JP3842224B2 - 光コネクタのソケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、据置用のDVD( 登録商標 ) 、TV、STB(セットトップボックス:衛星放送のアダプタ装置)、CD、MD( 登録商標 ) 、アンプ等のデジタル信号を出力または/および入力する装置に設けられている光コネクタのソケットであって、特に、角型の光コネクタのプラグと接続する光コネクタのソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
光コネクタのソケット(以下、単に「ソケット」とも呼ぶ。)は、このソケットの挿入穴部に、光コネクタのプラグが挿入されていないときに、埃等が入り込むと、挿入穴部の奥側に設置されている光素子が汚れる等して、光伝達効率が落ちて、所定の光信号伝達ができなくなるおそれがある。そのため、従来の光コネクタのソケットの場合には、一般的に、挿入穴部の内部構造に略等しい形状を有したキャップが別途準備されていて、プラグが挿入されていないときに、挿入穴部に嵌め込まれることによって、埃等の侵入を防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平7−19713号公報(第4頁 図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このキャップは、ソケットとは分離したものであるため、使用時にキャップをはずした後に紛失し易い。紛失して、そのままにしておくと、上述したように、光素子が汚れる等して、所定の光信号伝達ができなくなるおそれが高くなる。つまり誤動作する場合があり、光コネクタのソケットの信頼性が低くなっていた。
【0005】
一方、このようにソケットの挿入穴部に、光コネクタのプラグが挿入されていないとき、つまり信号伝達をする必要のないときでも、この光コネクタのソケットが設けられている装置の電源がオンされると、光コネクタのソケットの光素子が常時動作状態となっていた。そのため、光素子の寿命、ひいてはソケットの寿命を大幅に縮めていた。これにより、光素子の汚れの程度が比較的小さくても、所定の光信号伝達ができなくなり易かった。よって、この点からも光コネクタのソケットの信頼性が低くなっていた。
【0006】
また、このように装置の電源がオンされると、光素子が常時動作状態となっていたために、装置全体の消費電力を押し上げるという好ましからざる状態にあった。
【0007】
本発明の主たる目的は、光コネクタのソケットの信頼性を高く維持することのできる光コネクタのソケットを提供することにある。より具体的には、埃等の侵入を防止する手段や光素子の寿命を延ばす手段を一体化した光コネクタのソケットを提供することにある。また、併せて、光コネクタのソケットが設けられた装置の消費電力の低減を図ることのできる光コネクタのソケットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の請求項1に係る光コネクタのソケットは、光コネクタのプラグと接続する光コネクタのソケットであって、前記プラグが挿入される挿入穴部が形成されたハウジング部と、前記挿入穴部の入口側に軸部を有するヒンジ機構によって取り付けられ、この挿入穴部を略閉塞するためのシャッタ部と、このシャッタ部を前記入口側へ付勢する弾性体部とを具備しており、前記挿入穴部は、前記シャッタ部を格納するスペースを有し、前記プラグを挿入穴部に挿入する際に、シャッタ部は、プラグの先端部によって押圧されて挿入穴部の内側に入り込み、接続完了すると前記スペースに格納される光コネクタのソケットであって、前記ハウジング部は、シャッタ部が取り付けられる穴部を有する第1のハウジング部と、前記第1のハウジング部が挿入される穴部を有する第2のハウジング部とを有しており、第1のハウジング部の穴部の入口側上部の両側面には、前記シャッタ部の取り付けに伴って前記軸部がセットされる一対の溝がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、前記第2のハウジング部には、前記第1のハウジング部の取り付けに伴って前記溝にその開放端から挿入可能な一対の凸部がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、前記第1のハウジング部が前記第2のハウジング部の穴部に取り付けられると、前記溝にセットされた前記軸部は第1のハウジング部の溝と第2のハウジング部の凸部とで挟持され、前記挿入穴部の奥側には、光素子が設けられる素子部屋部を有しており、この素子部屋部は、前記第1のハウジング部に当該第1のハウジング部の穴部に連通して設けられた凹状の前面側部と、前記第2のハウジング部の穴部のプラグ挿入方向の奥側部に設けられた凹状の背面側部とからなり、前記光素子は、前記素子部屋部において、前記第1のハウジング部と、前記第2のハウジング部とで挟持固定される。よって、本発明の請求項1に係る光コネクタのソケットの場合には、前記第1ハウジング部を第2ハウジング部の穴部に取り付けることにより、前記シャッタの軸部及び光素子の両方を挟持し、当該シャッタ部及び光素子を簡単に取り付けることができるので、量産性に優れている。
【0009】
本発明の請求項2に係る光コネクタのソケットは、前記シャッタ部は、前記スペースに格納された状態で、プラグの側面側を保持するようになっている。よって、本発明の請求項2に係る光コネクタのソケットの場合には、挿入後のプラグの保持力をシャッタ部がプラグの保持に寄与することで補い、一般的なEIAJ規格のソケットの場合に比較的近い保持力によって保持されていることとなる。
【0010】
本発明の請求項3に係る光コネクタのソケットは、前記プラグが前記挿入穴部に挿入された状態で、前記プラグの側面に設けられた位置決め用凸部が前記挿入穴部のスペース対向面に設けられた位置決め用係合部に嵌まり込むようになっている。よって、プラグの前記挿入穴部に挿入された状態での位置決めが確実となる。
【0011】
本発明の請求項4記載の光コネクタのソケットはDVD ( 登録商標 ) 、TV、STB(セットトップボックス)、CD、MD ( 登録商標 ) 、アンプ等のデジタルオーディオ機器に設けられることで特に有益に機能する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットを図1〜図6を参照しつつ説明する。尚、この本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットは、本発明の請求項1に係る光コネクタのソケットの実施の形態を示すものである。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す一部透視した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は背面図、同図(B)は同図(A)のA−A線での断面図、同図(C)は側面図、同図(D)は正面図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる弾性体部と軸部とを示す図であって、同図(A)は弾性体部の正面図、同図(B)は弾性体部の側面図、同図(C)は軸部の正面図である。
【0014】
また、図5は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)〜同図(D)は挿入途中の状態図、同図(E)は挿入完了時の状態図、図6は本発明のすべての実施の形態に係る光コネクタのソケットに接続させるEIAJ規格の角型プラグを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は一部破断した側面図である。
【0015】
本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200は、図6に示されるようなEIAJ規格の角型プラグ100と接続するものである。
【0016】
角型プラグ100は、光ファイバ110の端部側に設けられており、略直方体状のプラグ本体部120と、このプラグ本体部120の先端側に突設された係合凸部150とからなる。
【0017】
係合凸部150は、正面視においてホームベースの下側をカットしたような略六角形状(以下、この形状を「正面視略六角形状」と略す。)をしており、全体が後述のソケット200等の挿入穴部220等に係合される部分である。この係合凸部150は、プラグ本体部120側の部分であり、その先端側に凹を有する係合凸部本体151と、この係合凸部本体151の先端側であって、前記凹の中心部分に突設され、後述のソケット200等のプラグ先端保持部229等(または突出部900)と係合するプラグ先端部159とを有している。前記凹内のプラグ先端部159の周囲は凹部152となっている。
【0018】
係合凸部本体151は、正面視略六角形状をしており、その両側面に、後述のソケット200等の挿入穴部220等のプラグガイド用凹部221、221と係合する挿入ガイド用凸部151a、151aが突設されている。係合凸部本体151は、その上下面に、位置決め用凸部151b、151bが突設されている。係合凸部本体151は、下面側に、正面視略六角形状の2つの斜辺部分の斜辺面151c、151cを有している。係合凸部本体151は、その先端面にテーパ151tが設けられている。
【0019】
凹部152は、後述のソケット200等の挿入穴部220等の奥側に設けられているプラグ先端保持部229等(または突出部900)が、後述の図7の破線に示されるように、EIAJ規格の奥行き寸法を有したもの(つまり突出部900)であれば、この突出部分と係合する部分である。
【0020】
プラグ先端部159は、正面視円形であり、光ファイバ110の先端側部分の外周を保護樹脂部159aで覆った部分である。この保護樹脂部159aの先端には、テーパ159tが設けられている。尚、保護樹脂部159aは、係合凸部本体151の延設部分である。つまり、係合凸部本体151も樹脂製である。
【0021】
本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200は、図1に示されるように、プラグ100が挿入される挿入穴部220を有したハウジング部205と、この挿入穴部220の入口側にヒンジ構造によって取り付けられ、この挿入穴部220を略閉塞するためのシャッタ部210と、このシャッタ部210を前記入口側へ付勢する弾性体部230と、このシャッタ部210と弾性体部230とを支え、前記ヒンジ構造のための部材となっている軸部240と、挿入穴部220の奥側に設けられる光素子290とを備えている。
【0022】
ハウジング部205は、図2に示されるように、略直方体であり、その正面下部側に、挿入穴部220が開口されている。その挿入穴部220の奥側に、光素子290が設置される素子部屋部250が設けられている。この挿入穴部220と素子部屋部250とを連通するように、プラグ先端保持部229としての開口が設けられている。ハウジング部205は、その上部側に、固定用透孔280が設けられている。
【0023】
挿入穴部220は、左右対称に形成されており、プラグ100の係合凸部150(ただし、プラグ先端保持部229に嵌まり込むプラグ先端部159の先端側部分を除く。)を挿入する空間220Hと、この空間220Hに延設した、シャッタ部210を水平格納可能なスペース225とを有している。挿入穴部220の入口開口面の正面形状は、図2(A)等に示されるように、その下部側の形状が係合凸部150の正面外形形状であり、この下部側の形状を、後述のシャッタ部210の上部側形状分延設した形状となっている。
【0024】
挿入穴部220の奥行き方向寸法は、後述のシャッタ部210の高さ方向寸法よりも若干大きい程度である。また、挿入穴部220の奥行き方向寸法は、挿入穴部220に挿入されたプラグ100の係合凸部150の先端面が、プラグ先端保持部229の開口を経由して、光素子290の前面から所定の微小寸法手前の位置に配置されうる寸法である。
【0025】
挿入穴部220は、その内面の両側面およびそれに連なる底面の形状が、プラグ100の係合凸部150を水平に挿入することができるように形成されている。よって、挿入穴部220の両側面には、係合凸部150の挿入ガイド用凸部151a、151aと係合するプラグガイド用凹部221、221が設けられている。また、係合凸部150の斜辺面151c、151cに対応する部分として、挿入穴部220の下部側両側面に、傾斜面部222、222が設けられている。更に、挿入穴部220の底面には、下側の位置決め用凸部151bが挿入される位置決め用透孔223が設けられている。
【0026】
傾斜面部222には、後述のシャッタ部210の係止用凸部211aの通過と係止(この係止とは、シャッタ部210が垂直状態よりも前面側に回動させないがための係止をいう。)のため、貫通している長孔222aが形成されている。
【0027】
この長孔222aの幅寸法は、係止用凸部211aが入り込む寸法である。また、その長手方向寸法は、挿入穴部220の入口側にヒンジ構造によって取り付けられたシャッタ部210が、挿入穴部220の奥側に回動させられたときに、係止用凸部211aが挿入穴部220の内面に引っ掛からないような長さに形成されている。長孔222aの前面側の端部の位置は、シャッタ部210が、挿入穴部220の入口側を略閉塞した状態、つまり、シャッタ部210が垂直状態となっている状態において、係止用凸部211aが配置されている所である。よって、シャッタ部210の下部側は、垂直状態よりも前方に回動しない。
【0028】
挿入穴部220の入口側上部の両側面には、軸部240の両端部分を支えるための透孔226、226が開口されている。
【0029】
シャッタ部210は、挿入穴部220の入口に嵌まり込むことが可能(もちろん入口から奥側にも嵌まり込むことが可能)な、正面視略六角形状に形成されている。この正面視形状は、挿入穴部220の入口開口面の形状から、プラグガイド用凹部221、221の形状部分を取り除いた形状に、係止用凸部211a、211aを突設した形状となっている。
【0030】
係止用凸部211a、211aは、それぞれ、挿入穴部220の傾斜面部222、222に対応する斜辺面211、211に突設されている。シャッタ部210の正面側には、図3(D)に示されるように、プラグ100の係合凸部150の上側の位置決め用凸部151bが嵌まり込む位置決め用凹部212が形成されている。
【0031】
シャッタ部210の背面側上部には、図3(B)に示されるように、軸部240を保持するための透孔214を有した突出部213が設けられている。突出部213の中央部分には、図3(A)に示されるように、後述の弾性体部230の本体部230aが挿入される凹部215が形成されている。
【0032】
