JP3841677B2 - 構造体の継ぎ手装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雌雄の区別のない一対の同一構造の継ぎ手本体からなり、パイプ体もしくは中実体からなる構造体を組立てて、たとえばトラス構造物を構築するのに用いられる継ぎ手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、複層立体トラストとして立体トラス構造物があり、この立体トラス構造物を構成する構造体および、これら構造体を連結固定する継ぎ手装置として、従来は、主に、ボルトが用いられていた。最も一般的には、トラス部材相互を溶接してトラス構造を組立てていた。
【0003】
また、ボルト継ぎ手としても、ノード部分に垂直にボルトが入るものと、ノード部分からブラケットを突設し、ここに直角ボルトを入れて固定するというものが多く、全て鋼材から構成される。
【0004】
たとえば、トラス構造物として屋根架構に適用するには、特に、総重量の軽減化や、メンテナンスの作業の簡略化が求められている。そのため、鋼材に代わってアルミニウム合金材や、ステンレス鋼などが用いられるようになった。
【0005】
しかも近時は、デザイン性に富む屋根架構が好まれていて、上述の素材で構成すると単位面積重量が極めて大になってしまう。そこで、比重が小さく軽量で、しかも剛性の大であるCFRPを用いることで解決を得ようとしている。
【0006】
ところが、上記CFPR材では、端部をテーパー状とする必要があり、その加工が面倒であるとともに、ねじ切り部の強度が低いという特徴があって、構造体の全てと、これら構造体を連結固定する継ぎ手装置の全てをCFPR材に代えることには無理がある。
【0007】
当面は、たとえばパイプ状からなるトラス部材の本体部分に、ボルトやブラケットを取付けて、これらのものがノード部分に接合されることが、地上における建築物関係では一般的な設計手法である。
【0008】
継ぎ手装置の一例(清水建設研究報告VOL.65 1997.4)を、図4に示す。ここで球状のハブaと、このハブaと接しトラス部材に加わる荷重のうち主として圧縮力を受け持つカラーbは、アルミニウム合金材が用いられる。上記カラーb端面に、ステンレス鋼からなるノーズコーンcが接するように設けられている。
【0009】
上記ノーズコーンcとカラーbおよびハブaに亘って、主として引張り荷重を受け持つ高張力鋼材からなるベアリングボルトdが螺挿される。上記ノーズコーンcの突設端面には、構造体であるCFRPトラス部材fがリベットeを介して取付固定される。上記リベットeは、ステンレス鋼材が用いられる。
【0010】
図4(B)および図4(C)に示すように、複数のトラス材が所定方向に取付けられるように構成されたハブaがあって、CFRPパイプからなるトラス部材fを上記継ぎ手装置を介して連結する。したがって、剛性が高く軽量化を促進した複層立体トラス構造物を構成でき、デザイン性に富む屋根架構等に適用できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
問題は継ぎ手装置の構成であって、上記トラス部材fの両端部に継ぎ手装置を取付けるのに、2本のベアリングボルトdの螺挿作業が必要である。複層立体トラス構造物を構築するためには、大量のトラス部材fを継ぎ手装置を介して連結しなければならない。
【0012】
そのため、継ぎ手装置のベアリングボルトdに対する膨大な螺挿作業が必要となる。この作業は従来の建設現場で行われてきたトラス構造の組立てに比べれば幾分かの改善はされているが、依然としてトラス構造の組立てに長い時間がかかっていることは事実である。
【0013】
さらに、ねじを回転させて取付ける作業であるため、その反動トルクをどこかで吸収する必要がある。これは足場の悪い宇宙空間や洋上、あるいは水中や海底などで構造の組立て作業を行おうとする際には著しく不都合な点である。
【0014】
また、図4に示した従来例では、カラーbを回転させることにより、ベアリングボルトdを螺挿するようになっているが、このような構成ではトラスを組立てることはできても、分解することは困難である。
【0015】
上述の継ぎ手装置では、建築構造におけるトラス部材以外の用途を含めて、いずれの用途においても結合作業では部材の中心軸まわりの反動トルクが発生する虞れがあって、これを打ち消すための特別な工夫や工具が必要である。また、宇宙空間や水中などの特殊状況下で作業する場合には、作業者の体勢保持のために特別な工夫をしなければならず、コスト的に悪影響がある。
