JP3839449B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可動部側に固定部から電源供給、あるいは信号伝達のための配線コード類を必要としない位置検出装置(以下コードレス位置検出装置と称す)に関するものである。
回転位置検出装置には、光透過式エンコーダ、光反射式エンコーダ、回転トランス型レゾルバ、バリアブルリラクタンス型レゾルバ、歯車の凹凸を磁気抵抗素子を用いて回転位置検出を行うギア検出器等、コードレス回転位置検出装置が実用化されているが、塵埃に弱い、分解能が低い、高価である等、それぞれに問題がある。
直線位置検出装置には、例えば特許第2513683号に記載されているように、座標入力装置の一部に電磁誘導式のコードレス位置検出装置が使用されているが、リアルタイムに位置検出ができないなど、機械の位置決め装置等には不向きである。
コードレス位置検出装置としては、例えば特開2000−314604号公報に記載されているように、バリアブルリラクタンス直線型レゾルバが提案されているが、固定部側に検出長分の多数の鉄心磁極と巻線を必要とするので、高価である。
回転位置検出を行うタイプのものとしては、例えば特開2001−314069号公報に記載されているような、基板型レゾルバが知られている。この文献に記載されているレゾルバは、ステータsin巻線パターン(20)とステータcos巻線パターン(21)が形成されたステータ基板(1)と、前記ステータ基板(1)に対向し前記ステータ基板(1)とは間隔を設けて回転自在に配設したロータ基板(5)と、前記ロータ基板(5)に設けられたロータ巻線パターン(30)とからなる基板形レゾルバにおいて、前記ステータ基板(1)には、前記ステータsin巻線パターン(20)及びステータcos巻線パターン(21)の外周位置に輪状に形成された励磁巻線パターン(4)が配設されている構成よりなることを特徴とする基板形レゾルバである。また、前記ロータ巻線パターン(30)は、その両端がコンデンサ(C)で接続または直接短絡されていると共に、前記ロータ巻線パターン(30)から発生する起磁力がほぼsin波状となるように形成されている。
しかし、この文献に記載されているステータ基板の励磁巻線パターン(4)は、sin巻線パターン(20)及びステータcos巻線パターン(21)の外周位置に輪状に形成されているため、励磁磁界強度が低く、出力電圧が低いことから検出精度を向上させることも困難である。また、励磁巻線パターンには励磁巻線パターンに鎖交する外来コモンノイズを相殺する機能が備わってないので、ノイズの影響を受けやすいといった問題がある。
さらに、特開平8−313295号公報には、直線方向の位置検出装置として、トランスミッタ巻線102と、ループ106,108からなるレシーバー巻線104とを有するトランスデューサーの読み出しヘッド100が記載されている。しかし、この文献に記載されているトランスデューサーの動作原理によれば、励磁用のトランスミッタ巻線が、検出用のレシーバー巻線の外周にループ状に形成されているので、この構成では励磁用の磁束密度が不十分であり、レシーバー巻線との磁気結合も不十分である。また、上記同様このトランスミッタ巻線102にはトランスミッタ巻線に鎖交する外来コモンノイズを相殺する機能が備わってないので、ノイズの影響を受けやすいといった問題がある。
特許第2513683号公報 特開2000−314604号公報 特開2001−314069号公報 特開平8−313295号公報
本発明の目的は、可動部側に固定部から電源供給、あるいは信号伝達のための配線コード類を必要としない位置検出装置(以下コードレス位置検出装置と称す)であって、検出応答速度が速く、小型、薄型化が可能であり、安価で、高精度の直線位置検出、回転位置検出に有用な電磁誘導式のコードレス位置検出装置を提供することである。
(1)第1の平面に、一定方向に少なくとも1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された励磁コイルと、
第2の平面に、前記励磁コイルとは半ピッチずれた位置にあって、少なくとも励磁コイルと同一方向に1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された検出コイルと、
第3の平面に、共振用のキャパシタが並列接続されている共振コイルとを有し、
少なくとも前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルとが磁気結合を有し、
前記第3の平面は第1の平面および第2の平面と空間を介して離間し、かつ検出領域となる検出コイルの形成領域において自由に移動可能で、かつその移動位置により励磁コイルおよび/または検出コイルと共振コイルとが磁気結合可能であり、
この共振コイルの位置に応じて検出コイルから位置検出電圧を得る位置検出装置。
(2)前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルは一方向に延びるように形成され、前記第3の平面はこの形成領域を摺動するように移動する上記(1)の位置検出装置。
(3)前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルは回転対称に形成され、前記第3の平面はこの形成領域を回動するように移動する上記(1)の位置検出装置。
(4)前記励磁コイルと、検出コイルとは、一端が閉じた2つのジグザグカーブにて形成されている上記(1)〜(3)のいずれかの位置検出装置。
(5)前記励磁コイルと、検出コイルとは、非連続状の渦巻きコイルが直列状に接続されて形成されている上記(1)〜(4)のいずれかの位置検出装置。
(6)前記共振コイルの共振用キャパシタ部分が短絡されている上記(1)〜(5)のいずれかの位置検出装置。
(7)前記第3の平面の共振コイルに代えて金属導体板を有する上記(1)〜(4)のいずれかの位置検出装置。
(8)前記第1の平面と第2の平面とは積層基板により構成されている上記(1)〜(7)のいずれかの位置検出装置。
(9)前記第1の平面と第2の平面とを複数検出軸分有し、多軸位置検出を行う上記(1),(2),(4)〜(8)のいずれかの位置検出装置。
