JP3843547B2 - 長尺床材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐傷性、耐汚れ性、耐凹み性、柔軟性などの諸物性を総合的に改善したポリオレフィン系の長尺床材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビルやマンションのフローリングには、塩化ビニル樹脂製の床材が多用されている。しかし、塩化ビニル樹脂製の床材は、火災時に有害な塩化水素ガスを含んだ煙を多量に発生するため、人体に悪影響を及ぼし、避難行動や消火活動を妨げるという問題がある。また、可塑剤や安定剤を多量に含むため、臭気が強いという問題もある。
【0003】
そこで、本発明者らはハロゲンを含まないポリプロピレンに注目し、ポリプロピレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウム等を配合して成る床材を提案した(特願平5−296154号)。
【0004】
この床材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合しているため、それまでのポリプロピレン製の床材に見られたような脆さがないといった利点を有し、耐汚れ性や耐傷性もある程度は改善されるという利点を有するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のポリプロピレン製の床材のようにエチレン−酢酸ビニル共重合体を配合するだけでは、床材に要求される耐汚れ性、耐傷性、柔軟性などの諸物性を充分に改善できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性、柔軟性などの諸物性を改善したポリオレフィン系の長尺床材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る長尺床材は上地層と下地層を有する長尺床材であって、上地層は、30〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を69〜5重量部、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性されたオレフィン系樹脂を1〜25重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であり、下地層は、25〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を74〜15重量部、上記の変性オレフィン系樹脂を1〜15重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であることを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2に係る長尺床材は、上記請求項1の長尺床材において、ポリオレフィンが低密度ポリエチレンであることを特徴とし、
請求項3に係る長尺床材は、上記請求項1又は請求項2の長尺床材において、上地層の表面に、該上地層よりも耐汚れ性及び耐傷性の良好な樹脂膜が形成されていることを特徴とし、
請求項4に係る長尺床材は、請求項3の長尺床材において、樹脂膜が、紫外線硬化型樹脂塗料、エマルジョン樹脂塗料、水性樹脂塗料のいずれかの塗膜であることを特徴とし、
請求項5に係る長尺床材は、上記請求項3又は請求項4の長尺床材において、上地層の表面がコロナ放電処理もしくはプラズマ放電処理もしくは電子線照射処理されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1の長尺床材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を上地層に69〜5重量部、下地層に74〜15重量部の割合で配合して、ポリオレフィン系床材の脆さを改善すると共に、更に、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性された変性オレフィン系樹脂を上地層に1〜25重量部、下地層に1〜15重量部の割合で配合して、上地層及び下地層における無機質充填材の混合分散性と相溶性を高めているため、脆さの改善効果が一層顕著である。しかも、上記の変性オレフィン系樹脂を配合すると、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性が向上して良質の長尺床材となる。
【0010】
