JP3848618B2 - 冷間圧延工程における板幅制御方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、少なくとも冷間タンデム圧延設備と連続焼鈍設備とを用いて金属ストリップを製造する冷間圧延工程において金属ストリップを製造する際に、製品の板幅に関する歩留りを向上させる板幅制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属ストリップを製造する冷間圧延工程において、金属ストリップの板幅精度は板厚精度と同様に重要な品質である。しかしながら、冷間圧延工程に供給される熱間圧延後の金属ストリップ自体に既に板幅変動があり、さらに冷間圧延工程でも若干の板幅変化が生じることが知られている。このため、金属種やサイズ毎に基準板幅に板幅変動代を見込んだ幅マージン(余裕代)を加えた板幅設計が行われている。
現状ではこの幅マージンを大きくとってあり、特に板幅厳格材では冷間圧延工程の最終工程で製品板幅が公差内に収まるようにトリムを行うため、歩留り低減をもたらし製造コストの増大をもたらしている。
【0003】
上述の理由から、熱間タンデム圧延工程や冷間タンデム圧延工程において金属ストリップの板幅を制御する圧延方法が積極的に検討され提案されている。冷間タンデム圧延に関しては、例えば特許文献1に開示されているように加減速時の圧延速度に起因した板幅変動を防止するためにスタンド間張力に基づく板幅変動制御方法や、特許文献2に開示されているように加減速時の圧延荷重変動に起因したスタンド間板形状変化に基づく板幅変動制御方法や、特許文献3に開示されているようにテーパーワークロールを用いた際のロールバイト入側でのプレデフォメーション現象を利用した板幅方法等がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−76916号公報
【特許文献2】
特開平10−296312号公報
【特許文献3】
特開昭63−63511号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの板幅制御方法は、それぞれ効果はあるものの、スタンド間張力を板厚制御の操作量としている冷間タンデム圧延機では板幅制御と板厚制御の干渉が生じることがあり、冷間タンデム圧延機で板形状およびプレデフォメーション現象を利用した板幅制御能力(板幅制御範囲)は小さい等の問題があった。
本発明は上述したような従来法の問題点を解決するものであり、本発明により、冷間圧延工程における板幅制御能力の拡大を図ることが可能となり、その結果、トリム代削減や幅マージン減少による歩留まり向上効果や製造コストの低減が得られる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は下記のとおりである。
(1) 少なくとも冷間タンデム圧延設備と連続焼鈍設備とを用いて金属ストリップを製造する冷間圧延工程における板幅制御方法において、該冷間タンデム圧延機の最終スタンドの入側よりも上流に設けた板幅検出器により該金属ストリップの板幅を検出し、所定の板幅基準値と該板幅検出器で検出された板幅実測値との偏差に基づき、予め作成されている、金属ストリップの該連続焼鈍設備における熱処理条件と、該連続焼鈍設備入側の金属ストリップ形状と、該連続焼鈍設備入出側の金属ストリップの板幅変化との関係を用いて、該冷間タンデム圧延機の最終スタンドにおける該金属ストリップの板形状をフィードフォワード制御することを特徴とする冷間圧延工程における板幅制御方法。
(2) 前記冷間タンデム圧延設備の最終スタンド出側に形状検出器を設けて板形状を検出し、サーマルクラウン等の外乱に対する板形状変化をフィードバック制御しながら、圧延することを特徴とする、上記(1)に記載の冷間圧延工程における板幅制御方法。
(3) 前記冷間タンデム圧延設備で圧延する金属ストリップとしてトリム材を使用する際、該金属ストリップのトリム量を一定にした金属ストリップを使用することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の冷間圧延工程における板幅制御方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。図1及び図2は、本発明を実施する圧延機設備の一例を示す構成図であり、図1は冷間タンデム圧延機を、図2は連続焼鈍設備の一例を示すものである。
