JP3848507B2 - 光記録装置、光記録方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに情報を記録する、あるいは書き換える光記録装置であって、特に光ディスクの記録層にレーザ光などを照射して相反転させることによって情報を記録する、あるいは書き換える光記録装置、光記録方法およびその方法を記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、光ディスクに対して情報の記録、書き換えを行うと共に記録された情報を再生する装置がある。本明細書中では、以降、この装置を光記録装置と記し、光記録装置で光ディスクに情報を記録する方法を光記録方法と記すものとする。
【0003】
このような光記録装置としては、たとえば、特開昭63−29336号公報のように、レーザを光源とするスポット光を光ディスク上に照射し、このスポット光を記録すべき情報に基づいて変調させることによって情報に基づいた記録マークを光ディスク上に形成する構成が知られている。なお、光ディスクに記録された情報は、この記録マークにレーザ光を照射してその反射光を検出することによって再生される。このため、記録マークの寸法形状や反射率を、予め設定された条件の通りに形成することは、再生時の読み誤りを低減し、光ディスクの信頼性を高めるのに重要な要素である。
【0004】
記録マークを設定された条件の通りに形成するため、様々な技術が提唱されている。このような技術には、光ディスクに記録された記録マークを使って情報を再生し、再生信号の振幅や記録マークの長さをモニターしてレーザスポット光のパワーやパルス幅を最適化するものがある。
【0005】
さらに、記録マークの品質を向上させるための技術として、記録補償の技術も種々提唱されている。このような技術には、たとえば、特開昭63−266632号公報に記載されているように、結晶化速度が比較的大きい記録膜に対してPWM(Pulse Wide Modulation)方式で記録マークを形成する場合、長い記録マークについては、レーザスポット光を複数のパルスを含むパルス列にして形成することが記録マークの品質向上に有効であるとするものがある。また、特開昭63−266633号公報および米国特許第5150352号には、レーザスポット光のパルス列の先頭および後尾のパワーを高める、あるいは照射時間を長くすることで記録マークのエッジの位置揺らぎを抑え、再生信号のジッタを改良することが記載されている。
【0006】
さらに、現在の光記録装置では、CLV(Constant Linear Velocity)方式、CD線速度1X〜CD線速度4X以下という記録条件が比較的多用されていた。オレンジブックパートIII(Ver2)には、CD−RW(標準書:Compact Disc-Rewritable/Phlips Electronics)に対してCD線速度1X〜CD線速度4Xの線速度で情報を記録する際の規格が記載されている。
【0007】
このCD線速度とは、CD(Compact Disc)に対してCLV方式で情報を記録するときの光ディスクの基準線速度で、1.2〜1.4m/sを指す。この基準は、Compact Disc Degital Audio System Discription(通称RedBook)で定義された値である。なお、CD線速度NXの表記(Nは自然数)は、CD線速度のN倍の線速度を示すものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では、CD線速度8X、CD線速度10Xといったより高い線速度で情報を記録することが要求されている。このような高い線速度を用いて情報を記録する場合には、当然のことながら、従来のようなCD線速度4X以下の線速度を用いて情報を記録する際の規格を適用することはできない。特に、光ディスクの線速度と記録マークの形状との間には、周知のように図15に示すような関係がある。すなわち、光ディスクの線速度とが適切な関係にある場合には、記録マーク形状が(b)のように最も良好な形状に形成される。また、光ディスクの線速度が(b)のものによりも遅い場合には(a)のように、(b)のものよりも速い場合には(c)のように記録マークのエッジ部分が不明瞭になる。
【0009】
記録マークのエッジ部分が予め定められた形状に形成されなかった場合、これが光ディスクの再生時に記録マーク読み誤りの原因となる、また、CD−RWのような書き換え可能な光ディスクにあっては、前回記録されたマークの消し残りが発生することになる。このような消し残りは、光ディスクを繰り返しオーバーライトするうちにジッタを増加させ、光ディスクの品質を低下させることになる。したがって、上記した従来の光記録装置は、いずれも相変化によって記録マークが形成される形式の光ディスク(相変化光ディスク)の特性を向上できるものの、記録時の線速度がより高速度になった場合には、実用化に向けての改良について未だ課題を残していた。
【0010】
さらに、このような高速で情報を記録する場合、たとえばCAV(Constant Angular Velocity)方式、ZCAV(Zone Constant Angular Velocity)方式、MCAV(Modified Angular Velocity)といった光ディスクの回転速度制御が比較的簡易な方式によって記録を行う方が有利な場合もある。したがって、今後、光記録には、CLV方式のみならず、CAV方式、ZCAV方式、さらにはMCAV方式にも適した光記録装置および方法が必要とされる。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、CD線速度4X以上の線速度で行われる情報の記録、書き換えに適した光記録装置、光記録方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、CD線速度4X以上の線速度で行われる情報の記録、書き換えに際し、CLV方式、CAV方式のいずれにおいても読み誤りなどの発生が少ない初期特性を有する光ディスクを提供でき、かつ、書き換え可能な光ディスクのオーバーライト性能を向上できる光記録装置、光記録方法およびその方法を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明は、以下のように構成される。