JP3854131B2 - 放熱板付き配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路素子等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、MPU等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージに用いられる放熱板付き配線基板は、例えば図8に断面図で示すように、中央部に半導体素子20を収容するための段状の貫通穴21aを有する絶縁基板21と、この絶縁基板21の下面に貫通穴21aを塞ぐように接合層23を介して接合され、上面中央部に半導体素子20が搭載される搭載部22aを有する銅等の金属材料から成る放熱板22とから主に構成されている。
【0003】
この従来の放熱板付き配線基板においては、絶縁基板21は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る二枚の絶縁板24・25を同じくガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る接着層26を介して積層して成り、絶縁板24には、その中央部に半導体素子20よりも若干大きな貫通穴24aが形成されているとともにその上面の貫通穴24a周辺から外周部にかけて複数の配線導体27およびその下面に接地または電源用導体層28が被着されており、絶縁板25には、その中央部に貫通穴24aよりも大きな貫通穴25aが形成されているとともに上面に外部接続用導体29が被着されている。そして、これらの絶縁板24・25および接着層26の外周部には、複数の貫通孔30が設けられており、貫通孔30の内壁には配線導体27や接地または電源用導体層28と外部接続用導体29とを電気的に接続する貫通導体31が被着されている。
【0004】
また、絶縁基板21と放熱板22とを接続する接合層23は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に無機絶縁物粉末や金属粉末から成るフィラーを分散させて成り、それに含有される熱硬化性樹脂により絶縁基板21と放熱板22とが接合されている。
【0005】
そして、この従来の放熱板付き配線基板によれば、放熱板22の搭載部22aに半導体素子20を搭載するとともにこの半導体素子20の各電極を配線導体27にボンディングワイヤ33等の電気的接続手段を介して電気的に接続し、しかる後、外部接続用導体29に半田ボール等から成る外部接続用部材34を接合するとともに貫通穴21a内へ図示しない封止用樹脂をポッティングして半導体素子20を気密に封止することにより製品としての半導体装置となる。
【0006】
なお、このような放熱板付き配線基板において、放熱板22と接地または電源用導体層28とを電気的に接続させておく場合があり、そのような場合には、絶縁基板21下面の接地または電源用導体層28以外の導電性部位をエポキシ樹脂等から成る絶縁樹脂層32で覆うとともに絶縁基板21と放熱板22とを例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂中に銅粉末や銀粉末等の導電性フィラーを分散させて成る導電性の接合層23で接合する方法が採用される。
【0007】
また、このように放熱板22と接地または電源用導体層28とを電気的に接続して成る放熱板付き配線基板は、次に述べる方法により製作されていた。
【0008】
先ず、図9(a)に断面図で示すように、上面に配線導体27用の金属層27Aが被着され、下面に接地または電源用導体層28用の金属層28Aが被着された絶縁板24Aと、上面に外部接続用導体29用の金属層29Aが被着され、中央部に貫通穴25aを有する絶縁板25Aと、中央部に貫通穴25aと実質的に同じ大きさの貫通穴を有する接着層26Aとを準備する。
【0009】
このとき、絶縁板24A・25Aは、ガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成り、その熱硬化性樹脂は熱硬化されている。また、金属層27A・28A・29Aは所定のパターンにエッチング加工されており、絶縁板24A・25Aに含有される熱硬化性樹脂により絶縁板24A・25Aに固着されている。他方、接着層26Aは、ガラスクロスにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成り、その熱硬化性樹脂は未硬化の状態である。
