JP3838790B2 - 締結部材の、分解方法、及び分解工具 - Google Patents

締結部材の、分解方法、及び分解工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、締結部材の分解方法及び分解工具に関し、詳しくは、機械的締結によって母材に締結された締結部材の締結部を分解して、該母材から該締結部材を取り外す締結部材の分解方法及び分解工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板やプラスチックなどの母材同士、あるいは、該母材に他の部材を接合する接合技術には、溶接、接着、機械的締結などがある。
上記溶接は、大がかりで高価な設備や、安全性を確保できるスペースが必要となる不具合がある。
上記接着は、比較的安価で、且つ、僅かなスペースで作業を行える利点があるが、接着剤が固化して接合が完了するまで、母材の姿勢を固定しておく必要があるため、接合に時間がかかる不具合がある。
また、これらの溶接や接着では、母材の接合時に接合不良が発生して接合し直したり、母材をリサイクル使用したりする場合に、母材を損傷せずに接合部を分解することが不可能となる。
【0003】
一方、上記機械的締結には、▲1▼ネジ締結、▲2▼ピン締結、▲3▼リベット締結、などがあり、種々の分野で多く用いられている。
周知のように、上記ネジ締結は、スパナやドライバーを用いて、図11(a)に示すようなボルト3とナット4、または、図11(b)に示すようなタッピングビス5などの締結部材を、母材1、2の締結穴1a、2aに螺合させることによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。
【0004】
また、上記ピン締結は、カシメマシンやカシメ工具を用いて、図12(a)に示すように、締結部材としてのピン6を、母材1、2の締結穴1a、2aにカシメ付けることによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。なお、ここでは、図12(b)に示すように、母材1に軸7をカシメ付ける場合もピン締結とし、該軸7を締結部材と見なすこととする。
【0005】
上記リベット締結は、リベッティングマシンやリベッティング工具を用いて、図13(a)に示すようなソリッドリベット8、図13(b)に示すようなチューブラーリベット9、図13(c)に示すようなブラインドリベット10などの締結部材を、図13(d)、(e)、(f)に示すように、母材1、2の締結穴1a、2aに締結することによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。
【0006】
上記ブラインドリベット10は、図13(c)に示すように、リベットボディ11と、該リベットボディ11の軸穴11aに挿通されたマンドレル(芯軸)12とで構成されており、例えば、図14(a)、(b)、(c)、(d)に示すような手順で、上記母材1、2の締結穴1a、2aに締結される。
すなわち、このブラインドリベット10は、先ず、図14(a)に示すように、母材1、2の締結穴1a、1bに、リベットボディ11の胴部11bを差し込む。
次いで、図14(b)に示すように、このブラインドリベット10のマンドレル12にリベッティング工具13をセットする。
そして、図14(c)に示すように、リベットボディ11のフランジ部11cに、リベティング工具13のノーズピース13aを密着させた状態で、リベティング工具13のトリガーを引くと、該リベッティング工具13のジョー13bによって、ブラインドリベット10のマンドレル12が掴まれて引き上げられる。これにより、リベットボディ11の胴部11bの母材2から突出している部分が、マンドレル12のマンドレルヘッド12aによって絞り加工のように塑性変形されて、母材2にカシメ付けられる。
この状態で、上記ジョー13bによって上記マンドレル12が更に引き上げられると、図14(d)に示すように、該マンドレル12の破断部12b(図13(c)参照)で、該マンドレル12が破断されて、ブラインドリベット10による母材1、2の締結が完了する。
このブラインドリベット10は、図14(a)、(b)、(c)、(d)に明らかなように、その胴部11b側(母材1、2の背面側)を支持せずに母材1、2への締結作業ができるので、例えば、母材1、2の背面側に手が入らないような箇所の締結に適している。
【0007】
なお、その他の締結方法として、図15に示すように、一方の母材1に予め一体的に形成された締結部1bを、他方の母材2の締結穴2aにカシメ付けて、母材1、2を機械的に接合するバーリングカシメと呼ばれている締結方法が知られている。ここでは、このバーリングカシメにより締結された母材1の締結部1bも、上記締結部材と見なすこととする。
【0008】
このような機械的締結は、前述した溶接や接着などの接合技術に比較して、僅かなスペースで、母材の再締結やリサイクルを安価且つ容易に行える利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のピン締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材は、その胴部が塑性変形されることによって母材に締結されているため、該締結部材の母材への締結時に締結不良が発生して締結し直したり、母材をリサイクル使用したりする場合には、該締結部材を母材から取り外す際に、該締結部材の締結部を破壊しなければならず、その分解作業に手間を要したり、分解時に母材を損傷したりする不具合があった。
【0010】
すなわち、この種の締結部材を分解する一般的な方法としては、例えば、図16に示すように、ドリル(不図示)により回転するキリ14によって、該締結部材(ここでは、上記ブラインドリベット10)の締結部(上記フランジ部11c)を切削し、該締結部材の締結部を胴部11bから取り除いた後、この切削部側から該胴部11bを叩いて、母材1、2から締結部材を抜き取るようにしているが、このような従来の分解方法では、ドリルやキリ14の準備や選定、及び、切削作業等の段取りに手間がかかる。
また、この従来の分解方法では、図17に示すように、締結部(フランジ部11c)の切削時に、キリ14の先端部が母材1に達して、該母材1の締結穴1aが切削されてしまうことがある。
このように、該母材1の締結穴1aが切削されてしまった場合には、該母材1をリサイクルできなくなったり、該母材1に締結部材(ブラインドリベット10)を再締結しても十分な締結力を確保できなくなったりする不具合があった。
【0011】
また、このようなドリルを用いた締結部材の分解方法では、締結部材の締結部の切削時に、キリ14の回転によって該締結部材が連れ廻りして、母材に擦り傷が付いたり、締結部の切削ができなくなったりすることもあった。
ここで、上記締結部材の連れ廻りによって損傷した母材が、製品の外装面を構成しているような場合には、該製品の商品価値が著しく低下して、製品自体が不良品となる虞が高い。
【0012】
また、このように、締結部材の締結部の切削時に、キリ14の回転によって該締結部材が連れ廻りするような場合には、通常、図16に示すように、該締結部材のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤーやペンチなどの把持工具15で掴んで、締結部材の連れ廻りを阻止する方法が採られるが、この作業を単独で行うことは難しく、且つ、危険が伴うため、複数の作業員を必要とする。
【0013】
特に、上記締結部材のフランジ部11cの形状が皿状に形成されていて、該フランジ部11cを把持工具15で掴むことが不可能な場合(図3参照)や、該締結部材が、その胴部11b側に手が入らないような箇所に締結されている場合には、該締結部の胴部11bを把持工具15で掴んで、該締結部材の連れ廻りを阻止することが難しいため、上述のようなドリルを用いた締結部材の切削作業は極めて難しい。
【0014】
なお、図11(a)、(b)に示したようなネジ締結の場合には、母材1、2から締結部材としてのボルト・ナット3、4やタッピングビス5を比較的容易に取り外せるケースが多いが、この場合においても、例えば、ボルト・ナット3、4やタッピングビス5の螺合部が錆び付いて固着していたり、ネジ山が破損し、ボルト・ナット3、4やタッピングビス5が母材1、2に対して空回りしたり、締結工具(スパナやドライバー)に対する係合部が損傷していたりする場合には、該ボルト・ナット3、4やタッピングビス5の取り外しに多大な困難が伴う。
【0015】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、母材に締結された締結部材を、母材を損傷することなく容易且つ迅速に母材から取り外すことができるできる締結部材の分解方法、及び、この分解方法の実施に使用する締結部材の分解工具を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解方法であって、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、均等間隔な複数の切断群によって、該締結部材の締結部を部分的に切断し、該部分的な切断を、切断箇所をずらしながら複数回繰り返すことによって、該胴部から該フランジ部を分離させ、該母材に締結された該締結部材を該母材から取り外し可能にすることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の分解方法において、上記切断群は、円弧形状の切断部が円周上に等間隔に並んでいる円弧形状群であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または2の分解方法において、上記切断群を構成する各切断箇所の端部の少なくとも一方に重なり合うように、次の切断群を形成することを特徴とするものである。
【0019】
請求項4の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解工具であって、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、該締結部材の締結部に複数の切断群を形成するための切断刃部と、上記母材の締結穴の中心軸方向に沿って、上記締結部材に上記切断刃部の刃先部を食い込ませて、該締結部材の胴部とフランジ部との境界領域にそって該締結部材の締結部を切断する切断力を、該切断刃部に付与する切断力付与手段と、該切断刃部を所定角度回転させるための回転手段とを有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項5の発明は、請求項4の分解工具において、上記切断刃部は、円弧形状の切断刃が円周上に等間隔に並んでいる円弧形状群をした複数の切断刃で構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の分解工具において、上記切断刃の円弧角度は、上記回転手段による回転角度より大きいことを特徴とするものである。
【0022】
請求項7の発明は、請求項4、5、または6の分解工具において、上記胴部からフランジ部を分離した後に、該胴部とフランジ部とを、上記母材から取り外すための取り外し手段を有することを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、前記締結部材の締結部を分解する分解工具に適用した実施形態について説明する。
なお、本実施形態にかかる分解工具は、前述したピン締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材であれば、どのようなタイプの締結部材であっても分解することが可能であるが、説明の便宜上、ここでは、図13(f)に示したようなブラインドリベット10を分解対象として説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る分解工具19の概略構成を示した説明図である。分解工具19は、把手20、円筒状構造体21、操作ボタン22、23等から構成されている。また、分解工具19は、圧縮空気発生機25とエアーホース24で連結されている。この分解工具19は、圧縮空気によって作動する。
【0025】
図2は、分解工具19の主要部である円筒状構造体21の詳細断面図である。円筒状構造体21は、ピストン26、30、スプリング27、31、パッキン28、接合部29、押さえ棒32、ピストン30に固定されている凸部33、切断刃群34、アタッチメント40等から構成されている。また、エアーバルブ24vの切替動作によって、圧縮空気がエアホース24a、24bを通って、ピストン室51、52に供給されるようになっている。エアーバルブ24vは分解工具19の内部に配設されており、操作ボタン22、23に連動して動作が切り替わるようになっている。
また、ピストン30の先端には、切断刃群34が形成されている。切断刃群34は、摩耗時の交換を考慮し、ピストン30と一体ではなく、交換可能に取り付けられている方が望ましい。そして、円筒状構造体21の内周面には直線状溝部と螺旋状溝部が形成されており、凸部33がこの溝部に沿って動くことにより、ピストン30が等角度で間欠的に回転するようになっている。この回転動作については後に詳述する。
【0026】
図3(a)に、ピストン26と押さえ棒32との接合部29の組立前の詳細図を示す。ピストン26の先端には球部35が形成されている。また、押さえ棒32の上端は半球状の穴部41が形成されており、ピストン26の球部35が入り込む構造になっている。そして、球部35が半球状の穴部41に入っている状態で、二つのジョイント36を、球部35の上部を挟み込むようにしてセットする。その後に、結合板37とネジ38とによって、ジョイント36と押さえ棒32とを結合することにより、ピストン26と押さえ棒32が回動自在に連結される。
図3(b)は、組立後の接合部29を示す。
【0027】
図4(a)は、図2中の矢印G方向から見たピストン30及び切断刃群34の図を示す。図4(a)に示すように、切断刃群34は、例えば、直径4.8mmの円周において中心角45度に対応する円弧状切断刃34aを、45度づつ間隔をあけて4個円周上に配列した構成になっている。なお、円周上に配列した切断刃群34の直径は4.8mmであって、母材1の締結穴1aの穴径4.9mmよりも小さくなっている。母材1を損傷させないためである。
【0028】
次に、分解工具19によって、締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って複数の切断群を形成する動作について、図1と図2とを用いて説明する。
まず、操作ボタン22を押圧すると、エアーバルブ24vの切替動作によって圧縮空気がエアホース24bを通って、ピストン室52の中に入る。ピストン室52はパッキン28で密閉されている為、ピストン30は圧縮空気の力によって図2中のF方向に押し出される。ピストン30は、アタッチメント40の内面にあるストッパーD1、D2に突き当たるまで動く。
そして、操作ボタン22の押圧を解除すると、エアーバルブ24vの切替動作によって、ピストン室52の圧縮空気はエアホース24bを通って排気ポート24cから抜けていく。この為、ピストン30はスプリング31の力により、ストッパーC1、C2に当たる位置まで戻る。
【0029】
ここで、ピストン30の等角度間欠回転動作について説明する。
図5は、円筒状構造体21の内面展開図である。円筒状構造体21の内面には、ピストン30の外周面に配設されている円柱状の凸部33の外径よりも若干広い幅の溝部が形成されている。45度間隔に8箇所の直線状溝部53a〜53hと、これらの直線状溝部53a〜53hをつなぐような形で螺旋状溝部54a〜54hとが形成されている。また、直線状溝部53a〜53hと螺旋状溝部54a〜54hの分岐点42a〜42hには、それぞれ板バネ39a〜39hが配設されている。凸部33はピストン30に固定されているので、凸部33が直線状溝部53a〜53hと螺旋状溝部54a〜54hに沿って移動することに伴って、ピストン30を等角度で間欠的に回転させることができる。
【0030】
直線状溝部53aから53bに沿って凸部33及び凸部33を支持しているピストン30が移動する動作について、図1、2、及び、5によって説明する。
まず、操作ボタン22を押圧すると、ピストン室52に空気圧が加わり、ピストン30を直線状溝部53aに沿ってまっすぐに押し出す。このとき、分岐点42aに配設された板バネ39aの先端部は、凸部33が通過する方向に対して下流側に向いているので、凸部33が通過する際に弾性変形する。このことによって、凸部33は分岐点42aをそのまま通過する。そして、ピストン30はアタッチメント40内面のストッパーD1、D2に突き当たるまで動く。このようにして、操作ボタン22を押圧したときには、ピストン30は回転しないでまっすぐに押し出される。
【0031】
そして、操作ボタン22の押圧を解除すると、ピストン30はスプリング31によって押し戻される。このとき、凸部33は、分岐点42aに配設された板バネ39aによって動きを規制され、図5中X方向に移動し、螺旋状溝部54aに入る。凸部33はピストン30に固定されているので、ピストン30をこの螺旋状溝部54aに沿って回転させる。さらにピストン30が押し戻されると、凸部33は直線状溝部53bに入る。
このような動作によって、ピストン30は直線状溝部53aと53bに対応する角度だけ回転する。即ち、45度回転するのである。
以降、操作ボタン22の押圧と解除を繰り返す度に、ピストン30は押し出されて戻るときに45度回転する。これに伴ってピストン30の先端部に取り付けられた切断刃群34も回転する。
【0032】
次に、母材から締結部材の胴部とフランジ部とを取り外すための、押さえ棒32の動作について、図1と図2とを用いて説明する。
操作ボタン23を押圧すると、エアーバルブ24vの切替動作によって圧縮空気はエアホース24aを通りピストン室51に入る。これにより、ピストン26は図2中のF方向に押し出される。ピストン26は、円筒状構造体21内面のストッパーB1、B2に突き当たるまで動く。なお、ピストン26は、接合部29を介して、ピストン30の中心部を貫通している押さえ棒32と連結している。この為、操作ボタン23の押圧により、押さえ棒32もピストン26に連動して、F方向に動く。
そして、操作ボタン23の押圧を解除すると、ピストン室51の圧縮空気はエアホース24aから排気ポート24cへと抜けていくので、スプリング27の力により、ピストン26は、円筒状構造体21内面のストッパーA1、A2の位置まで戻る。ピストン26に連動して押さえ棒32も、元の位置に戻る。
【0033】
なお、押さえ棒32とピストン30とは、特にピストン室52側において密閉性が要求される為、Oリング等のパッキン28が配設されている。本分解工具19の構造上、パッキン28はスラスト方向の移動に対しては密閉性が良くなければならないが、接合部29により、押さえ棒32はピストン30とともに回動自在であり、パッキン28には回転方向の力が加わらない為、パッキン28の信頼性向上につながる。
【0034】
次に、分解工具19を用いて、ブラインドリベット10を分解する場合の動作について説明する。
図6は、分解工具19の切断刃群34により、ブラインドリベット10のフランジ部11cと胴部11bとの胴部軸方向の境界領域に沿って、ブラインドリベット10の締結部を切断している状態の断面図を示す。分解工具19のアタッチメント40の開口部内径は、例えば9.7mmで、ブラインドリベット10のフランジ部11cの外径9.6mmよりもごく僅かに大きくなっている。
まず、図6に示すように、フランジ部11cがアタッチメント40の中に入り込むように、上部から押さえて分解工具19をセットする。しかる後に操作ボタン22を押圧すると、圧縮空気によってピストン30が押し出され、ピストン30の先端に取付けられている切断刃群34はフランジ部11cを均等間隔で部分的に切断する。ここで、ピストン30はストッパーD1、D2でストロークを規制されている為、母材1、2を損傷することはない。第一回の切断加工終了後、操作ボタン22の押圧を解除する。そうすると、切断刃群34は45度回転しながら戻る。さらに操作ボタン22を押圧すると、切断刃群34は、第一回目の切断箇所から45度ずれた部分を切断する。
以上のように、操作ボタン22の押圧と解除を少なくとも二回繰り返すことによって、フランジ部11cに切断刃群34に対応した円周状切断部43が形成される。このことによって、フランジ部11cと胴部11bは切断される。
【0035】
図7(a)は、分解工具19による操作ボタン22の1回の操作で、フランジ部11cに4ヶ所の切断群を形成したことを示す上面図である。また、図7(b)は、操作ボタン22を少なくとも二回操作することにより、フランジ部11cに円周状切断部43が形成されたことを示す上面図である。
【0036】
フランジ部11cに円周上切断部43が形成されることによって、フランジ部11cと胴部11bは切断される。しかし、胴部11bは母材1、2の貫通孔1a、2aに圧接される形で留まっているので、強制的に取り外す必要がある。図8は、分解工具19の押さえ棒32によって、胴部11bを取り外していることを示す説明図である。
フランジ部11cに円周状切断部43が形成された後に、操作ボタン23を押圧すると、押さえ棒32が押し出され、胴部11bへ力を加える。すると、押さえ棒32の加圧力により、フランジ部11cを残したまま、胴部11bとマンドレル12aは取り外される。
【0037】
以上のような構成および動作によって、ブラインドリベット10は分解し、母材1、2の締結は解除される。
従来の分解方法では、分解が困難であった為に、被締結部材の再利用や締結部材のリサイクルが難しかったが、本発明の分解工具19を使用することによって、容易に締結部材と被締結部材とを分解することができるので、被締結部材の再利用と締結部材のリサイクルが可能となり、環境保護、省資源に役立つことができる。
【0038】
なお、上記分解工具19の切断刃群34及びアタッチメント40は交換可能になっている。したがって、切断刃群の形状や、アタッチメントの先端開口部の内径、ストッパー部の位置等を変更することができる。このことによって、大きさの異なるリベットにも使用することが可能である。また、他の締結部材、例えばピンかしめ、バーリングかしめ等にも使用可能である。図9はピンかしめに応用した例を示し、また、図10はバーリングかしめに応用した例を示している。
さらに、本実施形態においては、切断刃群34を締結部材に加圧する手段として圧縮空気を用いたが、他の加圧手段、例えば油圧、スプリング等によることも可能である。
【0039】
〔変形例1〕
上記実施形態1においては、切断刃34aとして円弧角度が45度のものを用いたが、異なる円弧角度の切断刃を用いることもできる。図4(b)は、切断刃の円弧角度が60度である切断刃34bを用いた例を示す。切断刃34bは4枚等間隔で配設されている。回転手段による一回当たりの回転角度は45度であるので、切断刃34bの円弧角度の方が大きくなっている。したがって、第2回目の切断加工のときに、第一回目の切断群による切断箇所の両端部をそれぞれ7.5度ずつオーバーラップして加工することが可能となる。このように、切断刃の円弧角度を回転角度よりも大きくすることにより、、第一回目の切断群による切断箇所の両端部をオーバーラップして加工することができる。このことによって、切断箇所の端部における切断不良の発生を防止し、より確実な切断加工を行うことができる。
【0040】
〔変形例2〕
上記実施形態1における上記切断刃群34の回転角度は45度であるが、これ以外の回転角度であっても良い。例えば、切断刃の円弧角度を60度として、3枚の切断刃を均等間隔で配設した場合には、切断刃群の回転角度を60度とすることによって、二回の切断加工でブラインドリベットのフランジ部と胴部を切断することができる。
このように、切断刃群の回転角度は、切断刃の円弧角度と刃の個数とによって、適宜に選択することができる。なお、回転角度は、円筒状構造体21内周面の直線状溝部の間隔によって決められる。
【0041】
〔変形例3〕
上記実施形態1においては、円筒状構造体21の内周面に溝部を形成した構成について説明した。しかし、ピストン30の外周面に同様な溝部を形成して、この溝部の分岐点に板バネを配設し、凸部33を円筒状構造体21の内周面に固定する構成としても、ピストン30を間欠的に回転させることができる。このことによって、円筒状構造体21の内周面に溝部を加工する必要がなく、ピストン30の外周面に溝加工をすれば良いため、機械加工のコストを低減させることができる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1、2、または、3の発明によれば、上記締結部材の胴部とフランジ部との境界領域に沿って、該締結部材の締結部が複数の切断群によって切断されることにより、該胴部から該フランジ部が分離されて、該母材に締結された該締結部材が該母材から取り外し可能となるので、該締結部材の分解時に、該締結部材が空回りしたり、母材が損傷されたりすることがなく、母材から該締結部材を容易且つ迅速に取り外せるという優れた効果がある。
【0043】
特に、請求項2の発明によれば、上記切断群は円弧形状の切断部が円周上に等間隔に並んでいる円弧形状群であるため、複数回繰り返して切断群を形成すると、上記締結部材の締結部が円周状に切断される。このことによって、上記締結部材の上記胴部と上記フランジ部を容易に分離することができるという優れた効果がある。
【0044】
特に、請求項3の発明においては、上記切断群の切断箇所の端部の少なくとも一方に重なり合うように次の切断群を形成する。したがって、切断箇所の端部に切断不良が発生したとしても、繰り返し切断することにより切断不良個所を切断することができる。このことにより、上記締結部材の上記胴部と上記フランジ部を確実に分離することができるという優れた効果がある。
【0045】
請求項4乃至7の発明によれば、切断刃部を所定角度づつ回転させながら、締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、該締結部材の締結部が複数の切断群によって切断されることにより、該胴部から該フランジ部が分離されて、該母材に締結された該締結部材が該母材から取り外し可能となるので、該締結部材の分解時に、該締結部材が空回りしたり、母材が損傷されたりすることがなく、母材から該締結部材を容易且つ迅速に取り外せるという優れた効果がある。
【0046】
特に、請求項5の発明においては、円弧形状をした複数の切断刃で構成された切断刃部を所定角度ずつ回転させながら、上記境界領域に沿って上記締結部材の締結部を複数回切断し、最終的に円周状に切断する。したがって、一回で切断する円筒状の切断刃に比べて、切断に要する力は少なくて済み、切断刃の傷みも少ない。このことによって、上記締結部材の上記胴部と上記フランジ部を確実に分離するとともに、切断刃の寿命の長い分解工具を提供することができるという優れた効果がある。
【0047】
特に、請求項6の発明においては、上記切断刃の円弧角度が上記回転手段による回転角度より大きいため、切断群の切断箇所の端部に重なり合うように、次の切断群による切断をすることになる。したがって、切断箇所の端部に切断不良が発生しても、繰り返し切断することにより切断不良個所を切断することができる。このことによって、上記締結部材の上記胴部と上記フランジ部を確実に分離することができるという優れた効果がある。
【0048】
特に、請求項7の発明においては、上記分解工具が取り外し手段を有しているので、上記締結部材の上記胴部と上記フランジ部とを分離した後に、該分解工具によって該胴部とフランジ部とを上記母材から容易且つ迅速に取り外すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る分解工具の概略構成図。
【図2】分解工具の主要部の詳細断面図。
【図3】分解工具の接合部の詳細図。
【図4】(a)及び(b)は、切断刃群の構成を示す説明図。
【図5】分解工具の円筒状構造体の内面展開図。
【図6】分解工具で締結部材を切断していることを示す説明図。
【図7】(a)及び(b)は、締結部材に切断加工をする過程の説明図。
【図8】分解工具で、締結部材の胴部を取り外していることを示す説明図。
【図9】分解工具をピンかしめに使用していることを示す説明図。
【図10】分解工具をバーリングかしめに使用していることを示す説明図。
【図11】(a)、(b)は、ネジ締結について説明するための要部断面図。
【図12】(a)、(b)は、ピン締結について説明するための要部断面図。
【図13】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、リベット締結について説明するための要部断面図。
【図14】(a)、(b)、(c)、(d)は、ブラインドリベットの母材への締結手順を示す行程図。
【図15】チューブラーリベットについて説明するための要部断面図。
【図16】従来の締結部材の分解方法について説明するための概略断面図。
【図17】従来の締結部材の分解方法の不具合について説明するための概略断面図。
【符号の説明】
1、2 母材
1a、2a 母材1、2の締結穴
10 ブラインドリベット
11 リベットボディ
11a リベットボディ11の軸穴
11b リベットボディ11の胴部
11c リベットボディ11のフランジ部
12 マンドレル
19 分解工具本体
20 把手
21 円筒状構造体
22、23 操作ボタン
24、24a、24b エアーホース
24c 排気ポート
25 圧縮空気発生機
26、30 ピストン
27、31 スプリング
28 パッキン
29 接合部
32 押さえ棒
33 凸部
34 切断刃群
34a、34b 切断刃
35 ピストン26先端の球部
36 ジョイント
37 結合板
38 ネジ
39a〜39h 板バネ
40 アタッチメント
41 押さえ棒上端の半球状の穴部
42a〜42h 分岐点
43 円周状切断部
51、52 ピストン室
53a〜53h 直線上溝部
54a〜54h 螺旋状溝部

Claims (7)

  1. 母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解方法であって、
    上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、均等間隔な複数の切断群によって、該締結部材の締結部を部分的に切断し、
    該部分的な切断を、切断箇所をずらしながら複数回繰り返すことによって、該胴部から該フランジ部を分離させ、
    該母材に締結された該締結部材を該母材から取り外し可能にすることを特徴とする締結部材の分解方法。
  2. 請求項1の分解方法において、
    上記切断群は、円弧形状の切断部が円周上に等間隔に並んでいる円弧形状群であることを特徴とする分解方法。
  3. 請求項1または2の分解方法において、
    上記切断群を構成する各切断箇所の端部の少なくとも一方に重なり合うように、次の切断群を形成することを特徴とする分解方法。
  4. 母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解工具であって、
    上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、該締結部材の締結部に複数の切断群を形成するための切断刃部と、
    上記母材の締結穴の中心軸方向に沿って、上記締結部材に上記切断刃部の刃先部を食い込ませて、該締結部材の胴部とフランジ部との境界領域にそって該締結部材の締結部を切断する切断力を、該切断刃部に付与する切断力付与手段と、
    該切断刃部を所定角度回転させるための回転手段とを有することを特徴とする分解工具。
  5. 請求項4の分解工具において、
    上記切断刃部は、円弧形状の切断刃が円周上に等間隔に並んでいる円弧形状群をした複数の切断刃で構成されていることを特徴とする分解工具。
  6. 請求項5の分解工具において、
    上記切断刃の円弧角度は、上記回転手段による回転角度より大きいことを特徴とする分解工具。
  7. 請求項4、5、または6の分解工具において、
    上記胴部からフランジ部を分離した後に、該胴部とフランジ部とを、上記母材から取り外すための取り外し手段を有することを特徴とする分解工具。
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