【0016】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、雌雄のない一対の継ぎ手本体をワンタッチで結合でき、結合時のストロークが小さくてすみ、組立て時および分解時の反動トルクが非常に小さく、組立てが容易で作業性の大幅な向上を得られ、かつ必要であれば簡単に分解でき、屋根架構のほかに、宇宙構造物あるいは海洋構造物などでも対応でき、広く用途がある構造体の継ぎ手装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明の構造体の継ぎ手装置は、請求項1として、パイプ体もしくは中実体からなる一対の構造体端部に継ぎ手本体を取付け、継ぎ手本体相互を結合することにより構造体相互の結合をなす継ぎ手装置において、上記継ぎ手本体は、構造体端部に回転自在に嵌め込まれる筒状の内側継ぎ手と、この内側継ぎ手の外周に回転自在に嵌め込まれる筒状の外側継ぎ手と、これら内側継ぎ手と外側継ぎ手のそれぞれ先端部に設けられ周方向に沿って所定間隔を存し軸方向に突出する複数の嵌合突部およびこれら嵌合突部相互間に形成される嵌合凹部と、嵌合突部の一方の側壁に設けられ継ぎ手本体における内側継ぎ手と外側継ぎ手では互いに反対側でかつ継ぎ手本体相互を対向させた状態で外側継ぎ手相互と内側継ぎ手相互では互いに対向する係止鉤部と、各継ぎ手本体における内側継ぎ手と外側継ぎ手との間に設けられ継ぎ手本体の全ての嵌合突部と嵌合凹部を相手側の継ぎ手本体の全ての嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合した状態で内側継ぎ手相互と外側継ぎ手相互を相対する周方向に弾性的に回動付勢し対向する係止鉤部を互いに係止させる付勢機構とを具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項2として、請求項1記載の構造体の継ぎ手装置において継ぎ手本体を互いに結合した状態で、それぞれの継ぎ手本体における外側継ぎ手と内側継ぎ手を互いに連結する連結具を具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項3として、請求項1および請求項2のいずれかに記載の構造体の継ぎ手装置において継ぎ手本体を互いに結合した状態で、それぞれの継ぎ手本体における外側継ぎ手と内側継ぎ手の軸方向の位置を固定する固定具を具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項4として、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の構造体の継ぎ手装置において内側継ぎ手の内部に嵌め込まれ、構造体および継ぎ手本体の中心軸を揃える整位部材を具備したことを特徴とする。
【0021】
上述の課題を解決する手段を採用することにより、請求項1の発明によれば、組立て時および分解時の反動トルクが非常に小さく、組立てが容易で作業性の大幅な向上を得られ、かつ必要であれば簡単に分解できる。
【0022】
請求項2の発明によれば、雌雄のない一対の継ぎ手本体をワンタッチで結合でき、結合時のストロークが小さく組立てが容易ですむうえに、連結具によって外側継ぎ手と内側継ぎ手を、互いに連結してガタがない。
【0023】
請求項3の発明によれば、雌雄のない一対の継ぎ手本体をワンタッチで結合でき、結合時のストロークが小さく組立てが容易ですむうえに、固定具によって外側継ぎ手と内側継ぎ手を、互いに軸方向に連結固定してガタがなく、また構造体としての寸法上の精度が向上する。
【0024】
請求項4の発明によれば、雌雄のない一対の継ぎ手本体をワンタッチで結合でき、結合時のストロークが小さく組立てが容易ですむうえに、整位具によって構造体および継ぎ手本体の中心軸が揃えられ、さらに高い組立て精度を得る。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0026】
図1は分離したもしくは結合前の継ぎ手装置を示し、図2は継ぎ手装置を構成する継ぎ手本体を一部断面にして示し、図3は継ぎ手本体相互を結合した状態を示している。
【0027】