【0010】
次に、図9(b)に断面図で示すように、絶縁板24Aと25Aとを間に接着層26Aを挟んで積層するとともに接着層26Aの熱硬化性樹脂を熱硬化させて、絶縁板24Aと25Aとが接着層26Aにより接合された絶縁基板21用の積層体21Aを得る。
【0011】
次に、図9(c)に断面図で示すように、積層体21Aの中央部に半導体素子を収容するための貫通穴24aおよび外周部に複数の貫通孔30を切削加工により形成するとともに貫通孔30内壁に無電解めっきおよび電解めっき法により貫通導体31を被着形成し、外部接続用導体29とこれに対応する配線導体27および接地または電源用導体28とをそれぞれ電気的に接続する。
【0012】
次に、図9(d)に断面図で示すように、積層体21Aの下面の接地または電源用導体28以外の導電性部位に絶縁層32用の未硬化の熱硬化性樹脂ペーストを塗布するとともに、これを熱硬化させて絶縁基板21を得る。
【0013】
最後に、上述のようにして得られた絶縁基板21の下面に導電性フィラーを含有する接合層23用の熱硬化性樹脂ペーストを塗布し、その上に放熱板22を当接させるとともに接合層23用の熱硬化性樹脂ペーストを熱硬化させることにより放熱板付きの配線基板が完成する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の放熱板付き配線基板によると、金属フィラー等の導電性粒子を含有する接合層23は、その電気伝導度を上げるために大量の導電性粒子を含有させる必要があり、そのために銅箔から成る接地または電源用導体層28との密着性が弱く、絶縁基板21と放熱板22との間に半導体素子20が作動する際に発生する熱が繰り返し印加されると、接地または電源用導体層28のと接合層23との間で剥がれが発生し、放熱板22と接地または電源用導体28との間の電気的な抵抗が増大する問題があった。そのため、搭載する半導体素子20を長期間にわたり正常に作動させることが困難であった。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、半導体素子20が発生する熱が繰り返し印加されたとしても、放熱板22と接地または電源用導体層との間の電気的な抵抗の増大が発生しない、接地または電源用導体層表面と導電性接着樹脂の密着性を大きなものとすることができる放熱板付き配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の放熱板付き配線基板は、中央部に半導体素子収納用の貫通穴を有する絶縁基板と、該絶縁基板の上面の前記貫通穴周辺から外周部にかけて被着された複数の配線導体と、前記絶縁基板の下面に被着された接地または電源用導体層と、該接地または電源用導体層の下面に対して部分的に被着された熱硬化性樹脂から成る絶縁層と、半導体素子を搭載するための搭載部を有し、該搭載部が前記貫通孔から露出するように前記接地または電源用導体層における前記絶縁層の被着面に導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂から成る接合層を介して接合される放熱板とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の放熱板付き配線基板は、絶縁層がシリカを含んでなるフィラーを含有しているのが好ましい。
【0018】
本発明の放熱板付き配線基板によれば、絶縁基板の下面に被着させた接地または電源用導体層の下面に熱硬化性樹脂から成る絶縁層が部分的に被着されていることから、この絶縁層がアンカーとなり、接地または電源用導体層と接合層との間の密着性を向上させることができる。
【0019】
本発明の放熱板付き配線基板において、絶縁層がシリカを含んでなるフィラーを含有している場合は、絶縁層12の熱膨張係数を調整することができるとともに、絶縁層12の耐熱性等を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の放熱板付き配線基板を添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明の放熱板付き配線基板の実施形態の一例を示す断面図である。図中、1は絶縁基板、2は放熱板であり、主としてこれらで半導体素子3を収容するための本発明の放熱板付き配線基板が構成されている。なお、本例では、中央部に半導体素子3を収容する空所を形成するための貫通穴4aを有するとともに上面に配線導体5および下面に接地または電源用導体層6が被着された絶縁板4と、中央部に貫通穴4aより大きい貫通穴7aを有するとともに上面に外部接続用導体8が被着された絶縁板7とを接着層9を介して接着して絶縁基板1を形成した例を示している。また、この絶縁基板1の外周部には複数の貫通孔10が形成されており、貫通孔10の内壁には貫通導体11が被着されている。なお、接地または電源用導体層6は、半導体素子3の接地電極または電源電極のどちらがこの接地または電源用導体層6に電気的に接続されるかにより接地用導体として機能したり、電源用導体として機能したりする。
