JP3835731B2 - 射出成形装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂の成形材料を金型のキャビティに射出する射出成形装置に係り、詳しくは、材質や色の異なる２種類の成形材料を金型のキャビティに同時或いは前後して射出する二層射出成形機や二色射出成形機と同じ機能を有する射出成形装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
単一種類や単一色の樹脂成形材料を金型のキャビティに射出して樹脂成形品を製造する単一成形材料仕様の射出成形装置は、例えば図４に示すように１台の射出成形機１の両側方に金型交換台車１０と成形品搬出用コンベア２０を配備している。射出成形機１には、１機種の射出ユニット２ａが設置される。また、射出成形機１に金型３が交換可能に位置決め載置され、金型３に射出ユニット２ａの先端の射出ノズル２ａ’が脱着可能に連結される。射出ユニット２ａは射出ノズル２ａ’から金型３のゲート４に成形材料を射出し、
ゲート４からキャビティ５に注入することで、単一成形材料から成る樹脂成形品を製造する。この射出成形機１が設置される床上に金型交換台車１０が前後に移動可能に設置され、同床上にコンベア２０が略水平に設置される。
【０００３】
金型交換台車１０は床上に敷設されたレール１１上を走行し、射出成形機１の側方の定位置に停止して射出成形機１との間で金型３の交換が行われる。この金型交換は、射出成形機１と金型交換台車１０の双方に設置したフリーベアリング等の往復搬送手段を使用して手動或いは自動で行われる。コンベア２０は、射出成形機１の金型３で成形された成形品６を受け取ると、これを保持して別工程へと搬送する。
【０００４】
図４の射出成形装置は、単一成形材料を射出ユニット２ａで金型３に射出する動作を繰り返して樹脂成形品を量産するもので、図４装置のままでは自動車のインストルメントパネルのような二層（又は二色）構造の樹脂成形品を量産することはできない。二層（又は二色）構造の樹脂成形品は、専用の二層（又は二色）射出成形機で量産されるのが通常である。例えば二層射出成形機は、１台の金型に２台の射出ユニットを連結した構造を成し、２台の射出ユニットで金型のキャビティに２種類の成形材料を同時或いは前後させて射出して二層樹脂成形品を量産するようにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
図４の射出成形装置を配備した工場で、自動車のインストルメントパネル等の例えば二層構造の樹脂成形品を製造する場合、工場に二層構造の樹脂成形品専用の二層射出成形機を新設する方法と、図４の単一成形材料仕様の射出成形装置を二層射出成形機と同様な構造に改造する方法が考えられる。工場に専用の二層射出成形機を新設するより、既存の射出成形装置を二層射出成形機に改造するほうが設備投資的に有利であることが多く、この場合、例えば図４の射出成形装置を図５或いは図６に示すように改造することが考えられる。
【０００６】
図５及び図６は既設の射出成形機１に新規に１つの射出ユニット２ｂ及び２ｃを追加設置したものである。図５の射出成形装置は、１台の射出成形機１に既存の射出ユニット２ａに加えて新規の射出ユニット２ｂを設置し、２つの射出ユニット２ａ、２ｂを１つの金型３の２つのゲート４，４’に連結して１つのキャビティ５に２種類の樹脂成形材料を射出することで、二層樹脂成形品を製造するように改造したものである。図６の射出成形装置も１台の射出成形機１に既存射出ユニット２ａに加えて新規射出ユニット２ｃを設置して、金型３のキャビティ５に２種類の樹脂成形材料を射出して二層樹脂形成品を製造するように改造したものである。
【０００７】
