JP3836539B2 - 電界放出素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平面状のエミッタラインを有する電界放出素子、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属または半導体表面の印加電界を109 [V/m]程度にするとトンネル効果により、電子が障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行われる。これを電界放出(Field Emission)と云い、このような原理で電子を放出する素子を電界放出素子、あるいは電界放出カソードと呼んでいる。近年、半導体加工技術を駆使して、ミクロンサイズの電界放出カソードからなるアレイを用いて、面放出型の電界放出カソードを作成することが可能となり、このような電界放出カソードを用いた画像表示装置(FED表示装置)の研究開発が行われている。
【0003】
図7に半導体加工技術により作成されたスピント(Spindt)型と呼ばれる電界放出カソード(FEC)を用いたFED表示装置の概略を示す。
この図7に示すように、FECはガラス等の基板Sの上にアルミニウム等の金属からなるカソード電極Kが蒸着により形成されており、このカソード電極K上にモリブデン等の金属からなるコーン状のエミッタEが形成されている。
カソード電極K上のエミッタEが形成されていない部分には二酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層Iが形成され、さらにその上にはゲートGTが形成されており、ゲートGT及び絶縁層Iに設けられた丸い開口部の中に上記コーン状のエミッタEが位置している。
すなわち、このコーン状のエミッタEの先端部分がゲートGTに設けられた開口部から臨む構成とされている。
【0004】
このコーン状のエミッタEのエミッタ間のピッチは、10ミクロン以下で製作することができ、数万から数10万個のエミッタEを1枚の基板S上に設けることができる。
さらに、ゲートGTとエミッタEのコーンの先端との距離をサブミクロンとすることができるため、ゲートGTとエミッタE(カソード電極C)間とに僅か数10ボルトのゲート・エミッタ間電圧VGEを印加することにより、電子をエミッタEから放出することができる。この電界放出された電子はゲートGT上に離隔して配置された正の電圧VA が印加されているアノードAにより補集される。
【0005】
この場合、コーン状のエミッタEの1つから得られるエミッション電流は約1マイクロアンペアと小さい電流であるため、多数のエミッタEをアレイ化することにより所望の大きさのエミッション電流が得られるFECとしている。
この場合、アノードAは放出された電子を捕集し、アノードAに蛍光体を設けておくとエミッタEから電界放出された電子が捕集されるアノードAの蛍光体の部分を発光させることが出来る。このような原理を利用することにより、FECを用いた画像表示装置、即ちFED表示装置が実現されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スピント型の電界放出素子は、図7に示されているように絶縁層Iに形成した開口部内にコーン状のエミッタEを形成させていることから、製造工程が複雑となり、このため、製造装置のコストが高くなると共に、スループットをあげることができなかった。従って、製品コストが高くなるという問題点があった。
そこで、本発明は製造工程を簡易にすることができる電界放出素子を提供すること、およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電界放出素子は、カソード基板に形成された複数本のストライプ状の溝内に、カソードライン、抵抗層、およびナノカーボンからなるエミッタ層が順次形成されており、前記エミッタ層は例えば厚膜印刷法、スプレー塗布法等によって平面状に形成されると共に、その表面に多数の突起が突出するように構成され、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面に、ゲートラインが形成されているものである。
【0008】
