JP3853897B2 - フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際して、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次走行させ、それらによって形成されるスリットによりフィルムを露光するようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフォーカルプレンシャッタは、通常、夫々の羽根群に連結されている先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを備えていて、撮影に際しては、各駆動部材が、夫々の駆動ばねによって順に作動させられ、夫々の羽根群を走行させるように構成されている。そして、言うまでもなく、シャッタ速度(露光時間)は、羽根の走行速度と、スリット幅によって決定されることから、シャッタには、各駆動ばねの付勢力を夫々調整できる機構が備えられていて、シャッタの製作時において、個々の駆動ばねの強さを調整したり、駆動ばね間の強さのバランスを調整するようにしている。
【0003】
そのような調整機構の典型例が、特開平8−201876号公報に記載されている。その構成によれば、駆動部材の回転軸と同心上において、ラチェット車が回転可能に配置されており、また、駆動部材の回転軸部には駆動ばねが嵌装されていて、その一端が駆動部材に掛けられ、他端がラチェット車に掛けられている。そのため、駆動ばねの付勢力は、ラチェット車を回転させることによって調整され、調整後は、ラチェット爪をラチェット車に係合させることによって、ラチェット車が固定されるようになっている。
【0004】
しかしながら、両駆動ばねに、このような調整機構を設けた場合には、最小調整量がラチェット車の歯のピッチによって規制されてしまうことになる。また、ピッチを余り小さくするとラチェット爪によるラチェット車の固定が非常に難しくなる。そこで、スリット幅の微細な調整を必要とする比較的高級なシャッタの場合には、駆動ばねの付勢力を連続的に調整できるようにすることが好ましく、現に、ウォーム機構を用いてそれを可能にした機構が実施されている。その機構によれば、上記のラチェット車に代えて平歯車が配置されており、その平歯車をウォームによって回転させるようにしている。そして、平歯車の回転位置は、平歯車とウォームとの噛合摩擦力によって維持されるようになっている。
【0005】
そして、このようにウォーム機構を用いた調整機構は、各駆動ばねの調整用として別々に設けても構わないが、シャッタの小型化,低コスト化にとっては必ずしも有利とは言い難く且つ一つだけでも或る程度十分な調整が可能であることから、実際には、一方の駆動ばねには上記したラチェット車を用いた調整機構を設け、他方の駆動ばねの調整用にだけ用いるようにするのが普通である。そのような調整機構の一例は、特開平6−308574号公報にも記載されており、本発明は、そのようなタイプの調整機構を備えているフォーカルプレンシャッタに関するものである。
【0006】
ところで、ウォームを用いた調整機構の場合には、フィルム巻き上げに連動して駆動部材をセットする度に、駆動ばねの力がウォームを回転させるように作用することになる。また、羽根の露光走行終了時における衝撃力など種々の衝撃力や振動によってもウォームを回転させる力が作用する。最近のシャッタは高速化が進み、駆動ばねの付勢力が非常に大きくなっているため、上記した噛合摩擦力だけでは、それらの作用に耐えることことが難しい。そのため、上記の特開平6−308574号公報に記載された従来例の場合には、ウォームが、調整後の位置から簡単には回転しないようにするために、ウォームの頭部に弾性体より成る円筒状の部材を装着し、その弾性体に対して、ウォームを取り付けている支持板の一部を押圧させ、それらの間に大きな摩擦力が作用するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウォームを用いる調整機構は、上記したラチェット車を用いる調整機構に比較して、ウォームを使用しているだけでコスト高になっている。上記の従来例は、その上に弾性体より成る円筒状の部材を必要とし且つそれをウォームの頭部へ装着する作業が面倒なため、コストが益々高くなってしまうという問題点がある。