JP3852156B2 - 防汚性合成繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents

防汚性合成繊維布帛およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し摩擦されても優れた防汚性を維持しうる防汚性合成繊維布帛およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、布帛が繰り返し摩擦されても所望のレベルの撥水撥油性を維持し(撥水撥油耐久性に優れ)、しかも洗濯や拭き取りによって油性・水性の汚れが容易に除去できる(汚れ除去性に優れる)、言い換えれば「汚れが付き難く取れ易い」防汚性合成繊維布帛およびその製造方法に関する。本発明の布帛は、過酷な摩擦を受けるユニホーム、スポーツ衣料、アウトドア衣料やカーシート、椅子張り地などのインテリア用途の防汚性布帛として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、汚れが沈着し易い合成繊維の防汚性を改善する方法として、種々の防汚加工技術が提案されている。油性もしくは水性の各種の特に液状汚れに対する防汚加工技術を大別すると以下の通りとなる。
(1)洗濯による汚れ除去性(SR性)を改善する方法
例えば、合成繊維にポリアルキレングリコール系化合物などの親水性化合物を共重合もしくは練り込むことによって親水性合成繊維にしたり、繊維布帛の後加工、例えば、繊維布帛表面にアクリル酸系モノマーのような親水性モノマーをグラフト共重合させたり、布帛表面を親水性ポリマーで被覆したり、あるいは布帛表面を化学改質したりして該布帛表面に親水性を付与する。
(2)汚れが付着し難い特性(SG性)を改善する方法
例えば、シリコン系もしくはフッ素系防汚剤を原糸に練り込むことによって原糸を撥水性もしくは撥油性にしたり、繊維布帛表面に後加工で上記防汚剤を被覆することによって布帛表面に撥水性もしくは撥油性を発現させる。
(3)汚れが付き難くしかも付着した汚れは洗濯、拭き取りで取れ易い特性(SGR性)を改善する方法
例えば、繊維布帛に親水性を付与した後、撥水性もしくは撥油性を付与する。具体的には、例えば、親水性基を有するフッ素系防汚剤(特開昭53−134786号公報、同59−204980号公報、同61−266487号公報)や親水性基を有するパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート共重合体を繊維布帛に付与・乾燥した後、JIS L 1092スプレー試験での撥水性が90以上のフッ素系撥水撥油剤を付与・乾燥した後熱処理する2段加工方法(特開平6−333761号公報)などが挙げられる。
【0003】
上記した防汚加工技術のうち、SGR性を改善する方法(3)は、油性や水性の各種生活液状汚れが付着し難く、汚れが付着しても洗濯で取れ易い布帛が得られるため、利便性に優れる防汚加工技術として近年注目されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの方法(3)も、JIS L 0217−103法に規定する家庭洗濯20前後の洗濯耐久性は有しているものの、椅子張り地、カーシート、ユニホームやスポーツニットなどの商品に要求される繰り返し摩擦による防汚耐久性は不十分であった。
【0005】
本発明の目的は、繰り返し摩擦を受けても、優れた撥水撥油性と優れた汚れ除去性の両方を保持しうる、言い換えれば、優れた防汚耐久性を有する合成繊維布帛およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む防汚性成分を表面に均一に被覆され、撥水耐久性、撥油耐久性および汚れ除去耐久性を一定の値にコントロールされた合成繊維布帛が、繰り返し摩擦されても、優れた撥水性撥油性を維持すると同時に優れた汚れ除去性をも維持していることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者らは、特定配合割合の親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性フッ素系撥水撥油剤および架橋剤の混合物の特定量からなる均一層を有する繊維布帛が、繰り返し摩擦しても防汚耐久性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明によれば、以下の防汚性合成繊維布帛およびその製造方法が提供される。
(1)合成繊維上に、下記一般式(I)
【化4】
Figure 0003852156
(式中、Rは低級アルキル基を示し、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレングリコールを含有する基を示し、n、aおよびbはそれぞれ1以上の整数を示す。)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む防汚性成分の被覆層を有し、撥水耐久性が3級以上、撥油耐久性が2級以上および汚れ除去耐久性が3級以上である防汚性合成繊維布帛。
(2)合成繊維上に、上記一般式(I)(式中、R、Rf、n、aおよびbは上記と同義である)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤と非親水性のフッ素系撥水撥油剤とを重量比で35〜65/65〜35有し、さらに上記混合物に対して1〜15重量%の硬化剤を含む防汚性成分の被覆層を繊維重量あたり1〜2重量%有する防汚性合成繊維布帛。
(3)合成繊維布帛が先染アクリル系繊維布帛、ポリエステル系繊維布帛またはポリアミド系繊維布帛である上記(1)または(2)記載の防汚性合成繊維布帛。
(4)合成繊維布帛を、水洗もしくは精練することによって付着不純物を取り除き、上記一般式(I)(式中、R、Rf、n、aおよびbは上記と同義である)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む水分散液に含浸し、乾燥し、次いで140〜180℃で乾熱処理することを特徴とする防汚性合成繊維布帛の製造方法。
【0008】
本明細書において使用される語句について説明する。
(1)撥水耐久性
JIS L 0823に規定する摩擦試験機IIを用いて、摩擦子の載荷重が500gで、3000回摩擦された合成繊維布帛〔摩擦布は綿金布を用い、摩擦を100回(往復を1回とする)行う毎に新品と交換〕について、イソプロピルアルコール/水混合液法(1〜5級判定)によって判定した撥水性をいう。
【0009】
【表1】
Figure 0003852156
【0010】
表1に示す各等級の撥水性測定液を、スポイドで1滴試験布に滴下し、滴下30秒後の試験布表面の濡れ性を目視評価し、浸透濡れのない等級液で撥水性を判定する。
本発明の防汚性合成繊維布帛は3級以上の撥水耐久性を有する。
【0011】
(2)撥油耐久性
(1)と同様にして3000回摩擦された合成繊維繊維布帛について、AATCC−118−1979法(1〜8級判定)によって判定した撥油性をいう。
本発明の防汚性合成繊維布帛は2級以上の撥油耐久性を有する。
【0012】
(3)汚れ除去耐久性(洗濯)
B重油(JIS K 2205−60)と墨汁(市販品)の標準汚れをスポイドを用いそれぞれ1滴ずつ、(1)と同様にして3000回摩擦した合成繊維布帛の上に滴下し、PEフィルムをかぶせガラス板を載せ2kgの荷重下で30分間汚れを圧着した後、除重し、3時間放置し、JIS L 0217−103法の規定に従って1回洗濯し、JIS L 0805に規定する汚染用グレースケールを用いて判定(1〜5級判定)した汚れ除去性をいう。
本発明の防汚性合成繊維布帛は3級以上の汚れ除去耐久性を有する。
【0013】
本発明で用いる親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤として、下記一般式(I)で示されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる。
【0014】
【化5】
Figure 0003852156
【0015】
(式中、Rは低級アルキル基を、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレングリコールを含有する基を、n、aおよびbはそれぞれ1以上の整数を示す)
一般式(I)において、好ましいRとしては炭素数1〜3のアルキル基が、好ましいRfとしては炭素数4〜10のパーフルオロアルキル基または炭素数4〜20のパーフルオロアルキレングリコールを含有する基が挙げられる。n、aおよびbの好ましい範囲はそれぞれ2〜10、1〜10、1〜10である。
(メタ)アクリレート共重合体(I)の具体例として、例えば、アサヒガードGS−1(明成化学工業社製)などが挙げられる。
【0016】
非親水性のフッ素系撥水撥油剤とは、式(I)で示されるようなポリエチレングリコール単位などのポリアルキレングリコール単位やスルホン酸基などの親水性基を含まないものをいう。具体的には、パーフルオロアクリレート系ポリマー、パーフルオロスルホンアミドアクリレート系ポリマー、パーフルオロアルキルポリエーテル、低分子型パーフルオロアルキルウレタン系オリゴマー、パーフルオロアルキル芳香族エステル系化合物などが挙げられる。特に、ポリマー中のフッ素原子含有量が20%以上のパーフルオロアクリレート系ポリマーおよびパーフルオロスルホンアミドアクリレート系ポリマーが好ましい。
【0017】
架橋剤としては、Nメチロール基を含有するメチロールメラミン系やブロックイソシアネート(TDI/トリメチロールプロパン付加体、MEKオキシム付加体)が好ましく使用される。
【0018】
親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤と非親水性フッ素系撥水撥油剤との重量比が35〜65/65〜35の混合物を含み、かつ該混合物に対して1〜15重量%の硬化剤を含む防汚性成分を使用したばあい、従来にない優れた防汚耐久性を合成繊維布帛に付与することができる。
親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤の上記重量比が35未満のばあいは、洗濯もしくは汚れ拭き取り時の液状汚れの除去性が低下する。また非親水性フッ素系撥水撥油剤の配合比率が35未満のばあいは、繰返し摩擦による撥水撥油耐久性が低下し易くなる。さらに、硬化剤の親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤と非親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤との混合物に対する量が1重量%未満のばあいは、初期撥水撥油性(摩擦を行わない布帛の撥水撥油性)および撥水撥油耐久性が十分発現せず、逆に15重量%を超えると、加工布帛の風合いが硬くなる。
