JP3836774B2 - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

弾性繊維用油剤 Download PDF

Info

Publication number
JP3836774B2
JP3836774B2 JP2002306472A JP2002306472A JP3836774B2 JP 3836774 B2 JP3836774 B2 JP 3836774B2 JP 2002306472 A JP2002306472 A JP 2002306472A JP 2002306472 A JP2002306472 A JP 2002306472A JP 3836774 B2 JP3836774 B2 JP 3836774B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
oil
carbon atoms
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002306472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003201678A (ja
Inventor
行範 東瀬
義幸 若原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002306472A priority Critical patent/JP3836774B2/ja
Publication of JP2003201678A publication Critical patent/JP2003201678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3836774B2 publication Critical patent/JP3836774B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性繊維用油剤に関する。更に詳しくは、ポリウレタン繊維等の弾性繊維の紡糸工程における膠着防止に好適に用いることのできる油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリウレタン繊維等の弾性繊維の紡糸工程において、油剤を繊維に付着させて繊維同士の膠着を防止する方法としては、固体の金属石鹸をベースオイルに懸濁させることにより離型効果を発現する方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照);常温で液状のポリエーテル変性シリコーンを使用する方法(例えば、特許文献3、特許文献4参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭41−286号公報(第1〜2頁)
【特許文献2】
特公昭40−5557号公報(第1〜5頁)
【特許文献3】
特公昭45−40719号公報(第1〜5頁)
【特許文献4】
特開昭48−19893号公報(第1〜5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体の金属石鹸を懸濁させる方法では、膠着防止性については満足な効果は得られるがスカムが多いため作業性が悪いという問題がある。また、常温で液状のポリエーテル変性シリコーンを使用する方法では、スカムは少ないが、膠着防止性に満足な効果を得ることができず、膠着防止性とスカム発生防止性とを両立できる油剤が求められていた。
【0005】
本発明の目的とするところは、スカム発生防止性に優れ、かつ弾性繊維を製造する際の繊維同士の膠着防止性が良好な弾性繊維用油剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定粘度範囲の高重合ポリオルガノシロキサンを含有する油剤を用いることで上記問題点が解決することを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、ウベローデ粘度計で測定される25℃における30質量%キシレン溶液の粘度が2,000mm2 /s以上の高重合ポリオルガノシロキサン(A)およびベースオイル(B)からなることを特徴とする弾性繊維用油剤;該弾性繊維用油剤を弾性繊維に対して0.1〜12質量%付与する弾性繊維の処理方法;並びに該処理方法により処理されてなる弾性繊維である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、高重合ポリオルガノシロキサン(A)は、25℃において、通常粘稠液状またはペースト状であり、ウベローデ粘度計で測定される25℃における30質量%キシレン溶液の粘度(以下、K粘度と略記)が、通常2,000mm2 /s以上、好ましくは4,000〜30,000mm2 /s、さらに好ましくは7,000〜25,000mm2 /sである。2,000mm2 /s未満であると、膠着防止効果が得られない。
【0009】
(A)としては、(A1)高重合ポリジメチルシロキサン、高重合ポリメチルフェニルシロキサン、(A2)高重合アルキル変性シリコーン及び(A3)高重合アミノ変性シリコーンが挙げられる。
【0010】
(A1)高重合ポリジメチルシロキサン、高重合ポリメチルフェニルシロキサン
下記一般式(1)中、R1 、R2 、R3 、R4 がメチル基またはフェニル基であるもの。aとbはK粘度が上記範囲内となる0または1以上の整数である。a+bは、好ましくは2,500〜7,000、さらに好ましくは4,000〜6,500である。(R1 、R2 、R3 およびR4 のすべてがメチル基の場合が高重合ポリジメチルシロキサンである。また、b=0のときはR1 とR4 の少なくとも1つが、b≠0のときはR1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも1つが、フェニル基の場合が高重合ポリメチルフェニルシロキサンである。)
【0011】
【化1】
Figure 0003836774
【0012】
以下のa+bは重量平均分子量(以下Mwと略記する。)から求めた値である。Mwの測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下GPC法と略記する。測定条件 溶媒:テトラヒドロフラン カラム:TSKgel SuperH4000、TSKgel Super H3000、TSKgel Super H2000 分子量の較正:ポリスチレン)で行う。
【0013】
(A2)高重合アルキル変性シリコーン
上記一般式(1)中、R1 、R2 、R3 、R4 の少なくとも1つ(b=0のときはR1 とR4 の少なくとも1つ)が炭素数2〜20のアルキル基または−(CH2)p−Ph(Phはフェニル基、pは1〜4の整数を示す)基であるもの。残りはメチル基でもよい。aとbはK粘度が上記範囲内となる0または1以上の整数である。a+bは、好ましくは2,500〜7,000、さらに好ましくは4,000〜6,500である。
【0014】
(A3)高重合アミノ変性シリコーン
上記一般式(1)中、R1 、R2 、R3 、R4 の少なくとも1つ(b=0のときはR1 とR4 の少なくとも1つ)が−R23−NH(R24NH)tH 基含有基(R23は炭素数1〜5のアルキレン基、R24は炭素数1〜4のアルキレン基、tは0〜3の整数である)であるもの。残りはメチル基でもよい。aとbはK粘度が上記範囲内となる0または1以上の整数である。a+bは、好ましくは2,500〜7,000、さらに好ましくは4,000〜6,500である。
