JP3838250B2 - 積層板及び多層プリント回路板 - Google Patents

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本発明は半導体素子を搭載可能な積層板及び多層プリント回路板に関する。
低熱膨張多層基板としては、セラミックスコア層を有する基板,銅箔にセラミックスを溶射した基板などがあり、面方向の熱膨張率は10ppm/K 以下である。しかし、セラミックス系の場合、スルーホール形成時のドリル加工性に問題がある。一方、有機系の基板においては樹脂系に無機フィラを混入することにより熱膨張率を低減できることが知られている。しかし、この場合には弾性率が大きくなり、必らずしも低応力化を計る上で十分ではない。
従来ゴム系成分を積層材の樹脂成分に添加して低弾性率化を達成できることが知られている(特開昭61−100446号)。この場合、樹脂とゴム系成分を相溶化して可撓性,強靱性にすぐれたフレキシブル基板を提供する。しかし、この場合は低弾性率化には効果があるが熱膨張率が大きくなる傾向がある。
また、海島構造に代表されるマトリックス樹脂成分と相溶性の悪い他成分を組み合わせた樹脂成分を積層板に適用した例としては、基板表面のみに海島構造からなる樹脂成分からなる層を形成して低弾性率化を計り、実装時の熱応力の低減を達成することが提案されている(特開平4−356995号) 。しかし、該方法では基板の面内方向の低熱膨張率化はむずかしく基板全体の特性に及ぼす効果は極めて小さい。
特開昭61−100446号公報 特開平4−356995号公報
本発明は熱膨張率が小さく、かつ低弾性率の熱応力の小さい積層板,多層プリント回路板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。その第1の手段は半導体素
子を搭載可能な積層板において、海島構造を有する樹脂が織布補強材に含浸された絶縁層と、前記絶縁層の両面に形成された銅箔とを有し、該海島構造を有する樹脂は併用する成分の中の少なくとも一成分が非相溶性であり、該絶縁層の面内方向の熱膨張率が3.0 〜10ppm/K ,該絶縁層のガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする積層板。
第2の手段は半導体素子を搭載可能な多層プリント回路板において、海島構造を有する樹脂が織布補強材に含浸された絶縁層と、前記絶縁層の両面に形成された配線層を有し、前記絶縁層及び配線層が2層以上形成され、該海島構造を有する樹脂は併用する成分の中の少なくとも一成分が非相溶性であり、該絶縁層の面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,該絶縁層のガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする多層プリント配線板。
第3の手段は、前記絶縁層が無機質充填材を有することを特徴とする積層板又は多層プリント配線板。
本発明において、半導体素子とはSi,GaAsなどの半導体からなるウエハ上にメモリ,ロジック,カスタム,パワートランジスタなどのIC,LSIを形成し、リード,バンプなどに接続するための端子を有する素子である。該素子はベア,樹脂,セラミックスなどで被覆,封止された状態,テープオートマティックボンデング(TAB)された状態などのパッケージされた状態のものも含む。
本発明において、積層板とは織布補強材に樹脂成分を含浸して得られるプリプレグ,シートなどを少なくとも1枚以上積層して加圧接着成形して得られる構造体である。織布補強材としてはガラス(Eガラス,Sガラス,Dガラス,Qガラスなど),チタンなどの無機系繊維からなるクロス,シート,ポリアミド,ポリアミドイミド,ポリイミド,液晶性ポリマ,アラミドなどの有機系繊維からなるクロス,シート,カーボン繊維からなるクロス、あるいは前記無機系繊維,有機系繊維,カーボン繊維からなるクロス,シートなどがある。また、電磁波遮蔽,耐放射線性,機械強度の向上,導電性付与などの目的に応じて、金属繊維からなるシート,クロス、あるいは金属繊維と無機系繊維,有機系繊維,カーボン繊維の少なくとも1種との複合系のクロス,シートを使用することもできる。