弾性体部230は、図4(A)および(B)に示されるように、ねじりコイルバネである。弾性体部230は、コイル状のバネ本体部230aと、このバネ本体部230aの一端から延設された逆L字状延設部230bと、バネ本体部230aの他端から延設された棒状延設部230cとを有している。バネ本体部230aの透孔230a1 には、軸部240が嵌め込まれるようになっている。逆L字状延設部230bと棒状延設部230cとの角度は、シャッタ部210に付勢力を与えることができるように、少なくとも90°以上とされている。
【0033】
軸部240は、図4(C)に示されるように、円柱状の棒である。軸部240の長さ寸法は、シャッタ部210の横幅寸法よりも大きく、且つ、挿入穴部220の両側面に設けられている透孔226の両端間寸法程度である。軸部240の太さは、シャッタ部210の透孔214に係合可能な大きさである。
【0034】
このように構成されたソケット200は、例えば、次のようにして組み立てられる。尚、この組み立てには、図示しない組み立て専用棒と専用治具とを使用する。組み立て専用棒は、軸部240と同様の形状の棒であって、その長さ寸法が、シャッタ部210の横幅寸法と同じまたは若干短いものである。専用治具は、シャッタ部210を挿入穴部220内にて水平セット可能とするためのものであって、側面視略L字状のシャッタ部210搭載台と、この搭載台から延設している把手とを有したものである。搭載台の大きさは、もちろん挿入穴部220の大きさよりも小さい。
【0035】
先ず、シャッタ部210の凹部215に、弾性体部230をセットしつつ、前記組み立て用専用棒を、シャッタ部210の両端からはみ出さないように、透孔214と透孔230a1 とに挿入しておく。この状態のシャッタ部210を、その表側を下側にして、水平状態とした上で、前記専用治具に載置する。
【0036】
そして、シャッタ部210を載置した専用治具を挿入穴部220に挿入する。その際、シャッタ部210の背面に保持されている弾性体部230は、その両端ともに挿入穴部220内に納めるように押し曲げつつ、挿入穴部220の上部側のスペース225に挿入される。この状態において、シャッタ部210は、組み立て後に回動されて水平となったときと同じ状態にされている。
【0037】
この状態を維持しつつ、軸部240を、ハウジング部205の透孔226に挿入する。これにより、前記組み立て用専用棒の代わりに、軸部240が所定の組み立て後の位置に納まる。専用治具を挿入穴部220から抜き取り、その後に、ハウジング部205の素子部屋部250に光素子290を設置すると、ソケット200の組み立てが完了する。
【0038】
次に、ソケット200の機構動作を図1および図5等を参照しつつ説明する。ソケット200は、プラグ100を挿入していない状態では、シャッタ部210が弾性体部230によって挿入穴部220の入口側に付勢されているため、挿入穴部220の入口側がシャッタ部210によって略閉塞されている〔図1および図5(A)の状態〕。
【0039】
図5(B)に示されるように、プラグ100を挿入穴部220内に、前記付勢力以上の力で、挿入し始めると、プラグ100のプラグ先端部159にシャッタ部210の前面(おもての面)が押されて、軸部240を回動中心として回動し、シャッタ部210は、その先端側が挿入穴部220内部に入り込んでくる。
【0040】
更に、プラグ100を挿入穴部220内に押し進めると、プラグ100の係合凸部本体151の下側の端部が、挿入穴部220の入口側底面に摺接し、一方、プラグ100の係合凸部本体151の上側の端部がシャッタ部210の前面に当接するようになる〔図5(C)の状態〕。ここまでの、シャッタ部210の回動と前記係合凸部本体151の下側の端部の挿入穴部220の入口側底面への摺接開始とは、プラグ100のテーパ151t、159tによって、滑らかにされる。
【0041】
更に、プラグ100を挿入穴部220内に押し進めると、図5(D)に示されるように、シャッタ部210は、挿入穴部220のスペース225において水平状態に格納される。更に、プラグ100を挿入穴部220内に圧入ぎみに押し進め、係合凸部本体151の基端部まで、挿入穴部220内に挿入完了すると、図5(E)に示される状態となる。
【0042】
つまり、プラグ先端部159の先端側は、プラグ先端保持部229に保持されている。このプラグ先端部159の先端面は、光素子290(図5では図示省略しているので、図1参照)の前面の所定微小距離手前に配置されていることとなる。また、係合凸部本体151は、挿入穴部220の両側面から底面にかけての面と、シャッタ部210の前面(尚、付勢力も付加されている。)とによって保持されていることとなる。
【0043】
尚、図5においては図示省略しているが、位置決め用凸部151b、151b(図6参照)の内、下側の位置決め用凸部151bは、位置決め用透孔223に挿入されており、一方、上側の位置決め用凸部151bは、シャッタ部210の位置決め用凹部212に挿入されている。これらによって、プラグ100は、一般的なEIAJ規格のソケットの場合に比較的近い保持力によって保持されていることとなる。
【0044】
逆に、プラグ100を挿入穴部220から抜く場合には、図5の状態が全く逆となるだけである。尚、シャッタ部210は、弾性体部230による付勢力によって、挿入穴部220の入口側に自動復帰する。
【0045】
このように構成され、動作するソケット200は、このソケット200を取り付ける装置のキャビネットにその殆どの部分が覆われ、表側に露出するのは、挿入穴部220付近のみとなっている。したがって、ソケット200の光素子290の前面側を汚す原因となる埃等の主たる侵入ルートとしては、挿入穴部220の入口側だけであり、その入口側は、その侵入を阻止すべく設けられているシャッタ部210によってガードされていることとなる。
【0046】
尚、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200において、シャッタ部210の構造と、軸部240の挿入方法とをマイナーチェンジしたソケット200Aを、図7および図8を参照しつつ説明する。図7は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのマイナーチェンジ品を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面視一部透視説明図、図8は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのマイナーチェンジ品に用いられるシャッタ部と、弾性体部とを示す図であって、同図(A)はシャッタ部の側面図、同図(B)はシャッタ部の背面図、同図(C)は弾性体部の側面図、同図(D)は弾性体部の正面図である。尚、上述のソケット200と共通機能の部分には、同じ番号を付した。
【0047】
ソケット200Aのシャッタ部210Aは、組み立ての際に、軸部240を横から挿入するのではなく、背面側に圧入するようにした点が構造上の大きな違いである。シャッタ部210Aは、シャッタ部210同様、正面視略六角形状に形成されている。この正面視形状は、挿入穴部220の入口開口面の形状から、プラグガイド用凹部221、221の形状部分を取り除いた形状に、係止用凸部211a、211aを突設した形状となっている。
【0048】
シャッタ部210Aの正面側には、プラグ100の係合凸部150の上側の位置決め用凸部151bが嵌まり込む位置決め用凹部212Aが形成されている。この位置決め用凹部212Aの上部側には、位置決め用凸部151bを呼び込むための凹部216Aが設けられている。
【0049】
シャッタ部210Aの背面側上部には、軸部240を保持するための側面視略C字状の凹部214Aを有した突出部213Aが設けられている。突出部213Aの中央部分には、後述の弾性体部230Aの本体部230Aaと、棒状延設部230Abとが挿入される凹部215Aが形成されている。
【0050】
弾性体部230Aは、ねじりコイルバネである。弾性体部230Aは、コイル状のバネ本体部230Aaと、このバネ本体部230Aaの一端と他端とから延設された棒状延設部230Ab、230Abとを有している。棒状延設部230Abと230Abとの角度は、シャッタ部210Aに付勢力を与えることができるように、少なくとも90°以上とされている。
【0051】
尚、ソケット200Aのハウジング205Aには、ソケット200のハウジング205に設けられていた透孔226の代わりに、軸部240を上部側から挿入可能であって、挿入穴部220の幅寸法よりも長い長孔228Aが設けられている。この長孔228Aの中央部には、弾性体部230Aを折り曲げた状態(2つの棒状延設部230Abが平行となるまで曲げた状態)で、挿入穴部220内側に挿入可能とするために長孔228Aを切欠きして穴部228A1、228A1が設けられている。
【0052】
このようなソケット200Aは、次のようにして組み立てられる。先ず、軸部240の中央に弾性体部230Aを挿入する。この状態の軸部240を、弾性体部230Aを折り曲げた状態にしつつ、長孔228Aと穴部228A1、228A1とに挿入する。この状態における弾性体部230Aに対して、シャッタ部210の凹部215Aを対応させつつ、軸部240に、シャッタ部210Aの側面視略C字状の凹部214Aを押しつけて、シャッタ部210Aのセットを完了させる。その後に、ハウジング部205Aの素子部屋部250に光素子290を設置すると、ソケット200Aの組み立てが完了する。
【0053】
ソケット200Aの機構動作は、ソケット200の機構動作と基本的に同じであるので、その説明は省略する。
【0054】
本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200において、プラグ先端保持部229は、挿入穴部220側に突出していないとした。しかし、図9に示されるように、シャッタ部210の回動によって接触しない範囲で、プラグ先端保持部229に円形凸部229tを延設して、突出部229Tとしてもよい。図9は本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのプラグ先端保持部に円形凸部を延設して突出部とした状態、およびEIAJ規格の突出部とを説明するための側面視概略的説明図である。この突出部229Tの奥行き寸法を長くできるほど、プラグ100の保持力を増すことができる。
【0055】
ところで、図9においては、EIAJ規格の突出部900の状況を破線で図示している。このように、プラグ100がEIAJ規格の角型プラグである場合には、ソケット200(または200A)のような構造では、EIAJ規格に対応した奥行き寸法の突出部900を設けることはできない。上述したように、EIAJ規格の突出部900のように、突出した部分の奥行き寸法を長くする方が、プラグ100の保持力を増すことができる。そのため、プラグ100の抜け防止上、EIAJ規格の突出部900をソケットに設けることが好ましい。
【0056】
そこで、EIAJ規格の突出部900をソケットに設けることを可能とした構造を本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Wとして、図10および図11を参照しつつ説明する。
【0057】
図10は本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)〜同図(D)は挿入途中の状態図、同図(E)は挿入完了時の状態図、図11は本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入する状態を説明するために拡大して示した側面視概略的説明図である。
【0058】
本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Wは、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210(または210A)が1枚からなっていたのに対して、2枚に分割したシャッタ部210W1、210W2を有するとした。また、後述のように、シャッタ部210W1、210W2は回動されるのみならずガイド機構としての透孔227W1、227W2によってガイドされて移動もされるようにした。これら2つの手段によって、シャッタ部210W1、210W2は、その長さ寸法を極力短くし、EIAJ規格の突出部900に接触しないようにしている。
【0059】
ソケット200Wは、具体的には、光コネクタのプラグ100と接続する光コネクタのソケットであって、プラグ100が挿入される挿入穴部220Wを有したハウジング部205Wと、この挿入穴部220Wの入口側に、軸部240を伴うヒンジ構造によって取り付けられ、この挿入穴部220Wを略閉塞するための2つのシャッタ部210W1、210W2と、この2つのシャッタ部210W1、210W2をそれぞれ前記入口側へ付勢する弾性体部230、230(本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200の弾性体部230と基本的に同じ。)と、挿入穴部220Wの奥側に設けた図示しない光素子とを備えている。
【0060】
挿入穴部220Wは、プラグ100の係合凸部150を挿入する空間220H′と、この空間220H′に延設した、前記入口側の縁部に2つのシャッタ部210W1、210W2をそれぞれ独立して格納するスペース225W1、225W2と、各シャッタ部210W1、210W2を前記入口側と前記各スペース225W1、225W2との間でガイドするガイド機構としての長孔状の透孔227W1、227W2(図11参照)と、奥側に設けられたEIAJ規格の突出部900とを有するとしている。
【0061】
シャッタ部210W1は、第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210Aの上側半分に相当するものである。シャッタ部210W2は、第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210Aの下側半分に相当するものに対して、挿入穴部220Wに挿入されたプラグ100の斜辺面151c、151cを支えるための支持用凸部217W2、217W2を延設したものである。
【0062】
支持用凸部217W2の先端側には、曲面217W2aが形成されている。シャッタ部210W1、210W2の先端側にも、それぞれ曲面210W1t、210W2tが設けられている。これらの曲面217W2a、210W1t、210W2tによって、シャッタ部210W1、210W2の相互の開閉がスムーズにできるようになっている。
【0063】
シャッタ部210W1、210W2の前面には、プラグ100の係合凸部150の位置決め用凸部151b、151bが嵌まり込む位置決め用凹部212W1、212W2がそれぞれ形成されている。
【0064】
シャッタ部210W1、210W2の両側面の先端側には、図示しない係止用凸部(その形状は、第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210Aの係止用凸部211aと同様である。)が設けられている。挿入穴部220Wの内面であって、この図示しない係止用凸部が移動する経路には、この図示しない係止用凸部に対応した図示しない凹部が設けられている。
