JP3839990B2 - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートの幅方向の位置補正を行うシート搬送装置に関するものであり、たとえばプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシートの幅方向の位置補正(以下、横レジ補正という)を行うシート搬送装置を適用した画像形成装置として両面画像形成装置がある。図6に両面画像形成装置としてのレーザビームプリンタ201を示し、これについて説明する。レーザビームプリンタ201は、シートの片面だけでなく、両面に画像形成を行うものである。そして、画像形成を行う画像形成部202と、シートの再給紙を行うシート再給紙搬送部203と、から構成される。
【0003】
画像形成部202は、シートを積載するカセット204と、給送ローラ206を有する給送ユニット205と、感光ドラム208を有するプロセスカートリッジ207と、転写ローラ209と、定着ユニット210と、レーザスキャナユニット212と、シート排出積載台216を有するシート排出部213と、コントローラボード211と、を備えている。
【0004】
コントローラボード211がプリント信号を受け取ると、カセット204に積載されたシートは給送ローラ206によって1枚ずつ分離給送され、感光ドラム208と転写ローラ209との間のニップ、定着ユニット210の順に搬送され、シート上に画像が形成される。この画像形成は、トナー像をシートに転写・定着させる方式である。
【0005】
コントローラボード211が片面画像形成の信号を受け取った場合には、フラッパ239が図6の破線位置に移動し、シートはそのままシート排出部213に送られて、シート排出積載台216上に排出される。コントローラボード211が両面画像形成の信号を受け取った場合には、フラッパ239が図6の実線位置に移動し、シートは引き続きシート再給紙搬送部203に送られる。
【0006】
シート再給紙搬送部203は、カール取りローラ対234と搬送ローラ対235を有する搬送パス237と、スイッチバックローラ対236を有するスイッチバック部238と、斜送コロ226を有する横レジ補正部223と、再給紙ローラ対222と、を備えている。
【0007】
両面画像形成信号を受けた後、フラッパ239によってシート再給紙搬送部203に搬送されたシートは、搬送パス237からスイッチバック部238へと送られる。ここで、スイッチバックローラ236が逆回転し、シートは先後端が逆転した状態で横レジ補正部223へと搬送される。
【0008】
横レジ補正部223は、図7に示されるように、基準面を有する基準板224と、基準板224側の端部に配置される、中心軸が基準板224に対してほぼ垂直な複数のローラ225と、複数のローラ225のそれぞれに対向してローラ軸線に対し中心軸が数度傾いた複数の斜送コロ226と、を備える構成である。
【0009】
シートは、画像形成部202を通過する内に、斜行してしまった状態やシート幅方向がずれてしまった状態でシート再給紙搬送部203に入っていく場合がある。横レジ補正部223は、シートの姿勢を2面目の画像形成をする前にもう一度正しい位置にシート幅方向位置を補正する目的を備えられている。このような補正を横レジ補正と呼ぶ。
【0010】
図7を用いてシートの補正方法について以下に説明する。横レジ補正部223に到達したシートは、傾いた斜送コロ226によって斜送力が働くため、搬送されながら基準板224側に近づいていき、基準板224に到達して突き当たる。そして、シート端部が基準板224に沿って搬送され、シートは斜行やずれの無い正しい位置に補正される。
【0011】
以上のように横レジ補正がなされたシートは、再給紙ローラ222によって再び画像形成部202に送り込まれ、2面目の画像形成が行われる。2面目の画像形成後のシートは、シート排出部213に送られてシート排出台216に積載される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0013】
近年、レーザプリンタは、小型化が要求されており、シート搬送路も短くなる傾向にある。そのため、横レジ補正も短い搬送路内で効率よく行わなければならない。
【0014】
即ち、従来技術のレーザビームプリンタにおいて、横レジ補正はシート先端が横レジ補正ローラ及び斜送コロ対に挟持された直後から開始される。しかしながら、この時はシート後端が上流側の搬送ローラに挟持されているので、斜送コロの斜送力が働いても斜送されない。実際に、シートが斜送して基準板に近づき始めるのは、シート後端が上流側の搬送ローラを抜けて、横レジ補正ローラ及び斜送コロ対のみにニップされた時である。
【0015】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シート後端が搬送ローラ対に挟持されていても、効率よく横レジ補正が行えるシート搬送装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のシート搬送装置にあっては、
搬送するシートの幅方向位置を補正する横レジ補正手段を備えたシート搬送装置において、前記横レジ補正手段の手前でシートを挟持搬送する挟持搬送手段と、シートの外側に配置され、前記挟持搬送手段から前記横レジ補正手段へ、シートをガイド面に沿って湾曲させてガイドする湾曲ガイド手段と、該湾曲ガイド手段とのガイド間隔を大きく空けて対向して内側に配置される補助ガイド手段と、を備え、前記横レジ補正手段が、横レジ補正ローラと、前記横レジ補正ローラに圧接する横レジ補正コロと、再搬送されるシート側端部の基準となる基準面を有する基準板とを有し、前記横レジ補正ローラと前記横レジ補正コロとにより、シートを、前記基準板に突き当てながら側端を前記基準板に沿って搬送させることにより横レジ補正を行い、かつ前記横レジ補正手段によるシートの搬送速度が、前記横レジ補正手段より上流側のローラによるシートの搬送速度よりも遅くなるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
前記湾曲ガイド手段のシート搬送方向変更前の部位を、前記補助ガイド手段と反対方向に張り出したことが好ましい。
【0018】
前記湾曲ガイド手段は、シート搬送方向を下方向から横方向へ変更する湾曲形状であって、前記湾曲ガイド手段のシートを下方向へガイドする部位を、変更後のシート搬送方向と反対方向に張り出したことが好ましい。
【0019】
前記補助ガイド手段も、変更後のシート搬送方向と反対方向に張り出したことが好ましい。
【0020】
前記湾曲ガイド手段のシート搬送方向変更後の部位を、前記補助ガイド手段と反対方向に張り出したことが好ましい。
【0021】
前記湾曲ガイド手段は、シート搬送方向を下方向から横方向へ変更する湾曲形状であって、前記湾曲ガイド手段のシートを横方向へガイドする部位を、下方向に張り出したことが好ましい。
【0022】
前記補助ガイド手段も、下方向に張り出したことが好ましい。
【0023】
前記挟持搬送手段は、2つの回転体で構成され、該2つの回転体のニップ線に対して前記横レジ補正手段と反対側に、前記湾曲ガイド手段が張り出したことが好ましい。
【0024】
前記横レジ補正手段は、横レジ補正ローラと、該横レジ補正ローラに圧接する横レジ補正コロと、で構成され、前記横レジ補正ローラ及び前記横レジ補正コロのどちらか少なくとも一方が基準面に向けてシートを斜送させて、シート側端部を基準面に一致させることが好ましい。
【0025】
前記横レジ補正手段のシート搬送速度は、前記挟持搬送手段のシート搬送速度よりも遅いことが好ましい。
【0026】
前記湾曲ガイドと前記補助ガイド手段とのガイド間隔は、3mm以上大きく空けたことが好ましい。
【0027】
本発明の画像形成装置にあっては、上記のシート搬送装置と、シートに画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
シートの両面に画像形成を行う画像形成装置であって、前記シート搬送装置を、1面目に画像形成したシートを再度前記画像形成部へ搬送する再給紙搬送部に備えたことを特徴とする。
【0029】
したがって、ガイド間隔が大きく空いているため、その間隔分だけ湾曲ガイド手段に沿ってガイドされるシートは、横レジ補正によって生じるねじれなどの変形が可能となり、シート後端が挟持搬送手段に挟持されているにもかかわらず、横レジ補正手段によってシートの横レジ補正を効率よく行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1〜図2を参照して、第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る両面画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタを示す。レーザビームプリンタ1は、シートの片面だけでなく、両面に画像形成するものであり、画像形成を行う画像形成部2と、横レジ補正を行うシート搬送装置の一例である、シートの反転を行うシート再給紙搬送部3を備えている。
【0032】
図1において、カセット4には、複数枚のシートが積載される。給送ユニット5は、給紙ローラ6等でカセット4上のシートを1枚ずつ分離給送する。
【0033】
プロセスカートリッジ7は、感光ドラム8と、これに作用するプロセス手段(帯電手段、現像手段、クリーニング手段等)と、を一体に備える。またプロセスカートリッジ7は、プリンタ本体に対して着脱可能となっている。
【0034】
コントローラボード11は、レーザビームプリンタ1本体の制御を行うものであり、接続される不図示のコンピュータの画像信号を画像形成処理する機能も有している。レーザスキャナユニット12は、コントローラボード11によって作成された画像信号に応じたレーザ光を照射する。このレーザ光は、プロセスカートリッジ7に導かれ、回転する感光ドラム8上に潜像を形成して行く。
【0035】
感光ドラム8上の潜像は、プロセスカートリッジ7の現像手段によってトナー像に現像され、さらに感光ドラム8は、トナー像を担持して回転する。転写ローラ9は、対向する感光ドラム8との間を通過するシートに、感光ドラム8上に形成されたトナー像を転写する。トナー像が転写されたシートは、定着ユニット10でトナー像を半永久的に定着させる。
【0036】
定着後ローラ17は、第1コロ18と圧接してニップを形成し、定着ユニット10から出てきたシートを排出ガイド20、図1の実線位置のフラッパ39に沿って搬送する。また第2コロ19も定着後ローラ17方向に付勢されている。フラッパ39は、図1に示すように、実線と2点鎖線の位置に切り替え可能である。
【0037】
定着後ローラ17と第1コロ18とによって搬送されるシートは、シート排出部13に到達する。この時、フラッパ39の位置は、図1の実線の位置である。シート排出部13は、互いに対向する排出ローラ14と排出コロ15とを有して排出手段を構成している。この排出ローラ14は、他のローラと独立しており、不図示のモータによって逆回転可能に駆動される。また排出積載台16は、排出ローラ14と排出コロ15によって排出されたシートを受け止め、積載する。
【0038】
コントローラボード11が片面画像形成の信号を受けていた場合には、シートは排出ローラ14及び排出コロ15によって挟持搬送されて排出積載台16に排出される。
【0039】
コントローラボード11が両面画像形成の信号を受けていた場合には、シート後端がフラッパ39先端を抜けた後に、フラッパ39が図1の2点鎖線の位置に移動し、排出ローラ14は逆回転する。そして、シートは引き続きシート再給紙搬送部3に送られる。
【0040】
このシートは、先後端が逆転した状態で定着後ローラ17と第2コロ19によって挟持搬送され、搬送路21を介して横レジ補正部23へ搬送される。横レジ補正部23で横レジ補正されたシートは、再給紙ローラ22によって再び画像形成部2に送り込まれ、シートの幅方向位置を補正し、画像形成の書き出し位置を横レジ補正に基いて調整した2面目の画像形成を行い、シート排出部13にて排出積載台16に排出される。
【0041】
ここで、シート再給紙搬送部3について詳しく説明する。シート再給紙搬送部3は、シート搬送方向上流側から、定着後ローラ17及び第2コロ19と、搬送路21と、横レジ補正部23と、再給紙ローラ22及びコロ30と、を備えた構成である。
【0042】
定着後ローラ17と第2コロ19とによって作られるニップには、上述のように1面目画像形成済みの反転後のシートが送り込まれて挟持搬送される。定着後ローラ17と第2コロ19のニップ線(共通の接線)Lは、約5°装置後(図1中左)側に傾いている。ここで、定着後ローラ17は、搬送中のシートの平面回転運動を抑えるためにシート幅方向に複数並んで配設されている。
【0043】
搬送路21の外側ガイド(湾曲ガイド手段)を21a、内側ガイド(補助ガイド手段)を21bとする。搬送路21は、シート搬送方向を下方向から装置前(図1中右)方向に変更するように湾曲している。
【0044】
この搬送路21の外側ガイド21aは、定着後ローラ17及び第2コロ19の下流側で、ニップ線Lよりも装置後方向に張り出して膨らんでいる。外側ガイド21aの装置後方向に張り出している部分に、隙間(21aと21bのガイド間隔)が、本実施の形態では3mm以上大きく空けられている。
【0045】
横レジ補正部23は、再搬送されるシート側端部の基準となる基準面を有する基準板24と、2対の横レジ補正ローラ25及び横レジ補正コロとしての斜送コロ26対と、搬送したガイド27と、から構成される。横レジ補正ローラ25と斜送コロ26対は、必ず少なくとも1対設けられる。この横レジ補正部23の構成は、従来技術と同様である。
【0046】
本実施の形態では、斜送コロ26のシートを進行させる方向が基準板24を向く方向になるように中心軸が傾いている。なお、横レジ補正ローラ25がシートを斜送させる構成や、横レジ補正ローラ25と斜送コロ26の両方がシートを斜送させる構成であっても良い。
【0047】
横レジ補正ローラ25によるシート搬送速度は、定着後ローラ17・第2コロ19対によるシート搬送速度よりも遅く設定されている。
【0048】
搬送下ガイド27は、横レジ補正部23のシート下面側をガイドするものであり、搬送されるシートに電荷がたまって搬送や画像形成の不具合が生じないように、接地された金属で形成される。
【0049】
横レジ補正部23の下流側には、再給紙ローラ22と、再給紙ローラ22に対向するコロ30と、がニップを形成している。再給紙ローラ22は、横レジ補正されたシートが再び斜行しないようにシート幅方向に複数配設され、シートの平面回転運動を防止する。
【0050】
次に、本実施の形態の特徴部分である搬送路21と横レジ補正部23の動作について説明する。
【0051】
横レジ補正部23における横レジ補正方法は、斜送コロ26による斜送力を利用している。従来技術で図7を用いて説明したように、斜送力によってシートを基準板24に近づけ、沿わせることによってシートの幅方向位置を補正する。
【0052】
この横レジ補正は、シート先端が横レジ補正ローラ25及び斜送コロ26のニップに搬送された直後から開始される。
【0053】
しかしながら、従来技術のプリンタなどでは、シート後端が上流側の搬送ローラに挟持されているときには、シートはシートの腰などによる抵抗を受けてしまう。このため、実際に斜送力によってシートが効率よく基準面に近づき始めるのは、シート後端が上流側の搬送ローラを抜けて、横レジ補正ローラ25及び斜送ローラ26だけでシートが搬送されるときであった。
【0054】
本実施の形態では、搬送路21が定着後ローラ17よりも装置後方向に張り出しているので、図2(a)に示すように、搬送路21を通過中のシートは外側ガイド21aに沿って装置後方向に突出して湾曲している。このような形状をしたシートは、搬送路21の間隔が大きく設けてあるため、後端が挟持されていても水平面上の力によってシートの腰に関係なく、容易にねじることができる。
【0055】
図2(b)に示すように、斜送コロ26で斜送力を働かせると、シートは容易に進行方向を変え、基準板24に近づく。図2(b)の破線は、斜送力が働かないときのシートの位置である。このねじれ効果は、搬送路21がニップ線Lよりも装置後方向に張り出しているとさらに大きな効果を得ることができる。
【0056】
また、横レジ補正ローラ25のシート搬送速度は、定着後ローラ17・第2コロ19対のシート搬送速度よりも遅いので、斜送ローラ26側のシート側端部は常にシート後方が外側ガイド21aに押付けられる。
【0057】
もう一方のシート側端部は内側ガイド21bまで移動可能なので、外側ガイド21aと内側ガイド21bの隙間を大きく設ければ、より大きくねじることができる。本実施の形態では、この隙間は3mmで十分である。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によって、シート後端が定着後ローラ17・第2コロ19対などの挟持搬送手段に挟持されているにもかかわらず、横レジ補正部23の横レジ補正ローラ25及び斜送コロ26によってシートの横レジ補正を効率よく行うことができる。したがって、搬送路21を短く設けて、装置の小型化を図ることができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
図3、図4には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態では、第1の実施の形態と搬送路21の外側ガイド21aの張り出し方向を変更した。
【0060】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0061】
図3に示すように、搬送路21の外側ガイド21aは、横レジ補正ローラ25と斜送コロ26のニップ線Lに対して下方に張り出している。この搬送路21に搬送されるシートは、図4(a)に示すように、外側ガイド21aに沿って下方に湾曲している。このような形状をしたシートは、後端を挟持されていても水平面上の力によってシートの腰に関係なく容易にねじることができる。
【0062】
図4(b)に示すように、斜送コロ26で、斜送力を働かせると、シートは容易に進行方向を変更し、基準板24に近づいて行く。図4(b)の破線は、斜送力が働かないときのシートの位置である。
【0063】
また、第1の実施の形態と同様に、横レジ補正ローラ25のシート搬送速度は、定着後ローラ17・第2コロ19対のシート搬送速度より遅いので、シート後方の斜送ローラ26側のシート側端部は常に外側ガイド21aに押付けられる。
【0064】
このようにしても第1の実施の形態と同様に、シート後端が定着後ローラ17・第2コロ19対などの挟持搬送手段に挟持されているにもかかわらず、横レジ補正部23の横レジ補正ローラ25及び斜送コロ26によってシートの横レジ補正を効率よく行うことができる。したがって、搬送路21を短く設けて、装置の小型化を図ることができる。
【0065】
(第3の実施の形態)
図5には、第3の実施の形態が示されている。本実施の形態では、第1の実施の形態と再給紙を行う構成を変更した。
【0066】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0067】
第3の実施の形態におけるレーザビームプリンタ1は画像形成部2と再給紙搬送部103とを備える。ここでは、再給紙搬送部103について詳しく説明する。再給紙搬送部103は、搬送路137と、反転ローラ115及び反転コロ114を有する反転搬送路138と、搬送路121と、横レジ補正部23と、を備える構成である。
【0068】
定着後ローラ17は、定着ユニット10の下流に配置され、定着ユニット10から送り出されたシートを挟持搬送する。フラッパ39は、片面画像形成のときは、図5の2点鎖線の位置に配置される。またフラッパ39は、両面画像形成のときは、図5の実線の位置に配置されて、シート先端を搬送路137に案内する。
【0069】
搬送路137は、画像形成部2で画像形成されたシートを受けとり、反転ローラ115及び反転コロ114のニップで挟持搬送して、シート先端を反転搬送路138に導く。この反転ローラ115は、正逆回転可能に設けられている。反転搬送路138は、反転するシートを一時格納する搬送路で、横レジ補正部123の下方に配置される。
【0070】
先端が反転搬送路138に導かれたシートは、後端が搬送路137の先端137aを抜けた後に逆回転し、シートは搬送路121を通って横レジ補正部23に導かれる。
【0071】
搬送路121は、外側ガイド121aと内側ガイド121bとで設けられ、反転したシートを基準板24までガイドする。また搬送路121は、反転ローラ115及び反転コロ114のニップ線Lよりも上方で張り出して膨らんだ形状をしている。
【0072】
横レジ補正部23は、反転ローラ115及び反転コロ114のニップ線Lよりも下方に設けられ、再搬送されるシート側端部の基準となる基準板24と、2対の横レジ補正ローラ25及び斜送コロ26と、で構成される。
【0073】
斜送コロ26は、シート進行方向を基準板24に向かわせるために、中心軸が傾いている。また、横レジ補正ローラ25のシート搬送速度は、反転ローラ115のシート搬送速度よりも遅く設定される。なお、横レジ補正については詳しく後述する。
【0074】
そして、横レジ補正されたシートは、再度、搬送ローラなどによって再び画像形成部2に送り込まれ、画像形成の書き出し位置をシートの横レジ補正に基いて調整した2面目の画像形成を行い、シート排出部13に送られて排出積載台16に積載される。
【0075】
横レジ補正方補については、第1及び第2の実施の形態と同じように、斜送コロ26の斜送力によって基準板24に突き当てる方法である。
【0076】
搬送路121がニップ線Lより上方に張り出しているので、搬送路121を通過中のシートは外側ガイド121aに沿って上方に湾曲している。このような形状をしたシートは、搬送路121の間隔が大きく設けてあるため、反転ローラ115によって後端を挟持されていても水平面上の力によってシートの腰に関係なく、容易にねじることができる。これにより、斜送力によってシートは容易に方向を変え、基準板24に近づいて行く。
【0077】
また、横レジ補正ローラ25のシート搬送速度は、反転ローラ115のシート搬送速度よりも遅いので、斜送ローラ26側のシート側端部は常にシート後方が外側ガイド121aに押付けられる。
【0078】
もう一方のシート側端部は内側ガイド121bまで移動可能なので、外側ガイド121aと内側ガイド121bの隙間を大きく設ければ、より大きくねじることができる。本実施の形態では、この隙間は3mmで十分である。
【0079】
このようにしても第1の実施の形態と同様に、シート後端が反転ローラ115及・反転コロ114対などの挟持搬送手段に挟持されているにもかかわらず、横レジ補正部23の横レジ補正ローラ25及び斜送コロ26によってシートの横レジ補正を効率よく行うことができる。したがって、搬送路121を短く設けて、装置の小型化を図ることができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ガイド間隔が大きく空いているため、その間隔分だけ湾曲ガイド手段に沿ってガイドされるシートはねじれなどの変形が可能となり、シート後端が挟持搬送手段に挟持されているにもかかわらず、横レジ補正手段によってシートの横レジ補正を効率よく行うことができるので、シートを横レジ補正手段単独で保持させるような長い搬送路を設ける必要がなくなり、ガイド距離を短く設けて、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態での横レジ補正時のシートの動作を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図4】第2の実施の形態での横レジ補正時のシートの動作を説明する図である。
【図5】第3の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図6】従来技術の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図7】横レジ補正を説明する図である。
【符号の説明】
17 定着後ローラ
21,121 搬送路
21a,121a 外側ガイド
21b,121b 内側ガイド
23 横レジ補正部
24 基準板
25 横レジ補正ローラ
26 斜送コロ
114 反転コロ
115 反転ローラ
Claims (13)
- 搬送するシートの幅方向位置を補正する横レジ補正手段を備えたシート搬送装置において、
前記横レジ補正手段の手前でシートを挟持搬送する挟持搬送手段と、
シートの外側に配置され、前記挟持搬送手段から前記横レジ補正手段へ、シートをガイド面に沿って湾曲させてガイドする湾曲ガイド手段と、
該湾曲ガイド手段とのガイド間隔を大きく空けて対向して内側に配置される補助ガイド手段と、を備え、
前記横レジ補正手段が、横レジ補正ローラと、前記横レジ補正ローラに圧接する横レジ補正コロと、再搬送されるシート側端部の基準となる基準面を有する基準板とを有し、
前記横レジ補正ローラと前記横レジ補正コロとにより、シートを、前記基準板に突き当てながら側端を前記基準板に沿って搬送させることにより横レジ補正を行い、かつ前記横レジ補正手段によるシートの搬送速度が、前記横レジ補正手段より上流側のローラによるシートの搬送速度よりも遅くなるように構成されている
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記湾曲ガイド手段のシート搬送方向変更前の部位を、前記補助ガイド手段と反対方向に張り出したことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
- 前記湾曲ガイド手段は、シート搬送方向を下方向から横方向へ変更する湾曲形状であって、前記湾曲ガイド手段のシートを下方向へガイドする部位を、変更後のシート搬送方向と反対方向に張り出したことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
- 前記補助ガイド手段も、変更後のシート搬送方向と反対方向に張り出したことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
- 前記湾曲ガイド手段のシート搬送方向変更後の部位を、前記補助ガイド手段と反対方向に張り出したことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
- 前記湾曲ガイド手段は、シート搬送方向を下方向から横方向へ変更する湾曲形状であっ
て、前記湾曲ガイド手段のシートを横方向へガイドする部位を、下方向に張り出したことを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。 - 前記補助ガイド手段も、下方向に張り出したことを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
- 前記挟持搬送手段は、2つの回転体で構成され、該2つの回転体のニップ線に対して前記横レジ補正手段と反対側に、前記湾曲ガイド手段が張り出したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
- 前記横レジ補正ローラ及び前記横レジ補正コロのどちらか少なくとも一方が基準面に向けてシートを斜送させて、シート側端部を基準面に一致させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
- 前記横レジ補正手段のシート搬送速度は、前記挟持搬送手段のシート搬送速度よりも遅いことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
- 前記湾曲ガイドと前記補助ガイド手段とのガイド間隔は、3mm以上大きく空けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
- 請求項1乃至11のいずれか一つに記載のシート搬送装置と、シートに画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- シートの両面に画像形成を行う画像形成装置であって、前記シート搬送装置を、1面目に画像形成したシートを再度前記画像形成部へ搬送する再給紙搬送部に備えたことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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