好ましい親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤と非親水性フッ素系撥水撥油剤との重量比は40〜55/60〜45であり、該混合物に対する硬化剤の好ましい重量割合は4〜10重量%である。
【0019】
上記3成分の混合物の付着量は、加工すべき合成繊維布帛の重量あたり1〜2重量%である。該混合物の付着量が1重量%未満のばあいは、防汚耐久性が低く、逆に2重量%を越えると風合いが硬化するだけでなく経済的にも不利である。
【0020】
本発明で使用できる合成繊維布帛とは、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維、イソフタル酸や5−スルホイソフタル酸などとの共重合ポリエステル繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系繊維、カチオン可染性アクリルや酸性可染性アクリルなどのアクリル系繊維、蛋白−アクリロニトリルグラフト共重合体からなるプロミックス繊維などの合成繊維から造られる編物、織物および不織布などのシート状物である。構成繊維の繊度、断面形状、ダル剤添加量や各種ポリマー安定剤の有無、および布帛の組織、目付、密度などについては特に限定されない。
【0021】
本発明の優れた防汚耐久性を阻害しない範囲で、導電性繊維の混用や帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤や消臭剤などの他の機能剤との併用使用も可能である。
【0022】
本発明の防汚性合成繊維布帛の製造方法について説明する。
合成繊維布帛を水洗もしくは精練することによって、布帛表面に付着している不純物を取り除く。このように前処理した繊維布帛を、上記した配合割合の親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む水分散液に含浸する。水分散液中の親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性フッ素系撥水撥油剤および架橋剤の含量は、特に限定されず適宜決められるが、上記3成分の合計が合成繊維布帛の重量あたり1〜2重量%になるように調整される。含浸時の温度は40〜80℃、時間は5〜30分が適当である。繊維表面への防汚性成分の層の形成は、上記した含浸法に限らず、スプレー法、パッディング法など用いてもよい。次いで、風乾、乾燥機の使用など常法で乾燥後、140〜180℃の乾熱で30秒〜3分間乾熱処理する。
上記した140〜180℃乾熱処理後、さらに水洗、乾燥し、130℃以上で乾熱処理(時間:3秒〜5分)してもよい。
このようにして形成される層は、厚さが0.01〜30μmが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmである。
【0023】
摩擦されても優れた防汚耐久性を的確に発現させる技術的ポイントは、特定成分を特定割合で含む防汚性成分の特定量を、合成繊維表面に均一に付着させる点にある。そのためには、合成繊維布帛に微量残留し易い紡糸油剤、紡績油剤、製織糊剤、分散剤、均緩染剤、浴中柔軟剤もしくはカチオン系フィックス剤などの染色助剤、先染糸に使用される帯電防止剤、柔軟剤、平滑剤を主成分とする先染油剤をできるだけきれいに洗浄除去した後、上記した防汚性成分の層を形成することが好ましい。このような観点から、上記した製造方法は有利である。
【0024】
本発明における摩擦による防汚耐久性に優れるという防汚効果の発現メカニズムは不詳であるが、特定配合比率の親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤、非親水性フッ素系撥水撥油剤および架橋剤の防汚性成分を、不純物を取り除いたクリーンな合成繊維布帛に所定量付与することで達成できることから、(1)繊維表面と配合防汚成分間の強力な密着力、(2)摩擦に強い均一な防汚性被膜の形成、(3)布帛に撥水撥油性を付与するパーフルオロアルキル基の配列と洗濯時のSR性を改良する親水性セグメント(例えば、ポリアルキレングリコール成分)の配列バランスが優れるためと考える。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例および比較例の%は特に断らない限り重量基準である。
【0026】
実施例における防汚性繊維布帛の評価方法は以下の通りである。
【0027】
(1)撥水性
前述した表1に示すイソプロピルアルコールIPA/水混合液法(1〜5級判定)によって判定する。
【0028】
(2)撥油性
AATCC−118−1979法(1〜8級判定)に準拠して判定する。
【0029】
(3)汚れ除去性(洗濯)
B重油(JIS K 2205−60:粘度23.4CBT・残炭素5.5%)と墨汁(不易糊工業社:墨彩)の標準汚れを、スポイドを用いそれぞれ1滴ずつ試験布に滴下し、該布上にPEフィルムをかぶせ、ガラス板を載せ2kgの荷重下で30分間汚れを圧着した後、除重し3時間放置する。その後、JIS L0217−103法にて1回洗濯し、汚れ除去性をJIS L 0805に規定する汚染用グレースケールに照らして1〜5級判定する。