すなわち、請求項1記載の発明は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録装置であって、回転速度で回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録手段を有し、情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、情報記録手段で用いられる記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、少なくとも、第1の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第1比例範囲と、該第1の傾きと異なる第2の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第2比例範囲とを有するように変更されることを特徴とするものである。
【0020】
このように構成することにより、光ディスクの径方向の位置に応じて記録線速度が変化する方式(CAV方式、ZCAV方式)によって情報を記録する場合にも、光ディスクの径方向における記録対象となる位置の変化に応じてマルチパルス部で最適なデューティ比に変更することができるようになる。また、記録パルスのデューティ比を一定の割合で変更し、比較的簡易な制御で記録パルスのデューティ比を変更することができるようになる。
【0025】
請求項2記載の発明は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録装置であって、回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録手段を有してなり、情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録手段で用いられる前記記録パルスのデューティ比は、前記変化範囲内において、光ディスクの径方向における記録対象となる位置によらず一定の値をとる記録線速度一定範囲と、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される記録線速度比例範囲とを有するように変更されることを特徴とするものである。
【0026】
このように構成することにより、変化範囲内の一部だけで記録パルスのデューティ比を変更すれば良く、記録パルスのデューティ比変更のためのメモリ、あるいはカウンタとして、より小型のものを用いることができるようになる。
【0027】
請求項3記載の発明は、情報記録手段が、CAV記録方式、またはMCAV記録方式で光ディスクに情報を記録することを特徴とするものである。
【0028】
このように構成することにより、CAV記録方式、またはMCAV記録方式における光ディスクの径方向の位置による記録線速度の変化によらず、光ディスクの全面にわたって良好な記録マークを形成することができるようになる。
【0035】
請求項4記載の発明は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録方法であって、回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録工程を含み、情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、情報記録工程で用いられる記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、少なくとも、第1の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第1比例範囲と、該第1の傾きと異なる第2の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第2比例範囲とを有するように変更されることを特徴とするものである。
【0036】
このように構成することにより、光ディスクの径方向に応じて記録線速度が変化する方式(CAV方式、ZCAV方式)によって情報を記録する場合にも、光ディスクの径方向における記録対象となる位置の変化に応じてマルチパルス部で最適なデューティ比に変更することができるようになる。また、記録パルスのデューティ比を一定の割合で変更し、比較的簡易な制御で記録パルスのデューティ比を変更することができるようになる。
【0041】
請求項5記載の発明は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録方法であって、回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録工程を含み、情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録工程で用いられる前記記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、光ディスクの径方向における記録対象となる位置によらず一定の値をとる記録線速度一定範囲と、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される記録線速度比例範囲とを有するように変更されることを特徴とするものである。
【0042】
このように構成することにより、変化範囲内において一部だけで記録パルスのデューティ比を変更すれば良く、記録パルスのデューティ比変更のためのメモリ、あるいはカウンタとして、より小型のものを用いることができるようになる。
【0043】
請求項6記載の発明は、情報記録工程は、CAV記録方式、またはMCAV記録方式で光ディスクに情報を記録することを特徴とするものである。