材料のポリオレフィンとしては、請求項2の長尺床材に用いる低密度ポリエチレンが最適であり、かかる低密度ポリエチレンはエチレン−酢酸ビニル共重合体や上記の変性オレフィン系樹脂との相溶性に富み、良く調和するため、成形性、生産性等が向上する。低密度ポリエチレンの配合量の上限は、上地層においても下地層においても70重量部であり、これより多量に配合すると、長尺床材に必要な柔軟性が低下するので好ましくない。また、低密度ポリエチレンの配合量の下限は、上地層において30重量部、下地層において25重量部であた、これより少なくなると、耐汚れ性や耐凹み性が低下するので好ましくない。
【0011】
なお、無機質充填材の配合量は、上地層においても下地層においても50〜300重量部の範囲であり、これより多くなると長尺床材が脆弱化し、少なくなると床材の難燃性と寸法安定性が低下するといった不都合を生じる。
【0012】
また、請求項3の長尺床材のように、上地層の表面に、該上地層よりも耐汚れ性及び耐傷性の良好な樹脂膜が形成されていると、長尺床材の耐汚れ性及び耐傷性が上記の樹脂膜によって一層向上することになる。かかる樹脂膜としては、請求項4の長尺床材に用いられるような紫外線硬化型樹脂塗料、エマルジョン樹脂塗料、水性樹脂塗料などの塗膜が好適である。
【0013】
更に、請求項5の長尺床材のように、上地層の表面がコロナ放電処理もしくはプラズマ放電処理もしくは電子線照射処理されると、これらの処理によって上地層の表面が適度に肌荒れするため、この表面に形成された樹脂膜の接着性が大幅に向上して剥離の恐れが皆無に等しくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る長尺床材の概略断面図であって、下地層2の上に上地層1を積層一体化した2層構造の長尺床材を示している。
【0016】
この上地層1は、30〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を69〜5重量部、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性された変性オレフィン系樹脂、又は、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステルのいずれかとオレフィンとの二元もしくは三元共重合樹脂を1〜25重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であり、その好ましい厚みは0.5〜1.5mm程度であるが、特に限定されるものではない。
【0017】
また、下地層2は、25〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を74〜15重量部、上記の変性オレフィン系樹脂又は二元もしくは三元共重合樹脂を1〜15重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であり、その好ましい厚みは0.5〜1.5mm程度であるが、特に限定されるものではない。
【0018】
上地層1及び下地層2の主成分樹脂であるポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等が使用されるが、その中でも低密度ポリエチレン(比重0.93以下のもの)が好適に使用される。かかる低密度ポリエチレンは、他の改質用の樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体や、前記の変性オレフィン系樹脂又は二元もしくは三元共重合樹脂との相溶性に富んで良く調和するため、成形性や生産性の向上を図ることができる。
【0019】
低密度ポリエチレンの配合量の上限は、上地層1においても下地層2においても70重量部であり、これより多量に配合すると、長尺床材に要求される柔軟性が低下するので好ましくない。また、低密度ポリエチレンの配合量の下限は、上地層において30重量部、下地層において25重量部であり、これより少なくすると、耐汚れ性や耐凹み性が低下するので好ましくない。
【0020】
改質用の樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す)としては、酢酸ビニル含有率が15〜70重量%の範囲にある比較的軟質のEVAが好適に使用され、このようなEVAは柔軟性などの改善に有効に作用する。
【0021】
EVAの配合量の上限は、上地層1において69重量部、下地層2において74重量部であり、これらの上限を越えると、耐汚れ性や耐凹み性が低下するので好ましくない。また、EVAの配合量の下限は、上地層1において5重量部、下地層2において15重量部であり、これらの下限を下回ると、長尺床材に必要な柔軟性が低下するので好ましくない。
【0022】
もう一つの改質用樹脂である前記の変性オレフィン系樹脂としては、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性された低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、EVAなどが使用され、同じく改質用の共重合樹脂としては、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステルのいずれかとオレフィンとの二元もしくは三元共重合樹脂が使用される。特に、無水マレイン酸で変性された低(高)密度ポリエチレンやエチレン−アクリル酸エステル共重合体は好適に使用される。
【0023】
かかる変性オレフィン系樹脂や共重合樹脂は、耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性を改善するのに有効であり、また、前記のEVAと共に無機質充填材の混合分散性と相溶性を高めて脆さを改善するのにも有効なものである。
【0024】
上記の変性オレフィン系樹脂又は二元もしくは三元共重合樹脂の配合量の上限は、上地層1において25重量部、下地層2において15重量部であり、これらの上限を越えて多量に配合しても、それに見合うだけの顕著な改質効果の向上が期待できず、却って材料の無駄使いとなる。また、変性オレフィン系樹脂又は二元もしくは三元共重合樹脂の配合量の下限は、上地層1においても下地層2においても1重量部であり、これより少ないと上記の改質効果を得ることは困難となる。
【0025】
前記の無機質充填材としては、従来公知の種々の充填材を使用できるが、その中でも10μm以下の平均粒径を有する炭酸カルシウムの粉末や、この炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との混合粉末や、これらの粉末を表面処理したものが好適に使用される。炭酸カルシウム粉末を配合するだけでも長尺床材に難燃性を付与することはできるが、炭酸カルシウム粉末と水酸化アルミニウム粉末との混合粉末を配合すると、水酸化アルミニウムが熱分解時に水を放出するため、難燃性の高い長尺床材を得ることができる。
【0026】
かかる無機質充填材の配合量の上限は、上地層1においても下地層2においても300重量部であり、この上限を越えると長尺床材が脆弱化するので好ましくない。また、無機質充填材の配合量の下限は、上地層1においても下地層2においても50重量部であり、この下限を下回ると床材の難燃性と寸法安定性が低下するといった不都合を生じるので好ましくない。
【0027】
尚、上記の上地層1や下地層2には、必要に応じて顔料、過酸化系の架橋剤、カップリング剤、ビスアマイド等の滑剤、フェノール系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤など、各種の添加剤を少量含有させてもよい。また、床地面に対する接着性を向上させるために、下地層2にロジンを1〜15重量部の割合で配合したり、下地層2の下面に寒冷紗、不織布、織布、ガラス繊維、紙等の種々の繊維層(不図示)を熱圧着したり、接着性の良好なプライマー層(不図示)を形成してもよい。
【0028】
以上のような上地層1と下地層2からなる長尺床材は、例えば次の方法によって製造することができる。
【0029】
まず、30〜70重量部のポリオレフィンと、69〜5重量部のEVAと、1〜25重量部の変性オレフィン系樹脂又は共重合樹脂と、50〜300重量部の無機質充填材と、必要に応じて少量の添加剤とを混合し、押出機で造粒して粉粒体を造る。
【0030】
一方、25〜70重量部のポリオレフィンと、74〜15重量部のEVAと、1〜15重量部の変性オレフィン系樹脂又は共重合樹脂と、50〜300重量部の無機質充填材と、必要に応じて1〜15重量部のロジン及び少量の添加剤を混合し、押出機でシーティングして、下地層2となる長尺シートを造る。
【0031】
そして、この長尺シートの上に前記の粉粒体を積層して加熱し、加圧ロール等で加圧一体化して長尺床材を製造する。尚、裏面に寒冷紗等の繊維層を設ける場合は、長尺シートの下側に寒冷紗等を重ねて加圧ロール等で同時に圧着すればよい。
【0032】
図2は本発明の他の実施形態に係る長尺床材の概略断面図である。
【0033】
この長尺床材は、下地層2の上に上地層1を積層一体化し、この上地層1の表面に、上地層1よりも耐汚れ性及び耐傷性の良好な樹脂膜3を形成したものである。この樹脂膜3は紫外線硬化型樹脂塗料、エマルジョン樹脂塗料、水性樹脂塗料のいずれかの塗膜であって、0.01〜0.1mm程度の膜厚を有するものである。
【0034】
樹脂膜3の形成に好ましい紫外線硬化型樹脂塗料としては、ウレタン系紫外線硬化型樹脂塗料、エステル系紫外線硬化型樹脂塗料、アクリル系紫外線硬化型樹脂塗料、エポキシ系紫外線硬化型樹脂塗料、ジエン系紫外線硬化型樹脂塗料、シリコン系紫外線硬化型樹脂塗料などが挙げられ、好ましいエマルジョン樹脂塗料としては、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂塗料、アクリル系エマルジョン樹脂塗料、エポキシ系エマルジョン樹脂塗料、ウレタン系エマルジョン樹脂塗料、エステル系エマルジョン樹脂塗料、ジエン系エマルジョン樹脂塗料などが挙げられ、好ましい水性樹脂塗料としては、水性アクリル系樹脂塗料、水性エポキシ系樹脂塗料、水性ウレタン系樹脂塗料、水性エステル系樹脂塗料、水性ジエン系樹脂塗料などが挙げられる。
【0035】
上記のような樹脂膜3を上地層1の表面に形成すると、上地層1が露出した図1に示す実施形態の長尺床材よりも耐汚れ性や耐傷性が更に向上する。特に、上記の紫外線硬化型樹脂塗料を塗布して樹脂膜3を形成すると、耐汚れ性や耐傷性の向上が顕著であり、また、樹脂膜3によって耐水性や耐溶剤性が向上する利点もあるので極めて好ましい。
【0036】
また、この実施形態の長尺床材では、上地層1の表面1aにコロナ放電処理もしくはプラズマ放電処理もしくは電子線照射処理を施して適度に肌荒れさせている。このような処理を施すと、上地層1と樹脂膜3との接着性が向上し、樹脂膜3の剥離を防止できる利点があるので好ましい。尚、処理後、時間がたってから樹脂膜3を形成すると、接着性が顕著に向上しなくなるので、処理後すぐに樹脂膜3を形成することが大切である。
【0037】
コロナ放電処理は、温度0〜50℃、放電密度300〜1600w/m2 /minの条件下に行うことが望ましく、プラズマ放電処理は、大気中で電界強度5〜90kV/cm、処理時間1〜180秒の条件下に行うことが望ましく、電子線照射処理は、加速電圧300〜1000kV、照射線量1〜30Mradの条件下に行うことが望ましい。
【0038】
尚、上地層1及び下地層2は、既述した図1の長尺床材の上地層1及び下地層2と同様であるので、説明を省略する。また、この実施形態の長尺床材においても、上地層1や下地層2に各種の添加剤を少量含有させたり、床地面に対する接着性を向上させるために、下地層2にロジンを配合したり、繊維層を圧着したり、接着性の良好なプライマー層を形成することができる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の長尺床材の更に具体的な実施例と比較例を説明する。
【0040】
[実施例1]
60重量部の低密度ポリエチレン(東ソー(株)製の342)に、酢酸ビニル含有率が28重量%のEVA(三井デュポンケミカル(株)製のEV260)を20重量部、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エステル三元共重合樹脂(住友化学工業(株)製のボンダインH×8140)を20重量部、平均粒径が3μmの炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して3mm以下の粒径を有する粉粒体を得た。
【0041】
一方、55重量部の上記の低密度ポリエチレンに、上記のEVAを40重量部、上記の三元共重合樹脂を5重量部、ロジンを5重量部、上記の炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練し、押出機でシーティングして下地層となる長尺シート(厚さ1mm)を形成した。
【0042】
そして、この長尺シートの上に上記の粉粒体を積層して80℃に加熱し、これをプレスして厚さ2mmの長尺床材を作製した。
【0043】
この長尺床材について、▲1▼耐汚れ性、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を次の要領で調べた。
【0044】
▲1▼耐汚れ性(色差)
長尺床材を切断したサンプルの表面に、JIS L 1023に準じる標準汚染物質を落としながら、JIS A 1453の方法に準じて、研磨紙を巻き付けないゴム輪でサンプルの表面を80回研磨し、更に、汚染物質を落とすのをやめて上記ゴム輪で20回研磨した。そして、JIS K 7105の色差測定法によって、上記の汚れたサンプルと、汚れのない元のサンプルとの色差(ΔE)を求めた。その結果、色差は下記の表1に示すように僅か5.21%であり、優れた耐汚れ性を有していた。
【0045】
▲2▼耐傷性
長尺床材を切断したサンプルについて、JIS K 5400の手書き法によって表面の鉛筆硬度を測定した。その結果、下記の表1に示すように表面の鉛筆硬度は3Hであり、良好な耐傷性を有していた。
【0046】
▲3▼残留凹み
長尺床材を切断したサンプルについて、JIS A 5705の残留凹みの試験方法で残留凹みを調べた。その結果、下記の表1に示すように残留凹みは僅か3.4%であり、優れた耐凹み性を有していた。
【0047】
▲4▼柔軟性
長尺床材を幅5cm、長さ25cmの帯状に切断して、多数のサンプルを作製し、室温20℃において、直径が異なる複数のパイプに上記のサンプルを巻き付ける操作を3回ずつ繰り返し、3回ともサンプルにひび割れが生じない最小直径のパイプを調べて、そのパイプの直径の大小から柔軟性の良否を判断した。その結果、サンプルにひび割れが生じない最小のパイプの直径は、下記の表1に示すように6mm以下であり、優れた柔軟性を有していた。
【0048】
[実施例2]
実施例1で使用した低密度ポリエチレン50重量部に、実施例1で使用したEVAを40重量部、実施例1で使用した三元共重合樹脂を10重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して粒径が3mm以下の粉粒体を得た。
【0049】
そして、実施例1と同様に成形した厚さ1mmの長尺シートの上に、上記の粉粒体を積層し、実施例1と同じ温度及び同じ圧力で加熱プレスして、厚さ2mmの長尺床材を作製した。
【0050】
この長尺床材を切断したサンプルについて、実施例1と同様にして▲1▼耐汚れ性(色差)、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0051】
[実施例3]
実施例1で使用した低密度ポリエチレン40重量部に、実施例1で使用したEVAを55重量部、実施例1で使用した三元共重合樹脂を5重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して粒径が3mm以下の粉粒体を得た。
【0052】
そして、実施例1と同様にして成形した厚さ1mmの長尺シートの上に、上記の粉粒体を積層し、実施例1と同じ温度及び同じ圧力で加熱、プレスして、厚さ2mmの長尺床材を作製した。
【0053】
この長尺床材を切断したサンプルについて、実施例1と同様にして▲1▼耐汚れ性(色差)、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0054】
[実施例4]
実施例2で得た長尺床材の表面をコロナ放電処理した後、日本ビーケミカル(株)製のウレタン系紫外線硬化型樹脂塗料を塗布し、紫外線照射により塗膜を硬化させて、膜厚が略0.03mmのウレタン系樹脂膜を上地層の表面に形成した長尺床材を作製した。
【0055】
この長尺床材を切断したサンプルについて、実施例1と同様にして▲1▼耐汚れ性(色差)、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0056】
[実施例5]
実施例2で得た長尺床材の表面をコロナ放電処理した後、大日精化成工業(株)製のアクリル系紫外線硬化型樹脂塗料を塗布し、紫外線照射により塗膜を硬化させて、膜厚が略0.03mmのアクリル系樹脂膜を上地層の表面に形成した長尺床材を作製した。
【0057】
この長尺床材を切断したサンプルについて、実施例1と同様にして▲1▼耐汚れ性(色差)、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0058】
[比較例1〜3]
実施例1で使用した低密度ポリエチレン80重量部に、実施例1で使用したEVAを20重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して粒径が3mm以下の粉粒体を得た。そして、実施例1と同様にして成形した厚さ1mmの長尺シートの上に、上記の粉粒体を積層し、実施例1と同じ温度及び同じ圧力で加熱、プレスして、厚さ2mmの比較例1の長尺床材を作製した。
【0059】
また、実施例1で使用した低密度ポリエチレン80重量部に、実施例1で使用したEVAを10重量部、実施例1で使用した三元共重合樹脂を10重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して粒径が3mm以下の粉粒体を得た。そして、実施例1と同様にして成形した厚さ1mmの長尺シートの上に、上記の粉粒体を積層し、実施例1と同じ温度及び同じ圧力で加熱、プレスして、厚さ2mmの比較例2の長尺床材を作製した。
【0060】
更に、実施例1で使用した低密度ポリエチレン20重量部に、実施例1で使用したEVAを70重量部、実施例1で使用した三元共重合樹脂を10重量部、実施例1で使用した炭酸カルシウム粉末を150重量部の割合で均一に混練して押出機から押出し、これを粉砕して粒径が3mm以下の粉粒体を得た。そして、実施例1と同様にして成形した厚さ1mmの長尺シートの上に、上記の粉粒体を積層し、実施例1と同じ温度及び同じ圧力で加熱、プレスして、厚さ2mmの比較例3の長尺床材を作製した。
【0061】
得られた比較例1〜3の長尺床材を切断したそれぞれのサンプルについて、実施例1と同様にして▲1▼耐汚れ性(色差)、▲2▼耐傷性、▲3▼残留凹み、▲4▼柔軟性を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003843547
【0063】
この表1を見ると、上地層の低密度ポリエチレンの配合量が80重量部と多い比較例1,2の長尺床材は、残留凹みが3%以下と小さく耐凹み性に優れているけれども、柔軟性の良否を示す最小のパイプ直径が35〜40mmと大きく、長尺床材に必要な柔軟性に劣っていることが判る。また、上地層の低密度ポリエチレンの配合量が20重量部と少なく、EVAの配合量が70重量部と多い比較例3の長尺床材は、最小のパイプ直径が6mm以下で柔軟性に優れているけれども、耐汚れ性(色差)が24.61%と悪く、残留凹みも15.8%と大きいことが判る。
【0064】
これに対し、実施例1〜3の長尺床材は、柔軟性の良否を示す最小のパイプ直径がいずれも6mm以下で優れた柔軟性を有している。そして、耐汚れ性(色差)が5.21〜9.15%と良好であり、耐傷性も2H〜3Hと良好であり、残留凹みも3.4〜7.1%と小さいことが判る。特に、実施例1〜3を対比すれば、三元共重合樹脂の配合量が多いものほど、耐汚れ性(色差)や耐傷性が良くなり、また、残留凹みが小さくなって耐凹み性が向上していることが判る。このことから、三元共重合樹脂が耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性の改善に極めて有効であることが判る。
【0065】
更に、実施例2の長尺床材の表面にウレタン系とアクリル系の紫外線硬化型樹脂膜をそれぞれ形成した実施例4,5の長尺床材は、耐汚れ性(色差)も耐傷性も耐凹み性も実施例2の床材より向上しており、紫外線硬化型樹脂膜が耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性の改善に極めて有効であることが判る。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の長尺床材は、長尺床材に要求される優れた柔軟性を備え、しかも耐汚れ性、耐傷性、耐凹み性などの諸物性を総合的に改善することができるといった顕著な効果を奏し、特に、上地層よりも耐汚れ性及び耐傷性が良好な樹脂膜を上地層の表面に形成した長尺床材は、諸物性の改善効果がより一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る長尺床材の概略断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る長尺床材の概略断面図である。
【符号の説明】
1 上地層
1a 上地層の表面
2 下地層
3 樹脂膜

Claims (5)

  1. 上地層と下地層を有する長尺床材であって、上地層は、30〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を69〜5重量部、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸のいずれかで変性されたオレフィン系樹脂を1〜25重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であり、下地層は、25〜70重量部のポリオレフィンに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を74〜15重量部、上記の変性オレフィン系樹脂を1〜15重量部、無機質充填材を50〜300重量部の割合で配合して成る層であることを特徴とする長尺床材。
  2. ポリオレフィンが低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の長尺床材。
  3. 上地層の表面に、該上地層よりも耐汚れ性及び耐傷性の良好な樹脂膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の長尺床材。
  4. 樹脂膜が、紫外線硬化型樹脂塗料、エマルジョン樹脂塗料、水性樹脂塗料のいずれかの塗膜であることを特徴とする請求項3に記載の長尺床材。
  5. 上地層の表面がコロナ放電処理もしくはプラズマ放電処理もしくは電子線照射処理されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の長尺床材。
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