JP3850604B2 - 建設機械の作業機制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機が本体と干渉することを回避する干渉防止制御と、作業機の動作範囲を任意に制限できる領域制限制御との両制御機能を併せ持つ建設機械の作業機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械として例えば油圧ショベルでは、運転室を有する本体と、この本体に回動可能に接続されるブームとアームおよびバケットなどの複数の可動部材から形成される作業機と、各可動部材をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、各油圧アクチュエータの作動を指示する操作レバーとパイロット圧を減圧する減圧弁とからなる複数の操作手段を備えている。
【0003】
このような油圧ショベルでは、例えば特開平6−294150号公報に記載されているように、オペレータが各操作レバーを操作して作業機を運転室に近づけた場合に、作業機の一部が運転室に干渉する可能性があり、作業機と本体との干渉を防止するために干渉防止制御が採用されている。この干渉防止制御は、運転室の周囲に干渉回避領域を設定しておき、複数の角度センサからの出力信号に基づいて作業機の所定部位における位置座標を演算し、この作業機の所定部位が干渉回避領域内に侵入したときに、作業機を減速させる、あるいは、停止させるようになっている。
【0004】
また、例えば特開平9−53259号公報に記載されているように、作業機の深さ方向あるいは高さ方向に対し、作業機が動き得る領域を規制する領域制限制御が知られている。この領域制限制御では、オペレータが例えば領域制限設定スイッチを用いて作業機の侵入を禁止する動作制限領域の境界を任意に設定する。そして、複数の角度センサからの出力信号に基づいて作業機の所定部位における位置座標を演算し、作業機の所定部位と動作制限領域の境界との位置関係を算出し、この結果に応じて作業機の動作速度を制御するようになっている。したがって、例えば地中の任意深さに動作制限領域を設定した場合、掘削作業時に動作制限領域の境界よりも深い位置に設置された配管などがバケット先端によって損傷されるのを防止することができ、また、地面から任意の高さに動作制限領域を設定した場合、動作制限領域の境界よりも上方に設置された電線等が作業機によって損傷されるのを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した干渉防止制御による作業機の制御と領域制限制御による作業機の制御とを1台の機械で併用し、動作制限領域の境界が干渉回避領域と重なるように設定された場合には次のような問題が生じる。
【0006】
(1)干渉防止制御よりも領域制限制御を優先させると、作業機と運転室とが干渉する可能性がある。
【0007】
(2)逆に、領域制限制御よりも干渉防止制御を優先させると、操作者が設定した動作制限領域の領域外(動作可能領域)であっても、干渉回避領域内では作業機を動作させることができない。さらに、予め掘削すべき範囲として動作制限領域を設定し掘削作業を行っている場合には、干渉防止制御が優先して掘削できない部分に対し、一端干渉回避領域から外れるように車体を移動し、再度動作制限領域を設定し直してから掘削作業を継続させなくてはならず、作業効率が低下する。
【0008】
本発明は、上記した従来技術による問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、干渉防止制御と領域制限制御とを備えた建設機械の作業機制御装置に関し、動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複して設定されることを防止できる建設機械の作業機制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、 運転室を有する本体と、この本体に回動可能に連結された複数の関節形可動部材からなる作業機と、前記複数の可動部材をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の油圧制御弁と、前記複数の可動部材の動作をそれぞれ指示し対応する前記油圧制御弁に対し動作信号を出力する複数の操作手段と、前記複数の油圧制御弁のうち所定の可動部材に対応する油圧制御弁に対し前記操作手段とは別の動作信号を出力する駆動手段と、前記動作信号を減じる減速手段と、前記複数の可動部材の相対角度を検出する角度検出器と、この角度検出器の出力信号に基づいて前記作業機の任意部位における位置を演算する姿勢演算手段と、前記本体の周囲に設定された干渉回避領域を記憶する第1の