【0065】
シャッタ部210W1、210W2の背面側には、第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210と同様に、それぞれ軸部240を保持するための透孔214を有した突出部213が設けられている。軸部240(図11参照)には、弾性体部230が嵌め込まれるようになっている。この軸部240は、その両端側が、ガイド機構としての長孔状の透孔227W1、227W2に挿入されて、ガイド機構としても働く。
【0066】
このように構成された本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Wの組み立て方法は、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200と略同様となっているので、その説明は省略する。
【0067】
次に、ソケット200Wの機構動作を説明する。ソケット200Wは、プラグ100を挿入しない状態では、シャッタ部210W1、210W2が弾性体部230、230によって挿入穴部220Wの入口側に付勢されているため、挿入穴部220Wの入口側がシャッタ部210W1、210W2によって略閉塞されている〔図10(A)の状態〕。
【0068】
図10(B)の位置で、図10(C)に示されるように、プラグ100を挿入穴部220W内に、弾性体部230、230による付勢力以上の力で、挿入し始めると、プラグ100のプラグ先端部159にシャッタ部210W1、210W2の各前面が押されて回動し、シャッタ部210W1、210W2は、その先端側が挿入穴部220内部に入り込んでくる。
【0069】
更に、プラグ100を挿入穴部220W内に押し進めると、シャッタ部210W1、210W2は、図10(D)に示されるように、ガイド機構としての長孔状の透孔227W1、227W2にガイドされ始めて、それぞれ上下のスペース225W1、225W2側に移動させられる。
【0070】
更に、プラグ100を挿入穴部220W内に押し進めると、シャッタ部210W1、210W2は、挿入穴部220Wのスペース225W1、225W2において水平状態に格納される。一方、プラグ100のプラグ先端部159の先端側は、突出部900内に挿入され始める。
【0071】
更に、プラグ100を挿入穴部220W内に圧入ぎみに押し進め、係合凸部本体151の基端部まで、挿入穴部220W内に挿入完了すると、図10(E)に示される状態となる。
【0072】
つまり、プラグ先端部159の先端側は、突出部900内に完全に保持されている。このプラグ先端部159の先端面は、図示しない光素子(突出部900の奥側に設置している。)の前面の所定微小距離手前に配置されていることとなる。また、係合凸部本体151は、挿入穴部220の両側面と、挿入穴部220の奥側天井面および奥側底面と、シャッタ部210W1、210W2の前面(尚、付勢力も付加されている。)とによって保持されていることとなる。
【0073】
尚、位置決め用凸部151b、151b(図6参照)は、シャッタ部210W1、210W2の位置決め用凹部212W1、212W2に挿入されている。これらによって、プラグ100は、一般的なEIAJ規格のソケットの場合と比較して、同等以上の保持力によって保持されていることとなる。
【0074】
逆に、プラグ100を挿入穴部220Wから抜く場合には、図10の状態が全く逆となるだけである。尚、シャッタ部210W1、210W2は、長孔状の透孔227W1、227W2にガイドされつつ、弾性体部230による付勢力によって、挿入穴部220の入口側に自動復帰する。
【0075】
ところで、図10(E)および図11を参照しつつ、前記ガイド機構の有効性を説明する。前記ガイド機構を設けないで、単に2枚のシャッタにするだけの場合には、シャッタ部210W1、210W2を図10(E)の配置で回動させることとなる。したがって、挿入穴部220Wの入口側を閉塞するためには、現状のシャッタ部210W1、210W2よりもその長さ寸法を、長孔状の透孔227W1、227W2にガイドされたシャッタ部210W1、210W2の移動距離分だけ大きくする必要がある。
【0076】
図11において、前記移動距離分だけ、現状のシャッタ部210W1、210W2の長さ寸法を大きくすると、その先端が、明らかに、突出部900に接触することがわかる。つまり、前記ガイド機構は、EIAJ規格のプラグ100と接続させるEIAJ規格の突出部900を備えたソケットに、埃等の侵入を防止するシャッタを設ける場合には、有効な機構であるといえる。
【0077】
次に、EIAJ規格の突出部900を備えることの可能な別の機構を有した光コネクタのソケットを本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図12および図13を参照しつつ説明する。図12は本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケットを説明するための側面視概略的説明図、図13は本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す概略図で、同図(A)は一部図示省略した概略的正面図、同図(B)は一部図示省略した概略的側面図である。
【0078】
本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Sは、光コネクタのプラグ100と接続する光コネクタのソケットであって、プラグ100が挿入される挿入穴部220Sを有したハウジング部205Sと、この挿入穴部220Sの入口側に取り付けられ、この挿入穴部220Sを略閉塞するためのシャッタ部210Sと、この挿入穴部220Sの奥側に設けた図示しない光素子とを備えている。
【0079】
挿入穴部220Sは、プラグ100の係合凸部150を挿入する空間220H′と、この空間220H′に延設したシャッタ部210Sを格納するスペース225Sと、このスペース225Sの奥側に設け、シャッタ部210Sの先端側と係合する奥側係合部としての奥側凹部225S1と、前記入口側に設け、シャッタ部210Sの先端側と係合する入口側係合部としての入口側凹部224Sと、シャッタ部210Sを保持する一対の凸部240S、240Sと、奥側に設けられたEIAJ規格の突出部900と、プラグ100の下側の位置決め用凸部151bが係合される位置決め用透孔223とを有する。
【0080】
シャッタ部210Sは、正面視略四角形状に形成されている。シャッタ部210Sの幅寸法および縦寸法は、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210と同じである。シャッタ部210Sは、両側面長手方向に、一端から他端付近まで、前記凸部240Sと係合する溝部217Sを形成している。
【0081】
シャッタ部210Sは、前面側上部に、シャッタ部210Sを手動で移動させるための引っ掛け凹部219Sを形成している。シャッタ部210Sは、前面側に、プラグ100の係合凸部150の上側の位置決め用凸部151bが嵌まり込む図示しない位置決め用凹部を形成している。シャッタ部210Sは、その先端側に、前記奥側凹部225S1と入口側凹部224Sとに係合可能な凸状延設部218Sが設けられている。
【0082】
このように構成されたソケット200Sは、上述した弾性体部230(または230A)を備えていないため、自動復帰しない完全手動タイプとなっている。つまり、シャッタ部210Sは、挿入穴部220Sの入口側と、挿入穴部220S内のシャッタ部を格納するスペース225Sとの間で、双方向に手動で移動させられるようになっている。
【0083】
次に、ハウジング部205Sに対してのシャッタ部210Sのセットの仕方やシャッタ部210Sの操作方法について前記図12を参照しつつ説明する。
【0084】
ハウジング部205Sに対してのシャッタ部210Sのセットの仕方は、シャッタ部210Sの先端側を、空間220H′の上部側(細かく言えば、スペース225Sよりも下側であって、突出部900の上部側の空間)に挿入する。その後、シャッタ部210Sを手前に引きつつ、凸部240S、240Sに対して、溝部217S、217Sを嵌め込むとよい。
【0085】
このようにセットされたシャッタ部210Sを、前面側にスライドさせつつ、回動させて垂直にし、シャッタ部210Sの凸状延設部218Sを入口側凹部224Sに係合させると、挿入穴部220Sの入口側はシャッタ部210Sによって略閉塞されることとなる。
【0086】
プラグ100を挿入穴部220Sに挿入する場合には、前記状態からシャッタ部210Sを上部側へスライドさせつつ手前に回動させ、水平とした後に、奥側にスライドさせて押し込むと、シャッタ部210Sの凸状延設部218Sが奥側凹部225S1に嵌まり込む。よって、シャッタ部210Sは、水平に保持されてスペース225Sに格納されている。これにより、挿入穴部220Sにプラグ100を挿入可能となっている。この後に、プラグ100を挿入穴部220Sに圧入ぎみに挿入すればよい。
【0087】
挿入穴部220Sに挿入完了されたプラグ100においては、プラグ先端部159は、突出部900に保持されている。このプラグ先端部159の先端面は、図示しない光素子の前面の所定微小距離手前に配置されていることとなる。また、係合凸部本体151は、挿入穴部220の両側面から底面にかけての面と、シャッタ部210Sの前面とによって保持されていることとなる。ただし、このシャッタ部210Sの前面による保持力は、シャッタ部210Sとスペース225Sの上にある天井面との間の摩擦力によってその大きさが左右されるで、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200のシャッタ部210のときの保持力よりは小さい。
【0088】
尚、位置決め用凸部151b、151b(図6参照)の内、下側の位置決め用凸部151bは、位置決め用透孔223に挿入されており、一方、上側の位置決め用凸部151bは、シャッタ部210Sの図示しない位置決め用凹部に挿入されている。これらによって、プラグ100は、一般的なEIAJ規格のソケットの場合に比較的近い保持力によって保持されていることとなる。
【0089】
逆に、プラグ100を挿入穴部220から抜く場合には、上側の位置決め用凸部151bが、シャッタ部210Sの図示しない位置決め用凹部に嵌まり込んでいたため、プラグ100とともに、シャッタ部210Sも手前側にスライドして押し戻される。この押し戻されたシャッタ部210Sを、図12のようにスライドさせつつ回動させて垂直にし、シャッタ部210Sの凸状延設部218Sを入口側凹部224Sに係合させる。これによって、シャッタ部210Sを、挿入穴部220Sの入口側において、所定の略閉塞状態に戻すこととなる。ところで、ソケット200Sにおいて、奥側係合部としての奥側凹部225S1と、入口側係合部としての入口側凹部224Sとは、凹部でなく凸部とし、これに応じてシャッタ部210Sの凸状延設部218Sを凹部としてもよいことは言うまでもない。
【0090】
次に、EIAJ規格の突出部900を備えることの可能な更に別の機構を有した光コネクタのソケットを本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図14〜図17を参照しつつ説明する。
【0091】
図14は本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は一部透視した断面図、図15は本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング本体部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図、図16は本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング延設部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、図17は本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は同図(B)のA−A線での断面図、同図(D)は側面図、同図(E)は背面図である。
【0092】
本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Tは、光コネクタのプラグ100と接続する光コネクタのソケットであって、プラグ100が挿入される挿入穴部220Tを有するハウジング本体部205Tと、挿入穴部220Tの入口側に回動・スライド手段によって取り付けられ、この挿入穴部220Tを略閉塞するためのシャッタ部260と、このシャッタ部260を格納するために挿入穴部220Tの近傍に設けたシャッタ部260を格納するための格納穴部330を有し、且つハウジング本体部205Tと別体となっているハウジング延設部300と、挿入穴部220Tの奥側に設けられている光素子290とを備え、シャッタ部260は、前側に回動して開かれ、スライドして格納穴部320に収納可能となっている。
【0093】
よって、本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Tの場合には、本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Sのように、シャッタ部260は、手動式である。ただし、シャッタ部260は、挿入穴部220Tに入り込むことなく、挿入穴部220Tの前側で回動して開かれ、スライドして、挿入穴部220Tとは別の格納穴部330に収納されるようになっている。そのため、挿入穴部220Tの奥側に設けられている突出部900は、EIAJ規格通りとすることが当然可能となっている。
【0094】
ソケット200Tの各部分の構造を、より具体的に説明すると以下のようになっている。挿入穴部220Tは、光コネクタのプラグ100の係合凸部150と係合する形状に形成されている。挿入穴部220Tの奥側には、突出部900が設けられている。この突出部900の開口の奥側には、素子部屋部250が設けられている。
【0095】
挿入穴部220Tの底面であって、ハウジング本体部205Tの底面には、プラグ100の下側の位置決め用凸部151bが係合される位置決め用透孔223が設けられている。挿入穴部220Tの天井面には、プラグ100の上側の位置決め用凸部151bが係合される図示しない位置決め用凹部が形成されている。挿入穴部220Tの両側面の上部側には、透孔226Tが設けられている。この透孔226Tには、後述のシャッタ部260の係止用凸部262aを係合するためのものである。
【0096】
ハウジング延設部300は、ハウジング本体部205Tの下部側に、シャッタ部260を格納するための格納穴部320を設けるためのものである。また、シャッタ部260を、この格納穴部330にスライドさせて格納できるようにしている。そのためハウジング延設部300は、以下のように形成されている。
【0097】
ハウジング延設部300は、正面視略コ字状の本体部310と、この本体部310の内側に突設され、後述のシャッタ部260の回動・スライド用支持凸部263a、263aを支える一対の支持枠部320、320とを有している。
【0098】
本体部310は、その奥行き寸法が、ハウジング本体部205Tよりもやや小さく形成されている。本体部310の幅寸法は、その正面視略コ字状の内側にハウジング本体部205Tが摺接する大きさである。本体部310には、光素子290の下部側を引き出すための透孔315が開口されている。
【0099】
支持枠部320は、その奥行き寸法が、ハウジング本体部205Tと同じに形成されている。支持枠部320は、本体部310よりも長い分、本体部310の前方側に突出するように延設されている。支持枠部320には、後述のシャッタ部260の回動・スライド用支持凸部263a(回動・スライド手段の一方側)が嵌まり込む長尺状切欠き部321(回動・スライド手段の他方側)が形成されている。
【0100】
この長尺状切欠き部321の手前側端部の位置は、図14(C)に示されるように、シャッタ部260を挿入穴部220Tの入口側で回動させつつ、この挿入穴部220Tの入口を閉塞するように垂直に押し込むことができる位置としている。一方、長尺状切欠き部321の奥側端部の位置は、図14(C)に示されるように、シャッタ部260を格納穴部330に水平にスライドさせつつ格納したときに、ハウジング本体部205Tからはみ出さない位置であるとともに、後述のシャッタ部260の引っ掛け用凸部261aに対して、少なくとも指の爪を引っ掛けることが可能なだけ、ハウジング延設部300の本体部310の前面からシャッタ部260の上部側(つまり引っ掛け用凸部261aが設けられている側)が迫り出して格納されていることとなる位置である。
【0101】
シャッタ部260は、挿入穴部220Tの正面視形状よりも大きく形成されている。シャッタ部260は、正面視略矩形状に形成された前面側部261と、この前面側部261の背部の上部側に突設された嵌め込み部262と、前面側部261の背部の下部側に突設された支持用突出部263とを有している。
【0102】
前面側部261は、その前面の上部側に引っ掛け用凸部261aが設けられている。前面側部261は、その上部側に引っ掛け用凹部261bが設けられている。前面側部261の前面側の下部側は、シャッタ部260の回動をスムーズにするための曲面263bが設けられている。
【0103】
嵌め込み部262は、挿入穴部220Tの入口側に嵌合可能な形状に形成されている。嵌め込み部262の両側面の上部側には、ハウジング本体部205Tの透孔226Tと係合する係止用凸部262a、262aが設けられている。支持用突出部263の両側面には、シャッタ部260の回動・スライド用支持凸部263a、263a(回動・スライド手段の一方側)が突設されている。
【0104】
このように形成されているソケット200Tは、以下のようにして組み立てられる。ハウジング本体部205Tの素子部屋部250に対して、光素子290を設置する。ハウジング延設部300の支持用突出部263の長尺状切欠き部321に対して、シャッタ部260を水平に載置したものを、前記ハウジング本体部205Tの下部側に位置合わせしつつ、ハウジング本体部205Tとハウジング延設部300とを接着固定する。
【0105】
このようにして組み立てられたソケット200Tにおいては、図14(C)に示されるように、引っ掛け用凸部261aに指の爪を引っ掛けるようにして、ハウジング延設部300の格納穴部330から、シャッタ部260を水平にスライドさせて引き出す。そして、長尺状切欠き部321の手前側端部の位置まで、シャッタ部260の回動・スライド用支持凸部263aが引っ張り出されたときに、シャッタ部260を挿入穴部220Tの入口側に回動させる。そして、シャッタ部260の嵌め込み部262を挿入穴部220Tの入口に圧入することで、挿入穴部220Tの入口側がシャッタ部260によって閉塞されることとなる。
【0106】
逆に、シャッタ部260を挿入穴部220Tの入口側から取り外す場合は、シャッタ部260の引っ掛け用凹部261bに指の爪を引っ掛けるようにして、シャッタ部260の嵌め込み部262を挿入穴部220Tから外す。その後、上述と逆に回動させ、スライドさせれば、シャッタ部260を格納穴部330に格納できる。
【0107】
このように形成され・操作されるソケット200Tは、上述してきた本発明の第1〜第4の実施の形態に係る光コネクタのソケット200等の中で最も閉塞性が高い。
【0108】
次に、このソケット200Tに対して、光素子の寿命を延ばす手段および低消費電力化手段としてのスイッチ(このスイッチは、以下のように、シャッタ部が挿入穴部の入口側から所定の位置まで移動したときに、このシャッタ部によって操作されるものである。)を設けたものを、本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図18〜図21を参照しつつ説明する。
【0109】
図18は本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタを示す一部透視した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、図19は本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるハウジング延設部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図、同図(C)は正面図、同図(D)は同図(C)のA−A線での断面図、同図(E)は同図(B)のC−C線での断面図、同図(F)は同図(B)のB−B線での断面図、図20は本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるスイッチの固定切片部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面図、図21は本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるスイッチの可動切片部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は平面図、同図(D)は背面図である。
【0110】
本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタのソケット200T′は、ソケット200Tのハウジング延設部300に対して、光素子290への通電をオン・オフ制御するためのスイッチ400を設けただけの違いであって、それ以外の部分はソケット200Tと全く同じである。よって、異なる部分のみ以下に説明する。
【0111】
スイッチ400は、固定切片部410と、可動切片部420とからなる。固定切片部410は、平面視略矩形状、正面視略逆L字状、側面視略T字状に形成されている。固定切片部410は、図20(A)に示されるように、固定部411と、この固定部411の上部側中央部に延設された舌片部412とからなる。この舌片部412は、可動切片部420と接触する部分である。この舌片部412は、上下方向に揺動可能となっている。
【0112】
可動切片部420は、平面視略コ字状の固定部421と、この固定部421の上部側から延設された舌片部422とからなる。この舌片部422は、固定切片部410の舌片部412の上面側と接触する部分である。この舌片部422は、上下方向に揺動可能となっている。舌片部422の先端上部側は、格納穴部330にスライドされつつ格納されるシャッタ部260の前面側の曲面263bにスムーズに押下されるように湾曲部422aが形成されている。
【0113】
ソケット200T′のハウジング延設部300′は、スイッチ400を設けるために、ハウジング延設部300に対して、固定切片部410を固定するためにその形状に合わせた切欠き穴317′と、可動切片部420を固定するためにその形状に合わせた切欠き穴318′とを形成している。これ以外は、基本的にハウジング延設部300と同じである。
【0114】
尚、ハウジング延設部300′には、ハウジング延設部300に対して、その両側面側に位置決め用透孔319′を設けてもよい。この際、ハウジング本体部205Tには、この位置決め用透孔319′と係合する位置に、位置決め凸部(図示省略)を形成することとなる。これによって、ハウジング延設部300′とハウジング本体部205Tとの固定が容易となる。もちろん、ソケット200Tにおいても、この位置決め用透孔319′を設けてもよい。この位置決め用透孔319′と、この位置決め用透孔319′と係合する図示しない位置決め凸部とを一側面当たり複数設けると、上述した接着固定を省くことも可能である。
【0115】
このように形成されたソケット200T′においては、シャッタ部260を格納穴部330にスライドしつつ格納する際に、スイッチ400が、シャッタ部260によって当接されることによってオンし、シャッタ部260が格納穴部330から取り出されるとスイッチ400がオフとなるようになっている。よって、ソケット200T′にプラグ100が接続されるためにシャッタ部260が格納穴部330に格納されない限り、スイッチ400はオフとなっているので、光素子290にムダな通電をすることを減らすことができ、光素子290の寿命も延ばすことができる。
【0116】
尚、ソケット200T′において、スイッチ400は、良導電性を確保するため通常、金属製である。一方、ソケット200T′に接続されるプラグ100は樹脂製である。また、ソケット200T′においては、プラグ100がスイッチ400に接触することなく、シャッタ部260によってスイッチ400を働かせることができる。よって、プラグ100(樹脂製)がスイッチ400(金属製)によって傷付けられるおそれは全くない。
【0117】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200に対して、光素子の寿命を延ばす手段および低消費電力化手段としてのスイッチ(このスイッチは、以下のように、シャッタ部が挿入穴部の入口側から所定の位置まで移動したときに、このシャッタ部によって操作されるものである。)を設け、しかもそのスイッチの一方側を弾性体で兼用した場合について、本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図22を参照しつつその違いのみ説明する。図22は本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケットを説明するための側面視概略的説明図である。
【0118】
本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Bにおいては、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200の弾性体部230の形状等を変更している。具体的には、ソケット200Bの弾性体部230′は、弾性体部230の一端側を折り曲げ成形して、ソケット200Bの外側に引き出している。また、弾性体部230の他端側は、ソケット200Bに新たに設けたスイッチ400′の固定切片部410′と接触するようになっている。つまり、弾性体部230′は、スイッチ400′において、スイッチ400の可動切片部420相当として働かせる。よって、弾性体部230′は、良導電性を有した金属製である。
【0119】
上述以外は基本的にソケット200と共通構造を有するソケット200Bは、プラグ100が挿入穴部220に挿入されるときに、挿入穴部220の入口側に設けられているシャッタ部210が回動され、挿入穴部220内に入り込む。よって、スイッチ400′は、シャッタ部210が当接されることによってオンされることとなる。逆に、挿入穴部220からプラグ100が引き抜かれると、シャッタ部210は、弾性体部230′によって、挿入穴部220の入口側に付勢されるので、自動復帰する。そのため、スイッチ400′は、オフとなる。
【0120】
このように、本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Bにおいては、ソケット200Bにプラグ100が接続されていない限り、スイッチ400′はオフとなっているので、光素子290にムダな通電をすることを減らすことができ、光素子290の寿命も延ばすことができる。また、スイッチ400′にプラグ100が直接接触することがないので、スイッチ400′を設けても、プラグ100が傷付けられるおそれも全くない。更に、スイッチ400′の一方側に、弾性体部230′を兼用しているので、部品点数の削減と低コスト化も図れる。
【0121】
次に、シャッタ部の構造を特殊な構造とした場合について、本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図23および図24を参照しつつ説明する。
【0122】
図23は本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す概略的斜視図、図24は本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)および同図(C)は挿入途中の状態図、同図(D)は挿入完了時の状態図である〔尚、弾性体部は同図(D)においてのみ図示した。〕。
【0123】
本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Uは、光コネクタのプラグ100と接続する光コネクタのソケットであって、プラグ100が挿入される挿入穴部220Uを有したハウジング部205Uと、この挿入穴部220Uの入口側前方に、軸部240を伴うヒンジ構造によって取り付けられ、この挿入穴部220Uを略閉塞するためのシャッタ部210Uと、このシャッタ部210Uを挿入穴部220Uの内部側から前記入口側方向へ付勢する弾性体部230、230(図23のJおよびKの位置に設けられる。)とを備えている。
【0124】
挿入穴部220Uは、正面の開口に接した1面側(図24において上側)に、シャッタ部210Uが回動可能な切欠き部225Uを有している。挿入穴部220Uは、その奥側に突出部900が設けられている。この突出部900の奥側には、図示しない光素子が設けられている。
【0125】
シャッタ部210Uは、挿入穴部220Uの正面の開口の閉塞に寄与するシャッタ正面体部211Uと、このシャッタ正面体部211Uを、ヒンジ構造(このヒンジ構造は、シャッタ部210Uが軸部240によって軸支されていることによって形成されている。)よりも離れた位置にて結合するとともに、切欠き部225Uの閉塞に寄与する支持体部212Uとを有している。シャッタ正面体部211Uは、プラグ100の係合凸部150の正面外形形状から挿入ガイド用凸部151a、151aの部分を取り除いた形状に対応させて形成されている。支持体部212Uは、側面視扇状に形成されている。
【0126】