【0044】
このように構成することにより、CAV記録方式、またはMCAV記録方式における光ディスクの径方向の位置による記録線速度の変化によらず、光ディスクの全面にわたって良好な記録マークを形成することができるようになる。
【0045】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするものである。
【0046】
このように構成することにより、請求項4〜6のいずれか一つに記載された動作をコンピュータによって実現することができる
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1、実施の形態2について説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1の光記録装置は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録書き換えを行う光記録装置であって、回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と、この第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが、所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録手段を有している。
【0048】
そして、この情報記録手段では、情報を記録する際の光ディスクの線速度(記録線速度)が書込基準線速度の10倍速以下、つまりCD線速10X以下である場合、マルチパルス部のデューティ比Zが、0.045X≦Z≦0.038X+0.25(ただし、X=書込基準線速度)の式によって定められる。
【0049】
図1は、このような実施の形態1の光記録装置を説明するためのブロック図である。また、図2は、実施の形態1における相変化型光ディスクの構成を説明する図であって、図3は、実施の形態1の記録パルス列を説明する図である。なお、この図1ないし図3は、いずれも実施の形態1と後述する実施の形態2とで共通のものである。
【0050】
図1に示した光記録装置は、光ディスク1を載置して回転する駆動部2と、回転する光ディスクに対して半導体レーザを光源とするレーザ光を照射して情報の書き込み、再生を行うピックアップ3と、ピックアップ3の半導体レーザ光源を駆動するレーザ駆動回路4とを有している。また、図1の構成は、ピックアップ3で照射されるレーザ光を駆動、制御するレーザ駆動回路4、記録パワー設定回路5と、ピックアップ3で照射されるレーザ光の反射光から再生信号を得る再生信号振幅モニタ回路7、信号振幅演算回路8と、以上の構成を制御する記録コントロール部6とを有している。以上の構成のうち、本発明の実施の形態では、ピックアップ3、レーザ駆動回路4、記録パワー設定回路5、記録コントロール部6が、情報記録手段として機能する。
【0051】
また、以上の構成のうち、駆動部2は、光ディスクが載置されるターンテーブルおよびターンテーブルを回転するスピンドルモータを備えている(いずれも図示せず)。また、ピックアップ3には、光源から出射した光をポイント光として光ディスク1に照射するための光学系(図示せず)が備えられている。さらに、実施の形態1、実施の形態2の半導体レーザの波長は780nmであり、光学系の開口率は0.5である。
【0052】
図1に示した光ディスク1は、レーザ光が照射された部位が相変化して記録マークを形成する、いわゆる相変化型の記録媒体であり、また、CD−RWの光ディスクである。図2は、このような光ディスク1の構成を説明する図である。光ディスク1は、図示するように、案内溝が形成された基板11上に第1保護層12、記録層13、第2保護層14、反射放熱層15、オーバーコート層16、印刷層17が順番に形成された構造を有している。なお、本発明の実施の形態では、基板11を樹脂基板と、この裏面にハードコート層18を形成して強度を補強するものとした。
【0053】
実施の形態1および2の記録層13は、12〜30nmの厚さを持ち、AgInSbTe系の材料でなる。このような記録層は13は、単に記録マークを安定に形成できるばかりでなく、記録マークの消去、信号再生時の安定性や信号の寿命についても比較的良好な特性を示すものである。また、第1保護層12、第2保護層14としては、スパッタリングなどによって形成されるSiO2などの金属酸化物、Si3N4などの窒化物などが用いられる。さらに、反射放熱層15には、各種気相成長法で形成された金属材料AlやAgが用いられる。また、反射放熱層15の酸化を防止するオーバーコート層16や光ディスク基板11裏面のハードコート層18には、スピンコートなどで塗布された紫外線硬化樹脂を硬化して用いるものとした。なお、このように構成された光ディスク1も、実施の形態1、実施の形態2で共通のものとする。
【0054】
以上の構成は、以下のように動作する。すなわち、先ず、記録コントロール部6は、予めプログラムされたデータやオペレータが入力する指示によって信号dを出力する。信号dは、記録パワー設定回路5に入力し、ピックアップ3から照射されるレーザ光のパワーを設定する。ただし、本発明の実施の形態1、実施の形態2では、PWM方式で記録マークを光ディスク1に照射して情報を書き込むんでいる。このため、図1に示した記録コントロール部6では、このときにレーザ光のパワーの他、パルス波形に関する情報を信号dに含ませるようにしている。なお、この内容については、後述するものとする。
【0055】
記録パワー設定回路5は、信号eを出力し、信号dに応じたパワーおよびパルス波形の光を出射するようにレーザ駆動回路4を制御する。レーザ駆動回路4は、信号eにしたがってピックアップ3を駆動するための信号fを出力し、ピックアップ3を制御する。この結果、ピックアップ3は、信号fに基づいてレーザ光をEFM変調方式、あるいはその改良方式で変調し、所定のパワーおよびパルス波形のレーザ光を記録信号として光ディスク1に向かって照射する。