【0021】
絶縁基板1を構成する絶縁板4や7は、例えばガラス繊維やアラミド繊維のクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る略四角枠状であり、配線導体5・接地または電源用導体層6や外部接続用導体8の支持体として機能するとともに貫通穴4a・7a内に半導体素子3を収容するための空所を形成する。
【0022】
また、これらの絶縁板4・7を接着する接着層9は、同じくガラス繊維やアラミド繊維のクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成り、絶縁板4と7とを接着する接着部材として機能する。
【0023】
絶縁板4の上面に被着された配線導体5は、銅箔等の金属から成り、貫通穴4aの開口近傍から外周部にかけて複数の帯状パターンに被着形成されている。この配線導体5は、貫通穴4a内に収容される半導体素子3の各電極を外部電気回路に電気的に接続するための導電路の一部として機能し、その貫通穴4a近傍部位には半導体素子3の各電極がボンディングワイヤ13を介して接合され、その外周部は貫通導体11に接続されている。
【0024】
また、絶縁板4の下面に被着された接地または電源用導体層6は、銅箔等の金属から成る。この接地または電源用導体層6は、半導体素子3に接地または電源電位を供給するとともに配線導体5の特性インピーダンスを所定の値に調整する機能を有し、貫通導体11に電気的に接続されている。
【0025】
また、絶縁板7の上面に被着された外部接続用導体8は、外部電気回路との接続用導体として機能し、貫通導体11に電気的に接続するようにして形成されている。そして、この外部接続用導体8には、半田ボール等からなる外部接続用部材14が取着される。
【0026】
なお、配線導体5および外部接続用導体8は、通常、5〜50μm程度の厚みである。高速の信号を伝達させるという観点からは5μm以上の厚みが好ましく、配線導体5や外部接続用導体8を寸法精度良く加工するためには50μm以下の厚みとしておくことが好ましい。また、これらの配線導体5および外部接続用導体8の露出する表面には、通常であれば1〜30μm程度の厚みのニッケルめっき層および0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層が無電解めっき法や電解めっき法により順次被着されている。それにより、配線導体5および外部接続用導体8の酸化腐食を有効に防止することができるとともに配線導体5とボンディングワイヤ13との電気的接続および外部接続用導体8と外部接続用部材14との電気的接続を良好となすことができる。
【0027】
また、貫通孔10の内壁に被着された貫通導体11は配線導体5や接地または電源用導体層6と外部接続用導体8とを電気的に接続させる接続導体として機能し、絶縁基板1の上面から下面にかけて穿孔された多数の貫通孔10の内壁に厚みが4〜50μm程度の銅めっき層を無電解めっき法や電解めっき法を採用して被着することにより形成されている。なお、貫通導体11の厚みが4μm未満では、配線導体5や接地または電源用導体層6と外部接続用導体8とを電気的に良好に接続することが困難となる傾向にあり、他方、50μmを超えると、そのような厚みの貫通導体11を形成するために長時間を要し、配線基板を製造する効率が極めて低いものとなる傾向にある。
【0028】
さらに、この接地または電源用導体層6の下面にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る絶縁層12が部分的に被着形成されている。絶縁層12は、絶縁基板1に放熱板2を強固に接合させるための接合用下地部材として機能し、接地または電源用導体層6および絶縁層12に放熱板2が導電性フィラーと熱硬化性樹脂とから成る導電性の接合層15を介して接合されることにより絶縁基板1と放熱板2とが接合されているとともに接地または電源用導体層6と放熱板2とが電気的に接続されている。この絶縁層12にはシリカ等の無機絶縁物粉末から成るフィラーを5〜50重量%程度含有させてもよい。フィラーを含有させることにより絶縁層12の熱膨張係数を調整することができるとともに、絶縁層12の耐熱性等を向上させることができる。このような絶縁層12は、未硬化のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂ペーストを絶縁基板1の下面に部分的に塗布した後、これを熱硬化させることにより形成される。
