JP3837969B2 - 面発光型半導体レーザとその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザとその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光型半導体レーザとその製造方法に関し、詳しくは、光情報処理や光通信の光源、画像処理装置や複写装置の光源等として使用され、横モードが安定しており、しかも、しきい値電流性が低く、高出力である面発光型半導体レーザと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信または光インターコネクション等の技術分野において、2次元アレイ化が容易であることから、面発光型半導体レーザが注目されている。面発光型半導体レーザは、しきい値電流を低下させることが比較的容易であり消費電力を低減することができる反面、高出力化を図ることが難しいとされている。
【0003】
ところで、現在のところ光通信用にはコストの安いマルチモード光ファイバが使用されているが、回線数を飛躍的に増大させることが可能であることから、将来的にはシングルモード光ファイバが使用されることになると予想される。このシングルモード光ファイバに供されるレーザとしては、安定なシングルモード(0次基本横モード)で発振するレーザであることが前提となる。
【0004】
一方、面発光型半導体レーザにおいて横モードの安定性を要求すると、しきい値電流が増すと共に応答特性が劣化したり、あるいは高出力化しにくい、といったトレードオフがあり、全ての要求を同時に満足する素子を得るのは困難である。
【0005】
例えば、利得導波構造を有するプロトン注入方式の面発光型レーザは、サーマルレンズ効果によって電流通過領域とその周囲の領域との間に僅かな屈折率差が生じ、屈折率導波路が形成された結果、弱い光閉じ込め状態が作られる。このため非プロトン注入領域(電流通路)の径を10μm程度に広げても安定な横モードが得られることが知られている。しかし、光閉じ込め自体は弱いため、それほど大きな発光効率の向上は望めず、また、発熱も大きいので、しきい値電流は高く、バイアスをかけない状態においては応答性が悪い。
【0006】
これに対し、屈折率導波構造を有する選択酸化方式の面発光型半導体レーザは、活性層近傍の多層反射膜の一部を選択的に酸化して電流狭窄を行うと共に屈折率導波路を形成したものであり、強い光閉じ込め効果を有するので、しきい値電流が低く、しかも、応答性は速い。ところが、光閉じ込め効果が強すぎて、横モードを安定化するには発光領域の直径を典型的には5μm以下と、上述のプロトン注入方式に比べかなり狭くする必要があり、このため発光領域の体積が減少して高出力化が望めないという欠点がある。
【0007】
このように横モードの安定性の確保と高出力化という相対立する課題を解決することは難しい。横モードの安定性の確保と高出力化を両立する試みとしては、例えば、特開平6−112587号公報に開示される面発光型半導体レーザがある。この面発光型半導体レーザ125は、図11に示すように、電極147が形成された基板130上に、パラレル・ミラー・スタック132、活性層及びスペーサ層135、及びパラレル・ミラー・スタック138を順次積層し、メサ140を形成したものであり、パラレル・ミラー・スタック138上にはコンタクト・ウィンドウ142が設けられ、コンタクト・ウィンドウ142上には、光放出領域に開口を有する誘電体層144が設けられている。この開口と誘電体層144とを覆うようにITO等の光学的に透明な導電材料からなるコンタクト層146が設けられて部分的に電極とのコンタクトがとられ、電流分布149が制御される。そして、誘電体層144とコンタクト層146とは、所定のミラー反射率を与える光学的厚さを有してメサ140の表面上に配置され、メサ140のエッジに依存しない光学モード148を制御する。以上の通り、電流と光学モードを別々に制御することが可能になり、これによって電流及び光学モードの良好なオーバーラップと高出力化とが実現可能であるとしている。
【0008】
この面発光型半導体レーザでは、誘電体層144の開口部分に、該開口に埋め込まれた形のコンタクト層146が設けられるが、両者の位置合わせを厳密に行うことは難しく、良好な特性を有する素子を再現性よく製造することができない。すなわち、ミラー反射率の制御は、誘電体層144とコンタクト層146の各々が有する光学的厚さによってなされており、両者の位置合わせが完璧になされなければ、ミラー反射率の分布に不均一が生じ、横モードが不安定になる。
【0009】
また、本素子を製造するためには、各半導体層を順次積層する積層工程の他に、コンタクト・ウィンドウ142の積層工程と誘電体層144の積層工程という2度の誘電体膜積層工程と、誘電体層144の開口部分へのコンタクト層146の積層工程と誘電体層144上へのコンタクト層146の積層工程という2度のコンタクト層積層工程と、を経ることが必要であり、製造プロセスが煩雑である。
【0010】