これらの(A)のうち好ましいものは、高重合ポリジメチルシロキサンである。
【0015】
本発明の油剤には平滑性を付与する目的でベースオイル(B)が用いられる。(B)としては、弾性繊維用油剤のベースオイルとして通常用いられるものであればとくに限定されないが、K粘度が1,500mm2/s以下のポリオルガノシロキサン(B1)[但し、有機酸変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、シリコーンレジン(分岐度の高い三次元構造の固体ポリマー)、ポリエーテル変性シリコーンを除く]、炭化水素系潤滑油(B2)およびこれらの併用が好ましい。これら以外の(B3)として、フッ素系潤滑油、アルコール系潤滑油、カルボン酸系潤滑油、カルボン酸エステル系潤滑油およびポリエーテル系潤滑油などを用いてもよい。
【0016】
ポリオルガノシロキサン(B1)は、ウベローデ粘度計で測定される25℃における粘度が、通常50,000mm2 /s以下、好ましくは10,000mm2 /s以下、さらに好ましくは1〜1,000mm2 /sのものである。K粘度では、通常1,500mm2 /s以下、好ましくは1,000mm2 /s以下、さらに好ましくは1〜500mm2 /sのものである。(B1)としては、例えば下記(B1−1)および(B1−2)が挙げられる。
(B1−1)ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン
前記一般式(1)中、R1 、R2 、R3 、R4 がメチル基またはフェニル基であるもの。aとbは0または1以上の整数であり、a+bは1〜1,000である。(すべてがメチル基の場合がポリジメチルシロキサンである。また、b=0のときはR1 とR4 の少なくとも1つが、b≠0のときはR1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも1つが、フェニル基の場合がポリメチルフェニルシロキサンである。)
【0017】
(B1−2)アルキル変性シリコーン
1 、R2 、R3 、R4 の少なくとも1つ(b=0のときはR1 とR4 の少なくとも1つ)が炭素数2〜20のアルキル基または−(CH2)p−Ph(Phはフェニル基、pは1〜4の整数を示す)基であるもの。残りはメチル基でもよい。aとbは0または1以上の整数であり、a+bは1〜1,000である。
これらの(B1)のうち好ましいものは、ポリジメチルシロキサン、とくに25℃における粘度が3〜100mm2 /s、K粘度では1〜50mm2 /sのポリジメチルシロキサンである。
【0018】
炭化水素系潤滑油(B2)としては、例えばウベローデ粘度計で測定される25℃における粘度が1〜1,000mm2 /s、K粘度では1〜500mm2 /sの鉱物油およびその精製油、水添および/または分解油等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、K粘度が1〜50(さらに好ましくは1〜30)mm2 /sの鉱物油およびとくにその精製油である。
(B)として、(B1)、(B2)および(B3)を、それぞれ単独で使用することも併用することもできる。併用する場合の(B1)/(B2)/(B3)の質量比は、とくに限定されないが、100/0/0〜15/75/10が好ましく、99/1/0〜30/65/5がさらに好ましい。
【0019】
本発明の弾性繊維用油剤中の、ベースオイル(B)の含有量は、良好な平滑性および膠着防止性を得る観点から、全油剤(非揮発分)に対し、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75〜99.8質量%、特に好ましくは80〜99質量%である。
高重合ポリオルガノシロキサン(A)の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.02〜3質量%、とくに好ましくは0.05〜2質量%である。0.01質量%以上であると膠着防止効果が大きく、5質量%以下であると粘度が低く取り扱いが容易である。
【0020】
本発明の油剤には、必要により、制電剤(C)、柔軟剤(D)および(A)以外の膠着防止剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有させてもよい。
【0021】
制電剤(C)としては、たとえば米国特許第4,331,447号および同3,929,678号各明細書に記載のような、アニオン界面活性剤(C1)、両性界面活性剤(C2)、カチオン界面活性剤(C3)が挙げられる。
アニオン界面活性剤(C1)としては、カルボン酸塩(C1−1)、硫酸エステル塩(C1−2)、カルボキシメチル化物の塩(C1−3)、スルホン酸塩(C1−4)およびリン酸エステル塩(C1−5)等が挙げられる。
【0022】
カルボン酸塩(C1−1)としては、炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和脂肪族カルボン酸(オキシカルボン酸を含む)の塩が挙げられ、具体的には、飽和脂肪族カルボン酸、例えばカプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、2−エチルヘキサン酸;不飽和脂肪族カルボン酸、例えばオレイン酸;脂肪族オキシカルボン酸、例えばリシノール酸、オキシステアリン酸;およびヤシ油、パーム核油、米ぬか油、牛脂等をケン化して得られる高級脂肪酸の混合物;の塩等が挙げられる。
塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アンモニウム、アミン類たとえばモノ−,ジ−およびトリ−アルカノールアミン(炭素数2〜8;トリエタノールアミン等)、モノ−,ジ−およびトリ−アルキルアミン(アルキル基の炭素数1〜6;トリエチルアミン等)、複素環アミン(モルホリン等)等の塩が挙げられる。以下の(C1)の塩についても同様のものが用いられる。
【0023】
硫酸エステル塩(C1−2)としては、(C1−21)高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、(C1−22)高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド(以下EOと略記)および/またはプロピレンオキサイド(以下POと略記)1〜10モル付加物の硫酸エステル塩]、(C1−23)硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、(C1−24)硫酸化脂肪酸エステル[不飽和脂肪酸(炭素数3〜18)の低級アルコール(炭素数1〜7)エステルを硫酸化して中和したもの]、および(C1−25)硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)等が挙げられる。
【0024】
(C1−21)の具体例としては、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩およびオキソ法で合成されたアルコール(例えばドバノール23,25,45:三菱化学製、トリデカノール:協和発酵製、オキソコール1213,1215,1415:日産化学製、ダイヤドール115−L,115H,135:三菱化学製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。