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出された作業機の任意部位における位置と前記第1の記憶手段に記憶された干渉回避領域との相対的な位置関係に基づき、前記減速手段に第1の制御信号を出力して作業機の動作速度を制御する干渉防止制御手段と、前記作業機の動作範囲を制限するための動作制限領域を入力する制限領域設定手段と、この制限領域設定手段により設定された前記動作制限領域を記憶する第2の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出された作業機の任意部位における位置と前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域との相対的な位置関係に基づき前記減速手段及び前記駆動手段に第2の制御信号を出力して作業機の動作速度を制御する領域制限制御手段とを備えた建設機械の作業機制御装置において、前記制限領域設定手段から新たな動作制限領域が入力されたとき、この入力された動作制限領域と前記第1の記憶手段に記憶されている干渉回避領域とを比較し、動作制限領域の境界と前記干渉回避領域とが重複する場合に、前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域を書き換えることを禁止する判別手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明による建設機械の作業機制御装置は上記のように構成されており、操作者が制限領域設定手段により新たな動作制限領域を入力すると、判別手段は、この入力された新たな動作制限領域の境界と干渉回避領域とが重複するかどうかを判別し、重複すると判断した場合、この入力された領域が新たな動作制限領域として第2の記憶手段の内容を書き換えることを禁止する。
【0011】
したがって、動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複して設定されることを防止でき、これにより、作業機と運転室との干渉を確実に防止することができるとともに、掘削すべき範囲として設定された動作制限領域に対して違和感なく、かつ、作業効率を低下させることなく掘削作業を行うことができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記領域制限制御手段は前記制限領域設定手段から複数の位置座標を入力し、これらの位置座標を結ぶ線分を動作制限領域の境界として前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0013】
このように構成した請求項2に係る発明では、複数の位置座標を入力することで動作制限領域を設定することができ、その設定を容易に行うことができる。また、動作制限領域の境界として線分を式の形で第2の記憶手段に記憶することができ、干渉回避領域との重複を容易に判断することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1において、前記判別手段により前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域の書換えが禁止されたかどうかを識別するための識別手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成した請求項3に係る発明では、操作者によって入力された動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複し、第2の記憶手段への書換えが禁止された場合、操作者は、識別手段により書換えができなかったことを知ることができる。これにより、掘削作業を実行する前に再度動作制限領域を設定し直すことができ、結果として作業効率の向上が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による建設機械の作業機制御装置の実施の形態を図に基づき説明する。本実施の形態は、建設機械として油圧ショベルを対象に適用したものであり、図1は建設機械としての油圧ショベルの側面図、図2は図1に示した油圧ショベルの平面図、図3は制御ユニットを含む油圧回路図、図4は制御ユニットのブロック図、図5は本発明による制限領域を設定する際の処理を説明するための説明図、図6は制御ユニットによる処理の内容を示すフローチャートである。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施の形態における油圧ショベルは、左右一対の履帯1f,1gを有する走行体1Cと、この走行体1Cの上部に設けられ運転室3hと旋回体1eとを有する上部体1Bと、ロアブーム1a,アッパブーム1d,アーム1b,バケット1cを有する作業機1Aとから形成されている。履帯1f,1gは、左右一対の走行モータ3f,3gによって駆動し、旋回体1eは旋回モータ3eにより走行体1Cに対し旋回動作を行う。また、ロアブーム1aはブームシリンダ3aにより旋回体1eに対し上下方向に回動し、アッパブーム1dはオフセットシリンダ3dによりロアブーム1aに対し左右方向に回動し、アーム1bはアームシリンダ3bによりアッパブーム1dに対し上下方向に回動し、バケット1cはバケットシリンダ3cによりアーム1bに対し上下方向に回動する。