【0029】
ところで、本発明の放熱板付き配線基板においては、絶縁層12は接地または電源用導体層6の下面に例えば図2に平面図示すような格子状のパターン被着されている。このように、熱硬化性樹脂から成る絶縁層12が接地または電源用導体層6の下面に例えば格子状のパターンに部分的に被着されていることから、この絶縁層12が被着された接地または電源用導体層6と放熱板2とが接合層15を介して強固に接合される。このとき、接地または電源用導体層6に部分的に被着された絶縁層12は、導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂から成る接合層15を接地または電源用導体層6に強固に固着させるためのアンカーとして作用し、絶縁層12中の熱硬化性樹脂と接合層15中の熱硬化性樹脂とが強固に接合することにより接地または電源用導体層6と接合層15との密着性を向上させることができる。
【0030】
この場合、接地または電源用導体層6の下面に占める絶縁層12の面積比率を5%〜40%とすることにより、接地または電源用導体層6と接合層15との密着性が特に向上する。接地または電源用導体層6の下面に占める絶縁層12の面積比率が5%より小さいと、絶縁層12のアンカーとしての効果が小さく、接地または電源用導体層6と接合層15とを強固に密着させることが困難となる傾向にあり、逆に40%より大きいと、接地または電源用導体層6と導電性の接合層15との接着面積が少なくなるため接地または電源用導体層6と放熱板2の間の電気抵抗が若干大きくなってしまい、放熱板2を接地または電源電位に安定して接続することが困難となってしまう。
【0031】
なお、この例では、絶縁層12は接地または電源用導体層6の下面に格子状のパターンに被着させたが、絶縁層12は接地または電源用導体層6の下面に図3に平面図で示すような放射状のパターンや、図4に平面図で示すような枠状のパターン、あるいは図5や図6に平面図で示すようなドット状のバターンに被着されていてもよい。
【0032】
他方、絶縁基板1の下面に接合層15を介して接合された放熱板2は、銅等の熱伝導性に優れる金属から成り、貫通穴4aを塞ぐようにして接合されている。この放熱板2は、半導体素子3を支持するための支持体として機能するとともに半導体素子3が作動時に発生する熱を外部に良好に放熱するための放熱部材として機能し、その上面中央部に半導体素子3を搭載するための搭載部2aを有している。そして、この搭載部2aに半導体素子3が導電性のエポキシ樹脂等の接着剤を介して接着固定される。
【0033】
このような放熱板2は、例えば銅から成る板材を打ち抜き金型により所定の形状に打ち抜くことによって形成すればよい。なお、放熱板2の表面にニッケルや金等の耐食性の良好な金属をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、放熱板2の酸化腐食を有効に防止することができる。さらに、放熱板2と接合層15との接合力向上のために、放熱板2表面に黒化処理やブラスト処理を施し、その表面に中心線平均粗さRaが0.2〜3μm程度となるような凹凸を形成してもよい。
【0034】
また、絶縁基板1と放熱板2とを接合する接合層15は、例えば銅粉末や銀粉末等の導電性フィラーとエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とから成る。このような構成により接地または電源用導体6と放熱板2とを機械的に接合するとともに電気的に接続することができる。このような接合層15は、例えば未硬化の熱硬化性樹脂と導電性フィラーとの混合物から成る導電性接着剤ペーストを絶縁層12が部分的に被着された絶縁基板1の下面にスクリーン印刷法を採用して印刷塗布し、これに放熱板2を当接させて上下から加圧しながら熱硬化させることにより絶縁基板1と放熱板2とを強固に接合する。このとき、接地または電源用導体層6の下面には熱硬化性樹脂から成る絶縁層12が部分的に被着されているので、この絶縁層12がアンカーとなって接地または電源用導体層6と接合層15とが強固に接合される。