本発明によれば、鉄心や巻線類がないプリント板とコンデンサだけで電気磁気回路が構成できるので、安価で、小型、薄型のコードレス位置検出装置が実現できる。また、励磁コイルと検出コイルとがそれぞれ複数のループを形成し、かつ強固に磁気結合しており、しかも検出ループと励磁ループとは半ピッチずれているので、従来の位置検出装置の位置検出信号の周期がコイルピッチPの2倍の2Pであるのに対して、本発明の周期は1Pで、分解能が2倍になる。従って、簡単な構成で高出力、高精度のコードレス位置検出装置が実現できる。また、励磁ループ、及び検出ループ内に外来ノイズを相殺する仕組みが備わっているので、ノイズに強いコードレス位置検出装置が実現できる。
本発明の位置検出装置は、第1の平面に、少なくとも1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された励磁コイルと、第2の平面に、前記励磁コイルとは半ピッチずれた位置にあって、少なくとも1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された検出コイルと、第3の平面に共振用のキャパシタが並列接続されている共振コイルとを有し、少なくとも前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルとが磁気結合を有し、第1の平面および第2の平面と空間を介して離間している第3の平面の共振コイルは、検出領域となる検出コイルの形成領域で自由に移動可能で、かつその移動位置により励磁コイルおよび検出コイルと磁気結合可能であり、この共振コイルの位置に応じて検出コイルから位置検出電圧を得るものである。
ここで、第1の平面、第2の平面、第3の平面は、幾何学上で定義するような平面である必要はなく、それぞれの平面に形成される導体パターンを収容可能な一定の厚みを有し、必要により表裏により構成される板状の構造体を含む。より具体的には、電子回路が形成可能な、樹脂製の板状体であり、プリプレグ、プリント基板等に用いられている材料が好ましい。また、回路パターンは銅箔、アルミニウム箔等の金属箔をパターン形成することで容易に構成することができる。
励磁コイルは、共振コイルにより検出コイルから起電力が生じるための磁界を形成する。励磁コイルは、例えば一端が閉じた2つのジグザグカーブにて形成され、2つのジグザグザカーブに囲まれることで形成されるループが、丁度正巻きと逆巻き、あるいは正相と逆相が交互に生じるようになっている。あるいは、正巻き渦巻きパターンと逆巻き渦巻きパターンを交互に直列接続するようにしてもよい。この励磁コイルは、位置検出装置の計測領域に沿って形成・配置されている。ジグザグカーブ等で形成されるループは少なくとも1つのループに相当する1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成され、1組の正逆ループを最小単位として、測定領域をカバーし、検出コイルに十分な励磁磁界を与えられるループの数だけ形成される。このため、好ましくは検出コイルより1ピッチ分以上多くループが形成される。励磁コイルは、前記のように平面を形成するプリント基板等の表裏面に形成することができる。
検出コイルは、励磁コイルからの磁界と、共振コイルにより生じた磁界とのバランスから所定の検出信号を生じる。この検出信号は、通常交流電圧として出力される。検出コイルは、例えば、励磁コイル同様に一端が閉じた2つのジグザグカーブにて形成され、2つのジグザグカーブに囲まれることで形成されるループが、丁度正巻きと逆巻き、正相と逆相が交互に生じるようになっている。あるいは、上記のように渦巻きコイルを用いて構成してもよい。この検出コイルは、励磁コイル同様に計測領域に沿って形成・配置されている。ジグザグカーブ等で形成されるループは、前記励磁コイルのループに対して半ピッチずれて形成され、1組の正逆ループを最小単位として、測定領域をカバーしうるループの数だけ形成される。検出コイルと励磁コイルとは、通常固定され、励磁コイルと検出コイルの位置関係も固定されている。検出コイルも、前記のように平面を形成するプリント基板等の表裏面に形成することができる。また、複数の構成層が積層されたプリント基板に励磁コイルと検出コイルを形成してもよい。
共振コイルは、励磁コイルからの磁界を受け、内部に起電力を生じると共に、並列接続されている共振用のキャパシタにより共振し、この共振電流あるいは電力自体から生じた磁界を生じる。なお、共振用のキャパシタは省略することができる。この共振コイルもまた、励磁コイル同様に、例えば一端が閉じた2つのジグザカーブにて形成され、2つのジグザカーブに囲まれることで形成されるループが、丁度正巻きと逆巻き、正相と逆相が交互に生じるようになっている。あるいは、上記同様に渦巻きコイルにて構成してもよい。共振コイルは1組の正逆ループあるいは正逆いずれかの単独ループを基本単位としており、通常はこの基本単位のみで構成されるが、必要によりさらにループを追加することも可能である。
さらに、前記第1の平面と第2の平面とをX−Y軸など複数検出軸分有し、多軸の位置検出を行うことも可能である。また、第1の平面と第2の平面と第3の平面とを回転体に対応した形状とし、これらの励磁コイル、検出コイル、共振コイルを回転対称に形成してもよい。このような形状とすることで、回転体の回転位置を検出することができる。
[第1の態様]
次に図を参照しつつ、本発明の位置検出装置をより具体的に説明する。図1は、本発明の位置検出装置の基本構造(第1の態様ともいう)を示す平面図である。
図において、第1の平面1には、励磁コイルとなる励磁ループパターン4が形成されている。この、励磁ループパターン4は、基体11の表面上に形成され、実線で示される1ピッチ1P、幅(縦)s1で台形状のジグザグに一方向、この例では長手(横)方向に始端から終端に延びる往路カーブパターン41と、基体11の裏面上に形成され、点線で示されるジグザグに終端から始端に折り返し戻る復路カーブパターン42からなり、終端において往路カーブパターン41と復路カーブパターン42とが接続され、両導体線路が閉じた状態になっている。そして、往路カーブパターン41と復路カーブパターン42により、ジグザグカーブに囲まれたループエリアC11〜C15を形成している。なお、図において実線は基材表面側のパターンを表し、破線は裏面側のパターンを表し、両者はスルーホールないしビアホールで接続される(以下において同じ)。