この継ぎ手装置は、雌雄のない同一構造の一対の継ぎ手本体1,1を備えている。上記継ぎ手本体1は、内側継ぎ手2および、この内側継ぎ手部2の外周に位置する外側継ぎ手3との二重構造をなす。
【0028】
上記内側継ぎ手2は、円筒体から形成されていて、構造体としてのトラス部材f端部に回転自在に嵌め込まれている。上記外側継ぎ手3は、図2に示した例ではトラス部材f側の端部外周面がテーパー状をなしているが、全体的に円筒体からなり、その内周面が内側継ぎ手2の外周面に回転自在に嵌り合っている。
【0029】
さらに詳細に説明すると、トラス部材fの端部外周面にねじ部4が設けられていて、ここに内周面にねじ部を有するカラー5が螺装される。このカラー5の外周面はトラス部材fの外周面よりも径方向に突出していて、カラー5の外周面に内側継ぎ手2の内周面が回転自在に嵌り合っている。
【0030】
上記カラー5の突出端に、上記内側継ぎ手2の端部内径に一体に形成される抜け止め用突部2aが係止して、軸方向の抜け止めをなす。上記外側継ぎ手3のテーパー側端部の内周面にも抜け止め用突部3aが一体に形成され、内側継ぎ手2の抜け止め用突部2a外面に係止して軸方向の抜け止めをなす。
【0031】
後述するようにして、一対の継ぎ手本体1,1を互いに結合した状態で、互いの継ぎ手本体1における外側継ぎ手3と内側継ぎ手2に連通する部位に孔部6が開口していて、連結具である連結ピン7を挿入するようになっている。
【0032】
この連結ピン7によって、内側継ぎ手2と外側継ぎ手3は互いに一体に連結固定され、かつトラス部材fに対して周方向に一体に回転自在となる。したがって、この連結ピン7は、継ぎ手本体1,1相互が結合した状態でのロック機構として用いられることになる。
【0033】
さらに、一対の継ぎ手本体1,1を互いに結合した状態で、トラス部材fにおける外側継ぎ手3のテーパー側端面に対向する部位に孔部8が開口していて、固定具である楔9を挿入するようになっている。
【0034】
この楔9は、上端部がトラス部材fから突出するように寸法設定されていて、上記外側継ぎ手3の端面に当接し、後述する整位部材10を押し出すために備えられる。そして、楔9は内、外側継ぎ手2、3が相手側継ぎ手本体1と結合していないときに、トラス部材fに沿って移動してしまわないよう規制する。
【0035】
このようにして、内側継ぎ手2と外側継ぎ手3が相手側の継ぎ手と係合したあとに楔9を挿入して、芯出し用筒体10をトラス部材fから突出する方向に押圧することにより、結合を一層強固なものにすることができる。
【0036】
上記内側継ぎ手2の内部に、整位部材である芯出し用筒体10が挿入される。芯出し用筒体10の外径は段状に形成され、大径部10aが内側継ぎ手2内径に、小径部10bがトラス部材f内径に,それぞれ変位自在に嵌め込まれる。また、大径部10a側端面には、一部が大径部10a端面から突出するようにパッキン部材11が取付けられる。
【0037】
一対の継ぎ手本体1,1を互いに結合した状態で、芯出し用筒体10相互がパッキン部材11を介して当接し、かつ互いのトラス部材fと内、外側継ぎ手2,3からなる継ぎ手本体1の中心軸を揃える整位をなす。
【0038】
なお、芯出し用筒体10は内側継ぎ手2およびトラス部材fに対して変位自在に寸法設定されるので、継ぎ手本体1相互の結合前の状態で少しでもトラス部材fを傾むけると、パイプ2と内側継ぎ手2から容易に抜け出てしまう。
【0039】
そこで、芯出し用筒体10の小径部10bに溝部11aを設け、ここにゴム材からなるOリング11bを嵌め込む。トラス部材fに対するOリング11bの摩擦力で、少しの傾きでは容易に抜け出ないように規制する。
【0040】
上記内側継ぎ手2と、上記外側継ぎ手3のそれぞれ先端には、周方向に沿って所定間隔を存し軸方向に突出する複数の嵌合突部12が設けられ、これら嵌合突部12相互間には嵌合凹部13が形成される。
【0041】
上記継ぎ手本体1,1相互が軸方向に結合された状態で、一方の内側継ぎ手2の嵌合突部12が他方の内側継ぎ手2の嵌合凹部13に嵌合し、他方の内側継ぎ手2の嵌合突部12が一方の内側継ぎ手2の嵌合凹部13に嵌合して、互いに相補形に嵌合する。
【0042】
同時に、一方の外側継ぎ手3の嵌合突部12が他方の外側継ぎ手3の嵌合凹部13に嵌合し、他方の外側継ぎ手3の嵌合突部12が一方の外側継ぎ手3の嵌合凹部12に嵌合して、互いに相補形に嵌合する。
【0043】
なお、ここでは嵌合凹部13の幅寸法が嵌合突部12の幅寸法よりもある程度広く形成されていて、嵌合突部12が嵌合凹部13に嵌合した状態で、各内,外側継ぎ手部2,3は周方向に所定量だけ回動自在である。
【0044】
いずれの嵌合突部12においても、一方の側壁には、周方向に突出する係止鉤部14が一体に設けられる。各継ぎ手本体1において、内側継ぎ手2と外側継ぎ手3のそれぞれ係止鉤部14は、嵌合突部12の互いに反対側の側壁に設けられている。
【0045】
図1に示すように、一対の継ぎ手本体1,1を軸方向に対向させた状態で、互いの内側継ぎ手2において係止鉤部14が嵌合突部12の対向する側壁に設けられ、かつ互いの外側継ぎ手3において係止鉤部14が嵌合突部12の対向する側壁に設けられる。
【0046】
したがって、この状態のまま、いずれか一方の継ぎ手本体1を移動して互いの嵌合突部12を嵌合凹部13に嵌合することにより、対向する係止鉤部14相互が係合可能となる。
【0047】
上記係止鉤部14の係止面は、周方向に対して所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しており、これらが係合した状態で継ぎ手本体1,1相互を引き離す方向の荷重が作用した場合に、係止鉤部14相互はより強く係合し、内側継ぎ手2相互および外側継ぎ手3相互の抜けを確実に防止するように構成される。
【0048】
上記係止鉤部14相互が係合した状態では、嵌合突部12の先端面と嵌合凹部13の奥壁面との間に隙間を存していて、嵌合突部12と嵌合凹部13とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0049】
各外側継ぎ手3の外周面に露出して付勢機構15が設けられる。この付勢機構15は、外側継ぎ手3に周方向に設けられる長孔16と、この長孔16に挿入され内側継ぎ手2の周面に植設される止めピン17と、長孔16端部に近接する外側継ぎ手3周面部位に設けられる受けピン18と、この受けピン18と止めピン17との間に亘って設けられる引張りばね19とから構成される。
【0050】
すなわち、上記付勢機構15は内側継ぎ手2と外側継ぎ手3との間に設けられていて、内側継ぎ手2と外側継ぎ手3を互いに逆の周方向に回動するよう弾性的に引張り付勢する。
【0051】
各継ぎ手本体1,1において、内,外側継ぎ手2,3に設けられる係止鉤部14が互いに逆の側壁に設けられることに対応して、付勢機構15を構成する止めピン17と受けピン18は互いに周方向の逆位置に設けられている。
【0052】
いずれにしても、それぞれの継ぎ手本体1,1における上記付勢機構15の付勢方向は、内側継ぎ手2と外側継ぎ手3の係止鉤部14が互いに近接する方向である。
【0053】
継ぎ手本体1,1相互を結合するには、一方の継ぎ手本体1における内,外側継ぎ手2,3の嵌合突部12に対して、他方の継ぎ手本体1における内,外側継ぎ手2,3の嵌合凹部13を正対させる。
【0054】
必然的に、一方の継ぎ手本体1における内,外側継ぎ手2,3の嵌合凹部13に対して、他方の継ぎ手本体1における内,外側継ぎ手2,3の嵌合突部12が正対する。
【0055】
そのままの姿勢を保持して、少なくとも一方の継ぎ手本体1を軸方向に移動すればよい。継ぎ手本体1,1相互の全ての嵌合凹部13内に全ての嵌合突部12が挿入され、かつ付勢機構15の弾性付勢作用によって対向する係止鉤部14相互が係合する。
【0056】
継ぎ手本体1,1相互がワンタッチ結合されることになり、パイプ2,2相互の結合がなされる。ついで、連結ピン7を挿入して、それぞれの継ぎ手本体1の内,外側継ぎ手2,3を互いに連結し、楔9を挿入して継ぎ手本体1の軸方向のガタを無くす。
【0057】
なお、楔9を用いることにより強固な結合が得られる一方で、継ぎ手装置全体を含めたトラス部材fに付加される圧縮荷重が芯出し用筒体10に伝わり、楔9を介して連結されたトラス部材fに直接的に伝えられてしまう。そのため、圧縮荷重が極端に大きい場合には、楔9の存在がかえって不都合となり易い。
【0058】
また、トラス構造体は、多数の部材が組み合わされて構造物を構成するため、それぞれの部材に誤差が存在すると、部材を結合し組立てた状態で大きな誤差になってしまう。そのため、継ぎ手装置においても設計通りの仕上がりが必要であり、ガタの発生は好ましくはない。
【0059】