【0056】
図3は、このときにピックアップ3から照射されるレーザ光を説明するための図である。図3に示したレーザ光による情報の記録は、記録層13の一部をアモルファス化し、記録マークを形成することによって行われる。そして、このレーザ光は、第1のパワーレベルであるPwを持つ高パワー信号と、Pwよりも低い第2のパワーレベルであるPbを持つ低パワー信号とが、所定のデューティ比(t1/(t1+t2))で交互に繰り返し発生するマルチパルス部mpと、第3のパワーレベルであるPeを持つ消去信号Seとを少なくとも含む記録パルス列で構成されている。なお、図示した記録パルス列は、マルチパルス部mpと消去信号Seとの間に、さらに第2のパワーレベルであるPbを持つ冷却信号opを有している。
【0057】
図3に示した記録パルス列では、パルス部fpで記録層13を融点以上に昇温させて記録マークの先頭を形成し、続いてマルチパルス部mpで記録マークの中間部分を形成する。さらに、昇温された記録層13を冷却信号opによって冷却し、記録マークの後端部を形成する。このような記録パルス列は、記録層13を融点以上に昇温し、かつ、その後充分冷却することができる。このため、熱の余剰な伝搬を抑え、アモルファス化された記録マークの領域と結晶質の領域との境界を明瞭にすることができる。
【0058】
このような記録パルス列を用いて記録マークを形成することにより、オーバーライトを繰り返した後にもジッタが小さく良好な再生信号aを得ることができる。なお、図1の光記録装置では、再生信号aの振幅が再生信号振幅モニタ回路7でモニターされ、信号bに変換される。信号bは、信号振幅演算回路8で解析されて信号cに変換され、記録コントロール部6に入力する。
【0059】
また、図3に示した記録パルス列を用いて記録マークを形成した場合にも、記録線速度が変化した場合にも、光ディスクの記録線速度が変化すると、照射される記録パルス列による記録層13へのレーザ照射量、さらに光ディスク側のレーザ被照射位置が変化するため、設定通りの形状および特性を持つ記録マークを形成することができなくなる。本発明の実施の形態は、以下に述べるように、記録線速度に応じてマルチパルス部mpのデューティ比を変更することにより、記録線速度によらず良好な記録マークが形成されるようにするものである。
【0060】
図4ないし図6は、CLV方式で記録マークを形成した光ディスク1のランドジッタおよび記録信号の最適記録パワーPoとマルチパルス部mpのデューティ比(マルチパルスデューティ比)との関係を示す図であって、縦軸にランドジッタおよび記録信号の最適記録パワーPoを、横軸にマルチパルスデューティ比を示している。また、図4はCD線速度4X、図5はCD線速度8X、図6はCD線速度10Xで情報を記録したときのデータを示している。
【0061】
さらに、図4ないし図6のいずれにおいても、プロット◆は、ライト回数が1回であるときのランドジッタを示し、プロット□は、オーバーライト回数が1000回であるときのランドジッタを示し、△は、記録信号の最適記録パワーを示している。なお、図4ないし図6に示したデータは、後述するCAV方式のデータと整合性をとるために、同一の光ディスクに対してCD線速度4X、CD線速度8X、CD線速度10Xで記録マークを形成し、この光ディスクを測定して取得されたものである。そして、この際には、光ディスクの最内周部分にCD線速度4Xで光ディスク1を回転し、中間部分にはCD線速度8Xで光ディスク1を回転し、最外周部分にはCD線速度10Xで光ディスク1を回転している。
【0062】
本願発明の発明者らは、図4ないし図6に示したデータとランドジッタの許容範囲とを照合し、ランドジッタの許容範囲を30nsec程度に設定して各記録線速度における情報の記録に使用可能なデューティ比の範囲を決定した。この範囲は、記録線速度をX、デューティ比をZとすると、おおよそ0.045X≦Z≦0.038X+0.25として表される。
【0063】
さらに、好ましくは、CD線速度4Xでデューティ比0.2から0.4、CD線速度8Xでデューティ比0.4から0.55、CD線速度10Xでデューティ比0.5から0.625のマルチパルス部を有する記録パルス列を使用することが望ましい。図7は、このようにして定められた記録線速度とデューティ比との関係を示す図である。なお、デューティ比の大きい方が最適記録パワーが低い場合にも良好な記録マークを形成できるので、このような範囲内においては、なるべく高めのデューティ比を選択することが実用上好ましい。
【0064】
ところで、たとえば、CAV方式のように光ディスクを一定の回転速度で回転しながら情報を記録する場合、半径6cmの光ディスクにおいて、最外周の記録線速度は、最内周の記録線速度の2.5倍にまで変化する。実施の形態1では、駆動部2を一定の回転速度で回転し、かつ、マルチパルス部のデューティ比を図7に示した範囲で変更しながら光ディスク1に情報を書き込むことによって記録線速度の変化によらず光ディスク1の全面に良好な記録マークを形成することもできる。
【0065】
すなわち、光ディスク1の最内周でCD線速度4Xが得られる回転速度で駆動部2を駆動すると、光ディスク1の最内周の記録線速度がCD線速度4X、最外周の記録線速度はCD線速度10Xとなる。実施の形態1の記録コントロール部6は、このような光ディスク1のうちの記録線速度の変化に対応し、光ディスク1の径方向における位置に応じてマルチパルス部のデューティ比を変更する。この場合、実施の形態1では、図7中に示すように、CD線速度4Xに対応するデューティ比を0.25とし、CD線速度10Xに対応するデューティ比を0.55とに設定した。そして、この値を直線でつなぐことにより、CD線速度8Xに対応するデューティ比を0.45に設定した。
【0066】
図8は、このような実施の形態1においてCAV方式で光ディスクに情報を記録する際、記録コントロール部6で行われる処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下に述べる処理の指示は、図1に示した信号dの一部として記録コントロール部6から出力されるものである。