【0035】
したがって、本発明の放熱板付き配線基板によれば、放熱板2の搭載部2aに搭載する半導体素子3が作動時に発生する熱が繰り返し印加されたとしても接地または電源用導体層6と接合層15との間に剥離が発生することはなく、接地または電源用導体層6と放熱板2とを電気的・機械的に強固に接合することができ、搭載する半導体素子3を長期間にわたり正常に作動させることができる。
【0036】
なお、接合層15用のペーストの内縁が貫通穴4aの開口から0.1〜1mm外周側に位置するように印刷塗布しておくと、絶縁基板1と放熱板2とを接合層15を介して接合する際に、接合層15に含有される熱硬化性樹脂の一部が貫通穴4a内壁を伝って配線導体5に付着するのを有効に防止することができるとともに、絶縁基板1と放熱板2との間に大きな隙間を形成することなく両者を強固に接合することができる。したがって、接合層15用のペーストは、その内縁が貫通穴4aの開口から0.1〜1mm外周側に位置するように印刷塗布することが好ましい。
【0037】
かくして、本発明の放熱板付き配線基板によれば、放熱板2の搭載部2aに半導体素子3を搭載するとともに、この半導体素子3の各電極と配線導体5とをボンディングワイヤ13を介して電気的に接続し、しかる後、貫通穴4a・5a内へ封止用樹脂をポッティングして樹脂封止を行なうことにより半導体装置となる。
【0038】
なお、このような放熱板付き配線基板においては、必要に応じて絶縁基板1上に外部接続用導体8の外周部を覆うソルダーレジスト層16を設けてもよい。このようなソルダーレジスト層16は、例えばシリカ等の絶縁性フィラーを含有させたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成り、外部接続用導体8上に半田ボール等の外部接続用部材14を被着する際の外部接続用部材14の不要な濡れ広がりを制御するダムの作用をする。このようなソルダーレジスト層16は、未硬化の感光性を有する熱硬化性樹脂ペーストを外部接続用導体8が形成された絶縁板7の上面にスクリーン印刷法を採用して塗布するとともに従来公知のフォトリソグラフィ−により所定のパターンにエッチングした後、熱硬化させることにより形成することができる。
【0039】
次に、上述の放熱板付き配線基板を製造する本発明の製造方法について説明する。
【0040】
まず、図7(a)に断面図で示すように、絶縁板4用の絶縁板4Aと絶縁板7用の絶縁板7Aと接着層9用の未硬化の接着シート9Aとを準備する。このとき、絶縁板4Aの上面には配線導体5用の金属層5Aを、絶縁板4Aの下面には接地または電源用導体層6用の金属層6Aを、絶縁板7Aの上面には外部接続用導体8用の金属層8Aを貫通孔10が形成される領域を含めて所定のパターンに被着形成しておく。また、絶縁板7Aの中央部には貫通穴7aを形成しておく。
【0041】
このような絶縁板4Aおよび7Aは、例えばガラスクロスに未硬化のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させてなるシートを得るとともに、これを熱硬化させることによって形成され、貫通穴7aは、硬化した絶縁板7Aに切削加工を施すことにより形成される。また、配線導体5・接地または電源用導体層6や外部接続用導体8用の金属層5A・6A・8Aは、絶縁板4A・7A用のシートの上面や下面の全面に銅箔を貼着しておくとともに絶縁板4A・7A用のシートを硬化させた後、これらの銅箔を公知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングすることによって形成される。また、未硬化の接着シート9Aは、ガラスクロスに未硬化のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成るシートを打ち抜き金型により所定の枠状に打ち抜くことによって形成される。
【0042】
次に、図7(b)に断面図で示すように、絶縁板4Aと絶縁板7Aとを間に未硬化の接着シート9Aを挟んで積層するとともに、これらを例えば積層プレス機を用いて、真空度が4kPa以下、温度が180〜200℃の範囲、圧力が2〜4MPaの範囲の条件で90〜120分間加圧加熱することにより接着シート9Aを熱硬化させて絶縁板4Aと絶縁板7Aとを接着シート9Aを介して接着して成る絶縁基板1用の積層体1Aを得る。
【0043】