前記励磁ループパターン4には、ノードn1,n2を介して、励磁電源7が接続され、所定の周波数と電圧の交流電流が供給される。励磁電源の周波数としては、特に規制されるものではないが、100K〜1000KHzが好ましく、励磁電流は10〜100mA程度が好ましい。
第2の平面2には、検出コイルとなる検出ループパターン5が形成されている。この検出ループパターン5も、励磁ループパターン4と同様に、基体12の表面上に形成され、実線で示される1ピッチ1P、幅(縦)s1で台形状のジグザグに一方向、この例では長手(横)方向に始端から終端に延びる往路カーブパターン51と、基体12の裏面上に形成され、点線で示されるジグザグに終端から始端に折り返し戻る復路カーブパターン52からなり、終端において往路カーブパターン51と復路カーブパターン52とが接続され、両導体線路が閉じた状態になっている。そして、往路カーブパターン51と復路カーブパターン52により、ジグザグカーブに囲まれたループエリアC21〜C24を形成している。この検出ループパターン5は、励磁ループパターン4に対して1/2ピッチ長手方向、つまりループ形成方向にシフトし、半ピッチずれた状態になっている。
第1の平面1と第2の平面2は、通常固定され、第1の平面1に対する第2の平面2の位置関係も固定されている。第1の平面1,第2の平面2は、それぞれ別個に基体を用意して形成することも可能であるが、一体とすることもできる。一体とする場合には、第1の平面1と第2の平面2とを積層ないし積み重ねればよいが、これらの平面に形成されている励磁ループパターン4と検出ループパターン5との短絡を防ぐために、間に絶縁層を設けることが必要である。この絶縁層は、空気であってもよいが、第1の平面1,第2の平面2を構成する基体と同一材料を用いて積層体とするとよい。
具体的には、図2に示すように、第1の平面1を構成する第1の基板11と、第2の平面2を構成する第2の基板12との間に、これらの基板11,12と同一材料の絶縁用の基板14を設けて積層基板とする。ここで、第1の基板11には励磁ループパターン4を形成する導体層4aが上下に配置され、さらに第2の基板12には検出ループパターン5を形成する導体層5aが上下に配置されている。そして、絶縁用基板14により、これらの導体層4a,5aの短絡が防止される。基板の積層化は、例えば熱圧着など、公知の手法により容易に行うことができる。
第3の平面3には、共振コイルとなる共振ループパターン6が形成されている。この共振ループパターン6も、励磁ループパターン4と同様に、実線で示される大きさ1/2ピッチ1/2P、幅(縦)s1、1ピッチ1P間隔で台形状のジグザグに一方向、この例では長手(横)方向に始端から終端に延びる往路カーブパターン61と、点線で示されるジグザグに終端から始端に折り返し戻る復路カーブパターン62とからなり、基体13の表裏面上に形成され、終端において往路カーブパターン61と復路カーブパターン62とが接続され、両導体線路が閉じた状態になっている。そして、往路カーブパターン61と復路カーブパターン62により、ジグザグカーブに囲まれた2つのループエリアC31、C32を形成している。このループエリアC31,C32の間は1/2P空いていて、単純に直線状の復路カーブパターン62と往路カーブパターン61が平行に配置されている。また、共振ループパターン6の解放端は、ノードn5,n6を介して共振用キャパシタC1と接続されている。
共振用キャパシタの容量としては、励磁周波数や共振コイルのインダクタンスにより異なるが、例えば0.01〜0.1μF程度が好ましい。また、共振ループパターンの幅は、この例では1/2Pとしたが、各ループのピッチが1Pであれば幅の大きさは特に限定されるものではなく、上記の各ループ同様1Pとしてもよいし、それ以外の幅としてもよい。
第3の平面3は、第1の平面1、第2の平面2のいずれか、あるいはいずれとも、これらの積層方向に空間を隔てて離間して配置されている。そして、測定領域、つまり、励磁コイル、あるいは検出コイルの形成領域で自由に、これらの平面に対して平行に摺動または移動できるようになっている。具体的には、例えば図2に示すように、第1の平面と第2の平面を有する積層体9の、積層方向に離間した位置に、基板13の上下に導体層6aを有する第3の平面3が配置される。なお、摺動、または移動するための機構はこの明細書では省略するが、この種の分野における公知の手法により容易に達成することができる。
次に、この図示例の位置検出装置の動作について説明する。
まず、第3の平面3がないか、あるいは測定領域外に存在すると仮定する。いま、励磁電源7から励磁ループ4に励磁電流iが実線矢印の方向に流れると、励磁ループパターン4のループエリアC11、C13、C15には図1の・印で示すように紙面上で下から上向きに垂直に磁束が発生し、エリアC12、C14には×印で示すように紙面上で上から下向きに垂直に磁束が発生する。
このとき、検出ループパターン5のループエリアC21内にはループエリアC11、C12の磁束が均等に鎖交し、互いに逆向きのため相殺され、起電力は発生しない。同様にループエリアC22、C23、C24にも起電力は発生しないので、検出ループパターンのノードn3,n4間には交流誘起電圧である検出電圧は発生しない。同様に、励磁電流iが点線方向に流れた場合にも、磁束の向きが互いに逆になるだけで、検出電圧は発生しない。
次に、第3の平面3が図2に示すように、励磁ループパターンの始端側にあって、共振ループパターン6のループエリアC31,C32が、励磁ループパターン4のループエリアC11,C12と重複しているとする。
このとき、図1に示すように、励磁ループパターン4に励磁電流iが実線矢印方向に流れると、第3の平面3の共振ループパターン6のループエリアC31に励磁ループパターン4のループエリアC11の磁束が鎖交し、ループエリアC32にはループエリアC12の磁束が鎖交して、実線矢印方向に起電力が発生する。一方、励磁電流iが点線矢印方向に流れると、ループエリアC11、C12の磁束の向きが互いに逆になり、同様に電磁誘導動作により共振ループパターンに点線矢印方向の起電力が発生する。
