JP3835894B2 - 射出成形機における樹脂替え/色替え方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の生産運転中に、射出シリンダ内の現用樹脂(旧樹脂)を種類や色の異なる他の樹脂(新樹脂)に替える樹脂替え/色替え方法に関する
。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機において樹脂の種類を変更する際や樹脂の色を変更する際には、一般に以下のような手段により樹脂替え/色替えを行なっていた。即ち、旧樹脂の供給を止め、射出シリンダとスクリュとに残っている樹脂を、スクリュ回転から射出を行なう動作を繰り返すことにより抜き去り、次に新しい樹脂をホッパに供給し、樹脂の種類または色が置き換わるまでスクリュの回転(可塑化),射出を繰り返している。
【0003】
このような手段では、スクリュヘッドのチェックリング部等のような樹脂流路形状の複雑な箇所では、部分的に流れが停滞し、新しい樹脂がなかなか置き換わり難い。
そこで、特公平4−33614号公報では、1回の射出工程に、スクリュの前進,停止,前進,停止の操作を数回繰り返し行ないながらスクリュを前進限界に到達させることにより、樹脂の種類替え(つまり樹脂替え)や色替えを迅速に実施しようとする技術も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の射出成形機における樹脂替え/色替え手段では、通常生産運転を中止して射出シリンダのノズルを金型から離したり、ノズルを金型からは離さないが成形動作を行なわずに樹脂を排出したりしながら、旧樹脂のパージと樹脂替え/色替えとを行なうため、この作業の間は、通常の成形運転と異なる、作業者が介在する別段取りや非定型作業が必要になり、作業者に負担がかかる。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、通常の成形運転に近似の作業形態で樹脂替えや色替えを行なえるようにして、作業者の負担を軽減し、作業の間違いを無くし、且つ、自動化を指向して省人化をはかった、射出成形機における樹脂替え/色替え方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の射出成形機における樹脂替え/色替え方法(請求項1)は、射出成形機において射出シリンダ内の旧樹脂を新樹脂に替える方法であって、射出シリンダの先端を金型の樹脂入口に当接させた状態で、射出シリンダ内の旧樹脂を金型内に排出した後、射出シリンダ内に新樹脂を供給して可塑化しながら射出スクリュを後退させて射出スクリュ先端側に新樹脂を貯留し、射出スクリュの寸動前進と寸動前進のストロークよりも小さなストロークの寸動後退とを射出スクリュが前進限位置に至るまで複数回繰り返し金型内に新樹脂を充填する寸動高速射出を行なって、金型から成形品を取り出す、樹脂替え/色替え成形サイクルを複数回繰り返してから、新樹脂による射出成形へ移行し、前記樹脂替え/色替え成形サイクルにおいて、新樹脂供給開始後に金型充填容量の半分以上の新樹脂を可塑化して該射出スクリュの先端側に貯留し、前記寸動高速射出を行なった後、該射出スクリュの前進限位置で、前記金型充填容量の残量分の新樹脂を、該射出スクリュの回転により可塑化しながら該射出シリンダから押し出すイントルージョン運転を行なうことを特徴としている。
【0008】
また、新樹脂供給開始後の1回目の樹脂替え/色替え成形サイクルにおける射出スクリュ先端側への樹脂貯留時に、射出スクリュの背圧を、溶融樹脂中に未溶融ペレットが混在した状態を形成する大きさの圧力に制御して新樹脂の可塑化を抑制しながら射出スクリュを後退させてもよい(請求項2)。
