JP3842265B2 - 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置 - Google Patents

離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3842265B2
JP3842265B2 JP2003409628A JP2003409628A JP3842265B2 JP 3842265 B2 JP3842265 B2 JP 3842265B2 JP 2003409628 A JP2003409628 A JP 2003409628A JP 2003409628 A JP2003409628 A JP 2003409628A JP 3842265 B2 JP3842265 B2 JP 3842265B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release agent
oil
pipe
guide
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003409628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005172963A (ja
Inventor
俊也 御喜田
嘉信 立石
泰範 水口
敦 井出
優 辻
和弘 松山
修 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003409628A priority Critical patent/JP3842265B2/ja
Priority to US11/004,851 priority patent/US7409183B2/en
Priority to CNB2004101006891A priority patent/CN100377016C/zh
Publication of JP2005172963A publication Critical patent/JP2005172963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3842265B2 publication Critical patent/JP3842265B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、印刷装置の定着ローラに対し、オイルなどの離型剤を塗布する離型剤塗布機構に関するものである。
通常、複写機やプリンター等の印刷装置は、印刷用紙に転写したトナー画像を定着させるための、定着装置を備えている。
このような定着装置は、通常、画像の転写された印刷用紙を定着ローラ(ローラ対)で熱圧着することで、画像定着を行うものである。
ところで、このような定着装置では、シリコーンオイルなどの離型剤を、定着ローラの表面に供給(塗布)するようになっている。これは、画像定着を安定的に行うために、定着ローラへの画像転移(画像のオフセット)や、定着ローラへの印刷用紙の巻き付きを防止するためである。
このようなオイルの塗布に関しては、特許文献1〜6に記載されている。
図6および図7は、特許文献2〜5に記載されている、定着ローラに対する従来のオイル塗布技術を示す説明図である。
これらの図に示すように、従来では、外部からオイルを注入可能で、オイルを常時貯蔵しているオイルタンク104より、その上部のピエゾ式ポンプ(または電磁式ポンプ)103によって、チューブ状部材105にオイルを吸い上げ、パイプ部材101に供給する。
このパイプ部材101の上部には、その長手方向に沿って、複数の孔(オイル排出孔)が設けられている。また、このパイプ部材101の下部には、パイプ部材101から雨状に降り注ぐオイルを受けとめるためのフェルト106、フェルト(離型剤供給用フェルト)106のオイルを定着ローラ(被塗布部材)102に塗布するための塗布ローラ107が設けられている。
また、パイプ部材101の最下流(先端部)には、オイルを漏らさないための処理(例えばカシメ処理(先端をプレス等にてつぶす処理))がなされており、これによって、複数個の孔以外からのオイル流出を防止している。
また、定着ローラ102に塗布されずにフェルト106に残った余剰オイルは、その下部に形成された皿状のオイルパン(離型剤受皿)108によって回収される。そして、オイルパン108に接続されたチューブ状部材109により、オイルタンク104に戻される。
また、オイルタンク104内には、オイル残量を検知するセンサ110が設置されている。このセンサ110は、タンク内のオイル残量を検出し、検出結果を印刷装置の制御部に伝達する。
これにより、オイル残量の少ない場合には、印刷装置本体に設けられた表示パネル等にオイル補給を促す表示がなされるか、あるいは、印刷装置が一次的な印刷不可状態となる。
なお、定着ローラ102の長手方向に関し、部分的にオイル供給不足の生じた場合、上記した画像オフセットや印刷用紙の巻き付きが発生してしまう。従って、定着ローラ102の長手方向に関し、均一にオイルを供給すること(供給量バランスをとること)は非常に重要である。
このため、上記の従来技術では、パイプ部材101に複数個の孔が、全て、上向きに(上部に)形成されている。これにより、印刷装置が水平に設置された状態(通常の状態)で、全ての孔から同時にオイルを排出することが可能となっている。
また、上記したような従来技術では、パイプから定着ローラまでの間に設けられた、オイルを長手方向に拡散させるための中間部材として、フェルトおよび塗布ローラのみが設けられている構成である。
従って、オイルの粘度が比較的高い場合には、オイルを十分に拡散させられず、長手方向に均一に塗布できない可能性がある。
このため、特許文献2・3の技術では、パイプ部材101に案内部材を設け、これによって均一化を図るようになっている。
特開平8−137317号公報(発行日;1996年5月31日) 特開2002−278345号公報(発行日;2002年9月27日) 特開2003−122167号公報(発行日;2003年4月25日)
しかしながら、オイルを拡散させるために案内部材を用いる従来技術では、案内部材を、定着ローラに接触している塗布ローラに近い部位に設けている。このため、案内部材をつたうオイルを、塗布ローラから発せられる熱によって劣化させてしまう可能性がある。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、熱による離型剤の劣化を防止することの可能な離型剤塗布機構を提供することにある。
本発明の離型剤塗布機構(本塗布機構)は、印刷装置の定着ローラに離型剤を塗布する離型剤塗布機構であって、定着ローラに沿って延びるパイプに形成された複数の孔から離型剤を排出し、定着ローラに接触しながら回転する離型剤塗布ローラに対し、パイプから排出された離型剤を離型剤ガイドを介して供給する離型剤塗布機構において、上記離型剤塗布ローラに対し、下側から離型剤を塗布する塗布部材を備えており、上記パイプが、離型剤塗布ローラよりも上側に配されており、上記離型剤ガイドが、パイプから排出された離型剤を塗布部材に供給するように設計されており、さらに、上記離型剤ガイドの一部が、パイプの中心を通る垂線よりも、離型剤塗布ローラから離れた側に膨らんでいることを特徴とするものである。
また、上記のような形状の離型剤ガイドは、離型剤ガイドの下端部を塗布部材に固定した後、離型剤ガイドを、この固定位置から上記垂線よりも離型剤塗布ローラから離れる方向にいったん延ばし、さらに、上記垂線よりも離型剤塗布ローラ側に折り返し、パイプの下部に接触させることで構成できる。
また、この構成では、離型剤ガイドに、固定された下端部からパイプとの接点に向かって延びるスリットを設けることが好ましい。
また、このスリットは、離型剤ガイド上で、パイプとの接点を越えて延びていることが好ましい。
また、離型剤ガイドは、塗布部材に近い方を下げた状態で、パイプに対して傾斜した状態で接触していることが好ましい。
また、離型剤ガイドのスリットについては、パイプの孔よりも多く形成することが好ましい。
また、離型剤ガイドは、パイプに対して、自身の弾性力によって接していることが好ましい。
また、本塗布機構では、離型剤ガイドを、耐離型剤性を有する材料から構成することが好ましい。
また、本発明の定着装置は、上記した本塗布機構を備えたものである。
また、本発明の印刷装置は、本塗布機構を備えた定着装置を有するものである。
本発明の離型剤塗布機構(本塗布機構)は、印刷装置の定着ローラに離型剤を塗布する離型剤塗布機構であって、定着ローラに沿って延びるパイプに形成された複数の孔から離型剤を排出し、定着ローラに接触しながら回転する離型剤塗布ローラに対し、パイプから排出された離型剤を離型剤ガイドを介して供給する離型剤塗布機構において、上記離型剤塗布ローラに対し、下側から離型剤を塗布する塗布部材を備えており、上記パイプが、離型剤塗布ローラよりも上側に配されており、上記離型剤ガイドが、パイプから排出された離型剤を塗布部材に供給するように設計されており、さらに、上記離型剤ガイドの一部が、パイプの中心を通る垂線よりも、離型剤塗布ローラから離れた側に膨らんでいることを特徴とするものである。
本塗布機構は、複写機やプリンター等の印刷装置における定着ローラに、離型剤を塗布するものである。
ここで、定着ローラは、画像の転写された印刷用紙を圧着することで、用紙に画像を定着させるためのローラである。
また、離型剤とは、定着ローラへの画像転移(画像のオフセット)や、定着ローラへの印刷用紙の巻き付きを防止するために、定着ローラに塗布しておくものである。このような離型剤としては、例えば、シリコーンオイルを用いることが可能である。
また、上記したように、本塗布機構は、定着ローラに沿って延びる中空のパイプを有している。このパイプは、自身に形成された複数の孔から、離型剤を排出するものである。
