装する場合には、自動挿入機を使用し、リード線付きコンデンサ20のリード線3を回路基板5のスルーホール6に挿入する。
【0014】
この際、自動挿入機の挿入力によっては、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまい、外装材4の最下部が回路基板5と接触したり、更に、外装材4の最下部がスルーホール6に入り込むと言う事もあった。
【0015】
そして、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまい、外装材4の最下部が回路基板5と接触すると、回路基板5を傷つけると言う問題があり、傷が顕著な場合には、実装部品の一つであるリード線付きコンデンサ20を交換するだけでなく、回路基板5自体を交換しなければならない事もあった。
【0016】
また、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまう事によって、回路基板5との距離hを確保する事ができす、半田接合時の熱の影響を受けてしまうと言う問題があった。
【0017】
更に、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込み、外装材4の最下部までもがスルーホール6に入り込めば、外装材4がスルーホール6の一方の開口(回路基板5表面)を塞いでしまうことになる。そして、この状態でリード線3を回路基板5の裏面で半田接合すると、その半田接合時に用いる半田フラックスがスルーホール6を通して回路基板5の表面に抜け出ることができす、スルーホール6内に残留してしまう。そして、この半田フラックスの溶剤がスルーホール6内に充満し、回路基板5の裏面の半田接合を阻害すると言う問題があった。更に、実装時だけでなく、リード線付きコンデンサ20が実装された回路基板5を搭載した電子機器に熱履歴が与えられて、スルーホール6内に留まった半田フラックスの残留溶剤が極微量揮発した場合でも、スルーホール6内に充満し、回路基板5の裏面の半田接合強度を低下させ、接続不良を生じると言う問題もあった。
【0018】
また、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んで、外装材4がスルーホール6を完全に塞がない程度に外装材4の最下部がスルーホール6に入り込んだ場合でも、外装材4によって、スルーホール6内の導通や、半田接合を阻害する問題がある。これを防ぐために、外装材4の最下部、即ち、リード線3の付け根部分における外装材4の径はスルーホール6の径よりも大きく形成する事も考えられるが、この部分の外装材4のみを厚く塗着することは困難であり、意図的に厚く塗着すれば、バリや塗装トビが発生してしまう。そして、外装材4の塗着方法も複雑となり、その管理も困難であり、生産効率が低下する可能性があった。
【0019】
また、リード線付きコンデンサ20の2本のリード線3の間隔寸法と、回路基板5のスルーホール6の間隔寸法とを若干ずらして、両者による摩擦力によって、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまうことを防止することも考えられるが、両者の間隔寸法の差を大きくすると、挿入するのが困難になる上、摩擦力が過大になり過ぎ、外装材4の最下部と回路基板5の間でリード線3が押しつぶされる事になる。そこで、最適な間隔寸法差を見出すことが必要となるが、極めて狭い範囲になる上、リード線付きコンデンサ20と回路基板5を高い寸法精度で製造しなければならず、両者の寸法精度を維持するのは困難であり、生産効率や歩留まりの低下を引き起こし、現実的ではない。
【0020】
また、これらの問題を解決するために、自動挿入機の挿入力を適宜微調整する方法も考えられるが、実装するリード線付きコンデンサ20の大きさ、リード線長、リード線径等の種別毎に調整するのも煩雑であり、加えて、実装するリード線付きコンデンサ20にも若干のばらつきがあるので、適宜微調整することは、生産効率を考えれば事実上不可能に近い。
【0021】
このように、従来のリード線付きコンデンサ20は上記課題を有しているが、これは、一例として説明したリード線付きコンデンサ20に限ったことではなく、リード線付きの電子部品の全てが有する課題である。
【0022】
そして、近年環境保護の要求から、半田は鉛(Pb)フリー半田の必要性が高まっており、この鉛(Pb)フリー半田による半田付け温度は、従来の半田付け温度よりも高い温度が必要とされるため、回路基板に実装される電子部品にとって、上述した問題は顕著化することになる。
【0023】
そこで本発明は上記課題を解決するものであり、電子部品の外装材と回路基板との距離を確実に確保することが可能であり、半田接合時の熱の影響を受けにくく、半田接合強度が安定して維持可能であると共に、鉛(Pb)フリー半田を使用可能な電子部品及びそれを実装した回路基板を提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の電子部品は、基板と、基板の両主表面にそれぞれ設けられた電極と、電極にそれぞれ接合された一対のリード線と、基板及び電極と、一対のリード線を被覆する外装材とを備えた電子部品であって、電子部品の幅方向において、一対のリード線は外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて離間距離を狭めた状態で略平行に延設され、一対のリード線の外装材から突出した部分の離間距離をF1とし、一対のリード線の折り曲げられて延設された部分の離間距離をF2とし、リード線の線径をφdとすると、φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0を満し、前記離間距離は電子部品を正面から見た投影図における幅方向の距離であるとしたものである。