【0067】
図8のフローチャートでは、先ず、最内周の記録線速度に対応したデューティ比である初期デューティ比(0.25)を設定する(S1)。そして、レーザ光の照射を受ける光ディスク1の径方向の位置(以降、光ディスク位置と記す)を検出する(S2)。
【0068】
次に、記録コントロール部6は、ステップS2で検出された位置からデューティ比を変更する必要があるか否かを判断する(S3)。この判断の結果、デューティ比を変更する必要がある場合、つまり、この光ディスク位置においてCD線速度8Xに対応するデューティ比(0.45)のマルチパルス部を含む記録パルス列を使用することが必要である場合には(S3:Yes)、マルチパルス部のデューティ比を変更する(S4)。一方、ステップS3の判断で、マルチパルス部のデューティ比を変更する必要が無い場合には(S3:No)、先に設定されたデューティ比を維持しながら光ディスク位置検出を繰り返す(S2)。
【0069】
次に、記録コントロール部6は、光ディスク1に対する記録が終了したか否か判断する(S5)。この判断の結果、記録が終了していなければ(S5:No)、再び光ディスク1の径方向の位置を検出する(S2)。そして、ステップS2で検出された位置からデューティ比を変更する必要があるか否かを判断する(S3)。この判断の結果、デューティ比を変更する必要がある場合、つまり、この光ディスク位置においてCD線速度10Xに対応するデューティ比(0.55)のマルチパルス部を含む記録パルス列を使用することが必要である場合には(S3:Yes)、マルチパルス部のデューティ比を変更する(S4)。一方、ステップS5の判断で、記録が終了していれば(S5:Yes)、すべての記録処理を終了する。
【0070】
以上説明した実施の形態1によれば、記録線速度がCD線速度10X以下であれば、記録線速度によらず良好な記録マークを形成することができる。このため、比較的高い記録線速度で情報を記録でき、かつ、高品質の光ディスクを提供することができる。そして、CAV方式、ZCAV方式といった光ディスク1の径方向における位置によって記録線速度が変化する方式によって情報を記録する場合にも、光ディスク1の全面にわたって良好な記録マークを形成することができ、光ディスクの品質を高めることができる。
【0071】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2は、電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録装置である。そして、実施の形態1と同様に、回転する光ディスクに対し、高パワー信号と、低パワー信号とが、所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部mpと、消去信号Seとを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録するピックアップ3、レーザ駆動回路4、記録パワー設定回路5、記録コントロール部6を有している。そして、この記録パルスのデューティ比が、情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度に応じて変更されるように構成されたものである。
【0072】
すなわち、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、図7に示したデータから、各記録線速度における情報の記録に使用可能なマルチパルス部のデューティ比の範囲を、CD線速度4Xでデューティ比0.2から0.4、CD線速度8Xでデューティ比0.4から0.55、CD線速度10Xでデューティ比0.5から0.625と決定した。そして、この範囲でデューティ比を変更しながら光ディスク1に対してCAV方式、あるいはMCAV方式で情報を記録する。
【0073】
ただし、実施の形態2では、記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、記録線速度の変化範囲の下限がCD線速度4Xである場合、記録パルスのデューティ比を、光ディスクの径方向における位置に応じて以下に述べるように変更する。なお、ここでは、デューティ比変更の設定として3通りの設定(デューティ比変更設定A、デューティ比変更設定B、デューティ比変更設定C)について述べる。この設定は、光ディスクにおける情報の書き込み条件に応じて適したものが任意に選択されるものである。
【0074】
デューティ比変更設定A
図9は、デューティ比変更設定Aを説明するための図であって、縦軸にマルチパルス部のデューティ比を、横軸に光ディスク1の径方向の位置を示している。デューティ比変更設定Aは、デューティ比が記録線速度に略比例して変更されるようにする設定である。このような変更の方法は、実施の形態1で説明したCD線速度4Xに対応するデューティ比を0.25とし、CD線速度10Xに対応するデューティ比を0.55ととした設定と実質的に同様のものである。
【0075】
デューティ比変更設定B
図10は、デューティ比変更設定Bを説明するための図であって、縦軸にマルチパルス部のデューティ比を、横軸に光ディスク1の径方向の位置を示している。デューティ比変更設定Bは、マルチパルス部のデューティ比が、変更範囲内において、少なくとも、第1の傾きを持って記録線速度に略比例して変更される記録線速度第1比例範囲aと、第2の傾きを持って記録線速度に略比例して変更される記録線速度第2比例範囲bとを有するように変更されるものである。
【0076】
デューティ比変更設定C
図11は、デューティ比変更設定Cを説明するための図であって、縦軸にマルチパルス部のデューティ比を、横軸に光ディスク1の径方向の位置を示している。デューティ比変更設定Cは、マルチパルス部のデューティ比が、変更範囲内において、記録線速度によらず一定の値をとる記録線速度一定範囲cと、記録線速度に略比例して変更される記録線速度比例範囲dとを有するように変更されるものである。