また、本塗布機構は、離型剤塗布ローラを備えている。
この離型剤塗布ローラは、パイプよりも下側に配置され、定着ローラに沿って配置され、定着ローラに接触しながら回転するものである。そして、この離型剤塗布ローラは、パイプから排出されて自身に供給された離型剤を、定着ローラに塗布する機能を有している。
さらに、本塗布機構では、パイプから排出された離型剤を離型剤塗布ローラに供給するために、離型剤ガイド(案内部材)および塗布部材を備えている。
この塗布部材は、離型剤塗布ローラに対し、下側から離型剤を塗布するものである。
また、離型剤ガイドは、パイプから排出された離型剤を塗布部材に供給するためのものである。
すなわち、本塗布機構では、離型剤塗布ローラの上側に配されたパイプと、離型剤塗布ローラの下側に配された塗布部材との間を、離型剤ガイドによってつないでいる。そして、このガイドによって、パイプから塗布部材まで離型剤を運ぶようになっている。
なお、上記した上側,下側とは、鉛直方向に関する位置のことであり、水平方向での位置を示すものではない。従って、パイプ,離型剤塗布ローラ,塗布部材の水平方向での位置は、互いに異なっていてもよい。
また、「離型剤塗布ローラより下側(上側)」とは、離型剤塗布ローラの中心よりも下側(上側)の領域を指す。
そして、特に、本塗布機構では、離型剤ガイドの一部が、パイプの中心を通る垂線よりも、離型剤塗布ローラから離れた側に膨らんだ形状(離型剤塗布ローラから離れるように湾曲した形状)となっている。
ここで、パイプの中心を通る垂線とは、パイプの中心から鉛直方向下側に延びる、仮想的な直線である。
すなわち、本塗布機構では、離型剤ガイドの一部が、高温の離型剤塗布ローラを避けるような(離型剤塗布ローラを迂回するような)形状となっている。
これにより、本塗布機構では、離型剤ガイドを伝う離型剤を、高温の離型剤塗布ローラから遠ざけておくことが可能となる。
従って、本塗布機構では、塗布ローラの熱による離型剤ガイド上の離型剤劣化を抑制することが可能となっている。
また、印刷装置の定着装置に本塗布機構を備えることで、熱による離型剤の劣化を抑制可能な定着装置を実現できる。
また、上記のような形状の離型剤ガイドは、離型剤ガイドの下端部を塗布部材に固定した後、離型剤ガイドを、この固定位置から上記垂線よりも離型剤塗布ローラから離れる方向にいったん延ばし、さらに、上記垂線よりも離型剤塗布ローラ側に折り返し、パイプの下部に接触させることで構成できる。
この構成では、パイプに離型剤ガイドを接触させている。このため、パイプから排出された離型剤を、パイプと離型剤ガイドとの接点(接線)で、表面張力によりパイプの長手方向(パイプの延びる方向)に拡散させた後、塗布部材に運ぶことが可能となる。
従って、パイプから排出された離型剤を、塗布部材(および離型剤塗布ローラ)に対し、その全長(全体)に渡って均一に供給できる。これにより、定着ローラの全域に対し、極めて均一に離型剤を塗布すること(塗布量のバランスをとること)が可能となる。
また、この構成では、離型剤ガイドに、固定された下端部からパイプとの接点に向かって延びるスリットを設けることが好ましい。
これにより、パイプから排出された離型剤を、スリットを通して、離型剤ガイドの裏面側にも伝達できる。従って、離型剤ガイドの両面を用いて離型剤を塗布部材に供給することが可能となるため、離型剤の供給速度を向上させられる。
なお、この構成では、離型剤は、離型剤ガイドにおけるスリットのない部分(スリット間;案内部)を流れることとなる。
また、このスリットは、離型剤ガイド上で、パイプとの接点を越えて延びていることが好ましい。
すなわち、パイプから排出された離型剤は、パイプの中心を通る上記した垂線の両側のパイプ外壁をつたい落ち、パイプと離型剤ガイドとの接点の両側で、離型剤ガイドに受け止められる。
ここで、パイプと離型剤ガイドとの接点の両側とは、すなわち、離型剤ガイドにおける塗布部材に近い側と、塗布部材からみて上記の接点を越えた側(塗布部材から遠い側)である。なお、「塗布部材に近い(遠い)」とは、パイプから塗布部材までの、離型剤ガイドに沿った経路上での近さ(遠さ)であり、実際の距離とは無関係なものである。
そして、離型剤ガイドにおける塗布部材に近い側に落ちた離型剤は、そのまま離型剤ガイドを伝って塗布部材に到達する。
一方、塗布部材に遠い側に落ちた離型剤は、塗布部材までの経路に、パイプと離型剤ガイドとの接点が存在するため、そのままでは塗布部材に流れられない。
そこで、離型剤ガイドに、パイプとの接点を越えるようにスリットを設けることで、塗布部材に遠い側に落ちた離型剤を、スリットを介して離型剤ガイドの裏面に抜けさせ、この裏面を介して塗布部材に供給することが可能となる。これにより、離型剤ガイドとパイプとの間にオイルを溜めてしまうことを回避できる。
また、離型剤ガイドは、塗布部材に近い方を下げた状態で、パイプに対して傾斜した状態で接触していることが好ましい。
ここで、傾斜した状態とは、もちろん、水平状態や、垂直(鉛直)方向に立った状態ではない状態のことである。
この構成では、離型剤ガイドは、パイプとの接点を挟んで、塗布部材に近い方から遠い方に向かって上がった状態となる。
これにより、塗布部材に近い側で離型剤ガイドに受け止められたオイルを、そのまま塗布部材に流せる。一方、塗布部材に遠い側で受け止められたオイルを、塗布部材から遠い方向(離型剤ガイド上で塗布部材から離れる方向)に流してしまうことを回避できる。
また、離型剤ガイドのスリットについては、パイプの孔よりも多く形成することが好ましい。
離型剤ガイドを流れる離型剤は、スリットを越えるようには移動しにくい。このため、スリットを多く形成すれば、パイプと離型剤ガイドとの間の表面張力によって長手方向に拡散した離型剤を、その拡散状態を維持したまま、塗布部材に到達させることが可能となる。
また、離型剤ガイドは、パイプに対して、自身の弾性力によって接していることが好ましい。この構成では、離型剤ガイドを、接着剤などを用いてパイプに貼り付ける必要がない。このため、本塗布機構を組立てることが容易となる。
また、接着部分のバラツキ(接着されている部位とされていない部位とが混在すること)により、離型剤の拡散性(均一供給性)が部分的に損なわれることも避けられる(接着されていない部位があると、拡散性が落ちる)。
また、本塗布機構の使用中に、接着力の低下により、離型剤ガイドがパイプから剥れてしまうことも回避できる。さらに、離型剤ガイドを交換することも容易である。
また、本塗布機構では、離型剤ガイドを、耐離型剤性を有する材料から構成することが好ましい。
ここで、耐離型剤性を有する材料とは、離型剤の浸透を回避できる材料(離型剤の浸透しない材料)のことである。
この構成では、離型剤ガイドの内部に離型剤を染み込ませることを回避できる。このため、離型剤ガイドによって離型剤を塗布部材に送り込む速度を早められる。従って、離型剤が離型剤ガイド上にある時間を短くできるため、熱による離型剤の劣化をさらに抑制できる。
また、離型剤を染み込ませるタイプの離型剤ガイドを使用する場合、離型剤ガイドに十分な量の離型剤を染み込ませてからでないと、塗布部材に離型剤を伝達できない。このため、本塗布機構の使用開始時(使用準備時)に、大量の離型剤を必要とするとともに、使用準備に時間がかかる。
一方、耐離型剤性の離型剤ガイドを使用すれば、離型剤ガイドに離型剤を染み込ませる必要がない。このため、使用準備に要する離型剤量を低減できるとともに、使用準備の時間を大幅に短縮できる。
本発明の一実施形態について説明する。
図2は、本実施の形態にかかるディジタルカラー複写機である、複写機1の構成を示す説明図である。この複写機1は、通常の複写機としての機能に加えて、ファクシミリ装置およびプリンターとしての機能を兼ね備えたものである。
まず、複写機1の構成について説明する。図2に示すように、複写機1は、RADF112,スキャナー部110,画像形成部210および給紙機構211が設けられた構成であり、さらに、図示しない操作パネルが備えられている。
RADF112は、複写機1における原稿送り装置であり、両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder )としての機能を有している。
すなわち、RADF112は、所定位置にセットされた原稿を、スキャナー部110における原稿台111上に搬送するものである。そして、スキャナー部110による原稿画像の読み取りが行われた後、所定の取出し位置にまで搬出する機能を有している。
また、RADF112は、スキャナー部110による原稿画像の読み取り後、原稿を裏返し、再び原稿台111に搬送する機能も有している。これにより、複写機1では、原稿における両面の画像を、スキャナー部110に読み取らせることが可能となっている。
さらに、RADF112は、原稿台111に対して開閉自在となっている。従って、ユーザーは、RADF112を使用する際には、このRADF112を閉じておく一方、RADF112を開けることで、原稿台111上に、原稿を直接載置することができる。
スキャナー部110は、RADF112により搬送された原稿の画像を読み取るためものであり、複写機1における画像入力装置である。そして、このスキャナー部110は、図2に示すように、上記した原稿台111に加えて、第1の走査ユニット113,第2の走査ユニット114,光学レンズ115およびCCD116を備えている。
走査ユニット113・114は、原稿台111と平行に往復移動することにより、この原稿台111上に載置された原稿の画像を読み取るためのものである。
第1の走査ユニット113は、原稿画像を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に偏向させる第1ミラーとを有している。そして、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら、所定の走査速度で原稿台111と平行に往復移動するように設定されている。
