JP3845575B2 - ファイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表紙に対して重ね合わせた綴じ具を留め具にて固定してなるファイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙片の一端縁に規定ピッチで複数の孔を穿設し、この孔にリング形成体を挿通することによって多数の紙片をまとめて綴じることができるようにしたリングファイルが、書類整理を行うために一般に多用されている。
【0003】
一方、近時、資源再利用の機運が高まるに連れて資源ごみの分別収集がより一層徹底される傾向にあり、上記リングファイルも例外ではなく、互いに異なる材料からなる綴じ具の部分と表紙の部分とが容易に分離し得るように構成されることが望まれている。但し、このようなリングファイルの組み立て工程が煩雑になることは好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、通常使用時に於ける表紙と綴じ具との結合強度と、廃棄時の表紙と綴じ具との分解容易性とは、互いに反対の特性であり、両者を両立することは極めて困難である。
【0005】
本発明は、このような従来技術に課せられた問題点、即ち、通常使用時の強度を重視すると分解が厄介となり、分解容易性を重視すると強度が不足しがちとなる点を解消し、通常使用時の強度を阻害することなく、廃棄時に表紙と綴じ具とをより一層容易に分解することができ、かつ組み立ても容易なように構成されたファイルを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明は、内部に通孔4cが設けられた首部4b、該首部の一端に設けられた拡頭部4a、及び前記首部の他端に設けられた径方向内向きに変位可能な弾発係合部4eを有する係合部材4と、前記通孔に挿入/離脱可能であり且つ前記通孔に挿入することによって前記弾発係合部の内向き変位を禁止するためのロック部材5とから構成された留め具3を、表紙1及び綴じ具2に形成された孔7・8に挿入することにより、互いに重ね合わせた前記表紙または前記綴じ具の前記孔の開口部に前記弾発係合部を係合させて前記拡頭部と前記弾発係合部との間で前記表紙と前記綴じ具とを結合させてなるファイルに於いて、前記留め具は、軸方向に押圧すると断裂する結合部3aを介して前記ロック部材と前記係合部材とが一体成型されたものであり、互いに重ね合わせた前記表紙及び前記綴じ具の前記孔に前記首部を挿入した状態で前記ロック部材と前記係合部材とに軸方向押圧力を加えると、前記結合部が断裂して前記ロック部材が前記通孔に挿入されることを特徴とするものとした。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明が適用された例えば30穴式のリングファイルの要部構成を示している。このリングファイルは、例えば厚紙にビニールレザーで表装した表紙1と、金属材で構成された綴じ具2とからなっており、綴じ具2は、背表紙1aの内面に複数の留め具3を用いて固定されている。
【0009】
背表紙1aに綴じ具2を固定する前の状態の留め具3は、図2に示したように、係合部材4と、この係合部材4の係わり合い状態を維持するためのロック部材5とからなっている。係合部材4は、拡頭部4aと、首部4bと、拡頭部4a及び首部4bを貫通する通孔4cと、後記弾発係合部4eを通孔4c内方に撓み易くすべく首部4bに形成された複数の軸線方向スリット4dと、首部4bの遊端外周に形成された弾発係合部4eとからなっている。また、ロック部材5は、上記係合部材4の通孔4cに挿入するべくこの通孔4cを埋める形状をなしている。
【0010】
ここで、背表紙1aに綴じ具2を固定する前の状態では、ロック部材5は、通孔4cの拡頭部4a側開口部に結合部3aを介して結合されている。更に具体的には、係合部材4とロック部材5とは同じ合成樹脂材にて一体成型され、綴じ具2を固定する前には1部品として取り扱うことができるようになっている。
【0011】
一方、綴じ具2及び背表紙1aには、上記係合部材4の首部4bを挿通すべく首部4bと略同一径寸法の複数の孔7、8が形成されている。
【0012】
次に背表紙1aに対する綴じ具2の固定要領について説明する。まず、背表紙1aと綴じ具2とを対応する孔7、8が整合するように重ね合わせ、孔7、8を介して留め具3における係合部材4の首部4bを背表紙1a側から綴じ具2に貫通させ、綴じ具2の孔7の開口部7aに弾発係合部4eを係わり合わせ、拡頭部4aと弾発係合部4eとの間に背表紙1aと綴じ具2とを挟んだ状態とする。そして、係合部材4の拡頭部4a側から通孔4cに向けてロック部材5を押圧し、結合部3aを断裂させてロック部材5を通孔4cに挿入する。これにより、弾発係合部4eが縮径できなくなり、係合部材4の係わり合い状態が解除されることが禁止(抜け止め)される(図3)。