【0077】
このような実施の形態2によれば、上記したいずれのデューティ比変更設定を用いても、光ディスク1の全面にわたって良好な初期特性、およびオーバーライトを1000回行った後においてもランドジッタが低い良好な再生信号が得られる記録マークを形成することができた。
【0078】
次に、以上説明した実施の形態2において記録コントロール部6によってなされる処理を、図12ないし図14に示したフローチャートを用いて説明する。なお、以下に述べる処理の指示は、図1に示した信号dの一部として記録コントロール部6から出力されるものである。
【0079】
図12は、実施の形態2の処理を説明するためのメインルーチンである。図12に示した処理では、先ず、最内周の記録線速度に対応したデューティ比である初期デューティ比を設定する(S11)。そして、たとえば、オペレータによって指示されたデューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Aであるか否か判断する(S12)。
【0080】
この判断の結果、デューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Aであれば(S12:Yes)、デューティ比変更設定Aサブルーチンを実行し、デューティ比変更設定Aにしたがってデューティ比を変更する(S16)。なお、デューティ比変更設定Aサブルーチンは、実質的に図8に示した処理と同様のものであるため、ここでは説明を省くものとする。
【0081】
また、ステップS12の判断の結果、デューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Aでない場合には(S12:No)、続いてデューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Bであるか否か判断する(S13)。この判断の結果、デューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Bであれば(S13:Yes)、デューティ比変更設定Bサブルーチンを実行し、デューティ比変更設定Bにしたがってデューティ比を変更する(S15)。
【0082】
ここで、図13を用い、デューティ比変更設定Bサブルーチンを説明する。図13に示したデューティ比変更設定Bサブルーチンでは、記録線速度第1比例範囲aの傾き(傾きデータ1)を設定し(S21)、光ディスク位置を検出する(S22)。次に、記録コントロール部6は、ステップS22で検出された光ディスク位置から傾きデータを変更する必要があるか否かを判断する(S23)。
【0083】
この判断の結果、傾きデータを変更する必要が無い場合には(S23:No)、ステップS22で検出された光ディスク位置に基づいてデューティ比の変更が必要であるか否か判断する(S24)。この判断の結果、デューティ比の変更が必要である場合には(S24:Yes)、傾きデータ1にしたがってデューティ比を変更し(S25)、再び光ディスク位置を検出する(S22)。
【0084】
一方、ステップS23の判断で、傾きデータを変更する必要がある場合、つまり、光ディスク位置が記録線速度第2比例範囲bに相当する径位置に達した場合には(S23:Yes)、傾きデータ1に代えて記録線速度第2比例範囲bの傾きである傾きデータ2を設定する(S26)。そして、光ディスク位置を検出し(S27)、検出された光ディスク位置に基づいて、デューティ比の変更が必要であるか否か判断する(S28)。
【0085】
ステップS28の判断の結果、デューティ比の変更が必要である場合には(S28:Yes)、傾きデータ2にしたがってデューティ比を変更し(S29)、光ディスク1に対する記録が終了したか否か判断する(S30)。この判断の結果、記録が終了していない場合には(S30:No)、再び光ディスク位置を検出し(S27)、記録が終了するまでデューティ比変更を繰り返す((S27)〜(S29))。一方、ステップS30の判断で、記録が終了していれば(S30:Yes)、メインルーチンにリターンする。
【0086】
さらに、図12に示したステップS13において、デューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Bでない場合には(S13:No)、デューティ比変更の設定がデューティ比変更設定Cであるとしてデューティ比変更設定Cサブルーチンを実行し(S14)、デューティ比変更設定Cにしたがってデューティ比を変更する。
【0087】
ここで、図14を用い、デューティ比変更設定Cサブルーチンを説明する。デューティ比変更設定Cサブルーチンでは、先ず、最内周の記録線速度に対応したデューティ比である初期デューティ比(記録線速度一定範囲cにおけるデューティ比)を設定する(S41)。そして、レーザ光が照射される光ディスク位置を検出する(S42)。
【0088】
次に、記録コントロール部6は、ステップS42で検出された位置からデューティ比を変更する必要があるか否かを判断する(S43)。この判断の結果、デューティ比を変更する必要がある場合、つまり、この光ディスク位置が記録線速度比例範囲dに達していれば(S43:Yes)、記録線速度比例範囲dに応じた傾きデータを設定する(S44)。一方、ステップS43の判断で、デューティ比を変更する必要が無い場合には(S43:No)、先に設定されたデューティ比を維持しながら光ディスク1に対して記録マークを形成する。
【0089】
次に、記録コントロール部6は、光ディスク1の位置を検出し(S45)、この位置からデューティ比を変更する必要があるか否かを判断する(S46)。この判断の結果、デューティ比を変更する必要が無い場合には(S46:No)、先に設定されたデューティ比を維持しながら光ディスク1に対して記録マークを形成する。
【0090】