また、上記のような円筒状の部材を用いることなく、調整位置からウォームが簡単に回転しないようにした構成のものも知られているが、その場合には、ウォームを取り付ける支持板の構成が非常に複雑となり、且つウォームの取り付け作業も面倒になってしまい、製造上非常に好ましくないという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、低コストであって且つウォームの取り付けが非常に簡単であり、しかも、調整後の位置にあるウォームの回転を確実に防止できるようにした駆動ばねの調整機構を備えているフォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明におけるフォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板に略平行に取り付けられており且つ夫々の孔を対向させるようにした二つの折曲部を有しており該孔の少なくとも一方には径方向の一部を切除した開放部が形成されていて該開放部の両側に自己の弾性に抗して孔を広げ得るようにされた支持部を有している支持板と、前記シャッタ地板と前記支持板との間において回転可能に軸支されシャッタ羽根に対し正方向への回転によって露光走行を行わせ逆方向の回転によってセット位置への作動を行わせる駆動部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置され前記駆動部材の回転軸と同心上で回転し得る歯車と、前記駆動部材の回転軸部に嵌装され一端を前記駆動部材に掛け他端を前記歯車に掛けて前記駆動部材を正方向へ回転させるように付勢している駆動ばねと、前記二つの孔に支持されている頭部と先端部との間に前記歯車に噛合する歯を有すると共に該頭部には円柱部から該歯部に向けて細くなるテーパー部が形成されており前記支持板への取り付け時には該先端部を前記開放部を有する孔に挿入していくことにより該テーパー部が前記開放部の両側の支持部を押して孔を押し広げるようにし取り付け状態においては該孔の内面により該頭部の円柱部の周面が圧接されるようにしたウォームとを備えているようにする。
また、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記ウォームの先端部に、前記他方の孔の縁に接触する鍔状の停止部を設けるようにする
に、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記支持板において前記開放部を形成している二つの支持部のうち、一方の支持部にだけ弾性が付与されているようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図4に示した第1実施例と図5に示した第2実施例によって説明する。尚、図1は第1実施例の平面図であって、シャッタのセット状態を示している。図2は図1の左側面図であって、シャッタ羽根等の一部の部品を省略して示している。図3は図2の要部拡大説明図であって、図4は図3の平面図である。また、図5は第2実施例の要部説明図であって、図3と同じようにして視た図である。
【0011】
先ず、第1実施例の構成から説明する。図1に示されたシャッタ地板1は合成樹脂製であって、周知のように略中央部には開口部1aが形成されており、その開口部1aの左側にはシャッタ羽根の制御機構が配置されている。図1はシャッタのセット状態を示しているので、開口部1aを覆っているのは先羽根群である。先羽根群は、シャッタ地板1の背面側に枢着されている二つのアーム2,3と、それらに枢支された4枚の羽根4,5,6,7で構成されており、撮影に際し、アーム2,3が図1の状態から時計方向へ回転すると、羽根4,5,6,7が下方へ走行しつつ開口部1aを開いて行き、最終的には重畳されて開口部1aの下方位置に格納されるようになっている。
【0012】
図示していないが、後羽根群は、やはり先羽根群と同様にして、シャッタ地板1の背面側に枢着された二つのアームと、それらに枢支された4枚の羽根で構成されている。そして、図1の状態においては、その4枚の羽根は重畳されて開口部1aの上方位置に格納されている。従って、撮影に際して、それらのアームが時計方向へ回転すると、4枚の羽根は展開されつつ下方へ走行し、最終的には開口部1aを覆うことになる。また、図2に示すように、シャッタ地板1の背面側には、シャッタ地板1の軸1b,1c等にカバー板8が取り付けられている。図示していないが、実際にはシャッタ地板1とカバー板8との間には、中間板と称されているもう1枚の板が取り付けられていて、シャッタ地板1と中間板との間には先羽根群が、中間板とカバー板8との間には後羽根群が配置されるようになっている。
【0013】
シャッタ地板1の表面側には三つの軸1d,1e,1fが立設されており、それらの先端には、支持板9とプリント配線板10とが重ね合わされ、適宜な手段によって取り付けられている。図1においては、細く形成されたそれらの軸の先端が示されている。また、それらの軸のうち軸1d,1eは、図2に示すようにシャッタ地板1の背面側にも突き出ていて、軸1dには上記したアーム2が枢着されるようになっている。尚、アーム3の枢着軸は別に設けられているが、図示を省略してある。同様にして、軸1eは、シャッタ地板1の背面側に突き出ているところに、図示していない後羽根群の一方のアームを枢着している。