また、本発明の電界放出素子の製造方法は、カソード基板にフォトレジストを塗布してパターニングすることにより、複数本のストライプ状の溝を形成する第1工程、該第1工程後に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面から前記溝の壁面にかけてのみにリフトオフ層を形成する第2工程、該第2工程後の前記カソード基板に垂直方向からカソード材料層を形成する第3工程、該第3工程後の前記カソード基板に、垂直方向から抵抗材料層を形成する第4工程、該第4工程後の前記カソード基板の表面を研磨して、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面に形成された前記抵抗材料層、カソード材料層、前記リフトオフ層、およびフォトレジストを取り除く第5工程、該第5工程後のカソード基板に、厚膜印刷する方法、またはスプレー塗布する方法、またはペースト状にして塗布する方法、又は溶液状にして塗布する方法により垂直方向からナノカーボンからなるエミッタ材料層を形成して、前記溝内に積層して形成されたカソードラインおよび抵抗層上にエミッタ層を形成すると共に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面にゲートラインを同時に形成する第6工程からなる。
【0009】
さらに、本発明の他の電界放出素子の製造方法は、カソード基板にフォトレジストを塗布してパターニングすることにより、複数本のストライプ状の溝を形成する第1工程、該第1工程後に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面から前記溝の壁面にかけてのみにリフトオフ層を形成する第2工程、該第2工程後の前記カソード基板に、垂直方向からカソード材料層を形成する第3工程、該第3工程後の前記カソード基板に、垂直方向から抵抗材料層を形成する第4工程、該第4工程後の前記カソード基板に、スプレー塗布する方法、又はペースト状にして塗布する方法、又は溶液状にして塗布する方法により垂直方向からナノカーボンからなるエミッタ材料層を形成する第5工程、該第5工程後に前記リフトオフ層を除去して、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面に形成された前記エミッタ材料層、前記抵抗材料層、およびカソード材料層を取り除くと共に、前記フォトレジストを取り除く第6工程、該第6工程後に前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面にゲートラインを形成する第7工程からなる。
この場合、前記ストライプ状の溝内に積層されて形成された前記カソードライン、前記抵抗層、前記エミッタ層の各高さを合計した高さが、前記ストライプ状の溝の深さより低くされている。
【0010】
このような本発明によれば、カソード基板にストライプ状の溝を形成し、この溝内に従来のコーン状のエミッタに替えて平面状のエミッタラインを形成するようにしたので、その製造工程を簡易にすることができる。従って、低価格の電界放出素子とすることができ、大面積の表示装置等に応用することができるようになる。
また、本発明の電界放出素子の製造方法は、設備コストを低減することができると共に、スループットを飛躍的に向上することができ、量産性に優れた製造方法となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の電界放出素子の実施の形態の構成例を図1および図2に示す。図1は、本発明の電界放出素子の斜視図であり、図2はその一部を拡大して示す断面図である。
図1において、電界放出素子が形成されているガラスあるいはセラミックのカソード基板1には、エッチング等によりストライプ状の溝が多数本形成されている。この溝内には平面状のエミッタライン2がそれぞれ形成されている。また、ストライプ状の溝と溝との間のカソード基板1上にはゲートライン6が形成されている。
【0012】
ストライプ状の溝の断面の構成を拡大して図2に示すが、溝内には一番下にカソードライン5が形成され、その上に抵抗層4、さらにその上にエミッタ層3が形成されている。また、エミッタ層3を形成するに当たっては、その材料内に角を有する粒子を混合したり、表面に粒子膜を形成することにより、エミッタ層3の表面から多数の突起が突出されているようにする。また、エミッタ層3が形成されているストライプ状の溝と溝との間のカソード基板1の表面上には、ゲートライン6が形成されている。