一方、ステップS46の判断で、デューティ比を変更する必要がある場合には(S46:Yes)、デューティ比を変更して(S47)記録が終了したか否か判断する(S48)。そして、ステップS48の判断の結果、記録が終了していれば図12に示したメインルーチンにリターンし(S48:Yes)、記録が終了していない場合には(S48:No)、終了するまで光ディスク位置の検出とデューティ比の変更を繰り返す((S45)〜(S47))。
【0091】
以上説明した実施の形態2によれば、光ディスク1の径方向の位置による記録線速度の変化によらず、光ディスクの全面にわたって良好な記録マークを形成することができ、CAV方式、あるいはCMV方式といった記録線速度が変化する方式で記録された光ディスクの品質を高めることができる。また、デューティ比変更設定Aを採用してデューティ比を変更した場合には、比較的簡易な制御で記録パルスのデューティ比を変更することができ、光記録装置の構成を簡易化することができる。
【0092】
また、デューティ比変更設定Bを採用してデューティ比を変更した場合には、記録線速度に応じた最適なデューティ比を選択し、光ディスクの全面にわたってより良好な記録マークを形成することができる。さらに、デューティ比変更設定Cを採用してデューティ比を変更した場合には、記録パルスのデューティ比変更のためのメモリ、あるいはカウンタなどを小型化でき、光記録装置の構成を簡易化することができる。
【0093】
なお、本発明は、以上述べた構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に適用される光ディスクは、実施の形態1で説明した構成および材料に限定されるものでなく、相変化型のCD−RWとして構成された光ディスクであれば、どのような構成および材料でなるものであっても良い。
【0094】
また、本発明の実施の形態1、実施の形態2では、光記録装置をCLV方式、CAV方式の両方に対応できるものとしている。しかし、本発明の光記録装置は、CLV方式あるいはCAV方式のいずれかに専用に構成されたものであっても良い。さらに、本発明の実施の形態2では、デューティ比変更設定A、デューティ比変更設定B、デューティ比変更設定Cのすべてのデータを内蔵し、これを適宜選択するように構成したが、本発明の光記録装置は、このうちのいずれかを内蔵し、いずれかの設定に基づく光ディスクの記録を専用に実行するものであっても良い。
【0095】
なお、本実施の形態1、実施の形態2で説明した光記録方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現される。このプログラムは、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、また伝送媒体として、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。
【0099】
【発明の効果】
請求項1および4に記載の発明は、光ディスクの径方向の位置による記録線速度の変化する場合でも、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に応じた最適なデューティ比が選択されるので、光ディスクの全面にわたって良好な記録マークを形成することができ、記録線速度が変化する方式で記録された光ディスクの品質を高めることができる。また、比較的簡易な制御で記録パルスのデューティ比を変更することができ、光記録装置の構成を簡易化することができる。
【0102】
請求項2および5に記載の発明は、記録パルスのデューティ比変更のためのメモリ、あるいはカウンタなどを小型化でき、光記録装置の構成を簡易化することができる。
【0103】
請求項3および6に記載の発明は、CAV方式、MCAV方式によって情報を記録する場合にも、光ディスクの全面にわたって良好な記録マークを形成することができ、CAV方式、MCAV方式で記録された光ディスクの品質を高めることができる。
【0104】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことで、そのプログラムを機械読み取り可能となり、これによって、請求4〜6のいずれか一つに記載された動作をコンピュータによって実現することが可能な記録媒体が得られるという効果を奏する。
【0105】
以上述べたように、本発明の請求項1ないし請求項7に記載の発明は、CD線速度4X以上の線速度で行われる情報の記録、書き換えに適した光記録装置、光記録方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。また、本発明は、CD線速度4X以上の線速度で行われる情報の記録、書き換えに際し、CLV方式、CAV方式のいずれにおいても読み誤りなどの発生が少ない初期特性を有する光ディスクを提供でき、かつ、書き換え可能な光ディスクのオーバーライト性能を向上できる光記録装置、光記録方法およびその方法を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1、実施の形態2で共通の光記録装置を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した光ディスクの構成を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態1、実施の形態2で共通の記録パルス列を説明する図である。
【図4】本発明における実施の形態1において、CLV方式(CD線速度4X)で記録マークを形成した光ディスクのランドジッタおよび記録信号の最適記録パワーとマルチパルス部のデューティ比との関係を示す図である。
【図5】本発明における実施の形態1において、CLV方式(CD線速度8X)で記録マークを形成した光ディスクのランドジッタおよび記録信号の最適記録パワーとマルチパルス部のデューティ比との関係を示す図である。
【図6】本発明における実施の形態1において、CLV方式(CD線速度10X)で記録マークを形成した光ディスクのランドジッタおよび記録信号の最適記録パワーとマルチパルス部のデューティ比との関係を示す図である。