図５と図６の射出成形装置の改造技術は、既存設備に１機種の射出ユニットを新設するだけで改造できるために設備投資額が少なくて済むが、既存の射出成形機１に追加設置する新設の射出ユニットの設置場所を確保することが難しく、新設の射出ユニットのために既に設置されている設備装置を撤去する必要が生じることがある。例えば、図５装置においては既存の射出成形機１の金型交換台車側の側部に射出ユニット２ｂを新設したために、図４に示す金型交換台車１０とレール１１を撤去する必要がある。また、図６装置においては既存の射出成形機１の成形品搬出用コンベア側の側部に射出ユニット２ｃを新設したために、図４のコンベア２０を撤去する必要がある。このような既存の射出成形機１の周辺設備の部分的な撤去は、射出成形機における二層射出成形の動作そのものに影響を及ぼすことはないが、既存の射出成形機と連携して樹脂成形品等の製造に供されている製造設備の生産性に悪影響を与えることがある。また、既存の射出成形機周辺の既存設備の撤去が作業的かつ費用的に難しいこともあり、さらに、撤去した設備の保管等の後処理の問題もあって、現状においては既存の射出成形装置の改造が難しい。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着脱可能に設置された金型のキャビティに成形材料を射出する射出成形ユニットを有する射出成形機と、この射出成形機の側方に移動可能に配置されて射出成形機との間で金型の出し入れ交換を行う金型交換台車と、射出成形機の側方に配置されて射出成形機で射出成形された成形品を受け取って外部に搬出するコンベアとを有する射出成形装置において、金型交換台車の一部を延在させた台車延長部に、射出成形機の射出成形ユニットとは別体の射出ユニットを、射出成形機の金型に連結される射出成形姿勢と、射出成形機側方での金型交換台車の移動を邪魔しない待機姿勢との間で姿勢変更可能に、設置したことを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図４の射出成形装置を改造した本発明の一実施形態を図１乃至図３を参照して説明する。なお、図１乃至図３の図４と同一部分には同一符号を付して、説明の重複を避ける。
【００１０】
図１の射出成形装置は図４装置を二層（又は二色）射出成形装置に改造したもので、図４装置と同様に単機の射出成形機１の両側方に金型交換台車１０とコンベア２０が設置され、射出成形機１に既存の１機種の射出ユニット２ａが設置される。定位置の射出成形機１と床上を移動する金型交換台車１０の間で、従来同様にして金型３の交換が手動或いは自動で行われる。なお、金型３は１つのキャビティ５に２つのゲート４，４’を連通させた図５や図６と同様な二層（又は二色）射出成形用金型である。
【００１１】
図１装置の図４装置と大きく相違する特徴は、金型交換台車１０に１機種の射出ユニット２ｄを新設したことである。工場の床上のレール１１に沿って移動する既存の金型交換台車１０の一部に追加するように台車延長部１２を形成し、この台車延長部１２上に新設の射出ユニット２ｄを設置する。台車延長部１２は、例えば図３に示すように既存の金型交換台車１０の移動方向の前端を前方に延在させた水平台車構造であればよい。新設の射出ユニット２ｄは、台車延長部１２上に設置されて射出成形機１の金型３に適宜連結される所定の射出成形姿勢（図１の姿勢）と、射出成形機１の側方での金型交換台車１０の移動を邪魔しない待機姿勢（図２の姿勢）のいずれかに姿勢変更可能に設置される。例えば、台車延長部１２上にターンテーブル１３を約９０°で回転可能に設置し、このターンテーブル１３上に射出ユニット２ｄを固定して、ターンテーブル１３を手動或いは自動で回転させることで射出ユニット２ｄを図１の射出成形姿勢と図２の待機姿勢の間で横に９０°回転させる。
【００１２】