【0018】
また、ロアブーム1aの回動角を検出するためのブーム角センサ6a、ロアブーム1aの回動角を検出するためのオフセット角センサ6d、アーム1bの回動角を検出するためのアーム角センサ6b、バケット1cの回動角を検出するためのバケット角センサ6cが、各作業部材の接続部近傍に設けられている。
【0019】
図3は本実施の形態における制御ユニットを含む油圧回路を示す図である。同図に示すように、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ3a,アームシリンダ3b,バケットシリンダ3c,オフセットシリンダ3d,旋回モータ3e,左右の走行モータ3f,3gと主油圧ポンプ2とを連絡する主管路49上には、主油圧ポンプ2によって供給される圧油の流れを制御する油圧制御弁としての流量制御弁10a〜10gが設けられている。各流量制御弁10a〜10gはパイロット油圧駆動式であり、操作装置9a〜9gの操作量に応じたパイロット圧が各パイロット管路40a−1,40a−2,41a〜46a,40b〜46bを介し各パイロット油室50a〜56a,50b〜56bに供給され、この供給されたパイロット圧に応じ動作する。操作装置9a〜9gは、不図示の減圧弁を有し、その操作量に応じてパイロットポンプ8から管路47を介し供給された圧油を減圧する。
【0020】
ブームシリンダ3a駆動用のパイロット管路40a−2,40b、アームシリンダ3b駆動用のパイロット管路41a,41b、及び、オフセットシリンダ3d駆動用のパイロット管路43a,43bには、電磁比例弁11a−1,11a−2,11b−1,11b−2,11c−1,11c−2がそれぞれ設けられている。また、ブームシリンダ3a駆動用のパイロット管路40a−1と並列に設けた管路48上には電磁比例弁58が設けられ、シャトル弁57によってパイロット管路40a−1内のパイロット圧と管路48内のパイロット圧のうち高圧側のパイロット圧が選択され、パイロット管路40a−2に供給される。これらの電磁比例弁11a−1〜11c−2,58は、制御ユニット7から出力される駆動電流によって駆動する。
【0021】
制御ユニット7は、角度センサ6a〜6d、及び、制限領域設定スイッチ12a、領域制限制御の実行を指示するスイッチ12b、干渉防止制御の実行を指示するスイッチ12cからの信号に基づき、干渉防止制御及び領域制限制御に関する演算処理を行う。
【0022】
図4は、制御ユニット7の構成を示すブロック図である。
【0023】
この制御ユニット7は、姿勢演算部7a,干渉回避領域記憶部7b,干渉防止制御部7c,制限領域演算部7d,判定部7e,制限領域記憶部7f,領域制限制御部7g,出力部7hを有している。
【0024】
姿勢演算部7aは、角度センサ6a〜6dから入力される角度信号に基づき、作業機1Aの所定箇所、例えば図5に示すバケット1cの先端の座標P0(X0,Y0)を演算する。
【0025】
干渉回避領域記憶部7bは、図5に斜線部35で示す領域、すなわち、運転室3hの周囲に対し設定されたバケット1cの侵入を禁止する干渉回避領域35を記憶する。
【0026】
干渉防止制御部7cは、姿勢演算部7aによって算出されたバケット1cの先端座標P0と干渉回避領域35との相対的な位置関係に基づき、各電磁比例弁11a−1〜11c−2への駆動信号を演算する。
【0027】
制限領域演算部7dは制限領域設定スイッチ12aからの設定信号に基づき、例えばバケット1cの掘削深さに対する動作領域を制限するための制限領域を演算する。この制限領域は、例えば図5に示す斜線部36である。
【0028】
制限領域記憶部7fは、制限領域演算部7dによって算出された制限領域36を記憶する。
【0029】
判定部7eは、制限領域演算部7dによって算出された制限領域36の境界L1と干渉回避領域35とを比較し、制限領域記憶部7fの内容を書き換えるべきかどうかを判断する。
【0030】
領域制限制御部7gは、姿勢演算部7aによって算出されたバケット1cの先端座標P0と制限領域36との相対的な位置関係に基づき、各電磁比例弁11a−1〜11c−2,58への駆動信号を演算する。
【0031】
出力部7hは、干渉防止制御部7cと領域制限制御部7gによる演算結果に基づき各電磁比例弁11a−1〜11c−2,58へ駆動電流を出力する。