図1において、この例では上下ワークロール1,1′と上下バックアップロール2,2′のロール群から構成される4重圧延機の6スタンドが配置されている。これらの4重圧延機には図示してはいないが、形状制御端としてワークロールベンダー具備されている。この例では全ての圧延スタンドは4重圧延機の場合を示してあるが、形状制御端を有する圧延機であればどのような圧延機を適用しても良く、例えばワークロールベンダーと中間ロールシフトを有する6重圧延機や、ワークロールベンダーと中間ロールシフトと中間ロールベンダーを有する6重圧延機や、S次カーブを付与したワークロールのワークロールシフトとワークロールベンダーを有する4重圧延機や、上下のワークロールとバックアップロールを個別にあるいはペアでクロスさせる装置とワークロールベンダーを有する4重圧延機や、分割バックアップロールと中間ロールとワークロールからなるクラスター圧延機でも良い。
【0008】
金属ストリップ(S)は図示していないが、冷間タンデム圧延機の上流に配置された溶接機によって連続的に冷間タンデム圧延機に供給される。なお、図示していないが該溶接機と冷間タンデム圧延機間にルーパー設備があることは云うまでもない。最終スタンドの入側には板幅検出器3が配置されており、金属ストリップ(S)の板幅が検出されている。板幅検出器としてはレーザ等の光学方式やX線等の磁気方式やCCDカメラによる映像方式や接触式のセンサーを用いた方式等が用いられるが、非接触式の方が好ましい。板幅検出器はこの例では最終スタンド入側に配置しておりこれが最も好ましいけれども、本発明では板幅検出器の検出値と予め設定した板幅の基準値との偏差量に応じて最終スタンド出側の板形状をフィードフォワード制御するので、電送時間がネックになる場合には最終スタンドよりも上流、さらには冷間タンデム圧延機の上流に配置しても良い。例えば、溶接機前の酸洗工程で金属ストリップ(S)のストリップ位置と板幅を検出し、トラッキングを行って最終スタンド入側に供給される金属ストリップの板幅を計算して使用しても良い。
【0009】
本発明のより好ましい構成としては、冷間タンデム圧延機の出側には形状検出器4を配置し、最終スタンド出側の板形状を検出し、サーマルクラウン等の外乱に対する板形状に及ぼす影響をフィードバック制御(学習)する。形状検出器としては圧力センサーを用いた接触式のものや電磁力を利用した非接触式のものや、棒状光源とCCDカメラを利用した非接触式のものなどが用いられる。最終スタンド出側の金属ストリップは、図示してはいないが最終スタンド下流のドラムシャーによって所望の長さで切断され、図示してはいないがドラムシャー下流の巻き取りリール(カローゼルリール)によってコイル状に巻き取られ、連続焼鈍工程に搬送される。
【0010】
図2において、上記冷間タンデム圧延後の金属ストリップコイル5は連続焼鈍設備の上流に配置された巻き戻しリール7にセットされ、図示してはいないが巻き戻しリール7の下流に配置された溶接機で溶接され、連続的に洗浄装置10に供給される。この洗浄装置では金属ストリップ(S)の表面に付着した圧延油や鉄粉等の汚れが取り除かれた後、入側ルーパー11、予熱帯と均熱帯と冷却帯からなる連続焼鈍炉12、出側ルーパー13からなる連続焼鈍設炉に搬送され熱処理が施される。この焼鈍済みの金属ストリップは連続焼鈍設炉の下流に配置された調質圧延機14で形状が矯正された後、図示はしていないが精整装置15のサイドトリマーで金属ストリップの幅方向の両端部を切断して所定寸法にするとともに塗油機で防錆油を塗布して簡易防錆処理を施した後、図示していないが塗油機下流のシャーによって所望の長さで切断され、巻き取りリール8に巻き取られ、金属ストリップコイル6が製造される。
【0011】
上述の圧延工程において、冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状及び板幅と連続焼鈍設備出側の金属ストリップ形状及び板幅との相関を実験調査した結果、冷間タンデム圧延機の板形状が耳伸びの場合には金属ストリップの連続焼鈍設備の入・出側での板幅変化(幅縮み)は少なく、冷間タンデム圧延機の板形状が中伸びの場合には金属ストリップの連続焼鈍設備の入・出側での板幅変化(幅縮み)は大きいこと、そして、その幅縮み量は板形状の関数で表すことが可能であることを知見した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