【0014】
図2に示されているように、軸1d,1e,1fには、シャッタ地板1と支持板9との間において、合成樹脂製の先羽根用駆動部材11,後羽根用駆動部材12,セット部材13が、夫々回転可能に取り付けられている。このうち、先羽根用駆動部材11と後羽根用駆動部材12とは、図面上、分かりにくいが、セット部材13と同様にして、比較的長く支持板9の方に伸びている筒部を有していて、その筒部を軸1d,1eに嵌合させている。そして、各駆動部材11,12の表面側、即ち支持板9側には、取付部11a,12aと、ばね掛け部11b,12bが形成されていて、その取付部11a,12aには周知のようにして鉄片部材14,15が取り付けられている。
【0015】
各駆動部材11,12の背面側、即ちシャッタ地板1側には、夫々ローラと作動ピンが設けられている。しかし、図2において、先羽根用駆動部材11のローラ11cは見えているが、後羽根用駆動部材12のローラは筒部の向こう側にある。また、逆に、後羽根用駆動部材12の作動ピン12cは見えているが、先羽根用駆動部材11の作動ピンは筒部の向こう側になっていて見ることができない。そして、それらの各作動ピンは、シャッタ地板1に形成されている円弧状の長孔を貫通して、各羽根群の一方のアーム(軸1d,1eに枢着されている方のアーム)に形成されている孔に嵌合している。しかし、このような構成は周知であるため、詳細には示されていない。
【0016】
図2において、軸1d,1eは、明示されていないが、支持板9に近い部分が細く形成されていて、そこに、軸1dには平歯車16が回転可能に嵌合され、軸1eにはラチェット車17が回転可能に嵌合されている。また、先羽根用駆動部材11の筒部には先羽根用駆動ばね18が嵌装されていて、その一端がばね掛け部11bに掛けられ、他端が平歯車16のばね掛け部16a(図4参照)に掛けられている。他方、後羽根用駆動部材12の筒部には後羽根用駆動ばね19が嵌装されていて、その一端が、ばね掛け部12bに掛けられ、他端が、ラチェット車17のばね掛け部(図示していないが上記した特開平8−201876号公報に記載されているものと同じ)にかけられている。そして、各駆動部材11,12は、それらの駆動ばね18,19によって、図1において時計方向へ回転するように付勢されている。
【0017】
上記したように、セット部材13の筒部は、軸1fに回転可能に嵌合されている。このセット部材13には、図1に示すように、被押動ピン13aが立設されており、図示していないカメラ本体側の押動部材によって図の上方から下方に向けて押されるようになっている。また、このセット部材13は、図示していないばねによって反時計方向へ回転するように付勢されている。また、セット部材13は、時計方向へ回転するとき、各駆動部材11,12のローラ(駆動部材11のローラ11cのみ図示)を押し、各駆動ばね18,19の力に抗して各駆動部材11,12を反時計方向へ回転させるようになっている。
【0018】
支持板9には、シャッタ地板1に向けて少なくとも五つの折曲部が形成されている。図2に示された折曲部9a,9bには、夫々図示を省略した先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が取り付けられており、セット状態においては、各駆動部材11,12に設けられた鉄片部材14,15が、それらの鉄芯に接触するようになっている。また、折曲部9cは、上記の特開平8−201876号公報に記載されている可撓性のあるラチェット爪である。従って、ラチェット車17の歯部に係脱可能であって、且つラチェット車17の回転止めの役目をしている。
【0019】
図3及び図4から分かるように、支持板9の折曲部9d,9eには対向するようにして夫々孔9d1 ,9e1 が形成されている。このうち孔9e1 は円形をしている。他方、孔9d1 には径方向に開放部が形成されていて、その両側の支持部9d2 ,9d3 には開放部を広げる方向、即ち孔9d1 を大きくする方向に可撓性が付与されている。また、これらの孔9d1 ,9e1 には、ウォーム20が支持されている。そのウォーム20は、歯部20aを平歯車16に噛合させていて、頭部には端面に十字穴を有する円柱部20bと、歯部20aに向けて細くなるテーパー部20cとが形成されており、先端部には鍔状の停止部20dが形成されている。
【0020】