また、第2の走査ユニット114は、第1ミラーにより偏向された反射光像を、光学レンズ115が位置する方向に偏向させるための第2・第3ミラーを有している。そして、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って、原稿台111と平行に往復移動するようになっている。
光学レンズ115は、第1〜第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、CCD116上の所定位置に結像させるものである。
CCD(Charge Coupled Device)116は、結像された反射光像を光電変換して電気信号の画像情報を生成し、画像形成部210に出力するための光電変換素子(ラインセンサ)である。
さらに、このCCD116は、カラー画像の読み取りが可能なものである。すなわち、CCD116は、カラーの反射光像から、R(赤),G(緑)およびB(青)の各色成分毎に色分解されたラインデータの画像情報を生成することができる。
このCCD116により生成された画像情報は、さらに、画像処理部(図示せず)に転送されて所定の画像処理が施された後、画像形成部210に出力される。
画像形成部210は、CCD116から出力された画像情報に基づいて、印刷用紙に画像を印刷するためのものである。そして、この画像形成部210は、図2に示すように、黒画像転写部301,黄色画像転写部302,マゼンタ画像転写部303およびシアン画像転写部304から構成されている。
これら転写部301〜304は、実質的に同一の構成を有しており、画像情報に基づいて、印刷用紙に対してそれぞれ黒画像,黄色画像,マゼンタ画像およびシアン画像を転写するように設定されている。
図2に示すように、これら転写部301〜304は、それぞれLSU227a〜227dと、画像形成ステーションPa〜Pdとを有している。
LSU(レーザビームスキャナユニット)227a〜227dには、それぞれ画像情報における黒色成分,黄色成分,マゼンタ成分およびシアン成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。そして、各LSU227a〜227dは、これらの画像信号に基づいて、画像形成ステーションPa〜Pdにおける後述する感光体ドラム222a〜222dを露光し、静電潜像を生成するように設定されている。
また、これらLSU227a〜227dは、画像情報に応じて変調されたドット状のレーザービームを発生させるために、図示しない半導体レーザーダイオードと、半導体レーザーダイオードのパワーや光発生のタイミングを制御するレーザー制御部とを有している。
さらに、LSU227a〜227dは、図2に示すように、ポリゴンミラー240a〜240d,f−θレンズ241a〜241dおよびミラー242a〜242d・243a〜243dを備えている。
ポリゴンミラー240a〜240dは、半導体レーザー素子から発せられるレーザービームを、主走査方向に偏向させる機能を有している。また、上記した各f−θレンズおよびミラーは、ポリゴンミラー240a〜240dにより偏向されたレーザービームを、感光体ドラム222a〜222dの表面に結像させるためのものである。
画像形成ステーションPa〜Pdは、LSU227a〜227dから照射されるレーザービームに基づいて、各色に応じたトナー像を生成し、順次的に印刷用紙に転写するものである。
図2に示すように、これら画像形成ステーションPa〜Pdは、感光体ドラム222a〜222dを備えており、さらに、帯電器223a〜223d,現像装置224a〜224d,転写用放電器225a〜225dおよびクリーニング装置226a〜226dが、感光体ドラム222a〜222dの周囲に、矢印F方向に沿って配置されている。
各感光体ドラム(転写ドラム)222a〜222dは、感光体材料を表面に有するドラム形状の転写ローラであり、矢印F方向に回転駆動されるように設定されている。帯電器223a〜223dは、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電するためのものである。
また、現像装置224a〜224dは、それぞれ黒色,黄色,マゼンタおよびシアンのトナーを収容している。そして、これらのトナーによって、感光体ドラム222a〜222d上に生成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する機能を有している。
転写用放電器225a〜225dは、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を、印刷用紙へ転写するための放電器である。なお、これら転写用放電器225a〜225dのパワー(電位)は、図示しないパワー制御部によって制御されるようになっている。
さらに、図2に示すクリーニング装置226a〜226dは、印刷用紙への転写後に感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去する機能を有している。
給紙機構211は、画像形成部210にて生成された各色のトナー像を印刷用紙に転写させるために、印刷用紙を画像形成部210の所定位置に搬送するものである。さらに、給紙機構211は、トナー像が転写された後、印刷用紙を外部に排出する機能を有している。
図2に示すように、給紙機構211は、印刷用紙カセット251,取出しローラ253,複数の搬送ローラ252・261,レジストローラ212,転写搬送ベルト機構213,定着装置217,搬送方向切り換えゲート218,排紙ローラ219および排紙トレイ220を備えている。
印刷用紙カセット251は、複写機1において使用されるカット印刷用紙状の印刷用紙Pを収容するためのものである。
取出しローラ252は、印刷用紙カセット251から、印刷用紙Pを1枚毎に出紙するためのピックアップローラーである。
また、搬送ローラ252…は、印刷用紙カセット251から出紙された印刷用紙Pを、主搬送路Lに送り込み、この搬送路L上を搬送させるものである。
レジスト前検知スイッチは、搬送ローラ252…によって搬送された印刷用紙Pが主搬送路L上の所定の位置を通過したことを検知し、所定の検知信号を出力するためのものである。
レジストローラ212は、主搬送路Lを搬送されてきた印刷用紙Pをいったん保持するものである。そして、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を印刷用紙Pに良好に転写できるように、各画像形成ステーションPa〜Pdとタイミングをとって、転写搬送ベルト機構213に送り込む機能を有している。
すなわち、レジストローラ212は、レジスト前検知スイッチが出力した検知信号に基づいて、感光体ドラム222a〜222d上のトナー画像の先端が印刷用紙Pにおける印刷範囲の先端に押し付けられるように、印刷用紙Pを転写搬送ベルト機構213に送り込むように設定されている。
転写搬送ベルト機構213は、図2に示すように、駆動ローラ214,従動ローラ215,搬送ベルト216,補助ローラ231を有している。
搬送ベルト216は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間にかけられたベルトであり、ローラ214・215によって矢印Z方向に摩擦駆動されるようになっている。そして、レジストローラ212によって送り込まれた印刷用紙Pを静電吸着させ、各画像形成ステーションPa〜Pdおよび定着装置217に搬送する機能を有している。
すなわち、各画像形成ステーションPa〜Pdに搬送された印刷用紙Pには、各色のトナー像がそれぞれ転写され、重ね合わされる。そして、画像形成ステーションPdによる転写が完了すると、印刷用紙Pは、除電器229により、その先端部分から順次、搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれるように設定されている。
定着装置217は、印刷用紙Pに転写された未定着のトナー像を熱定着させるものである。そして、熱定着処理された印刷用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218に搬送される。
なお、この定着装置217については、後に詳細に説明する。
切り換えゲート218は、定着後の印刷用紙Pの搬送経路を、排紙トレイ220に向かう排出経路と、副搬送経路Sとの間で選択的に切り換えるものである。
この副搬送経路Sは、印刷用紙Pを裏返して画像形成部210に再供給するための搬送経路である。
すなわち、副搬送経路Sに送り込まれた印刷用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して裏返された後、搬送ローラ261…によって副搬送経路S上を搬送されて、画像形成部210に対して再度供給されるように設定されている。
次に、複写機1の特徴的な構成である、定着装置217について詳細に説明する。
図3は、定着装置217の構成を示す斜視図である。また、図4は、定着装置217の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、定着装置217は、定着ローラ(上定着ローラ)11および加圧ローラ(下定着ローラ)12からなる定着ローラ対を備えている。
これらローラ11・12は、互いに圧接するように配置されており、いずれも、アルミニウム製の芯金上11a・12aに、シリコーンゴム製のゴム層11b・12bを有し、かつ、芯金内部に、ハロゲンランプ等からなる加熱ヒータ11c・12cを備えた構成である。
なお、定着ローラ11および加圧ローラ12は、いずれも、シートを加熱・加圧するものであるが、便宜的に、互いに異なる名称を付している。
