JP3841734B2 - 筆記具用ペン先 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具用ペン先に関するものであり、より詳細には、耐磨耗性及び耐バラケ性(繊維束の割れ、毛羽立ち等)を改良することにより、筆記時の線幅保持性及び芯の耐久性を向上させると共に、筆感に優れている筆記具用ペン先に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成繊維をスチーミングし、次に合成樹脂液に浸漬し、更にノズルを通過させて所定断面の棒状に成形してインキ用ペンを製造することが提案されている。繊維を繊維束としてバインダー樹脂液に浸す前に予めスチーミングすることにより、絞り作業や成形作業を能率よく行うものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、合成繊維束を加熱圧縮成形して所定断面形状の棒状物から繊維束ペン先を製造する方法において、繊維束を硬化させる合成樹脂液(バインダー樹脂液)に主溶媒の他に誘電率の高い極性溶媒を使用して、かかる溶媒を高周波加熱することにより硬化させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このような製造方法によって繊維束ペン先における断面中心部の繊維密度のバラツキや硬化樹脂分の固着状態のバラツキを防止している。
【0004】
従来、このような繊維束のペン先は、繊維を集束し、バインダー樹脂で接着・硬化させたものであり、繊維としては、アクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維である。また繊維糸の形態としてフィラメント、スライバーが一般に使用されている。接着・硬化に使用するバインダー樹脂は、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が一般的である。
製造ペン先は、長手方向に連続した気孔を内部に有し、繊維量、繊維種、バインダー樹脂種、バインダー樹脂濃度を変更することで、様々な気孔率、硬度、所望のインキ流量、書き味を得ることができる。そして、このような調整を実施することにより、インキへの耐溶剤性のペン先を得ることができる。
【0005】
【特許文献1】
特公昭45−23967号公報(第3頁のカラム5など)
【特許文献2】
特公昭53−16736号公報(第2頁のカラム4など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ペン先押圧式でバルブを解放しペン先にインキを流出させる液式のペンでは、ペン先押圧式の構造を使用しなければ流出できないインキ、例えば、インキ粘性が高かったり、色材がパール顔料や金属粉顔料の様に粒径が大きかったり、黒色面での筆記を可能にするために酸化チタンのような隠蔽性顔料の含有率が高かったりするインキを用いる場合がある。そして、インキをペン先に流出させるためにペン先先端を筆記面などにあてて押圧すると、高気孔率のペン先ではペン先先端をつぶして初期より所望の線幅が得られない場合がある。更に押圧する際に最も荷重のかかるペン先先端中心部にあっては、一般に繊維を接着・硬化させているバインダー量が少なくなっている。このため、バインダー樹脂から繊維が離脱して筆記先端部がバラケて筆状になり易く、筆記に適さないことが見られた。
【0007】
一方、バラケない様に繊維量を多くしたり、バインダー樹脂濃度を高くしたりして、低気孔率で硬筆感のペン先を使用すると、前記ペン先押圧式に使用するインキでは、インキの流出ができずにカスレたり、大粒径の顔料を内蔵しているためにペン芯内のインキ流路で目詰まりを起こして、更に筆記が困難になる不具合を有していた。
【0008】
従って、本発明の課題は、繊維束がバラケて筆記に不具合を生じることなく、高粘度インキのスムースな流出を確保すると共に、粒径の大きな顔料が芯内のインキ流路で目詰まりを起こすことがなく、更に、初期の線幅、好筆感を維持することのできる筆記具用ペン先を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明等者は、バインダー樹脂で接着硬化した繊維束の筆記面となる表面に熱可塑性樹脂の粉体からなる焼結体を被覆すると、筆記時に繊維束がバラケず、高粘度インキのスムースな流出を長期に渡って確保すると共に、粒径の大きな顔料が芯内のインキ流路で目詰まり等も起こすことがないことを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】
即ち、本発明に係る筆記具用ペン先は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
(1) 繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の気孔率が68%以上であり、またペン先形状に形成した上記繊維束全体の表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなり、更にペン先押圧式の顔料含有インキに使用されることを特徴とする筆記具用ペン先。
【0011】
(2) 上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリル−スチレン樹脂の群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用ペン先。
(3) 上記ポリオレフィンが、超高分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンの群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする上記(2)記載の筆記具用ペン先。
(4) 上記バインダー樹脂がフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂の群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用ペン先。
(5) 上記繊維が、アクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維の群より選んだ合成繊維の少なくとも1種以上の繊維であることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用ペン先。
(6) 繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の気孔率が68%以上であり、ペン先形状に形成された上記繊維束の切断端部面を除く部分に樹脂の被覆層が形成され、また上記繊維束の両切断端部の表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなり、該被覆層の樹脂融点より上記粉体の樹脂焼結温度が低く、更にペン先押圧式の顔料含有インキに使用されることを特徴とする筆記具用ペン先。
【0012】
尚、上記(1)記載の筆記具用ペン先の製造方法としては、上記繊維を集束して、接着硬化性の樹脂溶液に含浸させて繊維束を形成し、繊維束を所定形状に成形した後、該形状に合わせた金型内に繊維束を配すると共に、該繊維束と金型との隙間に上記樹脂粉体を充填し、金型を加熱して樹脂粉体を焼結することにより、繊維束の全面を上記焼結体で被覆してなることを特徴とすることができる。
【0013】
また、上記(6)記載の筆記具用ペン先の製造方法としては、上記繊維を集束して接着硬化性の樹脂溶液に含浸させて繊維束を棒状に形成し、該棒状繊維束の外周面に樹脂の被覆層を形成し、該繊維束を所定の長さに裁断すると共に、筆記面となる端部を所定形状に成形した後、該筆記面の形状に合わせた金型内に少なくとも該繊維束の筆記面端部を配すると共に、該繊維束と金型との隙間に上記樹脂粉体を充填し、金型を加熱して樹脂粉体を焼結することにより、繊維束の筆記面を上記焼結体で被覆してなることを特徴とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る筆記具用ペン先の好ましい実施の形態を詳述する。尚、本発明に係る筆記具用ペン先は以下の実施形態及び実施例に限るものではない。
図1は、本発明に係る筆記具用ペン先の断面図である。図2は、本発明に係る筆記具用ペン先の別の実施形態を示す断面図である。
【0015】
本発明に係る筆記具用ペン先は繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる。
ペン先に使用される繊維としては、植物繊維、又は動物繊維等の天然繊維、セルロース系、たんぱく質系、その他(天然ゴム、アルギン酸繊維等)の再生繊維、セルロース系、塩化ゴム系、塩酸ゴム系等の半合成繊維、およびポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリウレタン系スパンデックス、ポリフルオロエチレン系、ポリクラール系、ポリベンゾエート系等の合成繊維等を挙げることができる。
【0016】
上記繊維の中でも合成繊維であるアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維であることが望ましい。これらの繊維は、スライバー、フィラメントのどちらでも良く、繊維径(デニール)、及び丸形状や他の異形状等の断面形状は任意であり、適宜選択することができる。
【0017】
また、繊維を接着硬化させるバインダー樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等を選択することができ、塩化メチレン、酢酸エステルなどの溶剤に溶解させて、集束した繊維を含浸させるものである。バインダー樹脂は、含浸した繊維と共に、加熱乾燥炉を通過させて溶剤を揮発させ、更に硬化させることで、繊維同士を接着させるものであり、濃度、種類は任意であり、適宜選択できる。
【0018】
バインダー樹脂は、特に使用する繊維を良く接着させるものを選択することである。また、使用するインキの溶剤や、顔料の粒径、配合量などによって繊維径、繊維量、断面形状、繊維材質、樹脂種、樹脂濃度を適宜選んで、繊維束内に目的とする気孔率、硬さを作成することが好ましい。このような繊維束の気孔率は後述する実施例1及び2に見られるように68%以上である。
また、このような繊維束の芯は通常、所望の形状に研磨されるが、後述するように、その後樹脂粉体で被覆焼結を施す場合、そのコアとなる繊維束芯の形状は、所望される最終形状と相似形でも、そうでなくても構わない。しかし、粉末焼結部分の肉厚があまり大きくならないようにペン芯の形状をデザインすることが、芯全体の強度、摩耗のよる焼結樹脂粒子の脱落の面から、好ましい。
【0019】