(C1−22)の具体例としては、ラウリルアルコールEO2モル付加物の硫酸エステル塩、およびオクチルアルコールEO3モル付加物の硫酸エステル塩等が挙げられる。
(C1−23)の具体例としては、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂および羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
(C1−24)の具体例としては、オレイン酸ブチル、およびリシノレイン酸ブチルなどの硫酸化物の塩等が挙げられる。
(C1−25)の具体例としては、例えばティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
【0025】
カルボキシメチル化物の塩(C1−3)としては、(C1−31)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のカルボキシメチル化物の塩、および(C1−32)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のEOおよび/またはPO1〜20モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等が挙げられる。
【0026】
(C1−31)の具体例としては、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23カルボキシメチル化ナトリウム塩、およびトリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
(C1−32)の具体例としては、オクチルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、イソステアリルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23EO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、およびトリデカノールEO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
【0027】
スルホン酸塩(C1−4)としては、(C1−41)アルキル(炭素数8〜24)ベンゼンスルホン酸塩、(C1−42)アルキル(炭素数8〜24)ナフタレンスルホン酸塩、(C1−43)スルホコハク酸ジエステル[例えば炭素数が4〜20またはそれ以上の飽和または不飽和アルコールおよびこれらのアルキレンオキサイド1〜10モル付加物から選ばれるアルコールのエステル]の塩、(C1−44)α−オレフィン(炭素数3〜30)スルホン酸塩、および(C1−45)イゲポンT型等が挙げられる。
【0028】
(C1−41)の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等;(C1−42)の具体例としては、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等;(C1−43)の具体例としては、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩等が挙げられる。
【0029】
リン酸エステル塩(C1−5)としては、(C1−51)高級アルコール(炭素数8〜24)リン酸エステル塩、および(C1−52)高級アルコール(炭素数8〜24)EO付加物リン酸エステル塩等が挙げられる。
【0030】
(C1−51)の具体例としては、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、およびラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等;(C1−52)の具体例としては、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
【0031】
両性界面活性剤(C2)としては、ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤およびスルホン酸塩型両性界面活性剤等が使用できる。
(C2)のうち好ましいものとしては、例えば下記一般式(2)、(3)または(4)で示されるもの、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0032】
Figure 0003836774
【0033】
[式中、R5 、R6 、R7 はそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数:2〜4)、および式R9−T−R10−で示される基(R9は炭素数1〜30の脂肪酸からCOOH基を除いた残基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Tは−COO−または−CONH−を表す。)から選ばれる基;R5とR6とR7とのいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成していてもよい;R8 は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基;X-はCOO-またはSO3 -;R11は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基;R12は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基;R13は水素原子または式−R12COOM1/m で示される基;R14は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基;R11とR14のいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成していてもよい;Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンカチオンであってMが複数の場合は同一でも異なっていてもよい;mはMの価数を表し、1または2である。]
【0034】
5 、R6 、R7 、R11およびR14の炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘキコシル基およびドコシル基ならびに2−エチルデシル基等;炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、n−およびi−のプロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基およびノナデセニル基ならびに2−エチルデセニル基等が挙げられる。
【0035】
5 、R6 、R7 およびR11の炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、n−およびi−のヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基およびヒドロキシオクタデシル基等が挙げられる。