このような構成の電界放出素子において、カソードライン5とゲートライン6との間に電圧を印加し、エミッタ層3とゲートライン6間の電界が109 [V/m]程度になるようにするとトンネル効果により、エミッタライン2から電子が真空中に放出される。この際に、抵抗層4の作用により安定した電子放出が各エミッタライン2から行われる。
【0013】
ここで、エミッタ層3とカソードライン5との間に抵抗層4を設ける理由を説明すると、エミッタ層3ゲートライン6との間隔はサブミクロンという極めて接近した間隔とされていると共に、多数本のエミッタライン2の長さはその幅に比べてきわめて長いものとされている。すると、製造の過程において塵埃等によりエミッタ層3とゲートライン6とが短絡してしまったり、各エミッタライン2のエミッタ層3とゲートライン6との間隔や、エミッタライン2の長さ方向においてエミッタ層3の表面とゲートライン6との間隔が一様にならず、異なることがある。
例えば、ゲートライン6とエミッタライン2間が短絡していると、カソードライン5とゲートライン6とが短絡したことになるため、そのエミッタライン2に電圧が印加されなくなり動作不能のラインを有する電界放出素子となってしまう。
【0014】
また、電界放出素子の初期の動作時に局部的な脱ガスが生じ、このガスによりエミッタライン2とゲートライン6あるいはアノード間が放電を起こすことがあり、このため大電流がカソードライン5に流れてカソードライン5が破壊されることがあった。
さらに、エミッタ層3の表面とゲートライン6との間隔が一様でないと、多数本のエミッタライン2のうち電子の放出されやすいエミッタライン2が存在することがあり、このエミッタライン2から集中して放出された電子により、画面上に異常に明るいラインが発生することもある。
【0015】
そこで、カソードライン5とエミッタライン2との間に抵抗層4を形成すると、エミッタライン2の中の一つが形状の不均一性から異常に多い電子を放出し始めた場合、ゲートライン6とカソードライン5間には抵抗層4による電圧降下が生じるようになる。この電圧降下により、異常に多い電流を放出しようとするエミッタライン2の印加電圧が放出電流に応じて下げられるために、電子放出が抑制され、各エミッタライン2から安定した電子放出を行えるようになる。また、1本のエミッタライン2において局部的に電流が上昇する場合も同様に動作する。さらに、上記放電が生じても抵抗層4によりカソードライン5が溶断されることを防止することができる。
このように、抵抗層4を設けることにより、電界放出素子の製造上の歩留りの向上、および安定な動作を確保することができるようになる。
【0016】
図1および図2に示す本発明の電界放出素子は、表示装置の電子源、プリンタの光源の電子源、OCRの光源の電子源等として用いることができる。
図2に示す電界放出素子の製造方法を概略説明すると、まず、カソード基板1にエッチング等により多数本のストライプ状の溝を形成する。ついで、この溝内にカソードライン5を形成し、その上に抵抗層4を蒸着あるいは厚膜パターニングで形成し、その上にエミッタ層3を形成する。最後に、溝と溝との間のカソード基板1の表面にゲートライン6を形成する。このとき、エミッタ層3の表面とゲートラインとの間隔は、例えば1μm〜2μmの間隔とされる。
【0017】
エミッタ層3の材料としては、仕事関数の低いBaO,SrO,CaO,Y23 ,YB6 ,GdB6 ,LaB6 ,Gd23 ,CeB6 ,Nd23 ,ThO2 ,PrB6 ,NdB6 ,La23 ,ZrC,EuB6 ,TaC,ZrO2 ,ZrB2 ,TiC等を用い、ファインセラミックスとして焼結成膜させるか、または、炭酸塩等の形で塗布し、真空中でレーザーアニールまたはハロゲンランプ等による赤外線加熱等により熱分解させて酸化粒子膜の形成を行うことにより、エミッタ層3を形成する。または、Mo,Ti,Zr,Au,W,Cu,Al等を蒸着することにより、エミッタ層3を形成してもよい。
また、エミッタ層3の材料内に導電性処理した微少なダイヤモンドを混合するようにしてもよい。ダイヤモンドのように鋭い角を有している粒子を混合すると、成膜後のエミッタ層3の表面から突起が突出することになり、電子を放出されやすくすることができる。さらに、CVD法で形成されるダイヤモンドライクカーボンによりエミッタ層3を形成するようにしてもよい。さらに、C60のようなナノカーボンまたは金属の酸化物、炭化物、窒化物等の超微粒子をペースト状にして塗布形成してもよい。
【0018】
次に、抵抗層4の形成方法について説明する。
導電性物質、粘結剤、抵抗値調整用添加剤、粘度調整用添加物、および溶剤を均一に混合して、抵抗層4を形成するカソードライン5上に塗布する。ついで、乾燥、焼き付け、焼成することにより抵抗層4を形成する。
導電性物質としては、貴金属系(Pd,Ru,Agおよびそれらの酸化物)や卑金属系(Sn,Ta,Mo、およびそれらの酸化物SnO2 ,Ta25 、あるいは窒素化物TaN、ケイ化物MoSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 等)の微粉末をグレーズ化したものが用いられる。なお、卑金属系の材料は、還元性雰囲気で焼成する。また、これ以外に炭素系の材料を用いてもよい。
【0019】
例として、RuO2 ,Ag,Pdの場合、焼成温度は850℃、炭素コンポジットでは800℃が通例である。ガラス基板が使用されている場合は、可能な温度である480℃程度の基板温度上昇に抑えるように、抵抗材料を薄く塗布形成し、赤外線ランプアニールまたはレーザアニール等を行うことにより抵抗層4を形成する。また、形成される抵抗層4の抵抗値は、104 〜105 Ω/□とする。
なお、抵抗層4としてSnO2 等を用いれば透明とすることができるので、表示装置に適用したときに、カソード側からの表示観察も可能となる。この場合、カソードライン5はITO等の透明電極とする。
【0020】
次に、本発明の電界放出素子を作成する製造方法の第1の実施の形態を図3および図4に示す。ただし、図3および図4においては1本のエミッタラインを形成する工程を示している。
まず、図3(a)に示すようにガラスあるいはセラミックのカソード基板1にフォトレジスト10を塗布して、フォトレジスト10をパターニングし、ついでエッチングすることにより多数本のストライプ状溝7をカソード基板1の一表面に形成する。ついで、カソード基板1を回転させながら斜め蒸着、あるいは回転させながら斜め方向からスプレー塗布により、図3(a)に示すようにリフトオフ層11をフォトレジスト10上に形成する。このとき、リフトオフ層11はストライプ状溝7の底面には付着されず、その壁面を覆うように付着する。
【0021】
ついで、同図(b)に示すようにリフトオフ層11上に、カソード材料層5ー1を正蒸着により形成する。すると、ストライプ状溝7の底面にカソード材料が蒸着されてカソードライン5が形成される。
さらに、同図(c)に示すようにカソード材料層5ー1上に抵抗材料層4ー1を正蒸着により形成する。すると、ストライプ状溝7の底面に形成されたカソードライン5上に抵抗材料が蒸着されて抵抗層4が形成される。この場合、この抵抗層4の最上面の高さが、カソード基板1の表面の高さにほぼ一致するようにする。あるいは、抵抗層4の最上面が、カソード基板1の表面から突出する高さとする。
【0022】
この状態において、カソード基板1の表面を平滑研磨して、カソード基板1の表面が露出するようにする。すると、ストライプ状溝7内に形成されているカソードライン5、抵抗層4、および、ストライプ状溝7の壁面に形成されたリフトオフ層11以外の層が除去される。すなわち、ストライプ状溝7とストライプ状溝7との間のカソード基板1の表面にはなにも形成されていない状態となる。
ついで、図4(a)に示すように抵抗層4上にエミッタ層3を、ストライプ状溝7とストライプ状溝7との間のカソード基板1の表面上にゲートライン6を同時に一工程で形成する。このエミッタ層3およびゲートライン6の形成方法としては、前記したエミッタ層3の材料を厚膜印刷する方法、スプレー塗布する方法、あるいは、スパッタ蒸着法、電子ビーム蒸着法、プラズマ蒸着法のいずれかを採用すればよい。
【0023】
この場合、ストライプ状溝7の壁面に形成されたリフトオフ層11を残すのは、エミッタ層3およびゲートライン6を形成するための材料がストライプ状溝7の壁面等に付着して、エミッタ層3とゲートライン6とが短絡するのを防止するためである。なお、エミッタ層3およびゲートライン6を形成する前に、抵抗層4とリフトオフ層11の隙間に粘度を低くしたレジストを充填するようにすると、さらに、その効果が上がる。
そして、最後にストライプ状溝7の壁面に付着されているリフトオフ層を除去すると、図4(b)に示すような電界放出素子を作製することができる。なお、図示されていないが、このようにして作製されたエミッタライン2はカソード基板1上に多数本形成されている。
【0024】