さらに、新樹脂供給開始後の2回目以降の樹脂替え/色替え成形サイクルにおける射出スクリュ先端側への樹脂貯留時に、射出スクリュの背圧を低圧と高圧とに交互に複数回切り換えながら射出スクリュを後退させてもよい(請求項3)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態の樹脂替え/色替え方法は、射出成形機の生産運転中に、現用樹脂(旧樹脂;A材)を、種類や色の異なる他の樹脂(新樹脂;B材)に替えるためのものであり、以下に、その方法を適用される射出成形機の射出部分の構成と、その方法を用いた樹脂替え/色替えの工程サイクルの具体例とについて、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態としての射出成形機における樹脂替え/色替え方法による樹脂替え/色替え工程の例を説明するためのタイムチャートであり、図2〜図5は、本実施形態を適用される射出成形機の射出ユニットを示すもので、図2はその水平断面図、図3はその側面図、図4はそのスクリュシリンダおよびスクリュの先端部を示す縦断面図、図5はその樹脂供給用ホッパおよびその周辺を示す縦断面図である。
【0011】
図2〜図5に示すように、本実施形態の射出成形機における射出ユニット10は、ホッパ1,スクリュシリンダ(射出シリンダ)3,射出スクリュ7,射出ノズル11,油圧シリンダ15,連結台16,スクリュ駆動モータ17,射出ユニット台(スライド)18,ベース20,移動用シリンダ21,ヒータ22などから構成されている。
【0012】
ホッパ1は、樹脂ペレットを収納し、この樹脂ペレットをスクリュシリンダ3内に供給するためのもので、このホッパ1には、樹脂ペレットの排出口2(図5参照)と仕切り扉(シャッタ)25(図3および図5参照)とがそなえられている。
排出口2は、ホッパ1内に残った樹脂ペレットを外部へ排出するためのものである。
【0013】
また、仕切り扉25は、水平方向(図3や図5の左右方向)へ移動可能に設けられ、開口部25aを形成されている。この開口部25aを、ホッパ1とスクリュシリンダ3とを連通する通路に整合させた状態(図5に示す状態)で、ホッパ1内の樹脂ペレットがスクリュシリンダ3内へ自然落下により供給される一方、このような状態から仕切り扉25を図5における右方向へ水平移動させ、仕切り扉25により前記通路を閉鎖することにより、ホッパ1からスクリュシリンダ3への樹脂ペレット供給が停止されるようになっている。
【0014】
スクリュシリンダ3は、その内部に射出スクリュ(以下単にスクリュという)7を回転可能に且つ前後方向(軸方向,図2や図3の左右方向)に移動可能に保持するもので、その先端(前端)には、溶融可塑化された樹脂を金型13内へ射出する射出ノズル11がそなえられている。また、このスクリュシリンダ3の先端内側には、図4に示すように、内テーパ部8を有するエンドキャップ4が取り付けられている。
【0015】
スクリュ7は、その外周に樹脂ペレットを前方へ送り出すフライト7aを有するとともに、その基端部を連結台16によって軸支され且つスクリュ駆動モータ17に連結され、このスクリュ駆動モータ17により回転駆動されて、ホッパ1からの樹脂ペレットを可塑化しながら前方(図2の左方向)へ送り出すものである。なお、スクリュ駆動モータ17は、連結台16に取り付けられている。
【0016】
スクリュ7の先端のスクリュヘッド6には、テーパ部9とチェックリング部12とが設けられている。
テーパ部9は、スクリュ7が後述するごとく前進限位置まで進むと、図4に示すごとく、エンドキャップ4の内テーパ部8と略合致するようになっている。
チェックリング部12は、スクリュヘッド6の外周縮径形成された縮径部に、チェックリング5を嵌合させることにより構成されている。このチェックリング5は、その外周面をスクリュシリンダ3の内周面に接触させる一方、その内周面とスクリュヘッド6との間に隙間をあけ且つスクリュヘッド6に対して若干量だけ前後進可能に配設され、このチェックリング5の後端が、図4の上側に示すように射出時にスクリュヘッド6に当接して樹脂の逆流を阻止するようになっている。また、図4の下側に示すチェックリング5は可塑時の状態を示す。
