JP3848660B2 - 損傷検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバを用いて損傷を検知可能な損傷検知装置に関する。
評価対象物である構造体を破壊することなく、構造体の損傷を検知する非破壊検査には、目視検査、AE法および超音波探傷法などの種々の技術がある。
図23は、目視検査を模式的に示す図である。目視検査では、検査者の目視によって構造体の損傷の有無を検知する。
図24は、AE法による非破壊検査を模式的に示す図である。AE(Acoustic
Emission)法では、構造体物が変形したり亀裂が発生したりするときに放出される、材料がそれまで蓄えていた歪みエネルギーによる弾性波を、構造体の表面部に設置したAEセンサで検出して、構造体の損傷を検知する。
図25は、超音波探傷法による非破壊検査を模式的に示す図である。超音波探傷法では、探触子から構造体に超音波を入射して、内部欠陥における反射波の有無によって、構造体の損傷を検知する。
たとえば目視検査では、人為的ミスによって、構造体の損傷を見落としたりする危険性がある。またAE法および超音波探傷法では、構造体の形状が複雑になると、適用が困難となるだけでなく、構造体の損傷検知のために多大な労力およびコストを要する。
このような問題を解決するために、構造体に設けられる複数本の光ファイバを用いて、各光ファイバの一端部から光信号を送信して、各光ファイバの他端部で光ファイバを通過した光信号を受信し、受信した光信号に基づいて、構造体の損傷を検知する装置がある(たとえば特許文献1〜3参照)。
米国特許第4936649号明細書 米国特許第5015842号明細書 米国特許第5638165号明細書
このような従来技術では、複数の部材から構成される構造体における、構成部材同士が接合される箇所が損傷しているか否かを検知することができない。また複数系統の光ファイバを通過した光信号に基づいて、構造体の損傷のおおよその位置を検出するので、該当する光ファイバのどの位置で損傷しているかを精度よく特定することが困難である。また各光ファイバを透過した光信号を検出する検出手段が光ファイバの本数と同数必要となる。また構造体の損傷の位置を検出するために、複数系統の光ファイバを通過した複数の光信号に基づいて演算するので、演算が複雑となる。
したがって本発明の目的は、光ファイバを用いて構成される光路形成体の損傷を判定して、構造体の損傷を容易に検知できる損傷検知装置を提供することである。
請求項1記載の本発明は、(a)複数の構成部材が接合されて構成される構造体の損傷を検知するための損傷検知装置であって、
(b)光ファイバを用いて構成される光路形成体であり
(b1)各構成部材に挟み込まれて構造体に設けられ、
(b2)互いに異なる周波数の光信号を反射する複数のセンサ部が、間隔をあけて形成される光路形成体と、
(c)光路形成体の一端部から光路形成体に、各センサ部によって反射されるべき周波数成分および各センサ部を透過すべき周波数成分を含む評価用光信号を送信する送信手段と、
(d)光路形成体の一端部および他端部で、送信手段から送信された評価用光信号を受信する受信手段と、
(e)受信手段で受信された評価用光信号に基づいて、各センサ部によって反射されるべき周波数成分の有無および強度ならびに各センサ部を透過すべき周波数成分の有無および強度から、光路形成体の損傷の有無および位置を判定する判定手段とを含むことを特徴とする損傷検知装置である
請求項2記載の本発明は、判定手段は、各センサ部で反射されるべき周波数成分の一部の周波数成分が欠落または強度低下している場合、欠落または強度低下している周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も一端部寄りのセンサ部と、欠落または強度低下していない周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部との間で、損傷が生じていると判定することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、判定手段は、各センサ部で反射されるべき周波数成分の欠落および強度低下がなく、かつ各センサ部を透過すべき周波数成分が欠落また強度低下している場合、光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部と、光路形成体の他端部との間で、損傷が生じていると判定することを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、構造体に設けられる光路形成体は、光ファイバを用いて構成され、互いに異なる周波数の光信号を反射する複数のセンサ部が、間隔をあけて形成される。この光路形成体にその一端部から、各センサ部によって反射されるべき周波数成分および各センサ部を透過すべき周波数成分を含む評価用光信号が、送信手段によって送信される。光路形成体の一端部および他端部で、光路形成体から出射する評価用光信号を受信可能に受信手段が設けられ、各センサ部で反射された評価用光信号および各センサ部を透過した評価用光信号が、受信手段によって受信される。この受信手段で受信された評価用光信号に基づいて、各センサ部によって反射されるべき周波数成分の有無および強度ならびに各センサ部を透過すべき周波数成分の有無および強度から、光路形成体の損傷の有無および位置が、判定手段によって判定される。したがって光路形成体の損傷の有無および位置から、構造体の損傷の有無および損傷箇所を検知することができる。