次に、このような構成において、ウォーム20の取り付け方と各駆動ばねの調整方法について説明する。ウォーム20を支持板9に取り付けるのは、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付ける前であっても、後であっても差し支えない。そこで、先ず、前者の場合について説明する。その場合には、ウォーム20の先端部を、折曲部9dに形成された孔9d1 に貫通させ、その後、折曲部9eに形成された孔9e1 に挿入する。そして、停止部20dが孔9e1 の縁部に接するまで押し込むと、テーパー部20cによって支持部9d2 ,9d3 を撓ませ、開放部を広げることによって孔9d1 を大きくする。このように、テーパー部20cによって支持部9d2 ,9d3 が撓まされる前の状態が、図3においては二点鎖線で示されている。
【0021】
このようにして、支持板9に取り付けられた状態においては、ウォーム20は、その先端部を頭部の方向へ押さない限り、支持板9から離脱するようなことがない。そのため、この状態における部品としての取扱いが極めて有利になり、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付けるに際しては、ウォーム20が支持板9から離脱することについて余り神経を使わないで作業することが可能となる。そして、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付けるに際しては、平歯車16とウォーム20とを噛合させることが必要になるが、その際には、平歯車16を回転させて歯の位置合わせをするのが好適である。
【0022】
次に、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付けた後に、ウォーム20を支持板9に取り付ける場合には、先ず、ウォーム20の先端部を、折曲部9dに形成された孔9d1 から挿入し、歯部20aの先端を平歯車16の歯部に当てる。その後、図3においてウォーム20を反時計方向へ回転させる。このとき、ウォーム20を単純に反時計方向へ回転させただけでは、図4において平歯車16が時計方向へ回転するだけであるが、ウォーム20に対して更に右方向への力も与えてやると、ウォーム20は平歯車16を時計方向へ回転させつつ右方向へ進行して行く。従って、ウォーム20の先端部が孔9e1 に挿入されるのと前後してテーパー部20cが支持部9d2 ,9d3 を撓ませ、開放部を広げることによって図3及び図4に示した状態が得られる。
【0023】
先羽根用駆動ばね18の一端は、このような組み付け作業によって、仮の位置決めが行われるが、後羽根用駆動ばね19の一端の仮の位置は、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付けた際に、折曲部9cの先端がラチェット車17に噛合することによって決められる。そこで、次に、各駆動ばね18,19の駆動力を調整することになるが、後羽根用駆動ばね19の駆動力を調整するには、周知のようにして行う。即ち、駆動力を強くするためには、ラチェット車17の歯部によって折曲部9cを撓ませつつ、ラチェット車17を回転させるだけでよいが、駆動力を弱くするためには折曲部9cの先端を外しておいてラチェット車17を上記とは反対方向へ回転させるようにして調整する。しかしながら、このような調整は、段階的にしか調整することができない。
【0024】
それに対して、先羽根用駆動ばね18の駆動力の調整は、ウォーム20の頭部の端面に形成されている十字穴にドライバーを差し込み、図3において時計方向又は反時計方向へ回転させることによって行う。そして、反時計方向へ回転させた場合には、図4において平歯車16が時計方向へ回転するので、先羽根用駆動ばね18の駆動力が強くなり、時計方向へ回転させた場合には、平歯車16が反時計方向へ回転するので、先羽根用駆動ばね18の駆動力が弱くなる。このような調整によって、先羽根用駆動ばね18の駆動力は連続的に変化するため、後羽根用駆動ばね19の調整よりも微細に調整することが可能になっている。
【0025】
そして、このような先羽根用駆動ばね18の調整状態は、その後、ウォーム20に人力が加わらない限り確実に維持される。即ち、図4から分かるように、平歯車16が時計方向へ回転した場合に、先羽根用駆動ばね18は緊張されるようになっている。そのため、図4の状態において、先羽根用駆動ばね18の力は、ウォーム20に対し、右方向へ押すように作用しており、停止部20dの平面が孔9e1 の縁部に圧接されている。また、ウォーム20の歯部20aと平歯車16の歯部との間には、大きな噛合摩擦力が働いている。従って、ウォーム20は、簡単には回転されることがない。しかし、何らかの衝撃や振動が加わることにより、そのままでは回転されてしまう虞もあるが、本実施例においては、支持部9d2 ,9d3 の弾性によって孔9d1 の内面が円柱部20bの周面を押圧しているので、その回転は防止される。
