JP3839391B2 - 汚泥処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種の汚泥、例えば河川・湖沼及び港湾の浚渫土を脱水機を使用して脱水処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川・湖沼及び港湾の浚渫土の処理方法は、無機凝集剤もしくは、高分子凝集剤又はこれら両方を使用して行われている。すなわち、
▲1▼無機凝集剤又は高分子凝集剤をそれぞれ単独で添加し、浚渫土を処理する方法
▲2▼無機凝集剤を添加し、次いで高分子凝集剤を添加して浚渫土を処理する方法
▲3▼高分子凝集剤を添加し、次いで無機凝集剤を添加して浚渫土を処理する方法(特開平6−134500及び特開平3−161099参照)
▲4▼高分子凝集剤を添加し、フロックを形成させ、機械的破砕工程を経てフロックを破砕した後に、無機凝集剤を添加して浚渫土を処理する方法(特開平6−134500参照)
の4種類の方法に代表される。
これら方法のうち、▲1▼の処理方法は、各凝集剤が、浚渫土中に存在する懸濁物質のコロイド荷電を電気的に中和し、凝集させる方法である。▲2▼の処理方法は、無機凝集剤によって浚渫土中に存在する懸濁物質のコロイド荷電を電気的に中和し、次いで高分子凝集剤によって、中和された懸濁物質を高分子ポリマーで架橋し、凝集させる方法である。また▲3▼および▲4▼の処理方法は、高分子凝集剤の添加により、三次元網目構造を持つフロックを形成させ、次いで無機凝集剤の多価カチオンにより電気的に中和を行い、疎水性の高いフロックを形成させる方法である。
これらの方法で処理された浚渫土は、沈殿槽内で静置させて沈降分離する方法又は機械的に脱水する方法により固液分離される。
【0003】
【特許文献】
特開平3−161099
特開平6−134500
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のうち、無機又は高分子凝集剤を個々に添加して浚渫土を処理する方法では、沈降槽を用いた沈降分離や、フィルタープレスを用いた機械脱水処理による固液分離は可能であるが、圧搾力が加えられても形成されたフロックが壊れないような強いフロックを必要とするベルトプレス、ドラムプレス、スクリュープレス脱水機では処理することができなかった。
一方、無機凝集剤を添加し、浚渫土中に存在する懸濁物質のコロイド荷電を電気的に中和し、次いで高分子凝集剤を添加・攪拌し、中和された懸濁物質を高分子ポリマーの架橋作用によって、凝集せしめる方法では、圧搾力が加えられる脱水機を使用することは可能であるが、フロックが弱く機械から漏れ、処理水側に多量の懸濁物質が漏れ出すため、処理効率が落ちるばかりでなく、使用薬剤も多くなり、コスト的に問題であった。
【0005】
また、高分子凝集剤を添加し、次いで無機凝集剤を添加して浚渫土を処理する方法、並びに高分子凝集剤剤を添加し、フロックを形成させ、次いで、機械的破砕工程を経てフロックを破砕した後に、無機凝集剤を添加して浚渫土を処理する方法(特開平6−134500)は、液層部分に電解質を殆ど含まず、コロイド荷電量が比較的高い浚渫土については、十分適応できる。しかし、塩類を含む浚渫土や港湾浚渫及び河口付近における浚渫土(以下、港湾浚渫土と呼ぶ。)は、液層部分にNa+、Ca2+、Mg2+、Cl-、SO4 2-イオンに代表される電解質を多量に含んでいるので、粉末或は溶液で添加した高分子凝集剤の溶解速度及び分子の広がりが、抑制された状態になるため、形成されるフロックは、攪拌、衝撃に極めて弱く、直ぐに微細化し、フロック粒径を0.01〜2.0mm以下の範囲に調整することが難しい欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来法の欠点を克服し、浚渫土を安価に、かつ効率的に脱水処理する方法を確立すべく、鋭意研究を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明の処理方法は、汚泥に、第一の工程で、アニオン性高分子凝集剤の希薄溶液を添加し、フロックを形成させ、第二の工程で、ラインミキサー等の高性能攪拌機を使用し、機械破砕にてフロックを0.5mm以下に破砕した後、第三の工程でアニオン性高分子凝集剤水溶液を添加し、フロックを再形成させ、第四の工程で、無機凝集剤を添加してフロックを疎水化後、脱水機を使用して、脱水処理物を得る汚泥処理方法である。
上記汚泥は、アニオン性高分子凝集剤のポリマー分子を、十分に広がらせるため、予めアルカリ剤を添加し、pHを8〜11に調整しておくことがのぞましい。
本発明は、各種の汚泥に適用できる。
【0007】
上述の処理方法における凝集・フロック形成メカニズムについては、現状では明確にではないが、概ね、図1に示すメカニズムと推定される。
第一の工程で、電解質を含んだ汚泥、例えば浚渫土粒子に対し、アニオン性高分子凝集剤の水溶液を添加して、電解質の凝集作用で不活性な状態にある土粒子と液層の一部とを包み込むように三次元網目構造を持つ大きなフロックを形成させる。第二の工程で、このフロックを機械的に0.5mm以下の粒径に破砕して、フロック内の水を除去し、コロイド状土粒子表面にポリマーを満遍なく吸着させると同時に、ポリマーが持つ吸着点を土粒子上に露出させる。第三の工程で、加えられるアニオン性高分子凝集剤が、この吸着点に効率良く吸着し、フロックを再形成し、第四の工程で加えられる無機凝集剤の多価カチオンの効果によってフロックは、疎水化され、圧搾脱水に耐えられる強いフロックが出来あがると考えられる。
【0008】
本発明の処理方法と従来の処理方法、特に特開平6−134500及び平3−161099記載の処理方法とは、次の点で大きく異なる。
汚泥の液層部分に電解質を殆ど含まない場合、特開平6−134500の処理方法によると、高分子凝集剤を添加した時に形成されるフロックが強いため、破砕によっても所定の粒径範囲にフロックを調整でき(微細な粒子が殆ど生じない)、無機凝集剤の添加で疎水化できる。しかし、液層部分にNa+、Ca2+、Mg2+、Cl-、SO4 2-イオンに代表される電解質が多量に含まれている汚泥の場合、高分子凝集剤を添加した時に形成されるフロックは弱いため、破砕によって容易に微細化し、所定の粒径に調整することが困難なばかりでなく、無機凝集剤を添加したときにフロックが崩れ、微細粒子になる欠点がある。
【0009】
これに対し、本発明の処理方法は、汚泥液層部に電解質が有る無しにかかわらず、第二の工程で、このフロックを機械的に例えば0.5mm以下の粒径に破砕し、第三の工程で再フロック化を行い、最後に、第四の工程で加えられる無機凝集剤の多価カチオンの効果によって、疎水性の圧搾脱水に耐えられる強いフロックを形成させることができる。また、再フロック化させる第三の工程を加えることで、フロックを機械的に一定の粒径範囲に調整する困難さを排除することができる。
本発明の処理法は、液層部分にNa+、Ca2+、Mg2+、Cl-、SO4 2-イオンに代表される電解質が多量に含まれている汚泥の場合、著しくその効果を発揮するが、電解質を含まない汚泥にも適用できる。
【0010】
第一の工程で使用されるアニオン性高分子凝集剤は、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリルアミド・アクリル酸共重合物に代表されるアニオン性ポリマーであれば、何れを用いても良いが、中でもアニオン性が強い、より分子量の高い、例えば分子量1200万〜1800万の高分子凝集剤が好ましい。希薄水溶液のポリマー濃度は、水100容量部に対し0.05重量部〜0.2重量部の何れの濃度を用いても良いが、浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の範囲になる様に調整されなければならない。
【0011】
第三の工程で使用されるアニオン性高分子凝集剤は、弱アニオン性のものとしては、ポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、無水マレイン酸重合物、ポリアクリル酸エステル、グアガム等があり、中及び高アニオン性としては、アクリルアミドとアクリル酸塩の共重合物、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸等があり、これらの誘導体類も用いることができる。これら高分子凝集剤の分子量としては、1200〜1800万程度のものが優れた効果を発揮する。
また、アニオン性高分子凝集剤は、粉末品を浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜1.0重量部の範囲添加するか、又は海水100容量部に対し、0.3〜0.90重量部の範囲で溶解した溶液を浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、粉末換算にして0.01〜1.0重量部の範囲で添加しても良い。
固形分含有量40%以上の液状タイプのアニオン性高分子凝集剤を、浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、0.05〜1.0重量部の範囲で添加しても良い。
【0012】
