JP3840609B2 - 手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛及び粘着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手切れ性の良好な粘着テープを製造するための布帛、及び該布帛からなる粘着テープに関するものであり、更に詳しくは、一方向の手切れ性が良く、切口が美しく、鉤裂きが発生しにくく、且つ表面が滑らかで外観が良好な粘着テープ製造用布帛、及び粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘着テープ製造用布帛には古くからレーヨンスフの紡績糸が多く用いられてきたが、湿潤時に強力が低下したり、膨潤よる剥離が起こる等の欠点がある。又、紡績糸であるため、製織のみならず、ポリエチレンなどの合成樹脂フィルムを積層する工程において風面が発生したり、合成樹脂フィルムとの接着性を向上するためポリエチレンイミンなどの水溶性接着助剤を塗布した場合、乾燥不良を起こしたり、繊度斑により外観が不良となるなど、様々な欠点を有している。
【0003】
このような欠点を回避するためポリエステル繊維を用いた粘着テープ製造用布帛が多数知られている。
【0004】
例えば、実公昭61−20055号公報には、経糸、緯糸共に第3成分を共重合したポリエステルのフラットヤーンを用いた布帛が開示されているが、該布帛においては、ヤーン同士のすべりによる目ずれが発生し易いという問題があった。
【0005】
一方、特開平4−222240号公報には、金属スルフォネート基を有するイソフタル酸成分を共重合したポリエステル仮撚加工糸を経糸に配した布帛が開示されているが、該布帛は、フィルムとのラミネート工程等における熱により経糸の強力及び伸度を著しく低下させるものであるため、テープの引張強力が低くなり、重梱包には向かないという問題があった。
【0006】
また、経糸及び/又は緯糸にフラットヤーンや仮撚加工糸を用いた場合は、フィルムとのラミネート工程で圧着を受けるため糸条が扁平化し、ラミネート後に得られる布帛は薄く、腰がなく、粘着テープとして使用したときに使い難いという問題があった。
【0007】
このような糸条の扁平化の問題を解決するため、特開平3−287831号公報には、経糸及び緯糸に部分融着複合仮撚糸を配し、厚さを保持させた布帛が開示されているが、該布帛は、融着糸を使用しているため、その物性が極めて不安定であり、テープを切断した際に鉤裂きが発生し易いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、粘着テープとして優れた手切れ性能を有し、その切口がきれいでかつ鉤裂きが発生しにくい上、良好な使用感及び外観を有する粘着テープ及び該粘着テープ製造用の布帛を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、粘着テープ製造用の布帛の緯糸として、経糸よりも繊度の大きい複合仮撚糸、又は部分融着複合仮撚糸を配するとき、手切れ性能を損なうことなくテープの引張強力を高いレベルで維持でき、重梱包に適したテープが得られることを究明した。
【0010】
かくして本発明によれば、(1)経糸及び緯糸にポリエステルマルチフィラメント糸を配してなる布帛であって、該経糸がフラットヤーンであり、且つ該緯糸が経糸よりも繊度の大きい複合仮撚糸、又は部分融着複合仮撚糸であることを特徴とする手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛、及び(2)(1)の布帛に合成樹脂フィルムが積層され、該積層面とは反対の表面に粘着剤が積層されてなることを特徴とする手切れ性の良好な粘着テープが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における、粘着テープ製造用布帛は、経糸にポリエステルマルチフィラメントのフラットヤーンを使用していることに特徴がある。
【0012】
本発明者らの検討によれば、良好な手切れ性能を得るには、切断が起こる経糸の引張伸度が低いこともさることながら、合成樹脂フィルムとラミネートしたときの単繊維の拘束による、経糸端裂抵抗伸度の低下が特に重要であることがわかった。
【0013】
つまり、樹脂による単繊維の拘束は、単繊維の1本1本が樹脂で拘束された状態が最も高いのであるが、フラットヤーンを用いた場合、ラミネート時の圧着により50%以上の単繊維が樹脂により拘束されていることがわかった。
【0014】
一方、仮撚加工糸を用いた場合は、単繊維同士がお互いに交絡しているために、丸まった状態で樹脂と接触しており、特に経糸の中心部分にある単繊維は全く樹脂の拘束を受けないので、樹脂により拘束されている単繊維の数は少ない。従って、端裂抵抗伸度の低下が少なく、良好な手切れ性能を得ることは困難である。また、仮撚加工糸はその顕在捲縮により、そもそも伸度が高くなる傾向にあり、良好な手切れ性能を得ることは困難である。
【0015】
同様に、部分融着糸を用いた場合も、単繊維同士が融着されているため、経糸の中心部分にある単繊維は全く樹脂の拘束を受けず、樹脂により拘束されている単繊維の数は少ない。従って、この場合も端裂抵抗伸度の低下が少なく、良好な手切れ性能を得ることは困難である。
【0016】
即ち、本発明においては、経糸にポリエステルマルチフィラメントのフラットヤーンを用いることにより、単繊維の拘束による、経糸端裂抵抗伸度の低下を促し、手切れ性能を高めている。
【0017】
また、本発明においては、粘着テープ製造用布帛の緯糸に、経糸よりも繊度の大きい、複合仮撚マルチフィラメント又は部分融着複合仮撚マルチフィラメントを使用しており、このことも手切れ性能を高める一因となっている。
【0018】
つまり、上記の構成を採ることにより、合成樹脂フィルムとラミネートしたときの緯糸部分の厚みが経糸部分よりも厚くなるので、経糸部分に応力が集中し易くなり、鉤裂きが発生しにくくなる上、経糸端裂抵抗伸度の低下がさらに促進されるのである。
【0019】
また、粘着テープ製造用布帛の緯糸に、複合仮撚マルチフィラメント又は部分融着複合仮撚マルチフィラメントを用いた場合、これらのマルチフィラメントは、低伸度フィラメントの周りを高伸度フィラメント糸が巻きついた構造を有しているため布帛が厚く且つ腰の強いものとなり、テープの端(切口)がパッケージから取り出し易くなる上、テープを貼り付ける時の作業性が良くなるという利点もある。この利点は部分融着複合仮撚マルチフィラメントにおいて特に顕著である。
【0020】
これに対して、粘着テープ製造用布帛の緯糸に、マルチフィラメントのフラットヤーンを用いた場合は、合成樹脂フィルムとラミネートする際に経糸が平坦化されるため布帛の厚さが小さくなり、テープの端(切口)がパッケージから取り出し難くなる上、テープに腰がなく、テープを貼り付ける時の作業性が悪くなる。
【0021】
同様に、粘着テープ製造用布帛の緯糸に、通常の仮撚糸を用いた場合は、フィルムとラミネートする際に経糸が平坦化されるため布帛の厚さが小さくなり、テープに腰がなく、テープを貼り付ける時の作業性が悪くなる上、仮撚糸に不可避的に付与される空気交絡や追油の影響で、布帛の外観が劣ったり、フィルムとの接着強力が低くなるという問題も発生する。
【0022】
上記布帛の経糸に使用するポリエステルマルチフィラメントのフラットヤーンは、従来公知の方法で製造すれば良いが、後述する、布帛の経糸端裂抵抗伸度を20%以下とするためには、その伸度を20%以下、好ましくは18%以下、更に好ましくは16%以下とすれば良い。また、強度は、手切れ性能からは6cN/dtex以下、好ましくは5.3cN/dtex、更に好ましくは4.5cN/dtexが良いが、あまり強力が低すぎると、粘着テープの引張強力が不足するので、少なくとも2.5cN/dtexとすることが好ましい。
【0023】
また、上記布帛の緯糸に使用する複合仮撚マルチフィラメント、又は部分融着複合仮撚マルチフィラメントは、通常の延伸仮撚り装置を用い、例えば紡糸速度1500m/分以下の未延伸糸(UDY)と、紡糸速度2500〜3500m/分の部分配向糸(POY)とを、糸供給ローラーの前で交絡処理し、延伸仮撚りゾーンのヒータへ供給した後、仮撚りユニットで仮撚することにより得られる。