【0030】
(4)汚れ除去性(拭き取り)
(4)で用いたものと同じB重油および墨汁を、スポイドでそれぞれ1滴試験布に滴下、滴下して1分後、ティッシュペーパーで1分間予備拭き取りをする。その後、市販合成洗剤(花王マジックリン)0.5%水溶液を含む濡れタオル(木綿)で、繰り返し拭き取り(30秒×6回)、該試験布を乾燥後、残留汚れをJIS L 0805に規定する汚染用グレースケールに照らして1〜5級判定する。
【0031】
(5)撥水耐久性、撥油耐久性、汚れ除去耐久性(洗濯)、汚れ除去耐久性(拭き取り)
試験布として、JIS L 0823に規定する摩擦試験機IIを用い、摩擦子の載荷重が500g下で布帛を3000回(往復を1回とする)摩擦した布帛を試験布として使用する。摩擦布は綿金布を使用、摩擦1000回毎に新品と交換する。
【0032】
(6)初期撥水性、初期撥油性、初期汚れ除去性(洗濯)、初期汚れ除去性(拭き取り)
試験布として、摩擦していない布帛を使用する。
【0033】
実施例1
ポリエステル加工糸編地(150d−48f−SD丸断面糸使いMタイプ仮撚加工糸・30φ−22Gスムース編地・目付160g/m2 )を常法にて精練、プレセットし、液流染色機にて高圧蛍光染色(ヘキスト社蛍光染料Hostalux ERC 1.2%で130℃×40分染色)した。その後還元洗浄し、水洗乾燥後、下記処方の防汚性成分を、通常のパッディング法でWPU(ウェットピックアップ)80%の絞り率で均一に付与し、120℃下で乾燥し、160℃×60秒間の乾熱セットを行った。
【0034】
(防汚性成分)
・親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード GS−1 5%
・非親水性フッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード AG970 5%
・架橋剤
住友化学工業社 Sumitex Resin M3 (60% 固形分) 0.3%
住友化学工業社 Sumitex Accelerater ACX (20%固形分) 0.2%
【0035】
得られた防汚性ポリエステル加工糸編地の各種防汚特性を表2にまとめる。
【0036】
実施例2
アクリル繊維(日本エクスラン工業社)2/52’s使いカチオン染料先染ジャガード織物を精練、水洗乾燥した。実施例1と同一の防汚性成分を、通常のパッディング法にてWPU(ウェットピックアップ)80%の絞り率で均一に付与し、110℃下で乾燥した後、140℃×60秒間の乾熱セットを行った。得られた防汚性先染ジャガード織物の各種防汚特性を表2にまとめる。
【0037】
実施例3
蛋白−ポリアクリロニトリルグラフト共重合体からなるプロミックス系繊維:シノン(東洋紡績株式会社)100d−48f使い平織物を、常法にて糊抜き、精練後、酸性染料にて淡赤色にボイル染色した。ソーピング、水洗乾燥後、下記した防汚性成分を通常のパッディング法にて、WPU(ウェットピックアップ)80%の絞り率で均一に付与し、100℃下で乾燥した。その後、140℃×30秒間の乾熱セットを行った。得られた防汚性プロミックス繊維編地の各種防汚特性を表2にまとめる。
【0038】
(防汚性成分)
・親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード GS−1 4%
・非親水性フッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード AG970 4%
・架橋剤
住友化学工業社 Sumitex Resin M3 (60% 固形分) 0.1%
住友化学工業社 Sumitex Accelerater ACX (20%固形分) 0.1%
【0039】
実施例4
アクリル繊維(日本エクスラン工業社)2/52’s使いカチオン染料先染ジャガード織物に、実施例1と同一の防汚性成分を、通常のパッディング法にてWPU(ウェットピックアップ)80%の絞り率で均一に付与し、110℃下で乾燥後、140℃×60秒間の乾熱セットを行った。その後、オープンソパーにて拡布状で連続水洗を実施、乾燥後、130℃×30秒の乾熱セットを行った。得られた防汚性先染ジャガード織物の各種防汚特性を表2にまとめる。
【0040】
比較例1
実施例1の防汚性成分のうち、親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤(アサヒガートGS−1)を使用しない以外は全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られたポリエステル加工糸編地の各種防汚特性を表2にまとめる。
【0041】
比較例2
実施例1の防汚性成分のうち、非親水性フッ素系撥水撥油剤(アサヒガードAG970)を使用しない以外は実施例1と全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られたポリエステル加工糸編地の各種防汚特性を表2にまとめた。
【0042】
比較例3
実施例2の防汚性成分を下記処方に変更する以外は実施例2と全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られた先染ジャガード織物の各種防汚特性を表2にまとめる。
(防汚加工配合処方)
・親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード GS−1 2%
・非親水性フッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード AG970 8%
・架橋剤
住友化学工業社 Sumitex Resin M3 (60% 固形分) 0.3%
住友化学工業社 Sumitex Accelerater ACX (20%固形分) 0.2%
【0043】
比較例4
実施例2の防汚加工配合処方のうち、架橋剤および触媒を使用しない以外は実施例2と全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られた先染ジャガード織物の各種防汚特性を表2にまとめた。
【0044】
比較例5
実施例2のうち、防汚加工前の精練水洗乾燥を実施しない以外は実施例2と全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られた先染ジャガード織物の各種防汚特性を表2にまとめる。なお加工前の先染ジャガード織物には、帯電防止性能を有するカチオン系柔軟剤が繊維重量あたり0.3%付着していた。
【0045】
比較例6
下記した防汚性成分を使用した以外は実施例1と全く同一の試料、条件にて加工を実施した。得られたポリエステル加工糸編地の各種防汚特性を表2にまとめた。
【0046】
(防汚性成分)
・親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード GS−1 2%
・非親水性フッ素系撥水撥油剤(20%水分散液)
明成化学工業社製 アサヒガード AG970 2%
・架橋剤
住友化学工業社 Sumitex Resin M3 (60% 固形分) 0.2%
住友化学工業社 Sumitex Accelerater ACX (20%固形分) 0.1%
【0047】
【表2】
Figure 0003852156
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、親水性セグメントを有するフッ素系撥水撥油剤、非親水性フッ素系撥水撥油剤および架橋剤を特定比率で配合した防汚性成分を、撥水撥油性を阻害する不純残留成分のない、クリーンな合成繊維布帛に所定量、均一に付着させ、強固な防汚性被膜を形成させることで、繰返し摩擦されても優れた撥水撥油性を保持し、また、そのような状態でも汚れ、特に液状汚れを付着し難くする。即ち、頑固な油性および水性液状沈着汚れに対する洗濯もしくは拭き取り時の汚れ除去を容易にする汚れ除去性に優れ、かつ優れた撥水撥油耐久性をもつという、一見すると相反する防汚特性を兼備させることで、汚れが付き難く洗濯などで簡単に取れやすい従来にない摩擦による防汚耐久性に優れる繊維布帛を提供することができる。

Claims (4)

  1. 合成繊維上に、下記一般式(I):
    Figure 0003852156
    (式中、Rは低級アルキル基を示し、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレングリコールを含有する基を示し、n、aおよびbはそれぞれ1以上の整数を示す。)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む防汚性成分の被覆層を有し、撥水耐久性が3級以上、撥油耐久性が2級以上および汚れ除去耐久性が3級以上である防汚性合成繊維布帛。
  2. 合成繊維上に、下記一般式(I):
    Figure 0003852156
    (式中、Rは低級アルキル基を示し、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレングリコールを含有する基を示し、n、aおよびbはそれぞれ1以上の整数を示す。)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤と非親水性のフッ素系撥水撥油剤とを重量比で35〜65/65〜35有し、さらに上記混合物に対して1〜15重量%の硬化剤を含む防汚性成分の被覆層を繊維重量あたり1〜2重量%有する防汚性合成繊維布帛。
  3. 合成繊維布帛が先染アクリル系繊維布帛、ポリエステル系繊維布帛またはポリアミド系繊維布帛である請求項1または2記載の防汚性合成繊維布帛。
  4. 合成繊維布帛を、水洗もしくは精練することによって付着不純物を取り除き、下記一般式(I):
    Figure 0003852156
    (式中、Rは低級アルキル基を示し、Rfはパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキレングリコールを含有する基を示し、n、aおよびbはそれぞれ1以上の整数を示す。)で表される親水性フッ素系撥水撥油剤、非親水性のフッ素系撥水撥油剤および架橋剤を含む水分散液に含浸し、乾燥し、次いで140〜180℃で乾熱処理することを特徴とする防汚性合成繊維布帛の製造方法。
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