さらに第四の工程で添加される無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)塩化第2鉄、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄を用いることができる。中でもポリ塩化アルミニウム溶液が最も好ましく、浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部の範囲で添加する。
本発明を下記の実施例によってさらに詳細に説明するが、その内容に限定されない。
【0013】
〔実施例1〕
電解質を含む汚泥について、従来法と本発明の処理方法とを比較した処理試験結果を以下に説明する。
本発明の処理方法
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分量100重量部に対し、
第一の工程: アルカリ剤として、水酸化ナトリウム20%溶液を1.0重量部添加し、攪拌機で十分に攪拌して、pHを9.2に調整し、次いで、0.1(重量/容量%)濃度のアニオン性高分子凝集剤希薄水溶液を有効固形分量で0.05重量部添加し、攪拌し、フロックを形成させる。
第二の工程: フロックを高速攪拌にて粒径を0.5mm以下に整える。
第三の工程: 液状タイプのアニオン性高分子凝集剤(固形分含有量:40%)を有効固形分量で0.05〜0.4重量部の範囲で添加量を変えて添加し、十分に攪拌を行う。
第四の工程: 無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.08〜0.4重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌を行い、疎水性の強いフロックを得る。
得られたフロックを圧搾方式の脱水試験機を用いて脱水し、脱水スラッジの含水比、コーン指数を測定した。
【0014】
〔比較例1〕
(〔0002〕 ▲2▼の方法)
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
▲1▼ ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.08重量部添加し、攪拌する。
▲2▼ 0.1(重量/容量%)濃度の高分子凝集剤溶液を有効固形分濃度で0.025又は0.05重量部と添加量を変えて添加し、攪拌、凝集しフロックを得る。
得られたフロックを圧搾方式の脱水試験機を用いて脱水し、脱水スラッジの含水比、コーン指数を測定した。
なお、凝集物の脱水方法は、同容量の凝集物を、底面にろ紙を施した円筒セル容器に注ぎ入れ、上部から油圧シリンダーにつながるOリング付きのピストンを押し込んで200kN/m2×10分の条件で圧搾脱水する方法である。また、コーン指数は締固めた土のコーン指数試験方法〔JIS A 1228〕に準拠し、測定した。
実験結果を表-1に示す。
【0015】
【表1】
表1に示すように、本発明の処理法は、従来法に比し、脱水後のフロックの含水比、コーン指数測定値において、明らかな改善を示した。
【0016】
〔実施例2〕
電解質を含む汚泥について、従来法(特開平6−134500及び平3−161099)と本発明の処理方法とを比較した処理試験結果を以下に説明する。
本発明の処理方法
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
第一の工程: アルカリ剤として、水酸化ナトリウム20%溶液を1.0重量部添加し、攪拌機で十分に攪拌して、pHを9.2に調整し、次いで、0.1(重量/容量%)濃度のアニオン性高分子凝集剤希薄水溶液を有効固形分量で0.05又は0.1重量部と添加量を変えて添加し、攪拌し、フロックを形成させる。
第二の工程: フロックを高速攪拌にて粒径を0.5mm以下に整える。
第三の工程: 液状タイプのアニオン性高分子凝集剤(固形分含有量:40%)を有効固形分量で0.08〜0.2重量部の範囲で添加量を変えて添加し、十分に攪拌を行う。
第四の工程: 無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分で0.15〜0.3重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌を行い、疎水性の強いフロックを得る。
得られたフロックを圧搾方式の脱水試験機を用いて脱水し、脱水スラッジの含水比、コーン指数を測定した。
【0017】
〔比較例2〕
(特開平3−161099の方法)
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
▲1▼ 高分子凝集剤の濃度0.1(重量/容量%)溶液を固形分濃度で0.05〜0.2重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌する。
▲2▼ ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分で0.1又は、0.2重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌して凝集させる。
〔比較例3〕
(特開平6−134500の方法)
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
▲1▼ 0.1(重量/容量%)濃度の高分子凝集剤を固形分濃度で0.1又は、0.2重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌凝集させる。
▲2▼ 高速攪拌にてフロックの粒径を0.01〜2mmに調整する。
▲3▼ ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.1又は、0.2重量部の範囲で添加量を変えて添加し、攪拌して凝集させる。
得られたフロックを圧搾方式の脱水試験機を用いて脱水し、脱水スラッジの含水比、コーン指数を測定した。
なお、凝集物の脱水方法、含水比及びコーン指数の測定方法は、実施例1と同様である。
【0018】
【表2】
表2に示すように、本発明の処理法は、従来法に比し、使用する高分子凝集剤の添加量を抑えながら、脱水後のコーン指数測定値を高い値に改善することができた。
【0019】
〔実施例3〕
圧搾式脱水機として、直径φ200のスクリュープレス脱水機を使用し、攪拌混合機として、バッヂ型の二軸パドルミキサーを使用し、含水比500%の電解質を含んだT沼の浚渫土について、従来法(特開平6−134500及び平3−161099記載)と本発明の処理方法とを比較した処理試験結果について以下に説明する。
本発明の処理方法
含水比500%の浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
第一の工程: アルカリ剤として水酸化ナトリウム20%溶液を1.0重量部添加し攪拌機で十分に攪拌し、汚泥のpHを9.0に調整した後、濃度0.1(重量/容量%)のアニオン性高分子凝集剤水溶液を有効固形分量で0.1重量部添加し、十分に攪拌する。
第二の工程: 十分に攪拌して生成されたフロックを0.5mm以下に細分化する。
第三の工程: アニオン性高分子凝集剤の液状タイプ(固形分含有量:40%)を固形分で0.06重量部添加し、十分に攪拌を行った。
第四の工程: ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.13重量部添加し、攪拌を行った。
得られたフロックを直径φ200のスクリュープレス脱水機を使用し、圧搾脱水後、脱水スラッジの含水比、コーン指数及び固形物処理量を測定した。
【0020】
〔比較例4〕
(〔0002〕 ▲2▼の方法)
含水比500%の同浚渫土の乾燥固形分100重量部に、
▲1▼ 無機凝集剤としポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.13重量部添加し、攪拌する。
▲2▼ 0.1(重量/容量%)濃度の高分子凝集剤を有効固形分濃度で0.025重量部を添加し、攪拌、凝集しフロックを得る。
〔比較例5〕
(特開平6−134500の方法)
含水比500%の港湾浚渫土の乾燥固形分100重量部に対し、
▲1▼ 0.1(重量/容量%)濃度の高分子凝集剤を固形分濃度で0.15重量部を添加し、攪拌凝集させる。
▲2▼ 高速攪拌にてフロックの粒径を0.01〜2mmに調整する。
▲3▼ ポリ塩化アルミニウム溶液を有効固形分量で0.13重量部を添加し、攪拌して凝集させる。
得られたフロックを圧搾脱水後、脱水スラッジの含水比、コーン指数及び固形物処理量を測定した。
試験結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
本発明の処理法と従来の処理法を比較すると、本発明の処理法により得られたフロックは、疎水性に優れていることから、回転数1.0rpmにおいて、脱水ケーキの含水比、コーン指数とも大幅に改善されている。
また、スクリュープレスは、スクリューの回転数を上げることにより処理能力(固形物処理量)が大きく向上することから、如何に高回転で処理するかが重要である。本発明の処理法では、得られるフロックが、非常に大きく、強固なことからスクリュープレスの回転数を3.0rpmまで上げることができ、固形物処理能力も非常に高い値を示したのに対し、従来の処理法では、フロックが非常に貧弱なため、固形物の大部分が処理水側に漏れ出し、1.0rpm以上の回転を与えることができなかった。
【0022】
【発明の効果】
汚泥に対し、本発明の処理方法を適用することにより、高分子凝集剤のポリマー分子をコロイド粒子に効率よく吸着させ、荷重強さと疎水性を有するフロックを得ることができ、従来の処理方法と比較し、圧搾式脱水機による脱水ケーキ含水比とケーキ強度の大幅な向上が可能となった。特にスクリュープレス脱水機では、脱水ケーキ含水比や、ケーキ強度の向上だけでなく、従来の処理方法では成し得なかった、高回転での脱水処理が可能となり、大幅に処理能力が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法による、汚泥水の土粒子の凝集・フロック形成メカニズムを示す概念図である。
Claims (8)
- 第一の工程で、汚泥にアニオン性高分子凝集剤水溶液を添加し、土粒子と液層の一部とを包み込むように三次元網目構造を持つ大きなフロックを形成させ、
第二の工程で、このフロックを機械的に破砕することにより、フロック内の水を排除し、土粒子表面にポリマーを吸着させ、かつ、ポリマーが持つ吸着点を破砕粒子上に露出させた状態を作り出し、
第三の工程で、アニオン性高分子凝集剤水溶液を再度添加し、上記吸着点にポリマーを吸着させたのち、
第四の工程で、無機凝集剤を添加、攪拌してフロックを再形成及び疎水化させたのち、脱水機を使用して、脱水処理物を得ることを特徴とする汚泥処理方法。 - 電解質を含む汚泥に、第一の工程で、アニオン性高分子凝集剤水溶液を添加し、電解質の凝集作用で不活性な状態にある土粒子と液層の一部とを包み込むように三次元網目構造を持つ大きなフロックを形成させ、
第二の工程で、このフロックを機械的に破砕することにより、フロック内の水を排除し、土粒子表面にポリマーを吸着させ、かつ、ポリマーが持つ吸着点を破砕粒子上に露出させた状態を作り出し、
第三の工程で、アニオン性高分子凝集剤水溶液を再度添加し、上記吸着点にポリマーを吸着させたのち、
第四の工程で、無機凝集剤を添加、攪拌してフロックを再形成及び疎水化させたのち、脱水機を使用して、脱水処理物を得ることを特徴とする汚泥処理方法。 - 電解質を含む汚泥の含水比を、200〜1000%の範囲にした請求項2記載の処理工程を用いる汚泥処理方法。
- 電解質を含む汚泥が港湾浚渫土であることを特徴とする請求項2または3記載の汚泥処理方法。
- 第一の工程で添加されるアニオン性高分子凝集剤水溶液の有効固形分量が、汚泥乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜0.5重量部の範囲であり、第二の工程で、機械破砕にて破砕されるフロックの粒径が0.5mm以下であり、第三の工程で添加されるアニオン性高分子凝集剤水溶液の有効固形分量が、汚泥乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜1.0重量部の範囲であり、第四の工程で添加される無機凝集剤の有効固形分量が、汚泥乾燥固形分100重量部に対し、0.01〜5.0重量部の範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の汚泥処理方法。
- 第一の工程で添加するアニオン性高分子凝集剤が、ポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、無水マレイン酸重合物、ポリアクリル酸エステル、グアガム、アクリルアミドとアクリル酸塩の共重合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルスルホン酸塩の内の一種類又は二種類以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の汚泥処理方法。
- 第三の工程で添加するアニオン性高分子凝集剤が、ポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、無水マレイン酸重合物、ポリアクリル酸エステル、グアガム、アクリルアミドとアクリル酸塩の共重合物、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸及びこれら誘導体類の内の一種類又は二種類以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の汚泥処理方法。
- 第四の工程で添加する無機凝集剤が、ポリ塩化アルミニウム(PAC)塩化第2鉄、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、セメント、消石灰の内の一種類又は二種類以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の汚泥処理方法。
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