【0013】
ロック部材5を係合部材4の拡頭部4a側に一体形成することにより、組み付けを一方向から行うことができ、その作業容易性を高めることができる。
【0014】
次に表紙1と綴じ具2との分解要領について説明する。まず、拡頭部4aと相反する側からロック部材5の先端5aを矢印に示すように押圧してロック部材5を離脱させる。そして、例えば綴じ具2のベース部2aと背表紙1aとの間にマイナスドライバの先端を差し込んで抉るなどして弾発係合部4eを通孔4c内方に撓ませて開口部7aとの係わり合い状態を解除する。これにより、孔7、8から係合部材4が脱落し、表紙1と綴じ具2とを分解することができる。
【0015】
尚、上記実施の形態は、本発明をリングファイルに適用したものについて説明したが、本発明は、パイプ式ファイル等、他の形式のファイルにも同様に適用できることは云うまでもない。また、上記構成では、ロック部材5を係合部材4の拡頭部4a側に一体形成したが、拡頭部4aと相反する側、即ち弾発係合部4eに一体形成しても良い。但し、その場合、弾発係合部4eの動作を妨げないように部分的に結合する構造とすると良い。
【0016】
【発明の効果】
このように本発明によれば、拡頭部と、内部に通孔を有する首部と、その外周に形成されると共に通孔の内方に撓んで孔の開口部に弾発的に係わり合い/解除する弾発係合部とを有する係合部材と、上記通孔に挿入/離脱可能であり、これに挿入することによって弾発係合部の係わり合う状態を維持し、離脱することによって係わり合う状態を解除容易とするロック部材とから構成され、ロック部材が、通孔に挿入する前にはこの通孔に挿入可能な位置にて係合部材と一体をなしている留め具により、表紙に対して綴じ具を固定することで通常は表紙に対して綴じ具が堅固に固定され、分解時にはロック部材を離脱させ、解除容易な状態となった係合部材の係わり合いを解除するのみで表紙と綴じ具とを容易に分離させることが可能となる。しかも、留め具を構成する係合部材とロック部材とが組み付け前に1部品として扱うことができるため、表紙に対する綴じ具の取付工程が簡便になると共に部品管理が容易になる。更に綴じ具並びに表紙自体には変更を加える必要がないために製造コストに及ぼす影響も殆どない。特にロック部材が係合部材の拡頭部側にてこれと一体をなすものとすることにより、組み付けを一方向から行うことができ、その作業容易性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたリングファイルの要部斜視図。
【図2】表紙に綴じ具を固定する留め具のみの拡大断面図。
【図3】表紙に綴じ具を固定した部分の拡大断面図。
【符号の説明】
1 表紙
1a 背表紙
2 綴じ具
2a ベース部
3 留め具
4 係合部材
4a 拡頭部
4b 首部
4c 通孔
4d 軸線方向スリット
4e 弾発係合部
5 ロック部材
7、8 孔
7a 開口部
Claims (1)
- 内部に通孔が設けられた首部、該首部の一端に設けられた拡頭部、及び前記首部の他端に設けられた径方向内向きに変位可能な弾発係合部を有する係合部材と、前記通孔に挿入/離脱可能であり且つ前記通孔に挿入することによって前記弾発係合部の内向き変位を禁止するためのロック部材とから構成された留め具の前記首部を、表紙及び綴じ具に形成された孔に挿入することにより、互いに重ね合わせた前記表紙または前記綴じ具の前記孔の開口部に前記弾発係合部を係合させて前記拡頭部と前記弾発係合部との間で前記表紙と前記綴じ具とを結合させてなるファイルであって、
前記留め具は、軸方向に押圧すると断裂する結合部を介して前記ロック部材と前記係合部材とが一体成型されたものであり、
互いに重ね合わせた前記表紙及び前記綴じ具の前記孔に前記首部を挿入した状態で前記ロック部材と前記係合部材とに軸方向押圧力を加えると、前記結合部が断裂して前記ロック部材が前記通孔に挿入されることを特徴とするファイル。
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2001
- 2001-12-05 JP JP2001371332A patent/JP3845575B2/ja not_active Expired - Fee Related
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