【0017】
なお、チェックリング5とスクリュヘッド6との間の隙間は、可塑化工程中は溶融可塑化された樹脂が通過する流路として機能する。また、チェックリング5は、スクリュ7の前後進に伴い、前記縮径部に嵌合した状態でスクリュ7とともに前後方向へ移動するようになっている。
油圧シリンダ15は、スクリュシリンダ3の基端側にこのスクリュシリンダ3と一体的にそなえられており、その押力を連結台16を介してスクリュ7に伝達し、その押力によりスクリュ7を軸線方向に駆動する、即ち、スクリュ7の前進動作により射出動作を行なわせるためのものである。
【0018】
油圧シリンダ15内には、ロッド26aを介して連結台16に対し固定されたピストン26が前後方向に摺動可能に保持されており、ピストン26後方側の油室に図示省略の圧油供給系から圧油を供給することにより、スクリュ7がスクリュシリンダ3に対して前進する一方、ピストン26前方側の油室に図示省略の圧油供給系から圧油を供給することにより、スクリュ7がスクリュシリンダ3に対して後退するようになっている。
【0019】
なお、連結台16は、図3に示すように、射出ユニット台(スライド)18上に敷設されたガイドレール19により前後方向へ移動可能にガイドされている。また、金型13は、固定側の型盤14に取り付けられており、図示省略の可動金型と組み合わされて金型キャビティを形成する。
さらに、射出ユニット台(スライド)18上には、ホッパ1,スクリュシリンダ3,油圧シリンダ15,連結台16,スクリュ駆動モータ17が載置され、この射出ユニット台18は、ベース20上に敷設されたガイドレール27により案内され、移動用シリンダ21により駆動されて、ホッパ1,スクリュシリンダ3等ともに射出成形機の長手方向(前後方向)へ移動できるようになっている。
【0020】
ヒータ22は、スクリュシリンダ3の外周に取り付けられ、スクリュシリンダ3内での樹脂ペレットの可塑化・溶融を促進すべく樹脂ペレットの加熱を行なうものである。
また、本実施形態では、スクリュシリンダ3に対するスクリュ7の位置を検出するスクリュ位置センサ23と、油圧シリンダ15においてスクリュ7の背圧を受ける側の油圧を検出する圧力センサ24とがそなえられとともに、これらのセンサ23および24による検出信号に基づいてスクリュ駆動モータ17の回転動作を制御する制御装置30がそなえられている。この制御装置30によって、後述するごとく、本発明の特徴的な制御動作が実施されることになる。
【0021】
上述の構成により、射出ユニット10の通常成形動作中、樹脂ペレットは、ホッパ1からスクリュシリンダ3内のスクリュ7の外周に供給され、ヒータ22による加熱とスクリュ7の回転とにより溶融可塑化され、スクリュ7の前方へ送られて、スクリュヘッド6よりも前方側に溶融樹脂として貯えられる。そして、油圧シリンダ15によりスクリュ7をスクリュシリンダ3に対して前進駆動することで、溶融樹脂は、射出ノズル11を経て金型13内に射出され、冷却・固化されて製品となり、成形品として金型13から取り出される。
【0022】
次に、上述のごとく構成された射出成形機の射出ユニット10を使用して実施される、本発明の一実施形態としての樹脂替え/色替え方法について、図1を参照しながら説明する。
まず、以下の〔1−1〕〜〔1−3〕の手順で樹脂替え/色替えの準備を行なう。
【0023】
〔1−1〕旧樹脂であるA材による成形運転を継続する。
〔1−2〕最後の成形品がA材により完全に成形されるように、A材の必要量を算出し、算出されたA材樹脂の必要量をホッパ1からスクリュシリンダ3へ供給した後、ホッパ1の仕切り扉(シャッタ)25を閉じる。このとき、A材の樹脂ペレットがホッパ1内に残っている時は、排出口2からA材のペレットの残りを外部へ排出する。
【0024】
〔1−3〕スクリュシリンダ3内が空になるまで通常の成形運転を行なう。このとき、〔1−2〕の作業で射出の終了時点を算定することができる。
ついで、樹脂替え/色替えを開始する。以下の〔2−1〕〜〔2−7〕の手順で樹脂替え/色替え作業を行なっている間、スクリュシリンダ3の先端における射出ノズル11を、金型13の樹脂入口に当接させた状態が継続される。なお、図1中に〔2−1〕〜〔2−7〕を符号として記入することにより、各手順を行なっている期間(時点)を明確にしている。
【0025】
〔2−1〕B材(新樹脂)の樹脂ペレットをホッパ1に投入し、樹脂替え/色替え開始信号をオンにし、成形条件をA材生産用成形条件から樹脂替え/色替え成形条件に切り換える。
〔2−2〕ホッパ1の仕切り扉25を開いて、スクリュシリンダ3内へB材の樹脂ペレットの供給を開始する。
【0026】
〔2−3〕圧力センサ24で油圧シリンダ15の圧力を検出し、低スクリュ背圧の状態でスクリュ3を後退させながら、1ショット分の樹脂量(金型充填容量)の約80%に相当するB材の樹脂ペレットを、計量しスクリュシリンダ3内へ供給して可塑化し、スクリュ7(スクリュヘッド6)の先端側へ貯留する。このとき、スクリュ7の背圧が低いため、B材樹脂の可塑化が抑制され、固形ペレットが混在した状態になる。従って、未溶融樹脂(固形ペレット)により、スクリュシリンダ3とスクリュ7とに付着する旧樹脂の掻き取りが促進される。なお、低スクリュ背圧でスクリュ3の後退動作を行なっている間に、金型13を開いてA材樹脂による最後の成形品を取り出した後、型締を行なっておく。
【0027】
〔2−4〕油圧シリンダ15によりスクリュ7の寸動前進と寸動後退(サックバック;suck back)とを複数回繰り返し行ないながら、スクリュ7を前進限位置まで前進させる。寸動後退のストロークは寸動前進ストロークよりも小さく、且つ、寸動前進時は高速射出とする。また、寸動の距離と位置とはスクリュ位置センサ23により検出され、制御装置30へフィードバックされる。このようにして、1ショット分の樹脂量の約80%に相当するB材樹脂を金型13内に射出する。このとき、ショック的な速度変化に伴ってスクリュシリンダ3内での樹脂替え/色替えが促進される。
【0028】
〔2−5〕スクリュ7の最前進位置でイントルージョン(intrusion)運転を行ない、1ショット分の樹脂量の約20%に相当するB材樹脂を金型13内へ計量射出する。イントルージョン運転では、スクリュ3の回転によりB材樹脂を可塑化しながらスクリュシリンダ3から押し出すことにより、スクリュヘッド6からエンドキャップ4の内壁におけるA材(旧樹脂)の掻き取りが促進される。このイントルージョン運転の動作時間は予め設定される。
【0029】
〔2−6〕スクリュ7を一定の回転速度で回転駆動し、スクリュ背圧を高→低→高→…と繰り返し変化させながらスクリュ7を後退させ、再び1ショット分の樹脂量の約80%に相当するB材の樹脂ペレットを、計量しスクリュシリンダ3内へ供給して可塑化し、スクリュ7(スクリュヘッド6)の先端側へ貯留する。このとき、スクリュ背圧の高低変化によってショック的な運転が行なわれ、スクリュシリンダ3とスクリュ7とに付着する旧樹脂の掻き取りが促進される。特にこの手法は、固滴分離しながら可塑化するダブルフライトスクリュの樹脂更新に効果がある。なお、スクリュ背圧の高低切替を行ないながらスクリュ3の後退動作を行なっている間に、金型13を開いてA材とB材とが混合した成形品を取り出した後、型締を行なっておく。
【0030】
〔2−7〕以上の各工程のうち、〔2−4〕〜〔2−6〕の工程(樹脂替え/色替え成形サイクル)を設定回数Nだけ繰り返し実行する。
以上のようにして、設定回数N分の樹脂替え/色替え成形を終え、色替え/樹脂替えを終了すると、自動的に成形条件を樹脂替え/色替え成形条件からB材生産用成形条件に切り換え、樹脂替え/色替え信号をオフにする。
【0031】
そして、生産運転信号をオンにして、B材による生産運転を開始する。
上述のようにして行なわれる射出ユニット10の運転は、制御装置30に内蔵されたCPUにより自動的に制御される。
このように、本実施形態の樹脂替え方法によれば、射出ユニット10を連続成形運転と同じ状態のまま、つまり同じような射出成形,成形品取出作業を継続して行ないながら、樹脂替え/色替えが行なわれる。従って、成形作業の連続性が保たれることになり、作業者は付きっ切りで樹脂替え/色替え作業を行なう必要がなくなり、作業者に対する負担が軽減され、作業手順をミスするおそれもなく、従って、従来手段と比較して作業が極めて容易になるほか、自動化を指向して省人化を実現することも可能になる。
【0032】
また、スクリュ7の寸動前進と寸動後退とを繰り返すことによるショック的な速度変化に伴ってスクリュシリンダ3内での樹脂替え/色替えが促進されるとともに、スクリュ7の前進限位置でのイントルージョン運転によりスクリュヘッド6からエンドキャップ4の内壁における旧樹脂の掻き取りが促進され、樹脂替え/色替えを高速に行なうことができる。
【0033】
さらに、A材が空になってからB材を供給し、始めに、低スクリュ背圧で計量可塑化することにより、未溶融ペレットが溶融樹脂中に混在する状態にして、スクリュシリンダ3の内部とスクリュ7の表面とに付着しているA材樹脂の掻き取りを促進することと、スクリュ背圧を変動させながら計量送りするショック的運転とにより、従来手段よりも樹脂替え/色替えが迅速化され、樹脂替え/色替えのための樹脂の廃棄量も大幅に少なくなる。
【0034】
なお、上述した実施形態では、1つのホッパ1により2種類の樹脂を切り換えてスクリュシリンダ3へ供給しているが、ホッパとして、2種類の樹脂をそれぞれ保持しうるツイン式のものを用いてもよい。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の射出成形機における樹脂替え/色替え方法によれば、以下のような効果ないし利点を得ることができる。
(1)射出シリンダの先端を金型の樹脂入口に当接させた状態で、通常の生産成形運転に近似の作業形態により旧樹脂と新樹脂との樹脂替え/色替え(旧樹脂のパージ/新樹脂の充填)を行なうことができるので、通常の成形運転と異なる、作業者の介在による別段取りや非定型作業が不要となり、作業者の負担が軽減され、作業の間違いを無くして樹脂替え/色替え作業を極めて簡易化できるほか、自動化を指向して省人化を実現することができる(請求項1)。
【0036】
(2)射出スクリュの寸動前進と寸動前進のストロークよりも小さなストロークの寸動後退とを繰り返す寸動高速射出を行なうことにより、ショック的な速度変化に伴って射出シリンダ内での樹脂替え/色替えが促進され、樹脂替え/色替えを高速に行なうことができる(請求項1)。
(3)樹脂替え/色替え成形サイクルにおいて、新樹脂供給開始後に金型充填容量の半分以上の新樹脂を可塑化して射出スクリュ先端側に貯留し、前記寸動高速射出を行なった後、射出スクリュの前進限位置で前記金型充填容量の残量分の新樹脂を射出スクリュの回転により可塑化しながら射出シリンダから押し出すイントルージョン運転を行なうことにより、スクリュヘッドからエンドキャップ内壁における旧樹脂の掻き取りが促進され、樹脂替え/色替えをより高速に行なうことができる(請求項1)。
【0037】
(4)新樹脂供給開始後の1回目の樹脂替え/色替え成形サイクルにおける射出スクリュ先端側への樹脂貯留時に、射出スクリュの背圧を、溶融樹脂中に未溶融ペレットが混在した状態を形成する大きさの圧力に制御して新樹脂の可塑化を抑制しながら射出スクリュを後退させることにより、溶融樹脂中に固体ペレットが残留し、その固体ペレットにより、射出シリンダと射出スクリュとに付着する旧樹脂の掻き取りが促進され、樹脂替え/色替えがより迅速化されるほか、樹脂替え/色替えに伴う樹脂の廃棄量が大幅に少なくなる(請求項2)。
【0038】
(5)新樹脂供給開始後の2回目以降の樹脂替え/色替え成形サイクルにおける射出スクリュ先端側への樹脂貯留時に、射出スクリュの背圧を低圧と高圧とに交互に複数回切り換えながら射出スクリュを後退させるというショック的な運転を行なうことにより、射出シリンダと射出スクリュとに付着する旧樹脂の掻き取りが促進され、樹脂替え/色替えがより迅速化されるほか、樹脂替え/色替えに伴う樹脂の廃棄量が大幅に少なくなる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての射出成形機における樹脂替え/色替え方法による樹脂替え/色替え工程の例を説明するためのタイムチャートである。
【図2】本実施形態を適用される射出成形機の射出ユニットを示す水平断面図である。
【図3】本実施形態を適用される射出成形機の射出ユニットを示す側面図である。
【図4】本実施形態を適用される射出成形機の射出ユニットにおけるスクリュシリンダおよびスクリュの先端部を示す縦断面図である。
【図5】本実施形態を適用される射出成形機の射出ユニットにおける樹脂供給用ホッパおよびその周辺を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
3 スクリュシリンダ(射出シリンダ)
7 スクリュ(射出スクリュ)
10 射出ユニット
11 射出ノズル
13 金型
15 油圧シリンダ
16 連結台
17 スクリュ駆動モータ
18 射出ユニット台(スライド)
23 スクリュ位置センサ
24 圧力センサ
25 仕切り扉
30 制御装置
Claims (3)
- 射出成形機において射出シリンダ内の旧樹脂を新樹脂に替える樹脂替え/色替え方法であって、
該射出シリンダの先端を金型の樹脂入口に当接させた状態で、
該射出シリンダ内の旧樹脂を該金型内に排出した後、
該射出シリンダ内に新樹脂を供給して可塑化しながら射出スクリュを後退させて該射出スクリュの先端側に新樹脂を貯留し、該射出スクリュの寸動前進と該寸動前進のストロークよりも小さなストロークの寸動後退とを該射出スクリュが前進限位置に至るまで複数回繰り返し該金型内に新樹脂を充填する寸動高速射出を行なって、該金型から成形品を取り出す、樹脂替え/色替え成形サイクルを複数回繰り返してから、
新樹脂による射出成形へ移行し、
前記樹脂替え/色替え成形サイクルにおいて、
新樹脂供給開始後に金型充填容量の半分以上の新樹脂を可塑化して該射出スクリュの先端側に貯留し、前記寸動高速射出を行なった後、
該射出スクリュの前進限位置で、前記金型充填容量の残量分の新樹脂を、該射出スクリュの回転により可塑化しながら該射出シリンダから押し出すイントルージョン運転を行なう
ことを特徴とする、射出成形機における樹脂替え/色替え方法。 - 新樹脂供給開始後の1回目の前記樹脂替え/色替え成形サイクルにおける該射出スクリュの先端側への樹脂貯留時に、該射出スクリュの背圧を、溶融樹脂中に未溶融ペレットが混在した状態を形成する大きさの圧力に制御して新樹脂の可塑化を抑制しながら該射出スクリュを後退させる
ことを特徴とする、請求項1記載の射出成形機における樹脂替え/色替え方法。 - 新樹脂供給開始後の2回目以降の前記樹脂替え/色替え成形サイクルにおける該射出スクリュの先端側への樹脂貯留時に、該射出スクリュの背圧を低圧と高圧とに交互に複数回切り換えながら該射出スクリュを後退させることを特徴とする、請求項1又は2記載の射出成形機における樹脂替え/色替え方法。
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