JP3845722B2 - 超塑性ステンレス鋼材の製造方法及びステンレス鋼材の超塑性加工方法 - Google Patents

超塑性ステンレス鋼材の製造方法及びステンレス鋼材の超塑性加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超塑性加工用ステンレス鋼材の製造法に関し、特に小さな荷重で加工することができ、割れの発生しにくいステンレス鋼材の超塑性加工方法及びステンレス鋼材の超塑性加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは例えば図3にその概要を示すように、オーステナイト系ステンレス鋼にその温度以下で塑性加工を加えるとマルテンサイト変態する温度(以下Md点という)以下で85%以上の塑性加工を加え、ほぼ全量をマルテンサイト(以下α’という)とし、これを直接、その温度以上ではα’がオーステナイト(以下γという)に逆変態する温度(以下As点という)以上で変形させる方法を提案している(特許 第2916619号)。
【0003】
また、As点以上での焼なましの後にAs点以上で変形させると、超塑性挙動を発現することを明らかにした(社団法人日本鉄鋼協会発行「鉄と鋼」Vol80(1994),No.3、第67〜71頁参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術においては超塑性ステンレス鋼の製造過程において冷間強加工が必要であり、その製造には大きな荷重を素材に加える必要があるため大型の部材の製造が困難である(課題1)。
【0005】
さらに、比較的脆性の高いマルテンサイトに強加工を加えるために割れが発生し、材料歩留まりが悪いという問題もある(課題2)。
【0006】
したがって本発明はこれら問題点を解決し、効率の良い超塑性オーステナイト系ステンレス鋼材の製造法及びステンレス鋼材の超塑性加工方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
オーステナイト系ステンレス鋼が超塑性挙動を示すようにするには、従来はオーステナイト系ステンレス鋼にMd点以下の温度で約90%以上の強加工を加える必要があった。これは、Md点以下での加工によりα’を生成させ、しかも大きなひずみを与えることで、これをAs点以上に保持したときにα’からγへの逆変態挙動を伴う再結晶によって、結晶粒径約1μm 以下の非常に微細な結晶粒組織を生成させるためには、加工とα’生成が同時進行することが不可欠と考えられていたからである。
【0008】
しかしながら本発明者らはα’生成と加工を別々に行っても、α’の含有率と加えられる加工率の総量が等しければ、逆変態を伴う再結晶挙動は等しいであろうと予想し、それを実験により確認した。
【0009】
この事実と、一般に金属材料は温度が高いほど変形加重が低くなるということから、必要最小限の冷間加工によりマルテンサイトを生成させ、その後As点以下の温度に加熱してひずみを加える方法を発明した。これにより前記課題1を解決することができたものである。
【0010】
さらに、α’よりはγの方が延性が高いことに注目し、Md点以上再結晶温度以下でオーステナイト系ステンレス鋼に加工の大部分を加え、その後、必要最小限の冷間加工あるいは深冷処理によりマルテンサイトを生成させ、従来の超塑性加工用ステンレス鋼の製造法である約90%の冷間加工に代用する方法を発明した。これにより前記課題2を解決することができたものである。
【0011】
本発明についてより具体的には、請求項1に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMs点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加えることを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法としたものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMd点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加え、その後As点以上で焼なますことを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法としたものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMd点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加え、これをAs点以上の温度で超塑性加工する事を特徴とするステンレス鋼材の超塑性加工方法としたものである。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させることを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法としたものである。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させ、その後As点以上で焼なますことを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法としたものである。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させ、これをAs点以上の温度で超塑性加工する事を特徴とするステンレス鋼材の超塑性加工方法としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1はその本発明によるステンレス鋼材の超塑性加工方法を適用した製造工程の概略を示したものであり、その温度以下で塑性加工を加えるとマルテンサイト変態する温度(Md)以下で冷間加工し、マルテンサイトを生成させる(工程1)。次いでこれを加熱し、温間において強加工を施す(工程2)。その際には小さな荷重で強加工を行うことができる。その後、その温度以上ではマルテンサイトがオーステナイトに逆変態する温度(As)以上で焼きなまし或いは加工を行う(工程3)。
【0018】
図2は更に本発明によるステンレス鋼材の超塑性加工方法を適用した他の製造工程の概略を示したものであり、その温度以下で塑性加工を加えるとマルテンサイト変態する温度(Md)以上で温間加工する(工程1)。このときの加工においては、割れは発生しない。これを前記Md点以下の温度で最小限の冷間加工を行う(工程2)。この加工においては、割れの発生は最小限に押さえられる。その後、その温度以上ではマルテンサイトがオーステナイトに逆変態する温度(As)以上で焼きなまし或いは加工を行う(工程3)。
(実施例)
【0019】
以下に、本発明により、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304を超塑性加工用ステンレス鋼材に調整し、従来法と同様の超塑性挙動を示すことを確認した例を示す。
【0020】
使用した素材は溶体化処理済みの市販SUS304板材(板圧12mm)であり、これより、厚さ10mmの圧延用小片を切り出して、比較実験を行った。
【0021】
従来法の超塑性ステンレス鋼の製造は、この圧延用小片を氷水で冷却しながら、厚さ1mmまで圧延(圧下率=90%)した(以下、従来材という)。
【0022】
本発明のうち、図1によるものは、、圧延用小片を氷水で冷却しながら厚さ2.5mmまで圧延(圧下率=75%)し、次に、素材を300℃に加熱しながら厚さ1mmまで圧延(積算圧下率=90%)した(以下、実施例1という)。
【0023】
本発明のうち図2によるものは、圧延用小片を300℃まで加熱しながら厚さ4mmまで圧延し、次に、素材を氷水で冷却しながらしながら厚さ1mmまで圧延(冷間圧延の圧下率=75%、積算圧下率=90%)した(以下、実施例2という)。
【0024】
さらに比較材として厚さ4mmの圧延用小片を切り出して氷水で冷却しながら厚さ1mmまで圧延(圧下率=75%)したもの(以下、比較材という)も使用した。
【0025】
圧延後の材料の外観を観察したところ、従来材では、比較的多くの耳割れが発生していたが、本発明では少なかった。
【0026】
これら4つの材料に700℃×3600秒の焼なましを加え、これらより引張試験片を切り出してJIS7号試験片を使用して700℃で毎秒1/10000のひずみ速度で引張試験を行った。
【0027】
この結果、従来材は312%の伸びを示し、超塑性挙動を示していると考えられる。
【0028】
そして実施例1は383%の伸びを示し、実施例2は364%の伸びを示した。これより実施例1も実施例2も超塑性ステンレス鋼材となっていることが確認できる。
【0029】
さらに比較材は228%しか伸びを示さないことから、実施例1や実施例2で実行した温間加工は、超塑性ステンレス鋼材を製造するのに効果を示したことも証明できる。
【0030】
これにより、製造に必要な加工の荷重を低くし、また、製造途中での割れが少なく、材料歩留まりの高い超塑性ステンレス鋼材の製造法が提供できたことが確認できる。
【0031】
なお、実施例1と実施例2はマルテンサイト変態させる前あるいは、後のいずれかのみに、温間の塑性加工を加えているが、その両方に温間加工を加えたものも本発明の範囲に含まれることはもちろんである。
【0032】
また、この方法は超塑性加工前の焼なましを施さずに、前記のように本発明者らが提案した特許第2916619号の超塑性加工法に準用してAs点以上で直接加工することが可能であることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、小さな荷重で加工することができ、割れの発生しにくい超塑性オーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法及びステンレス鋼材の超塑性加工方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超塑性ステンレス鋼材の製造方法における第1の製造工程の態様を示す図である。
【図2】本発明による超塑性ステンレス鋼材の製造方法における第2の製造工程の態様を示す図である。
【図3】従来方法の製造工程の態様を示す図である。

Claims (6)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMs点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加えることを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法。
  2. オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMd点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加え、その後As点以上で焼なますことを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法。
  3. オーステナイト系ステンレス鋼をマルテンサイト変態させ、次いでMd点以上As点以下の温度に加熱して塑性加工を加え、これをAs点以上の温度で超塑性加工する事を特徴とするステンレス鋼材の超塑性加工方法。
  4. オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させることを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法。
  5. オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させ、その後As点以上で焼なますことを特徴とする超塑性ステンレス鋼材の製造方法。
  6. オーステナイト系ステンレス鋼にMd点以上再結晶温度以下の温度で塑性加工を加え、次いでマルテンサイト変態させ、これをAs点以上の温度で超塑性加工する事を特徴とするステンレス鋼材の超塑性加工方法。
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