【0026】
ところで、本実施例においては、先羽根用駆動ばね18の調整用にだけ、ウォーム20を有する調整機構を設けているが、このような調整機構を後羽根用駆動ばね19の調整用として設けた場合には、各羽根群の走行速度を更に微細に設定することが可能になるし、特に先羽根群と後羽根群との作動特性の調整が、より微細に行えることになる。また、このような調整機構を、後羽根用駆動ばね19の調整用としてだけ設けるようにしても本実施例の場合と大差がない。従って、それらの構成は、いずれも本発明の実施態様である。
【0027】
次に、周知ではあるが、本実施例の作動を簡単に説明しておく。図1及び図2は、既に述べたように、シャッタのセット状態を示している。従って、セット部材13は、図示していないカメラ本体側の押動部材によって時計方向へ回転させられており、各駆動部材11,12に設けられた鉄片部材14,15を、図示していない各電磁石に接触させている。撮影に際して、カメラのシャッタボタンが押されると、先ず、その初期段階において各電磁石に通電され、鉄片部材14,15を電磁力によって吸着する。その後、押動部材による力が解かれると、セット部材13は図示していないばねによって反時計方向へ回転し、所定の初期位置へ復帰する。その際、各駆動部材11,12は、セット部材13によって押されていた力が解除されるが、鉄片部材14,15が各電磁石に吸着されているので、露光走行を開始しない。
【0028】
その後、制御回路からの信号によって、最初に先羽根用電磁石の通電が断たれ、続いて後羽根用電磁石の通電が断たれると、各駆動部材11,12は、夫々の駆動ばね18,19によって回転される。それによって、先羽根用駆動部材11は図示していない作動ピンによって先羽根群を走行させ、開口部1aの下方位置に重畳状態にして格納する。続いて、後羽根用駆動部材12が作動ピン12cによって後羽根群を走行させ、展開状態にして開口部1aを覆わせる。このようにして撮影が終了すると、フィルムの巻き上げに連動して、セット部材13が、カメラ本体側の押動部材によって時計方向へ回転される。それによって各駆動部材11,12は、各駆動ばね18,19に抗してセット状態まで回転され、鉄片部材14,15を各電磁石に接触させて停止し、一連の作動が終了する。
【0029】
次に、本発明の第2実施例を図5によって説明する。この実施例の構成は、第1実施例における折曲部9dに代えて折曲部9fを設けた点が異なるだけであるから、以下その点についてだけ説明する。本実施例における折曲部9fにも孔9f1 が形成されていて、第1実施例における孔9d1 と同じように、内面の一部によって、即ち実際には3箇所によって、ウォーム20に形成された円柱部20bの周面を押圧している。しかしながら、開放部を挟んで形成されている二つの支持部9f2 ,9f3 のうち、可撓性を付与されているのは支持部9f2 のみである。また、開放部は第1実施例の開放部よりは若干広く、且つ図5の上方、即ち平歯車16側に向けて設けられている。更に、ウォーム20を挟んで反対側には可撓性を全く有しない支持部9f4 が形成されている。
【0030】
既に述べたように、ウォーム20は、平歯車16との噛合関係によって、図4において右方向へ押されている。しかし、同時に下方に対しても力を受けている。本実施例は、支持部9f4 の存在によって、そのような下方への力に影響を受けず、調整位置が安定するという利点がある。また、ウォーム20と平歯車16との噛合関係によって、ウォーム20に対して、図5の上方に向けて力が作用することが実質的になく、また、そのような力が加わっても問題がないことから、開放部の広さなどに余り神経を使う必要がなく、また、本実施例においては可撓性を有する支持部が支持部9f2 だけであることから、支持部材9の設計が容易になる。
【0031】
尚、上記の実施例においては、各駆動部材11,12は、その筒部を軸1d,1eに嵌合されているが、周知のシャッタの構成においては、各駆動部材11,12自身に軸部を形成し、それらの軸部をシャッタ地板1と支持板9に回転可能に軸支させるようにしたものも知られている。また、ラチェット車17を軸1eとは関係なく支持板9に対して回転可能に取り付けられたものも知られている。本発明は、そのような構成にも適用でき、当然のことながら、平歯車16を支持板9に対して回転可能に取り付けたものにも適用することができる。要は、平歯車の回転軸が駆動部材の回転軸と同心上に配置されているものには全て適用することが可能である。
【0032】