次に、本発明の電界放出素子を作成する製造方法の第2の実施の形態を図5および図6に示す。ただし、図5および図6においては1本のエミッタラインを形成する工程を示している。
まず、図5(a)に示すようにガラスあるいはセラミックのカソード基板1にフォトレジスト10を塗布して、フォトレジスト10をパターニングし、ついでエッチングすることにより多数本のストライプ状溝7をカソード基板1の一表面に形成する。ついで、図3(b)に示すようにカソード基板1を回転させながら斜め蒸着、あるいは回転させながら斜め方向からスプレー塗布によりリフトオフ層11をフォトレジスト10上に形成する。このとき、リフトオフ層11はストライプ状溝7の底面には付着されず、その壁面を覆うように付着する。
【0025】
ついで、同図(c)に示すようにリフトオフ層11上に、カソード材料層5ー1を正蒸着により形成する。すると、ストライプ状溝7の底面にカソード材料が蒸着されてカソードライン5が形成される。
さらに、図6(a)に示すようにカソード材料層5ー1上に抵抗材料層4ー1を形成する。すると、ストライプ状溝7の底面に形成されたカソードライン5上に抵抗材料が蒸着されて抵抗層4が形成される。抵抗層の形成方法は、アモルファスシリコンのスパッタ蒸着法あるいはプラズマ蒸着法、または、厚膜抵抗層材料のスプレー塗布による方法のいずれかを採用すればよい。
さらに、図6(a)に示すように抵抗層4ー1上にエミッタ材料層3ー1を形成する。エミッタ層3の形成方法としては、前記したエミッタ層3の材料を溶液状にしてスプレー塗布する方法、あるいは、スパッタ蒸着法、電子ビーム蒸着法、プラズマ蒸着法のいずれかを採用すればよい。
【0026】
抵抗層4上にエミッタ層3が形成された場合、エミッタ層3の最上面の高さが、カソード基板1の表面の高さを越えないようにする。
ついで、リフトオフ層11を除去すると共に、フォトレジスト10を除去すると、ストライプ状溝7とストライプ状溝7との間のカソード基板1の表面が露出するようになる。すなわち、ストライプ状溝7内に形成されているカソードライン5、抵抗層4、および、エミッタ層3以外の層が除去される。
ついで、図6(b)に示すように露出しているストライプ状溝7とストライプ状溝7との間のカソード基板1の表面にゲートライン6を印刷等により厚膜形成する。
【0027】
なお、ストライプ状溝7の壁面にリフトオフ層11を形成するのは、カソードライン5、抵抗層4およびエミッタ層3を形成するための材料がストライプ状溝7内の壁面等に付着して、エミッタ層3とゲートライン6とが短絡するのを防止するためである。
これにより、図6(b)に示すような電界放出素子を作製することができる。なお、図示されていないが、このようにして作製されたエミッタライン2はカソード基板1上に多数本形成されている。
前記図3から図6で説明した電界放出素子において、各ラインの端子の取り出しは、各電極へのワイヤボンディングにより行うか、あるいは、ガラスストライプのエッチングの端子部にテーパをつけて端子を蒸着形成することにより行う。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電界放出素子は、カソード基板にストライプ状の溝を形成し、この溝内に従来のコーン状のエミッタに替えて平面状のエミッタラインを形成する構成としたので、その製造工程を簡易にすることができる。従って、低価格の電界放出素子とすることができ、大面積の表示装置等に応用することができるようになる。
また、本発明の電界放出素子の製造方法は、設備コストを低減することができると共に、スループットを飛躍的に向上することができ、量産性に優れた製造方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出素子の実施の形態の一構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の電界放出素子の実施の形態の一構成の一部拡大した断面を示す図である。
【図3】本発明の電界放出素子の製造方法の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図4】本発明の電界放出素子の製造方法の第1の実施の形態を説明するための図である。