【0032】
13は、判定部7eによる判定結果、すなわち制限領域記憶部7fの内容を書き換えるかどうかを表示する識別手段としてのランプである。
【0033】
12bは、領域制限制御の実行を指示する指示スイッチ、12cは干渉防止制御の実行を指示する指示スイッチである。
【0034】
以上のように構成した本実施の形態による建設機械の作業機制御装置では、作業者が指示スイッチ12cの操作により干渉防止制御の実行を指示すると、角度センサ6a〜6dからの信号に基づき姿勢演算部7aによりバケット1cの先端座標P0が演算される。
【0035】
干渉防止制御部7cは姿勢演算部7aからバケット1c先端の座標値P0を入力するとともに、干渉回避領域記憶部7bから設定された干渉回避領域35を読み込み、バケット1cの先端座標P0と干渉回避領域35との相対的な位置関係を演算する。この演算の結果、バケット1cの先端が干渉回避領域35に侵入していると判断した場合には、電磁比例弁11a−1〜11c−2に対しパイロット管路40a−2,40b,41a,41b,43a,43bを遮断するための信号を出力する。また、演算の結果、バケット1cの先端と干渉回避領域35との距離が所定以内の場合には、その距離に応じて動作中のアクチュエータを減速させるために対応する電磁比例弁への駆動信号を算出する。この場合、例えばアーム1bが運転室3h側に動作中(クラウド動作)であれば電磁比例弁11b−1に対し、スプール開度が小さくなる(絞り勝手)ための信号を算出する。
【0036】
次に、作業者が指示スイッチ12bを操作し、領域制限制御の実行を指示した場合、領域制限制御部7gは姿勢演算部7aよりバケット1cの先端座標P0を入力するとともに制限領域記憶部7fより制限領域36を読み込み、両者の相対的な位置関係を演算する。この演算の結果、バケット1cの先端が制限領域36に侵入していると判断された場合には、電磁比例弁58に対し、そのスプール開度を大きくするための信号を算出する。すなわち、強制的にアッパブーム1aを上げ動作させ、制限領域36から動作可能領域に戻すための信号を算出する。また、両者の相対距離が所定距離以内に接近している場合には、制限領域へ近づく側への速度を遅くするために、例えば電磁比例弁11a−2と電磁比例弁11b−1に対し、スプール開度が小さくなるための信号を算出する。すなわち、アッパブーム1aの下げ動作と、アーム1bのクラウド動作の速度を遅くするための信号を算出する。
【0037】
出力部7hは、干渉防止制御部7cと、領域制限制御部7gからの信号を入力し、各電磁比例弁11a−1〜11c−2への駆動信号を比較し、スプール開度をより小さくする値を選択し、対応する電磁比例弁に対しそれぞれ駆動電流を出力する。電磁比例弁58に対しては、領域制限制御部7gからの信号に基づく駆動電流をそのまま出力するようになっている。
【0038】
なお、指示スイッチ12b,12cにより、干渉防止制御及び領域制限制御のいずれも解除された状態では、各電磁比例弁11a−1〜11c−2,58に対しスプールが全開となる信号を出力する。これにより、各流量制御弁10a〜10gは、操作装置9a〜9gから供給されるパイロット圧に応じ動作する。
【0039】
次に、制限領域36を設定する場合の制御ユニット7の動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、地山37を直線L1に沿って掘削する場合を例示したもので、直線L1よりも下の領域、すなわち斜線部36が制限領域となる。
【0040】
この場合、作業者は最初にバケット1cの先端を座標P1に位置させ、この状態で制限領域設定スイッチ12aを操作する。
【0041】
制限領域演算部7dは、図6に示すように、手順S1で制限領域設定スイッチ12aからの信号を入力すると、手順S2に基づき姿勢演算部7aよりバケット1cの先端座標P1(X1,Y1)を読み込む。
【0042】
次に、バケット1cを終点座標P2に位置させた状態で、再度制限領域設定スイッチ12aを操作する。制限領域演算部7dは、同様に姿勢演算装置7aより終点座標P2(X2,Y2)を読み込む。
【0043】
判定部7eでは、始点座標P1と終点座標P2を入力すると、次の手順S3により、干渉回避領域記憶部7bより干渉回避領域35を読み込む。そして、この干渉回避領域のX方向(車体前後方向)最大値XAを求める。
【0044】
次の手順S4に移行し、終点座標P2のX座標値X2と、干渉回避領域におけるX方向最大値XAの値とを比較し、X2≦XAを満足すると次の手順S5に移行する。すなわち、制限領域36のX座標が干渉回避領域35と重複するかどうかを判断し、重複している場合には次の手順に進み、重複しない場合には手順S9に移行し、制限領域記憶手段7fへの書込みを許可する。