また、上記の実施例においては平歯車16を用いているが、本発明は、それをウォームホイールに代えても差し支えない。更に、孔9e1 は、ウォーム20の先端部を回転可能に支持できればよく、特に円形には限定されず、例えば孔9d1 と相似形にしても構わない。また、ウォーム20の頭部に円柱部20bとテーパー部20cが形成されているが、本発明は、頭部をテーパー部20cのみで構成するようにしても構わない。しかし、組立に際し、支持板9を軸1d,1e,1fに取り付ける前に、支持板9にウォーム20を取り付けるようにする場合には、作業性が劣ることになる。また、上記の実施例においては鍔状の停止部20dが設けられているが、この停止部20dは鍔状である必要はない。例えば、ウォーム20の先端部を大径部と小径部で形成し、その小径部を孔9e1 に嵌合させ、大径部との間の段部を、孔9e1 の縁部に接触させるようにしてもよい。
【0033】
更に、停止部を特別に設けなくても、同じ機能を得られるようにすることが可能である。その場合の一例としては、折曲部9eを厚めにし、孔9e1 を盲穴にするのがよい。その場合には、ウォーム20の先端面が盲穴の底面に圧接されることになり、その圧接面が、実施例における停止部20dと、孔9e1 の縁部との圧接面に相当することになる。更にまた、支持部の弾性が強力であって、カメラへの組み付け後、ウォームが、駆動ばねの力によって軸方向へ移動してしまう可能性がないのであれば、孔9e1 も盲穴にする必要はない。
【0034】
【発明の効果】
上記のように、本発明の調整機構は、構成が簡単であって且つ特別な部品を必要とせず、また、ウォームの取り付け作業が非常に簡単であるから、コスト的に極めて有利なフォーカルプレンシャッタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の平面図であって、シャッタのセット状態を示している。
【図2】図1の左側面図であって、シャッタ羽根等の一部の部品を省略して示している。
【図3】図2の要部拡大説明図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明の第2実施例の要部説明図であって、図3と同じようにして視た図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,1d,1e,1f 軸
2,3 アーム
4,5,6,7 羽根
8 カバー板
9 支持板
9a,9b,9c,9d,9e,9f 折曲部
9d1 ,9e1 ,9f1
9d2 ,9d3 ,9f2 ,9f3 ,9f4 支持部
10 プリント配線板
11 先羽根用駆動部材
11a,12a 取付部
11b,12b,16a ばね掛け部
11c ローラ
12 後羽根用駆動部材
12c 作動ピン
13 セット部材
13a 被押動部
14,15 鉄片部材
16 平歯車
17 ラチェット車
18 先羽根用駆動ばね
19 後羽根用駆動ばね
20 ウォーム
20a 歯部
20b 円柱部
20c テーパー部
20d 停止部

Claims (3)

  1. シャッタ地板に略平行に取り付けられており且つ夫々の孔を対向させるようにした二つの折曲部を有しており該孔の少なくとも一方には径方向の一部を切除した開放部が形成されていて該開放部の両側に自己の弾性に抗して孔を広げ得るようにされた支持部を有している支持板と、前記シャッタ地板と前記支持板との間において回転可能に軸支されシャッタ羽根に対し正方向への回転によって露光走行を行わせ逆方向の回転によってセット位置への作動を行わせる駆動部材と、前記シャッタ地板と前記支持板との間に配置され前記駆動部材の回転軸と同心上で回転し得る歯車と、前記駆動部材の回転軸部に嵌装され一端を前記駆動部材に掛け他端を前記歯車に掛けて前記駆動部材を正方向へ回転させるように付勢している駆動ばねと、前記二つの孔に支持されている頭部と先端部との間に前記歯車に噛合する歯を有すると共に該頭部には円柱部から該歯部に向けて細くなるテーパー部が形成されており前記支持板への取り付け時には該先端部を前記開放部を有する孔に挿入していくことにより該テーパー部が前記開放部の両側の支持部を押して孔を押し広げるようにし取り付け状態においては該孔の内面により該頭部の円柱部の周面が圧接されるようにしたウォームとを備えていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記ウォームの先端部に、前記他方の孔の縁に接触する鍔状の停止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記支持板において前記開放部を形成している二つの支持部のうち、一方の支持部にだけ弾性が付与されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーカルプレンシャッタ。
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