5 、R6 およびR7 のポリオキシアルキレン基としては、式R15−(OA)n−で示される基(R15は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは2〜15の整数)が挙げられる。炭素数2〜4のアルキレン基Aとしては、1,2−エチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、ならびに1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブチレン基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基R15は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、およびブチル基等が挙げられる。
【0036】
9−T−R10− で示される基の、残基R9 を構成する炭素数1〜30の脂肪酸としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数6〜24の脂肪酸である。
10の炭素数1〜4のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチレン基、エチレン基、n−およびi−のプロピレン基、ブチレン基等;炭素数1〜4のヒドロキシアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、n−およびi−のヒドロキシプロピレン基、ヒドロキシブチレン基等が挙げられる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜4のアルキレン基である。
【0037】
これらのうち好ましいものは、R5 およびR11は炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、およびR9CONHR10−基であり、R6 、R7 は炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基およびヒドロキシアルキル基であり、R14は水素原子および炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基である。
【0038】
5とR6とR7とのいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成しているもの、脂環式化合物を形成しているもの、またはR11とR14のいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成しているもの、脂環式化合物を形成しているものとしては、例えばイミダゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が挙げられる。
【0039】
8 およびR12の炭素数1〜4のアルキレン基としては、R10と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
- のうち好ましいものはCOO- である。
【0040】
13は、水素原子またはR12COOM1/m 基である。これらのうち好ましいものはR13が水素原子のものとR13がR12COOM1/m 基のものの混合物である。
Mのアルカリ金属としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等;アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウム等;アミンカチオンとしてはモノ−、ジ−およびトリ−のエタノールアミンカチオン、2−エチルヘキシルアミンカチオン等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、水素原子およびアルカリ金属である。
【0041】
一般式(2)で示されるベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)ジメチルベタイン(ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン等)、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜4)ジメチルベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン、ラウラミドプロピルジメチルベタイン、ステアラミドプロピルジメチルベタイン等)、アルキル(炭素数1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜30)ベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)、スルフォベタイン型両性界面活性剤(ペンタデシルジメチルタウリン等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものはアルキルジメチルベタイン、アルキルアミドアルキルジメチルベタインである。
【0042】
一般式(3)で示されるアミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、アラニン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノプロピオン酸型、アルキル(炭素数1〜30)イミノジプロピオン酸型等]両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸ナトリウム等)、グリシン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノ酢酸型等]両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウム等)が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジプロピオン酸型両性界面活性剤である。
【0043】
一般式(4)で示されるスルホン酸塩型両性界面活性剤(アミノスルホン酸型両性界面活性剤)としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)タウリン型(C1531NHCH2CH2SO3Na、C1735NHCH2CH2CH2SO3Na等)両性界面活性剤等が挙げられる。
【0044】
カチオン界面活性剤(C3)としては、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤およびアミン塩型カチオン界面活性剤等が挙げられる。
(C3)としては、例えば下記一般式(5)または(6)で示されるもの、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0045】
Figure 0003836774
【0046】
[式中、R16、R17、R18はそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数:2〜4)、および式R9−T−R10− で示される基(R9 は炭素数1〜30の脂肪酸からCOOH基を除いた残基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Tは−COO−または−CONH−を表す。)から選ばれる基;R19は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基;R16とR17とR18とのいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成していてもよい;Q- は無機酸アニオンまたは有機酸アニオン、QHは無機酸または有機酸を表す。]
【0047】