本発明に係る筆記具用ペン先においては、上述したように、上記繊維束の少なくとも筆記面となる表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなることを特徴とする。ペン先の全面若しくは一部の筆記面に被覆する焼結体の熱可塑性樹脂粉体としては、例えば、ポリオレフィン、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリル−スチレン樹脂の群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂を挙げることができる。特に、上記ポリオレフィンとしては、超高分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンであることが望ましい。
【0020】
上記焼結体の被覆する厚みは、被覆されるペンの径、使用目的に応じて適宜に選択することができ、0.05〜1.5mm、好ましくは、0.2〜1mm程度が望ましい。被覆に使用する熱可塑性樹脂粉体の粒径は適宜選択することができる。特に好ましい粒径は、インキ流出を阻害したり、粒径の大きな顔料を用いたインキであれば、その顔料を目詰まりさせる危険性のないもの、更に筆記やペン先の押圧する圧力に耐えられ、被覆した繊維束の表面から脱落しないものを選定することが望ましい。具体的には、30メッシュ(447μm)〜200メッシュ(74μm)、好ましくは、100メッシュ(150μm)〜150メッシュ(105μm)のものが好適である。
【0021】
本発明に係る筆記具用ペン先にあっては、上述のように、成形した繊維束の全体に焼結体を被覆して良く、また繊維束にはその筆記面を除く部分に補強樹脂の被覆層を形成しても良い。このような場合、その被覆層の樹脂融点より熱可塑性樹脂粉体の樹脂焼結温度が低いことを特徴とすることができる。
インキをペン先に流出させるためにペン先を筆記面にあてて押圧する動作の圧力にペン先が耐えるようにするためは、ペン先外周面を補強用の樹脂で被覆することが望ましい。
【0022】
即ち、バインダーで接着硬化して成形した棒状の繊維束の外周面をポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などの被覆材でパイプ状に被覆し、このような棒状の繊維束を所望の長さに切断した後、筆記面(切断端部)のみを砥石などで研削し繊維とバインダー樹脂よりなる筆記面を露出させたものを使用して、筆記面に焼結体を施しても良い。
被覆樹脂の肉厚は、目的によって適宜に設定できるが、インキ色の視認性、経済性等の観点から、0.01mm〜0.7mm、更に好ましくは0.05mm〜0.5mmの範囲が望ましい。
【0023】
次に、本発明に係る筆記具用ペン先の製造方法を簡単に説明する。
例えば、図1に示すような実施形態の筆記具用ペン先の製造方法にあっては、先ず、上述した繊維を集束して、接着硬化性のバインダー樹脂溶液に含浸させて繊維束を所定断面形状にして棒状に成形する。成形装置としては、繊維束が導入されるパイプ又はダイからなる加熱・圧縮可能な押出成形機等であり、パイプ等の断面形状は所望のペン先の断面形状に合わせて設計される。
【0024】
次に、上述で得られたバインダー樹脂が硬化した棒状の繊維束を所定の長さに裁断し、例えば、図1に示すように裁断繊維束1の端部を所望の形状に研磨してペン先の原形状を得る。次に、裁断繊維束1をその形状と同等或いは若干大きな相似形状の金型に配して、裁断繊維束1と金型との間に上述した熱可塑性樹脂粉末を充填する。充填後、金型を所定の焼結温度で加熱して、熱可塑性樹脂粉末を金型内で焼結させることにより、繊維束の全体面を焼結体2で被覆してペン先10を製造する。
【0025】
また、例えば、図2に示すような実施形態の筆記具用ペン先の製造方法にあっては、繊維束1を被覆装置が設置された押出成形機に導入し、上述で得られたバインダー樹脂が硬化した棒状の繊維束1の外周面を被覆樹脂3、例えば、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などで被覆し、繊維束1の横方向の曲げ強度の向上を図ることができる。
【0026】
この場合、被覆樹脂3の肉厚を目的に応じて適宜に設定し、上述したようにインキ色の視認性、経済性等の観点から、0.01mm〜0.7mm、更に好ましくは0.05mm〜0.5mmの範囲とすることが望ましい。
被覆されたものを短尺に裁断し、筆記面となる裁断端部を所望の形状に研磨した後、その研磨した筆記面に熱可塑性樹脂粉体を上述のようにして施す。その際は、被覆樹脂3の融点より粉末樹脂2の焼結温度が低いものの組み合わせを選択することが望ましい。
【0027】
【実施例】
次に、本発明に係る筆記具用ペン先を以下の実施例に基づいて更に説明する。
(実施例1)
5d(デニール)のポリエステル繊維を集束して、塩化メチレンに溶解させた不飽和ポリエステル樹脂槽を通過させて樹脂溶液を含浸させた。次に、加熱乾燥炉を通過させて、外径4.6mm、気孔率70%の棒状の成形物を得た。得られた棒状繊維束を短尺に裁断し、両端を砲弾状に研磨してコアとなる繊維束芯を作成した。それを、その形状より外径が0.4mm大きな相似形状の金型に配置し、ポリエチレンの粉体を外周部全面に覆うように充填した後に、金型を温度130℃に加熱して、高密度ポリエチレンの粉体を焼結させ、外径5mmの両頭の形状をした繊維束芯をポリエチレン粉末の焼結体で被覆したペン芯を得た。
【0028】
(実施例2)
20d(デニール)のアクリルニトリル繊維を集束して、塩化メチレンに溶解させたメラミン樹脂槽を通過させて樹脂溶液を含浸させた後、加熱乾燥炉を通過させて、外径4.6mm、気孔率68%の棒状の成形物を得た。次に、成形物を短尺に裁断し、両端を砲弾状に研磨してコアとなる繊維束芯を作成した。それを、その形状より外径が0.4mm大きな相似形状の金型に配置し、超高分子量ポリエチレンの粉体を外周部全面に覆うように充填した後に、金型を温度170℃で加熱して、超高分子量ポリエチレンの粉体を焼結させ、外径5mmの両頭の形状をした繊維束芯を超高分子量ポリエチレン粉末の焼結体で被覆したペン芯を得た。
【0029】
比較例として、実施例1、2のコアの作成方法で、外径5mmのものを同気孔率で成形し、樹脂粉体の焼結を施さずにしたものを、それぞれ比較例1、2とした。
【0030】
上記、実施例1、2、及び比較例1、2で作成したものを、ペン先押圧式の筆記具(三菱鉛筆製、ユニスカPC−5Mに装填し、ペン芯の筆記部を垂直に紙面にあてて、10mを筆記毎に500gの荷重で100回押圧し、再度10m筆記する操作を繰り返し、500mまで筆記したときの先端の状態及び100m毎の筆記線幅を測定した。
その結果を下記の表1に示す。
◎:外観変化がない
○:外観変化が微少
△:外観変化が大きい
×:先端部がばらけてしまっている
【0031】
【表1】
実施例に示すように、ペン先押圧式でバルブを解放しペン先にインキを流出させる液式のペンにて、高粘性のインキ、大粒径のインキ、及び高固形分のインキを流出させることができる。また、ペン芯内での顔料目詰まりもなく、かつ、押圧の荷重や筆記時の摩耗によるペン芯先端部バラケずに初期の線幅をぼ維持でき、書き味も好適なン芯が得られ、使用しても十分かつスムースなインキ流出が得られる。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る筆記具用ペン先は、繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなるものであり、上記繊維束の少なくとも筆記面となる表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなるので、その繊維束がバラケて筆記時に不具合を生じることなくなる。また、高粘度インキを使用した場合でも、そのペン先においてスムースな流出を確保すると共に、粒径の大きな顔料が芯内のインキ流路で目詰まりを起こすことがない。更に、本発明に係る筆記具用ペン先は、初期時の線幅、好筆感を長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る筆記具用ペン先の断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る筆記具用ペン先の別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 繊維束
2 焼結体
3 被覆層
10、20 ペン先

Claims (6)

  1. 繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の気孔率が68%以上であり、またペン先形状に形成した上記繊維束全体の表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなり、更にペン先押圧式の顔料含有インキに使用されることを特徴とする筆記具用ペン先。
  2. 上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンビニルアセテート、アクリロニトリル−スチレン樹脂の群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用ペン先。
  3. 上記ポリオレフィンが、超高分子ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンの群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項2記載の筆記具用ペン先。
  4. 上記バインダー樹脂がフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂の群より選んだ少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用ペン先。
  5. 上記繊維がアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維の群より選んだ合成繊維の少なくとも1種以上の繊維であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用ペン先。
  6. 繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させて得られる繊維束からなる筆記具用ペン先において、上記繊維束の気孔率が68%以上であり、ペン先形状に形成された上記繊維束の切断端部面を除く部分に樹脂の被覆層が形成され、また上記繊維束の両切断端部の表面に熱可塑性樹脂粉体からなる焼結体を被覆してなり、該被覆層の樹脂融点より上記粉体の樹脂焼結温度が低く、更にペン先押圧式の顔料含有インキに使用されることを特徴とする筆記具用ペン先。
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