【0012】
従来、冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状は焼鈍設備の通板性を阻害しないように、それぞれの焼鈍設備に適した所望の板形状(コイル先端から尾端まで一定の板形状)を出すことを主目的としてきた。しかしながら、近年の連続焼鈍炉の蛇行制御やヒートバックル制御等の発展および連続焼鈍炉の下流に配置された調質圧延機の矯正技術の発展から、連続焼鈍炉の通板板形状と連続焼鈍炉出側の板形状に関しての裕度が得られるようになって来た。このため、従来、考慮されなかった冷間タンデム圧延機の出側の金属ストリップ形状と連続焼鈍設備の出側の金属ストリップの板幅との関係を考慮することが可能となった。本発明はこのような技術背景にも基づいてはじめて可能となった。
【0013】
図3は、板厚3.2mmの熱延金属ストリップを酸洗後に板幅両端をトリムして、板幅1210mmに調整した後の金属ストリップを冷間タンデム圧延機出側で板厚0.405mmまで圧延する際、該冷間タンデム圧延の最終スタンドで出側板形状を意図的に変化させて作成した金属ストリップの板形状と、その金属ストリップを連続焼鈍炉で予熱温度700℃、均熱温度700℃、冷却温度400℃の在炉時間2分で熱処理した後、調質圧延機で伸び率1.2%の矯正を行った後の金属ストリップの板幅との結果を示すものである。ここで急峻度は板端部の急峻度から板中央の急峻度を減じた値を示しており、急峻度が正の値は板形状が耳伸びであることを、また、急峻度が負の値は板形状が中伸びであることをそれぞれ表している。
【0014】
図3より明らかなように、冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状が耳伸びだと連続焼鈍設備出側の金属ストリップの幅縮み量は少なく、冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状が中伸びだと連続焼鈍設備出側の金属ストリップの幅縮み量は大きいことが分かる。また、ある程度耳伸びあるいは中伸びが大きくなると、幅縮み量は飽和する傾向があることも分かる。この実験結果では急峻度+2%から−1.5%程度までの冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップの板形状を変化させることによって、連続焼鈍設備出側の金属ストリップの板幅を約0mmから−6mmまで変化させることが可能であることが分かる。さらに、この範囲の冷間タンデム圧延機出側の板形状は連続焼鈍設備において、通板性や蛇行やヒートバックルおよび調質圧延後の板形状に悪影響を及ぼさないことも確認された。
【0015】
上述の冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状と連続焼鈍設備出側の金属ストリップの幅縮み量の傾向は、全ての金属ストリップについて成立するものの、熱処理条件(鋼種)や板厚・板幅等のサイズによって絶対値は異なるので、各熱処理条件や板厚・板幅等のサイズ毎に実験を行いその特性を予め調査する必要がある。
【0016】
【実施例】
使用した冷間タンデム圧延機設備および連続焼鈍設備の一例を図4に示す。図4において、冷間タンデム圧延機9はロール径φ460mmの上下ワークロールとロール径φ480mmの中間ロールとロール径φ1500mmの上下バックアップロールのロール群から構成される6重圧延機の4スタンドから構成されており、これらの6重圧延機には図示してはいないが、形状制御端としてワークロールベンダーと中間ロールベンダーと中間ロールシフトが具備されている。金属ストリップ(S)は、図示していないが冷間タンデム圧延機9の上流に配置された溶接機によって連続的に該冷間タンデム圧延機に供給される。なお、図示していないが該溶接機と該冷間タンデム圧延機間にルーパー設備があることは云うまでもない。該冷間タンデム圧延機の最終スタンドの入側には板幅検出器3が配置されており、金属ストリップ(S)の板幅が検出されている。板幅検出器としてはレーザ光線を用いた接触式のセンサーが用いられている。冷間タンデム圧延機9の出側には形状検出器4が配置されており、最終スタンド出側の板形状を検出している。形状検出器としては圧力センサーを用いた接触式のものを用いた。
【0017】