また、ローラ11・12の周囲には、それぞれ、剥離爪13、クリーニングローラ14、ローラ温度検出器15が配設されている。さらに、定着ローラ11には、オイル塗布ローラ16が備えられている。
剥離爪13は、ローラ11・12に巻き付いた印刷用紙(記録材)を、ローラ11・12の表面から剥がすものである。
クリーニングローラ14は、フェルトの表面を有するローラであり、ローラ11・12と摺接して、ローラ11・12の表面に付着したオフセットトナーを回収するものである。
ここで、オフセットトナーとは、定着にかかる印刷用紙に転写されたトナー画像から、ローラ11・12に移ってしまったトナーである。
ローラ温度検出器15は、サーミスタからなり、ローラ11・12の表面に接触して、その温度を検出するものである。ローラ温度検出器15によって検出された温度は、定着装置217に備えられた定着制御部(図示せず)へと送られる。
この定着制御部は、ローラ11・12に備えられた2つのローラ温度検出器15の検出結果に基づいて、加熱ヒータ11c・12cの電源ユニット(図示せず)の出力を制御するものである。
これにより、定着制御部は、ローラ11・12における加熱ヒータ11c・12cのON/OFFを切り替えて、ローラ11・12の表面温度を調節するようになっている。
次に、定着装置217に備えられた、オイル塗布機構(本塗布機構)について説明する。
本塗布機構は、ローラ11・12の側部および下部に設けられており、定着ローラ11の表面に、シリコーンオイル(離型剤;以下、オイルとする)を均一に塗布するためのものである。
なお、本塗布機構において使用されるオイルは、ジメチルポリシロキサン構造を有する、25℃での動粘度が100csのものである。
本塗布機構は、図4に示すように、上記したオイル塗布ローラ16に加えて、オイルタンク21,ポンプ22,チューブ部材23,パイプ部24,フェルト25,オイルパン26,チューブ部材27,オイルセンサ28,ブレード29を備えている。
オイルタンク21は、シリコーンオイルを蓄積しておくタンクであり、外部からオイル供給を受けるためのオイル供給口21aを備えている。
ポンプ22は、オイルタンク21内のオイルを吸い上げるものであり、ピエゾ式ポンプまたは電磁式ポンプから構成できる。
チューブ部材23は、ポンプ22から吸い上げられたオイルをパイプ部24に供給するラインである。
パイプ部24は、定着ローラ11の長手方向(図4の紙面に垂直な方向)に沿って、定着ローラ11(およびオイル塗布ローラ16)に並んで延びる、定着ローラ11とほぼ同じ長さの中空のパイプ(後述)を有している。
そして、パイプ部24は、このパイプに供給されるオイルを、その全長の全域からフェルト25に供給する機能を有している。
フェルト(塗布部材)25は、オイル塗布ローラ16の下側に、定着ローラ11の長手方向に沿って、定着ローラ11(およびオイル塗布ローラ16)と並んで延びる、定着ローラ11とほぼ同じ長さの板状のフェルトである。また、フェルト25の表面は、オイル塗布ローラ16の下側でやや傾斜した状態となっており、オイル塗布ローラ16に接するように設計されている。
そして、フェルト25は、パイプ部24から供給されたオイルを、自身の全面に染み込ませ、後述するオイル塗布ローラ16の全面に供給する機能(オイル供給フェルトとしての機能)を有している。
なお、フェルト25は、自身よりやや大きめの金属(0.2mmの厚さのステンレス鋼板)からなる、弾性を有するフェルト台(塗布部材)25a上に配されている。そして、フェルト25は、このフェルト台25aの弾性力により、オイル塗布ローラ16に弾性的に接触している(オイル塗布ローラ16に付勢されている)。
また、フェルト台25aは、オイル塗布ローラ16の中心より下側で、定着装置217の筐体(あるいは複写機1の筐体)に備えられた板金300に固定されている。
オイル塗布ローラ16(離型剤塗布ローラ)は、ゴムの表面を有し、定着ローラ11に対して接触した状態で、かつ、定着ローラ11と平行に並んで延びる、定着ローラ11とほぼ同じ長さのローラである。
そして、このオイル塗布ローラ16は、定着ローラ11に従動して回転することで、定着ローラ11の表面に、フェルト25から供給されたオイルを塗布する機能を有している。
また、図4に示すブレード29は、オイル塗布ローラ16に供給されたオイルを、このローラ16の表面に均一に(薄膜状に)伸ばすための、ゴム状の部材である(図3では、ブレード29を省略している)。
なお、フェルト25に供給されたオイルの一部は、オイル塗布ローラ16に供給されず、フェルト25から落下する。
そして、オイルパン26は、フェルト25から落下したこのようなオイル(余剰オイル)を受けとめるための、皿状の部材である。
オイルパン26に受けとめられたオイルは、チューブ部材27によって、オイルタンク21に戻される。
オイルセンサ28は、オイルタンク21内に設けられ、タンク21内のオイル残量を検知するセンサである。すなわち、このセンサ28は、タンク21内のオイル残量を検出し、検出結果を定着装置217の定着制御部に伝達する。
これにより、オイル残量の少ない場合には、複写機1に設けられた表示パネル等にオイル補給を促す表示がなされるか、あるいは、複写機1が一次的な印刷不可状態となる。
なお、オイルセンサ28は、オイルタンク21に十分な量のオイルが注入されたことを検出した場合、検出結果を定着制御部に伝える。これにより、上記の表示あるいは印刷不可状態が解消されることとなる。
次に、パイプ部24の構成について説明する。
図1は、パイプ部24の構成を示す断面図であり、図5は同じく展開図(ガイドシート33を平面的に表現した図)である。
これらの図に示すように、パイプ部24は、パイプ31,ガイドシート33から構成されている。
パイプ31は、オイル塗布ローラ16よりも上側に配置された、所定間隔で設けられた複数の孔41を有する中空の部材である。
この孔41は、パイプ31の上部(頂上部)に並んで配されており、パイプ31に供給されたオイルを排出するためのものである。
また、パイプ31の一方の端部は、上記したチューブ部材23に接続されており、オイルの供給を受けるようになっている。
さらに、パイプ31の他方の端部(最下流)は、オイルを漏らさないためのカシメ処理(先端をプレス機等によってつぶす処理)がなされている。
従って、パイプ31に供給されたオイルは、全て、孔41から排出されるようになっている。
ガイドシート(離型剤ガイド,案内部材)33は、上端部51,中間部52,下端部53の連続的に設けられた、長方形の樹脂シート(0.1mm厚のPET(ポリエチレンテレフタレート))である。すなわち、ガイドシート33は、中間部52の両端に、上端部51および下端部53の設けられた構成である。
ここで、シートとは、表面や内部で離型剤を流れ落とすことの可能な、樹脂からなる薄板状のものである。
そして、このガイドシート33は、オイル塗布ローラ16の上側に位置するパイプ31の孔41から排出されたオイルを、オイル塗布ローラ16の側部を通過させて、オイル塗布ローラ16の下側に設けられたフェルト25に向けて案内する(運ぶ)ためのものである。
図1に示すように、ガイドシート33は、上端部51をパイプ31側に、下端部53をフェルト25側に配置した状態となっている。
また、ガイドシート33では、中間部52の大部分が、パイプ31の中心(孔41の中心)から鉛直方向に延びる垂線Sよりも、オイル塗布ローラ16から離れる方向に膨らんだ(湾曲した)状態となっている。
すなわち、ガイドシート33では、オイル塗布ローラ16の中心よりも下側(かつ、垂線Sよりもオイル塗布ローラ16側)で、下端部53が、板金300とともにフェルト台25aを挟み込むように、板金300に対してビスBでネジ止めされている(ネジ止め部分では、板金300,フェルト台25a,下端部53が、この順で積層されている。また、下端部53は、オイル塗布ローラ16(フェルト25)と平行となっている)。
また、フェルト台25aの端部は、下端部53を超えて中間部52と重なるように設定されている。
また、中間部52は、垂線Sを越えてオイル塗布ローラ16から離れる方向に延びた後、オイル塗布ローラ16側に折り返した形状となっている。そして、中間部52は、垂線Sよりもオイル塗布ローラ16側の領域で、オイル塗布ローラ16より上側に形成されたパイプ31に対して、斜め下方から弾性的に接触する形態となっている。
すなわち、ガイドシート33は、フェルト25に近い方を下げた状態で、パイプ31に対して傾斜した状態で接触している。
なお、「フェルト25に近い(遠い)」とは、パイプ31からフェルト25までの、ガイドシート33に沿った経路上での近さ(遠さ)であり、実際の距離とは無関係なものである。
また、中間部52とパイプ31との接点Cは、上記の垂線Sよりもオイル塗布ローラ16側である。そして、中間部52は、この接点Cにおいて、上記のように傾斜した状態で、パイプ31に接触している。
なお、本塗布機構では、ガイドシート33の上端部51は、パイプ31と接することを回避するように配置されている。
また、図5に示すように、ガイドシート33の中間部52には、所定間隔毎に複数のスリット61が形成されている。
これら複数のスリット61は、中間部52の延びる方向(下端部53からパイプ31との接点に向かう方向)に沿って、互いに平行に設けられた、幅4mmの隙間(開口)である。そして、2つのスリット61・61間が、オイルを案内する案内部62となっている。
なお、案内部62も、スリット61と同様に4mmの幅を有している。
また、上端部51および下端部53は、このようなスリット61を設けておらず、面一の状態となっている(ガイドシート33におけるスリット61を有する部分が中間部52であり、その両端のスリット61のない部分が端部51・53である)。
また、図1,図5に示すように、フェルト台25aにおけるフェルト25の載置部分と、ガイドシート33の下端部53および板金300に挟まれている部分との間には、オイル排出口71が備えられている。