【図7】本発明における実施の形態1で定められた、記録線速度と各記録線速度について使用可能なデューティ比との関係を示す図である。
【図8】本発明における実施の形態1においてCAV方式で光ディスクに情報を記録する際、記録コントロール部で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明における実施の形態2のデューティ比変更設定Aを説明するための図である。
【図10】本発明における実施の形態2のデューティ比変更設定Bを説明するための図である。
【図11】本発明における実施の形態2のデューティ比変更設定Cを説明するための図である。
【図12】本発明における実施の形態2の処理を説明するためのフローチャートのメインルーチンである。
【図13】本発明における実施の形態2の処理を説明するためのフローチャートのサブルーチンである。
【図14】本発明における実施の形態2の処理を説明するためのフローチャートの他のサブルーチンである。
【図15】光ディスクの線速度と記録マークの形状との一般的な関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光ディスク
2 駆動部
3 ピックアップ
4 レーザ駆動回路
5 記録パワー設定回路
6 記録コントロール部
7 再生信号振幅モニタ回路
8 信号振幅演算回路
11 基板
12 保護層
13 記録層
14 保護層
15 反射放熱層
16 オーバーコート層
17 印刷層
18 ハードコート層
Claims (7)
- 電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録装置であって、
回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録手段を有してなり、
情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録手段で用いられる前記記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、少なくとも、第1の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第1比例範囲と、該第1の傾きと異なる第2の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第2比例範囲とを有するように変更されることを特徴とする光記録装置。 - 電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録装置であって、
回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録手段を有してなり、
情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録手段で用いられる前記記録パルスのデューティ比は、前記変化範囲内において、光ディスクの径方向における記録対象となる位置によらず一定の値をとる記録線速度一定範囲と、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される記録線速度比例範囲とを有するように変更されることを特徴とする光記録装置。 - 前記情報記録手段は、CAV記録方式、またはMCAV記録方式で光ディスクに情報を記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録装置。
- 電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録方法であって、
回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録工程を含み、
情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録工程で用いられる前記記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、少なくとも、第1の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第1比例範囲と、該第1の傾きと異なる第2の傾きを持って、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される第2比例範囲とを有するように変更されることを特徴とする光記録方法。 - 電磁波を照射することにより光ディスクを相変化させ、情報の記録、書き換えを行う光記録方法であって、
回転する光ディスクに対し、第1のパワーレベルを持つ高パワー信号と当該第1のパワーレベルよりも低い第2のパワーレベルを持つ低パワー信号とが所定のデューティ比で交互に繰り返し発生するマルチパルス部と、第3のパワーレベルを持つ消去信号とを少なくとも含む記録パルス列を用い、PWM方式で情報を記録する情報記録工程を含み、
情報を記録する際の光ディスクの円周方向の速度である記録線速度が光ディスクの径方向における位置によって変化し、かつ、前記記録線速度の変化範囲の下限が書込基準線速度である1.2〜1.4m/sの4倍以上である場合、前記情報記録工程で用いられる前記記録パルスのデューティ比が、前記変化範囲内において、光ディスクの径方向における記録対象となる位置によらず一定の値をとる記録線速度一定範囲と、光ディスクの径方向における記録対象となる位置に略比例して変更される記録線速度比例範囲とを有するように変更されることを特徴とする光記録方法。 - 前記情報記録工程は、CAV記録方式、またはMCAV記録方式で光ディスクに情報を記録することを特徴とする請求項4又は5に記載の光記録方法。
- 前記請求項4〜6のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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