以上に述べた通り、特開平6−112587号公報に開示された面発光半導体レーザは、高度な半導体プロセスを要求するわりに、特性のばらつきが生じ易いという問題点を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、横モードが安定であり、光出力が大きく、かつ簡易なプロセスで再現性よく製造することができる面発光型半導体レーザを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の面発光型半導体レーザは、半導体基板に設けられた第1電極と、該半導体基板の第1電極とは反対側の面に設けられた第1多層反射膜と、活性層を挟んで該第1多層反射膜に対向するように設けられた第2多層反射膜と、レーザ発振される光に対して光学的に透明で且つ第1電極と共に活性層に電流を注入するための第2電極と、前記第2電極と前記第2多層反射膜との間で且つ光出射領域に対応する部分に設けられ、レーザ発振される光に対して光学的に透明なコンタクト層と、前記第2電極と前記第2多層反射膜との間に設けられ、前記コンタクト層が形成された部分を介して活性層への電流注入を可能とし、該コンタクト層が形成されていない部分を介して活性層への電流注入を不能とするキャップ層と、を備え、前記第2電極の光学的厚さと前記コンタクト層の光学的厚さとを調整することにより、前記コンタクト層が形成された部分の周辺部分の反射率を、前記コンタクト層が形成された部分の反射率よりも低下させたことを特徴とする。
【0013】
前記キャップ層は、レーザ発振される光に対して光学的に透明であり、前記第2多層反射膜と格子整合する材料から形成されることが好ましい。前記コンタクト層は、前記キャップ層と格子整合し、前記キャップ層とヘテロ接合することが可能で、かつ、前記第2電極とオーム性接触することが可能な材料から形成されることが好ましい。
【0014】
また、本発明の面発光型半導体レーザは、活性層をAlGaAs系半導体により構成することが好ましく、活性層をAlGaAs系半導体により構成した場合には、前記キャップ層は、AlGaInP系半導体またはGaInP系半導体から形成されることが好ましく、前記コンタクト層は、AlGaAs系半導体またはGaAs系半導体から形成されることが好ましい。
【0015】
前記第2電極の材料としては、カドミウム・スズ酸化物またはインジウム・スズ酸化物を用いることができる。
【0016】
また、本発明の面発光型半導体レーザを製造方法は、半導体基板上に、第1多層反射膜、活性層、第2多層反射膜、キャップ層、及びコンタクト層を順次積層する積層工程と、前記コンタクト層を光出射領域に対応する部分を残してエッチングするエッチング工程と、前記コンタクト層が形成された部分とその周辺部分とを覆うように第2電極を形成する電極積層工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
前記エッチング工程において、コンタクト層をエッチングする際に、前記キャップ層をエッチストッパーとして使用することが好ましく、コンタクト層のキャップ層に対するエッチング選択性が10倍よりも大きくなるように、各層の材料及びエッチャントを選択することがより好ましい。また、前記コンタクト層は、前記キャップ層を半導体の結晶成長により積層した後、半導体の結晶成長により連続して積層することが好ましい。
【0018】
本発明の面発光型半導体レーザは、プレーナ型のみならず、ポスト型にも適用することができ、ポスト型に適用する場合は、選択酸化方式の概念を導入して、第2多層反射膜の側面を周囲から酸化して一部を絶縁領域とすることもできる。
【0019】
本発明の面発光型半導体レーザにおいては、光出射領域に対応する部分に形成されたコンタクト層の光学的厚さとコンタクト層とその周辺部分とを覆うように形成された第2電極の光学的厚さとが、光出射領域に対応する部分の周辺部分の反射率が、光出射領域に対応する部分の反射率に対し、相対的に低下するように調整されているため、光出射領域でのみ効率よくファブリぺローモードによるレーザ発振が生ずる。また、コンタクト層が形成された部分とその周辺部分とでは層構成が異なるために、実効的な屈折率差も生じており、光導波路が形成されることになる。この通り、本発明の面発光型半導体レーザは、光学モードの制御が可能であり、容易に基本横モード発振を得ることができる。
【0020】
また、コンタクト層はキャップ層と第2電極とを電気的に接続するが、コンタクト層は光出射領域に対応する部分にのみ形成されているために、このコンタクト層が形成された部分を介して活性層への電流注入が可能となり、コンタクト層が形成されていない部分を介して活性層への電流注入が不能となる。従って、注入された電流は、光出射領域に対して垂直に活性層へ向けて流れ込み、半導体基板に水平な面内で素子の中央部に電流経路が形成されることになる。これにより利得領域(ゲイン領域)がこの付近に限定されることを意味し、ゲイン領域と基本横モードとのオーバーラップが最大となり、基本横モードの選択性が向上する。
【0021】
この通り、本発明の面発光型半導体レーザでは、コンタクト層による電流狭窄効果と基本横モード選択性とにより、しきい値電流を低減することができ、光出射領域の面積を広げることが可能であることから、基本横モードでの高出力化を図ることができる。
【0022】
さらに、本発明の面発光型半導体レーザは、半導体基板上に、第1多層反射膜、活性層、第2多層反射膜、キャップ層、及びコンタクト層を順次積層する積層工程の他は、複雑なプロセスを必要とせず、コンタクト層をエッチングする1度のエッチング工程と、第2電極を形成する1度の電極積層工程と、により製造することが可能である。特に、キャップ層をエッチストッパーとして使用すると、コンタクト層を形成する際、エッチング深さの制御が容易となり、光出射領域におけるミラー反射率の低下防止、素子の特性のばらつき防止、及び素子の歩留まりの改善に効果的である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の面発光型半導体レーザの具体的な実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