【0045】
手順S5では、手順S2で求められた2つの座標値P1,P2より、直線L1の算出を行う。この場合、直線L1の式は、
となる。
【0046】
次の手順S6では、(1)式に基づきX=XAにおける直線L1のY座標値YAを算出する。
【0047】
手順S7では、手順S6で求めた座標値YAが、干渉回避領域35の最小値Yminと最大値Ymaxの間にあるかどうかを判断する。この手順S7において、Ymin≦YA≦YMAXと判断された場合には、手順S8に移行する。
【0048】
手順S8では、入力された制限領域36の境界(直線L1)が干渉回避領域35と重複すると判断し、制限領域記憶部7fへの書込みを禁止するとともに、ランプ13に対し点灯を指示する信号を出力する。
【0049】
なお、手順S7において、Ymin≦YA≦YMAXが否定された場合には、干渉回避領域35と制限領域36の境界とが重複しないものとして手順S9に移行し、制限領域記憶手段7fへの書込みを許可する。
【0050】
そして、手順S9により、制限領域記憶部7fへの書込みが許可されると、上記した2つの座標P1,P2を端点とし、直線L1よりも下側の領域、すなわち、図5で示す斜線部36が新たな制限領域36として制限領域記憶部7fに書込まれる。
【0051】
また、手順S8により、制限領域記憶部7fへの書込みが禁止され、ランプ13に対し点灯を指示する信号が出力されると、ランプ13が点灯し、作業者は設定した制限領域36が不適であったことを知ることができ、これにより再設定を行うことができる。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、制限領域36の境界L1が干渉回避領域35と重複して設定されることを防止でき、これにより、作業機1Aと運転室3hとの干渉を確実に防止することができるとともに、掘削すべき範囲として設定された制限領域36に対して違和感なく、かつ、作業効率を低下させることなく掘削作業を行うことができる。
【0053】
また、2つの位置座標P1,P2を入力し、これら2つの位置座標を結ぶ直線L1を制限領域36の境界として、制限領域記憶部7fに記憶するようにしたために、その設定を容易に行うことができるとともに、干渉回避領域35との重複を容易に判断することができる。
【0054】
また、判定部7eにより制限領域記憶部7fに記憶された制限領域36の書込みが禁止されたかどうかをランプ13によって識別することができる。これにより、掘削作業を実行する前に再度制限領域36を設定し直すことができ、結果として作業効率の向上が図れる。
【0055】
なお、上記実施の形態において、操作装置9a〜9gが操作手段に、電磁比例弁58が駆動手段に、電磁比例弁11a−1〜11c−2が減速手段に、角度センサ6a〜6dが角度検出器に、姿勢演算部7aが姿勢演算手段に、干渉回避領域記憶部7bが第1の記憶手段に、干渉防止制御部7cが干渉防止制御手段に、制限領域設定スイッチ12aが制限領域設定手段に、制限領域記憶部7fが第2の記憶手段に、領域制限制御部7gが領域制限制御手段に、判定部7eが判別手段に、ランプ13が識別手段に相当する。
【0056】
また、上記実施の形態では、干渉回避領域35を直線で囲まれる領域を例示したが、曲線で囲まれる領域であっても良い。また、制限領域36を2点の座標より直線式を求めるようにしたが、複数点を指示し、これらに基づき近似式を求めるようにしても良い。さらに、車体に対し、前後方向(X方向)及び高さ方向(Y方向)について例示したが、左右方向に対して干渉回避領域35及び制限領域36を設定するようにしても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、動作制限領域の境界が干渉回避領域と重複して設定されることを防止でき、これにより、作業機と運転室との干渉を確実に防止することができるとともに、掘削すべき範囲として設定された動作制限領域に対して違和感なく、かつ、作業効率を低下させることなく掘削作業を行うことができる。
【0058】
また、複数の位置座標を入力し、これらの位置座標を結ぶ線分を動作制限領域の境界として第2の記憶手段に記憶するようにしたために、その設定を容易に行うことができるとともに干渉回避領域との重複を容易に判断することができる。
【0059】
また、判別手段により第2の記憶手段に記憶された動作制限領域の書込みが禁止されたかどうかを識別手段によって識別することができる。これにより、掘削作業を実行する前に再度動作制限領域を設定し直すことができ、結果として作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される油圧ショベルの側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルの平面図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルに備えられる本発明による制御ユニットを含む油圧回路図である。
