JP3841081B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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また近年、省エネルギーや環境保護の観点から、従来の燃焼装置よりもさらにエネルギー効率の高い燃焼装置が切望されている。そこで、かかる要望を解決すべく複数の熱交換器を備えた燃焼装置や、燃焼ガスの顕熱に加えて潜熱も回収可能な潜熱回収型燃焼装置と称する燃焼装置が提供されている。潜熱回収型燃焼装置は、主として燃焼ガスの顕熱を回収する顕熱回収用熱交換器と、主として潜熱を回収する(残存する顕熱も回収する)潜熱回収用熱交換器とを備えたものであり、従来の燃焼装置に比べて熱効率が高い。
潜熱回収型燃焼装置は、例えば下記の特許文献1に開示されている。
一缶二水路形式とは、単一の燃焼ガス流路の中に二系統の熱交換器が配されたものであり、具体的には給湯用熱交換器と、追い焚き用熱交換器(以下 風呂用熱交換器)が収納されている。
一缶二水路形式の燃焼装置は、例えば下記の特許文献2に開示されている。一缶二水路形式の燃焼装置は、全体形状が小さく設置スペースが狭くてもよい。また一缶二水路形式の燃焼装置は、部品点数が少ないので製造コストが低い。
そこでこれらの特徴を併せ持った燃焼装置が考えられる。すなわち当業者であれば、一缶二水路形式の潜熱回収型燃焼装置の構造を容易に発明することができる。
具体的には、顕熱回収用の熱交換器として、給湯用と風呂用の二系統の熱交換器が内蔵され、さらに潜熱回収用の熱交換器としても、給湯用と風呂用の二系統の熱交換器が内蔵された構造を容易に発明することができる。
第二試作の燃焼装置は、製造コストを低く押さえることができ、製造コストが低いという一缶二水路形式の特長を生かすことができるものであった。しかしながら、この形式の燃焼装置は、風呂の追い焚き中に潜熱回収用熱交換器が沸騰するという予期しなかった問題が発生した。
しかしながら、一缶二水路形式の燃焼装置は、共通の燃焼ガス流路中に給湯用熱交換器と風呂用熱交換器を収納しているから、追い焚き単独の動作モードで運転する場合でも潜熱回収用熱交換器が加熱され、中の水が沸騰してしまう。
そしてこれらの熱交換器の燃焼ガス通過流路の下流側に燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が配されているが、当該潜熱回収用熱交換器は、水路が第二熱交換器に連通するものである。
本発明の燃焼装置では、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域は、第二熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域よりも狭く、燃焼バーナは燃焼領域が区分されていて、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流部分に相当する区分だけを限定的に燃焼させることができる。
また潜熱回収用熱交換器は燃焼ガス通過流路の断面領域の略全域を覆う。
本発明の燃焼装置を、例えば追い焚き単独の動作モードや暖房専用モードで運転する際には、燃焼バーナは、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流部分に相当する区分だけを限定的に燃焼させる。燃焼ガスは下流に流れて第一熱交換器によって熱を奪われる。そしてさらに下流に流れた燃焼ガスは、潜熱回収用熱交換器と接して潜熱回収用熱交換器に熱を与えるが、本発明の構成によると、追い焚き単独の動作モード等で運転する場合、燃焼バーナの燃焼区画が限定されているので、高温の燃焼ガスは潜熱回収用熱交換器の一部と接するだけであり、潜熱回収用熱交換器が受ける熱は少ない。
また本発明の燃焼装置では、潜熱回収用熱交換器は燃焼ガス通過流路の断面領域の略全域を覆うので、高温の燃焼ガスが流れない領域にも潜熱回収用熱交換器がある。そして本発明の燃焼装置は、燃焼バーナに空気を送風する送風手段を備えるので、高温の燃焼ガスが流れない領域にも送風がなされ、当該送風によって潜熱回収用熱交換器が冷却される。 このように本発明の燃焼装置は、追い焚き単独の動作モード等で運転する場合、潜熱回収用熱交換器に水流はないものの、潜熱回収用熱交換器の加熱される領域が限定され、且つ他の部分においては内部の湯水が冷却される。そのため本発明の燃焼装置は、追い焚き単独の動作モード等で運転する場合でも潜熱回収用熱交換器内の水が沸騰しない。
本発明の燃焼装置は、請求項3に従属するものであり、追い焚き単独の動作モードで運転する際には、燃焼バーナは、風呂用熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流部分に相当する区分だけを限定的に燃焼させることができるので、高温の燃焼ガスは潜熱回収用熱交換器の一部と接するだけである。さらに本発明では、第三熱交換器は、第一熱交換器の下流側相当部位においては外気に対する接触面積が小さく、熱交換効率が低いから、第三熱交換器は昇温されにくい。さらに本発明では、第一熱交換器の下流側相当部位の他は雰囲気温度が低いが、本発明では、当該部分の熱交換効率が高いので、第三熱交換器は、逆に熱を奪われ、内部の湯水は冷却される。
図1は、本発明の実施形態の燃焼装置の配管系統図であり、給湯時の湯水の流れを示している。図2は、本発明の実施形態の燃焼装置の配管系統図であり、追い焚き運転時の湯水の流れを示している。図3は、図1,2に示す燃焼装置の缶体内の構造を示す斜視図である。図4、本発明の他の実施形態の燃焼装置の潜熱回収用熱交換器の断面図である。図5は、本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置の潜熱回収用熱交換器の流路を示す斜視図である。
給湯用熱交換器2は、前記した風呂用熱交換器1よりも大きく、燃焼ガス通過流路の断面領域の全てを占有する。すなわち風呂用熱交換器1が設けられた領域は、図1,2,3の様に缶体11の横断面と同一である。従って仮に燃焼ガスが缶体11内を平行に流れると仮定すると、燃焼ガスのすべてが給湯用熱交換器2と接触する。
また給湯用熱交換器2を構成する管路と風呂用熱交換器1を構成する管路は互いに平行である。
すなわち潜熱回収用熱交換器3は、図の様に両端部にヘッダ15,16があり、このヘッダ15,16間を複数の管17によって結合したものである。従って潜熱回収用熱交換器3を構成する各管17は、互いに並列的である。
また本実施形態では、潜熱回収用熱交換器3を構成する管17は、いずれも傾斜している。
また他の特徴的な構成として、本実施形態の潜熱回収用熱交換器3では、図の様に一部の領域にある管17だけにフィン18が設けられている。
本実施形態では、これらはいずれも共通の缶体11内にあり、これらの位置関係を物理的に見ると、燃焼バーナ部5がその最も下部に位置する。そしてその上部に風呂用及び給湯用熱交換器1,2があり、さらにその上部に潜熱回収用熱交換器3がある。
潜熱回収用熱交換器3の管17は傾斜しているが、傾斜の方向は、風呂用熱交換器1が設けられた側の端部が下であり、他方が上である。すなわち潜熱回収用熱交換器3の流路は、風呂用熱交換器1が占有する燃焼ガス通過流路の上流側が下になり、風呂用熱交換器1が占有しない燃焼ガス通過流路の下流側が上となる位置関係に傾斜している。
図面に則して説明すると、潜熱回収用熱交換器3は、風呂用熱交換器1が設けられた左側が下となる様に各流路が傾斜している。
また給湯用熱交換器2の出水口27は、給水栓30等に接続されているが、その中途部分にバイパス流路31が設けられ、給水源20の入水が給湯用熱交換器2の出水口27から出た湯に混合される。またバイパス流路31には、流量調節弁32が設けられている。流量調節弁32は、図示しない出湯温度センサーによって開度が制御され、給水栓30等からの出湯温度が適度なものとなる様に混合する水量が増減される。なお風呂単独使用の動作モードの場合には、前記した流量調節弁32は開いており、バイパス流路31は開放されている。従って風呂単独使用の場合には、潜熱回収用熱交換器3の入水口22と出水口25は、給湯用熱交換器2及びバイパス流路31を介して環状に繋がる。
本実施形態の燃焼装置10は、公知のそれと同様に、給湯単独、追い焚き単独、給湯・追い焚き同時使用の3パターンの動作モードがある。
給湯単独モードにおいては、水は図1の矢印の様に潜熱回収用熱交換器3の上側から下側に向かって流れる。すなわち潜熱回収用熱交換器3を構成する管17は傾斜しており、潜熱回収用熱交換器3の入水口22は、図の様に傾斜の坂上側のヘッダ16に設けられているから、潜熱回収用熱交換器3において、水は傾斜を下る方向に流れる。
給湯用熱交換器2内では、水は、図1のQ1から順にQ2,Q3と流れ、その間にさらに加熱され、高温湯となって給湯用熱交換器2の出水口27から排出され、バイパス流路31から供給される水が混合されて給湯栓30から出湯される。
風呂単独使用の場合は、燃焼バーナ5の燃焼領域が制限され、燃焼バーナ部5は、燃焼領域Aだけが燃焼される。すなわち風呂用熱交換器1の上流部分だけが燃焼される。
燃焼に要する空気は、先の場合と同様に送風機6から供給されるが、本実施形態の燃焼装置10は、一缶二水路形式であり、風呂用熱交換器1が設けられた燃焼ガス流路と、給湯用熱交換器2が設けられた燃焼ガス流路が共通であるため、空気は燃焼バーナ部のBエリアにも供給される。しかしながら、Bエリアは燃焼されないので、Bエリアに供給された空気は、常温のままの状態で燃焼ガス流路を流れる。
その結果、加熱されて昇温し、密度が低下した湯水は、傾斜した管17を上昇し、傾斜の坂上側のヘッダ16側に流れる。
またこの水流によって傾斜の坂下側のヘッダ15の圧力が低下し、下部の給湯用熱交換器2から水が供給される。すなわち本実施形態の燃焼装置10では、潜熱回収用熱交換器3の上流側と、給湯用熱交換器2の下流側がバイパス流路31によって接続されている。バイパス流路31には流量制御弁32が設けられているが、当該流量制御弁32は風呂単独使用の場合には開いている。そのためバイパス流路31を介して潜熱回収用熱交換器3と給湯用熱交換器2が環状に繋がり一連の環状回路を形成している。
2 給湯用熱交換器(第二熱交換器)
3 潜熱回収用熱交換器(第三熱交換器)