以下、図1(A)に示す本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの構成を、製造工程に従い説明する。
【0024】
図2に示すように、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて、n型のGaAs基板1の(100)面上に、n型のAl0.9Ga0.1As層とn型のAl0.3Ga0.7As層との複数層積層体よりなる第1多層反射膜2と、アンドープのAl0.5Ga0.5Asよりなる第1スペーサ層3と、アンドープのAl0.11Ga0.89Asよりなる量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7Asよりなる障壁層との積層体よりなる量子井戸活性層4と、アンドープのAl0.5Ga0.5Asよりなる第2スペーサ層5と、p型のAl0.9Ga0.1As層とp型のAl0.3Ga0.7As層との複数層積層体よりなる第2多層反射膜6と、p型のGa0.5In0.5Pよりなるキャップ層7と、p型のGaAsよりなるコンタクト層8とを、順次形成する。
【0025】
ここで、第1多層反射膜2は、n型のAl0.9Ga0.1As層とn型のAl0.3Ga0.7As層との複数層積層体よりなるが、各層の厚さはλ/4nr(但し、λはレーザの発振波長、nrは各層を構成する媒質の屈折率である)であり、混晶比の異なる層を交互に40.5周期積層してある。n型不純物であるシリコンをドーピングした後のキャリア濃度は3×1018cm-3である。
【0026】
また、第2多層反射膜6は、p型のAl0.9Ga0.1As層とp型のAl0.3Ga0.7As層との積層体であるが、各層の厚さは第1多層反射膜2と同様λ/4nrであり、混晶比の異なる層を交互に30周期積層してある。p型不純物である炭素をドーピングした後のキャリア濃度は5×1018cm-3である。
【0027】
第2多層反射膜6の周期数(層数)を第1多層反射膜2の層数よりも少なくした理由は、反射率に差を設けて基板上面より出射光を取り出すためである。また、詳しくは述べないが、素子の直列抵抗を下げる目的で第2多層反射膜6中には、Al0.9Ga0.1As層とAl0.3Ga0.7As層との間に、これらの層の中間のアルミニウム混晶比を有する所謂中間層を複数層介在させている。
【0028】
量子井戸活性層4は、厚さ8nmのアンドープAl0.11Ga0.89Asよりなる量子井戸層と、厚さ5nmのアンドープAl0.3Ga0.7Asよりなる障壁層と、を交互に積層した積層体である。量子井戸層の数は所望の特性により適宜決められるが、典型的には3層として、量子井戸層の外層はいずれも障壁層とするから、障壁層の数は量子井戸層よりも1層多い4層となる。これにより波長780nm帯の光を発振する。
【0029】
第1スペーサ層3の下面から第2スペーサ層5の上面までの膜厚は、全体でλ/nrの整数倍としてその間に定在波が立つようにし、光強度の最も強い所謂「腹」の部分が量子井戸活性層4の位置に来るように設計してある。
【0030】
p型のGaInPよりなるキャップ層7は、厚さが0.1μmの薄い層であり、p型不純物である亜鉛をドーピングした後のキャリア濃度は1×1018cm-3である。キャップ層7のキャリア濃度は、この層の上に直接後述の半導体材料からなる第2電極9を形成しても、ショットキー障壁により容易には電流注入が行われないレベルの濃度とする。
【0031】
また、GaInPは光学的エネルギーバンドギャップがおよそ1.9eVであり、レーザ発振される780nm帯の光に対しては透明であるから、不要な光吸収が生じない。
【0032】
p型のGaAsよりなるコンタクト層8のp型不純物である亜鉛をドーピングした後のキャリア濃度は5×1019cm-3である。コンタクト層8のキャリア濃度は、コンタクト層8が第2電極9と接触する際に、オーム性接触を形成するのに十分な濃度とする。
【0033】
また、このコンタクト層8の光学的厚さを、第2電極9の光学的厚さと共に調整することにより、活性層から出射される光に対してファブリペローモードにおける位相を調整することができる。なお、コンタクト層8及び第2電極9の光学的厚さに関しては、後述する。
【0034】
上記の通り、キャップ層7と第2電極9とは、ショットキー障壁によりオーム性接触をすることができず、キャップ層7へは電流注入を行うことができない。これに対し、キャップ層7とコンタクト層8との間は、同じ導電型のヘテロ接合であり、コンタクト層8と第2電極9とは、オーム性接触しているため、コンタクト層8が形成された部分ではキャップ層7へ電流注入を行うことができる。なお、キャップ層7のキャリア濃度は、上記の通り、ショットキー障壁により容易には電流注入が行われないレベルとされているが、キャップ層7は非常に薄いため電流注入に支障はない。
【0035】
次に、基板を成長室から取り出し、図3に示すように、光出射領域形成予定領域にフォトリソグラフィ技術を使って5〜10μm径のエッチングマスク(フォトレジスト)21を形成した後、硫酸、過酸化水素及び水の混合液をエッチャントとして使用して、コンタクト層8の光出射領域に対応する部分のみを残し、他の部分をエッチングにより除去する。