そして、交流が印加される励磁電流の方向は周期的に変化するので、共振ループパターン6にも交流電流が流れ、これが共振用コンデンサC1により共振する。共振用キャパシタC1に適当な定数のコンデンサを選び、対向間隔を狭くして共振ループパターン6と励磁ループパターン4の幅s1と位置を合わせて磁気結合を強くすると、大きな共振電流が流れる。共振ループパターン6は検出ループパターンとも磁気結合しているので、共振電流により生じた共振ループパターン6の磁束が検出ループパターン5と鎖交し、励磁ループパターンにより生じた磁束に重畳されたり、打ち消し合ったりして、上記の相殺効果のバランスが崩れて検出電圧が誘起される。
図1および図2に示すような第3の平面3の原点og位置では、共振ループパターン6のループエリアC31、C32は、それぞれ励磁ループパターンのループエリアC11とC12とのみ磁気結合しているので、エリアC31とエリアC32の起電力は加算されて最大の共振電流が流れ、検出ループパターン4を電磁誘導する。励磁電源と同じ位相の検出電圧を正相、180°異なる位相の検出電圧を逆相検出電圧とすると、図3に示すように、原点ogの第3の平面3の位置で正相の最大検出電圧が誘起され、検出ループパターンのノードn3,4に出力される。
次いで、第3の平面3が紙面上で右方向に、幅s1方向はそのままで、同じ間隔を保って平行移動すると、移動に従い共振ループパターン6のループエリアC31はループエリアC12とも、ループエリアC32はループエリアC13とも磁気結合する。このため、共振電流もループエリアC12、C13との磁気結合の分だけ相殺されて減少し、検出ループパターンを電磁誘導する磁束が減少して、検出電圧も減少する。
さらに、第3の平面3が原点ogから1/4Pの位置まで右に移動すると、共振ループパターン6のループエリアC31はループエリアC11、C12と等しく磁気結合し、ループエリアC32もループエリアC12、C13と等しく磁気結合するので、ループエリアC31およびC32における起電力が相殺され、共振電流が零になり、検出電圧は零になる。
第3の平面3がさらに右に移動すると、移動に従い共振ループパターン6のループエリアC31はループエリアC11よりもループエリアC12との磁気結合が大きくなり、ループエリアC32もループエリアC12よりループエリアC13との磁気結合が大きくなり、逆相の共振電流が多く流れるようになる。ループエリアC31は、検出ループパターン4のループエリアC21と、ループエリアC32はループエリアC22と磁気結合しているので、逆相の検出電圧が誘起され、右移動に従って大きくなってゆく。
第3の平面3が原点ogから1/2P移動した位置では、ループエリアC31はループエリアC12と、ループエリアC32はループエリアC13とのみ磁気結合するので、逆相の最大共振電流が流れ、ループエリアC31は検出ループパターン4のループエリアC21と、ループエリアC32はループエリアC22とのみ磁気結合しているので、逆相の最大検出電圧が出力される。
第3の平面3がさらに右に移動すると、共振ループパターン6のエリアC31は検出ループパターン4のループエリアC21に加えてループエリアC22と、ループエリアC32はループエリアC22に加えてループエリアC23と磁気結合するようになり、それぞれループエリアC22とループエリアC23の分の磁束が相殺され、検出ループパターン4に誘起される逆相の検出電圧が減少してゆく。
さらに、第3の平面3が3/4Pの位置まで右に移動すると、共振ループパターン6のループエリアC31は検出ループパターン4のループエリアC21、C22と等しく磁気結合し、ループエリアC32もループエリアC22、C23と等しく磁気結合して、磁束が互いに相殺され、検出ループパターン4には検出電圧が誘起されず、検出電圧は零になる。
このようにして、第3の平面3が、第1の平面1および第2の平面2と所定の間隔を設け、対向して平行移動すると、図3に示すように、第3の平面の移動量に対応して、周期Pで正弦波状に変化する検出電圧が出力される。
上記例では、励磁ループパターン3、検出ループパターン4、および共振ループパターン6は1回の折り返しループからなっているが、複数回の折り返しループで構成してもよい。
また、共振コンデンサC1の両端を短絡すると、共振電流の代わりに渦電流が流れるので、第3の平面3である可動プリント板の移動に対応して、共振電流の場合と同様に検出ループパターン5のループエリアC21〜C24の磁束が変化し、図3等と同様の正弦波状に変化する検出電圧が出力される。さらに、共振ループパターン6のループエリアと同じような形状の金属導体板をピッチPでループエリアのコイルの代わりに形成配置すると、この金属導体板に渦電流が流れ、同様に正弦波状に変化する検出電圧が出力される。
以上のように、この基本動作ループにより、固定部から可動部への配線コード類が無くても可動部の直線移動に対応して正弦波状に変化する電圧を検出することができることがわかる。
[第2の態様]
次に、本発明の第2の態様について説明する。図4は、本発明の第2の態様を示す平面図である。この態様では、励磁ループパターン4,検出ループパターン5、共振ループパターン6を、第1の態様のように台形状のジグザグカーブではなく、正弦波状のジグザグカーブにより構成している。また、この例では共振ループパターン6により形成されるループエリアC31,32は、それぞれのピッチ方向の大きさが第1の態様の1/2Pから1Pの大きさに変更されている。その他の構成要素は図1に示す第1の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
このような構成の第2の態様において、第3の平面が第1の態様と同様に移動すると、図5に示すような正弦波状の検出電圧が得られる。
[第3の態様]