本発明において、多層プリント回路板とは前記半導体素子などを搭載するための配線を有する回路板において、配線層が2層以上形成され、該配線層はスルーホールなどを介して接続されている。配線層としては、銅,銀,金,アルミニウム,クロム,モリブデン,タングステン等の金属箔,メッキ,蒸着などにより回路を形成したものが用いられる。特に、銅が好ましく、銅箔がよい。
また、本発明において織布補強材を含浸する樹脂ワニスの使用割合は、両者の合計量に対して、織布補強材が10〜70重量%,ワニスが固形分換算で30〜90重量%程度である。ワニスが少なければ良好なプリプレグ,フィルムが得られにくく、多すぎると面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/Kの範囲内とすることがむずかしくなる。また、補強効果が減少する。
本発明の積層板は配線用、たとえばフレキシブル配線基板として、又回路間の絶縁フィルムとして好適である。たとえばフレキシブル配線基板として次のように配線用途に供される。
まずガラスクロスに、樹脂配合物を有機溶剤に溶かしたワニスを含浸する。次に乾燥機中で溶剤を蒸発させると共に硬化反応を少し進め、B−ステージ(半硬化状態、熱をかけると溶融する。)としてプリプレグをつくる。次にプリプレグの両面に銅箔,アルミ箔等の金属箔を重ねサンドイッチ状にし、又はプリプレグの片面にのみ金属箔を重ね、これを熱圧着させて金属箔を接着させ、同時に含浸樹脂を硬化させる。次にレジストインキを銅箔面に回路状に塗布し、レジストインキを乾燥させる。次に、塩化第二鉄水溶液等で回路以外の部分の銅箔をエッチングする。ついで、塩化メチレン等の有機溶媒を使用しレジストインキの除去および洗浄を行う。最後に半田槽につけて、必要な箇所に半田を付着させ回路が完成する。
このような用途に供するため本発明のフレキシブル基板は半硬化状態(プリプレグ)で、又は金属箔を熱圧着させた後の硬化状態で一般に市販される。本発明のフレキシブル基板にはこのような半硬化状態および硬化状態のいずれの状態のもの含まれる。
なお、本発明の多層プリント回路板は樹脂成分が溶解したワニスを回路が形成されたプリント配線基板上に塗布した後、乾燥機中で溶剤を蒸発させるとともに、硬化を少し進め、B−ステージとしその後銅箔,アルミ箔等の金属箔を重ねて、熱圧して硬化接着し、引き続き前述した方法で回路を形成させ多層プリント基板とすることもできる。
本発明において、織布補強材への樹脂の含浸は通常用いられている樹脂溶液(ワニス)による水平式、あるいは/および垂直式の含浸塗工機を用いて、1回あるいは複数回の処理を行うことにより製造できる。また織布補強材の片面あるいは両面から樹脂をコーティングすることにより含浸処理することもできる。また、織布補強材に予め固形の樹脂シートを重ねておき、その後加熱あるいは/および加熱することにより含浸処理することもできる。乾燥後のプリプレグまたは含浸シートに粘着性があれば、適当な工程で随意、離型シートを使用することもできる。離型シートとしてはセルロース系の紙やフィルムに離型剤をコーティングしたものや、ポリプロピレンフィルム,ポリビニルアルコールフィルム等を使用できる。
本発明において、海島構造を有する樹脂部分としては、相溶性の悪い2種類以上の樹脂と化合物,樹脂と樹脂、あるいは相溶性の悪い成分を共重合させて得られるポリマなどの相分離型の樹脂あるいは樹脂組成物である。前記樹脂組成物において、一成分は他成分に比べて弾性率が低いものを用いることが望ましい。
樹脂組成物としては併用する成分の中の少なくとも一成分が非相溶性で海島構造を有するものを選択して使用する。例えば、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシーイソシアネート樹脂,マレイミド樹脂,マレイミド−エポキシ樹脂,シアン酸エステル樹脂,シアン酸エステル−エポキシ樹脂,シアン酸エステル−マレイミド樹脂,フェノール樹脂,ジアリルフタレート樹脂,ウレタン樹脂,シアナミド樹脂,マレイミド−シアナミド樹脂等の各種熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、前記樹脂と非相溶性で海島構造を形成可能な化合物,樹脂としては、例えば含けい素化合物,含フッ素化合物及びこれらの重合体が挙げられる。含けい素化合物の代表例としてはアミノ基,カルボキシル基,エポキシ基,水酸基,ピリミジン基,カルボン酸等の官能基を末端あるいは側鎖に有するオルガノシロキサン及びオルガノポリシロキサンがある。含フッ素化合物の代表例としてはアミノ基,カルボキシル基,エポキシ基,水酸基,ピリミジン基,イソシアネート基,カルボン酸等の官能基を末端あるいは側鎖に有するパーフルオロエテール,PTFE,PFA,FEP,PCTFE,ETFE,ECTFE,PVDF,PVF等が挙げられる。上記重合体の分子量は103〜106であることが好ましい。該重合体は低弾性率化に有効である。
本発明においては、積層板,多層プリント回路板の絶縁層並びにプリプレグなどのガラス転移温度が150〜300℃を達成するために、耐熱性のすぐれた上記の樹脂組成物が特に好ましい。また、本発明においては非相溶性の形態は、非反応型,反応型のいずれでもよいが、耐熱性付与の観点からは反応型が好ましい。例えばエポキシ化合物と含けい素化合物とからなる場合には、ワニス作成時に溶液内でエポキシ基あるいはヒドロキシル基と反応性を有する基を持つ含けい素化合物とエポキシ化合物とを予め反応させて用いることもできる。この際、硬化剤,無機フィラ,カップリング剤を添加することもできる。
本発明において、絶縁層のガラス転移温度は150〜300℃が好ましい。ガラス転移温度が150℃以下では積層板,多層プリント回路板などの製品の信頼性試験(例えば、高温放置,冷熱衝撃試験など)に十分に対応できにくくなる。また、300℃以上では可撓性の付与がむずかしく製品にクラック発生の問題や成形加工上の問題が生じる。
本発明において、面内方向の熱膨張率とは積層板において接着面内での熱膨張率である。接着面内での熱膨張率は3種類ある。プリプレグを製造する際に塗工過程で織布補強材に張力のかかる方向をX方向,これと直交する方向をY方向,斜45度方向がバイアス方向である。一般に熱膨張率はY方向>バイアス方向>X方向の順になる。斜45度のバイアス方向は織布補強材,積層接着工程の影響が最も少ない。本発明ではバイアス方向の熱膨張率を面内方向の熱膨張率とした。
本発明において、面内方向の熱膨張率は3.0〜10ppm/Kの範囲が好ましい。半導体素子(例えばシリコン)の熱膨張率は3.0〜4.0ppm/K である。また、樹脂封止型半導体装置における封止用樹脂の熱膨張率もシリコンの値より若干大きい程度である。半導体素子と積層板(あるいは多層プリント回路板)との接続信頼性を向上させるには両者間に生ずる熱応力を低減することが有効であり、そのためには積層板(あるいは多層プリント回路板)の面内方向の熱膨張率を3.0〜10ppm/Kの範囲にすることにより、積層板と半導体素子の熱膨張率との差を小さくすることができる。また、本発明の多層プリント回路板の構成はセラミックスを構成成分としないで低熱膨張率化を図れるため
(1)ドリル加工性に優れる。
(2)メッキとの密着性に優れるためスルーホールの接続信頼性に優れる。
(3)軽量化が可能。
(4)低熱膨張率化と同時に低弾性率化が図れるため熱膨張率の異なる数多くの部品を同
一面内上に搭載可能。熱膨張率差を低弾性率でカバーできる。
(5)大面積基板も従来と同じ技術で製造可能。
などの効果が得られる。
本発明は樹脂と織布補強材から構成され、その樹脂部分が海島構造を有し面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,ガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする回路板を用いて半導体素子等各種の部品を表面実装することにより、該回路板は従来の表面実装用低熱膨張基板であるセラミックス含有基板と比較して、ドリル加工性に優れており、またメッキとの密着性がセラミックスよりも強いためスルーホールの信頼性に関しても優れた効果が得られる。一般にセラミックス系の回路板は樹脂との接着性は低いため、その界面の信頼性に問題がある。
本発明により得られる回路板ではそのような異相界面が存在しないため、信頼性の高いメモリカードを提供することができる。またセラミックスを含有せず、さらに海島構造の場合は未変性に比べて弾性率が低下するため、熱膨張率の異なる各種の部品を同時に搭載させても発生する熱応力は小さく接続信頼性に優れた多機能のメモリカードを提供することができる。
また、薄型高集積半導体素子パッケージの熱膨張率はシリコンとほぼ等しく6ppm/K 前後である。そのため樹脂と織布補強材から構成され、その樹脂部分が海島構造を有し面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,ガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする回路板を用いることにより、接続信頼性を保ちながらこの低熱膨張率高集積半導体素子を高密度に表面実装することが可能になる。これにより信号伝送距離の短縮化を図ることができ信号伝送遅延時間が1〜15ns/mの演算処理速度の優れた計算機を得ることができる。また高密度実装により小型計量化を図ることができ、携帯性に優れた計算機を提供することもできる。
また、本発明は樹脂と織布補強材から構成され、その樹脂部分が海島構造を有し面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,ガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする回路板を用いて半導体素子等の部品を高密度に表面実装することにより、10g〜30kgの小型軽量化を図ることができ、携帯性に優れた通信機器を得ることができる。代表的な通信機器としては携帯電話,携帯無線器等がある。また海島基板はセラミックス含有基板に比べて低重量で軽量化に効果的である。またセラミックス含有基板や未変性基板に比べて、海島基板は弾性率が著しく低下するため、熱膨張率の異なる各種の部品を同時に搭載させても発生する熱応力は小さく接続信頼性に優れた通信機器を提供することができる。
そのため目的に応じて多種多様に富んだ通信機器を得ることができる。
また、本発明は樹脂と織布補強材から構成され、その樹脂部分が海島構造を有し面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,ガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする回路板を用いて半導体素子等の部品を高密度に表面実装することにより、それにより構成されるカーエレクトロニクス機器は占有体積が小さくすることができ、かつエンジンルーム内等の高温高湿における耐環境性に優れた機器を提供することができる。このようなカーエレクトロニクス機器の代表例としてはエンジン制御装置,ナビゲーション装置等がある。これらは環境の厳しい限られた場所に搭載されることが要求される。そのため海島構造の樹脂から構成される回路板を用いた機器は高密度実装により小型化が達成でき、さらにセラミックス材料を含有していないため異種界面が少なく接続信頼性に優れていることが特徴となるためカーエレクトロニクス分野に好適である。
本発明は樹脂と補強材からなる積層板において、その樹脂成分を海島構造すなわち相分離構造にすることにより樹脂の熱膨張率と弾性率を同時に低減することができる。その発現機構としては低弾性率の島構造を有する相分離樹脂の場合、マトリックス層の樹脂の弾性率は島部分との加工性により弾性率が小さくなる。面内方向の熱膨張率に関してはマトリックスの熱膨張が島部分を押し潰すため、結果的に樹脂全体の熱膨張は見かけ上小さくなると考えられる。その他相分離構造は様々な発現機構によりこの両特性を同時に低減できる。
その発現機構のすべてはまだ十分に解明されていない。
積層板,多層プリント回路板,プリプレグの面内の熱膨張率,弾性率を低減することにより、実装表面の熱応力を格段に低減でき、実装品との接続信頼性を大幅に向上できる。
次に実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
エポキシ化合物(大日本インキ化学,EXA−1514)100重量部に対して硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(三井東圧,XL225−3L)を88重量部、低弾性率成分としてアミン変性ジメチルシロキサン(チッソ,PS513)10重量部をメチルエチルケトン中に加えて固形分量50重量%のワニスを作製した。このワニスを用いてEガラスクロス(100μm厚)に含浸塗工し、さらに120℃10分乾燥し溶媒を除去してプリプレグを得た。得られたプリプレグの樹脂分は70重量%であった。
得られたプリプレグの両面に銅箔(18μm厚)を重ね、プレスにより加熱加圧し、積層板を得た。プレス条件は130℃30分,180℃60分の二段階反応で行った。圧力は20kg/cm2 とした。得られた積層板の銅箔ピール強度、さらに銅箔エッチング後の面内方向の熱膨張率をTMA法で求めた。また樹脂部分の弾性率測定用としてはプリプレグから樹脂粉を取り、積層板と同様のプレス条件で樹脂板を作製した。この試料を粘弾性測定により室温の弾性率を求めた。
(実施例2)
エポキシ化合物(油化シェル,YX4000H)100重量部に対して硬化剤としてフェノールノボラック(日立化成,H100)を55重量部、低弾性率成分として、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン(トーレシリコン,SF8413)15重量部を樹脂成分とした。この時予備反応として、メチルイソブチルケトン中で予め硬化剤とエポキシ変性ポリジメチルシロキサンを90℃30分反応させ、室温まで冷却後エポキシ化合物を加えて固形分量50重量%のワニスとした。得られたワニスをSガラスクロス(70μm厚)に含浸塗工し、140℃10分の乾燥により溶媒を除去してプリプレグを得た。
得られたプリプレグを実施例1と同様な方法で積層板及び樹脂板を作製し、特性を評価した。
(実施例3)
マレイミド化合物(三井東圧,ビス(4−マレイミドフェニル)メタン))100重量部とアミン化合物(和歌山精化,2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン))38重量部,アミン変性ポリジメチルシロキサン(トーレシリコン,SF8418)5重量部を樹脂成分とした。予備反応としてマレイミド化合物50重量部とアミン変性ポリジメチルシロキサンをジメチルホルムアミド中で110℃20分反応し、さらに残りのマレイミド化合物50重量部とアミン化合物を加えて20分反応させ、固形分量40重量%のワニスを得た。さらにこれに溶融シリカフィラ(平均粒径10μm)を20重量部分散混合した。得られたワニスをDガラスクロス(80μm厚)に含浸塗工し、140℃5分,145℃5分の乾燥により溶媒を除去してプリプレグを得た。
得られたプリプレグを実施例1と同様な方法で積層板を作製し、特性を評価した。成形条件は130℃30分,200℃60分とした。
(実施例4)
エポキシ化合物(油化シェル,YX4000H)100重量部に対して硬化剤としてオルトクレゾールノボラック(日本化薬,OCN7000)を72重量部、低弾性率成分として両末端カルボン酸変性パーフルオロエーテル(モンテフェロス,ZDIAC−2000)10重量部を樹脂成分とした。この時硬化促進材としてイミダゾール(四国化成,2E4MZ) 1重量部を添加した。溶媒としてアセトンを用いて固形分量60重量%のワニスを作製した。得られたワニスをポリアラミドクロス(70μm厚)に含浸塗工し、110℃10分,120℃15分の乾燥により溶媒を除去してプリプレグを得た。
得られたプリプレグを実施例1と同様な方法で積層板を作製し、特性を評価した。成形条件は130℃30分,200℃60分とした。
(比較例1)
実施例1のエポキシ化合物及びフェノール系硬化剤を用いて、ポリジメチルシロキサンを除いて、海島構造のない均一な樹脂部分を有する積層板及び樹脂板を作製し、特性を評価した。
(比較例2)
実施例3のマレイミド化合物,アミン化合物及び溶融シリカフィラを用いて、ポリジメチルシロキサンを除いて、海島構造のない均一な樹脂部分を有する積層板及び樹脂板を作製し、特性を評価した。
さらに銅箔を組み合わせた銅張積層板に所定の回路形成を施したプリント配線板に、それぞれ100個の素子パッケージを半田付けで表面実装した。半田付けは遠赤外ヒータで加熱リフローにより接続した。この実装品をMIL規格により100サイクル試験し、終了後の半田接続部の欠陥個数を計測した。
Figure 0003838250
(実施例5)
図1に本発明の積層板の構成を示す。
織布補強材1に海島構造を有する樹脂部分2を含浸させ乾燥したプリプレグを2枚積層接着して得ることができる。該構成においては、織布補強材が面内方向に全てに存在しているため面内方向の海島構造による熱膨張率の低減効果が最大限に生かせる。
海島構造有機樹脂マトリックスが補強材間を通して連続的に存在するため複合材料における異相間界面での接着の問題がない。
(比較例3)
図2に従来の積層板の構成を示す。
該構成では、面内方向の熱膨張率の低減効果はあるが、海島構造樹脂マトリックスが連続体でないため界面での接着問題等を生じやすい。
(比較例4)
図3に従来の積層板の構成を示す。
該構成では織布補強材が独立体で存在し、積層板全体で等方性を示す。そのため海島構造との相互作用による低熱膨張率化の効果を面内方向で最大限に利用することはできない。
(実施例6〜8)
エポキシ化合物(大日本インキ化学,EXA−1514)100重量部に対して硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(三井東圧,XL225−3L)を88重量部、低弾性率成分としてアミノ基末端パーフルオロエーテル系化合物(三井フルオロケミカル社製)10,20,50重量部をメチルエチルケトン中に加えて固形分量50重量%のワニスを作製した。このワニスを用いてEガラスクロス(100μm厚)に含浸塗工し、さらに
120℃10分乾燥し溶媒を除去してプリプレグを得た。得られたプリプレグの樹脂分は70重量%であった。
得られたプリプレグの両面に銅箔(18μm厚)を重ね、プレスにより加熱加圧し、積層板を得た。プレス条件は130℃30分,180℃60分の二段階反応で行った。圧力は20kg/cm2 とした。得られた積層板の銅箔ピール強度、さらに銅箔エッチング後の面内方向の熱膨張率をTMA法で求めた。また樹脂部分の弾性率測定用としてはプリプレグから樹脂粉を取り、積層板と同様のプレス条件で樹脂板を作製した。この試料を粘弾性測定により室温の弾性率を求めた。
(実施例9)
エポキシ化合物(油化シェル,YX4000H)100重量部に対して硬化剤としてフェノールノボラック(日立化成,H100)55重量部、低弾性率成分として、カルボキシル基末端パーフルオロエーテル系化合物(三井フルオロケミカル社製)15重量部を樹脂成分とした。この時予備反応として、メチルイソブチルケトン中で予め硬化剤とエポキシ変性ポリジメチルシロキサンを90℃30分反応させ、室温まで冷却後エポキシ化合物を加えて固形分量50重量%のワニスとした。得られたワニスをSガラスクロス(70
μm厚)に含浸塗工し、140℃10分の乾燥により溶媒を除去したプリプレグを得た。
得られたプリプレグを実施例1と同様な方法で積層板及び樹脂板を作製し、特性を評価した。
Figure 0003838250
本発明の積層板の断面を模式的に示したものである。 従来の積層板の断面を模式的に示したものである。 従来の積層板の断面を模式的に示したものである。
符号の説明
1…織布補強材、2…海島構造を有する樹脂部分、3…分散(島)相。

Claims (4)

  1. 半導体素子を搭載可能な積層板において、海島構造を有する樹脂が織布補強材に含浸された絶縁層と、前記絶縁層の両面に形成された銅箔とを有し、該海島構造を有する樹脂は併用する成分の中の少なくとも一成分が非相溶性であり、該絶縁層の面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,該絶縁層のガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする積層板。
  2. 請求項1に記載の積層板において、前記絶縁層が無機質充填材を有することを特徴とする積層板。
  3. 半導体素子を搭載可能な多層プリント配線板において海島構造を有する樹脂が織布補強材に含浸された絶縁層と、前記絶縁層の両面に形成された配線層を有し、前記絶縁層及び配線層が2層以上形成され、該海島構造を有する樹脂は併用する成分の中の少なくとも一成分が非相溶性であり、該絶縁層の面内方向の熱膨張率が3.0〜10ppm/K,該絶縁層のガラス転移温度が150〜300℃であることを特徴とする多層プリント配線板。
  4. 請求項に記載の多層プリント配線板において、前記絶縁層が無機質充填材を有することを特徴とする多層プリント配線板。
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