【0036】
本実施形態では、コンタクト層8を構成するp型のGaAsは、キャップ層7を構成するp型のGaInPの10倍以上のエッチング選択性を有するから、コンタクト層8とキャップ層7との界面で容易にエッチングを止めることができる。
【0037】
ここで、エッチング後に残ったp型のGaAsよりなるコンタクト層8の基板平面に水平な方向での形状(平面形状)は、円形や正方形の他に、長方形、楕円形、ひし形等自由な形状とすることができる。但し、コンタクト層8の平面形状は反射率分布に影響を与えるから、例えば、長方形、楕円形、ひし形等2回対称(180°回転すると原形に復帰する幾何学形状)にすれば、レーザ光の偏波面はその形状に応じて一定方向に揃う傾向を示す。この性質を利用し、コンタクト層8の平面形状を楕円形、長円形、ひし形等にしてレーザ光の偏波面を制御することも可能である。
【0038】
図4に示すように、フォトレジストからなるエッチングマスク21を除去した後、RFスパッタリング法を使用して、キャップ層7の露出部分とコンタクト層8とを覆うように、インジウム・スズ酸化物(ITO)からなる第2電極9を着膜する。コンタクト層8と第2電極9との間の接触をオーム性接触にするために、300〜600℃の温度範囲でアニールを行う。アニール温度は、他の工程との兼ね合いを考慮して、この温度範囲から適宜決定すればよい。
【0039】
光出射領域11に対応する部分の周辺部分の層構成は、下層から、第1多層反射膜2、第1スペーサ層3、量子井戸活性層4、第2スペーサ層5、第2多層反射膜6、キャップ層7、及び第2電極9を順次積層した層構成であるが、光出射領域11に対応する部分の層構成は、キャップ層7と第2電極9との間にコンタクト層8を加えた層構成である。
【0040】
そして、コンタクト層8の光学的厚さ及び第2電極9の光学的厚さを調整することにより、図1(B)に示すように、光出射領域に対応する部分の周辺部分の反射率が、光出射領域に対応する部分の反射率に対し、相対的に低下するように構成されている。
【0041】
第1多層反射膜2と第2多層反射膜6とから形成される共振器に付加される層の光学的な厚さが、レーザ発振される光の発振波長λの半波長の整数倍に等しい場合は共振器のQが増加し、4分の1波長の奇数倍に等しい場合は共振器のQが減少する。
【0042】
本実施形態においては、コンタクト層8の光学的な厚さと第2電極9の光学的な厚さとの和を、レーザ発振される光の発振波長λの半波長の整数倍に等しくすることで、光出射領域11に対応する部分において共振器のQを増加させ、第2電極9の光学的な厚さを、4分の1波長の奇数倍に等しくすることで、光出射領域11に対応する部分の周辺部分において共振器のQを減少させる。
【0043】
光出射領域11に対応する部分とその周辺部分とで反射率に差を設けることが目的であるから、光出射領域11に対応する部分の周辺部分の反射率が、光出射領域11に対応する部分の反射率に対し相対的に低下すれば、光学的厚さを正確に4分の1波長の奇数倍あるいは半波長の整数倍とする必要はない。
【0044】
この通り、コンタクト層8の光学的な厚さ及び第2電極9の光学的な厚さはミラー損失に差をもたらすから、これらの層の光学的厚さを制御することによって、ミラー反射率を空間的に変化させ、光学モードの制御が可能となる。即ち、高反射率領域を規定し、この径を最低次数の動作モードのモードサイズに等しくすれば、容易に単峰性の基本横モード発振を得ることができる。
【0045】
また、コンタクト層8から注入される電流量が多くなるゲイン領域は、光出射領域11と一致しているから、図5に示すように、最も次数の低い基本モードとゲイン領域とのオーバーラップが最大となり、高次の光学モードとゲイン領域とのオーバーラップは反対に小さくなることから、高次モードでの発振が抑制され、基本モードで発振するようになる。このように光出射領域11に対応する部分とその周辺部分とで反射率に差を設けることで、0次基本横モードの発振に有利な条件が整い、望ましいモードが選択されるという効果を得ることができる。
【0046】
また、コンタクト層8は、注入された電流の広がりを妨げる働きを持つ。即ち、コンタクト層8によって電流狭窄を行うことになり、図6に示す通り、p型のGaInPからなるキャップ層7に注入されたキャリアは電流経路22を通って素子内に広がることになる。このとき、電流密度は光出射領域11に対応する部分で高く、そこから離れるにしたがって減衰する分布を有するから、レーザ発振自体を阻害するものではない。
【0047】
この電流狭窄効果とモード選択効果との相乗効果により、しきい値電流を低減することができる。また、光閉じ込めの程度は従来の屈折率導波型に比べ小さいから、開口の直径を10μm程度にまで広げても横モードは安定しており、基本横モードでの最大光出力を飛躍的に向上させることができる。
【0048】
最後に、n型のGaAs基板1の裏面にAuGe/Ni/Au層よりなる第1電極10を形成して、図1に示す構成を備え、λ〜780nmの波長で発振する面発光型半導体レーザを得ることができる。
【0049】