【図5】本発明の電界放出素子の製造方法の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図6】本発明の電界放出素子の製造方法の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図7】従来の電界放出素子の構造を示すための図である。
【符号の説明】
1 カソード基板
2 エミッタライン
3 エミッタ層
3−1 エミッタ材料層
4 抵抗層
4−1 抵抗材料層
5 カソードライン
5−1 カソード材料層
6 ゲートライン
7 ストライプ状溝
10 フォトレジスト
11 リフトオフ層

Claims (5)

  1. カソード基板に形成された複数本のストライプ状の溝内に、カソードライン、抵抗層、およびナノカーボンにより形成されたエミッタ層が順次形成されており、
    上記エミッタ層は厚膜印刷する方法、又はスプレー塗布する方法、又はペースト状にして塗布する方法、又は溶液状にして塗布する方法により平面状に形成されると共に、その表面から多数の突起が突出しており
    上記ストライプ状の溝と溝との間の上記カソード基板の表面に、ゲートラインが形成されていることを特徴とする電界放出素子。
  2. 上記エミッタ層と上記ゲートラインが同一の材料で形成されており、上記抵抗層の最上面の高さが上記カソード基板の表面の高さにほぼ一致していることを特徴とする請求項1に記載の電界放出素子。
  3. カソード基板にフォトレジストを塗布してパターニングすることにより、複数本のストライプ状の溝を形成する第1工程、
    該第1工程後に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面から前記溝の壁面にかけてのみにリフトオフ層を形成する第2工程、
    該第2工程後の前記カソード基板に垂直方向からカソード材料層を形成する第3工程、
    該第3工程後の前記カソード基板に、垂直方向から抵抗材料層を形成する第4工程、
    該第4工程後の前記カソード基板の表面を研磨して、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面に形成された前記抵抗材料層、カソード材料層、前記リフトオフ層、およびフォトレジストを取り除く第5工程、
    該第5工程後のカソード基板に、厚膜印刷する方法、またはスプレー塗布する方法、またはペースト状にして塗布する方法、又は溶液状にして塗布する方法に
    より垂直方向からナノカーボンによりなるエミッタ材料層を形成して、前記溝内に積層して形成されたカソードラインおよび抵抗層上にエミッタ層を形成すると共に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面にゲートラインを同時に形成する第6工程からなることを特徴とする電界放出素子の製造方法。
  4. カソード基板にフォトレジストを塗布してパターニングすることにより、複数本のストライプ状の溝を形成する第1工程、
    該第1工程後に、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面から前記溝の壁面にかけてのみにリフトオフ層を形成する第2工程、
    該第2工程後の前記カソード基板に、垂直方向からカソード材料層を形成する第3工程、
    該第3工程後の前記カソード基板に、垂直方向から抵抗材料層を形成する第4工程、
    該第4工程後の前記カソード基板に、スプレー塗布する方法、又はペースト状にして塗布する方法、又は溶液状にして塗布する方法により垂直方向からナノカーボンよりなるエミッタ材料層を形成する第5工程、
    該第5工程後に前記リフトオフ層を除去して、前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面に形成された前記エミッタ材料層、前記抵抗材料層、およびカソード材料層を取り除くと共に、前記フォトレジストを取り除く第6工程、
    該第6工程後に前記ストライプ状の溝と溝との間の前記カソード基板の表面にゲートラインを形成する第7工程からなることを特徴とする電界放出素子の製造方法。
  5. 前記ストライプ状の溝内に積層されて形成された前記カソードライン、前記抵抗層、前記ナノカーボンよりなるエミッタ層の各高さを合計した高さが、前記ストライプ状の溝の深さより低くされていることを特徴とする請求項4に記載の電界放出素子の製造方法。
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