図１の射出ユニット２ｄの射出成形姿勢は、射出成形機１の側方定位置に金型交換台車１０が移動して射出ユニット２ｄが射出成形機１の方向に向き、この射出ユニット２ｄの先端の射出ノズル２ｄ’が射出成形機１に設置された金型３の一方のゲート４’に連結された状態である。このとき、射出成形機１の既存の射出ユニット２ａの射出ノズル２ａ’が金型３の他のゲート４に連結された状態にある。図１の状態で金型３の各ゲート４，４’に対応する各射出ユニット２ａ、２ｄから同種或いは異種の成形材料が射出され、ゲート４，４’から共通のキャビティ５に注入されて二層或いは二色樹脂成形品が成型される。従って、既存の射出成形機１が金型交換台車１０に新設した射出ユニット２ｄで二層（又は二色）射出成形機として機能する。この場合、既存の射出成形機１とコンベア２０は、改造されること無く従来設備がそのまま使用される。また、金型交換台車１０は、その前面に台車延長部１２を追加するだけであって、既存の金型交換台車のほとんどが改造されること無く使用される。その結果、図１装置は、図４装置の既存設備のいずれも撤去すること無く、図４装置のほぼ全てを残して改造することができるので、改造に要する設備投資額が少なくて済む。
【００１３】
図１の射出成形動作が終了して別の金型による射出成形に移行する前に、金型交換が行
われる。この金型交換は、射出成形機１の金型３から各射出ユニット２ａ、２ｄの連結を解き、射出成形機１に対して金型交換台車１０を金型交換位置まで移動させて射出成形機１から金型交換台車１０に金型３を移動させた後、図２に示すように金型交換台車１０を射出成形機１の側方から移動させることで行われる。金型交換台車１０を射出成形機１の側方から移動させる前に、金型交換台車１０の台車延長部１２上での射出ユニット２ｄの姿勢を図２の待機姿勢に変更する。この待機姿勢は、射出ユニット２ｄの射出ノズル２ｄ’が射出成形機１から離れて例えば台車移動方向と略平行な方向になる姿勢である。待機姿勢にある射出ユニット２ｄを搭載した金型交換台車１０が移動するとき、射出ユニット２ｄが射出成形機１のいずれの箇所にも当たらずに金型交換台車１０の移動がスムーズに行われる。また、金型交換台車１０の移動方向に射出ユニット２ｄの射出ノズル２ｄ’を向けた姿勢を待機姿勢とすることで、金型交換台車１０がレール１１に沿って移動する床上での台車移動エリアから射出ユニット２ｄが突出せず、この台車移動エリアの近辺の外部機器類に射出ユニット２ｄが衝突して損傷する心配が無くなる。
【００１４】
【発明の効果】
本発明によれば、金型交換台車の一部を延在させた台車延長部に、射出成形機の射出成形ユニットとは別体の射出ユニットを、射出成形機の金型に連結される射出成形姿勢と、射出成形機側方での金型交換台車の移動を邪魔しない待機姿勢との間で姿勢変更可能に、設置したので、二層樹脂成形品や二色樹脂成形品が射出成形できる射出成形装置を少ない設備投資で構築できる。
【００１５】
また、金型交換台車の台車延長部に設置した射出ユニットを姿勢変更可能に取り付けることで、金型交換台車の射出ユニットと射出成形機の金型の連結時や金型交換台車の移動時に射出ユニットの姿勢を適正に変更することができて、取り扱い作業の容易な射出成形装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施形態を示す射出成形装置の平面図。
【図２】 図１装置の金型交換台車の移動時の平面図。
【図３】 図１装置における金型交換台車の側面図。
【図４】 従来の射出成形装置の平面図。
【図５】 図４装置を二層（二色）射出成形装置に改造した一例を示す平面図。
【図６】 図４装置を二層（二色）射出成形装置に改造した他の一例を示す平面図。
【符号の説明】
１ 射出成形機
２ａ （既存）射出ユニット
２ｄ （新設）射出ユニット
３ 金型
４ ゲート
５ キャビティ
６ 成形品
１０ 金型交換台車
１１ レール
１２ 台車延長部
２０ コンベア
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂の成形材料を金型のキャビティに射出する射出成形装置に係り、詳しくは、材質や色の異なる２種類の成形材料を金型のキャビティに同時或いは前後して射出する二層射出成形機や二色射出成形機と同じ機能を有する射出成形装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
単一種類や単一色の樹脂成形材料を金型のキャビティに射出して樹脂成形品を製造する単一成形材料仕様の射出成形装置は、例えば図４に示すように１台の射出成形機１の両側方に金型交換台車１０と成形品搬出用コンベア２０を配備している。射出成形機１には、１機種の射出ユニット２ａが設置される。また、射出成形機１に金型３が交換可能に位置決め載置され、金型３に射出ユニット２ａの先端の射出ノズル２ａ’が脱着可能に連結される。射出ユニット２ａは射出ノズル２ａ’から金型３のゲート４に成形材料を射出し、
ゲート４からキャビティ５に注入することで、単一成形材料から成る樹脂成形品を製造する。この射出成形機１が設置される床上に金型交換台車１０が前後に移動可能に設置され、同床上にコンベア２０が略水平に設置される。
【０００３】
金型交換台車１０は床上に敷設されたレール１１上を走行し、射出成形機１の側方の定位置に停止して射出成形機１との間で金型３の交換が行われる。この金型交換は、射出成形機１と金型交換台車１０の双方に設置したフリーベアリング等の往復搬送手段を使用して手動或いは自動で行われる。コンベア２０は、射出成形機１の金型３で成形された成形品６を受け取ると、これを保持して別工程へと搬送する。
【０００４】
図４の射出成形装置は、単一成形材料を射出ユニット２ａで金型３に射出する動作を繰り返して樹脂成形品を量産するもので、図４装置のままでは自動車のインストルメントパネルのような二層（又は二色）構造の樹脂成形品を量産することはできない。二層（又は二色）構造の樹脂成形品は、専用の二層（又は二色）射出成形機で量産されるのが通常である。例えば二層射出成形機は、１台の金型に２台の射出ユニットを連結した構造を成し、２台の射出ユニットで金型のキャビティに２種類の成形材料を同時或いは前後させて射出して二層樹脂成形品を量産するようにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
図４の射出成形装置を配備した工場で、自動車のインストルメントパネル等の例えば二層構造の樹脂成形品を製造する場合、工場に二層構造の樹脂成形品専用の二層射出成形機を新設する方法と、図４の単一成形材料仕様の射出成形装置を二層射出成形機と同様な構造に改造する方法が考えられる。工場に専用の二層射出成形機を新設するより、既存の射出成形装置を二層射出成形機に改造するほうが設備投資的に有利であることが多く、この場合、例えば図４の射出成形装置を図５或いは図６に示すように改造することが考えられる。
【０００６】
図５及び図６は既設の射出成形機１に新規に１つの射出ユニット２ｂ及び２ｃを追加設置したものである。図５の射出成形装置は、１台の射出成形機１に既存の射出ユニット２ａに加えて新規の射出ユニット２ｂを設置し、２つの射出ユニット２ａ、２ｂを１つの金型３の２つのゲート４，４’に連結して１つのキャビティ５に２種類の樹脂成形材料を射出することで、二層樹脂成形品を製造するように改造したものである。図６の射出成形装置も１台の射出成形機１に既存射出ユニット２ａに加えて新規射出ユニット２ｃを設置して、金型３のキャビティ５に２種類の樹脂成形材料を射出して二層樹脂形成品を製造するように改造したものである。
【０００７】
図５と図６の射出成形装置の改造技術は、既存設備に１機種の射出ユニットを新設するだけで改造できるために設備投資額が少なくて済むが、既存の射出成形機１に追加設置する新設の射出ユニットの設置場所を確保することが難しく、新設の射出ユニットのために既に設置されている設備装置を撤去する必要が生じることがある。例えば、図５装置においては既存の射出成形機１の金型交換台車側の側部に射出ユニット２ｂを新設したために、図４に示す金型交換台車１０とレール１１を撤去する必要がある。また、図６装置においては既存の射出成形機１の成形品搬出用コンベア側の側部に射出ユニット２ｃを新設したために、図４のコンベア２０を撤去する必要がある。このような既存の射出成形機１の周辺設備の部分的な撤去は、射出成形機における二層射出成形の動作そのものに影響を及ぼすことはないが、既存の射出成形機と連携して樹脂成形品等の製造に供されている製造設備の生産性に悪影響を与えることがある。また、既存の射出成形機周辺の既存設備の撤去が作業的かつ費用的に難しいこともあり、さらに、撤去した設備の保管等の後処理の問題もあって、現状においては既存の射出成形装置の改造が難しい。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着脱可能に設置された金型のキャビティに成形材料を射出する射出成形ユニットを有する射出成形機と、この射出成形機の側方に移動可能に配置されて射出成形機との間で金型の出し入れ交換を行う金型交換台車と、射出成形機の側方に配置されて射出成形機で射出成形された成形品を受け取って外部に搬出するコンベアとを有する射出成形装置において、金型交換台車の一部を延在させた台車延長部に、射出成形機の射出成形ユニットとは別体の射出ユニットを、射出成形機の金型に連結される射出成形姿勢と、射出成形機側方での金型交換台車の移動を邪魔しない待機姿勢との間で姿勢変更可能に、設置したことを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図４の射出成形装置を改造した本発明の一実施形態を図１乃至図３を参照して説明する。なお、図１乃至図３の図４と同一部分には同一符号を付して、説明の重複を避ける。
【００１０】
図１の射出成形装置は図４装置を二層（又は二色）射出成形装置に改造したもので、図４装置と同様に単機の射出成形機１の両側方に金型交換台車１０とコンベア２０が設置され、射出成形機１に既存の１機種の射出ユニット２ａが設置される。定位置の射出成形機１と床上を移動する金型交換台車１０の間で、従来同様にして金型３の交換が手動或いは自動で行われる。なお、金型３は１つのキャビティ５に２つのゲート４，４’を連通させた図５や図６と同様な二層（又は二色）射出成形用金型である。
【００１１】
図１装置の図４装置と大きく相違する特徴は、金型交換台車１０に１機種の射出ユニット２ｄを新設したことである。工場の床上のレール１１に沿って移動する既存の金型交換台車１０の一部に追加するように台車延長部１２を形成し、この台車延長部１２上に新設の射出ユニット２ｄを設置する。台車延長部１２は、例えば図３に示すように既存の金型交換台車１０の移動方向の前端を前方に延在させた水平台車構造であればよい。新設の射出ユニット２ｄは、台車延長部１２上に設置されて射出成形機１の金型３に適宜連結される所定の射出成形姿勢（図１の姿勢）と、射出成形機１の側方での金型交換台車１０の移動を邪魔しない待機姿勢（図２の姿勢）のいずれかに姿勢変更可能に設置される。例えば、台車延長部１２上にターンテーブル１３を約９０°で回転可能に設置し、このターンテーブル１３上に射出ユニット２ｄを固定して、ターンテーブル１３を手動或いは自動で回転させることで射出ユニット２ｄを図１の射出成形姿勢と図２の待機姿勢の間で横に９０°回転させる。
【００１２】
図１の射出ユニット２ｄの射出成形姿勢は、射出成形機１の側方定位置に金型交換台車１０が移動して射出ユニット２ｄが射出成形機１の方向に向き、この射出ユニット２ｄの先端の射出ノズル２ｄ’が射出成形機１に設置された金型３の一方のゲート４’に連結された状態である。このとき、射出成形機１の既存の射出ユニット２ａの射出ノズル２ａ’が金型３の他のゲート４に連結された状態にある。図１の状態で金型３の各ゲート４，４’に対応する各射出ユニット２ａ、２ｄから同種或いは異種の成形材料が射出され、ゲート４，４’から共通のキャビティ５に注入されて二層或いは二色樹脂成形品が成型される。従って、既存の射出成形機１が金型交換台車１０に新設した射出ユニット２ｄで二層（又は二色）射出成形機として機能する。この場合、既存の射出成形機１とコンベア２０は、改造されること無く従来設備がそのまま使用される。また、金型交換台車１０は、その前面に台車延長部１２を追加するだけであって、既存の金型交換台車のほとんどが改造されること無く使用される。その結果、図１装置は、図４装置の既存設備のいずれも撤去すること無く、図４装置のほぼ全てを残して改造することができるので、改造に要する設備投資額が少なくて済む。
【００１３】
図１の射出成形動作が終了して別の金型による射出成形に移行する前に、金型交換が行
われる。この金型交換は、射出成形機１の金型３から各射出ユニット２ａ、２ｄの連結を解き、射出成形機１に対して金型交換台車１０を金型交換位置まで移動させて射出成形機１から金型交換台車１０に金型３を移動させた後、図２に示すように金型交換台車１０を射出成形機１の側方から移動させることで行われる。金型交換台車１０を射出成形機１の側方から移動させる前に、金型交換台車１０の台車延長部１２上での射出ユニット２ｄの姿勢を図２の待機姿勢に変更する。この待機姿勢は、射出ユニット２ｄの射出ノズル２ｄ’が射出成形機１から離れて例えば台車移動方向と略平行な方向になる姿勢である。待機姿勢にある射出ユニット２ｄを搭載した金型交換台車１０が移動するとき、射出ユニット２ｄが射出成形機１のいずれの箇所にも当たらずに金型交換台車１０の移動がスムーズに行われる。また、金型交換台車１０の移動方向に射出ユニット２ｄの射出ノズル２ｄ’を向けた姿勢を待機姿勢とすることで、金型交換台車１０がレール１１に沿って移動する床上での台車移動エリアから射出ユニット２ｄが突出せず、この台車移動エリアの近辺の外部機器類に射出ユニット２ｄが衝突して損傷する心配が無くなる。
【００１４】
【発明の効果】
本発明によれば、金型交換台車の一部を延在させた台車延長部に、射出成形機の射出成形ユニットとは別体の射出ユニットを、射出成形機の金型に連結される射出成形姿勢と、射出成形機側方での金型交換台車の移動を邪魔しない待機姿勢との間で姿勢変更可能に、設置したので、二層樹脂成形品や二色樹脂成形品が射出成形できる射出成形装置を少ない設備投資で構築できる。
【００１５】
また、金型交換台車の台車延長部に設置した射出ユニットを姿勢変更可能に取り付けることで、金型交換台車の射出ユニットと射出成形機の金型の連結時や金型交換台車の移動時に射出ユニットの姿勢を適正に変更することができて、取り扱い作業の容易な射出成形装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施形態を示す射出成形装置の平面図。
【図２】 図１装置の金型交換台車の移動時の平面図。
【図３】 図１装置における金型交換台車の側面図。
【図４】 従来の射出成形装置の平面図。
【図５】 図４装置を二層（二色）射出成形装置に改造した一例を示す平面図。
【図６】 図４装置を二層（二色）射出成形装置に改造した他の一例を示す平面図。
【符号の説明】
１ 射出成形機
２ａ （既存）射出ユニット
２ｄ （新設）射出ユニット
３ 金型
４ ゲート
５ キャビティ
６ 成形品
１０ 金型交換台車
１１ レール
１２ 台車延長部
２０ コンベア
Claims (1)
- 着脱可能に設置された金型のキャビティに成形材料を射出する射出成形ユニットを有する射出成形機と、
この射出成形機の側方に移動可能に配置されて射出成形機との間で金型の出し入れ交換を行う金型交換台車と、
射出成形機の側方に配置されて射出成形機で射出成形された成形品を受け取って外部に搬出するコンベアとを有する射出成形装置において、
前記金型交換台車の一部を延在させた台車延長部に、前記射出成形機の射出成形ユニットとは別体の射出ユニットを、前記射出成形機の金型に連結される射出成形姿勢と、射出成形機側方での金型交換台車の移動を邪魔しない待機姿勢との間で姿勢変更可能に、設置したことを特徴とする射出成形装置。
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|---|---|---|---|---|
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2000
- 2000-08-21 JP JP2000249851A patent/JP3835731B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2002059455A (ja) | 2002-02-26 |
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