上記した第1の実施形態では、キャップ層7のキャリア濃度を、この層の上に直接後述の半導体材料からなる第2電極9を形成しても、ショットキー障壁により容易には電流注入が行われないレベルの濃度とすることにより、キャップ層7と第2電極9との間でオーム性接触が得られないようにして、電流注入部をコンタクト層8を形成した部分に限定したが、例えば、キャップ層7とコンタクト層8との間にシリコン絶縁膜を介在させることにより、さらにキャップ層7と第2電極9との間の絶縁性を高めて、無効な電流がキャップ層7に流れないよう工夫することも可能である。
【0050】
但し、光出射領域11に対応する部分の周辺部分の反射率が、光出射領域11に対応する部分の反射率に対し相対的に低下するように、第2電極9の光学的厚さに加えて、シリコン絶縁膜の光学的な厚さを調整する必要がある。
【0051】
上記した第1の実施形態では、キャップ層7とコンタクト層8の材料を選択することにより、キャップ層7と第2電極9とはオーム性接触させず、コンタクト層8と第2電極9とはオーム性接触をさせて電流狭窄を行ったが、より効率よく活性層への電流注入を行うために、別の電流閉じ込め(電流狭窄)手段を利用することもできる。
【0052】
例えば、キャップ層7をアンドープ若しくはn型のGaInPから形成した以外は第1の実施形態と同様にして、基板1上に、第1多層反射膜2、第1スペーサ層3、量子井戸活性層4、第2スペーサ層5、第2多層反射膜6、及びキャップ層7を順次積層し、図3に示すように、マスク21を用いたエッチングにより、アンドープ若しくはp型のGaAsよりなるコンタクト層8を光出射領域に対応する部分にのみ形成した後、図7(A)に示すように、コンタクト層8が形成された領域を除いて、シリコン系絶縁膜からなる不純物拡散用マスク23を形成する。図7(B)に示すように、このマスク23を用いて亜鉛の気相拡散を行うことにより、コンタクト層8及びその下方にあるキャップ層7に亜鉛を拡散させてコンタクト層8及びキャップ層7aからなる亜鉛拡散領域24を形成する。キャップ層7及びコンタクト層8はいずれも薄いので、キャップ層7まで到達する拡散は比較的容易である。図には特に示さないが、マスク23を除去した後、第2電極9を形成して、光出射領域11に対応する部分とその周辺部分との間で異なる反射率を有するよう位相調整を行う。
【0053】
亜鉛はp型のドーパントとして働くから、n型のGaInPよりなるキャップ層7と亜鉛が拡散されたキャップ層7aとの界面にはpn接合部25が形成される。キャップ層7aに注入されたキャリアは、この接合部25を避けて第2多層反射膜6に向かって流れ、電流狭窄の効果を得ることができる。また、キャップ層7がアンドープの場合においても、キャップ層7aに注入されたキャリアは、キャップ層7のように抵抗率の高いアンドープのGaInP層は通過することができず、第2多層反射膜6の方に向かって流れることになる。
【0054】
なお、積層膜の導電型を逆転して、第2多層反射膜6の導電型をn型とした場合は亜鉛の代わりにn型のドーパントとして働くシリコンやゲルマニウムを拡散源として用いることもできる。
【0055】
また、例えば、第1の実施形態と同様にして、第1多層反射膜2、第1スペーサ層3、量子井戸活性層4、第2スペーサ層5、第2多層反射膜6、及びキャップ層7を順次積層した基板を成長室から取り出し、図3に示すように、エッチングによりp型のGaAsよりなるコンタクト層8を光出射領域11に対応する部分にのみ形成した後、図8(A)に示すように、コンタクト層8上にシリコン系絶縁膜あるいはフォトレジストよりなるマスク26を形成して、キャップ層7の内、光出射領域11に対応する部分の周辺にある部分にプロトン注入を行い、図8(B)に示す高抵抗化されたプロトン注入領域27を形成する。図には特に示さないが、マスク26を除去した後、第2電極9を形成して、光出射領域11に対応する部分とその周辺部分との間で異なる反射率を有するよう位相調整を行う。
【0056】
プロトン注入領域27は、キャリアがキャップ層7中を横方向へ広がろうするのを阻止するため、電流狭窄の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザは、図9に示す通り、柱(ポスト)状に形成された点以外は、第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザと同様の構成である。柱(ポスト)状に形成することによって、一層の電流狭窄効果を得ることができる。
【0057】
この面発光型半導体レーザの製造方法を簡単に説明する。
【0058】
第1の実施形態と同様にして、第1多層反射膜2、第1スペーサ層3、量子井戸活性層4、第2スペーサ層5、第2多層反射膜6、及びキャップ層7を順次積層した基板を成長室から取り出し、図3に示すように、エッチングによりp型のGaAsよりなるコンタクト層8を光出射領域11に対応する部分にのみ形成する。
【0059】
その後、光出射領域11の外周部を環状に残しながら、ドライエッチング技術を用いてキャップ層7及び第2多層反射膜6を除去し、いわゆるポスト31を形成する。
【0060】
エッチングマスクを除去した後、RFスパッタリング法を使用して、キャップ層7の露出部分とコンタクト層8とを覆うように、インジウム・スズ酸化物(ITO)からなる第2電極9を着膜する。コンタクト層8と第2電極9との間の接触をオーム性接触にするために、300〜600℃の温度範囲でアニールを行う。アニール温度は、他の工程との兼ね合いを考慮して、この温度範囲から適宜決定すればよい。
【0061】
露出したポスト31の側面をシリコン系絶縁膜28で覆った後、第2電極9とコンタクトを取ることができるようにCr/Auよりなる上部電極29を形成する。最後に、基板1の裏面にAuGe/Ni/Auよりなる第1電極10を形成して、図9に示す構成を備え、λ〜780nmの波長で発振する面発光型半導体レーザを得ることができる。
【0062】
本実施形態の面発光型半導体レーザは、電流が通過することができる領域が、コンタクト層8よりもわずかに広い領域に限られるので、コンタクト層下方での電流の広がりが少なく、発光に寄与しない無効な注入キャリアが減るので、一層の低しきい値化あるいは高効率化を達成できる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る面発光型半導体レーザは、第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの変形例であり、図10に示す通り、第2多層反射膜6の最下層をAl0.9Ga0.1Asに代えてAlAsとし、その周縁部を酸化して絶縁領域とした以外は、第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザと同様の構成である。この通り、AlAs層の一部を選択的に酸化することによって、より強力な電流狭窄効果を得ることができる。
【0063】
この面発光型半導体レーザの製造方法を簡単に説明する。
【0064】
第2の実施形態と同様にして、第1多層反射膜2、第1スペーサ層3、量子井戸活性層4、第2スペーサ層5、第2多層反射膜6、及びキャップ層7を順次積層した基板を成長室から取り出し、図3に示すように、エッチングによりp型のGaAsよりなるコンタクト層8を光出射領域11に対応する部分にのみ形成し、光出射領域11の外周部を環状に残しながら、ドライエッチング技術を用いてキャップ層7及び第2多層反射膜6を除去し、いわゆるポスト31を形成する。
【0065】
この後、400℃の水蒸気に約10分間接触させて、いわゆるウェット酸化を実行することで、第2多層反射膜6中のAlAs層は周縁部から酸化されてAl23となり、ポスト31の一部に絶縁領域30(選択酸化層)が形成される。
【0066】
エッチングマスクを除去した後、RFスパッタリング法を使用して、キャップ層7の露出部分とコンタクト層8とを覆うように、インジウム・スズ酸化物(ITO)からなる第2電極9を着膜する。コンタクト層8と第2電極9との間の接触をオーム性接触にするために、300〜600℃の温度範囲でアニールを行う。アニール温度は、他の工程との兼ね合いを考慮して、この温度範囲から適宜決定すればよい。
【0067】
露出したポスト31の側面をシリコン系絶縁膜28で覆った後、第2電極9とコンタクトを取ることができるようにCr/Auよりなる上部電極29を形成する。最後に、基板1の裏面にAuGe/Ni/Auよりなる第1電極10を形成して、図10に示す構成を備え、λ〜780nmの波長で発振する面発光型半導体レーザを得ることができる。
【0068】
本実施形態の面発光型半導体レーザでは、電流狭窄層として設けられた選択酸化層30が光閉じ込めの機能をも果たし、一方、電流狭窄機能はコンタクト層8によって分担されることになる。従って、しきい値電流は更に低下すると共に、より一層の横モードの安定性の向上と高出力化が図られる。
【0069】
なお、第3の実施形態では、第2多層反射膜6の最下層をAl0.9Ga0.1Asに代えてAlAsとしたが、選択酸化を受ける層の位置及び材料はこれに限られず、第2多層反射膜6の一部をアルミニウム組成比が90%以上望ましくは98%以上のAlGaAs層とし、残りをそれよりも低いアルミニウム組成比を有するAlGaAs層としておくことにより、半導体層の一部を選択酸化することが可能になる。
【0070】
また、第3の実施の形態においては、AlAs層の選択酸化の際、加熱する温度を400℃としたが、これに限定されることなく、最終的な電流通路の大きさが所望の値となるよう制御できる温度とすればよい。加熱温度を上げると酸化速度が増加し、短時間で所望の酸化領域を形成することができるが、400℃程度が酸化距離を最も制御し易いため好ましい。
【0071】
第1から第3の実施の形態においては、第2電極9の材料には、インジウム・スズ酸化物(ITO)を使用したが、この材料に限るものではない。
【0072】
第2電極9の材料は、レーザ発振される波長の光に対して光学的に透明で、かつ導電性の高い材料であればよい。具体的には、100乃至300nmの厚さで積層した場合にも、電極とのコンタクトを取るのに十分な1×103乃至1×105Ω-1cm-1の範囲の導電率を示し、かつ、500〜900nmの波長範囲の光に対して80%以上の透過率と10%以下の吸収率とを示す半導体材料から選択することができる。
【0073】
このような材料としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)の他には、カドミウム・スズ酸化物(CTO)など、Cd2-xSnx4でxが0.2乃至0.4の範囲、In2-ySnO4でyが0.01乃至0.2の範囲にある化合物が、上記の条件を満たしている。なお、これらの材料は、通常、屈折率が2程度であり、位相調整の際には屈折率も考慮して光学的厚さを制御する必要がある。
【0074】