【図4】本発明による制御ユニットのブロック図である。
【図5】本発明における制限領域を設定する際の処理を説明するための説明図である。
【図6】本発明における制御ユニットによる処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A 作業機
1a ロアブーム(可動部材)
1b アーム(可動部材)
1c バケット(可動部材)
1d アッパブーム(可動部材)
1B 上部体(本体)
3a ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
3b アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
3c バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
3d オフセットシリンダ(油圧アクチュエータ)
3h 運転室
6a〜6d 角度センサ(角度検出器)
7 制御ユニット
7a 姿勢演算部(姿勢演算手段)
7b 干渉回避領域記憶部(第1の記憶手段)
7c 干渉防止制御部(干渉防止制御手段)
7e 判定部(判別手段)
7f 制限領域記憶部(第2の記憶手段)
7g 領域制限制御部(領域制限制御手段)
9a〜9g 操作装置(操作手段)
10a〜10g 流量制御弁(油圧制御弁)
11a−1〜11c−2 電磁比例弁(減速手段)
12a 制限領域設定スイッチ(制限領域設定手段)
13 ランプ(識別手段)
35 干渉回避領域
36 制限領域(動作制限領域)
58 電磁比例弁(駆動手段)
Claims (3)
- 運転室を有する本体と、
この本体に回動可能に連結された複数の関節形可動部材からなる作業機と、
前記複数の可動部材をそれぞれ駆動する複数の油圧アクチュエータと、
前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の油圧制御弁と、
前記複数の可動部材の動作をそれぞれ指示し対応する前記油圧制御弁に対し動作信号を出力する複数の操作手段と、
前記複数の油圧制御弁のうち所定の可動部材に対応する油圧制御弁に対し前記操作手段とは別の動作信号を出力する駆動手段と、
前記動作信号を減じる減速手段と、
前記複数の可動部材の相対角度を検出する角度検出器と、
この角度検出器の出力信号に基づいて前記作業機の任意部位における位置を演算する姿勢演算手段と、
前記本体の周囲に設定された干渉回避領域を記憶する第1の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出された作業機の任意部位における位置と前記第1の記憶手段に記憶された干渉回避領域との相対的な位置関係に基づき、前記減速手段に第1の制御信号を出力して作業機の動作速度を制御する干渉防止制御手段と、
前記作業機の動作範囲を制限するための動作制限領域を入力する制限領域設定手段と、
この制限領域設定手段により設定された前記動作制限領域を記憶する第2の記憶手段を有し、前記姿勢演算手段によって算出された作業機の任意部位における位置と前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域との相対的な位置関係に基づき前記減速手段及び前記駆動手段に第2の制御信号を出力して作業機の動作速度を制御する領域制限制御手段と
を備えた建設機械の作業機制御装置において、
前記制限領域設定手段から新たな動作制限領域が入力されたとき、この入力された動作制限領域と前記第1の記憶手段に記憶されている干渉回避領域とを比較し、動作制限領域の境界と前記干渉回避領域とが重複する場合に、前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域を書き換えることを禁止する判別手段を設けたことを特徴とする建設機械の作業機制御装置。 - 前記領域制限制御手段は前記制限領域設定手段から複数の位置座標を入力し、これらの位置座標を結ぶ線分を動作制限領域の境界として前記第2の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の建設機械の作業機制御装置。
- 前記判別手段により前記第2の記憶手段に記憶された動作制限領域の書換えが禁止されたかどうかを識別するための識別手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の作業機制御装置。
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