このように形成されているソケット200Uの場合には、シャッタ部210Uのシャッタ正面体部211Uは、挿入穴部220U側に入り込む構造となっているが、挿入されたプラグ100の係合凸部150の側面側の保持にはあまり寄与していない。つまり、シャッタ正面体部211Uは、弾性体部230の付勢力を伴って、係合凸部150の側面側をその上部側から押さえるのに、多少寄与している程度である。ただし、挿入穴部220Uに入り込むシャッタ正面体部211Uは、前記ヒンジ構造よりも離れた位置にて支持体部212Uに結合されているため、図24に示されるように、挿入穴部220Uの手前側で回動することとなる。
【0127】
そのため、挿入穴部220Uの奥側に、突出部900のようにEIAJ規格通りの突出部を設けることが可能となっている。また、弾性体部230、230が備えられ、シャッタ部210Uは、挿入穴部220Uの入口側へ付勢されている。そのため、シャッタ部210Uは、プラグ100が挿入穴部220Uに挿入されていないときに、挿入穴部220Uを略閉塞している。
【0128】
プラグ100が挿入穴部220Uに挿入されると、シャッタ部210Uは、軸部240を中心として回動され、挿入穴部220Uの切欠き部225Uに格納される〔図24(A)〜(D)〕。逆に、プラグ100が挿入穴部220Uから抜かれると、シャッタ部210Uは、弾性体部230、230によって、挿入穴部220Uの入口側へ付勢されて自動復帰する。
【0129】
尚、ソケット200Uにおいても、弾性体部230、230の内の一方の弾性体部230を、上述の弾性体部230′のようにスイッチの一方側とし、固定切片部410′に相当するものもスイッチの他方側として設けてもよい。
【0130】
上述の本発明に係る各実施の形態において、プラグ100は、EIAJ規格の角型の光コネクタのプラグであり、そのプラグ100と接続する光コネクタのソケット200等であるとして説明した。しかし、EIAJ規格の角型の光コネクタのプラグ以外の特別仕様の角型のプラグと接続するソケットにも、適用してもよいことは言うまでもない。尚、本発明に係る光コネクタのソケットは、角型(正面視略六角形)の光コネクタのプラグと接続するソケットに限定するものではない。例えば、四角形状の光コネクタのプラグと接続するソケットには簡単に適用できる。
【0131】
本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタのソケット200T′において、シャッタ部260は、スイッチ400の可動切片部420(金属製)の湾曲部422aに間接的に当接させるようにしてもよい。例えば、湾曲部422aに図示しない樹脂等製のカバーを取付けて、このカバーにシャッタ部260を当接させてもよい。このようにした場合には、部品点数が増えるものの、シャッタ部260が当接しない位置であって、プラグ100の係合凸部本体151の側面側が当接する位置にスイッチ400を設けても、プラグ100に傷を付けるおそれを低減できる。よって、このようにした場合には、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200等においても、シャッタ部210の当接しない位置であって、プラグ100の係合凸部本体151の側面側が当接する位置にスイッチ400を設けてもよい。
【0132】
本発明の第1、第2、第6、第7の実施の形態に係る光コネクタのソケット200等における弾性体部230等は、ねじりコイルバネでなく、板状バネ等、同様の機能を発揮するものであってもよい。
【0133】
本発明の第1および第2の実施の形態に係る光コネクタのソケット200等において、上述したように、シャッタ部210等は、スペース225等に格納された後、接続完了されたプラグ100の側面側を保持するのが好ましい。しかしながら、一般的なEIAJ規格のソケット程の保持力を確保しなくても、十分である場合もあるため、次のように、シャッタ部210等がプラグ100の側面側の保持に殆ど寄与しないか、または、全く寄与しないとしてもよい。
【0134】
例えば、図示は省略するが、シャッタ部210等を格納するスペース225等の厚み方向寸法を大きくして、シャッタ部210等の回動角を大きくすることを可能とする。これにより、シャッタ部210等は、水平よりも大きく撥ね上げられるが、この大きく撥ね上げた状態で係止する係止部品(例えば、挿入穴部220内に若干突出可能となった舌片状の係止部品)を、挿入穴部220等の奥側であって、シャッタ部210等が接触可能な位置に設ける。また、この係止部品を、ソケット200等の入口側から、挿入穴部220等の内面から突出する状態と突出しない状態とに制御するための連動部品(例えば、プッシュ・プルタイプの部品であって、その先端側は、前記係止部品に至る楔状に形成されており、プッシュすると、前記係止部品を挿入穴部220内に押し出すようになったもの)を設ける。
【0135】
このようにした場合には、プラグ100をソケット200等に接続する前に、予め、シャッタ部210等を挿入穴部220等の内側に入れ込み、前記連動部品で、シャッタ部210等を、プラグ100の側面側の保持に殆ど寄与しないか、または、全く寄与しない位置に保持する。その後に、プラグ100をソケット200等に挿入して接続完了させる。プラグ100をソケット200等から抜いた後は、連動部品を引っ張って、係止部品を挿入穴部220等から引っ込めて、シャッタ部210等を自動復帰させる。
【0136】
尚、このような係止部品と連動部品とは、シャッタ部210等がプラグ100の側面側の保持に寄与する位置に設けてもよい。例えば、シャッタ部210等の側面に凹部を設けて、この凹部と前記係止部品とが係合するようにすればよい。また、本発明の第3および第7の実施の形態に係る光コネクタのソケット200U等においてもシャッタ部210S等がプラグ100の側面側の保持に殆ど寄与しないか、または、全く寄与しないとしてもよい。この場合には、上述のように、例えば、シャッタ部210S等の側面に凹部を設けて、この凹部と前記係止部品とが係合するようにすればよい。
【0137】
次に、第1の実施の形態に係る光コネクタのソケット200を略基本形状とし、このような構造において、主として組み立て時にシャッタ部を、よりセットし易くするためにハウジング部を2つに分離可能とする等、部分的に構造変更したものを、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図25〜図27を参照しつつ説明する。尚、ソケット200の各部と基本的に同様の部分は、同じ番号にダッシュ(′)を付している。
【0138】
図25は本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第2のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図、図26は本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第1のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図、同図(F)は同図(E)のJで指示した部分の拡大図、図27は本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットの組み立て方を説明するための説明図であって、同図(A)から同図(F)の方向に組み上がっている様子を示している。ただし、同図(E)は光素子を設置していない状態を示す参考図である。
【0139】
本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′が、ソケット200(図1等参照)と主として異なる部分は、以下のとおりである。
(1)ソケット200のハウジング部205に相当するハウジング部205′を、後述のように、第1のハウジング部205M′と、第2のハウジング部205N′との2つに分離可能としている。
(2)ソケット200の素子部屋部250と対比される素子部屋部250′は、光素子290と同様の光素子290′の外形に沿った形状に変更している。また、素子部屋部250′は、第1のハウジング部205M′側の部分と、第2のハウジング部205N′側の部分とに分割されている。
(3)ソケット200に設けていなかった3対の固定用弾性体205N1′をソケット200′の下面側に設けている。
【0140】
以下に、細かな変更点を含めソケット200′を説明する。ソケット200′は、図27(F)に示されているように、プラグ100が挿入される挿入穴部220′を有するハウジング部205′と、この挿入穴部220′の入口側にヒンジ構造によって取り付けられ、この挿入穴部220′を略閉塞するためのシャッタ部210′と、このシャッタ部210′を前記入口側へ付勢する弾性体部230A′と、このシャッタ部210′と弾性体部230A′とを支え、前記ヒンジ構造のための部材となっている軸部240′と、挿入穴部220′の奥側に設けられる光素子290′とを備えている。
【0141】
ハウジング部205′は、後述する第1のハウジング部205M′と、第2のハウジング部205N′との2つからなる。ハウジング部205′(つまり、前記2つが組み合わされた状態)は、略直方体であり、その正面下部側に、挿入穴部220′が形成されている。その挿入穴部220′の奥側に、光素子290′が挟持されて固定される素子部屋部250′(後述のように2つに分離可能となっている。)が設けられている。この素子部屋部250′は、ここに設置された光素子290′の光軸と、挿入穴部220′に装着されたプラグ100の中心軸とが合うようするため、且つ固定のために、光素子290′の外形に沿った形状に形成されている。
【0142】
この挿入穴部220′と素子部屋部250′とを連通するように、プラグ先端保持部229′としての透孔が設けられている。ハウジング部205′は、その上部側に、固定用透孔280′が設けられている。また、ハウジング部205′の底面には、3対の固定用弾性体205N1′(図25も参照)が突設されている。
【0143】
挿入穴部220′は、左右対称に形成されており、プラグ100の係合凸部150(ただし、プラグ先端保持部229に嵌まり込むプラグ先端部159の先端側部分を除く。)を挿入する空間220H′と、この空間220H′に延設した、シャッタ部210′を水平格納可能なスペース225′とを有している。
【0144】
挿入穴部220′の両側面には、係合凸部150の挿入ガイド用凸部151a、151aと係合するプラグガイド用凹部221′、221′が設けられている。また、係合凸部150の斜辺面151c、151cに対応する部分として、挿入穴部220′の下部側両側面に、傾斜面部222′、222′が設けられている。更に、挿入穴部220′の底面には、下側の位置決め用凸部151bが挿入される位置決め用穴部223′( 位置決め用係合部 ) (ただし、位置決め用透孔223のように、完全な透孔とはなっていない。)が設けられている。
【0145】
傾斜面部222′には、後述のシャッタ部210′の係止用凸部211a′〔図27(B)参照〕の通過と係止(この係止とは、シャッタ部210′が垂直状態よりも前面側に回動させないための係止をいう。)のため、長孔222a′(ただし、長孔222のように貫通はしていない。)が形成されている。
【0146】
この長孔222a′の幅寸法は、係止用凸部211a′が入り込む寸法である。また、その長手方向寸法は、挿入穴部220′の入口側にヒンジ構造によって取り付けられたシャッタ部210′が、挿入穴部220′の奥側に回動させられたときに、係止用凸部211a′が挿入穴部220の内面に引っ掛からないような長さに形成されている。長孔222a′の前面側の端部の位置は、シャッタ部210′が、挿入穴部220′の入口側を略閉塞した状態、つまり、シャッタ部210′が垂直状態となっている状態において、係止用凸部211a′が配置されている所である。よって、シャッタ部210′の下部側は、垂直状態よりも前方に回動しない。
【0147】
挿入穴部220′の入口側上部の両側面には、軸部240′の両端部分を支えるための溝226′、226′〔図26(C)および(D)参照〕が設けられている。
【0148】
3対の固定用弾性体205N1′(図27も参照)は、図示しない基板の位置決め用透孔にソケット200′が、取り外し可能に固定される際に使用されるものである。1対の固定用弾性体205N1′は、それぞれ、前記図示しない基板の位置決め用透孔中にグラツキなしで納まる基端部205N1a′と、この基端部205N1a′の下部側に延設された抜け防止部205N1b′とが1つずつ、所定の間隔を開けて設けられているものである。基端部205N1a′の高さ寸法は前記基板の厚み寸法と同じである。抜け防止部205N1b′は、基端部205N1a′よりも外側にやや膨らみを有する形状に形成されている。
【0149】
そのため、前記図示しない基板の位置決め用透孔中に固定用弾性体205N1′を挿入しようとすると、対をなす抜け防止部205N1b′が、先ず相互に内側に変形して前記位置決め用透孔を通過する。そして、この後に抜け防止部205N1b′が前記基板の下面側に至ると、対をなす抜け防止部205N1b′が、元の状態に戻る。これによって、基端部205N1a′の外側の面が前記位置決め用透孔の内面に当接して、ソケット200′が前記基板に水平方向にぐらつかないようになっている。それとともに、抜け防止部205N1b′は、ソケット200′が前記基板から抜けないように防止している。
【0150】
このようなハウジング部205′を構成する第1のハウジング部205M′と、第2のハウジング部205N′とは、以下のようになっている。
【0151】
先ず、大まかな構造としては、第1のハウジング部205M′は、シャッタ部210′が取り付けられる穴部220a′を有する。一方、第2のハウジング部205N′は、第1のハウジング部205M′が挿入される穴部205N3′を有する。そして、第1のハウジング部の穴部220a′と第2のハウジング部205N′の穴部205N3′の奥側とで前記挿入穴部220′が構成されている。
【0152】
以下に、第1のハウジング部205M′と第2のハウジング部205N′とについて、詳細説明をする。
【0153】
第1のハウジング部205M′は、図26に示されるように、正面視および平面視略矩形状体であって、前記穴部220a′を有している。第1のハウジング部205M′は、穴部220a′の奥側上部に、挿入穴部220′の奥上面側部分を取り除いて形成された奥側開口部205M1′を有している。奥側開口部205M1′は、弾性体部240′が軸部240′に通され、且つこれらをシャッタ部210′の所定の位置に嵌め込んだものを、この奥側開口部205M1′を通じて、第1のハウジング部205M′の穴部220a′の内側に挿入しうる大きさに開口されている。
【0154】
尚、第1のハウジング部205M′は、その背面側に、素子部屋部250′の前面側部250a′が含まれるように形成されている。
【0155】
第1のハウジング部205M′の穴部220a′には、前記溝226′、226′の主要部分である溝226a′も含まれている。溝226a′は、略横向きU字形状に形成されている。この奥側の湾曲部226a1 ′は、穴部220a′の入口側に形成されている。この溝226′、226′の残りの部分は、第2のハウジング部205N′の後述する凸部205N2′が、この溝226a′上であって、穴部220a′の奥側方向部分に嵌まり込むことによって形成される。