冷間タンデム圧延機と9と連続焼鈍設備とは連続化されており、上記冷間タンデム圧延後の金属ストリップ(S)は連続焼鈍設備の上流に配置された洗浄装置10に供給され、ここで金属ストリップ(S)の表面に付着した圧延油や鉄粉等の汚れが取り除かれた後、入側ルーパー11、予熱帯と均熱帯と冷却帯からなる連続焼鈍炉12、出側ルーパー13からなる連続焼鈍炉に搬送され熱処理が施された後、連続焼鈍炉の下流に配置された6重圧延機である調質圧延機14で形状を矯正した後、図示はしていないが精整装置15のサイドトリマーで金属ストリップ幅方向の両端部を切断して所定寸法にするとともに塗油機で防錆油を塗布して簡易防錆処理を施した後、図示していないが、塗油機下流のシャーによって所望の長さで切断され、巻き取りリール8に巻き取られ、金属ストリップコイル6が製造されている。
【0018】
使用した材料は、板厚2.8mmの熱延金属ストリップを酸洗し、板幅両端をトリムをしていない、製品板幅1250mmの金属ストリップ(耳付き材)である。この金属ストリップの板幅は圧延方向に約±5mm(実板幅1255mm〜1265mm)の長周期的な変動を有している。
この熱延金属ストリップを冷間タンデム圧延機出側で板厚0.405mmまで圧延した後、連続焼鈍炉で予熱温度700℃、均熱温度700℃、冷却温度400℃の在炉時間2分で熱処理した後、調質圧延機で伸び率1.2%の矯正を行った。
【0019】
従来技術として、上記冷間タンデム圧延機の最終スタンドの出側板形状を一定とする形状制御を実施した。形状制御方法としては予め実験で求めた板形状に及ぼすワークロールベンダーと中間ロールベンダーと中間ロールシフトの影響係数を求めておき、主形状制御量としてワークロールベンダーを、補助形状制御量として中間ロールベンダーを用いて、形状検出器の出力を基にフィードバック制御を行った。この際、中間ロールシフトはプリセット制御を実施した。その結果、冷間タンデム圧延機出側の板形状は目標形状に対して±0.4%の急峻度の精度で形状制御された。この金属ストリップを上述した連続焼鈍設備で熱処理を行い、調質圧延後に精整装置に設置されている板幅検出器で測定した結果、この金属ストリップの板幅は圧延方向に約±6mm(実板幅1254mm〜1266mm)の長周期的な変動を有していることが分かった。
【0020】
本発明として、タンデム圧延機の最終スタンドの入側に設けた板幅検出器で該金属ストリップの板幅(W)を検出し、予め設定した板幅基準値(Wref)との偏差(△W=Wref−W)に基づいて、該冷間タンデム圧延機の最終スタンドにおける該金属ストリップの板形状をフィードフォワード制御した。その具体的な方法について示す。この金属ストリップの該連続焼鈍設備における熱処理条件の際の冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状と該連続焼鈍設備入出側の金属ストリップの板幅変化の関係は図3に示したものと同一であり、板幅を6mm程度、板急峻度を約1%から−1%まで変化させることによって制御可能であることが予想できる。板幅基準はこのことを考慮して決定される。本実施例では冷間タンデム圧延機の連続焼鈍設備出側の幅縮み量が0mmである急峻度を基準急峻度とした。すなわち基準急峻度は1%とし、板幅基準は素材の金属ストリップの最大板幅である1265mmから予想される板幅制御量6mmより若干大きめの8mm減じた1257mmとした。また、図3に示した冷間タンデム圧延機の急峻度(λ)と連続焼鈍設備出側の幅縮み量(ε)との関係のモデル式(λ=f(ε))を作成した。モデル式の関数形としては、多項式近似やベジエ曲線等が適用できるが、本実施例では式(1)に示す5次の多項式を用いた。
λ=f(ε)=aε5+bε4+cε3+dε2+eε+f (1)
a、b、c、d、e、f、は定数であり、重回帰することによって求まる。
【0021】
式(1)より、εに上述した板幅偏差(△W)を代入することによって、最終スタンドでフィードフォワード制御するための目標急峻度が求まる。この目標急峻度をもとに上述した形状制御方法で、ワークロールベンダーや中間ロールベンダー等の形状制御操作量を求め形状を制御した。なお、図3から明らかなように板幅制御量には限界があるので、式(1)から得られた目標急峻度に上下限を設定する必要がある。本実施例では目標急峻度の上限は+1.5%、下限は−1.5%とした。なお、この目標急峻度の上下限値は鋼種・サイズ毎に異なり、その幅縮み量と急峻度の範囲が大きな場合には、連続焼鈍設備の通板性の観点から上下限値が決定される場合もある。
なお、予め目標とする幅基準急峻度の板幅基準時に基準急峻度になるように最終スタンドの形状制御端はプリセット制御される。
【0022】
本発明の実施例では、偏差△Wは−10mm〜0mm(素材の幅変動よりも大きくなったのは、冷間タンデム圧延機の最終スタンド直前までの加減速時の影響と思われる)を出力し、この板幅偏差量に応じて、最終スタンドの板形状はフィードフォワード制御された。この金属ストリップを上述した連続焼鈍設備で熱処理を行い、調質圧延後に精整装置に設置されている板幅検出器で測定した結果、この金属ストリップの板幅は圧延方向に約±3mm(実板幅1254mm〜1260mm)の長周期的な変動に制御されていることが分かった。
従って、従来では1250mmの製品を製造する際にトリム代が単純平均で10mmであったものが、本発明によってトリム代は単純平均で7mmに減少させることが可能となり、歩留まりを0.24%(3/1250)向上させることができた。
【0023】
本発明のより好ましい実施例として、最終スタンド出側の形状検出器を用いて、ワークロールのサーマルクラウン等の外乱の影響を上述したプリセットの形状制御の形状制御精度にから除外するためにフィードバック制御を実施した。これによって、ワークロール組み替え直後から高精度な板幅制御が達成できることを確認した。
さらに、一部の鋼種では冷間タンデム圧延機前にトリムを行い板幅を一定にそろえて冷間圧延工程で製品が造られていたが、本発明を適用することによって素材の幅変動も制御できるので、上記トリムを必要最小限で金属ストリップのトリム量を一定にすることによって歩留まり向上を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上の本発明に係る板幅制御方法により、冷間圧延工程での金属ストリップの板幅制御が可能となり、歩留り向上と製造コストの低減を達成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する圧延機設備の一例を示す構成図であって、冷間タンデム圧延機の一例を示すものである。
【図2】本発明を実施する圧延機設備の一例を示す構成図であって、連続焼鈍設備の一例を示すものである。
【図3】冷間タンデム圧延機出側の金属ストリップ形状と連続焼鈍設備出側の金属ストリップの幅縮み量の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例で使用した冷間タンデム圧延機設備および連続焼鈍設備の一例である。
【符号の説明】
1,1′:上ワークロール、下ワークロール
2,2′:上バックアップロール、下バックアップロール
3:板幅検出器
4:形状検出器
5:冷間タンデム圧延後の金属ストリップコイル
6:調質圧延後の金属ストリップコイル
7:巻き戻しリール
8:巻き取りリール
9:冷間タンデム圧延機
10:洗浄装置
11:入側ルーパー
12:連続焼鈍炉
13:出側ルーパー
14:調質圧延機
15:精整装置
S:金属ストリップ

Claims (3)

  1. 少なくとも冷間タンデム圧延設備と連続焼鈍設備とを用いて金属ストリップを製造する冷間圧延工程における板幅制御方法において、該冷間タンデム圧延機の最終スタンドの入側よりも上流に設けた板幅検出器により該金属ストリップの板幅を検出し、所定の板幅基準値と該板幅検出器で検出された板幅実測値との偏差に基づき、予め作成されている、金属ストリップの該連続焼鈍設備における熱処理条件と、該連続焼鈍設備入側の金属ストリップ形状と、該連続焼鈍設備入出側の金属ストリップの板幅変化との関係を用いて、該冷間タンデム圧延機の最終スタンドにおける該金属ストリップの板形状をフィードフォワード制御することを特徴とする冷間圧延工程における板幅制御方法。
  2. 前記冷間タンデム圧延設備の最終スタンド出側に形状検出器を設けて板形状を検出し、サーマルクラウン等の外乱に対する板形状変化をフィードバック制御しながら、圧延することを特徴とする、請求項1に記載の冷間圧延工程における板幅制御方法。
  3. 前記冷間タンデム圧延設備で圧延する金属ストリップとしてトリム材を使用する際、該金属ストリップのトリム量を一定にした金属ストリップを使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の冷間圧延工程における板幅制御方法。
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