次に、図7(c)に断面図で示すように、積層体1Aの中央部に半導体素子を収容するための貫通穴4aおよび外周部に複数の貫通孔10をルーター加工やドリル加工等の切削加工により形成するとともに、貫通孔10の内壁に無電解めっき法や電解めっき法により銅から成る貫通導体11を被着形成して外部接続用導体8とこれに対応する配線導体5および接地または電源用導体層6とをそれぞれ電気的に接続する。
【0044】
このとき、接地または電源用導体層6をその内縁が貫通穴4aの開口よりも0.1〜5mm程度外周側に位置するように設けておくと、絶縁板4Aに貫通穴4aを切削加工により形成する際に接地または電源用導体層6の内縁にバリが発生することを有効に防止することができる。したがって、接地または電源用導体層6は、その内縁が貫通穴4aの開口よりも0.1〜5mm程度外周側に位置するように設けておくことが好ましい。
【0045】
次に、図7(d)に断面図で示すように、接地または電源用導体層6の下面に絶縁層12用の未硬化の熱硬化性樹脂ペースト12Aをスクリーン印刷法を採用して図2〜図6に示したようなパターンに部分的に印刷塗布した後、これを熱硬化させて接地または電源用導体層6の下面に絶縁層12を部分的に被着させた絶縁基板1を得る。
【0046】
この場合、接地または電源用導体層6の下面に占める絶縁層12の面積比率を5%〜40%とすることにより、後述するように接地または電源用導体層6と放熱板2とを導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂から成る接合層15で接合する際に接地または電源用導体層6と接合層15との密着性が特に向上する。接地または電源用導体層6の下面に占める絶縁層12の面積比率が5%より小さいと、絶縁層12のアンカーとしての効果が小さく、接地または電源用導体層6と接合層15とを強固に密着させることが困難となる傾向にあり、逆に40%より大きいと、接地または電源用導体層6と導電性の接合層15との接着面積が少なくなるため接地または電源用導体層6と放熱板2の間の電気抵抗が若干大きくなってしまい、放熱板2を接地または電源電位に安定して接続することが困難となってしまう。
【0047】
そして最後に、上述のようにして得られた絶縁基板1の下面に被着させた接地または電源用導体層6および絶縁層12の表面に銅粉末や銀粉末等の導電性フィラーと未硬化のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂との混合物から成る導電性ペーストをスクリーン印刷法を採用して印刷塗布し、これに放熱板2を当接させて上下から0.3〜1.0MPaの圧力で加圧しながら150〜180℃の温度で60〜180分間程度の時間加熱して熱硬化させることにより図1に示したような本発明の放熱板付き配線基板が完成する。このとき、接地または電源用導体層6の下面には熱硬化性樹脂から成る絶縁層12が部分的に被着されているので、この絶縁層12がアンカーとなって接地または電源用導体層6と接合層15とが強固に接合される。したがって、本発明の製造方法によって得られる放熱板付き配線基板によれば、放熱板2の搭載部2aに搭載する半導体素子3が作動時に発生する熱が繰り返し印加されたとしても接地または電源用導体層6と接合層15との間に剥離が発生することはなく、接地または電源用導体層6と放熱板2とを電気的・機械的に強固に接合することができ、搭載する半導体素子3を長期間にわたり正常に作動させることができる。
【0048】
さらに、本発明の製造方法においては、必要に応じて配線基板1上に外部接続用導体8の外周部を覆うソルダーレジスト層16を形成してもよい。このようなソルダーレジスト層16を設けることにより外部接続用導体8上に半田ボール等の外部接続用部材14を接合した際に半田ボール等の不要な濡れ広がりを防止することができる。このようなソルダーレジスト層16は、例えばシリカ等のフィラーを含有するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から形成すればよく、シリカ等のフィラーを含有する未硬化の感光性を有する熱硬化性樹脂ペーストを外部接続用導体8を含む絶縁板7上の略全面にスクリーン印刷法等を採用して印刷塗布した後、これを公知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングし、最後にこれを130〜180℃で約1時間程度加熱して硬化させることによって形成すればよい。
【0049】
なお、本発明は上述の実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態例では、2枚の絶縁板5・7を接着した配線基板1を例に示したが、1枚の絶縁板の上面に配線導体と外部接続用導体とを一体的に形成するとともに下面に接地または電源用導体層を形成して成る配線基板や、3枚以上の絶縁板を積層して成る配線基板を用いたものであってもよい。また、上述の実施の形態例における貫通穴4a・5aを、打ち抜き金型を用いたパンチングにより、あるいはレーザ加工機により形成してもよい。さらに、貫通孔10の加工をレーザ加工機を用いて行ってもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の放熱板付き配線基板によれば、絶縁基板の下面に被着させた接地または電源用導体層の下面に熱硬化性樹脂から成る絶縁層が部分的に被着されていることから、この絶縁層がアンカーとなり、接地または電源用導体層と接合層との間の密着性を向上できる。したがって、搭載する半導体素子が作動時に発生する熱が繰り返し印加されても接地または電源用導体層との接合層との間に剥離が発生することがなく、搭載する半導体素子を長期間にわたり正常に作動させることができる。
【0051】
また、本発明の放熱板付き配線基板の製造方法によれば、絶縁基板の下面に被着させた接地または電源用導体層の下面に熱硬化性樹脂から成る絶縁層を部分的に被着させた後、この接地または電源用導体層および絶縁層に導電性フィラーと熱硬化性樹脂とから成る接合層を介して金属製の放熱板を接合することから、接地または電源用導体層に部分的に被着させた絶縁層がアンカーとなり、接地または電源用導体層と接合層との間の密着性を向上できる。したがって、搭載する半導体素子が作動時に発生する熱が繰り返し印加されても接地または電源用導体層との接合層との間に剥離が発生することがなく、搭載する半導体素子を長期間にわたり正常に作動させることが可能な放熱板付き配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放熱板付き配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す放熱板付き配線基板における絶縁基板1の下面図である。
【図3】本発明の放熱板付き配線基板の実施形態の他の例における絶縁基板1の下面図である。
【図4】本発明の放熱板付き配線基板の実施形態の他の例における絶縁基板1の下面図である。
【図5】本発明の放熱板付き配線基板の実施形態の他の例における絶縁基板1の下面図である。
【図6】本発明の放熱板付き配線基板の実施形態の他の例における絶縁基板1の下面図である。
【図7】(a)〜(d)は、図1に示す放熱板付き配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図8】従来の放熱板付き配線基板の例を示す断面である。
【図9】(a)〜(d)は、図8に示す従来の放熱板付き配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁基板
2・・・・・放熱板
3・・・・・半導体素子
4a・・・・半導体素子収納用の貫通穴
5・・・・・配線導体
6・・・・・接地または電源用導体
12・・・・・絶縁層
15・・・・・接合層
Claims (2)
- 中央部に半導体素子収納用の貫通穴を有する絶縁基板と、該絶縁基板の上面の前記貫通穴周辺から外周部にかけて被着された複数の配線導体と、前記絶縁基板の下面に被着された接地または電源用導体層と、該接地または電源用導体層の下面に対して部分的に被着された熱硬化性樹脂から成る絶縁層と、半導体素子を搭載するための搭載部を有し、該搭載部が前記貫通孔から露出するように前記接地または電源用導体層における前記絶縁層の被着面に導電性フィラーおよび熱硬化性樹脂から成る接合層を介して接合される放熱板とを備えることを特徴とする、放熱板付き配線基板。
- 前記絶縁層はシリカを含んでなるフィラーを含有していることを特徴と
する、請求項1に記載の放熱板付き配線基板。
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- 2001-11-26 JP JP2001358716A patent/JP3854131B2/ja not_active Expired - Lifetime
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