16、R17、R18の炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基、および式R9−T−R10−で示される基としては、前記R5、R6、R7 と同じものが挙げられる。
16、R17、R18としては、これらのうち、炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基およびヒドロキシアルキル基が好ましい。
19の炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基としては、R16、R17、R18で挙げたものと同様である。これらのうち好ましいものは、炭素数1〜4のアルキル基およびヒドロキシアルキル基である。
16とR17とR18とのいずれか2つが結合してNとともに複素環、脂環式化合物を形成しているものとしては、例えばイミダゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が挙げられる。
【0048】
アニオンQ- を形成する酸、QHとしては次のものが挙げられる。
(1)無機酸
ハロゲン化水素酸(塩酸、臭素酸、沃素酸等)、硝酸、炭酸、燐酸等;
(2)有機酸
(a)アルキル硫酸エステル
メチル硫酸、エチル硫酸等の炭素数1〜4のアルキル硫酸エステル;
(b)アルキル燐酸エステル
ジメチル燐酸、ジエチル燐酸等の炭素数1〜8のモノおよび/またはジアルキル燐酸エステル;
【0049】
(c)炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸
飽和モノカルボン酸(残基がR9 を構成する脂肪酸として挙げたもの等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸等)、および脂肪族オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、オキシカプロン酸、リシノール酸、オキシステアリン酸、グルコン酸等);
(d)炭素数7〜30の芳香族または複素環モノカルボン酸
芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸等)、芳香族オキシカルボン酸(サリチル酸、p−オキシ安息香酸、マンデル酸等)、および複素環モノカルボン酸(ピロリドンカルボン酸等);
【0050】
(e)2〜4価のポリカルボン酸
炭素数2〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸等)、炭素数4〜30の不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等)];炭素数4〜20の脂肪族オキシポリカルボン酸(リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等);炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸[ジカルボン酸〔フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびビフェニルジカルボン酸(2,2’−、3,3’−および/または2,7−体)等〕、トリもしくはテトラカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)];硫黄を含有する炭素数4〜30のポリカルボン酸(チオジプロピオン酸等);
(f)炭素数2〜30のアミノ酸
アスパラギン酸、グルタミン酸、システィン酸等のアミノ酸;
(g)有機酸変性シリコーン
ジオルガノポリシロキサンのメチル基の一部が、−R20COOH基および/または−R20SO3H基 に置換した有機酸、例えば前記一般式(1)で示され、下記の組成のもの。
【0051】
(g)としては、一般式(1)において、Meはメチル基、R1 、R2 、R3およびR4 の少なくとも一つが、−R20COOH基および/または−R20SO3H基(R20は炭素数2〜5のアルキレン基を表す。)であり、残りはメチル基、フェニル基、炭素数2〜20のアルキル基または−(CH2)p−Ph(Phはフェニル基、pは1〜4の整数を示す)基でもよい。a,bは1〜2,000の整数である。炭素数2〜5のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、エチレン基、n−およびi−のプロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン等が挙げられる。
例えば、25℃における粘度が5〜20,000mm2 /sで、K粘度では1〜1,500mm2 /sでカルボキシ当量が200〜20,000のカルボキシ変性シリコーン等。
【0052】
(h)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のカルボキシメチル化物
オクチルアルコールのカルボキシメチル化物、デシルアルコールのカルボキシメチル化物、ラウリルアルコールのカルボキシメチル化物、ドバノール23(三菱油化製)のカルボキシメチル化物およびトリデカノール(協和発酵製)のカルボキシメチル化物等。
(i)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のEOおよび/またはPO1〜20モル付加物のカルボキシメチル化物
オクチルアルコールEO3モル付加物のカルボキシメチル化物、ラウリルアルコールEO2.5モル付加物のカルボキシメチル化物、イソステアリルアルコールEO3モル付加物のカルボキシメチル化物、ドバノール23EO3モル付加物のカルボキシメチル化物およびトリデカノールEO2モル付加物のカルボキシメチル化物等。
【0053】
これらのうちで好ましいものは、メチル硫酸、エチル硫酸、アジピン酸、グルコン酸、とくにイソステアリン酸、25℃における粘度が10〜8,000(さらに20〜5,000、とくに30〜1000)mm2 /sで、K粘度では2〜600mm2/sで、カルボキシル当量が300〜8,000(さらに400〜4,000、とくに500〜1,500)のカルボキシ変性シリコーン、およびラウリルアルコールEO1〜5モル付加物のカルボキシメチル化物である。
【0054】
一般式(5)で示される第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)トリメチルアンモニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムイソステアリン酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムカルボキシ変性シリコーン塩等)、ジアルキル(炭素数1〜30)ジメチルアンモニウム塩〔ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムイソステアレート、ジ(ジデシルジメチルアンモニウム)アジペート、ジデシルジメチルアンモニウムカルボキシ変性シリコーン塩、ジデシルジメチルアンモニウムラウリルアルコールEO1〜5モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等〕、窒素環含有第4級アンモニウム塩(セチルピリジニウムクロライド等)、ポリ(付加モル数2〜15)オキシアルキレン(炭素数2〜4)鎖含有第4級アンモニウム塩[ポリ(付加モル数3)オキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド等]、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜10)ジアルキル(炭素数1〜4)メチルアンモニウム塩(ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはアルキルトリメチルアンモニウムの有機酸塩およびとくにジアルキルジメチルアンモニウムの有機酸塩である。
【0055】
一般式(6)で示されるアミン塩型カチオン界面活性剤としては、3級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸等)または有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル硫酸等)で中和して得られるものが使用できる。例えば、炭素数3〜90の脂肪族3級アミン(トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、ジデシルメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン等)、炭素数3〜90の脂環式(含窒素ヘテロ環を含む)3級アミン(N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジル等)、炭素数3〜90のヒドロキシアルキル基含有3級アミン(トリエタノールアミンモノステアリン酸エステル、N−ステアラミドエチルジエタノールアミン等)等の無機酸塩または有機酸塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、脂肪族アミンの無機酸塩および有機酸塩である。
【0056】
(C)として好ましいものは、両性界面活性剤(C2)、およびとくに(C2)とカチオン界面活性剤(C3)との併用(例えば質量比で9:1〜1:9)である。
【0057】
本発明の弾性繊維用油剤(非揮発分)中の(C)の含有量は、油剤に十分な制電性および糸切れ等を生じない適度な粘度を与える観点から、全油剤(非揮発分)に基づいて、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは0.01〜10質量%である。
【0058】
柔軟剤(D)としては、例えば前記一般式(1)で示され、下記組成のエポキシ変性シリコーン(D1)およびアミノ変性シリコーン(D2)が挙げられる。(D)のMwは、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜20,000である。K粘度は1,500mm2/s以下である。
【0059】
エポキシ変性シリコーン(D1)としては、前記一般式(1)において、R1、R2 、R3 およびR4 の少なくとも一つがエポキシ基含有基であるもの等が挙げられる。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。また、Meはメチル基であり、aとbは0または1以上の整数であり、a+bは1〜1,000である。
エポキシ基含有基としては、下記一般式(7)(式中、R21,R22は炭素数1〜4のアルキレン基、kは0または1である。)で示される基、例えばグリシジル基、γ−グリシドキシプロピル基などが挙げられる。
【0060】
【化2】
Figure 0003836774
【0061】
アミノ変性シリコーン(D2)としては、前記一般式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも一つが−R23−NH(R24NH)tH 基含有基(R23は炭素数1〜5のアルキレン基、R24は炭素数1〜4のアルキレン基、tは0〜3の整数である)であるもの等が挙げられる。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。また、Meはメチル基であり、aとbは0または1以上の整数であり、a+bは1〜1,000である。
【0062】
上記(D1)および(D2)で、炭素数2〜20のアルキル基としては、前記一般式(2)のR5 におけるアルキル基として例示したもののうち、炭素数が上記範囲内のものが挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−及びiso−プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜5(1〜4)のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、並びに1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブチレン基等が挙げられる。好ましくは1,3−プロピレン基である。
これら(D)の中で好ましいものは、アミノ変性シリコーン(D2)、とくにMwが500〜20,000のアミノ変性シリコーンである。
【0063】
本発明の油剤(非揮発分)中の、(D)の含有量はとくに限定されないが、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
【0064】
(A)以外の膠着防止剤(E)としては、弾性繊維用油剤の膠着防止剤として通常用いられるものであればとくに限定されないが、炭素数5〜30の高級脂肪酸金属塩(E1)、シリコーンレジン(E2)、ポリエーテル変性シリコーン(E3)、およびこれら以外の膠着防止剤(E4)が挙げられる。
【0065】
(E1)としては、炭素数5〜30(好ましくは10〜20)の高級脂肪酸の2価もしくは3価金属塩[アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)およびアルミニウム塩等]等が挙げられる。上記高級脂肪酸の具体例としては、前記のR9 を構成する炭素数1〜30の脂肪酸として例示したもののうち炭素数が5以上のものが挙げられる。
(E1)の具体例としては、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムである。
【0066】
(E2)としては、例えば、分岐度の高い三次元構造の固体ポリマーすなわちシリコーンレジン[シリコーンハンドブック(伊藤邦雄編、日刊工業新聞社発行)、466〜515頁に記載のもの]が挙げられる。このうち好ましいものは、Mwが1,000〜100,000のメチルシリコーンレジン、およびMwが1,000〜100,000のアミノ変性ポリオルガノシロキサンからなるレジンであり、さらに好ましくは、Mwが1,500〜30,000のメチルシリコーンレジンである。
【0067】
(E3)としては、K粘度が1,500mm2/s以下で、前記一般式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも一つがポリオキシアルキレン鎖含有基であるもの等が挙げられる。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。ポリオキシアルキレン鎖含有基としては、一般式−A1−O−(A2−O)q−R25 で示される基(式中、R25は水素原子または炭素数1〜30のアルキル基、A1 は炭素数1〜5のアルキレン基、A2 は炭素数1〜4のアルキレン基であり、同じでも異なっていてもよく、ブロック状でもランダム状でもよい。qは1〜100の整数を表す。)、例えば、一般式 −(CH2)3−O−(C24O)r(C36O)s−D(Dは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、rとsはr+s=1〜100となる0以上の整数を示す。)で示される基が挙げられる。また、Meはメチル基であり、aとbは0または1以上の整数であり、a+bは1〜1,000である。なお、各置換基の例は、前記の(D)におけるものと同様である。
【0068】
上記以外の膠着防止剤(E4)としては、例えば、粒子径が0.5μm以下のタルク、シリカおよびコロイダルアルミナ等の鉱物性固体微粒子;パラフィン(炭素数18〜70)、ポリエチレン(Mw=300〜10,000)等の25℃以下で固状となるワックス;等が挙げられる。
これら(E)の中で好ましいものは(E2)および(E3)である。
【0069】
本発明の油剤(非揮発分)中の、(E)の含有量は特に限定されないが、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。また(E1)の含有量は、好ましくは0.5質量%以下である。
これらの添加剤は、弾性繊維の用途、例えばコアスパンヤーン、カバリング、エアーカバリング、丸編み、整経等によって、1種だけ使用したり、数種併用して使用することで最適な性能を付与することができる。
【0070】
本発明の油剤には、さらに必要により公知の相溶化成分[例えばノニオン界面活性剤(例えば米国特許第4,331,447号および同第3,929,678号各明細書に記載のもの);2−エチルヘキサノール、イソステアリルアルコール等の炭素数6〜24の高級アルコール類等]を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない範囲で配合してよく、これらを配合することで油剤の経日安定性を向上させることができる。
また、さらに酸化防止剤(ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類等)、紫外線吸収剤等、通常紡糸油剤に使用される成分を配合することができる。
これらの成分の本発明の油剤(非揮発分)中の配合量は、相溶化成分については、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜7質量%であり、酸化防止剤および紫外線吸収剤については、好ましくは0〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
【0071】
本発明の油剤の粘度(以下L粘度と略記)は、均一付着、ローラ巻き付き防止のために、25℃で2〜100mm2 /sが好ましい。
L粘度は以下の方法で測定する。
[L粘度の測定方法]
試料油剤を20gウベローデ粘度計に入れ、恒温水槽で25±0.5℃に試料油剤を温調する。30分後、ウベローデ法により粘度を測定する。
【0072】
本発明の油剤の製造方法としては特に限定はなく、例えば、通常の撹拌設備(櫂型攪拌機、プロペラ式攪拌機等)および加熱設備(例えば0〜200℃)が備わった配合槽に各成分を入れ40〜120℃で混合する方法が挙げられる。
【0073】
油剤の付与形態は、通常非含水の状態で使用することができるが、必要に応じて水乳化物として使用してもよい。
非含水の状態とは、そのまま(ストレート給油)、または希釈剤〔有機溶媒、低粘度(L粘度1mm2/s未満)の鉱物油等〕で希釈して使用することができる。希釈比率は特に限定されないが、油剤の濃度[非揮発分の合計質量の濃度]は、希釈後の希釈油剤の全質量に基づいて、好ましくは1〜80質量%、さらに好ましくは5〜70質量%である。
有機溶剤としては、例えば、ヘキサンおよびペンタン等の脂肪族炭化水素;ジエチルエーテルおよびジプロピルエーテル等のエーテル;メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド等の高極性溶媒;クロロホルムおよび四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
低粘度鉱物油としては、例えば、L粘度が1mm2 /s未満の流動パラフィンや精製スピンドル油が挙げられる。
【0074】
水乳化物の場合は、公知の方法で乳化することができるが、例えば、本発明の油剤を必要に応じ乳化剤と混合し、水中に乳化することによって得ることができる。
乳化剤としては、油剤の成分の種類によっては特に加える必要はなく、例えば前記アニオン界面活性剤(C1)、前記ノニオン界面活性剤等が使用できる。
前記各成分に該当する以外の乳化剤を使用する場合の乳化剤の量は、乳化剤配合後の油剤(非揮発分)の全質量に基づいて、好ましくは0〜50%である。
乳化機としては、攪拌機を備えた乳化槽やボールミル、ガウリンホモジナイザー、ホモディスパーおよびビーズミル等を用いることができる。
エマルションの濃度は特に限定されないが、油剤の濃度は、乳化後のエマルションの全質量に基づいて、好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.2〜20質量%である。
【0075】
本発明の油剤は弾性繊維の紡糸工程(例えば200〜1,200m/分)において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位置で、ローラ給油やノズル給油等で糸に付与させることができる。給油する油剤の温度は、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは15〜60℃である。
本発明の油剤は、通常弾性繊維に対して、非揮発分として0.1〜12(好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは1〜8)質量%付与させる。
【0076】
本発明の油剤を適用できる弾性繊維としては、ポリウレタン弾性糸、ポリエステル弾性糸、ポリアミド弾性糸およびポリカーボネート弾性糸等が挙げられるが、とくにポリウレタン弾性糸に好適に使用できる。
本発明の油剤が適用できる弾性繊維の繊度は、特に限定されないが、好ましくは10〜2500dtx、さらに好ましくは11〜1870dtxである。
【0077】
本発明の油剤で処理されてなる弾性繊維は、後加工工程(例えばエアースパンヤーン工程、カバーリング工程、エアーカバーリング工程、編み工程、整経工程、精錬工程、染色工程および仕上げ工程等)を経て最終製品に仕上げられる。
最終製品としては、衣料用[例えばパンティーストッキング、靴下、インナーファンデーション(ブラジャー、ガードル、ボディースーツ等)、アウターウェア(ジャケット、スラックス等)、スポーツウェア(水着、レオタード、スキーズボン等)]および産業資材用(例えば紙おむつ、ベルト等)等に広く適用できる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、文中および表中の部は質量部(有効成分)、%は質量%を表す。
【0079】
実施例1〜6および比較例1〜3
表1記載の組成および配合量(部)で、各成分をビーカーで配合して実施例1〜6と比較例1〜3の弾性繊維用油剤を調製した。
ポリウレタン弾性繊維の乾式紡糸法において、表1の油剤をローラ給油で油剤付着量がフィラメント質量に対し6%になるよう付与し、600m/分でチーズに巻き取り、40Dのポリウレタン弾性繊維を得た。
さらに下記試験方法により、スカム発生防止性試験および膠着性試験を行なった。評価結果を表1に併記する。
【0080】
<試験方法>
(1)スカム発生防止性試験
上記乾式紡糸法でポリウレタン弾性繊維を得る際の、スカム発生状態を肉眼で観察し、比較例1の飛散状態と比較し、次の基準で判定した。
−判定基準−
○:比較例1よりスカムが少ない
×:比較例1と同等、もしくは比較例1よりスカムが多い
【0081】
(2)膠着防止性試験
巻き取ったチーズを25℃で1週間エージングを行った繊維を用い、可変倍率(引き出し速度と巻き取り速度との比率の変更が可能)の引き出し巻き取り装置にかけ、50m/分の速度で糸を送り出した時、糸が膠着により巻き込まれずに巻き取ることのできる最低の速度倍率で示した。1.3以下が好ましい。
【0082】
なお、表1における各成分は以下の通りである。
高重合ポリジメチルシロキサン(A−1):X−21−7501G(K粘度:22,000mm2 /s;信越化学工業株式会社製)
界面活性剤(1)(C−2):ラウラミドプロピルジメチルベタイン
界面活性剤(2)(C−3−1):ラウラミドプロピルジメチルアミン・カルボキシ変性シリコーン(X−22−3710:信越化学工業株式会社製)塩
界面活性剤(3)(C−3−2):ジデシルジメチルアンモニウム・ラウリルアルコールEO2.5モル付加物カルボキシメチル化塩
ポリエーテル変性シリコーン(E−3):L−7001(日本ユニカー株式会社製)
アミノ変性シリコーン(D−2):KF−8004(信越化学工業株式会社製)
ポリジメチルシロキサン(B−1):SH−200 10cs(K粘度:5mm2/s;東レ・ダウコーニング株式会社製)
鉱物油(B−2):流動パラフィン60S(K粘度:5mm2/s;中央化成株式会社製)
ステアリン酸マグネシウム(S−M)
イソステアリルアルコール(I−A)
【0083】
【表1】
Figure 0003836774
【0084】
表1から明らかなように、本発明の弾性繊維用油剤は比較例に比べて、スカム発生防止性および膠着防止性が共に優れていることが判る。
【0085】
【発明の効果】
本発明の弾性繊維用油剤は従来の油剤に比べ、スカム発生防止性と糸同士の膠着防止性とが共に優れている。
上記効果を奏することから、本発明の弾性繊維用油剤を用いることにより、弾性繊維を紡糸から後加工工程に至るまで安定な操業性を保ちながら製造することが可能となり、工業的に極めて有用である。

Claims (5)

  1. 下記(A1)、(A2)および(A3)からなる群より選ばれる高重合ポリオルガノシロキサン(A)とベースオイル(B)からなる弾性繊維用油剤において、(A)のウベローデ粘度計で測定される25℃における30質量%キシレン溶液の粘度が2,000mm2/s以上であることを特徴とする弾性繊維用油剤。
    (A1)高重合ポリジメチルシロキサン、高重合ポリメチルフェニルシロキサン
    (A2)高重合アルキル変性シリコーン
    (A3)高重合アミノ変性シリコーン
  2. さらに、制電剤(C)、柔軟剤(D)、および(A)以外の膠着防止剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有する請求項1記載の弾性繊維用油剤。
  3. 油剤中の、(A)の含有量が油剤の質量に対して0.01〜5質量%であり、(B)の含有量が70質量%以上である請求項1または2記載の弾性繊維用油剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の弾性繊維用油剤を弾性繊維に対して0.1〜12質量%付与する弾性繊維の処理方法。
  5. 請求項4記載の処理方法により処理されてなる弾性繊維。
JP2002306472A 2001-10-23 2002-10-22 弾性繊維用油剤 Expired - Fee Related JP3836774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002306472A JP3836774B2 (ja) 2001-10-23 2002-10-22 弾性繊維用油剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001325617 2001-10-23
JP2001-325617 2001-10-23
JP2002306472A JP3836774B2 (ja) 2001-10-23 2002-10-22 弾性繊維用油剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003201678A JP2003201678A (ja) 2003-07-18
JP3836774B2 true JP3836774B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=27666420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002306472A Expired - Fee Related JP3836774B2 (ja) 2001-10-23 2002-10-22 弾性繊維用油剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3836774B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104540990B (zh) * 2013-04-19 2016-08-24 花王株式会社 无纺布及纤维处理剂
JP6351322B2 (ja) * 2014-03-20 2018-07-04 松本油脂製薬株式会社 弾性繊維用処理剤および弾性繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003201678A (ja) 2003-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100471931B1 (ko) 탄성섬유용 방사유제
EP0656048B1 (en) Liquid softener composition
JP2005281953A (ja) 油状組成物
JP2008133547A (ja) 弾性繊維用油剤
JP3836774B2 (ja) 弾性繊維用油剤
JP2008133548A (ja) 弾性繊維用油剤
JP4131778B2 (ja) 柔軟仕上げ剤組成物
JPH05311575A (ja) 繊維用柔軟仕上剤
JP3653085B2 (ja) 弾性繊維処理用油剤
JP2006316375A (ja) 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法
EP1154069B1 (en) Softening finish composition
JP3466557B2 (ja) 弾性繊維用油剤
JP2992155B2 (ja) 柔軟仕上剤
KR20040105723A (ko) 탄성 섬유 처리용 유제
JP2992156B2 (ja) 柔軟仕上剤
JP3631175B2 (ja) 弾性繊維用油剤
JPH0457965A (ja) 合成繊維用紡績油剤
JP4360814B2 (ja) 繊維製品処理剤組成物
JP2006257565A (ja) 繊維製品処理剤
JP3164679B2 (ja) 液体柔軟仕上剤
JP2983760B2 (ja) 液体柔軟仕上剤
JP4536492B2 (ja) ファスナー用コイル製造用潤滑剤
JP2951776B2 (ja) 液体柔軟仕上剤
JP2994898B2 (ja) 液体柔軟仕上剤
JP2951777B2 (ja) 液体柔軟仕上剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees