JP3838452B2 - 自動二輪車等小型車両用水冷式内燃機関の冷却水通路構造 - Google Patents

自動二輪車等小型車両用水冷式内燃機関の冷却水通路構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車等の小型車両に搭載される水冷式内燃機関の冷却水通路構造に関し、特に寒冷時の内燃機関の暖機性を向上させ、気化器のアイシングを防止するとともに、冷却水の循環効率を改善した水冷式内燃機関の冷却水通路構造に関する。
【0002】
【従来技術、発明が解決しようとする課題】
従来の自動二輪車等小型車両用水冷式内燃機関の冷却水通路構造であって、特に寒冷時の内燃機関の暖機性を向上させたものとして、実公平8−5328号公報に記載されたものがある。このものにおいては、図10に図示されるように、内燃機関00のウオータージャケット062 の上部の出口部に取り付けられ、該ウオータージャケット062 からの冷却水の温度が設定値以上の時に移動してラジエータ側出口を開くバルブ部材050 と、前記バルブ部材050 の移動に連動して該バルブ部材050 の上流側に設けられた気化器側出口042 を閉じる補助バルブ部材051 とを有するサーモスタット弁039 と、気化器本体を加温する冷却水を流通させるために該気化器本体の燃料供給口の近傍に形成された通路043bを有する気化器053 と、前記サーモスタット弁039 の気化器側出口042 と前記気化器039 の通路043bの入口との間を接続する往きバイパス通路043aと、前記気化器053 の通路043bの出口と前記サーモスタット弁039 からラジエータ036 へ至る冷却水流路041 の途中との間を接続する戻りバイパス通路043cとを備え、ウオータージャケット062 からの冷却水の温度が設定値以下の時、前記サーモスタット弁039 の補助バルブ部材051 が開くことにより、前記ウオータージャケット062 からの冷却水を前記気化器053 の前記通路043bを通して流通させて、前記気化器053 を加温するようにしている。なお、027 は冷却水ポンプ、063 はフィルタ、064 は吸気通路、065 はエアフィルタである。
【0003】
前記従来のものは、前記のように構成されているので、寒冷時、内燃機関00のウオータージャケット062 からの冷却水の温度が設定値以下になると、シリンダやシリンダヘッドを冷却して温度上昇したウオータージャケット062 内の冷却水(加温水)が気化器本体の燃料供給口の近傍に形成された通路043bを流れて、該燃料供給口を加温するので、燃料が該燃料供給口から吸気通路064 内に噴出して気化するとき、周囲から気化潜熱を奪って該燃料供給口近傍が冷え過ぎの状態になるようなことがなくなり、エンジンの暖機性が改善される。
【0004】
しかしながら、図10に図示された従来の水冷式内燃機関00では、気化器053 を出た冷却水は、戻りバイパス通路043cから冷却水流路041 を流れてラジエータ036 へ至り、そこで放熱するため、冷却水の温度上昇が遅れ、それだけ気化器053 の加温が遅れて加温効率が悪くなり、内燃機関00を始動するのに時間を要していた。また、冷却水は、小径の往きバイパス通路043a、気化器本体の燃料供給口の近傍に形成された通路043b、戻りバイパス通路043cを介してラジエータ036 から冷却水ポンプ027 へ戻るため、通路抵抗が大きく、冷却水ポンプ027 の負担が大きくなり、冷却水の循環効率が良いとはいえない。このため、ウオータージャケット062 内で部分的に冷却水温が高くなってしまっていた。さらに、バイパスホースが長くなるという問題があった。
【0005】
また、他の従来例として、寒冷時、内燃機関のウオータージャケットからの冷却水の温度が設定値以下となると、冷却水をサーモスタット弁から冷却水ポンプへ還流させて、ラジエータからの放熱を防ぎ、内燃機関の暖機を促進させて始動性を改善したものがある。
【0006】
しかしながら、このものにおいては、気化器の加温手段を備えないため、燃料が気化器の燃料供給口から吸気通路内に噴出して気化するとき、周囲から気化潜熱を奪って該燃料供給口近傍が冷え過ぎの状態になり、このため、エンジンの暖機性が悪化するという難点があった。また、サーモスタット弁を内燃機関に組付けるに当たって、組付け誤りを生じやすく、配管接続の誤りを生じやすい。これを避けるために、サーモスタット弁に位置決め用のリブや壁を形成するようにすると、それだけ余計に材料を消費することになるとともに、流路の形状に変更を生じさせて、冷却水の流れに悪影響を及ぼすことがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような難点を克服した自動二輪車等小型車両用水冷式内燃機関の冷却水通路構造の改良に係り、その請求項1に記載された発明は、小型車両に搭載された水冷式V型内燃機関からサーモスタット弁、ラジエータを経て冷却水ポンプへ冷却水を還流し、内燃機関へ冷却水を圧送する冷却水ポンプを備えた自動二輪車等小型車両用水冷式V型内燃機関の冷却水通路構造において、サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路と、サーモスタット弁から気化器へ導水する通路と、気化器から冷却水ポンプへ導水する通路とを備えており、前記気化器はVバンク内に配置され、サーモスタット弁は気化器下方かつVバンク内に配置され、冷却水ポンプはサーモスタット弁下方かつクランク軸上方に配置されたものであって、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路を接続する冷却水吐出口とサーモスタット弁から気化器へ導水する通路を接続する冷却水吐出口とをサーモスタット弁の補助弁下流相当部でサーモスタットケースに設け、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路を接続する冷却水吐出口の通路径を前記サーモスタット弁から気化器へ導水する通路を接続する冷却水吐出口の通路径より大とし、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路をVバンク内を経由するように配置したことを特徴とする自動二輪車等小型車両用水冷式V型内燃機関の冷却水通路構造である。
【0008】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、寒冷時、内燃機関のウオータージャケットからの冷却水の温度が設定値以下になると、冷却水が、サーモスタット弁から気化器へ導水する通路、気化器から冷却水ポンプへ導水する通路を流れて気化器を加温するが、この間ラジエータを経由しないので放熱することがなく、気化器の加温が効率よく短時間に行なわれて、内燃機関の暖機性が改善される。また、冷却水の循環は、気化器を巡る通路(サーモスタット弁から気化器へ導水する通路、気化器から冷却水ポンプへ導水する通路)とサーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路との並列回路により行なわれるので、確実に効率よく行なわれる。さらに、気化器を巡る通路のほかに、サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路を設けたので、該通路ホース径を自由に設計できて、冷却機能を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、サーモスタット弁を内燃機関に組み付けるに当たって、温度センサーや該温度センサー取付部を該サーモスタット弁の位置決め手段として利用できるので、組付け誤りや配管接続の誤りを生じさせることがなく、また、従来、組付け誤りや配管接続の誤りを生じさせないためにサーモスタット弁に形成されていた位置決め用のリブや壁が不要となるので、サーモスタット弁に駄肉を付けずに済み、この結果、これを軽量化できるとともに、内部流路の形状に変更を生じさせて流れに悪影響を及ぼすようなこともなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、先ず、図1ないし図8に図示された本願の請求項1および請求項2記載の発明の一実施形態(以下、実施形態1という。)について説明する。
本実施形態において、自動二輪車0に搭載される水冷式4ストロークサイクル内燃機関1は、火花点火式前後V型2気筒内燃機関であり、該水冷式4ストロークサイクル内燃機関1は、ボルトナット3により自動二輪車0のフレーム2に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0012】
また、前記自動二輪車0のフレーム2の前端には、フロントフォーク4が左右に旋回自在に取り付けられ、該フロントフォーク4の下端に前車輪5が回転自在に枢着され、前記フレーム2の後部に上下に揺動自在にリヤフォーク6の前端が取り付けられ、該リヤフォーク6の後端に後車輪7が回転自在に枢着され、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1に内蔵された変速機(図示されず)の出力軸8と後車輪7とは、チェン伝動機構9を介して接続されており、後車輪7は、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の動力でもって回転駆動されるようになっている。
【0013】
さらに、クランクケース10の上方にシリンダブロック11およびシリンダヘッド12が順次重ねられて相互に一体に結合されるとともに、クランクケース10の下方にオイルパン13が取り付けられ、シリンダブロック11に形成された図示されないシリンダ孔にピストン(図示されず)が上下に摺動自在に嵌着され、該ピストンとクランク軸14とは、図示されないコネクティングロッドを介して相互に連結されており、ピストンの昇降に伴ってクランク軸14は回転駆動されるようになっている。
【0014】
さらにまた、図3に図示されるように、クランク軸14の右端に出力歯車15およびクランク角度を検出する図示されないパルサーの点火時期検出用ロータ16がスプライン嵌合され、該クランク軸14の右端に螺着されるボルト17でもって、出力歯車15および点火時期検出用ロータ16は、クランク軸14に一体に取り付けられるようになっている。
【0015】
しかも、クランク軸14の後方に位置して、クランクケース10およびシリンダブロック11にメインシャフト18(図2参照)が回転自在に枢支され、該メインシャフト18に設けられた図示されないクラッチのアウターが前記出力歯車15に噛合され、該メインシャフト18と出力軸8とに図示されない減速歯車列が介装されており、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1が運転状態に設定されるとともに、クラッチが接続状態に設定されると、所定の変速比で出力軸8が回転駆動されるようになっている。
【0016】
また、前記出力歯車15の内側に位置して、順次冷却水ポンプ駆動部材たる冷却水ポンプドライブスプロケット19と、図示されない動弁系のバルブドライブスプロケット20とがクランク軸14に一体に形成され、該バルブドライブスプロケット20に隣接して、チェンテンショナー21の下端がスリーブ22を介してボルト23によってシリンダプロック11に揺動自在に枢支されており、該チェンテンショナー21により、バルブドライブスプロケット20に巻掛けられているカムチェーンが緩みなく張られるようになっている。
【0017】
さらに、クランク軸14より斜上前方であって、2気筒のなす前後V型配列のVバンクの略谷底部に位置して、冷却水ポンプ従動部材たる冷却水ポンプドリブンスプロケット24の軸筒部25がシリンダブロック11の右側壁に回転自在に嵌装され、図4に図示されるように、該冷却水ポンプドリブンスプロケット24の外周部は、ポンプ回転軸29に沿い外方から内方に見て出力歯車15の外周部より出力歯車15の中心側に張り出す大きさに設定され、クランクケース10およびシリンダブロック11の右端部を覆う右方カバー26には、該冷却水ポンプドリブンスプロケット24より軸方向外方に位置して冷却水ポンプ27の軸支部28が形成され、該冷却水ポンプ27のポンプ回転軸29は、ベアリング30およびシール31、32を介して該軸支部28に回転自在かつ油水密に枢支され、該ポンプ回転軸29の内端は、冷却水ポンプドリブンスプロケット24の軸筒部25にスプライン嵌合され、前記冷却水ポンプドライブスプロケット19と冷却水ポンプドリブンスプロケット24とに無端チェン33が架渡されており、クランク軸14が回転すると、ポンプ回転軸29が回転駆動されるようになっている。
【0018】
さらに、前記ポンプ回転軸29の外端に冷却水ポンプ27のインペラ34が一体に嵌着され、前記右方カバー26と該右方カバー26に着脱自在に装着されるポンプカバー35とでポンプ内空間が形成され、前記冷却水ポンプ27の第1吸入口47は、自動二輪車0の前方のラジエータ36の底部に図示されない冷却水ホースを介して接続されるとともに、該冷却水ポンプ27の吐出口(図示されず)は、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12に形成されている図示されないウォータジャケットの底部に接続されており、ラジエータ36で冷却された冷却水は、冷却水ポンプ27によってシリンダブロック11およびシリンダヘッド12のウォータジャケットに供給されるようになっている。
【0019】
さらにまた、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12に形成されている、図示されないウォータジャケットの頂部に、図6に図示されるように、冷却水吐出部37が形成され、該冷却水吐出部37に冷却水ホース38の一端が接続されるとともに、該冷却水ホース38の他端は、前記Vバンクの谷間に配置された図7に詳細に図示されるサーモスタット弁39の冷却水吸入部40に接続され、該サーモスタット弁39の第1冷却水吐出部41は、図示されない冷却水ホースを介してラジエータ36の頂部に接続されており、冷却水温度が所定温度以下の状態では、サーモスタット弁39の主バルブ50が閉じ、冷却水吸入部40と第1冷却水吐出部41とは遮断され、冷却水温度が該所定温度以上に上昇した状態になると、サーモスタット弁39の主バルブ50が開き、冷却水吸入部40と第1冷却水吐出部41とは連通され、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1のウォータジャケット内で高温に加熱された冷却水がラジエータ36に供給され、該ラジエータ36にて冷却されるようになっている。なお、図7において、62はワックス等が収容されたサーモスタット弁39の感温部である。
【0020】
しかも、サーモスタット弁39のハウジング側壁には、さらに、第2冷却水吐出部42、第3冷却水吐出部52が形成されており、これらの各吐出部は、冷却水温度が所定温度以下の状態では、サーモスタット弁39の主バルブ50が閉じるのに連動して補助バルブ51が開くことにより、冷却水吸入部40と連通され、冷却水温度が該所定温度以上に上昇した状態になると、サーモスタット弁39の主バルブ50が開くのに連動して補助バルブ51が閉じることにより、冷却水吸入部40とは遮断されるようになっている。
【0021】
そして、該第2冷却水吐出部42は、ホース43を介して気化器53(図2参照)の加温装置ジャケットの入口54に接続されており、該第3冷却水吐出部52は、前記Vバンクの谷間を越えて略垂直に垂下するホース55を介してシリンダブロック11の右側壁に設けられた冷却水ポンプ27の第2吸入口48に接続されている。さらに、気化器53の加温装置ジャケットの出口(図示されず)は、ホース56を介して冷却水ポンプ27の第3吸入口49に接続されており、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の低温始動時に、そのウォータジャケット内で加熱された冷却水が気化器53のジャケットに供給されて、気化器53内の低速燃料供給口近傍を加熱し、該低速燃料供給口の結氷が阻止されるようになっている。
【0022】
さらに、サーモスタット弁39の冷却水吸入部40と連通する室57を囲む該弁ハウジング側壁には、冷却水の温度を検出する温度センサー58、59を取り付ける温度センサー取付部44が形成されており(図6ないし図8参照)、該温度センサー58、59の頭部端面58a 、59a や取付部44の側面44a を利用して、該サーモスタット弁39を水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の固定部材(図示されず)に対し位置決めするようにされている。ここで、前記2個の温度センサー58、59のうちの1個は、計器盤の警告灯点灯用のものであり、他の1個は、点火制御用のもので、冷却水温が低い場合に遅角させるためのものである。なお、44b 、44c は、取付部44に形成された温度センサー取付用の孔である。
【0023】
また、図2に図示されるように、オイルポンプ45がクランクケース10の右側壁に設けられ、該オイルポンプ45は、チェン伝動機構46を介してメインシャフト18のクラッチアウタ(図示されず)に連結されており、クランク軸14が回転すると、オイルポンプ45が回転駆動されるようになっている。
【0024】
本実施形態は、前記のように構成されているので、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1が通常運転状態になって、クランク軸14が回転すると、冷却水ポンプドライブスプロケット19、無端チェン33および冷却水ポンプドリブンスプロケット24を介してポンプ回転軸29とインペラ34が回転駆動され、ラジエータ36内の冷却水が冷却水ポンプ27の第1吸入口47から該冷却水ポンプ27に吸入されて、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1のシリンダブロック11およびシリンダヘッド12のウォータジャケットに供給され、この冷却水によって、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12は適正な温度に冷却される。
【0025】
そして、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12のウォータジャケット内にて加熱された冷却水は、冷却水吐出部37から冷却水ホース38、冷却水吸入部40を介してサーモスタット39内の室57に流入し、開位置にある主バルブ50を経てラジエータ36へ環流され、該ラジエータ36で再び冷却される。
【0026】
しかして、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の始動時にて、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12が高温に加熱されていない状態では、サーモスタット弁39の主バルブ50が閉じ、冷却水吸入部40と第1冷却水吐出部41とは遮断され、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12内の冷却水はラジエータ36に供給されることはなく、ラジエータ36による冷却水の放熱は停止される。
【0027】
そして、水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の始動時には、前記のとおり、サーモスタット弁39の主バルブ50が閉じるのに連動して補助バルブ51が開き、第2冷却水吐出部42が冷却水吸入部40と連通されるので、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12のウォータジャケット内で或る程度加熱された冷却水は、ホース43を介して気化器53のジャケット入口54に供給され、該気化器53のジャケット出口(図示されず)からホース56を介して冷却水ポンプ27の第3吸入口49に連通されて循環するので、燃料の気化による気化器53内の燃料供給口近傍の氷結が、この温冷却水の循環による加熱によって阻止される。
【0028】
同時に、第3冷却水吐出部52も冷却水吸入部40と連通されるので、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12のウォータジャケット内で或る程度加熱された冷却水の大部分は、ホース55を介して冷却水ポンプ27の第2吸入口48から該冷却水ポンプ27に吸入され、前記ウォータジャケット内に再び還流されるので、ラジエータ36をバイパスしながら良好に循環が行なわれ、かつ、水冷式4ストローク内燃機関1の暖機が促進される。さらに、この還流量を適切に調節して冷却機能を向上させるのに、該ホース55の径を自由に設計できる。
【0029】
また、サーモスタット弁39の温度センサー取付部44に取り付けられた温度センサー58、59の頭部端面58a 、59aや取付部44の側面44a を利用して、該サーモスタット弁39を水冷式4ストロークサイクル内燃機関1の固定部材(図示されず)に対し位置決めするようにしたので、サーモスタット弁39の組付け誤りや配管接続の誤りを生じさせるようなことがなくなるとともに、サーモスタット弁39の位置決めのための余計なリブや壁を該サーモスタット弁39に形成する必要がなくなり、この結果、サーモスタット弁39に駄肉を付けずに済み、これを軽量化できるとともに、内部流路の形状に変更を生じさせて流れに悪影響を及ぼすようなこともなくなる。
【0030】
また、ポンプ回転軸29が軸筒部25にスプライン嵌合されているため、ポンプカバー35を右方カバー26に装着し、かつ、冷却水ポンプドライブスプロケット19と冷却水ポンプドリブンスプロケット24とに無端チェン33を架渡したまま、右方カバー26をシリンダブロック11から取り外すだけで、ポンプ回転軸29を軸筒部25から引抜き、冷却水ポンプ27の保守、点検、整備を頗る簡単に能率良く遂行することができる。
【0031】
さらに、ポンプ回転軸29を軸筒部25から引き抜く際に、軸筒部25と一体の冷却水ポンプドリブンスプロケット24が出力歯車15に引掛かり、軸筒部25がシリンダブロック11の側壁より脱落することがない。
【0032】
また、ポンプ回転軸29は、軸筒部25とこれより離れたベアリング30とで枢支されているため、ポンプ回転軸29およびインペラ34は首振り運動することなく、安定して回転することができる。
【0033】
さらにまた、冷却水ポンプ27は、クランクケース10に設けられているオイルポンプ45と離れてシリンダブロック11に設けられているため、冷却系統の流路長が短縮されて、冷却水ポンプ27の負荷が軽減され、冷却水ポンプ27の小型化が可能となる。
【0034】
しかも、サーモスタット弁39、冷却水ポンプ27、これらの間を直接に連通するホース55は、2気筒のなす前後V型配列のVバンクの谷間部ないし略谷底部に配置されているので、狭い空間を有効に利用して、これらをコンパクトに纏めることができるとともに、ホース55は、サーモスタット弁39との接続部を除いて略直線的に配管できることとなり、しかも短い配管で済むので、パイピングが簡素化され、冷却水ポンプ27の小型化がさらに可能となり、軽量化とコストダウンをさらに図ることができる。
【0035】
本実施形態においては、クランク軸14と一体の冷却水ポンプドライブスプロケット19と、ポンプ回転軸29にスプライン嵌合されている冷却水ポンプドリブンスプロケット24とを無端チェン33でもって連結したが、このチェン伝動機構は、歯車伝動機構に換えられてもよい。
【0036】
また、本実施形態においては、1つの気化器53を冷却水で加温する場合を示したが、複数の気化器53、53・・・を冷却水で加温するようにすることも可能であり、この場合には、前記1つの気化器53を冷却水で加温する場合に採用された気化器53を巡る配管系統(第2冷却水吐出部42、ホース43、ホース56、冷却水ポンプ27の第3吸入口49)を複数並列に設けるか、ホース部分のみを複数系統に分岐させるか、ホース43から複数気化器53、53・・・の加温装置を貫流させて、ホース56より冷却水ポンプ27に還流させるようにすることにより、容易に行なうことができる。
【0037】
次に、図9に図示された本願の請求項3記載の発明の一実施形態について説明する。
本実施形態においては、前記実施形態1におけるサーモスタット弁39のハウジング側壁に形成された第2冷却水吐出部42、第3冷却水吐出部52が纏められて1つの冷却水吐出部60とされている。そして、該冷却水吐出部60にY字型ホース61が接続され、その一方の分岐部61a が、該冷却水吐出部60から吐出される冷却水を気化器53へ導き、また、他方の分岐部61b が、同冷却水を冷却水ポンプ27へ還流させるようになっている。なお、このY字型ホース61に換えて、Y字型やT字型のジョイントが使用されてもよい。その他の構成は、実施形態1におけると同様である。
【0038】
本実施形態は、前記のように構成されているので、サーモスタット弁39の配管接続部の構造ならびにホースのパイピングが簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2記載の発明の実施形態における冷却水通路構造を備えた水冷式内燃機関と、その内燃機関を搭載した自動二輪車の左側面図である。
【図2】図1の要部右側面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿って截断した断面図である。
【図4】右方カバーを外した状態の図3の要部拡大右側面図である。
【図5】図2の要部拡大右側面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿って截断した一部横断平面図である。
【図7】図6のVII −VII 線に沿って截断したサーモスタット弁の概略縦断面図である。
【図8】図6のA方向から見た温度センサー取付部および該温度センサーの側面図である。
【図9】本願の請求項3記載の発明の実施形態における冷却水通路構造を備えた水冷式内燃機関の一部横断平面図であって、図6と同様の図である。
【図10】従来の小型車両用水冷式内燃機関の冷却水通路構造を示す図である。
【符号の説明】
0…自動二輪車、1…水冷式4ストロークサイクル内燃機関、2…フレーム、3…ボルトナット、4…フロントフォーク、5…前車輪、6…リヤフォーク、7…後車輪、8…出力軸、9…チェン伝動機構、10…クランクケース、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…オイルパン、14…クランク軸、15…出力歯車、16…点火時期検出用ロータ、17…ボルト、18…メインシャフト、19…冷却水ポンプドライブスプロケット、20…バルブドライブスプロケット、21…チェンテンショナー、22…スリーブ、23…ボルト、24…冷却水ポンプドリブンスプロケット、25…軸筒部、26…右方カバー、27…冷却水ポンプ、28…軸支部、29…ポンプ回転軸、30…ベアリング、31…シール、32…シール、33…無端チェン、34…インペラ、35…ポンプカバー、36…ラジエータ、37…冷却水吐出部(ウォータジャケット)、38…冷却水ホース、39…サーモスタット弁、40…冷却水吸入部、41…第1冷却水吐出部(サーモスタット弁)、42…第2冷却水吐出部(サーモスタット弁)、43…ホース、44…温度センサー取付部、45…オイルポンプ、46…チェン伝動機構、47…第1吸入口、48…第2吸入口、49…第3吸入口、50…主バルブ、51…補助バルブ、52…第3冷却水吐出部(サーモスタット弁)、53…気化器、54…加温装置ジャケット入口、55…ホース、56…ホース、57…室、58…温度センサー、59…温度センサー、60…冷却水吐出部(サーモスタット弁)、61…Y字型ホース、61a …分岐部、61b …分岐部、62…感温部。

Claims (2)

  1. 小型車両に搭載された水冷式V型内燃機関からサーモスタット弁、ラジエータを経て冷却水ポンプへ冷却水を還流し、内燃機関へ冷却水を圧送する冷却水ポンプを備えた自動二輪車等小型車両用水冷式V型内燃機関の冷却水通路構造において、
    サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路と、サーモスタット弁から気化器へ導水する通路と、気化器から冷却水ポンプへ導水する通路とを備えており、前記気化器はVバンク内に配置され、サーモスタット弁は気化器下方かつVバンク内に配置され、冷却水ポンプはサーモスタット弁下方かつクランク軸上方に配置されたものであって、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路を接続する冷却水吐出口とサーモスタット弁から気化器へ導水する通路を接続する冷却水吐出口とをサーモスタット弁の補助弁下流相当部でサーモスタットケースに設け、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路を接続する冷却水吐出口の通路径を前記サーモスタット弁から気化器へ導水する通路を接続する冷却水吐出口の通路径より大とし、前記サーモスタット弁から冷却水ポンプへ導水する通路をVバンク内を経由するように配置したことを特徴とする自動二輪車等小型車両用水冷式V型内燃機関の冷却水通路構造。
  2. 前記サーモスタット弁のハウジングを貫通して温度センサーが取り付けられ、該温度センサーもしくはその取付部が前記サーモスタット弁の位置決め手段とされたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車等小型車両用水冷式V型内燃機関の冷却水通路構造。
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