【0024】
ここで、延伸仮撚りゾーンのヒーターは、接触タイプ、非接触タイプのいずれのヒーターを用いてもかまわない。ヒーター通過後、必要に応じて冷却プレートに接触させて糸を冷却し、仮撚りユニットを通過させる。この仮撚りユニットは、3軸のフリクションディスクタイプ、またはフリクションベルトタイプのいずれも使用可能であるが、スピンドルユニットは、糸の撚り数の変動や加工張力の変動が大きい為に、適用は困難である。
【0025】
上記の工程において、ヒーター温度を通常の仮撚加工温度とした場合は、複合仮撚糸に、ヒーター温度を高温にし、糸が溶融断糸する直前の温度に設定した場合は、部分融着複合仮撚糸となる。さらに、フィルムをラミネートする際の、糸の収縮による巾縮みを防止するため、2段目のヒーターで熱処理しても構わない。
【0026】
本発明においては、上記のポリエステルマルチフィラメントのフラットヤーンを経糸に、複合仮撚マルチフィラメント、又は部分融着複合仮撚マルチフィラメントを緯糸に配して常法により製織を行なう。この際使用する織機は、ウォータージェットルームを採用することが好ましい。その理由は、樹脂フィルムとのラミネートを行うときに原糸油剤の残留量が多いと、ラミネート強力低下を起こす可能性があるが、ウォータージェットルームで製織を行なえば油剤の残留量が可及的に減少できるからである。
【0027】
勿論、レピア織機やエアージェットルーム織機を使用しても構わないが、ラミネート前に充分な精錬を行なっておくことが好ましい。
【0028】
かくして得られた粘着テープ製造用布帛は、その経糸端裂抵抗伸度が20%以下であることが必要である。該伸度が20%を越える場合は、テープ自体の経糸端裂抵抗伸度が高くなり、良好な手切れ性能を得ることは出来ない。
【0029】
該伸度は低伸度であるほど、良好な手切れ性能を有することになるが、あまり伸度を小さくしようとすると、原糸であるポリエステルマルチフィラメント糸を安定して生産できなくなることがある。該伸度の好ましい範囲は10〜18%である。
【0030】
また、上記粘着テープ製造用布帛の経糸端裂抵抗伸度は、緯糸端裂抵抗伸度よりも小さいことが重要である。この理由は、粘着テープの鉤裂きを避けるために、経糸は緯糸よりも、先に切断されることが必要であるからである。ここで、鉤裂きとは、テープの端を指で抑えつつ緯方向に引張ってテープを切断する際、テープに斜めに力がかかり、本来切断されるべき経糸が切断されずに緯糸が切断され、テープが縦に裂けてしまう現象を言う。
【0031】
さらに次に、上記布帛の引張強力(幅2.5cm)は10kg以上であることが好ましい。該強力が10kg未満の場合は、テープにしたとき、強力が不足して重梱包に用いることができないことがある。
【0032】
上記布帛を用いて粘着テープを製造する場合は、溶融ラミネート法等の方法により布帛に合成樹脂フィルムを積層し、該積層面とは反対の表面に、塗布や転写等の方法により粘着剤を積層すればよい。
【0033】
合成樹脂フィルムを構成する樹脂には、LDPE、LLDPE、HDPE、PP等のポリオレフィンやEVAの単独重合体が好ましい例として挙げられ、更に必要により、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体等のエラストマーをこれらにブレンドしたものを用いてもよい。
【0034】
布帛と合成樹脂フィルムとを積層する際は、必要により接着剤を介して、押し出しラミネート機による溶融ラミネート法が好ましく採用され、この場合、通常、布帛と合成樹脂フィルムとの層間強度は4.0N/50mm以上とされる。
【0035】
層間強度が4.0N/50mm未満の場合は、合成樹脂フィルムが剥がれ易くなる。すなわち、捲重体として製品化された本発明の粘着テープを用いる際、巻き戻し展開時に合成樹脂フィルムが粘着剤面側に取られて布帛と脱離するといった欠点が生じ易い。
【0036】
より好ましい層間強度は6.0N/50mm以上である。
【0037】
上記粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤が用いられる。
【0038】
ゴム系粘着剤は、例えば、ブチルゴムなどの天然ゴムやSIS、SBR、SBS、IRなどの合成ゴムや再生ゴムなどのエラストマーに、ロジン又はその変性体、ロジンエステル、テルペン、テルペンフェノール、芳香族炭化水素、変性テルペンといった天然物オリゴマー、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂といった合成樹脂、石油系軟化剤、液状ゴム、植物油、二塩基酸エステル系可塑剤、充填剤、老化防止剤等を適宜ブレンドして用いられる。
【0039】
アクリル系粘着剤としては、例えば、各種の(メタ)アクリル酸エステルに酢酸ビニル、アクリロニトリル、MMAなどのモノマー、(メタ)アクリル酸やヒドロキシアクリレートといった官能基含有モノマーを共重合してなるアクリル系共重合体が用いられる。
【0040】
これら粘着剤は、熱溶融後に、又は溶剤に溶解した後に、直接合成樹脂フィルムに塗布、積層してもよく、また、転写方式によって合成樹脂フィルムに積層してもよい。
【0041】
本発明においては、通常、上記層間強度が上記合成樹脂フィルムと粘着剤層との接着強度より高くなる様に、粘着剤層の粘着力等が適宜設定される。
【0042】
場合によっては合成樹脂フィルム面の上に離型剤を塗布し、巻き戻しの際の展開を軽くしても良い。
【0043】
また、粘着剤の厚みは特に限定されるものではないが、重梱包にも耐え得る様に高糊厚、例えば50〜100μm、であることが望ましい。
【0044】
かくして得られた粘着テープの経糸端裂抵抗強力は15kg/2.5cm以下、経糸端裂抵抗伸度は18%以下であることが必要である。前述の布帛にフィルムを積層することにより、単繊維の拘束による、経糸端裂抵抗伸度の低下が起こるため、経糸端裂抵抗伸度の好ましい値は15%以下であり、更に好ましくは12%以下である。
【0045】
また、上記粘着テープの経糸端裂抵抗伸度は、テープの鉤裂きを避けるために、緯糸端裂抵抗伸度よりも小さいことが重要である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。尚、実施例中の各物性は次の方法により測定した。
【0047】
(1)厚さ
布帛に1600g/m2の荷重を掛けた際の厚さを測定した。
【0048】
(2)端裂抵抗強力及び伸度
JIS−C 2318法に準じて測定した。
【0049】
(3)引張強力
JIS−L−1096に準じ、試料長:200mm、試料幅:25mm、引張速度:200mm/分にて測定した。
【0050】
(4)手切れ性
粘着テープの端を指で抑えつつ緯方向に引張って切断する際、容易に切断が可能な場合は○、切断し始める時に粘るような感覚があるが、切断可能である場合は△、切断が困難な場合は×とした。
【0051】
(5)鉤裂き
手切れ性の評価において鉤裂きが発生しなかった場合は○、鉤裂きが発生した場合は×とした。
【0052】
(6)目ずれ
製織後、織物の目ずれが発生しなかった場合は○、目ずれが発生した場合は×とした。
【0053】
(7)層間強度
50mm幅、長さ300mmのPEフィルムラミネート布帛の試験片を用意し、端部40mm程度を水に浸漬し、PEフィルム端部を剥がして、そのまま放置乾燥した。
【0054】
次いで、ショッパーの下部に剥がした布帛、上部にPEフィルム部分をセットし、引っ張り速度300mm/分にて試験片をT字型に剥離し、そのときに示された平均加重を粘着テープの層間強度とした。
【0055】
(8)層間剥離性
130mm幅の製品化したテープを手で巻き戻し展開し、このときに粘着剤面にPEフィルムが取られて布帛の一部又は全部が剥き出しになった(PEフィルムが引き剥がされた)場合を×、布帛が剥き出しにならなかった(PEフィルムが引き剥がされなかった)場合を○、と表示した。
【0056】
[実施例1〜2、比較例1〜5]
表1に示す糸を用い、ウォータージェットルーム織機を使用して、経糸密度50本/インチ、緯糸密度26本/インチの平組織に製織し織物を得た。後述の接着助剤を塗布する前に、コロナ放電処理機にてコロナ処理を行った。
【0057】
尚、比較例5においては、エアージェットルーム織機を使用して製織を行い、また、コロナ処理を実施しなかった。
【0058】
得られた織物にポリエチレンイミン系の接着助剤を塗布し、乾燥、熱セットを行った後、Tダイより押し出した厚さ65μmのフィルム状低密度ポリエチレンをラミネートし、プレスしつつ冷却した。
【0059】
次いで、上記ラミネート織物のLDPEフィルム積層面とは反対の表面に、カレンダー塗工機にて、厚みが80μmとなるようゴム系粘着剤を塗布し、25m巻きの捲重体とした後、50mm幅に切断して粘着テープの製品を得た。
【0060】
尚、ゴム系粘着剤は、再生ゴム100重量部、天然ゴム10重量部、石油樹脂30重量部、ロジンエステル20重量部、ナフテン系プロセスオイル10重量部、炭酸カルシウム50重量部及び酸化防止剤1重量部を添加し分散配合して得たものであり、この粘着剤の粘着力は8.5N/25mm幅であった。
【0061】
得られた織物、PEフィルムラミネート織物及びこれらより得られた粘着テープの物性を表2に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003840609
【0063】
【表2】
Figure 0003840609
【0064】
表2に示す通り、本発明の範囲にあるものは、良好な手切れ性を有し、かつ目ずれの発生もなく、厚みが有り使用感の良い物であった。
【0065】
一方、緯糸にマルチフィラメント糸や、マルチフィラメントウーリー加工糸を用いた場合は、布帛(織物)、PEフィルムラミネート布帛(織物)の厚みがなく、テープとしたときの厚みがないためテープを取り出すときに引き出しにくく、また、テープの腰がなく使用しにくいものであった。
【0066】
さらに、レーヨンの紡績糸を用いた比較例は、フィルムラミネート工程での風面の発生が多く作業環境が好ましくなかった。また、当然のことながら湿潤時の膨潤により剥離が起こる等の欠点がある。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、均一で且つ厚みがあり、目ずれのない粘着テープ製造用布帛を提供することが出来るので、厚みがあって使用感の良い、更に均一で品位の良い粘着テープを提供することができる。また、本発明によれば、経糸方向と緯糸方向の端裂抵抗伸度差が有る為に、鉤裂きの発生しにくい粘着テープを得る事が出来る。

Claims (5)

  1. 経糸及び緯糸にポリエステルマルチフィラメント糸を配してなる布帛であって、該経糸がフラットヤーンであり、且つ該緯糸が経糸よりも繊度の大きい複合仮撚糸、又は部分融着複合仮撚糸であることを特徴とする手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛。
  2. JIS−C 2318法により測定した布帛の経糸端裂抵抗伸度B(%)及び緯糸端裂抵抗伸度D(%)が下記(1)及び(2)式を同時に満足する請求項1記載の手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛。
    (1)B≦20
    (2)B<D
  3. 請求項1又は2記載の布帛に合成樹脂フィルムが積層され、該積層面とは反対の表面に粘着剤が積層されてなることを特徴とする手切れ性の良好な粘着テープ。
  4. JIS−C 2318法により測定した粘着テープの経糸端裂抵抗強力A(kg/2.5cm)、経糸の端裂抵抗伸度B(%)及び緯糸端裂抵抗伸度D(%)が下記(3)〜(5)式を同時に満足する請求項3記載の手切れ性の良好な粘着テープ。
    (3)A≦15
    (4)B≦18
    (5)B<D
  5. 布帛と合成樹脂フィルムとの層間強度が4.0N/50mm以上である請求項3又は4記載の手切れ性の良好な粘着テープ。
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