次に、本発明の第3の態様について説明する。図6は、本発明の第3の態様を示す平面図である。この態様では、第2の平面2の検出ループパターン5は、その始端側と終端側に、それぞれ大きさ(長さ)1/2Pの冗長ループC2a,C2bが追加されている。このように、冗長ループC2a,C2bを追加することで、検出有効長を広げることができる。また、励磁ループパターン4に冗長ループC16が追加されると、第1の態様に比べて1つ多くなって偶数個となり、ノイズなどの外乱要因に対して強くすることができる。
つまり、励磁ループパターン4、検出ループパターン5および共振ループパターン6を、それぞれ偶数個のループエリアとなるように形成し、隣り合うエリアの発生磁束の向きが交互に異なるように構成すると、それぞれのループに磁束を相殺する機能が備わるので、例えば外来コモンノイズの磁束が鎖交しても、それぞれのループ内で外来コモンノイズを相殺することができるので、極めてノイズに強い位置検出装置が実現できる。
この例でも共振ループパターン6により形成されるループエリアC31,C32は、大きさが1Pとなっているが、このような共振ループパターンを採用しても、図1の第1の態様と同様の磁気結合動作をするので、図7に示すような正弦波状の検出電圧が出力される。共振ループパターンのループエリア数は1個でもよく、検出電圧の振幅を大きくするために、複数個にしてもよい。
その他の構成要素は図1に示す第1の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
[第4の態様]
次に、本発明の第4の態様について説明する。図8は、本発明の第4の態様を示す平面図である。この態様では、第1の平面2の励磁ループパターン4、第2の平面2の検出ループパターン5、および共振ループパターン6を、非連続状の渦巻きコイルを接続することで形成している。すなわち、図8において、励磁ループパターン4は、同一形状の矩形で、幅s1およびs2で巻回された渦巻きコイル401〜405を、巻き方向が異なるように交互に直列に接続して形成している。同様に、検出ループパターン5は渦巻きコイル501〜504により、共振ループパターン6は、渦巻きコイル601,602により形成されている。これらのループパターン4,5,6は、図1の励磁ループパターン4、検出ループパターン5および共振ループパターン6と同様の磁気結合動作をするので、図9に示すような正弦波状の検出電圧が出力される。また、渦巻きコイルは矩形状である必要はなく、円形状などとしてもよい。
その他の構成要素は図1に示す第1の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
[第5の態様]
次に、本発明の第5の態様について説明する。図10は、本発明の第5の態様を示す平面図である。この態様では、第3の態様の第1の平面1の励磁ループパターン4、第2の平面2の検出ループパターン5、および第1の態様の第3の平面3の共振ループパターン6を、それぞれ2つ用意し、電気角度90°位相差があるA相、およびB相の2信号を検出して、位置検出する装置としたものである。
図において、第1の平面1の励磁ループパターン4は、図6に示す第3の態様の励磁ループパターン4と同様な2個の励磁ループパターン4a,4bからなり、上下にs2の間隔を空けて配置され、上のループパターン4aがA相励磁ループパターンとして、下がB相励磁ループパターン4bとして直列に接続されている。なお、実線のパターンは基体の表面側に、点線のパターンは裏面側に形成配置されており、この励磁ループパターン4は励磁電源7に接続されている。
第2の平面2のA相検出ループパターン4aとB相検出ループパターン4bは、図6の検出ループパターン4と同様な2個のものであり、上下にs2の間隔を空けて配置され、励磁ループパターン4a,4bに対してそれぞれ1/2Pシフトして配置され、それぞれの始端側は、ノードn3a,n4aおよびノードn3b,n4bに接続されている。
第3の平面3の共振ループパターン6a,6bも、図1記載の共振ループパターン6と同様なA相共振ループパターン6aとB相共振ループパターン6bが、上下にs2の間隔を空けて配置され、かつB相共振ループパターン6bはA相共振ループパターン6aに対して右に1/4Pシフトして配置され、それぞれ共振コンデンサC1a,C1bが接続されている。ここで、間隔s2はA相検出ループパターンとB相検出ループパターンの検出電流同士の互いへの影響が無視できる間隔にするとよい。
この態様の動作も第1の態様と同様であり、第3の平面3がなく、第1の平面1と第2の平面2のみの場合に励磁電源7が起動しても、A相検出ループパターン4aおよびB相検出ループパターン4bの検出端n3a,n4aおよび検出端n3b,n4bには検出電圧は発生しない。
ここで、第3の平面3が配置され、励磁電源7が起動していると、図1の第1の態様の動作原理に基づいて動作をするので、図11に示すように、検出端n3a,n4aには実線の如く、第3の平面3の移動に対応して周期Pで変化する正弦波状のA相検出電圧71aが出力され、検出端n3b,n4bには、B相共振ループパターン6bがA相共振ループパターン6aに対して1/4Pシフトして配置されているので、点線のように1/4P進んだ周期Pで変化する正弦波状のB相検出電圧71bがあらわれる。このようにして、可動プリント板等で構成される第3の平面の移動に対応して、周期Pを電気角360°とすると、90°位相差A、B2信号が検出できる。
図4に示すような正弦波状のループパターンを励磁ループパターン4、および/または検出ループパターン5に採用すると、移動位置に対する磁気結合の変化をより正弦波に近づけることができるので、精度の高い正弦波電圧の検出が実現可能となる。また、コードレス直線位置検出装置として、外来ノイズに強く、安価で高精度のプリント板型のコードレス直線位置検出装置を実用に供することができるようになる。その他の構成要素は図1に示す第1の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
[第6の態様]
図12は、本発明の第6の態様を示す平面図であり、この態様では、第5の態様の第1の平面1の励磁ループパターン4、第2の平面2の検出ループパターン5、および第3の平面3の共振ループパターン6を矩形状に形成したものである。このように、各ループパターンを矩形状のループパターンで構成すると、励磁ループパターン4a,4bを1つの励磁ループパターン4にすることができ、しかもピッチPをより小さくできるので、分解能を高くすることができる。