第1から第3の実施の形態においては、キャップ層7の材料にはGaInPが使用されているが、この材料に限るものではない。格子定数が半導体基板と近接しており、典型的には格子不整合率が0.1%以下のいわゆる格子整合系材料であって、レーザ発振される光を透過するという要件を満たす材料であればよい。例えば、活性層を構成する材料としてGaAs/AlGaAs系半導体を用いた場合には、(AlXGa1-X0.5In0.5P系材料またはZnSXSe1-X系材料がキャップ層7の材料としての上記要件を満たす。材料の酸化による劣化が少ない点でAl含有量が多すぎないものが好ましい。
【0075】
なお、キャップ層7をエッチストッパーとして用いる場合には、コンタクト層8を構成する材料は、キャップ層7を構成する材料の10倍以上のエッチング選択性を有するように、キャップ層7の材料を選択することがより好ましい。
【0076】
第1から第3の実施の形態においては、いずれも第2多層反射膜7をp型とし、第1多層反射膜4をn型としたが、これに限定されることなく、導電型を反転することも可能である。光の取り出し方向や導電型による素子抵抗の違いを勘案しながら、総合的な見地から導電型を決めればよい。
【0077】
一般に、p型層はn型層に比べ禁制帯幅不連続に起因する素子抵抗の増大が懸念されるから、p型層の層数が増えることはレーザ特性を悪くする要因となり好ましくない。また、上記実施の形態においては、出射光を基板上面から取り出す関係上、第2多層反射膜の方が第1多層反射膜に比べ少ない層数で構成されている。このため、第2多層反射膜の導電型をp型とした。従って、逆に出射光を基板裏面から取り出す場合には、第2多層反射膜の層数を第1多層反射膜の層数よりも多くして、かつ、第2多層反射膜の導電型をn型とすることが考えられる。
【0078】
また、素子抵抗は面積に反比例するため、例えば、第2及び第3の実施の形態に見られるポスト状に形成された面発光型半導体レーザの場合、面積の小さい第2多層反射膜は素子抵抗を増大させる要因となる。従って、同じ面積ならp型層よりも素子抵抗を小さくできるn型層を、第2多層反射膜とすることがより好ましい。
【0079】
第1から第3の実施の形態においては、量子井戸活性層を構成する材料として、GaAs/AlGaAs系半導体を用いたが、これに限定されることなく、例えば量子井戸活性層にGaAs/InGaAs系、あるいは、GaInP/AlGaInP系半導体を用いることも可能である。GaAs/InGaAs系半導体の場合、量子井戸層からの発光波長はGaAs基板に対して透明であるから、基板裏面から出射光を取り出すのが容易であり、工程的利点もある。
【0080】
第1から第3の実施の形態においては、キャップ層を第2多層反射膜とは別に設けたが、第2多層反射膜の最外層をアンドープの層とし、これをキャップ層として用いてもよい。
【0081】
第1から第3の実施の形態においては、結晶成長方法としてMOCVD法を用いる場合について述べたが、これに限定されることなく、例えば分子線ビームエピタキシー(MBE)法を用いても同様な半導体膜を得ることができる。
【0082】
なお、いずれの実施の形態も限定的に解釈されるべきものではなく、本発明の構成要件を満足する範囲内で他の方法によっても実現可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の面発光型半導体レーザは、積層する層の光学的厚さを調整することにより、光学モードの制御が可能であり、容易に基本横モード発振を得ることができるという効果を奏する。
【0084】
また、本発明の面発光型半導体レーザは、光出射領域に対応する部分のみで電極とのコンタクトを取ることが可能で、電流狭窄と基本横モードの選択性の向上とを同時に行うことができ、しきい値電流を低減し光出射領域の面積を広げることが可能であることから、基本横モードでの高出力化を図ることができるという効果を奏する。
【0085】
さらに、本発明の面発光型半導体レーザは、簡易なプロセスで再現性良く製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの断面図であり、(B)は(A)に示す面発光型半導体レーザの反射率分布を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの製造工程における断面図である(積層工程)。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの製造工程における断面図である(エッチング工程)。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの製造工程における断面図である(第2電極形成工程)。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザのゲイン領域と光学モードのオーバーラップを示す概念図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの電流経路を示す概念図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの電流注入方法を改善した第1の変形例の断面図である(Zn拡散方式)。
【図8】(A)及び(B)は、本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型面発光型半導体レーザの電流注入方法を改善した第2の変形例の断面図である(プロトン注入方式)。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの断面図である。