そこで、楔9を使用すると芯出し用筒体10の先端にあるパッキン部材11が全て圧潰状態となり、金属材からなる芯出し用筒体10が、結合相手の金属材からなる芯出し用筒体10に接触し、かつ内、外継ぎ手2,3のガタを吸収するだけのストロークの押し出しができるように、楔9の形状を設定する。
【0060】
このようにして楔9を用いることにより、内、外継ぎ手2,3が結合相手側の内、外継ぎ手2,3(すなわち、継ぎ手本体1,1相互)に軸方向のガタが生じることなく結合でき、トラス部材fの組み立て時の寸法精度を確保する。
【0061】
また、トラス部材fに付加される圧縮荷重を、楔9のみに頼ることなく、効率よく均等にトラス部材fに伝え、かつ強固な結合を得るために、楔9を挿入することによって生じる芯出し用筒体10とトラス部材fの先端部との間の空間に、適宜な構造用接着剤(例:Vantico社(旧称チバガイギー社)のアラルダイトなど)を流し込んで固形化してもよい。
【0062】
このような接着剤を流し込むために、継ぎ手本体1,1相互を結合した状態で、内、外側継ぎ手2,3のそれぞれ外周面と内周面を貫通し、互いに連通する位置に、接着剤流し込み用孔20が設けられる。
【0063】
また、上記連結ピン7は円柱状であってもよく、テーパー状にしてもよい。この連結ピン7は、継ぎ手本体1の内外側継ぎ手2,3の相対的な動きを固定するため、結合された状態の継ぎ手本体1,1双方に連結ピン7、7を挿入すると、継ぎ手の結合の外れを防止するロック機構としての役割を果たす。
【0064】
なお、連結ピン7を先細りのテーパ状にし、内側継ぎ手2の孔部6の直径を小さく、外側継ぎ手3の孔部6の直径をこれより大きく形成してもよい。この場合、組み立てた状態で内外側継ぎ手2,3の位置が多少ずれていても、連結ピン7の各孔部6への挿入にともなって内外継ぎ手2,3の位置が矯正される。
【0065】
継ぎ手本体1内部においては、芯出し用筒体10相互のパッキン材11が当接してシールをなし、芯出し用筒体10自体は内側継ぎ手2および外側継ぎ手3の中心軸を揃える。すなわち、結合される継ぎ手本体1,1相互の中心軸が揃えられ、結合されるトラス部材f,fの中心軸が揃えられる。
【0066】
このようにして組立てられるパイプ状トラス部材(構造体)f,fの継ぎ手装置であって、継ぎ手本体1,1相互に雌雄の区別がなく、製作手間が少なくてよいとともに、トラス部材fへの取付けに神経を使わずにすむ。
【0067】
そして、トラス部材f,f相互の結合と分離時において、継ぎ手本体1に対する軸方向のストロークが短く、ワンタッチの結合と分離ができて、作業性の大幅な向上が得られる。
【0068】
内側継ぎ手2と外側継ぎ手3の二重構造である継ぎ手本体1を結合するので、継ぎ手本体1,1相互を結合した状態での強度が増大し、安全性と信頼性の向上化を図れる。
【0069】
結合される継ぎ手本体1,1相互において、内側継ぎ手2の係止鉤部14と外側継ぎ手3の係止鉤部14の突出方向が互いに逆であり、かつ付勢機構15が係止鉤部14,14相互を係合する方向に弾性的に付勢するので、継ぎ手本体1,1相互は、より強固に係合し、衝撃などに対して何らの影響も受けない。
【0070】
結合した継ぎ手本体1,1に対して正逆いずれの回転方向のトルクがかかっても、あるいは軸方向のねじりモーメントや、軸方向に沿う引張り力もしくは圧縮力がかかっても、上述の継ぎ手本体1の構成から、内側継ぎ手2,2相互と、外側継ぎ手3,3相互が外れることがない。
【0071】
互いの継ぎ手本体1,1を結合した状態で、芯出し筒体10の端部に設けたパッキン材11,11相互が密接して内部をシールし、芯出し用筒体小径部10bに嵌め込んだOリング11bがシールするので、パイプとしてのトラス部材f内に流体を流通させることも可能である。
【0072】
必要に応じて、継ぎ手本体1,1相互を分解(分離)する場合は、連結ピン7や楔9を取外ししたうえで、いずれか一方の継ぎ手本体1に設けられる付勢機構15を操作すればよい。
【0073】
すなわち、一方の手で外側継ぎ手3を固定し回り止めし、他方の手で付勢機構15を構成する止めピン17を引張りばね19の付勢方向とは逆方向に回動して、引張りばね19を伸長させる。
【0074】
付勢機構15の付勢力に抗して内側継ぎ手2を逆方向に回動することとなり、それまで係合状態にあった係止鉤部14,14相互が離反する方向に位置ズレする。係止鉤部14が設けられていない側壁相互が密接したところで、係止鉤部14,14相互が完全に離反する。
【0075】
継ぎ手本体1,1相互の内側継ぎ手2相互と外側継ぎ手3相互の結合状態が同時に解除されることとなり、それぞれの継ぎ手本体1,1は互いに自由になり、分解できる。
【0076】
このようにして、継ぎ手本体1,1相互の結合時と分離時に、従来のようにトルクをかけたり、ねじ込む作業が全く不要となり、ワンタッチで着脱が行える。そのため、宇宙構造物や海洋構造物の構築など、足場の悪い条件下でも容易に作業でき、作業性の大幅な向上が得られる。
【0077】
あるいは、トラス構造物に適用するばかりでなく、構造体fをパイプとし、内部にハーネス類やコネクタ類を収容することもできる。さらに、義手や義足などの義肢体用具などに使用しても上述の好条件を確保でき、使用範囲が一挙に拡大する。
【0078】
継ぎ手本体1,1相互を結合したあと分離することのない場合は、必要に応じて、外側継ぎ手3,3相互の嵌合突部12と嵌合凹部13間の隙間を溶接などの手段で埋め込んだり、構造用接着剤(たとえば、Vantico社(旧チバガイギー社)のアラルダイトのようなエポキシ系接着剤)などの強固な樹脂を流し込んで固めることによってこの隙間を埋めることでもよい。継ぎ手装置のより堅牢化が図れて、半永久的な使用に耐えられる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、雌雄のない一対の継ぎ手本体をワンタッチで結合でき、結合時のストロークが小さくてすみ組立てが容易で作業性の大幅な向上を得られるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の、分離した状態の継ぎ手装置の斜視図。
【図2】同実施の形態の、継ぎ手装置を構成する継ぎ手本体の一部断面図。
【図3】同実施の形態の、継ぎ手本体相互を結合して継ぎ手装置を構成した状態の正面図。
【図4】従来の継ぎ手装置の一部断面図と、トラス構造物の一部を示す図。
【符号の説明】
f…パイプ体(構造体)、
1…継ぎ手本体、
2…内側継ぎ手、
3…外側継ぎ手、
12…嵌合突部、
13…嵌合凹部、
14…係止鉤部、
15…付勢機構、
7…連結ピン(連結具)、
9…楔(固定具)、
10…芯出し用筒体(整位部材)。

Claims (4)

  1. パイプ体もしくは中実体からなる一対の構造体端部に継ぎ手本体を取付け、継ぎ手本体相互を結合することにより構造体相互の結合をなす継ぎ手装置において、上記継ぎ手本体は、
    上記構造体端部に回転自在に嵌め込まれる筒状の内側継ぎ手と、
    この内側継ぎ手の外周に回転自在に嵌め込まれる筒状の外側継ぎ手と、
    これら内側継ぎ手と外側継ぎ手のそれぞれ先端部に設けられ、周方向に沿って所定間隔を存し軸方向に突出する複数の嵌合突部および、これら嵌合突部相互間に形成される嵌合凹部と、
    上記嵌合突部の一方の側壁に設けられ、上記継ぎ手本体における内側継ぎ手と外側継ぎ手では互いに反対側で、かつ継ぎ手本体相互を対向させた状態で、外側継ぎ手相互と、内側継ぎ手相互では互いに対向する係止鉤部と、
    それぞれの継ぎ手本体における内側継ぎ手と外側継ぎ手との間に設けられ、上記継ぎ手本体の全ての嵌合突部と嵌合凹部を相手側の継ぎ手本体の全ての嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合した状態で、内側継ぎ手相互と外側継ぎ手相互を相対する周方向に弾性的に回動付勢し、対向する係止鉤部を互いに係止させる付勢機構と
    を具備したことを特徴とする構造体の継ぎ手装置。
  2. 上記継ぎ手本体を互いに結合した状態で、それぞれの継ぎ手本体における上記外側継ぎ手と上記内側継ぎ手を互いに連結する連結具を具備したことを特徴とする請求項1記載の構造体の継ぎ手装置。
  3. 上記継ぎ手本体を互いに結合した状態で、それぞれの継ぎ手本体における上記外側継ぎ手と上記内側継ぎ手の軸方向の位置を固定する固定具を具備したことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の構造体の継ぎ手装置。
  4. 上記内側継ぎ手の内部に嵌め込まれ、構造体および継ぎ手本体の中心軸を揃える整位部材を具備したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の構造体の継ぎ手装置。
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