5 燃焼バーナ部
6 送風機
10 燃焼装置
11 缶体
15,16 ヘッダ
18 フィン
30 給湯栓
31 バイパス流路
Claims (9)
- 燃焼バーナと、燃焼バーナに空気を送風する送風手段と、燃焼バーナによって発生した燃焼ガスが通過する燃焼ガス通過流路を有し、共通の燃焼ガス通過流路内に第一及び第二熱交換器が内蔵され、さらにこれらの熱交換器の燃焼ガス通過流路下流側に燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が配された燃焼装置において、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域は、第二熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域よりも狭く、かつ両者の断面領域は部分的に重複し、潜熱回収用熱交換器は第二熱交換器に水路が連通すると共に燃焼ガス通過流路の断面領域の略全域を覆い、燃焼バーナは燃焼領域が区分され、風呂用熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流部分に相当する区分だけを限定的に燃焼させることが可能であることを特徴とする燃焼装置。
- 燃焼バーナと、燃焼バーナによって発生した燃焼ガスが通過する燃焼ガス通過流路を有し、共通の燃焼ガス通過流路内に第一及び第二熱交換器が内蔵され、さらにこれらの熱交換器の燃焼ガス通過流路下流側に第三熱交換器が配された燃焼装置において、前記第三熱交換器は、流路が傾斜していることを特徴とする燃焼装置。
- 第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域は、第二熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域よりも狭く、かつ両者の断面領域は部分的に重複し、第三交換器は燃焼ガス通過流路の断面領域の略全域を覆い、燃焼バーナは燃焼領域が区分され、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流部分に相当する区分だけを限定的に燃焼させることが可能であることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 第一熱交換器が占有しない領域の、燃焼ガス通過流路の下流側相当部位における第三熱交換器の燃焼ガス通過流路の断面積あたりの外気に対する接触面積は、第一熱交換器が占有する領域の燃焼ガス通過流路の下流側相当部位に比べて大きく、さらに燃焼バーナに空気を送風する送風手段を有することを特徴とする請求項3に記載の燃焼装置。
- 第三熱交換器の流路は、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の下流側が下になり、第一熱交換器が占有しない燃焼ガス通過流路の下流側が上となる位置関係に傾斜していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
- 燃焼バーナと、燃焼バーナによって発生した燃焼ガスが通過する燃焼ガス通過流路と、燃焼バーナに空気を送風する送風手段を有し、共通の燃焼ガス通過流路内に第一及び第二熱交換器が内蔵され、さらにこれらの熱交換器の燃焼ガス通過流路下流側に第三熱交換器が配された燃焼装置において、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域は、第二熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の断面領域よりも狭く、かつ両者の断面領域は部分的に重複し、第三交換器は燃焼ガス通過流路の断面領域の略全域を覆い、燃焼バーナは、第一熱交換器が占有する燃焼ガス通過流路の上流側だけを限定的に燃焼させることが可能であり、第一熱交換器が占有しない領域の、燃焼ガス通過流路の下流側相当部位における第三熱交換器の燃焼ガス通過流路の断面積あたりの外気に対する接触面積は、第一熱交換器が占有する領域の燃焼ガス通過流路の下流側相当部位に比べて大きいことを特徴とする燃焼装置。
- 第一熱交換器が占有しない領域の、燃焼ガス通過流路の下流側相当部位における第三熱交換器にはフィンが設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の燃焼装置。
- 第二熱交換器及び第三熱交換器は共に給湯用であり、第三熱交換器の下流側の水路に第二熱交換器が接続されて水は第三熱交換器によって加熱された後に第二熱交換器によって加熱され、さらにバイパス流路によって第二熱交換器の下流側と第三熱交換器の上流側が連通していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置。
- 第一熱交換器は、浴槽の湯水を追い焚き加熱するものであることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の燃焼装置。
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