このオイル排出口71は、余分なオイルをオイルパン26に排出するためのものである。
次に、本塗布機構による、定着ローラ11に対するオイル塗布動作について説明する。
定着ローラ11に対するオイル塗布では、まず、ポンプ22が、オイルタンク21内のオイルを吸い上げ、チューブ部材23を介してパイプ部24に供給する。
パイプ部24に供給されたオイルは、パイプ31内に貯蔵されてゆき、パイプ31内の容量を超えた段階で、孔41から排出される。
孔41から排出されたオイルは、パイプ31の外壁をつたい落ち、ガイドシート33における中間部52の表面(おもてめん;パイプ31に接している側の面)で受けとめらる。中間部52の表面に受けとめられたオイルは、中間部52の表面と、パイプ31の外壁との間で、表面張力によって、パイプ31の長手方向に拡散する。
その後、オイルは、スリット61を介して中間部52の裏面(オイル塗布ローラ16側の面)にも進入する。そして、垂線Sよりもオイル塗布ローラ16から離れる方向に膨らんでいる中間部52の裏面および表面上(案内部62上)を流れ、下端部53に到達する。
ここで、中間部52の裏面を流れてきたオイルは、そのまま下端部53上を流れてフェルト25に行き着く。
一方、中間部52の表面を流れてきたオイルは、ガイドシート33の下側で、下端部53より中間部52側に突き出たフェルト台25aに到達する。その後、スリット61を介して中間部52の裏面に進入し(浮かび上がり)、下端部53上を介してフェルト25にたどり着くようになっている。
その後、オイルは、フェルト25を含浸し、オイル塗布ローラ16を介して、定着ローラ11の表面に塗布される。
ここで、フェルト25からオイル塗布ローラ16に伝わり定着ローラ11に供給されるオイルは、フェルト25に到達したオイルの10%程度である。そして、残りの90%のオイルは、フェルト25から溢れ出て、フェルト25の端部(オイル塗布ローラ16側の端部)およびオイル排出口71から、オイルパン26に排出される。
以上のように、本塗布機構では、ガイドシート33の一部が、パイプ31の中心を通る垂線Sよりも、オイル塗布ローラ16から離れた側に膨らんだ形状(オイル塗布ローラ16から離れるように湾曲した形状)となっている。
すなわち、本塗布機構では、ガイドシート33の一部が、高温のオイル塗布ローラ16を避けるような(オイル塗布ローラ16を迂回するような)形状となっている。
これにより、本塗布機構では、ガイドシート33を伝うオイルを、高温のオイル塗布ローラ16から遠ざけておくことが可能となる。
従って、本塗布機構では、ガイドシート33を流れるオイルが塗布ローラの熱によって劣化してしまうことを抑制することが可能となっている。
なお、印刷用紙を加熱する定着ローラ11の表面温度は、温度制御が正常に行われている通常状態で180℃となるよう制御されている(トラブル発生時には200℃程度に達することがある)。
また、このような定着ローラ11に接しているオイル塗布ローラ16は、その表面温度が150℃程度となる。
一方、パイプ31の近傍の雰囲気温度は、通常、100℃程度であり、オイル塗布ローラ16の温度と比べて大幅に低くなっている。
従って、本塗布機構では、ガイドシート33をオイル塗布ローラ16を迂回する形状とすることで、ガイドシート33からフェルト25に達するまでの間、オイルのさらされる温度を100℃程度に保つことが可能となっている。
また、本塗布機構では、ガイドシート33の下端部53をフェルト台25a(板金300)に固定した後、ガイドシート33を、この固定位置から垂線Sよりもオイル塗布ローラ16から離れる方向にいったん延ばし、さらに、垂線Sよりもオイル塗布ローラ16側に折り返し、パイプ31の下部に接触させることで構成している。
すなわち、本塗布機構では、パイプ31にガイドシート33を接触させている。このため、パイプ31から排出されたオイルを、パイプ31とガイドシート33との接点(接線)で、表面張力によりパイプ31の長手方向(パイプ31の延びる方向)に拡散させた後、フェルト25に運ぶことが可能となる。
従って、パイプ31から排出されたオイルを、フェルト25(およびオイル塗布ローラ16)に対し、その全長(全体)に渡って均一に供給できる。これにより、定着ローラ11の全域に対し、極めて均一にオイルを塗布すること(塗布量のバランスをとること)が可能となる。
また、この構成では、ガイドシート33に、固定された下端部53からパイプ31との接点に向かって延びるスリット61を設けている。
これにより、パイプ31から排出されたオイルを、スリット61を通して、ガイドシート33の裏面側にも伝達できる。従って、ガイドシート33の両面を用いてフェルト25にオイルを供給することが可能となる。このため、オイルの供給速度を向上させられる。
また、本塗布機構では、ガイドシート33の中間部52をパイプ31と接触させる一方、上端部51がパイプ31と接することを回避するように配置されている。
これは、パイプ31とスリット61のない上端部51とが接触している場合、孔41からオイル塗布ローラ16側(フェルト25から遠い側)に溢れたオイルが、パイプ31と上端部51との間に蓄積し、長手方向の両端部からこぼれ落ちてしまうからである。
すなわち、中間部52とパイプ31とが接触している場合には、孔41からオイル塗布ローラ16側に溢れたオイルを、中間部52のスリット61を介して裏面側に抜けさせ、案内部62を伝わせてフェルト25にまで運ぶことが可能となる。
また、本塗布機構では、ガイドシート33は、フェルト25に近い方を下げた状態で、パイプ31に対して傾斜した状態で接触している。
この構成では、ガイドシート33は、パイプ31との接点Cを挟んで、フェルト25に近い方から遠い方に向かって上がった状態となる。
これにより、フェルト25に近い側でガイドシート33に受け止められたオイルを、そのままフェルト25に流せる。一方、フェルト25に遠い側で受け止められたオイルを、フェルト25から遠い方向(ガイドシート33上でフェルト25から離れる方向)に流してしまうことを回避できる。
また、本塗布機構は、ガイドシート33を、パイプ31に対して、シート自身の弾性力によって接触させている。従って、ガイドシート33を、接着剤などを用いてパイプ31に貼り付ける必要がない。このため、本塗布機構を組立てることが容易となる。
また、接着部分のバラツキ(接着されている部位とされていない部位とが混在すること)により、オイルの拡散性(均一供給性)が部分的に損なわれることも避けられる(接着されていない部位があると、拡散性が落ちる)。
また、本塗布機構の使用中に、接着力の低下により、ガイドシート33がパイプ31から剥れてしまうことも回避できる。さらに、ガイドシート33を交換することも容易である。
また、本塗布機構では、ガイドシート33として剛性が低いもの(すなわち弾性を有するもの)を用いている。このため、ガイドシート33の弾性を利用して、パイプ31に対してガイドシート33を付勢するように、その下端部53を板金300にネジ止めできる。これにより、本塗布機構の組み立てがさらに容易となる。
また、本塗布機構では、フェルト台25aに複数の排出口71を設けており、余剰のオイルをオイルパン26に流せるようになっている。
なお、多量のオイルをフェルト25に含ませると、オイル塗布ローラ16に対するオイル塗布の均一性を損ないやすくなる。従って、オイル排出口71を設け、余剰オイルをオイルパン26に回収させることが好ましい。
なお、本実施の形態では、パイプ31が、オイル塗布ローラ16よりも上側に配置されているとしている。
ここで、パイプ31は、オイル塗布ローラ16よりも完全に上側であっても(すなわち、パイプ31の下端がオイル塗布ローラ16の上端より上側にあっても)よいし、また、オイル塗布ローラ16よりも部分的に上側にあるだけでも(パイプ31の中心がオイル塗布ローラ16の中心よりも上側にあるだけでも)よい。
また、本実施の形態では、フェルト25が、オイル塗布ローラ16の下側にあるとしている。ここで、オイル塗布ローラ16の下側にフェルト25が位置するとは、フェルト25とオイル塗布ローラ16との接点が、オイル塗布ローラ16の中心よりも下側にあるというとを意味する。
また、本実施の形態では、ガイドシート33の材料として、0.1mm厚のPETを使用するとしている。
ここで、ガイドシート33を薄くし過ぎると、複写機1の組立て時にガイドシート33を破損させやすくなり、また、ガイドシート33の弾性力を低めてしまうため、好ましくない。
そこで、ガイドシート33の厚さとしては、0.025mm〜0.25mmの範囲に設定することが好ましい。
また、耐熱性を有する樹脂であれば、PET以外の他の材料を採用してもよい。
すなわち、ガイドシート33の材料としては、上記のような厚さ範囲の薄板に形成可能で、200℃程度の耐熱、および、耐オイル性を有する材料を用いることが好ましい。
例えば、プラスチック(ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリアミドなど)の薄板(フィルム)や金属(ステンレス鋼板など)の薄板などを、ガイドシート33の材料として使用可能である。
特に、ガイドシート33の材料としては、パイプ31から溢れ出たオイルが浸透しないような材料(オイルの浸透を回避できる材料)、すなわち、耐オイル性を有する材料を用いることが好ましい。
すなわち、本塗布機構では、ガイドシート33をパイプ31に接触させることによって発生する表面張力を利用して、オイルを長手方向に拡散させるように構成している。
これに対し、ガイドシート33に浸透性のあるもの(例えばフェルト等)を用いた場合には、オイルの拡散を、ガイドシート33内での毛細管現象のみによって行うこととなる。このため、長手方向へのオイルの拡散性を減少させてしまう。また、オイルがガイドシート33の内部に留まって劣化しやすくなる。
さらに、ある程度の量のオイルがガイドシート33に蓄積されるため、オイルの流量を多くしなければならず、不経済となる。
すなわち、また、オイルを染み込ませるタイプのガイドシート33を使用する場合、ガイドシート33に十分な量のオイルを染み込ませてからでないと、フェルト25にオイルを伝達できない。このため、本塗布機構の使用開始時(使用準備時)に、大量のオイルを必要とする(流量を4〜5cc/min程度とする必要がある)とともに、使用準備に時間がかかる。
また、ガイドシート33が乾いているか否か(ガイドシート33にオイルが十分に染み込んでいるか否か)を外部から判断できないため、使用開始時でなくとも、常に、オイル流量を4〜5cc/min程度としておく必要がある。
一方、耐オイル性のガイドシート33を使用すれば、ガイドシート33にオイルを染み込ませる必要がない。このため、オイル量を2〜3cc/minに低減できるとともに、使用準備の時間を大幅に短縮できる。
また、ガイドシート33として薄いものを使用する場合、本塗布機構を、ガイドシート33の変形を回避するように取り扱うことが好ましい。
特に、本塗布機構は、ガイドシート33とパイプ31とを、ガイドシート33の弾性力(反発力)を利用して接触させている。従って、本塗布機構の組み立て時には、ガイドシート33の反発力に抗した作用を伴うため、ガイドシート33を変形させやすい。
そこで、本塗布機構の組み立て時には、下端部53におけるフェルト台25aとの接触面に、両面テープを張っておくことが好ましい。そして、この両面テープによってガイドシート33をフェルト台25aに仮止めした状態で、ガイドシート33をパイプ31に接触させるように折り曲げることが好ましい。これにより、ガイドシート33の取り付けに関する作業性を向上でき、ガイドシート33の変形を防止できる。
また、オイル塗布ローラ16およびフェルト25の幅(長手方向の長さ)は、印刷に使用する最大サイズのシートの幅よりも僅かに長く設計することが好ましい。また、ブレード29の幅はオイル塗布ローラ16の幅よりも広く、定着ローラ11の幅はオイル塗布ローラ16の幅とほぼ同じ幅に設計されていることが好ましい。また、加圧ローラ12は定着ローラ11の幅よりも広く設計されていることが好ましい。
また、本塗布機構では、パイプ31の外壁面とガイドシート33の中間部52(スリット61および案内部62)との間で、表面張力によってオイルを長手方向に十分に拡散させることが好ましい。
このため、ガイドシート33におけるスリット61の幅については、0.5mm〜5mm程度とすることが好ましい。
これにより、紙粉やゴミ等をスリット61に詰まらせることなく、表面張力によってオイルをパイプ31の長手方向に拡散させられる。
なお、スリット61の幅が0.5mm以下の場合には、スリット61内にゴミや紙粉を詰まらせてしまう可能性がある。
また、スリット61の幅が5mmを超えると、表面張力が働きにくくなる。従って、オイルの拡散状態が悪化し、全ての案内部62およびスリット61にオイルを広げることが困難となる。
また、ガイドシート33の案内部62を、フェルト25に向かうほど広くなるように形成してもよい。
また、本塗布機構では、ガイドシート33の中間部52に対し、スリット61(案内部62)を、中間部52の幅(長手方向の幅)の全域に渡って、できるだけ多く設けることが好ましい(例えば、スリット61を、パイプ31の孔41の数よりも多く形成することが好ましい)。
中間部52を流れるオイルは、スリット61をまたぐ(越える)ようには移動しにくい。このため、スリット61を多く形成すれば、パイプ31とガイドシート33(中間部52)との間の表面張力によって長手方向に拡散したオイルを、その拡散状態を維持したまま、フェルト25に到達させることが可能となる。
また、ガイドシート33におけるパイプ31との接点Cから上端部51までの長さL(図1参照)については、1mm以上とすることが好ましい。これにより、接点Cの近傍におけるスリット61にゴミや紙粉の詰まることを回避できる。従って、ガイドシート33とパイプ31との間で、上端部51までオイルがたまり、パイプ31における長手方向の両端部からオイルが流れ落ちるトラブルを回避できる。
また、本実施の形態では、ガイドシート33が、スリット61を備えた中間部52と、その両端に位置し、スリット61を備えていない面一の上端部51および下端部53からなるとしている。
ここで、スリット61を、下端部53にも設けるようにしてもよい。
また、上記したように、本塗布機構のポンプ22としては、ピエゾタイプのポンプあるいは電磁ポンプを利用できる。
ピエゾタイプのポンプは、AC電源の周波数により動作するものであり、DC電源で駆動する電磁ポンプよりも高価(電磁ポンプのほぼ倍程度の値段)である。このため、低価格な電磁ポンプを使用することも好ましい。
本塗布機構のポンプ22を構成する電磁ポンプとしては、DCのパルス状の電流(30ms〜300msの周期,3ms〜50msのパルス幅を有するパルス電流)によって駆動可能なものを使用できる。
また、このような電磁ポンプの流量は、供給するパルス電流のパルス幅および周期を調整することにより、1〜10cc/min.の範囲内で設定可能である。
なお、上記したように、耐オイル性を有するガイドシート33を用いた場合、本塗布機構を好適に使用するための流量は、通常、2〜3cc/min.の範囲である。
一方、ガイドシート33の材料として浸透性を有するもの(フェルト等)を使用する場合、4〜5cc/min.の流量でオイルを供給する必要がある。
また、本実施の形態では、本塗布機構において使用するオイルの動粘度を25℃で100csであるとしている。しかしながら、本塗布機構では、25℃で100〜300csのものを使用可能である。
ここで、100cs未満のオイルは、定着装置217に使用する場合に引火点が低く危険である。また300csを超える動粘度のオイルは、ピエゾ式やソレノイド式のポンプで供給することが困難である。
また、本実施の形態では、ジメチルポリシロキサン構造をもったシリコーンオイルを使用するとしている。このオイルは、温度による粘度変化が比較的小さく、0℃での動粘度が、25℃での約2倍程高くなり、また、50℃の動粘度が、25℃での約1/2に低くなる特性を有している。
なお、本塗布機構において使用可能なオイルにおける温度に対する粘度の変化は、上記の特性に限定されない。当然、上記の特性よりも動粘度の小さいオイルを使用することも好ましい。また、動粘度の大きいオイルを使用する場合、その特性に合わせて各部の構成を適応させればよい。
また、本実施の形態では、離型剤としてシリコーンオイルを用いるとしている。しかしながら、本塗布機構では、シリコーンオイルに限らず、他のどのような離型剤でも使用可能である。
また、本実施の形態では、定着装置217の定着ローラ11に、本塗布機構によってオイルを塗布するとしている。しかしながら、これに限らず、もう一方の定着ローラである加圧ローラ12にオイル塗布ローラ16を接触させ、加圧ローラ12にオイルを塗布するようにしてもよい。また、ローラ11・12の双方にオイルを塗布するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、オイル塗布ローラ16が、定着ローラ11に従動して回転するとしている。しかしながら、これに限らず、オイル塗布ローラ16を、定着ローラ11とは別の駆動機構で回転させてもよい。また、オイル塗布ローラ16の回転方向は、定着ローラ11と同方向でも、また、反対方向でもよい。
また、本実施の形態では、フェルト25として、厚さ3mmの耐熱性のノーメックスフェルトを使用するとしている。ここで、フェルト25としては、厚さ1mm〜5mm程度の耐熱性のノーメックスフェルトを使用することが可能である。
また、本実施の形態では、ガイドシート33とフェルト25とを別部材として示している。しかしながら、これに限らず、ガイドシート33とフェルト25とを一体的に構成してもよい。
すなわち、ガイドシート33の下端部53を、オイル塗布ローラ16の近傍まで延長し、その上にフェルト25を配置するようにしてもよい。この場合、オイル排出口71は、下端部53内に設けることとなる。また、板金300に対し、下端部53をネジ止めする構成となる。
また、本実施の形態では、レーザー書込みユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書込みを行うとしている。しかしながら、これに限らず、レーザー書込みユニット227a〜227dに代えて、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイ等からなる固体走査書込み光学系(LEDヘッド)を用いてもよい。
LEDヘッドは、レーザー書込みユニット227a〜227dに比べ、小型で、かつ、可動部分がなく無音である。従って、複写機1のような、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のディジタルカラー複写機などの画像形成装置に対し、好適に用いることが可能である。
また、本実施の形態では、複写機1を、カラー印刷の可能な印刷装置(カラー画像形成装置)としている。
カラー画像形成装置では、離型剤の使用が非常に重要であり、離型剤の状態によって印刷品質(画像形成の品質)が大きく左右される。従って、本塗布機構を用いることが非常に有効である。
しかしながら、もちろん、モノクロ印刷用の印刷装置(モノクロの画像形成装置)に本塗布機構を適用しても、同様の効果を得ることは可能である。