その他の構成要素は図10に示す第5の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
[第7の態様]
次に、本発明の第7の態様について説明する。図13,14,15は、本発明の第7の態様を示す平面図である。図13は、第1および第2の平面1,2を示す平面図であり、図14は第3の平面3を示す平面図、図15はこれらが組み合わされた状態を示す概略断面図である。この態様では、回転位置検出装置に応用した例を示している。すなわち、第1の平面と第2の平面と第3の平面を回転体に対応した形状、例えば円板型とし、これらの励磁コイル、検出コイル、共振コイルを回転中心を基準に回転対称に形成している。このような構成とすることで、第3の平面が第1の平面と第2の平面に対して、回転自在に回動可能となり、可動部である第3の平面の回転移動に対応して、電気角度90°位相差があるA相、及びB相の2信号を検出して、回転位置を検出するものである。
図13において、第1の平面1は、中心に開口部11を有する多層プリント基板等のような円形の板状体である。この第1の平面1には、外側の円弧r1〜r4と角度θの折り返しで形成された外側渦巻きコイルループ43aと、この外側渦巻きコイルループ43aとギャップs2の間隔を空けて内側に形成配置された円弧r5〜r8と角度θの折り返しで形成された内側渦巻きコイルループ43bとからなる励磁ループパターン4が形成されている。この励磁ループパターン4は、外側のループ43aがA相励磁ループであり、内側のループ43bがB相励磁ループであって、直列に接続され、さらに励磁電源7に接続されている。
図に示すように、A相励磁ループ43aもB相励磁ループ43bも同一形状の2個のループからなり、それぞれ上下対称にピッチP(180°)で配置され、上半分のループは右巻き(時計方向)、下半分のループは左巻き(反時計方向)になるように直列に接続配置され、励磁電流iが矢印の方向に流れると、図に示すように上半分のループには×印で示す磁束が紙面の上から下に垂直に発生し、下半分のループには・印で示す磁束が紙面の下から上に垂直に発生するように形成されている。
第2の平面2も、第1の平面1同様に、中心に開口部11を有する多層プリント基板等のような円形の板状体である。この第2の平面2には、検出ループパターン5が、外側の円弧r1〜r4と角度θの折り返しで形成された外側渦巻きコイルループ53aと、ギャップs2の間隔を空けて内側に円弧r5〜r8と角度θの折り返しで形成配置された内側渦巻きコイルループ53bにより形成されている。外側のループ53aがA相検出ループであり、内側のループ53bがB相検出ループであって、それぞれ検出端n3a,n4aと検出端n3b,n4bに接続されている。
図に示すように、A相検出ループ53aもB相検出ループ53bもそれぞれ2個の同一形状のループからなり、励磁ループパターン4が丁度1/2P(90°)右回転したような左右対称にピッチP(180°)で配置され、右半分のループは右巻き(時計方向)、左半分のループは左巻き(反時計方向)になるように直列に形成され、接続されている。
図14に示す第3の平面3は、図13に示す第1の平面1および第2の平面2と間隔を開けて対向して、開口部11を有する円板状に形成され、円板のセンターCを中心に時計方向または反時計方向に自由に回転できるように形成・配置されている。
第3の平面3には、共振ループパターン6が、外側の円弧r1〜r4と折り返しで形成された外側渦巻きコイルループ63aと、ギャップs2の間隔を空けて内側に円弧r5〜r8と折り返しで形成された内側渦巻きコイルループ63bにより形成され、それぞれA相共振コンデンサC1aとB相共振コンデンサC1bが接続されている。外側渦巻きコイルループ63aであるA相共振ループも、内側渦巻きコイルループである63bB相共振ループもそれぞれ2個の同一形状のループからなり、それぞれピッチP(180°)で巻き方向が異なるように直列に接続配置され、互いに1/4P回転シフトして形成配置されている。
ここで、これらの構造におけるギャップs2の間隔はA相検出ループ53aとB相検出ループ53bの検出電流同士の影響が無視できる間隔にするとよい。また、角度θは入出力線接続ラウンド等のスペースを作るために設けたもので、出来るだけ小さくすることが望ましい。
その他の構成要素は図1に示す第1の態様と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
次に、この回転位置検出装置の動作について説明する。いま、仮に第3の平面3がなく、第1の平面1および第2の平面だけの場合には励磁電源7が起動しても、A相検出ループ53aおよびB相検出ループ53bは、図1に示す第1の態様で説明した基本動作原理と同様の動作をするので、検出端n3a,n4aと検出端n3b,n4bには検出電圧は発生しない。
ここで、図13、14,15に示すように、第3の平面3が、第1の平面1および第2の平面と間隔を設けて配置され、励磁電源7が起動していると、図示例の原点位置ogでは、A相共振ループ63aのループエリアC31d,C32dはそれぞれ励磁ループ4のループエリアC11d、C12dと、そしてA相検出ループ53aのループエリアC21d、C22dとも磁気結合している。このため、A相共振ループ63aには共振電流が流れ、図16の実線で示すように励磁電源7と同じ正相の最大検出電圧がA相検出電圧として検出端n3a,n4aに出力される。
次に、第3の平面3が、センターC軸を中心に、同じ間隔を保って矢印の方向、つまり紙面に向かって時計方向に回転すると、図1に示す第1の態様と同様の基本動作原理に基づいて動作をするので、回転に従い、図16の実線で示す周期Pの正弦波状の検出電圧が検出端n3a,n4aにA相検出電圧81aとして出力されていく。
このとき、B相共振ループ63bは、A相共振ループ63aに対して反時計方向に1/4P回転シフトして配置されているので、検出端n3b,n4bには、図16の点線で示すような、右に1/4P遅れて周期Pで変化する正弦波状のB相検出電圧81bが出力される。このようにして、第3の平面3の回転移動に対応して、周期Pを電気角360°とすると、90°位相差A、B2信号が検出、生成できる。
また、A相共振ループ63aとB相共振ループ63bのループエリアの形状を変えることにより、回転位置移動に対応する磁気結合の変化を正弦波に近づけることができるので、精度の高い正弦波電圧の検出が実現可能である。
さらに、A相共振ループ63aとB相共振ループ63bを図17に示すようなループパターンで構成すると、より大きい振幅の検出電圧を得ることができる。
このように、外来ノイズに強く、安価で高精度のプリント板型のコードレス回転位置検出装置が実現可能である。
なお、この例では機械角度360°の回転に対して2周期のA、B相2信号の検出電圧が出力される態様としたが、励磁ループ及び検出ループのループエリアを、それぞれ2n個で構成することにより、機械角度360°の回転に対して2n周期のA、B相2信号の検出電圧が出力されるコードレス回転位置検出装置が実現できる。
また、上記の2n周期の回転位置検出装置において、励磁ループは2個のループエリアからなり、検出ループおよび共振ループがそれぞれ1個のループエリアからなるループパターンをB相ループの内側に、C相ループとして付加形成配置することにより、1回転信号の検出ができる2n周期の回転位置検出装置が実現できる。
さらに、本態様においても、基本動作ループで説明したように共振ループの共振コンデンサを短絡して使用したり、あるいは共振ループエリアの代わりに同形状の金属導体板をピッチPで配置して共振コンデンサを短絡した場合と同じ動作をさせることができるので、用途に合わせて様々なコードレス回転位置検出装置の実現が可能である。
[第8の態様]
次に、本発明の第8の態様について説明する。図18、19は、本発明の第8の態様を示す平面図である。図18は、第1および第2の平面1,2を示す平面図であり、図19は第3の平面3を示す平面図である。
この例では可動部である第3の平面3の2次元XY座標移動に対応したXY軸の位置を検出する装置を示す。つまり、各軸の位置を電気角度90°位相差があるA相、B相の2信号に変換して、XY軸の位置検出する装置である。
図18において、平面1a,2aのX軸A相励磁ループパターン4aおよびX軸A相検出ループパターン5aはX軸のA相信号を検出するためのものである。X軸A相励磁ループ4aは図に示すようにピッチPの矩形のジグザグループからなり、第1の態様と同様、往路41aと復路42aとから構成される励磁ループであり、ノードn1a,n2aから、アナログスイッチswを介して励磁電源7に接続されている。
XA相検出ループ5aは、図に示すようにXA相励磁ループ4aと同様に往路51aと復路52aとからなり、ピッチPの矩形のジグザグループで、X励磁ループ4aに対して1/2Pシフトして配置され検出端(ノード)n3a,n4aに接続されている。
平面1b,2bのX軸B相励磁ループパターン4bおよびX軸B相検出ループパターン5bは、X軸のB相信号を検出するためのものである。
X軸B相励磁ループ4bは往路41bと復路42bからなり、ピッチPの矩形のジグザグループで、XA相励磁ループ4aに対して1/4Pシフトして配置され、第1の態様の基本動作と同様の動作する励磁ループであり、ノードn1b,n2bから、アナログスイッチswを介して励磁電源7に接続されている。
X軸B相検出ループ5bは往路51bと復路52bとからなり、ピッチPの矩形のジグザグループで、XB相励磁ループ5aに対して1/2Pシフトして配置され検出端(ノード)n3b,n4bに接続されている。
X軸A相励磁ループ4a、X軸A相検出ループ5a、X軸B相励磁ループ4b、およびX軸B相検出ループ5bの実線のパターンは、基体の表面側を表し、点線のパターンは裏面側を表している。これらの基体はプリント基板等で構成することが可能であり、他の態様と同様に積層基板として構成することができる。この場合に、平面1a,2aと平面1b、2bとを多層基板として構成することが望ましい。
Y軸の移動位置検出のためのY軸A相励磁ループ、Y軸A相検出ループ、Y軸B相励磁ループ、Y軸B相検出ループは、X軸のループをそれぞれ時計方向に90°回転した構成とすればよく、アナログスイッチSWにY軸分の接点を表示するに止め、ここでは説明を省略する。
第3の平面3は、上記平面1a、2a,1b,2bと間隔を設けて対向して、矢印の如く前後左右あらゆる方向に平行移動できるように配置されている。共振ループパターン6は円形の渦巻きコイルパターンからなり、実線のパターンは基体の裏面側に、点線のパターンは表面側に形成配置されて、共振コンデンサC1が接続されている。
今仮に、第3の平面3がなく、平面1a、2a,1b,2bだけの場合に励磁電源7が起動してswが作動し、X軸A相励磁ループ4a、およびX軸B相励磁ループ4bに励磁電流が流れても、図1に示す第1の態様と同様の動作をするので、X軸A相検出ループ5aおよびX軸B相検出ループ5bの検出端3a,4aおよび検出端3b,4bには検出電圧は発生しない。
図18の破線で示す位置に、第3の平面3の共振コイル6が存在する場合、swが作動して励磁電源7がX軸A相励磁ループ4aにのみ接続されていると、前記第1の態様の基本動作原理に基づいて動作をするので、検出端n3a,n4aには図20の実線に示すように、第3の平面3のX軸の移動に対応して周期Pで変化する正弦波状のX軸A相検出電圧が出力される。次いで、アナログスイッチswの作動により、励磁電源7がX軸B相励磁ループ4bにのみ接続されていると、X軸B相励磁ループ4bとX軸B相検出ループ5bはそれぞれX軸A相励磁ループ4aとX軸A相検出ループ5aに対して、1/4Pシフトして形成・配置されているので、図20の点線に示すように、X軸A相検出電圧に対して1/4P(P=360°とすると90°)シフトしたX軸B相検出電圧が検出端n3b,n4bに出力される。
ここで、励磁電源7がX軸A相励磁ループ4aとX軸B相励磁ループ4bに一定の周期で交互に接続するように作動させ、接続を切り替えた後に一定の時間(好ましくは切替前の共振が減衰する時間)を置いて、検出端n3a,n4aと検出端n3b,n4bに出力される交流のX軸A相検出電圧とX軸B相検出電圧を励磁電源7の位相で同期整流してサンプリングホールドすると、図21に示すように、図20と同様に第3の平面3のX軸の移動に対応して周期Pで変化する直流の正弦波状のX軸A相検出電圧とX軸B相検出電圧を検出することができる。
そして、Y軸についてもX軸と同じ検出処理を行うことにより、第3の平面3のY軸の移動に対応して周期Pで変化する直流の正弦波状のY軸A相検出電圧とY軸B相検出電圧(図示せず)を検出することができる。
また、絶対位置検出はそれぞれの軸の励磁ループの励磁範囲をアナログスイッチ等により周期1ピッチ1P単位で拡大縮小することができるので、この種の分野における公知の手法により容易に絶対位置検出ができる。
このようにして、X−Y各軸の位置を、電気角度90°位相差があるA、B2信号に変換することができるので、可動部である第3の平面3の2次元X−Y座標位置がコードレスで検出できる座標位置検出装置の実現が可能となる。
本発明の位置検出装置は、リニアエンコーダ等の直線位置検出装置や、ロータリーエンコーダ、レゾルバ等の回転位置検出装置に好適に適用することができる。また、デジタイザー等2次元あるいは多軸位置検出装置に応用することも可能である。
本発明の位置検出装置の第1の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第1の態様を示す概略断面図である。 本発明の位置検出装置の第1の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第2の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第2の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第3の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第3の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第4の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第4の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第5の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第5の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第6の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第7の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第7の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第7の態様を示す概略断面である。 本発明の位置検出装置の第7の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第7の態様における他の第3の平面の構成例を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第8の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第8の態様を示す平面図である。 本発明の位置検出装置の第8の態様の検出電圧を示す波形図である。 本発明の位置検出装置の第8の態様の検出電圧を同期整流した状態を示す波形図である。
符号の説明
1 第1の平面
2 第2の平面
3 第3の平面
4 励磁ループパターン
5 検出ループパターン
6 共振ループパターン

Claims (9)

  1. 第1の平面に、一定方向に少なくとも1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された励磁コイルと、
    第2の平面に、前記励磁コイルとは半ピッチずれた位置にあって、少なくとも励磁コイルと同一方向に1ピッチ単位で正巻きと逆巻きとが交互にあらわれるように形成された検出コイルと、
    第3の平面に、共振用のキャパシタが並列接続されている共振コイルとを有し、
    少なくとも前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルとが磁気結合を有し、
    前記第3の平面は第1の平面および第2の平面と空間を介して離間し、かつ検出領域となる検出コイルの形成領域において自由に移動可能で、かつその移動位置により励磁コイルおよび/または検出コイルと共振コイルとが磁気結合可能であり、
    この共振コイルの位置に応じて検出コイルから位置検出電圧を得る位置検出装置。
  2. 前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルは一方向に延びるように形成され、前記第3の平面はこの形成領域を摺動するように移動する請求項1の位置検出装置。
  3. 前記第1の平面の励磁コイルと第2の平面の検出コイルは回転対称に形成され、前記第3の平面はこの形成領域を回動するように移動する請求項1の位置検出装置。
  4. 前記励磁コイルと、検出コイルとは、一端が閉じた2つのジグザグカーブにて形成されている請求項1〜3のいずれかの位置検出装置。
  5. 前記励磁コイルと、検出コイルとは、非連続状の渦巻きコイルが直列状に接続されて形成されている請求項1〜4のいずれかの位置検出装置。
  6. 前記共振コイルの共振用キャパシタ部分が短絡されている請求項1〜5のいずれかの位置検出装置。
  7. 前記第3の平面の共振コイルに代えて金属導体板を有する請求項1〜4のいずれかの位置検出装置。
  8. 前記第1の平面と第2の平面とは積層基板により構成されている請求項1〜7のいずれかの位置検出装置。
  9. 前記第1の平面と第2の平面とを複数検出軸分有し、多軸位置検出を行う請求項1,2,4〜8のいずれかの位置検出装置。
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