【図11】従来技術に係る面発光型半導体レーザの断面図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板
2 第1多層反射膜
3 第1スペーサ層
4 量子井戸活性層
5 第2スペーサ層
6 第2多層反射膜
7 キャップ層
8 コンタクト層
9 第2電極
10 第1電極
11 開口部(光出射領域)
21 レジストマスク
22 電流経路
23 絶縁膜マスク
24 亜鉛拡散領域
25 pn接合部
26 対プロトン注入用マスク
27 プロトン注入領域
28 シリコン系絶縁保護膜
29 上部電極
30 選択酸化層(絶縁領域)
125 VCSEL
130 基板
132,138 パラレル・ミラー・スタック
135 スペーサ層
139 トレンチ
140 メサ
142 コンタクト・ウィンドウ
144 誘電体層
146 コンタクト層
147 電極
148 光学モード
149 電流分布

Claims (10)

  1. 半導体基板に設けられた第1電極と、
    該半導体基板の第1電極とは反対側の面に設けられた第1多層反射膜と、
    活性層を挟んで該第1多層反射膜に対向するように設けられた第2多層反射膜と、
    レーザ発振される光に対して光学的に透明で且つ第1電極と共に活性層に電流を注入するための第2電極と、
    前記第2電極と前記第2多層反射膜との間で且つ光出射領域に対応する部分に設けられ、レーザ発振される光に対して光学的に透明なコンタクト層と、
    前記第2電極と前記第2多層反射膜との間に設けられ、前記コンタクト層が形成された部分を介して活性層への電流注入を可能とし、該コンタクト層が形成されていない部分を介して活性層への電流注入を不能とするキャップ層と、
    を備え、
    前記第2電極の光学的厚さと前記コンタクト層の光学的厚さとを調整することにより、前記コンタクト層が形成された部分の周辺部分の反射率を、前記コンタクト層が形成された部分の反射率よりも低下させた面発光型半導体レーザ。
  2. 前記キャップ層は、レーザ発振される光に対して光学的に透明であり、前記第2多層反射膜と格子整合する材料から形成される請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記コンタクト層は、前記キャップ層と格子整合し、前記キャップ層とヘテロ接合することが可能で、かつ、前記第2電極とオーム性接触することが可能な材料から形成される請求項1または2に記載の面発光型半導体レーザ。
  4. 第1の導電型のGaAs基板に設けられた第1電極と、
    該基板の第1電極とは反対側の面に設けられた第1の導電型のAlGaAs系第1多層反射膜と、
    アンドープのAlGaAs系活性層を挟んで該第1多層反射膜に対向するように設けられた第2の導電型のAlGaAs系第2多層反射膜と、
    レーザ発振される光に対して光学的に透明で且つ第1電極と共に前記活性層に電流を注入するための第2電極と、
    前記第2電極と前記第2多層反射膜との間で且つ光出射領域に対応する部分に設けられ、レーザ発振される光に対して光学的に透明なコンタクト層と、
    前記第2電極と前記第2多層反射膜との間に設けられ、前記コンタクト層が形成された部分を介して前記活性層への電流注入を可能とし、該コンタクト層が形成されていない部分を介して前記活性層への電流注入を不能とするキャップ層と、
    を備え、
    前記第2電極の光学的厚さと前記コンタクト層の光学的厚さとを調整することにより、前記コンタクト層が形成された部分の周辺部分の反射率を、前記コンタクト層が形成された部分の反射率よりも低下させた面発光型半導体レーザ。
  5. 前記キャップ層は、AlGaInP系半導体またはGaInP系半導体から形成される請求項4に記載の面発光型半導体レーザ。
  6. 前記コンタクト層は、AlGaAs系半導体またはGaAs系半導体から形成される請求項4または5に記載の面発光型半導体レーザ。
  7. 前記第2電極は、カドミウム・スズ酸化物またはインジウム・スズ酸化物から形成される請求項1から6までのいずれか1項に記載の面発光型半導体レーザ。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の面発光型半導体レーザを製造する製造方法であって、
    半導体基板上に、第1多層反射膜、活性層、第2多層反射膜、キャップ層、及びコンタクト層を順次積層する積層工程と、
    前記コンタクト層を光出射領域に対応する部分を残してエッチングするエッチング工程と、
    前記コンタクト層が形成された部分とその周辺部分とを覆うように第2電極を形成する電極積層工程と、
    を有する面発光型半導体レーザの製造方法。
  9. 前記エッチング工程において、コンタクト層をエッチングする際に、前記キャップ層をエッチストッパーとして使用する請求項8に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  10. 前記コンタクト層は、前記キャップ層を半導体の結晶成長により積層した後、半導体の結晶成長により連続して積層される請求項8または9に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
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