また、本発明の離型材塗布機構を、印刷装置の定着ローラに離型剤を塗布する離型剤塗布機構であって、定着ローラに沿って延びるパイプに形成された複数の孔から離型剤を排出し、定着ローラに接触しながら回転する離型剤塗布ローラに対し、パイプから排出された離型剤を離型剤ガイドを介して供給する離型剤塗布機構において、上記離型剤塗布ローラに対し、下側から離型剤を塗布する塗布部材を備えており、上記パイプが、離型剤塗布ローラよりも上側に配されており、上記離型剤ガイドが、パイプから排出された離型剤を塗布部材に供給するように設計されており、さらに、上記離型剤ガイドの一部が、パイプの中心を通る垂線よりも、離型剤塗布ローラから離れた側に膨らんでいる離型剤塗布機構であって、上記離型剤ガイドは、下端部が塗布部材の上に位置するように固定されており、この固定位置から、上記垂線よりも離型剤塗布ローラから離れる方向にいったん延び、さらに、上記垂線よりも離型剤塗布ローラ側に折り返し、パイプの下部に接触するように設計されている構成である、と表現することもできる。
また、従来では、離型剤供給用のパイプ部材の複数の孔より溢れ出て滴下される離型剤(シリコーンオイル等)は、被塗布部材(定着ローラや加圧ローラ)の近くに滴下されるため、被塗布部材に接触して離型剤を供給する中間部材(離型剤塗布ローラや離型剤供給用フェルト)を介しているとはいえ離型剤の粘度が比較的高いために十分に拡散させることができずに、長手方向の離型剤供給が均一にならない場合が発生しやすく、用紙への良好なトナー画像の定着が行えない問題が発生するといえる。また、案内部材を介して離型剤を被供給体に供給するときに温度の高い部分に近接して供給経路を設けると、高い温度の影響を受け離型剤が劣化しやすくなるという問題があるといえる。また、 本発明の目的は、被供給体とパイプ部材との間に案内部材を設け、該案内部材をとパイプ部材とにより離型剤を拡散させた後に、周囲温度が低い部分に案内部材によって離型剤を導く供給経路を設けることで、離型剤があまり高温に晒されることなく被供給体に供給できるようにすることで、離型剤の劣化を防止でき案内部材によって均一な離型剤の供給を可能にした離型剤供給装置,その装置を備えた定着装置およびその定着装置を備えた画像形成装置を提供することにあるともいえる。
また、ガイドシート33は、耐熱性を有し厚さ0.025mm〜0.25mm程度の薄手のものが使用可能である。ただし、材質にもよるがあまり薄いと工場での組立て時にガイドシート33を破損させやすいし、弾性力が低くなってしまう。ガイドシート33としては、プラスチック,金属など薄く形成可能なものが好ましい。そして耐熱性(200℃程度の),耐オイル性を有する材質であれば用いることができ、ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリアミドやステンレス鋼板等の金属板を用いている。ガイドシート33として剛性が低い言い換えれば弾性を有するものを用いれば、例えばフィルムや金属の薄板を用いた場合にはフィルム部材や金属の薄板の弾性を利用しパイプ31に向かってガイドシート33が付勢されるように基台にねじ等の締結部材によって固定される。このとき、ガイドシート33とパイプ31とは接着されてはいないため、パイプ31の反対側に溢れ出たオイルもパイプ31とガイドシート33の仕切り部分である開口よりガイドシート33の裏面に伝わせることができる。そして、ガイドシート33の傾斜により被供給体である定着ローラに向かってガイドシート33の案内部分の両面を利用し案内される。
ガイドシート33の開口(スリット61)の大きさは、パイプ31の外壁面と案内部分、さらにパイプ31の外壁面と開口部分(スリット61)とで毛細管現象にて離型剤(シリコーンオイル)を長手方向に拡散させる必要があるので、開口部の幅を0.5mm〜5mm程度であることが好ましい。これは、紙粉やゴミ等が間に詰まらずにオイルを毛細管現象でパイプ31の長手方向に拡散させることができるからである。0.5mm以下ではゴミや紙粉が詰まってしまう虞があり、5mmを超えると毛細管現象を働きにくくなり離型剤の拡散状態が悪化するだけでなく、案内部分に離型剤を広げて供給できずに落下してしまう。上記の理由によりLは1mm以上とし、ゴミ等が詰まってガイドシート33の傾斜部上側に溢れ出た離型剤が長手方向両端側から流れ落ちるトラブルが発生しないようにしている。
ガイドシート33の案内部分は被供給体側に向かうほど広くなるように形成してもよいが、実施例では4mmの幅をそのまま保って比率を1:1で形成してもよく、これに限定されることなく比率を異ならせてもよい。薄板鋼板やプラスチック(フィルムや薄手の成形品)で形成されたガイドシート33をパイプ31に接触させて用いる場合には、ガイドシート33の弾性力を利用し確実にガイドシート33をパイプ31に接触するようにパイプ31に向かってガイドシート33が付勢されるように基台に対してねじ等の締結部材を用いて固定すればよい。ガイドシート33はパイプ31に接着剤などを用いて貼り付けていないので、組立てが容易であり、接着剤の使用バラツキによりオイルの拡散性(均一供給性)が部分的に損なわれたりすることがない。また、使用中に剥れたりすることも無く、交換時にはガイドシート33のみを容易に交換することもできる。
また、本実施の形態では、画像形成装置としてカラー画像形成装置で説明している。これは、カラー画像形成装置では離型剤の使用が非常に重要であり、離型剤の状態により画像形成の品質が大きく左右されるためである。が、本発明はモノクロの画像形成装置にも有効であることは言うまでもない。
また、本発明を、以下の第1〜7離型剤供給装置、第1定着装置,第1画像形成装置として表現することもできる。すなわち、第1離型剤供給装置は、回転する定着ローラおよび該定着ローラに圧接する加圧ローラからなる定着部とを有する定着装置に離型剤を供給する離型剤供給装置で、前記定着ローラの上部に配置され、上面の軸方向に複数の孔が設けられた筒状体より、離型剤供給ポンプから供給される離型剤を前記複数の孔から溢れ出させて中間案内手段を介して前記定着ローラまたは加圧ローラの少なくとも何れか一方に離型剤を供給する離型剤供給装置において、前記中間案内手段を形成する案内部材を高温部を迂回するように配置した構成である。この構成によれば、高温部を迂回して離型剤を案内するので、離型剤が定着ローラやオイル塗布ローラから放熱される熱により劣化するのを減じることができる。
また、第2離型剤供給装置は、第1離型剤供給装置において、上記案内部材は湾曲した部分を有し、一旦被供給体から離れる方向に案内された後、被供給体に戻すように離型剤を案内し、被供給体に供給する構成である。この構成によれば、案内部材を湾曲させ離型剤を一旦被供給体から離れる方向(定着ローラやオイル塗布ローラより離れる方向)の供給し、その後、被供給体に向かって戻って来るように案内することで、離型剤への定着ローラやオイル塗布ローラからの放射熱を避け、離型剤が高温に晒されるのを減じることができ、離型剤の熱による劣化を軽減させることができる。
また、第3離型剤供給装置は、第1または第2離型剤供給装置において、上記案内部材は筒状体の下側に配置され、前記案内部材に形成されている被供給体に近接する所まで延びる案内部分と開口よりなる仕切り部分とを有し、前記案内部材は仕切り部分と案内部分との両方が形成されている所で前記筒状体に接触している構成である。この構成によれば、案内部材に被供給体に近接する所まで延びる案内部分と、ほぼ同様に延びる開口よりなる仕切り部分とを有しており、筒状体と案内部材との接触により筒状体の長手方向に拡散した離型剤を案内部材に伝わせて、拡散状態を維持させたまま被供給体の近傍まで案内することができ均一な離型剤の供給ができる。
また、第4離型剤供給装置は、第1〜3離型剤供給装置のいずれかにおいて、上記案内部材は浸透性のない材質により形成され、前記案内部材の案内部の両面を離型剤を伝わすことで離型剤を供給する構成である。この構成によれば、浸透性のない材質により形成することにより、離型剤が案内部材の内部にしみ込むことがなく、案内部材の案内部分の両面を用いて離型剤を素早く案内でき、案内部の表面に離型剤が長く留まりにくいために熱による劣化を減じることができる。また、案内部材に離型剤が留まりにくいため、離型剤の筒状体から溢れ出す流量を少なくすることができる。これによっても離型剤の劣化を減じさせる効果がある。
また、第5離型剤供給装置は、第3離型剤供給装置において、上記案内部材の筒状体への接触は、案内部材の弾性力によって行っている構成である。この構成によれば、案内部材自身の弾性力を利用することにより、案内部材の案内部分と筒状体との間に所定の隙間を設けて確実に位置させることができる。また、第6離型剤供給装置は、第3離型剤供給装置において、上記案内部材は筒状体の下側で傾斜させた状態で筒状態に対して接触させている構成である。この構成によれば、案内部材を筒状体の下側でしかも傾斜させて接触させていることにより、筒状体の上部の孔より溢れ出た離型剤をすべて案内部材により受けて毛細管現象で拡散させることができると共に、離型剤を被供給体に向けて案内することができる。
また、第7離型剤供給装置は、第3離型剤供給装置において、上記案内部材の案内部分と仕切り部分は交互に設けられており、その数は、筒状体に設けられた離型剤の排出孔の数より充分多く設定されている構成である。この構成によれば、案内部材に設けられた案内部分と仕切り部分を交互にさらに離型剤の流出孔よも充分に多い数だけ設けることにより、離型剤が筒状体と案内部材によって長手方向に拡散された状態を維持しつつ離型剤を案内させることができる。
また、第1定着装置は、回転する定着ローラおよび該定着ローラに圧接する加圧ローラからなる定着部とを有する定着装置で、前記定着ローラの上部に配置され、上面の軸方向に複数の孔が設けられた筒状体より、離型剤供給ポンプから供給される離型剤を前記複数の孔から溢れ出させて中間案内手段を介して前記定着ローラまたは加圧ローラの少なくとも何れか一方に供給する離型剤供給装置を備えた定着装置おいて、上記第1〜7離型剤供給装置のいずえかを備えた構成である。この構成によれば、定着装置において上記の効果を得ることができる。また、第1画像形成装置は、第1定着装置を備えた構成である。この構成によれば、画像形成装置において上記の定着装置を備えることのより上記の効果を得ることができ良好な画像形成を行うことができる。