また構造体の損傷を検知するにあたって、光ファイバを用いて構成される光路形成体を利用するので、箔形歪ゲージを用いる構成などに比べて、強度的な信頼性が高く、またノイズが少なく、高い精度で損傷の有無を検知することができる。さらに光路形成体は、各構成部材に挟み込まれて設けられている。複数の構造部材が接合されて構成される構造体では、構造体に外力が作用した場合、各構造部材同士の接合状態が解除されやすいので、各構造部材に挟み込むように光路形成体を設けることによって、構成部材同士の接合状態が解除されているか否かを検知することができる。
請求項記載の本発明によれば、各センサ部で反射されるべき周波数成分の一部の周波数成分が欠落または強度低下している場合、判定手段で、欠落または強度低下している周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も一端部寄りのセンサ部と、欠落または強度低下していない周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部との間で、損傷が生じていると判定される。このようにして各センサ部間で生じている光路形成体の損傷の位置を判定し、構造体の損傷の有無と損傷箇所とを検知することができる。
請求項記載の本発明によれば、各センサ部で反射されるべき周波数成分の欠落および強度低下がなく、かつ各センサ部を透過すべき周波数成分が欠落また強度低下している場合、判定手段で、光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部と、光路形成体の他端部との間で、損傷が生じていると判定される。このようにして各センサ部のうち最も他端部寄りのセンサ部と、他端部との間で生じている光路形成体の損傷の位置を判定し、構造体の損傷の有無と損傷箇所とを検知することができる。
図1は、本発明の損傷検知装置によって損傷の有無を検知する対象となる構造体10を示す斜視図であり、(1)は、表面側を示す斜視図であり、(2)は、裏面側を示す斜視図である。構造体10は構造部材である板部材11に構造部材である複数の補強部材12が接合、具体的には接着剤によって接着されて構成される。板部材11の材質は、たとえばポリイミド樹脂などの高分子樹脂をマトリックスとするプリプレグシート(prepreg sheet)を板厚方向に積層して硬化成型したものに、光ファイバで構成される光ファイバセンサ13が埋め込み成型される複合材料である。プリプレグ(pre-impregnated materialsの略称)シートは、マトリックスである樹脂を予め強化繊維基材に含浸させた成型用中間基材である。
図2は、図1(2)のセクションIIを拡大して示す平面図である。図3は、図2の切断面線S3−S3から見た断面図である。図4は、図3の切断面線S4−S4から見た断面図である。図5は、補強部材12を示す平面図である。構造体10の少なくとも損傷位置を検知したい箇所には、光路構成体である光ファイバセンサ13が設けられる。図2では、理解を容易にするために光ファイバセンサ13が露出しているように見えているけれども、実際には、図3および図4に示すように板部材11に埋め込み成型されていたり、板部材11と補強部材12とによって挟み込まれていたり、補強部材12同士に挟み込まれていたりして露出してはいない。
板部材11に埋め込み成型される光ファイバセンサ13は、板部材11の損傷位置を検知したい領域全体を蛇行するように配置される。さらに詳細に述べると、板部材11の予め定める領域11aにおいて、光ファイバセンサ13は、板部材11の長手方向に沿って長く延びて、板部材11の幅方向に所定の間隔をあけるようにして、幅方向上流側から幅方向下流側へと蛇行するように配置される。また板部材11の前記領域11aとは異なる予め定める領域11bにおいて、光ファイバセンサ13は、板部材11の幅方向に沿って長く延びて、板部材11の長手方向に所定の間隔をあけるようにして、長手方向上流側から長手方向下流側へと蛇行するように配置される。このように板部材11の各領域11a,11bにおいて、光ファイバセンサ13の長く延びる方向は、互いに垂直となっているけれども、板部材11の製造の都合で決定することができ、長手方向だけに長く延びても、幅方向だけに長く延びてもよい。
また図3に示すように、補強部材12同士に挟み込まれる光ファイバセンサ13は、補強部材12の長手方向中央部同士で挟み込まれて、補強部材12の長手方向一端部同士および長手方向他端部同士に挟み込まれていない。このような図3に示すように限ることなく、補強部材12同士に挟み込まれる光ファイバセンサ13は、参照符号13Aに示すように、補強部材12の長手方向全体にわたって補強部材12同士に挟み込まれてもよい。
光ファイバセンサ13の配置間隔は、構造体10において予想される損傷、または目標とする大きさの損傷に対応可能な寸法とする。板部材11と補強部材12との間に挟み込まれる光ファイバセンサ13の配置位置は、たとえば図4に示すように、2つの補強部材12が幅方向に接合されている補強部材12の幅方向を寸法をBとしたとき、一方の補強部材12の端部からB/4の位置、および他方の補強部材12の端部からB/4の位置としてもよい。また板部材11と補強部材12との間に挟み込まれる光ファイバセンサ13の、板部材11と補強部材12の長手方向端部とによって挟み込まれる部分は、図5に示すように、湾曲して延びている。これによって板部材11と補強部材12との間に挟み込まれる光ファイバセンサ13は1本で済む。またこのように延びる光ファイバセンサ13の隙間に他の光ファイバセンサを配置することによって、隙間を補間することができる。
図6は、板部材11と補強部材12とが接合される前の状態を示す断面図である。補強部材12は、詳細に述べると、図6に示すように、長手方向に垂直な断面がL字状の部材である。一対の補強部材12が接合されて、図4に示すように長手方向に垂直な断面形状が略T字状の部材となる。光ファイバセンサ13は、補強部材12の長手方向に沿って延びるように配置され、前述のように接合される一対の補強部材12によって挟み込まれ、補強部材12同士が接着剤によって接着される。このとき光ファイバセンサ13は、補強部材12と補強部材12との間のほぼ中央に配置される。
また光ファイバセンサ13は、補強部材12の長手方向に沿って延びるように配置され、前述のように接合された補強部材12と板部材11とによって挟み込まれ、補強部材12と板部材11とは、コキュアと呼ばれる一体成型によって接着される。このとき光ファイバセンサ13は、板部材11または補強部材12に対して、その外径の半分を超えて埋まらないように配置される。前述のように接合された補強部材12と板部材11との間には空間が形成されるので、この空間に充填材14が充填されるとともに、光ファイバセンサ13が、補強部材12の長手方向に沿って延びるように配置され、充填材14と補強部材12とに挟み込まれる。このように光ファイバセンサ13は、補強部材12同士に挟み込まれ、補強部材12と板部材11とに挟み込まれ、補強部材12と充填材14とに挟み込まれるので、少なくとも構造体10に外力が与えられていない状態では、配置位置がずれることなく安定して保持される。
図7(1)は、光ファイバセンサ13を示す断面図であり、図7(2)は、一般的な光ファイバ100を示す断面図である。光ファイバセンサ13は、評価情報を得るための評価用光信号が通過する光路を形成する光路形成体である。図7(2)に示す光通信に用いられる一般的な光ファイバ100は、コア100aの外径が9.5マイクロメートルで、クラッド100bの外径が125マイクロメートルで、被膜100cの外径が250マイクロメートルである。一方、図7(1)に示す光ファイバセンサ13は、コア13aの外径が8.5マイクロメートルまたは20マイクロメートル、クラッド13bの外径が40マイクロメートル、被膜13cの外径が52マイクロメートルとなっており、従来の光ファイバ100に比べて細径となっている。光ファイバセンサ13の被膜13cの材質は、板部材11への埋め込み成型時に溶融しないような融点の充分に高い、たとえばポリイミド樹脂であってもよい。このように光ファイバセンサ13は、非常に細径であるので、板部材11に埋め込まれる状態、補強部材12同士に挟み込まれる状態、補強部材12と板部材11とに挟み込まれる状態、および補強部材12と充填材14とに挟み込まれる状態でも、構造体10の強度を低下させることを可及的に防止することができる。
図8は、板部材11に埋め込まれる、または板部材11と補強部材12とに挟み込まれる光ファイバセンサ13の連結構造50を示す断面図である。光ファイバセンサ13の光ファイバ51は、板部材11に外方から挿入される他の外部光ファイバ52と光伝達可能に接続されて評価用光信号を外部に伝達する。たとえば光ファイバ51と外部光ファイバ52とは、その端面同士が突き合わされて、物理的に接続される。光ファイバセンサ13の連結構造50は、板部材11に埋め込まれる、または板部材11と補強部材12とに挟み込まれる嵌合管54と、挟持スリーブ53と、光ファイバセンサ13とを含む。
光ファイバセンサ13の光ファイバ51の一端部51aには、光ファイバ51を挟持スリーブ53に保持固定させるためにフェルール56が設けられる。フェルール56は、円筒状に形成され、光ファイバ51の一端部51aの外周部を全周にわたって覆う。また保護部材57は、光ファイバ51のフェルール56から露出する露出部51cのうち、フェルール寄りの光ファイバ部分51dを覆う。保護部材57は、弾発性および復元性を有する。保護部材57は、光ファイバ51の露出部51cが中心軸線を通り、かつフェルール56の他端部56b側端面と底面とが接する円錐状に形成され、光ファイバ51の一部分51dを覆う。
フェルール56は、挟持スリーブ53の他端部53b側から挟持スリーブ53の内方に挿入され、フェルール56の一端部56aは、挟持スリーブ53の長手方向の略中央位置まで挿入される。挟持スリーブ53は、挟持スリーブ53内に挿入されるフェルール56の外周部分を、ほぼ全周にわたって内方に押圧するようにして挟持する。挟持スリーブ53は、断面形状が略C字状となるような、半径方向に挿通するスリット状の切り欠きが形成され、切り欠きが長手方向両端にわたって延びる略円筒状に形成される。挟持スリーブ53は、切り欠きによって半径方向の変形が容易になり、半径方向に可撓性および弾発性を有する。
挟持スリーブ53の内径は、円管状に形成される嵌合管54に挿入された状態で、フェルール56の外径と同一または外径より若干小さく形成される。光ファイバセンサ13が挟持スリーブ53に挿入されると、挟持スリーブ53が変形して、挟持スリーブ53は、フェルール56の外周面と当接し、光ファイバセンサ13を挟持する。フェルール56を挟持する挟持スリーブ53は、嵌合管54の軸線方向他端部54b側から挿入される。挟持スリーブ53は、嵌合管54に対して半径方向に隙間を形成した状態で配置される。また挟持スリーブ53は、軸線方向に対して嵌合管54よりも短く形成され、嵌合管54の両端部54b、54cから没入した位置に配置される。
フェルール56の一端部56aは、挟持スリーブ53に挟持され、フェルール56の他端部56bは、嵌合管54の他端部54bから嵌合管外方に突出して配置される。嵌合管54には、その他端部54b側の開口を塞ぐように接着剤58が詰められる。接着剤58によって、フェルール56は、嵌合管54に固定される。接着剤58は、嵌合管54内に配置される挟持スリーブ53にまで達することなく、嵌合管54の他端部54bの内周とフェルール56の外周との間を塞ぐ。
フェルール56が接着剤58によって固定された嵌合管54は、板部材11の一端部11cに埋設される。嵌合管54の軸線方向一端面54aは、構造体11の一端面11dと面一に形成される。嵌合管54は、板部材11の厚み方向に略垂直な方向に延びる。嵌合管54および挟持スリーブ53は、たとえば金属またはセラミックスなどからなり、板部材11の成形前の状態である前駆体に、考えられる加熱温度よりも、強度が大きく低下する温度が高く、成形時に考えられる応力よりも破壊強度が高くかつ熱膨張率の小さい材料が選ばれる。
またフェルール56の他端部56bは、部分的に嵌合管54から露出し、板部材11内に埋設され、直接板部材11と接触する。光ファイバ51の一端部51aは、板部材11の内部に配置され、板部材11の一端面50bおよび嵌合管54の軸線方向一端面54aから没入して配置される。また板部材11の外部に位置する他の外部光ファイバ52が、嵌合管54の一端面54aから挿入される。外部光ファイバ52は、板部材11に埋設される光ファイバ51とほぼ同様の構成を有し、一端部52aをフェルール73が覆う。外部光ファイバ52の一端部52aを覆うフェルール73は、埋設される光ファイバセンサ13のフェルール56と同一の外径を有する。外部光ファイバ52を覆うフェルール73は、挟持スリーブ53の一端部側53aから挟持スリーブ53の内方に向かって挿入され、外部光ファイバ52の一端面52bが、埋設される光ファイバ51の一端面51bと突き合わされる。板部材11の外方から嵌合管54内に延びる外部光ファイバ52の一端部52aを覆うフェルール73は、嵌合管54に接着剤55によって固定される。接着剤55は、嵌合管54の一端部54c側の開口を塞ぎ、接着剤55は、嵌合管54内に配置される挟持スリーブ53にまで達することなく、嵌合管54の一端部54cの内周とフェルール73の外周との間の空隙を埋める。
外部光ファイバ52を覆うフェルール73が、がたつきなく挟持スリーブ53に挟持されることによって、板部材11に埋設される光ファイバ51の光軸と外部光ファイバ52の光軸とを一致させる。この各光ファイバ51,52の接続は、各端面同士51b,52bが当接することによって光伝達可能に接続される。
表1は、構造体10における光ファイバセンサ13の配置に関する設計項目を示す表である。
Figure 0003848660
光ファイバセンサ13を埋め込む位置は、板部材11を構成する複合材料の損傷特性に基づいて決定される。光ファイバセンサ13を埋め込む厚み方向の位置は、板部材11の内部亀裂および剥離の厚み方向の分布に基づいて決定される。光ファイバセンサ13の埋め込み配置間隔は、板部材11の内部亀裂および剥離の厚み方向に垂直な面内方向の分布、板部材11の大きさ、ならびに光ファイバの曲げ損失特性に基づいて決定される。光ファイバセンサ13の埋め込み本数は、構造体10の損傷評価に必要な本数となるような冗長性、および光ファイバセンサ13の特性に基づいて決定される。光ファイバセンサ13の構造体10からの取出し位置は、(a)板部材11および補強部材12を含む構造体10の構造、(b)複数の構造(a)を含む組立構造、(c)前記組立構造を組立てるときに設けられるファスナ位置に基づいて決定される。
図9は、本発明の実施の形態の損傷検知装置20を模式的に示す図である。損傷検知装置20は、光ファイバセンサ13を用いて構造体10に対して非破壊検査を行って、損傷を検知する装置であって、光源21、光検知器22、FBGセンサシステム23、データレコーダ24および解析評価可視化システム25を含んで構成される。
図10は、光ファイバセンサ13に形成されるブラッグ格子26を模式的に示す断面図である。図11は、ブラッグ格子26の特性を説明するために評価用光信号の一例を示すグラフであり、図11(1)はブラッグ格子26に到達した信号Iを示し、図11(2)は、ブラッグ格子26で反射される信号を示す。図11(1)および(2)において、横軸は波長λを示し、縦軸は強度を示す。
この光ファイバセンサ13は、光ファイバを用いて構成され、その光ファイバの中途部にブラッグ格子26が設けられるブラッグ格子形光ファイバ(Fiber Bragg Grating ;略称:FBG)センサである。センサ部であるブラッグ格子26は、軸線方向に格子間隔dを有して形成される回折格子である。このブラッグ格子26は、次式(1)で示される波長λの光を反射し、残余の光を透過する特性を有している。
λ=2×d×n …(1)
ここでnは、ブラッグ格子26が形成される部分における光ファイバのコアにおける屈折率である。式(1)から分かるように、ブラッグ格子26は、格子間隔dおよび屈折率nに基づく波長λの光だけを反射する特性を有している。
光ファイバセンサ13が設けられる構造体10に荷重が作用し、構造体10に歪が生じると、構造体10の歪に追従して光ファイバセンサ13も同様に歪を生じる。ブラッグ格子26が歪を生じると、ブラッグ格子26の格子間隔dが変化する。これによって反射する光の波長λが、図11(2)に示すように、歪の大きさに対応してシフトすなわち変化する。このようにブラッグ格子26は、構造体10に作用する荷重によって光学的特性が変化し、構造体10に作用する荷重に対応した波長λの光を反射する。
したがって図11(1)に示すように、外力が作用していない歪のない自然状態においてブラッグ格子26が反射する波長λおよびその近傍の波長を含む光信号を、ブラッグ格子26を有する光ファイバセンサ13に送信し、反射して戻ってくる光信号を受信して、その光信号の波長からブラッグ格子26における歪を求めることができる。これによって構造体10の歪を求め、構造体10に作用する荷重を求めることが可能になる。
図12は、光ファイバセンサ13、光源21および光検知器22を模式的に示す図である。光ファイバセンサ13には、複数のブラッグ格子27が、相互に間隔をあけて、具体的には一定間隔毎に、形成されている。図12では、理解を容易にするために、光ファイバセンサ13には、3個のブラッグ格子26A,26B,26Cが形成されている。これら各ブラッグ格子26A,26B,26Cは、構造体10への荷重の作用状態に関わらず、反射する光の波長が互いに異なるように、格子間隔d,d,dおよび屈折率n,n,nが設定されている。詳細に説明すると、各ブラッグ格子26A,26B,26Cが、外力の作用していない自然状態において反射する波長λRA,λRB,λRCを含み、かつ構造体10に作用する荷重の変化に伴って各ブラッグ格子26A,26B,26Cにおいて反射する光の波長λRA,λRB,λRCが変化する範囲を、各ブラッグ格子26A,26B,26Cの反射波長帯域として、各ブラッグ格子26A,26B,26Cの反射波長帯域が相互に異なるように形成される。
本実施の形態では、光ファイバセンサ13におけるコアの屈折率は、全長にわたって同一の屈折率に形成され、各ブラッグ格子26A,26B,26Cにおける屈折率n,n,nは同一である。各ブラッグ格子26A,26B,26Cは、自然状態における格子間隔d,d,dが相互に異なるように形成され、相互に異なる反射波長帯域の波長λRA,λRB,λRCの光を反射するように構成されている。このように光ファイバセンサ13は、光ファイバを用いて構成されて構造体10に設けられ、評価用光信号の透過特性が相互に異なる複数のブラッグ格子26A,26B,26Cが形成される。
送信手段である光源21は、たとえばレーザ発振器で実現され、光ファイバセンサ13の一端部13aに接続される。光源21は、各ブラッグ格子26A,26B,26Cでそれぞれ反射される周波数成分(波長帯域)の全てと、全てのブラッグ格子26A,26B,26Cを透過する周波数成分(波長帯域)とを含む評価用光信号を、光ファイバセンサ13の一端部13aから送信する。受信手段である光検知器22は、光ファイバセンサ13の他端部13bに接続される。光検知器22は、光源21から送信され、各ブラッグ格子26A,26B,26Cを透過して光ファイバセンサ13を通過した評価用光信号を受信して、その評価用光信号の光強度を測定する。
また光ファイバセンサ13の一端部13aには、光スペクトルアナライザ(Optical
Spectrum Analizer ;略称:OSA)27がさらに接続される。受信手段であるOSA27は、光源21から送信され、ブラッグ格子26A,26B,26Cでそれぞれ反射されて光ファイバセンサ13を通過した評価用光信号を受信して、その評価用信号をスペクトル解析する。また光ファイバセンサ13の一端部13aと光源21およびOSA27との間には、サーキュレータ28が接続される。サーキュレータ28は、光源21からの評価用光信号を光ファイバセンサ13の他端部13bに向けて透過し、光ファイバセンサ13の他端部13bから一端部13aに向かう評価用光信号をOSA27に向けて透過する。このように光検知器22およびOSA27によって、光ファイバセンサ13の両端部から戻る評価用光信号が受信される。
また光ファイバセンサ13の一端部13aとサーキュレータ28とは、コネクタ20aによって着脱可能に連結されてもよい。また光ファイバセンサ13の他端部13bと光検知器22とは、コネクタ20bによって着脱可能に連結されてもよい。
図9に示すFBGセンサシステム23は、OSA27を含んで構成され、各ブラッグ格子26A,26B,26Cで反射した評価用光信号の波長シフト量に基づいて、構造体10の歪を測定する。データレコーダ15は、ハードディスクドライブなどの記憶装置で実現され、光検知器22からの光強度およびFBGセンサシステム23からの歪を記憶する。判定手段である解析評価可視化システム25は、たとえばパーソナルコンピュータまたはワークステーションなどの電子計算装置で実現され、データレコーダ15に記憶される光強度および歪に基づいて光ファイバセンサ13の損傷を判定し、その判定結果を表示装置に表示する。
図13は、解析評価可視化システム25による損傷判定を模式的に示す図である。図14は、光強度に基づく光ファイバセンサ13の損傷の判定を説明するための図である。構造体10のある部分(以後「損傷部位」と表記する場合がある)が損傷して、光ファイバセンサ13の前記損傷部位に配置される部分が変形したり損傷したりすると、その部分を通過する評価用光信号の光強度が損失する。解析評価可視化システム25は、光検知器22からの光強度の時系列データに基づいて、式(2)に示す、損傷後の評価用光信号の光強度Iを損傷前の評価用光信号の光強度Iで除算した基準化光強度NOIを求める。
NOI=I/I …(2)
光ファイバセンサ13が変形すると、OSA27によって受信される評価用光信号は、各ブラッグ格子26の歪に対応した波長成分を有している。各ブラッグ格子26の歪は、構造体10の各ブラッグ格子26が配置される部位(以後「評価部位」と表記する場合がある)の歪と同一である。この歪は、構造体10に荷重が作用することによって発生し、歪の大きさは荷重に対応している。したがってOSA27によって受信される評価用光信号は、構造体10の評価部位に作用する荷重に対応した評価情報として、歪を表す評価情報を有している。FBGセンサシステム23は、OSA27によって受信された評価用光信号から、その評価用光信号に含まれる波長成分に基づいて、構造体10における各評価部位の歪を表す評価情報を取得する。つまり光ファイバセンサ13内で反射して戻る評価用光信号を受信することによって、構造体10における歪を生じている部位およびその歪の大きさを検出することができる。
このように各ブラッグ格子26を形成した光ファイバセンサ13を用いる構成では、1つの光ファイバセンサ13、1つの光源21および1つのOSA27によって、複数の箇所における荷重に関する情報、すなわち歪を取得することができる。これによって簡単かつ小形の構成で装置を実現することができ、構造体10への、形状および寸法の影響を可及的に小さくするこができる。
OSA27は、各ブラッグ格子26からの評価用光信号を受信して、スペクトル解析を行い、パワースペクトル密度(Power Spectrum Density;略称:PSD)を求める。以上のようにして求めたNOIが予め定める閾値A以下、かつパワースペクトル密度PSDを変数とする関数F(PSD)が予め定める閾値B以上であれば、光ファイバセンサ13の構造体10における配置情報に基づいて、構造体10に損傷部位が有ることを特定して、その損傷程度を推定することができる。閾値A,Bは、数多くのクーポンレベルまたは構造要素レベルの試験結果に基づいて設定される値である。
図15は、歪に基づく光ファイバセンサ13の損傷の判定を説明するための図である。光ファイバセンサ13において、ブラッグ格子26を3個程度設け、OSA27によって各ブラッグ格子26からの評価用光信号を実時間で測定し、各ブラッグ格子26からOSA27への評価用光信号の到達時間がブラッグ格子26毎にことなることを利用して、式(3)に示す関数Fの逆問題を解くことで、構造体10の損傷部位の位置(x,y)を特定することができる。
Figure 0003848660
式(3)において、x,yは、構造体10の損傷部位の位置の座標を表し、添字i,jは、ブラッグ格子26の番号を表し、dSは、ブラッグ格子26と損傷部位の位置(x,y)との距離を表し、dtは、各ブラッグ格子26からの評価用光信号の到達時間の差を表し、Vは、構造体10における歪波の速度を表し、クーポンレベルまたは構造要素レベルの試験結果および理論値に基づいて設定される。Fは目的関数であり、損傷部位の位置(x,y)の関数であり、dS,dt,Vと仮の値(x,y)から求めることができる。Fの値が最小となる最適値(x,y)を最適化手法によって求める。式(3)は、実測から求めた歪波速度と、設定した歪波速度との差の2乗で表される関数である。
図16は、光源21から送信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。光源から送信される評価用光信号には、たとえば1310ナノメートルの波長の光を含む、広範囲の波長域の光が含まれる。この波長域の光には、光ファイバセンサ13のブラッグ格子26A,26B,26Cで反射される波長λRA,λRB,λRCの光が含まれ、これらの光強度は互いに等しい。また評価用光信号には、中心波長λが1550ナノメートルの波長域の光がさらに含まれ、この光は、光ファイバセンサ13のブラッグ格子26A,26B,26Cを透過する。
図17(1)は、構造体10に損傷が無い場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、図17(2)は、構造体10に損傷が無い場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。構造体10に損傷が無い場合、光源21から送信された図16に示す評価用光信号は、光ファイバセンサ13の各ブラッグ格子26A,26B,26Cでそれぞれ反射される。ブラッグ格子26Aでは、波長λRAの評価用光信号が反射され、ブラッグ格子26Bでは、波長λRBの評価用光信号が反射され、ブラッグ格子26Cでは、波長λRCの評価用光信号が反射されて、これらの評価用光信号がOSA27によって受信される。光ファイバセンサ13の各ブラッグ格子26A,26B,26Cを透過した波長λの評価用光信号は、光検知器22で受信される。
図18(1)は、構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、図18(2)は、構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。図18(1)に示すように、波長λRAの評価用光信号だけがOSA27で受信されているので、構造体10の光ファイバセンサ13のブラッグ格子26Aとブラッグ格子26Bとの間の位置で損傷している、具体的には光ファイバセンサ13が破断する程度に損傷していると解析評価可視化システム25によって判定される。
図19(1)は、構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、図19(2)は、構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。図16に示すように、波長λRA,λRB,λRCの評価用光信号がOSA27で受信されているけれども、波長λの評価用光信号が光検知器22で受信されていないので、構造体10の光ファイバセンサ13のブラッグ格子26Cと光ファイバセンサ13の他端部13bとの間の位置で損傷している、具体的には光ファイバセンサ13が破断する程度に損傷していると解析評価可視化システム25によって判定される。
図20は、構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。図20に示すように波長λRA,λRB,λRCの評価用光信号がOSA27で受信されているけれども、波長λRCの評価用光信号は残余の評価用光信号に比べて光強度が低い。したがって光ファイバセンサ13の波長λRBの評価用光信号を反射するブラッグ格子26Bと、波長λRCの評価用光信号を反射するブラッグ格子26Cとの間で損傷していると判定され、構造体10のその位置において損傷が有ると解析評価可視化システム25によって判定される。
図21は、構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。図21に示すように、光検知器22で受信される波長λの評価用光信号の光強度は、図17(2)に示す構造体10に損傷が無い場合の光強度に比べて低い。したがってこの光ファイバセンサ13には損傷があると解析評価可視化システム25によって判定される。このような判定は、構造体10を複数の領域に分割して、各領域に光ファイバセンサ13を設けた場合に、どの領域が損傷しているかを判断するときに有効である。
図22は、解析評価可視化システム25によって表示される損傷判定結果を示す図である。解析評価可視化システム25は、評価対象物である構造体10に損傷が有ると判定した場合、参照符号P1に示すように損傷が有ることを示す「DAMAGE」を表示するとともに、構造体10の損傷部位の位置P2を示す平面図を表示する。
以上のように本実施の形態の構造体10および損傷検知装置20によれば、構造体10は、板部材11と補強部材12とが接合される箇所に、光ファイバセンサ13が設けられて、板部材11に複数の補強部材12が接合されて形成される。光ファイバセンサ13は、光ファイバを用いて構成され、評価用光信号の透過特性が相互に異なる複数のブラッグ格子26が形成される。これによって、光源21によって、この光ファイバセンサ13に評価用光信号を送信して、光検知器22およびOSA27によって光ファイバセンサ13を通過した受信された評価用光信号に基づいて、解析評価可視化システム25が構造体10の損傷位置を検知することによって、構造体10の各構成部材同士が接続される箇所のうち、どこが損傷しているかを検知することができる。
また本実施の形態の構造体10および損傷検知装置20によれば、光ファイバセンサ13は、外力によって構成部材同士の接合状態が解除され易い箇所に配置されるので、構造体10に外力が与えられたときに、構成部材同士の接合状態が解除されているか否かを検知することができる。
また本実施の形態の損傷検知装置20によれば、光ファイバセンサ13が構造体10に設けられ、前記光ファイバセンサ13に光源21から評価用光信号が送信され、光ファイバセンサ13を通過した評価用光信号が光検知器22およびOSA27で受信される。光ファイバセンサ13は、光ファイバを用いて構成されて評価用光信号の透過特性が相互に異なる複数のブラッグ格子26が形成されている。光源21から送信された評価用光信号は、各ブラッグ格子26の透過特性に対応した信号となり、光検知器22およびOSA27によって受信される。解析評価可視化システム25は、受信した評価用光信号に基づいて、光ファイバセンサ13の損傷を容易に判定することができる。これによって光ファイバセンサ13が設けられる構造体10の損傷を検知することができる。このように構造体10の損傷を判定するにあたって、光ファイバを用いて構成される光ファイバセンサ13を利用している。このような構成は、箔形歪ゲージを用いる構成に比べて、強度的な信頼性が高く、またノイズが少なく、高精度な損傷の判定が可能になる。
また本実施の形態の損傷検知装置20によれば、光ファイバセンサ13の各ブラッグ格子26は、相互に異なる周波数成分の光を反射する特性を有し、光源21は、各ブラッグ格子26でそれぞれ反射される周波数成分の全てと、全てのブラッグ格子26を透過する周波数成分とを含む評価用光信号を、光ファイバセンサ13の一端部13aから送信し、光検知器22およびOSA27は、光ファイバセンサ13の両端部から戻る評価用光信号を受信する。これによって各ブラッグ格子26で反射された評価用光信号は、OSA27によっていずれのブラッグ格子26で反射された評価用光信号であるかを特定できるので、たとえば評価用光信号の強度および有無に基づいて、いずれのブラッグ格子26間において光ファイバセンサ13が損傷しているかを確実かつ容易に判定することができる。したがって光ファイバセンサ13が設けられる構造体10の損傷箇所を検知することができる。また全てのブラッグ格子26を透過する周波数成分の評価用光信号が光検知器22によって受信されると、光ファイバセンサ13全体にわたって損傷が無いと判断することもできる。
本実施の形態の損傷検知装置20は、ブラッグ格子27で反射した評価用光信号をスペクトル解析するOSA27を有する構成であるけれども、OSA27の代わりに、たとえば波長検出器であってもよい。
また本実施の形態の損傷検知装置20では、ブラッグ格子27を透過した評価用光信号は、光検知器22によってその光強度が測定されるとしたけれども、これに限ることはない。光検知器22は、ブラッグ格子27を透過した評価用光信号をスペクトル解析する構成であってもよい。
また本実施の形態の損傷検知装置20では、光ファイバセンサ13の一端部13aに光源21およびOSA27が接続され、光ファイバセンサ13の他端部13bに光検知器22が接続される構成であるけれども、これに限ることはない。たとえば光ファイバセンサ13の一端部13aに光源21およびOSA27に加えて光検知器を接続してもよく、さらに光ファイバセンサ13の他端部13bに光検知器22に加えて光源、OSAおよびサーキュレータを接続するような構成であってもよい。このような構成で、光ファイバセンサ13の両端部の光源から互い違いに評価用光信号を送信して、ブラッグ格子26で反射した評価用光信号を、光ファイバセンサ13の両端部に接続されるOSAでスペクトル解析をするとともに、ブラッグ格子26を透過した評価用光信号を、光ファイバセンサ13の両端部に接続される光検知器で光強度を測定するようにしてもよい。これによって光ファイバセンサ13の損傷位置を、さらに精度良く検知することができる。
また本実施の形態の損傷検知装置20では、光ファイバセンサ13の他端部13bに光検知器22が接続される構成であるけれども、この光検知器22が無い構成であってもよい。
本発明の損傷検知装置によって損傷の有無を検知する対象となる構造体10を示す斜視図であり、(1)は、表面側を示す斜視図であり、(2)は、裏面側を示す斜視図である。 図1(2)のセクションIIを拡大して示す平面図である。 図2の切断面線S3−S3から見た断面図である。 図3の切断面線S4−S4から見た断面図である。 補強部材12を示す平面図である。 板部材11と補強部材12とが接合される前の状態を示す断面図である。 (1)は、光ファイバセンサ13を示す断面図であり、(2)は、一般的な光ファイバ100を示す断面図である。 板部材11に埋め込まれる、または板部材11と補強部材12とに挟み込まれる光ファイバセンサ13の連結構造50を示す断面図である。 本発明の実施の形態の損傷検知装置20を模式的に示す図である。 光ファイバセンサ13に形成されるブラッグ格子26を模式的に示す断面図である。 ブラッグ格子26の特性を説明するために評価用光信号の一例を示すグラフであり、(1)はブラッグ格子26に到達した信号Iを示し、(2)は、ブラッグ格子26で反射される信号を示す。 光ファイバセンサ13、光源21および光検知器22を模式的に示す図である。 解析評価可視化システム25による損傷判定を模式的に示す図である。 光強度に基づく光ファイバセンサ13の損傷の判定を説明するための図である。 歪に基づく光ファイバセンサ13の損傷の判定を説明するための図である。 光源21から送信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。 (1)は、構造体10に損傷が無い場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、(2)は、構造体10に損傷が無い場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。 (1)は、構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、(2)は、構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。 (1)は、構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示し、(2)は、構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。 構造体10に損傷が有る場合のOSA27で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。
構造体10に損傷が有る場合の光検知器22で受信される評価用光信号をスペクトル解析したものを示す図である。 解析評価可視化システム25によって表示される損傷判定結果を示す図である。 目視検査を模式的に示す図である。 AE法による非破壊検査を模式的に示す図である。 超音波探傷法による非破壊検査を模式的に示す図である。
符号の説明
10 構造体
11 板部材
12 補強部材
13 光ファイバセンサ
20 損傷検知装置
21 光源
22 光検知器
25 解析評価可視化システム
26 ブラッグ格子
27 OSA

Claims (3)

  1. (a)複数の構成部材が接合されて構成される構造体の損傷を検知するための損傷検知装置であって、
    (b)光ファイバを用いて構成される光路形成体であり
    (b1)各構成部材に挟み込まれて構造体に設けられ、
    (b2)互いに異なる周波数の光信号を反射する複数のセンサ部が、間隔をあけて形成される光路形成体と、
    (c)光路形成体の一端部から光路形成体に、各センサ部によって反射されるべき周波数成分および各センサ部を透過すべき周波数成分を含む評価用光信号を送信する送信手段と、
    (d)光路形成体の一端部および他端部で、送信手段から送信された評価用光信号を受信する受信手段と、
    (e)受信手段で受信された評価用光信号に基づいて、各センサ部によって反射されるべき周波数成分の有無および強度ならびに各センサ部を透過すべき周波数成分の有無および強度から、光路形成体の損傷の有無および位置を判定する判定手段とを含むことを特徴とする損傷検知装置
  2. 判定手段は、各センサ部で反射されるべき周波数成分の一部の周波数成分が欠落または強度低下している場合、欠落または強度低下している周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も一端部寄りのセンサ部と、欠落または強度低下していない周波数成分に対応するセンサ部のうち光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部との間で、損傷が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の損傷検知装置。
  3. 判定手段は、各センサ部で反射されるべき周波数成分の欠落および強度低下がなく、かつ各センサ部を透過すべき周波数成分が欠落また強度低下している場合、光路形成体の最も他端部寄りのセンサ部と、光路形成体の他端部との間で、損傷が生じていると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の損傷検知装置。
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