【0156】
この溝226′、226′のやや奥側(穴部220a′の奥側)の上部側には、弾性体部240′が軸部240′に通されたものをシャッタ部210′の所定の位置に嵌め込んだものを溝226′、226′にセットした際に、弾性体部240′の一方側(上部側)を係止するための凸部205M2′が下側に向かって突設されている。
【0157】
長孔222a′も第1のハウジング部205M′に含まれている。ただし、第1のハウジング部205M′に含まれている長孔222a′は、貫通して形成されている。一方、第2のハウジング部205N′には、長孔222a′の溝は到っておらず、長孔222a′の底面が第2のハウジング部205N′の内面により形成されている。
【0158】
位置決め用穴部223′も第1のハウジング部205M′に含まれている。ただし、第1のハウジング部205M′に含まれている位置決め用穴部223′の部分は、貫通して形成されている。位置決め用穴部223′の底面の部分であって、一部透孔となっている部分を除いた部分は、第2のハウジング部205N′の内面により形成されている。
【0159】
第1のハウジング部205M′の外面部分であって、中央上部と、下面両端部には、突出部205M3′、205M4′、205M4′がそれぞれ設けられている。この突出部205M3′、205M4′、205M4′は、第1のハウジング部205M′を、後述の第2のハウジング部205N′の内面にセットした際に、位置決め且つ奥側に備えられる光素子290′にストレスを与えないようにするためのものである。
【0160】
第1のハウジング部205M′の外面部分であって、両側面奥側中央部分には、楔状突出部205M5′、205M5′が設けられている。この楔状突出部205M5′、205M5′は、第1のハウジング部205M′を、後述の第2のハウジング部205N′の内面にセットした後に、第1のハウジング部205M′が前面側に抜けないようにするためのものである。
【0161】
第2のハウジング部205N′は、図25に示されるように、略直方体であり、その正面下部側に、穴部205N3′が形成されている。第2のハウジング部205N′は、この穴部205N3′の前端よりも突出した一対の凸部205N2′を有している。
【0162】
凸部205N2′は、上述したように、第1のハウジング部205M′と第2のハウジング部205N′とが組み合わされた際に、軸部240′の両端部分を支えるための溝226′が完成するように、軸部240′の両端部分の背面側を規制するためのものである。
【0163】
穴部205N3′には、その上部中央と、下部両端とに、それぞれ前記突出部205M3′、205M4′、205M4′と嵌合する溝部205N3a′、205N3b′、205N3b′が形成されている。
【0164】
穴部205N3′には、その両側面に、それぞれ、浅溝部205N3c′と、この浅溝部205N3c′の奥側(穴部205N3′の奥側)の溝なし部205N3d′と、この溝なし部205N3d′の奥側の透孔部205N3e′とが形成されている。
【0165】
この浅溝部205N3c′と、溝なし部205N3d′との一連のルート上を、前記楔状突出部205M5′が、第2のハウジング部205N′に対して第1のハウジング部205M′がセットされる際に通過し、最終的に、透孔部205N3e′に嵌まり込み、第2のハウジング部205N′に対しての第1のハウジング部205M′の固定が完了するようになっている。
【0166】
尚、この際、透孔部205N3e′の側面方向は、楔状突出部205M5′によって塞がれ、一方、透孔部205N3e′の背面方向(穴部205N3′の背面方向)は、後述のスリット状部205N3h′〔図25(D)参照〕となっているが、第1のハウジング部205M′の外面背部の両端側部分によって塞がれる。
【0167】
穴部205N3′には、その奥側の面に、第1のハウジング部205M′に設けた素子部屋部250′の前面側部250a′と対をなす素子部屋部250′の背面側部250b′が形成されている。
【0168】
穴部205N3′には、その底面側に、光素子290′の下部側を引き出すためおよび光素子290′を所定の位置にセットするための挿入ルートとしての透孔205N3f′が形成されている。
【0169】
第2のハウジング部205N′の外面側には、前記固定用透孔280′と、前記3対の固定用弾性体205N1′とが形成されている以外に、前記図27(F)によるソケット200′の説明で説明できなかった部分である溝205N3g′が両側面の後端側に設けられている。この溝205N3g′は、前記透孔部205N3e′と連続して設けられている。この溝205N3g′を第2のハウジング部205N′の背面から眺めると、前記透孔部205N3e′が設けられていることによって、穴部205N3′方向にスリット状部205N3h′が形成されている。
【0170】
このスリット状部205N3h′は、上述したように、第1のハウジング部205M′の外面背部の両端側部分が露出するようになっている。これにより、もし第2のハウジング部205N′に対して第1のハウジング部205M′をセット後に第1のハウジング部205M′を取り外したいときでも、この露出部分を押せば、簡単に第1のハウジング部205M′を取り外すことができるようになっている。
【0171】
よって、例えば、ソケット200′を所定の装置に設置後、光素子290′が何らかの原因で機能しなくなった場合でも、前記露出部分を押す等することで、光素子290′の交換が簡単にできる。
【0172】
シャッタ部210′は、前記シャッタ部210(図3参照)をマイナーチェンジしたものである。シャッタ部210が軸部240を横方向から挿入するようにしていたのに対して、シャッタ部210′には、前記図8に示したシャッタ部210Aのように軸部240′(軸部240相当)が背面側から押しつけてセットされるように凹部214A′が設けられている点が異なる。
【0173】
よって、シャッタ部210′は、図27(B)および(D)に示されるように、挿入穴部220′(穴部220a′)の入口に嵌まり込むことが可能(もちろん入口から奥側にも嵌まり込むことが可能)な、正面視略六角形状に形成されている。この正面視形状は、挿入穴部220′(穴部220a′)の入口開口面の形状から、プラグガイド用凹部221′、221′の形状部分を取り除いた形状に、係止用凸部211a′、211a′を突設した形状となっている。
【0174】
シャッタ部210の正面側には、プラグ100の係合凸部150の上側の位置決め用凸部151bが嵌まり込む位置決め用凹部212′が形成されている。
【0175】
シャッタ部210の背面側上部には、軸部240′を保持するための側面視略C字状の凹部214A′を有した突出部213A′が設けられている。突出部213A′の中央部分には、後述の弾性体部230A′の本体部230Aa′が挿入される凹部215′〔図27(D)参照〕が形成されている。
【0176】
弾性体部230A′は、図27(A)等に示されるように、前記弾性体部230A〔図8(C)および(D)参照〕と略同様のねじりコイルバネである。弾性体部230A′は、コイル状のバネ本体部230Aa′と、このバネ本体部230Aa′の一端から延設された棒状延設部230Ab′と、バネ本体部230Aa′の他端から延設された棒状延設部230Ac′とを有している。バネ本体部230Aa′の透孔230Aa1 ′には、軸部240′が嵌め込まれるようになっている。
【0177】
棒状延設部230Ab′は、挿入穴部220′(穴部220a′)の面(正確には、凸部205M2′の部分)と当接する側の部分であって、シャッタ部210′の背面側と当接する側の部分である棒状延設部230Ac′よりも短く形成されている。棒状延設部230b′と棒状延設部230c′との角度は、シャッタ部210′に付勢力を与えることができるように、少なくとも90°以上とされている。
【0178】
軸部240′は、図27(A)等に示されるように、円柱状の棒である。軸部240′の長さ寸法は、シャッタ部210′の横幅寸法よりも大きく、且つ、挿入穴部220′の両側面に設けられている溝226′、226′の両端間寸法程度である。軸部240′の太さは、シャッタ部210′の凹部214A′に嵌合可能な大きさである。
【0179】
次に、ソケット200′の組み立て方法について、前記図27を参照しつつ説明する。
【0180】
先ず、図27(A)に示されるように、弾性体部230A′の透孔230Aa1 ′に、軸部240′を嵌め込む。この状態のものを、図27(B)に示されるように、シャッタ部210′にセットする。この際、弾性体部230A′のバネ本体部230Aa′は、凹部215′に嵌め込み、一方、軸部240′は凹部214A′に嵌め込む。
【0181】
この状態のものを、図27(C)に示されるように、第1のハウジング部205M′の奥側開口部205M1′から穴部220a′内に挿入する。この際、シャッタ部210′の係止用凸部211a′を、第1のハウジング部205M′の長孔222a′の前側に嵌め込みつつ、シャッタ部210′の上部側を起こす。
【0182】
そうすると、図27(D)に示されるように、軸部240′の両端側が、第1のハウジング部205M′の溝226a′に嵌め込まれると共に、弾性体部230A′の棒状延設部230Ab′が凸部205M2′の基端部側と当接する。この状態においては、シャッタ部210′が第1のハウジング部205M′の穴部220a′の入口側にて長孔222a′、222a′に嵌まりつつ垂直に配置され、そのシャッタ部210′の背面が弾性体部230A′の棒状延設部230Ac′に当接することによって穴部220a′の入口側へ付勢されている。よって、シャッタ部210′は第1のハウジング部205M′に保持されている状態となっている。
【0183】
ここで、図27(E)に示される、第1のハウジング部205M′を、第2のハウジング部205N′にセットした際にできる素子部屋部250′に光素子290′をセットすべく、第2のハウジング部205N′の透孔205N3f′から光素子290′を、背面側部250b′に嵌め込む。この際、第2のハウジング部205N′は、その背面側に倒しておく。
【0184】
第2のハウジング部205N′の穴部205N3′に対して、シャッタ部210′等をセットした状態の第1のハウジング部205M′を挿入すると、図27(F)に示されるように、凸部205N2′が軸部240′の背面側を規制するように溝226a′の所定位置に嵌まり込む。一方、楔状突出部205M5′、205M5′(図26参照)は、溝なし部205N3d′〔図25(C)参照〕を乗り越え、透孔部205N3e′に嵌まり込み、第1のハウジング部205M′が第2のハウジング部205N′に固定される。これにより、ソケット200′は完成する。
【0185】
完成した状態のソケット200′においては、光素子290′のリードピンの内のモールドされていない部分290a′の下端側部分のみがフリーの状態であるものの、それよりも上部側の部分は、素子部屋部250′の前面側部250a′と背面側部250b′とによって、挟持されて固定されている。そのため、ソケット200′を図示しない基板に接続固定する際に、光素子290′の素子(チップ)にはストレスがかからないようになっている。
【0186】
次に、本発明の第9の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図28を参照しつつ説明する。図28は本発明の第9の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す正面図であって、第1のハウジング部に対して第2のハウジング部をセットする前の状態図である。
【0187】
この本発明の第9の実施の形態に係る光コネクタのソケット200C′は、後述するようにハウジング部205C′を第1のハウジング部205CM′と第2のハウジング部205CN′とに分離可能にしている。ただし、前記分離位置は、前記本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′の場合とは異なる位置にしている。これにより、光コネクタのソケット200C′を組み立てる際に、シャッタ部210C′(ソケット200′のシャッタ部210′と同様のもの)およびこれに関連する部分のセットをし易くしている。よって、ソケット200′との相違点のみ以下で説明する。
【0188】
ソケット200C′のハウジング部205C′は、第1のハウジング部205CM′と、この第1のハウジング部205CM′に取り付けられる第2のハウジング部205CN′とからなる。前記ハウジング部205C′から第2のハウジング部205CN′を取り除いた部分から前記シャッタ部210C′がセットされ、第2のハウジング部205CN′を取り付けるとシャッタ部210C′がヒンジ構造により開閉自在に支持される構成となっている。
【0189】
第1のハウジング部205CM′は、正面から見ると、取り付けられるシャッタ部210C′の大部分を保持可能になっている。また、第1のハウジング部205CM′は、ハウジング部205C′から第2のハウジング部205CN′を取り除いた部分であり、第2のハウジング部205CN′を取り除くことによってできる側面開口部205CM1′を有している。
【0190】
この側面開口部205CM1′は、シャッタ部210C′に軸部240C′(ソケット200′の軸部240′と同様のもの)と図示しない弾性体部(ソケット200′の弾性体部230A′と同様のもの)とを取り付けた状態のもの(以下、「シャッタ部210C′等」とも呼ぶ。)を、側面側からセット可能な大きさにされている。このようにすることで、シャッタ部210C′等のセットを容易にしている。
【0191】
このような第1のハウジング部205CM′と第2のハウジング部205CN′との結合のために、第2のハウジング部205CN′の上下の部分と、この部分と接する第1のハウジング部205CM′の部分とに、図示しない凹部と凸部や一般的な係止構造を設けている。
【0192】
ソケット200C′の組み立ては、次のようにすればよい。先ず、シャッタ部210C′に、軸部240C′と前記弾性体部とをセットしておく。このシャッタ部210C′等を第1のハウジング部205CM′に対して、その側面側からセットする。この際、シャッタ部210C′の前面は指等で押さえておけばよい。この状態のものに対して、第2のハウジング部205CN′をセットする。そして、図示しない光素子部屋部に光素子290C′(光素子290′と同様のもの)を設置するとソケット200C′の組み立てが完了する。以上のように、シャッタ部210C′等のセットをはじめとしたソケット200C′の組み立ては簡単である。
【0193】
ソケット200C′の機構動作は、ソケット200′の場合と同様であるのでその説明は省略する。
【0194】
なお、ソケット200C′では、第2のハウジング部205CN′が光素子部屋部の前面部分を含むようにしていないが、もちろん、光素子部屋部の前面部分を含むようにしてもよい。そうすると、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′の場合と同様に、ソケット200C′においても、図示しない基板に接続固定する際に、光素子290C′の素子(チップ)にはストレスがかからないようになる。
【0195】
ソケット200C′での第1のハウジング部205CM′と第2のハウジング部205CN′との前面側分離位置も、側面から、シャッタ部210C′に軸部240C′と前記弾性体部とを取り付けた状態のものをセット可能であれば、上述したように第1のハウジング部205CM′が、正面から見ると、取り付けられるシャッタ部210C′の大部分を保持可能でなくてもよい。
【0196】
次に、弾性体部の代わりに磁石を用いたものを本発明の第10の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして、図29を参照しつつ説明する。図29は本発明の第10の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す断面図である。
【0197】
本発明の第10の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Gは、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′と略同様のものであって、ソケット200′で用いられていた弾性体部230A′を取り去り、その代わりに磁石230G1、230G2を後述の2カ所に設けた。
【0198】
磁石230G1は、シャッタ部210Gの背面側に埋設されている。なお、シャッタ部210Gは、ソケット200′のシャッタ部210′と略同様であるが、前記磁石230G1が埋設されている点と、弾性体部をセットするための凹部が不要なため設けられていない点とが異なる。
【0199】
磁石230G2は、〔図示しないプラグが挿入穴部220G(ソケット200′の挿入穴部220′と同様のもの)に挿入された時に〕スペース225G(ソケット200′のスペース225′と同様のもの)に格納された前記シャッタ部210Gと対向するハウジング部205G(ソケット200′のハウジング部205′と略同様であるが、第1のハウジング部と第2のハウジング部との境界は図示省略した。)の部分に磁石230G1と対向するように埋設されている。
【0200】
シャッタ部210Gに設けられた磁石230G1と、ハウジング部205Gに設けられた磁石230G2とは、反発するように設けておけばよい。したがって、例えば、磁石230G1のS極(またはN極)はシャッタ部210Gの背面側に向けて設け、磁石230G2のS極(またはN極)はハウジング部205Gの挿入穴部220Gの上面に下向きになるように設ければよい。
【0201】
磁石230G1は、シャッタ部210Gの比較的上部側、即ち軸部240G(ソケット200′の軸部240′と同様のもの)寄りに設ける。このように上部側に設ける方が、シャッタ部210Gが挿入穴部220Gの入口にある場合(即ち、磁石230G1が磁石230G2から最も離れている場合)でも、シャッタ部210Gに設けられた磁石230G1と、ハウジング部205Gに設けられた磁石230G2とが比較的近接し且つ反発するように対向するからである。即ち、シャッタ部210Gの移動範囲全域で、シャッタ部210Gが挿入穴部220Gの入口側に付勢される付勢力を大きくすることができるのである。
【0202】
ソケット200Gの組み立ては、ソケット200′と略同様であるのでその説明は省略する。
【0203】
ソケット200Gの機構動作も、ソケット200′と略同様(即ちソケット200と略同様)である。付勢力が弾性体部によるか磁石の反発力によるかだけの違いである。
【0204】
ところで、上述してきた光コネクタのソケット200、200′等は、一般的に、前記ソケット200、200′等が設けられる装置の基板の上面に設置されることが多い。しかしながら、例えば、前記基板が前記装置の上部側に設けられていると、ソケット200、200′等は、前記基板の下面に設置される場合もある。ソケット200、200′等は、このように前記基板の下面に設置されても、機能上、特に問題はない。ただし、装置によって光コネクタのソケット200、200′等の向きが異なることになる。即ち、装置によってシャッタ部210、200′等のみならず、その奥側の挿入穴部220、220′等が上下逆となる。よって、装置の使用者が、光コネクタのソケット200、200′等に対するプラグ100の挿入方向を誤ったり、迷ったりするおそれがある。
【0205】
そこで、そのおそれをなくすべく、前記基板の下面に光コネクタのソケットを設置すると、前記光コネクタのソケット200、200′等を基板の上面に設置したのと、シャッタ部のみならず、その奥側の挿入穴部の状態等が同様である光コネクタのソケットを本発明の第11の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして図30を参照しつつ説明する。図30は本発明の第11の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図である。
【0206】
本発明の第11の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Dは、基本的に、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′のシャッタ部210′、弾性体部230′、軸部240′および挿入穴部220′を上下逆配置した状態を有するものであり、それぞれ、シャッタ部210D、弾性体部230D、軸部240Dおよび挿入穴部220Dとなっている。
【0207】
なお、シャッタ部210D、弾性体部230D、軸部240Dは、上述のように上下逆配置しても構造的にソケット200′のシャッタ部210′、弾性体部230′、軸部240′と全く同じでよい。ただし、シャッタ部210Dは、その背面に凸部210DDを設けている点がシャッタ部210′とは異なる。この凸部210DDは後述する第2のハウジング部205DNに含まれる挿入穴部220Dの部分の底面に当接可能になっている部分であり、シャッタ部210Dの背面側に、弾性体部230Dを避けるように、その両側に設けている。この凸部210DDは、プラグ100の挿入時の保持力を向上させるために機能する。
【0208】
ソケット200Dのハウジング部205Dは、第1のハウジング部205DMと第2のハウジング部205DNとからなり、ソケット200′のハウジング部205′と略同様になっている。
【0209】
第1のハウジング部205DMは、ソケット200′の第1のハウジング部205M′と略上下対称のものである。第2のハウジング部205DNは、ハウジング部205Dから第1のハウジング部205DMを取り除いたものであるから、ソケット200′の第2のハウジング部205N′と略同様である。なお、ソケット200Dにおいて、第2のハウジング部205DNに設けられている素子部屋部250Dの背面側部250Dbの位置が、前記上下逆配置したのに伴い、ソケット200′の第2のハウジング部205N′に設けられている素子部屋部250′の背面側部250b′の位置と変更されている。
【0210】
なお、挿入穴部220Dの奥側に設けられているプラグ先端保持部229Dは、ソケット200′のプラグ先端保持部229′よりも長めにしてプラグ100の挿入時の保持力を向上させる一方で、前記長めにしたためにシャッタ部210Dが接触しないように前面下側に切欠229D1を設けている。このプラグ先端保持部229Dと、前記シャッタ部210Dとの改良は、プラグ100の挿入時の保持力を向上させるためのものであるから、ソケット200Dにおいて必ずしもこのようにしなくてもよいことは言うまでもない。
【0211】
このように構成されたソケット200Dを、前記装置の基板の下面に設置すれば、ソケット200′等が前記基板と同様の基板の上面に設置されたときと、シャッタ部210D、210′等の回動方向が同じになるとともに、挿入穴部220D、220′等の配置も同じになるので、装置の使用者が、光コネクタのソケット200D、200、200′等に対してプラグ100を挿入する方向は一定の方向にできる。
【0212】
ところで、例えば、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′の場合には、シャッタ部210′によって略閉塞状態にできるものの、プラグガイド用凹部221′、221′の部分までは閉塞されない。そのため、本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Bで説明したようなスイッチ400′をソケット200′に設けていない場合には、ソケット200′を設置した装置の電源をオンすると、光素子290′が常時動作状態になる。したがって、ソケット200′が前記装置の前面やこの前面以外であっても、使用者が目にし易い位置に設置されていると、プラグ100を挿入していないときに、光素子290′からの光が僅かではあるもののプラグガイド用凹部221′、221′から漏れて使用者の目に入ることがある。
【0213】
そこで、ソケット200′に近似した構造のものであって、スイッチ400′のようなスイッチを設けなくて光漏れの問題を解決する閉塞性の高いソケットを本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットとして図31〜図34を参照しつつ説明する。
【0214】
図31は本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、図32は本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第2のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、図33は本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第1のハウジング部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は背面図、同図(D)は断面図、図34は本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は背面図、同図(D)は底面図である。
【0215】
本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Fは、本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケット200′に近似した構造を有しているので、主たる相違点を次に説明する。
【0216】
(1)シャッタ部210Fは、プラグガイド用凹部221F、221F(ソケット200′のプラグガイド用凹部221′、221′を後述するように変形したもの)の前面側の部分に係合する突設部分(後述の閉塞用凸部210FF1等)を設けている。
(2)前記閉塞用凸部210FF1が回動する範囲のハウジング部205Fの挿入穴部220Fの構造を変更している。
(3)ソケット200Fは、第1のハウジング部205FMと第2のハウジング部205FNとからなるハウジング部205Fを有するが、第1のハウジング部205FMと第2のハウジング部205FNの分離位置がソケット200′の場合と異なる。
【0217】
以上の主たる相違点等をもう少し詳しく以下において説明する。なお、軸部240Fと、弾性体部230F、光素子290Fとは、ソケット200′の軸部240′と、弾性体部230A′と、光素子290′と同様のものである。
【0218】
シャッタ部210Fは、ソケット200′のシャッタ部210′の背面に一対の背面凸部210FF(本発明の第11の実施の形態に係る光コネクタのソケット200Dのシャッタ部210Dの凸部210DDと同様のものである。)が、弾性体部230Fの設けられる領域を避けるようにして突設されている。背面凸部210FFの側面から閉塞用凸部210FF1が延設されている。この閉塞用凸部210FF1が、プラグガイド用凹部221Fの前面側の部分に係合されて閉塞性を高め、光の漏れを防ぐのである。なお、係合用凸部211Faは、ソケット200′の係合用凸部211a′が半球状のものであったのに対して、正面視三角形状としているが、機能は同じである。
【0219】
ハウジング部205FMは、基本的には、ソケット200′のハウジング部205′と同様である。ただし、ハウジング部205FMの分離位置がソケット200′の場合よりも前側に変更されているのに伴い、上述以外に、素子部屋部250Fがソケット200′の素子部屋部250′とは異なり、ソケット200の素子部屋部250と同様に形成されている。
【0220】
第1のハウジング部205FMは、ソケット200′の第1のハウジング部205M′の後側を切り取ったものに近似したものである。第1のハウジング部205FMの側面の後端部にソケット200′の楔状突出部205M5′、205M5′と同様の楔状突出部205FM5、205FM5が設けられている。
【0221】
第1のハウジング部205FMは、その内部に、プラグガイド用凹部221Fの前側の部分であるプラグガイド用前側凹部221F1を有する。ただし、プラグガイド用前側凹部221F1は、その前面側部分は、ソケット200′のプラグガイド用凹部221′と同じであるが、中央付近から後側にかけての部分の上半分は、プラグガイド用凹部221′の最も深い部分と同じ深さまで切欠され、その上部側に延設された閉塞用凸部210FF1通過用凹部221F11と連続して設けられている。
【0222】
第2のハウジング部205FNは、その両側面に、第1のハウジング部205FMの楔状突出部205FM5、205FM5を嵌め込むための透孔205FN3eが設けられている。第2のハウジング部205FNは、その内側の穴部205FN3の奥側の部分にプラグガイド用凹部221Fの後側の部分であるプラグガイド用後側凹部221F2が形成されている。このプラグガイド用後側凹部221F2の先端上部の上部側にかけての部分であって、シャッタ部210Fの閉塞用凸部210FF1が回動する領域を含むように、前記閉塞用凸部210FF1通過用凹部221F11と連続する閉塞用凸部210FF1通過用凹部221F12が形成されている。
【0223】
第2のハウジング部205FNの穴部205FN3の奥側に設けられているプラグ先端保持部229Fは、ソケット200′のプラグ先端保持部229′よりも長めにしてプラグ100の挿入時の保持力を向上させる一方で、前記長めにしたためにシャッタ部210Fが接触しないように前面上側に切欠229F1を設けている。
【0224】
このように構成されたソケット200Fの組み立て方法は、基本的にソケット200′の場合と略同様であるので、その説明は省略する。
【0225】
ソケット200Fの機構動作は、基本的にはソケット200′と近似しており、シャッタ部210Fの閉塞用凸部210FF1が閉塞用凸部210FF1通過用凹部221F11および閉塞用凸部210FF1通過用凹部221F12の領域を通過し、第1のハウジング部205FMのプラグガイド用前側凹部221F1の前面側部分に嵌まり込み、ソケット200Fの閉塞性が高められる点のみ異なる。
【0226】
よって、ソケット200Fの構造を採用すれば、ソケット200′に近似した構造のもの(シャッタ部が挿入穴部を回動するタイプのもの)であっても、スイッチ400′のようなスイッチを設けなくて光漏れを防ぐことができるので、前記装置の前面やこの前面以外であって、使用者が目にし易い位置でも、何ら問題なく光コネクタのソケットを設置できる。また、ソケット200Fの構造を採用すれば、埃等の進入に関してもソケット200′等よりも、より確実に防止できる。
【0227】
上述したソケット200等は、DVD( 登録商標 ) 、TV、STB(セットトップボックス)、CD、MD( 登録商標 ) 、アンプ等のデジタルオーディオ機器に設けられることで特に有益に機能する。
【0228】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る光コネクタのソケットは、光コネクタのプラグと接続する光コネクタのソケットであって、前記プラグが挿入される挿入穴部が形成されたハウジング部と、前記挿入穴部の入口側に軸部を有するヒンジ機構によって取り付けられ、この挿入穴部を略閉塞するためのシャッタ部と、このシャッタ部を前記入口側へ付勢する弾性体部とを具備しており、前記挿入穴部は、前記シャッタ部を格納するスペースを有し、前記プラグを挿入穴部に挿入する際に、シャッタ部は、プラグの先端部によって押圧されて挿入穴部の内側に入り込み、接続完了すると前記スペースに格納される光コネクタのソケットであって、前記ハウジング部は、シャッタ部が取り付けられる穴部を有する第1のハウジング部と、前記第1のハウジング部が挿入される穴部を有する第2のハウジング部とを有しており、第1のハウジング部の穴部の入口側上部の両側面には、前記シャッタ部の取り付けに伴って前記軸部がセットされる一対の溝がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、前記第2のハウジング部には、前記第1のハウジング部の取り付けに伴って前記溝にその開放端から挿入可能な一対の凸部がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、前記第1のハウジング部が前記第2のハウジング部の穴部に取り付けられると、前記溝にセットされた前記軸部は第1のハウジング部の溝と第2のハウジング部の凸部とで挟持され、前記挿入穴部の奥側には、光素子が設けられる素子部屋部を有しており、この素子部屋部は、前記第1のハウジング部に当該第1のハウジング部の穴部に連通して設けられた凹状の前面側部と、前記第2のハウジング部の穴部のプラグ挿入方向の奥側部に設けられた凹状の背面側部とからなり、前記光素子は、前記素子部屋部において、前記第1のハウジング部と、前記第2のハウジング部とで挟持固定される。
【0229】
よって、本発明の請求項1に係る光コネクタのソケットの場合には、前記第1ハウジング部を第2ハウジング部の穴部に取り付けることにより、前記シャッタの軸部及び光素子の両方を挟持し、当該シャッタ部及び光素子を簡単に取り付けることができるので、量産性に優れている。
【0230】
本発明の請求項2に係る光コネクタのソケットは、前記シャッタ部は、前記スペースに格納された状態で、プラグの側面側を保持するようになっている。よって、本発明の請求項2に係る光コネクタのソケットの場合には、挿入後のプラグの保持力をシャッタ部がプラグの保持に寄与することで補い、一般的なEIAJ規格のソケットの場合に比較的近い保持力によって保持されていることとなる。
【0231】
本発明の請求項3の光コネクタのソケットは、前記プラグが前記挿入穴部に挿入された状態で、前記プラグの側面に設けられた位置決め用凸部が前記挿入穴部のスペース対向面に設けられた位置決め用係合部に嵌まり込むようになっている。そのため、本発明の請求項3に係る光コネクタのソケットの場合には、前記挿入穴部に挿入されたプラグの位置決めが確実となる。
【0232】
本発明の請求項4の光コネクタのソケットはDVD(登録商標)、TV、STB(セットトップボックス)、CD、MD(登録商標)、アンプ等のデジタルオーディオ機器に設けられることで、特に有益に機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す一部透視した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は背面図、同図(B)は同図(A)のA−A線での断面図、同図(C)は側面図、同図(D)は正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる弾性体部と軸部とを示す図であって、同図(A)は弾性体部の正面図、同図(B)は弾性体部の側面図、同図(C)は軸部の正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)〜同図(D)は挿入途中の状態図、同図(E)は挿入完了時の状態図である。
【図6】本発明のすべての実施の形態に係る光コネクタのソケットに接続させるEIAJ規格の角型プラグを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は一部破断した側面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのマイナーチェンジ品を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面視一部透視説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのマイナーチェンジ品に用いられるシャッタ部と、弾性体部とを示す図であって、同図(A)はシャッタ部の側面図、同図(B)はシャッタ部の背面図、同図(C)は弾性体部の側面図、同図(D)は弾性体部の正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタのソケットのプラグ先端保持部に円形凸部を延設して突出部とした状態、およびEIAJ規格の突出部とを説明するための側面視概略的説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)〜同図(D)は挿入途中の状態図、同図(E)は挿入完了時の状態図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入する状態を説明するために拡大して示した側面視概略的説明図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケットを説明するための側面視概略的説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す概略図で、同図(A)は一部図示省略した概略的正面図、同図(B)は一部図示省略した概略的側面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は一部透視した断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング本体部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図、同図(D)は底面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるハウジング延設部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は同図(B)のA−A線での断面図、同図(D)は側面図、同図(E)は背面図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタを示す一部透視した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるハウジング延設部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図、同図(C)は正面図、同図(D)は同図(C)のA−A線での断面図、同図(E)は同図(B)のC−C線での断面図、同図(F)は同図(B)のB−B線での断面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるスイッチの固定切片部を示す図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る光コネクタに用いられるスイッチの可動切片部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は平面図、同図(D)は背面図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態に係る光コネクタのソケットを説明するための側面視概略的説明図である。
【図23】本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す概略的斜視図である。
【図24】本発明の第7の実施の形態に係る光コネクタのソケットに、EIAJ規格の角型プラグを挿入したときの状態を説明する側面視概略的説明図であって、同図(A)は挿入直前の状態図、同図(B)および同図(C)は挿入途中の状態図、同図(D)は挿入完了時の状態図である〔尚、弾性体部は同図(D)においてのみ図示した。〕。
【図25】本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第2のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図である。
【図26】本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第1のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図、同図(F)は同図(E)のJで指示した部分の拡大図である。
【図27】本発明の第8の実施の形態に係る光コネクタのソケットの組み立て方を説明するための説明図であって、同図(A)から同図(F)の方向に組み上がっている様子を示している。ただし、同図(E)は光素子を設置していない状態を示す参考図である。
【図28】本発明の第9の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す正面図であって、第1のハウジング部に対して第2のハウジング部をセットする前の状態図である。
【図29】本発明の第10の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す断面図である。
【図30】本発明の第11の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図、同図(D)は背面図、同図(E)は底面図である。
【図31】本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットを示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は断面図である。
【図32】本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第2のハウジング部を示す図であって、同図(A)は側面図、同図(B)は正面図、同図(C)は断面図である。
【図33】本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられる第1のハウジング部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は背面図、同図(D)は断面図である。
【図34】本発明の第12の実施の形態に係る光コネクタのソケットに用いられるシャッタ部を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は背面図、同図(D)は底面図である。
【符号の説明】
200 光コネクタのソケット
210 シャッタ部
220 挿入穴部
225 スペース
230 弾性体部
Claims (4)
- 光コネクタのプラグと接続する光コネクタのソケットであって、前記プラグが挿入される挿入穴部が形成されたハウジング部と、前記挿入穴部の入口側に軸部を有するヒンジ機構によって取り付けられ、この挿入穴部を略閉塞するためのシャッタ部と、このシャッタ部を前記入口側へ付勢する弾性体部とを具備しており、前記挿入穴部は、前記シャッタ部を格納するスペースを有し、前記プラグを挿入穴部に挿入する際に、シャッタ部は、プラグの先端部によって押圧されて挿入穴部の内側に入り込み、接続完了すると前記スペースに格納される光コネクタのソケットにおいて、
前記ハウジング部は、シャッタ部が取り付けられる穴部を有する第1のハウジング部と、前記第1のハウジング部が挿入される穴部を有する第2のハウジング部とを有しており、
第1のハウジング部の穴部の入口側上部の両側面には、前記シャッタ部の取り付けに伴って前記軸部がセットされる一対の溝がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、前記第2のハウジング部には、前記第1のハウジング部の取り付けに伴って前記溝にその開放端から挿入可能な一対の凸部がプラグ挿脱方向に向けて設けられており、
前記第1のハウジング部が前記第2のハウジング部の穴部に取り付けられると、前記溝にセットされた前記軸部は第1のハウジング部の溝と第2のハウジング部の凸部とで挟持され、
前記挿入穴部の奥側には、光素子が設けられる素子部屋部を有しており、この素子部屋部は、前記第1のハウジング部に当該第1のハウジング部の穴部に連通して設けられた凹状の前面側部と、前記第2のハウジング部の穴部のプラグ挿入方向の奥側部に設けられた凹状の背面側部とからなり、
前記光素子は、前記素子部屋部において、前記第1のハウジング部と、前記第2のハウジング部とで挟持固定されることを特徴とする光コネクタのソケット。 - 前記シャッタ部は、前記スペースに格納された状態で、プラグの側面側を保持することを特徴とする請求項1記載の光コネクタのソケット。
- 前記プラグが前記挿入穴部に挿入された状態で、前記プラグの側面に設けられた位置決め用凸部が前記挿入穴部のスペース対向面に設けられた位置決め用係合部に嵌まり込むようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の光コネクタのソケット
- 請求項1、2又は3記載の光コネクタのソケットがデジタルオーディオ機器に設けられることを特徴とする光コネクタのソケット。
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