【0025】
また、本発明の回路基板は、スルーホールを備え、本発明の電子部品の一対のリード線がスルーホールに挿入される回路基板であって、回路基板と、電子部品の外装材の最下部との距離が0.5mm以上である構成としたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、基板と、基板の両主表面にそれぞれ設けられた電極と、電極にそれぞれ接合された一対のリード線と、基板及び電極と、一対のリード線の一部を被覆する外装材とを備えた電子部品であって、電子部品の幅方向において、一対のリード線は外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて離間距離を狭めた状態で略平行に延設され、一対のリード線の外装材から突出した部分の離間距離をF1とし、一対のリード線の折り曲げられて延設された部分の離間距離をF2とし、リード線の線径をφdとすると、φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0を満し、前記離間距離は電子部品を正面から見た投影図における幅方向の距離とすることを特徴とする電子部品であり、電子部品のリード線を回路基板のスルーホールに挿入する場合にも、外装材から突出したリード線の全ての部分がスルーホールに入り込んでしまう事もなく、更に、外装材の最下部が回路基板と接触したり、外装材の最下部がスルーホールに入り込んでしまう事もない。
【0029】
請求項2に記載の発明は、基板と、基板の両主表面にそれぞれ設けられた電極と、電極にそれぞれ接合された一対のリード線と、基板及び電極と、一対のリード線の一部を被覆する外装材とを備えた電子部品であって、電子部品の幅方向において、一対のリード線は外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて離間距離を狭めた状態で略平行に延設されると共に、電子部品の厚み方向においては、一対のリード線は外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて電子部品の厚みを略半分にする位置で互いに重なるように略平行に延設され、リード線の折り曲げられた部分と電子部品の厚みを略半分にする位置で延設される部分がなす角度が、40°〜65°であり、一対のリード線の外装材から突出した部分の離間距離をF1とし、一対のリード線の折り曲げられて延設された部分の離間距離をF2とし、リード線の線径をφdとすると、φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0を満し、前記離間距離は電子部品を正面から見た投影図における幅方向の距離であることを特徴とする電子部品であって、電子部品のリード線を回路基板のスルーホールに挿入する場合にも、外装材から突出したリード線の全ての部分がスルーホールに入り込んでしまう事もなく、更に、外装材の最下部が回路基板と接触したり、外装材の最下部がスルーホールに入り込んでしまう事を確実に抑制できる。
【0031】
請求項3に記載の発明は、請求項1,2において、リード線を被覆する外装材の径が、リード線を挿入する回路基板のスルーホールの径よりも小さい事を特徴とする電子部品であり、電子部品のリード線を回路基板のスルーホールに挿入する場合にも、外装材から突出したリード線の全ての部分がスルーホールに入り込んでしまう事もなく、更に、外装材の最下部がスルーホールに入り込んでしまう事がないので、リード線を被覆する外装材の径が小さいものでも使用可能であり、外装材形成において生産性を向上させることができる。
【0032】
請求項4に記載の発明は、スルーホールを備え、請求項1〜3いずれか1記載の電子部品の一対のリード線がスルーホールに挿入される回路基板であって、回路基板と、電子部品の外装材の最下部との距離が0.5mm以上であることを特徴とする回路基板であり、電子部品に対して実装時の半田接合の熱の影響を抑制することができる。
【0033】
以下、本発明の電子部品について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の一実施の形態における電子部品を示す正面図であり、図1(b)は本発明の一実施の形態における電子部品を示す側面図である。そして、図1(a),(b)において、1は基板、2は電極、3はリード線、4は外装材である。また、10は電子部品である。なお、従来の技術で説明したものと同様な部分には同じ符号を付してある。
【0035】
図1(a),(b)に示すように、電子部品10は、誘電体セラミックからなる円盤状の基板1の両主表面に、それぞれ電極2が形成され、更に、電極2には、それぞれ一対のリード線3が半田接合された構成である。更に、リード線3の一部と、基板1及び電極2を内包する外装材4が形成される。なお、図1(a),(b)においては、外装材4は破線にて示している。
【0036】
基板1としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の誘電体材料の主成分に、酸化ビスマス、酸化チタン、酸化マンガン等の添加剤やその他焼成助剤等を混合し、これを焼成した誘電体セラミックスを用いることができる。
【0037】
また、電極2としては、例えば、Ag,Cu,Ni,Znの中から選ばれる少なくとも1種以上の金属を用いることができる。
【0038】
更に、リード線3としては、例えば、JIS C3102で規定される電気用軟銅線を原料とし、これに電気メッキ、又は、溶融半田を施した線材を使用することができる。
【0039】
外装材4としては、絶縁性を有する材料を用いられ、例えば、絶縁性樹脂、ガラス等を用いることができる。この中でも、絶縁性樹脂が加工適正、低価格であり好ましく、更に、熱硬化型のエポキシ樹脂が強度、耐湿性に優れているので特に好ましい。
【0040】
また、図1(a)に示すように、一対のリード線3は、基板1の表裏面でクロスするように電極2にそれぞれ接合され、折り曲げられて、略平行になるように互いに離間して延設され、更に折り曲げられて、双方の離間距離を狭めた状態で略平行に延設されている。
【0041】
更に、図1(b)に示すように、基板1の両主表面の電極2に接合された一対のリード線3は、基板1を間に挟んで離間し平行に延設されるが、折り曲げられて、最終的には、基板1の厚み方向で重なるように引き出されている。そして、一対のリード線3は、離間距離の略半分の位置、即ち、基板1の厚みを略半分にする位置で重なっている。
【0042】
ここで、図2(a)は本発明の一実施の形態における電子部品の実装状態を示す正面図であり、図2(b)は本発明の一実施の形態における電子部品の実装状態を示す側面図である。なお、図2(a),(b)において、5は回路基板、6はスルーホールである。
【0043】
上述したように、電子部品10は、リード線3の一部と、基板1及び電極2を内包する外装材4が形成されている。そして、外装材4から突出した一対のリード線3は、電子部品10の幅方向では、離間して略平行に延設され、折り曲げられて、双方の離間距離を狭めた状態で略平行に延設されている。更に、外装材4から突出した一対のリード線3は、電子部品10の厚み方向では、外装材4近傍では離間しているが、その先では重なるように構成されている。そして、2本のリード線3は、離間距離の略半分の位置、即ち、電子部品10の厚みを略半分にする位置で重なっている。
【0044】
そして、電子部品10の2本のリード線3は、回路基板5のスルーホール6に挿入されて、回路基板5の裏面(図2(a),(b)中下側)で半田接合され実装される。
【0045】
ここで、図1(a),(b)及び図2(a),(b)において、θはそれぞれのリード線3が電子部品10の厚み方向においてなす角度である。具体的にいえば、外装材4から突出した後に、折り曲げられた部分と、離間距離の略半分の位置、電子部品10の厚みを略半分にする位置で重なっている部分とがなす角度である。
【0046】
また、F1は一対のリード線3の外装材4側の離間距離であり、F2は2本のリード線3の先端側、即ち、回路基板5のスルーホール6に挿入される部分の離間距離である。
【0047】
まず、角度θは、40°〜65°の範囲にあることが好ましい。40°未満であると、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込み易くなる。また、65°よりも大きくなると、外装材4の最下部と回路基板5の間でリード線3が押しつぶされ易くなり、更にリード線3を折り曲げ加工する際に、リード線3の変形度合いが大きくなるので、リード線3に傷が入ったり、場合によっては折れたりすることがある。
【0048】
そして、一対のリード線3が離間する距離をスルーホール6への挿入部分で狭くすることによって、即ち、F1>F2とすることによって、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込むこともない。
【0049】
更に、電子部品10のリード線3の線径をφdとすると、F1、F2は次の関係式を満たすことが好ましい。
【0050】
φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0
そして、リード線3の離間距離F1とF2の差が、線径φdの1.0倍よりも小さいと、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込み易くなり、線径φdの2.0倍よりも大きくなると、外装材4の最下部と回路基板5の間でリード線3が押しつぶされ易くなり、更にリード線3を折り曲げ加工する際に、リード線3の変形度合いが大きくなるので、リード線3に傷が入ったり、場合によっては折れたりすることがある。
【0051】
なお、リード線3の切断面形状が円形である場合には、線径φdは直径であり、リード線3の切断面形状が円形でない場合には、リード線3の線幅の最大長である。ここでは、直径、線幅を含む意味で線径と定義している。
【0052】
そして、これらの関係式は、離間距離F1、F2、線径φdのパラメータを変更し、自動挿入機による挿入試験を行って、実験的に導き出されたものである。
【0053】
なお、電子部品10の厚み方向でリード線3がなす角度θを40°〜65°とするか、或いは、幅方向のリード線3の離間距離をF1>F2、更にφd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0とするか、いずれか一方の構成によって、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまう事や、外装材4の最下部と回路基板5の間でリード線3が押しつぶされる事を防止できるが、双方の構成を共に備えることが更に好ましい。
【0054】
そして、図2(a),(b)に示すように、このような構成を備えた電子部品10の2本のリード線3を、回路基板5のスルーホール6に挿入し、回路基板5の裏面で半田接合して実装する時、電子部品10の外装材4の最下部と回路基板5の間にはリード線3の一部が介在して距離hが確実に確保される。なお、距離hとは、外装材4の最下部と回路基板5間の距離であるが、0.5mm以上であることが好ましい。0.5mmとすることで、半田接合時の熱の影響を受けにくく、半田フラックスを確実に排出できる。
【0055】
そして、電子部品10の外装材4の最下部と回路基板5の間の距離hが確実に確保できるので、電子部品10の外装材4の最下部、即ち、リード線3の付け根部分における外装材4の径は、スルーホール6の径よりも小さくする事もできる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、電子部品10は誘電体セラミックで構成された基板1を備えるコンデンサを例に説明したが、コンデンサに限定されるものではなく、抵抗器、サーミスタ、インダクタ、バリスタ等のリード線3と外装材4を備えた全ての電子部品10に用いることができるのは言うまでもない。
【0057】
そして、このように構成することによって、電子部品10の一対のリード線3を回路基板5のスルーホール6に挿入する場合にも、外装材4から突出したリード線3の全ての部分がスルーホール6に入り込んでしまう事もなく、更に、外装材4の最下部と回路基板5の間でリード線3が押しつぶされる事もない。そして、外装材4の最下部が回路基板5と接触したり、外装材4の最下部がスルーホール6に入り込み、外装材4がスルーホール6を塞ぐこともない。
【0058】
よって、電子部品10の外装材4の最下部と回路基板5の間にはリード線3の一部が介在し、距離hを確実に維持可能であるので、半田接合時の熱の影響を受けにくく、半田接合強度が安定しており、電子部品10の実装には半田付け温度の高い鉛(Pb)フリー半田を使用可能となる。
【0059】
【発明の効果】
電子部品の外装材と回路基板との距離を確実に確保することが可能であり、半田接合時の熱の影響を受けにくく、半田接合強度が安定して維持可能であると共に、鉛(Pb)フリー半田を使用可能な電子部品及びそれを実装した回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態における電子部品を示す正面図
(b)本発明の一実施の形態における電子部品を示す側面図
【図2】(a)本発明の一実施の形態における電子部品の実装状態を示す正面図
(b)本発明の一実施の形態における電子部品の実装状態を示す側面図
【図3】(a)従来のリード線付きコンデンサを示す正面図
(b)従来のリード線付きコンデンサを示す側面図
【図4】(a)従来のリード線付きコンデンサの実装状態を示す正面図
(b)従来のリード線付きコンデンサの実装状態を示す側面図
【符号の説明】
1 基板
2 電極
3 リード線
4 外装材
5 回路基板
6 スルーホール
10 電子部品
20 リード線付きコンデンサ
Claims (4)
- 基板と、前記基板の両主表面にそれぞれ設けられた電極と、前記電極にそれぞれ接合された一対のリード線と、前記基板及び電極と、前記一対のリード線の一部を被覆する外装材とを備えた電子部品であって、
前記電子部品の幅方向において、前記一対のリード線は前記外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて離間距離を狭めた状態で略平行に延設され、
前記一対のリード線の前記外装材から突出した部分の離間距離をF1とし、前記一対のリード線の折り曲げられて延設された部分の離間距離をF2とし、リード線の線径をφdとすると、
φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0を満たし、前記離間距離は電子部品を正面から見た投影図における幅方向の距離である事を特徴とする電子部品。 - 基板と、前記基板の両主表面にそれぞれ設けられた電極と、前記電極にそれぞれ接合された一対のリード線と、前記基板及び電極と、前記一対のリード線の一部を被覆する外装材とを備えた電子部品であって、
前記電子部品の幅方向において、前記一対のリード線は前記外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて離間距離を狭めた状態で略平行に延設されると共に、
前記電子部品の厚み方向においては、前記一対のリード線は前記外装材から突出して互いに離間して略平行に延設され、折り曲げられて前記電子部品の厚みを略半分にする位置で互いに重なるように略平行に延設され、前記リード線の折り曲げられた部分と前記電子部品の厚みを略半分にする位置で延設される部分がなす角度が、40°〜65°であり、
前記一対のリード線の前記外装材から突出した部分の離間距離をF1とし、前記一対のリード線の折り曲げられて延設された部分の離間距離をF2とし、リード線の線径をφdとすると、
φd×1.0≦F1−F2≦φd×2.0を満し、前記離間距離は電子部品を正面から見た投影図における幅方向の距離である事を特徴とする電子部品。 - 前記リード線を被覆する外装材の径が、前記リード線を挿入する回路基板のスルーホールの径よりも小さい事を特徴とする請求項1,2いずれか1記載の電子部品。
- スルーホールを備え、請求項1〜3いずれか1記載の電子部品の一対のリード線が前記スルーホールに挿入される回路基板であって、前記回路基板と、前記電子部品の外装材の最下部との距離が0.5mm以上であることを特徴とする回路基板。
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