本発明は、印刷装置の定着ローラに離型剤を塗布する離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置に好適に実施可能なものである。
本発明の一実施形態にかかるオイル塗布機構における、パイプ部の構成を示す断面図である。 図1に示したオイル塗布機構を備えた定着装置を有する、ディジタルカラー複写機の構成を示す説明図である。 図2に示したディジタルカラー複写機に備えられ、図1に示したオイル塗布機構を有する定着装置の構成を示す斜視図である。 図2に示したディジタルカラー複写機に備えられ、図1に示したオイル塗布機構を有する定着装置の構成を示す断面図である。 図1に示したパイプ部の構成を示す展開図である。 従来のオイル塗布技術を示す説明図である。 従来のオイル塗布技術を示す説明図である。
符号の説明
11 定着ローラ
12 加圧ローラ
13 剥離爪
14 クリーニングローラ
15 ローラ温度検出器
16 オイル塗布ローラ(離型剤塗布ローラ)
21 オイルタンク
22 ポンプ
23 チューブ部材
24 パイプ部
25 フェルト(塗布部材)
25a フェルト台(塗布部材)
26 オイルパン
27 チューブ部材
28 オイルセンサ
29 ブレード
31 パイプ
33 ガイドシート(離型剤ガイド)
51 上端部
52 中間部
53 下端部
61 スリット
62 案内部
71 オイル排出口
217 定着装置
300 板金
B ビス
C 接点
S 垂線

Claims (10)

  1. 印刷装置の定着ローラに離型剤を塗布する離型剤塗布機構であって、
    定着ローラに沿って延びるパイプに形成された複数の孔から離型剤を排出し、
    定着ローラに接触しながら回転する離型剤塗布ローラに対し、パイプから排出された離型剤を離型剤ガイドを介して供給する離型剤塗布機構において、
    上記離型剤塗布ローラに対し、下側から離型剤を塗布する塗布部材を備えており、
    上記パイプが、離型剤塗布ローラよりも上側に配されており、
    上記離型剤ガイドが、パイプから排出された離型剤を塗布部材に供給するように設計されており、
    さらに、上記離型剤ガイドの一部が、パイプの中心を通る垂線よりも、離型剤塗布ローラから離れた側に膨らんでいることを特徴とする離型剤塗布機構。
  2. 上記離型剤ガイドは、
    下端部が塗布部材に固定されており、
    この固定位置から、上記垂線よりも離型剤塗布ローラから離れる方向にいったん延び、さらに、上記垂線よりも離型剤塗布ローラ側に折り返し、パイプの下部に接触するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の離型剤塗布機構。
  3. 上記離型剤ガイドは、下端部からパイプとの接点に向かって延びるスリットを有していることを特徴とする請求項2に記載の離型剤塗布機構。
  4. 上記スリットが、離型剤ガイド上で、パイプとの接点を越えて延びていることを特徴とする請求項3に記載の離型剤塗布機構。
  5. 上記離型剤ガイドが、パイプに対して、傾斜した状態で接触していることを特徴とする請求項2に記載の離型剤塗布機構。
  6. 上記スリットが、パイプの孔よりも多く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の離型剤塗布機構。
  7. 上記離型剤ガイドが、塗布部材に近い方を下げた状態で、パイプに対して傾斜した状態で接触していることを特徴とする請求項2に記載の離型剤塗布機構。
  8. 上記離型剤ガイドが、耐離型剤性を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の離型剤塗布機構。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の離型剤塗布機構を備えた定着装置。
  10. 請求項9に記載の定着装置を備えた印刷装置。
JP2003409628A 2003-12-08 2003-12-08 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置 Expired - Fee Related JP3842265B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003409628A JP3842265B2 (ja) 2003-12-08 2003-12-08 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置
US11/004,851 US7409183B2 (en) 2003-12-08 2004-12-07 Releasing agent applying mechanism, fixing device, and printing apparatus
CNB2004101006891A CN100377016C (zh) 2003-12-08 2004-12-08 脱模剂涂敷机构、定影装置以及印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003409628A JP3842265B2 (ja) 2003-12-08 2003-12-08 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005172963A JP2005172963A (ja) 2005-06-30
JP3842265B2 true JP3842265B2 (ja) 2006-11-08

Family

ID=34730925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003409628A Expired - Fee Related JP3842265B2 (ja) 2003-12-08 2003-12-08 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3842265B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108382052B (zh) * 2018-03-16 2024-08-09 湖南乐邦智能服饰有限公司 一种面料复合机贴合剂涂抹转筒

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005172963A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9989900B2 (en) Image forming apparatus and image forming method
JP4634669B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US8195059B2 (en) Fixing device and image forming apparatus using the same
JP5375540B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US6983117B2 (en) Image forming apparatus configured for double sided printing
JP2019032482A (ja) レンズミラーアレイおよび画像形成装置
CN105938315A (zh) 转印部污染预防装置以及图像形成装置
WO2005101134A1 (ja) 定着装置およびそれを備えた画像形成装置
US7551883B2 (en) Paper separation claw having cavity and through-hole
JP3842265B2 (ja) 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置
JP3908217B2 (ja) 離型剤塗布機構,定着装置,印刷装置
JP3875232B2 (ja) 離型剤塗布機構,定着装置,印刷装置
US7409183B2 (en) Releasing agent applying mechanism, fixing device, and printing apparatus
JP4030955B2 (ja) 離型剤塗布機構,定着装置および印刷装置
JP4255848B2 (ja) 定着装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2010020234A (ja) ウェブシートを用いたクリーニング装置
JPH06186871A (ja) 画像形成装置
JP2007075907A (ja) 用紙切断装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2002365954A (ja) 定着装置のオフセット防止液供給装置
JP2007199285A (ja) 画像形成装置
JP2005212942A (ja) 画像形成装置および印刷結果検査装置
JP2002304077A (ja) 定着装置のオフセット防止液供給装置
JP2005031587A (ja) 画像形成装置
JP2018027835A (ja) 画像形成システム及び後処理装置
JP2005301041A (ja) 定着装置およびこれを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3842265

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130818

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees