JP3835089B2 - 投射型カラー表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶装置をライトバルブとして備えた投射型カラー表示装置の技術分野に属し、特にライトバルブとして、マトリクス状に配置された複数の画素電極の駆動電圧極性を行毎や列毎に反転させるライン反転方式を採用する液晶装置を3色の光用に3枚備えた3板方式の投射型カラー表示装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
従来、液晶装置をR(赤)G(緑)B(青)の3色の光別にライトバルブとして3枚用いる3板方式(複板方式)のカラー液晶プロジェクタが普及している。
【0003】
ここで用いられる液晶装置では、一方の基板上に、アクティブマトリクス駆動、パッシブマトリクス駆動等の駆動方式に応じた、画素電極、走査線、データ線、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称す)、薄膜ダイオード(以下適宜、TFDと称す)などが形成される。他方の基板上に、やはり駆動方式に応じた、対向電極、配線、各画素の開口領域を規定する遮光膜等が形成される。そして、これらの基板は、実際に画像が表示される画像表示領域の周囲で、シール材により貼り合わせられる。この貼り合わせられた一対の基板間には、TN(Twisted Nematic)液晶、STN(Super Twisted Nematic)液晶等が挟持されている。そして動作時に、一対の基板間に挟持された液晶には、一方の基板上に形成された画素電極と他方の基板上に形成された対向電極との間に発生する縦電界が印加され、これにより液晶の配向状態が変化して、ここを通過する表示光の偏光状態を変化させることにより画像表示が行われるように構成されている。更に、この種の液晶装置では、液晶に対する直流電圧の印加により該液晶の劣化(例えば、液晶成分の分解、液晶セル中に発生した不純物による汚染、表示画像の焼き付きなど)が起きないように、各画素電極についての駆動電圧の極性を例えば画像信号における1フレームや1フィールドといった一定周期で反転させることが一般に行われる。しかるに、単純に画像表示領域を構成する全画素電極における駆動電圧の極性をこの一定周期で反転させたのでは(即ち、所謂ビデオ反転駆動方式では)、特に画素数が多い場合には、この一定周期のフリッカやクロストークが発生してしまう。従ってこの一定周期のフリッカやクロストークの発生を防ぐように、例えばこの一定周期で駆動電圧の極性を、画素電極の行毎に反転させる1H反転駆動方式や画素電極の列毎に反転させる1S反転駆動方式といったライン反転駆動方式が開発されている。
【0004】
このように構成された液晶装置を備えた3板方式のカラー液晶プロジェクタでは、3枚の液晶装置(ライトバルブ)により別々に光変調されたRGBの3色光は、プリズムやダイクロイックミラーにより一つの投射光に合成された後、スクリーン上に投写される。このようにプリズム等で合成すると、例えば、図13に示したように、RGB用の3枚のライトバルブ500R、500G及び、500Bによる変調後に、ダイクロイックミラー面を含むプリズム502で反射するR光及びB光と比べると、G光は、プリズム502で反射されない。即ち、光の反転回数が、R光やB光と比べて一回だけG光について少なくなる。この現象は、もちろんG光の代わりに、R光又はB光がプリズムで反射されないように係る合成光学系を構成しても同様に起こり、或いはプリズムを用いることなく複数のダイクロイックミラーを組み合わせて合成光学系を構成しても同様に起こる。従って、このような場合、G光についての画像信号を信号処理等により反転させることにより(即ち、左右或いは上下逆方向に画面走査することにより)、ライトバルブ500Gでは反転画像を表示し、反転されたライトバルブ500Gからの投射光をダイクロイックミラー又はプリズムにおいて再度ミラー反転した後に、通常画像が表示されるライトバルブ500R及び500Bからの投射光と合成するように構成されている。尚、このように反転画像及び通常画像間の対称軸をミラー反転軸という。このように構成すれば、3枚の液晶装置を組み合わせる際に、特にG光用の液晶装置に対しても何等の装置仕様の変更を施す必要はないので便利である。即ち、同じ仕様の液晶装置を3枚用いて、一つの3板方式の投射型カラー表示装置を構成できる。
【0005】
尚、液晶装置における誘電率異方性が負の液晶と垂直配向材を用いた垂直配向モードは、前述のTN液晶やSTN液晶を用いたTNモードやSTNモードと比べて透過率が一般に低いため、投射画像の明るさが重視されるこの種の液晶プロジェクタには採用されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した投射型カラー表示装置に用いられる液晶装置によれば、上述のライン反転駆動方式の場合には、極性の相異なる電圧が印加される列方向又は行方向に相隣接する画素電極間で横電界が生じる。このため、画素電極と対向電極との間で発生する縦電界で液晶の配向状態を制御することが予定されている液晶装置においては、液晶の配向不良が引き起こされてしまう。係る液晶の配向不良は、その配向不良個所における光抜けによるコントラスト比の低下、或いはこの配向不良化所を隠すことによる各画素の開口率(即ち、各画素において、その全体面積に対する表示に寄与する光が出力される領域の面積の比率)の低下につながり、表示画像が暗くなってしまう。特に近時における表示画像の高精細度化に伴って、相隣接する画素電極間の距離が短くなる程に、該距離に概ね反比例して横電界の強さは強まるため、この問題は深刻さを増してしまう。そして、このように横電界により生じる液晶の配向不良は各画素内で均一に生じないため、コントラスト比や透過率はこの配向不良によって画像表示領域全体に渡って均一に低下する訳ではなく、画像表示領域内の位置及び視角に応じて偏って低下する。例えば、コントラスト比や透過率は、画面の中央付近と端付近とで無視し得ない程に相異なってしまったり、ある方向から斜めに見た場合と他の方向から斜めに見た場合とで無視し得ない程に相異なってしまうという問題点を持つ。
【0007】
従って、このような問題点を持つ液晶装置を、図13を参照して説明したように、3板方式の液晶プロジェクタに用いると、各液晶装置におけるコントラスト比や透過率が、画像表示領域内の位置及び視角に応じて相異なって低下しているため、特に1枚の液晶装置では目立たないような投射画像上におけるコントラスト比や明るさのむらが、色合成により相互に増長されて、投射画像上で局所的に色むらや表示むらが目立つようになってしまうのが一般的である。例えば、投射画像の左寄り部分では、R及びBの色の光が相対的に強いために紫色っぽくなったり、投射画像の右寄り部分では、Gの色の光が相対的に強いために緑色っぽくなったりし、或いは投射画像の縁付近に近付く程コントラスト比が低下してしまうという問題点がある。
【0008】
加えて、前述の如く明るさ重視の要請から採用されている、比較的透過率の高いTNモードやSTNモードの液晶装置は、コントラスト比や視角特性が比較的低いため、これをライトバルブとして用いた上述の如き液晶プロジェクタでは、鮮明な映像を実現するのには本質的な限界があるという問題点もある。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、液晶装置をライトバルブとして3枚用いる3板方式の投射型カラー表示装置において、投射画像全体に渡っての色むらや表示むらが低減されており、コントラスト比が高く且つ明るく鮮明なカラー画像の表示が可能である投射型カラー表示装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の投射型カラー表示装置は上記課題を解決するために、(i)誘電率異方性が負である垂直配向型の液晶を挟持して互いに対向する一対の第1及び第2基板と、該第1基板の前記液晶に対向する側に、平面的に見て第1方向に配列されており第1周期で反転駆動されるための第1画素電極群及び該第1画素電極群と横並びに前記第1方向に配列されており前記第1周期と相補の第2周期で反転駆動されるための第2画素電極群を含む複数の画素電極と、前記第2基板の前記液晶に対向する側に、対向電極と、前記第1及び第2基板のうち少なくとも一方の前記液晶に対面する側に、平面的に見て前記第1方向と交わる第2方向にラビング処理が施されており、前記液晶の配向状態を電圧無印加時にほぼ垂直配向とするように且つ前記第2方向に所定のプレティルト角を持つように該ラビング処理が施された配向膜と、前記第1基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光軸が前記第2方向に対して斜めに配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と直交するように配置された第2偏光板とを備えた液晶装置から夫々構成される3枚のライトバルブと、(ii)光を前記3枚のライトバルブに夫々入射する光源手段と、(iv)前記3枚のライトバルブから出射する3つの光を合成して投射する投射光学系とを備えており、前記3枚のライトバルブのうち1枚は、他の2枚と比べてミラー反転された画像が表示されるように駆動され、前記投射光学系は、前記1枚のライトバルブからの光を前記他の2枚のライトバルブからの光に対して相対的にミラー反転してから且つ前記3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸を光学的に合わせるように前記3つの光を合成し、前記3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が前記ミラー反転軸の方向に合わせられている。
【0011】
本発明の投射型カラー表示装置によれば、各液晶装置において、その動作時には、第1基板上の複数の画素電極とこれに対向する第2基板上の対向電極との間における縦電界により、これらの基板間に挟持される液晶が駆動される。そして、偏光軸が直交するように配置された一対の第1及び第2偏光板並びにこれらの間で配向状態が変化させられる液晶層により、当該液晶装置に入射する光が選択的に遮断されたり透過されたりして、画像表示が行われる。この際、第1画素電極群は、第1周期で反転駆動され、第1画素電極と横並びに配列された第2画素電極群は、該第1周期と相補の第2周期で反転駆動される。即ち、前述したライン反転駆動方式(1H反転駆動方式又は1S反転駆動方式)で当該液晶装置は駆動される。従って、液晶に対する直流電圧の印加による液晶の劣化を回避しつつフリッカやクロストークを防止できる。しかるに、第1基板上で横並びに配列された第1画素電極群と第2画素電極群との間には、横電界が生じる。従って、ここで何らの対策を講じなければ、縦電界で駆動されることが予定されている液晶には、係る横電界により配向不良が生じてしまう。そこで本発明では特に、第1及び第2基板のうち少なくとも一方の液晶に対面する側に設けられた配向膜には、平面的に見て第1方向と交わる第2方向にラビング処理が施されており、しかも液晶の配向状態を電圧無印加時にほぼ垂直配向とするように且つ第2方向に所定のプレティルト角を持つように(例えば、基板面に垂直な方向から0.5度程度傾くように)該ラビング処理が施されている。
【0012】
従って、垂直配向型の液晶は、電圧印加時に第1方向と交わる第2方向に回動して傾斜する(倒れる)。他方で、基板に平行な横電界の成分も第1方向と交わる方向に生じている。
【0013】
ここで、本発明における、偏光軸が相互に交わる一対の偏光板間に垂直配向型の液晶層を配置した液晶装置の透過率について考察する。
【0014】
液晶が一軸方向に揃って傾斜する本発明の如き液晶装置では、その透過率Tは、次の式(1)で与えられる。
【0015】
T=Sin2(2α)Sin2(πΔnd/λ)……(1)
但し、
α :偏光板の偏光軸と液晶の傾斜方向(ラビング方向)のなす角度
Δnd:液晶の光学膜厚(n:液晶の屈折率、d:液晶の膜厚)
λ :入射光の波長
(尚、一対の偏光板は、それらの偏光軸が直交するように配置されているものとする。)
従って本発明の如き構成では、2α及びπΔnd/λを夫々π/2に近付けることにより、透過率Tを理論上100%に近付けることができる。しかも、本願発明者による研究によれば、この理論上の透過率T=100%を達成するための実践上の主な障害は、或いはこれら2つの数値(2αとπΔnd/λ)を固定した条件下で透過率Tをなるべく大きくしようとするための実践上の主な障害は、横電界による液晶を構成する液晶分子の一軸方向からのずれ又は揺らぎであることが判明している。即ち、横電界により液晶の傾斜方向にバラツキが生じると、上記式(1)自体が成立しなくなる(例えば、液晶が一軸方向に揃って傾斜しないことにより、透過率は80%程度にまで低下してしまう)のである。
【0016】
しかるに本発明では、ラビング処理は、第2方向に(即ち、横電界の方向に沿って)行われているため、このような横電界による各液晶分子の一軸方向からのバラツキは低減されている。即ち、横電界が作用しても、ラビング方向により規定された各液晶分子の回動面に沿った電界として作用するだけであるので、横電界により各液晶分子がこの面から外れることはない。従って本発明では、上記理論上の最高値である100%に近い透過率Tを得ることが可能となり、或いは、これら2つの数値(2αとπΔnd/λ)を固定した条件下で透過率Tを大きくすることが可能となるのである。
【0017】
以上の結果、本発明の液晶装置では、電圧無印加時には、液晶が配向膜の作用により垂直配向しているため、第1及び第2偏光板の特性にほぼ依存する程度まで良好な黒表示が得られる。他方で電圧印加時には、液晶分子の傾斜方向(即ち、ラビング方向)に沿って横電界が作用することにより横電界の悪影響が低減され、前述した式(1)に従って一軸的に液晶分子が傾斜する(倒れる)ことにより非常に高い透過率を得ることができる。しかも、1H反転駆動方式又は1S反転駆動方式等のライン反転駆動方式を採用しており、且つ垂直配向型の液晶装置として構築されているため、コントラスト比、視角特性及び応答特性に大変優れている。加えて、このような独自の効果を得るために、例えば特開平07−230097号公報等にあるように液晶分子の傾斜方向を規制するための特殊な電極構造等の複雑な装置構成を必要とすることもなく、本願発明の液晶装置は比較的容易に製造可能であり実践上有利である。
【0018】
そして以上の如く構成された液晶装置が、本発明の投射型カラー表示装置におけるライトバルブとして3枚備えられ、光源手段からの光がこれら3枚のライトバルブに夫々入射される。すると図13に示したのと同様の原理で、3枚のライトバルブのうち1枚は、他の2枚と比べてミラー反転された画像が表示されるように駆動され、投射光学系により、1枚のライトバルブからの光が他の2枚のライトバルブからの光に対して相対的にミラー反転され、3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸が光学的に合わせられるように3つの光が合成される。ここで特に、各液晶装置において第2方向(ラビング方向)とミラー反転軸の方向とが合わせられている。従って、ライトバルブとしての1枚の液晶装置では目立たないようなコントラスト比や明るさのむらが、色合成により相互に増長されて最終的に投射画像上で局所的に色むらや表示むらが目立つようになる事態を効果的に阻止し得る。
【0019】
更に本発明の投射型カラー表示装置に備えられる各液晶装置では、誘電率異方性が負の液晶を用いて垂直配向モードによる液晶駆動が行われるため、TNモードやSTNモードの場合と比較して、コントラスト比や視角特性が比較的高い。従って、係るTNモードやSTNモードの液晶装置を3枚用いた従来の投射型カラー表示装置と比べて、本発明の投射型カラー表示装置では、再現性に優れており視認性の高い鮮明な画像を投射可能となる。加えて、垂直配向モードで駆動される液晶装置は、視角特性が高いため、例えば約30度の範囲で配光分布を有する入射光に対して高いコントラストを達成できるので、液晶装置が小型化されて配光範囲が広くなる程に、本願発明の上記独自の効果は顕在化してくる。即ち、本発明の投射型カラー表示装置は、小型軽量化を図る上でも有利である。
【0020】
以上の結果、本発明の投射型カラー表示装置によれば、投射画像全体に渡っての色むらや表示むらが低減されており、コントラスト比が高く且つ明るく鮮明なカラー画像の表示が可能となる。
【0021】
本発明の投射型カラー表示装置の一の態様では、前記3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が前記ミラー反転軸の方向に±7度以内に合わせられている。
【0022】
この態様によれば、各ライトバルブにおいて、第2方向(即ち、ラビング方向)とミラー反転軸の方向とは、両者のなす角度が±7度以内に入るまで合わせられているので、ミラー反転軸に対して良好な光学特性(コントラスト比及び透過率)の対称性が実現される。従って、3枚のライトバルブからの3つの光を合成して得られる投射画像において、明るさ及びコントラスト比の色毎の不均一が低減されているため、色むらや表示むらが低減された鮮明な投射画像が得られる。
【0023】
本発明の投射型カラー表示装置の一の態様では、前記液晶装置において夫々、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、前記第1偏光板と前記第2偏光板の偏光軸が直交に配置されている。
【0024】
この態様によれば、第1偏光板の偏光軸は、第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、第2偏光板の偏光軸は、第2方向に対して38度〜52度の角度をなすので、上述の式(1)に従って、各液晶装置における透過率を高めることができる。本願発明者によるシミュレーションによれば、これらの条件を満たせば、90%を越す透過率を得ることも可能であり、しかも液晶分子の一軸方向からのずれに対する透過率の変動が極めて緩やかとなるので、実際の場合に液晶の傾斜方向が一軸方向から多少ずれてもそれによる透過率への悪影響が小さくて済み、最終的には、係る液晶の傾斜方向のずれによらずに表示品質を均一にできるので大変有利である。この結果、係る液晶装置をライトバルブとして利用することで、本発明の投射型カラー表示装置における明るさを向上でき、色むらや表示むらを更に低減できる。
【0025】
この態様では、前記液晶装置において夫々、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45度の角度をなし、前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45度の角度をなし且つ前記第1偏光板の偏光軸と直交し、前記第2方向は、前記第1方向と直交するように構成してもよい。
【0026】
このように構成すれば、第1偏光板の偏光軸は、第2方向に対して45度の角度をなし、第2偏光板の偏光軸は、第2方向に対して45度の角度をなすので、上述の式(1)に従って、各液晶装置における透過率を最大限に高めることができ、本発明の投射型カラー表示装置における明るさを一層向上できる。
【0027】
本発明の投射型カラー表示装置の他の態様では、前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に対向する側に、相交差する複数の走査線及び複数のデータ線を更に備えており、前記第1及び第2画素電極群は夫々、前記走査線に沿って配列されており、前記ラビング処理は、前記データ線に沿って施されている。
【0028】
この態様によれば、各液晶装置は、相交差する走査線及びデータ線を用いたアクティブマトリクス駆動方式或いはパッシブマトリクス駆動方式の液晶装置からなる。この際特に、第1及び第2画素電極群は夫々、走査線に沿って配列されているので、1H反転駆動が行われることになり、係る1H反転駆動中には、液晶分子はデータ線に沿った方向に一軸的に傾斜するので、これと同じ方向に発生する横電界による悪影響を効率的に低減できる。この結果、本発明の投射型カラー表示装置における表示品質を一層向上できる。
【0029】
上述した走査線及びデータ線を備えた態様では、前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に対向する側に、前記複数の画素電極に夫々接続された複数のスイッチング素子を更に備えており、前記複数の走査線及び前記複数のデータ線は夫々、前記複数のスイッチング素子に接続されるように構成してもよい。
【0030】
このように構成すれば、TFT、TFD等の画素スイッチング用のスイッチング素子等から構成されたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置をライトバルブとして用いることにより、本発明の投射型カラー表示装置における表示品質を一層向上できる。
【0031】
本発明の投射型カラー表示装置の他の態様では、前記液晶装置において夫々、前記ラビング処理は、前記第2基板上に施されており且つ前記第1基板上に施されていない。
【0032】
この態様によれば、各液晶装置において、ラビング処理は、第2基板上に施されているので、電圧無印加時に、垂直配向型の液晶を所定のプレティルト角を持つように垂直配向させることができる。このようにラビング処理を一方の基板にのみ実施すれば済むので、工程削減が可能であり、これに伴い不良発生も低減できる。しかも、ラビング処理を、各種配線や素子等が形成される第1基板上には施さないため、第1基板上における各種配線や素子における静電破壊による不良発生を大幅に低減できる。この結果、係る液晶装置をライトバルブとして用いることにより、本発明の投射型カラー表示装置における装置信頼性や製造歩留まりを改善できる。
【0033】
本発明の投射型カラー表示装置の他の態様によれば、前記投射光学系は、前記3枚のライトバルブから出射された3つの光を合成するダイクロイックミラー又はプリズムを含む。
【0034】
この態様によれば、ダイクロイックミラー又はプリズムにより、1枚のライトバルブからの光(例えば、Gの光)が他の2枚のライトバルブからの光(例えば、Rの光及びBの光)に対して相対的にミラー反転され、3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸が光学的に合わせられるように3つの光が合成される。この際、ダイクロイックミラー又はプリズムを用いているので、比較的簡単な光学系により光損失を抑えつつ3つの光を合成できる。
【0035】
本発明の投射型カラー表示装置の他の態様によれば、前記光源手段は、前記光を発する光源と、該光源から発せられた光を3色の光に分離して前記3枚のライトバルブに夫々導く入射光学系とを備える。
【0036】
この態様によれば、光源から発せられた光が、入射光学系により3色の光に分離されて、3枚のライトバルブに夫々導かれる。従って、1個の光源を用いてカラー画像の投射が可能となり、光源手段における小型軽量化及び製造コストの削減を図れる。
【0037】
この態様では、前記入射光学系は、前記光源から発せられた光を3色の光に分離するダイクロイックミラー又はプリズムを含むように構成してもよい。
【0038】
このように構成すれば、比較的簡単な光学系により光損失を抑えつつ光源からの光を3色の光に分離できる。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態は、垂直配向材、及び誘電率異方性が負の液晶を用いた垂直配向モードで且つ1H反転駆動方式で駆動される透過型の液晶装置を3枚用意し、これらをRGB3色用のライトバルブとして夫々用いて投射型カラー表示装置を構成した実施形態である。
【0041】
(液晶装置の全体構成)
先ず、本実施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここでは、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとり説明を加える。尚、図1は、液晶装置の平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
【0042】
図1及び図2において、液晶装置は、第1基板の一例としてのTFTアレイ基板10と第2基板の一例としての対向基板20との間に、誘電率異方性が負である垂直配向モード用液晶からなる液晶層50が挟持されてなる。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に固着されている。
【0043】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、その製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されている。
【0044】
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁を規定する遮光膜53が(対向基板20側に)設けられている。
【0045】
図1において、シール材52が配置されたシール領域の外側の周辺領域には、データ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一個所において、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は各画素に設けられた画素電極9a(図2参照)に対し各画素スイッチング用TFTを介して画像信号を選択的に供給するためのデータ線(ソース電極)及び走査線(ゲート電極)に各々電気的接続されている。データ線駆動回路101には、図示しない制御回路から即時表示可能な形式に変換された画像信号が入力され、走査線駆動回路104がパルス的に走査線に順番に走査信号(ゲート電圧)を送るのに合わせて、データ線駆動回路101は画像信号(ソース電圧)をデータ線に送る。
【0046】
図2において、TFTアレイ基板10上には、マトリクス状に配置された複数の画素電極9aと共に、これを駆動するための画素スイッチング用TFT及び走査線、データ線、容量線等の配線が形成されてており、その最上層(図2で上側の面上)にポリイミド系材料等からなる垂直配向用の配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上(図2では、下側の面上)には、対向電極21の他、各画素毎の非開口領域を規定する遮光膜、カラーフィルタ等が形成されており、その最上層にポリイミド系材料等からなる垂直配向用の配向膜22が形成されている。
【0047】
配向膜22は、その製造プロセスにおいて、ポリイミド系材料を塗布し、焼成した後、液晶層50中の液晶を所定方向に配向させると共に液晶に所定のプレティルト角を付与するようにラビング処理が施されている。本実施形態では特に、液晶層50は垂直配向するために、配向膜16に対してラビング処理を施す必要はない。即ち、一方の配向膜22におけるラビング処理により液晶の倒れる方向を制御できる。但し、配向膜22にラビング処理する代りに、配向膜16に対してラビング処理を施してもよいし、或いは両者にラビング処理を施してもよい。
【0048】
更に、TFTアレイ基板10の外側の面上(図2中、下側の面上)には、第1偏光板201が取り付けられており、対向基板20の外側の面上(図2中、上側の面上)には、第2偏光板202が取り付けられている。なお、本実施例では、第1及び第2偏光板を第1及び第2基板に直接取り付ける構成としたが、基板と偏光板の間に空気、ガラス等を介在させても良い。これら第1及び第2偏光板における偏光軸(透過軸)の方向、配向膜22のラビング方向、同一極性でライン反転駆動される画素電極群の配列方向、及び投射光学系におけるミラー反転軸の方向は、一定の関係を持つように構成されているが、この点については後述する。
【0049】
液晶層50は、垂直配向用の配向膜16及び配向膜22の作用により、電圧無印加時に両基板間で、ほぼ垂直配向状態をとる。しかも、配向膜22に対してラビング処理が施されているため、例えば基板面に対して約89.5度といった、ほぼ垂直配向状態をとる。係る液晶のプレティルト角は、90度に近い程に黒表示が良く(黒く)なるので、要求される装置仕様に応じて液晶分子が一定の信頼性を持って一軸方向に揃って傾斜する限りにおいて、なるべく90度に近付ける(例えば、89.5度程度にする)のが好ましい。更に、液晶層50は誘電率異方性が負である液晶からなるため、電圧印加時には基板面に平行な方向に傾斜するがこの際各液晶分子は、配向膜22に施したラビング方向に一軸的に揃って傾斜する。液晶層50は、図1に示したように液晶注入口の部分が欠落したシール材53及びこの液晶注入口をその液晶注入工程の後に封止する封止材54により液晶が基板間に封入されてなる。
【0050】
(液晶装置における回路構成)
次に、本実施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる液晶装置における回路構成及びこれによる全体動作について図3を参照して説明する。図3は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
【0051】
図3において、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aと画素電極9aを制御するためのTFT30がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子の一例としてのTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0052】
(液晶装置の詳細構成)
次に、本実施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる液晶装置の詳細構成について図4から図7を参照して説明する。
【0053】
図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図5は、図4のA−A’断面図であり、図6は、1H反転駆動方式における各電極における電圧極性と横電界が生じる主領域とを示す画素電極の図式的平面図であり、図7は、ラビング軸と偏光板透過軸(偏光軸)とのなす角度に対する透過率の変化特性を示すグラフである。尚、図5においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0054】
図4において、液晶装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介して例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気接続されている。画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気接続されている。また、半導体層1aのうち図中右下がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置された画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0055】
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って図中上方に突出した突出部とを有する。
【0056】
図5において、液晶装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜からなる。尚、画素電極9aの表面に、ショート防止用の透明絶縁膜を形成してもよい。
【0057】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられており、その下側には配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。
【0058】
TFTアレイ基板10には、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0059】
対向基板20には、対向基板20と対向電極21との間における各画素の非開口領域に、遮光膜23が形成されており、対向基板20の側から入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに侵入することはない。更に、遮光膜23は、表示画像におけるコントラスト比の向上、カラーフィルタを用いた場合の色材の混色防止などの機能を有しており、走査線3aやデータ線6aに沿って(即ち、各画素の境界に)発生し易いリバースティルトドメイン等の配向不良領域を隠す機能をも有する。このような遮光膜を対向基板20の側ではなく、TFTアレイ基板10上に形成してもよい。
【0060】
尚、本実施形態では、Al等からなる遮光性のデータ線6aで、各画素の非開口領域のうちデータ線6aに沿った部分を遮光することにより、各画素の開口領域のうちデータ線6aに沿った輪郭部分を規定してもよいし、このデータ線6aに沿った非開口領域についても冗長的に又は単独で対向基板20に設けられた遮光膜23で遮光するように構成してもよい。
【0061】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、シール材(図1及び図2参照)により囲まれた空間に液晶層50が形成される。
【0062】
ここで図6を参照して、本実施形態で採用する1H反転駆動方式における、相隣接する画素電極9aの電圧極性と横電界の発生領域との関係について説明する。
【0063】
即ち、図6(a)に示すように、n(但し、nは自然数)番目のフィールド或いはフレームの画像信号を表示する期間中には、画素電極9a毎に+又は−で示す液晶駆動電圧の極性は反転されず、行毎に同一極性で画素電極9aが駆動される。その後図6(b)に示すように、n+1番目のフィールド或いは1フレームの画像信号を表示するに際し、各画素電極9aにおける液晶駆動電圧の電圧極性は反転され、このn+1番目のフィールド或いは1フレームの画像信号を表示する期間中には、画素電極9a毎に+又は−で示す液晶駆動電圧の極性は反転されず、行毎に同一極性で画素電極9aが駆動される。そして、図6(a)及び図6(b)に示した状態が、1フィールド又は1フレームの周期で繰り返されて、本実施形態における1H反転駆動方式による駆動が行われる。この結果、本実施形態によれば、直流電圧印加による液晶の劣化を避けつつ、クロストークやフリッカの低減された画像表示を行える。尚、1H反転駆動方式によれば、1S反転駆動方式と比べて、列方向のクロストークが殆ど無い点で有利である。
【0064】
図6(a)及び図6(b)から分かるように、1H反転駆動方式では、横電界の発生領域C1は常時、列方向(Y方向)に相隣接する画素電極9a間の間隙付近となる。
【0065】
そこで図4及び図6の下部に夫々複数の矢印で示すように本実施形態では、第1偏光板201の偏光軸(透過軸)P1及び第2偏光板202の偏光軸(透過軸)P2が直交するように、これらの第1偏光板201及び第2偏光板202を配置する。そして、1H反転駆動において同一極性の電圧が印加される画素電極群の配列方向に等しい行方向(X方向或いは走査線3aに沿った方向)と直交する列方向(Y方向或いはデータ線6aに沿った方向)を、ラビング方向Rbとしてラビング処理を施す。すると、1H反転駆動の際に、電圧無印加時に液晶は、垂直配向用配向膜22の作用により垂直配向しているため、偏光板の特性にほぼ依存する程度まで良好な黒表示が得られる。他方で電圧印加時には、液晶分子の傾斜方向(即ち、ラビング方向)に沿って横電界が作用することにより横電界の悪影響が低減され、前述した式(1)に従って一軸的に液晶分子が傾斜することにより非常に高い透過率を得ることができる。
【0066】
ここで、第1偏光板の偏光軸P1と第2偏光板202の偏光軸P2とが直交する条件下で、ラビング方向Rbと偏光軸の方向P1とのなす角度(図4及び図6では、45度とされている角度)を変化させた際の透過率を、前述の式(1)にしたがってシミュレーションにより求めた結果を図7のグラフに示す。
【0067】
図7に示したグラフから分かるように、上述の式(1)に従って、90%を超える透過率を得るためには、第1偏光板201の偏光軸の方向P1は、ラビング方向Rbに対して38度〜52度の角度をなすこと及び第2偏光板202の偏光軸の方向P2は、ラビング方向Rbに対して38度〜52度の角度をなすことが条件となる。
【0068】
更に、図7に示したグラフから分かるように、これらの角度についての条件を満たせば、90%を越す透過率が得られるだけでなく、液晶層50を構成する液晶分子の一軸方向からのずれに対する透過率の変動が極めて緩やかとなっている(特性曲線上では、極大値付近で平坦な部分に相当する)。このため、実際の場合に、製造誤差等の何らかの要因により液晶分子の傾斜方向が一軸方向から多少ずれても、それによる透過率への悪影響が小さくて済む。
【0069】
また図7から明らかなように、第1偏光板201の偏光軸の方向P1が、ラビング方向Rbに対して45度の角度をなし、第2偏光板202の偏光軸の方向P2が、ラビング方向Rbに対して45度の角度をなし且つ第1偏光板201の偏光軸と直交し、更にラビング方向Rbは、同一極性でライン反転駆動される画素電極群の配列方向である行方向(X方向)と直交するように構成すれば、上述の式(1)に従って、当該垂直配向型の液晶装置における透過率を最大限に(特性曲線上では、約98%程度にまで)高めることができる。
【0070】
再び図5において更に、TFTアレイ基板10と複数の画素スイッチング用TFT30との間には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。下地絶縁膜12は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。
【0071】
本実施形態では、半導体層1aを高濃度ドレイン領域1eから延設して第1蓄積容量電極1fとし、これに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とし、ゲート絶縁膜を含んだ絶縁薄膜2を走査線3aに対向する位置から延設してこれらの電極間に挟持された第1誘電体膜とすることにより、蓄積容量70が構成されている。
【0072】
図6において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つがコンタクトホール8を介して接続されている。また、走査線3a及び容量線3bの上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第1層間絶縁膜4が形成されている。更に、データ線6a及び第1層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第2層間絶縁膜7が形成されている。前述の画素電極9aは、このように構成された第2層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0073】
図4及び図5に示すように、図4で左右に相隣接する画素電極9aの間隙に位置する各画素の非開口領域には、データ線6aが設けられており、各画素の開口領域の輪郭のうちデータ線6aに沿った部分が規定されており、且つデータ線6aにより当該非開口領域における光抜けが防止されている。また、データ線6aの下には、容量線3bの本線部からデータ線6aの下に沿って突出した部分を利用して、蓄積容量70が形成されており、非開口領域の有効利用が図られている。
【0074】
以上説明した実施形態では、画素スイッチング用TFT30は、好ましくは図6に示したようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。
【0075】
ここで、以上のように垂直配向型液晶を用いて構成された液晶装置において各種の反転駆動方式で駆動を行った場合の、各反転駆動方式に対する透過率(%)及びコントラスト比は、例えば次のようになる。
【0076】
反転駆動方式 透過率(%) コントラスト比
ビデオ反転駆動方式 75% 350
ドット反転駆動方式 52% 240
1S反転駆動方式 45% 210
1H反転駆動方式 70% 330
ビデオ反転駆動方式は、透過率及びコントラスト比共に優れているが、特に画素数が多くなるに連れて、反転周期であるフィールド或いはフレームの周期のフリッカやクロストークが顕著に発生するため、特に近時における高品位の画像表示への応用は困難である。ドット反転駆動方式は、透過率及びコントラスト比共に総じて低い。また、1S反転駆動方式では、やはり透過率及びコントラスト比が低い。
【0077】
これに対して、本実施形態で採用されている1H反転駆動方式は、透過率及びコントラスト比共に優れており、しかも、ビデオ反転駆動方式のようなフリッカやクロストークが発生しないので、最終的に明るく高品位の画像表示が可能となる。特に、ここで示した1S反転駆動方式と1H反転駆動方式との差は、ラビング方向(即ち液晶分子が傾斜する方向)と横電界の方向とを揃えたこととこれらを揃えないこととによる、液晶分子の傾斜方向のバラツキに主に起因すると考えられる。即ち、本願発明の如く、第1偏光板201における偏光軸の方向P1、第1偏光板202における偏光軸の方向P2、配向膜22のラビング方向Rb、及び同一極性でライン反転駆動される画素電極群の配列方向(本実施形態では、走査線の方向)とに一定の関係を持たせることにより、垂直配向型の液晶装置における透過率及びコントラスト比を、顕著に高めることができるといえる。
【0078】
以上詳細に説明したように、本実施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる液晶装置によれば、横電界による悪影響を効率的に低減できるので、明るさ及びコントラスト比を顕著に向上でき、しかも垂直配向モードの採用によりTNモードやSTNモードと比べて視角特性及び応答特性を顕著に向上できる。
【0079】
尚、以上説明した液晶装置では、ラビング処理は、対向基板20側に実施されており、TFTアレイ基板10上には実施されていない。このようにラビング処理を一方の基板にのみ実施すれば済むので、工程削減が可能であり、これに伴い不良発生も低減できる。しかも、TFTアレイ基板側をラビング処理しない構成とすることで、係るTFTアレイ基板10上に形成された走査線3a、容量線3b、データ線6a等の各種配線や画素スイッチング用TFT30等の電子素子等における静電破壊による不良発生を大幅に低減できる。
【0080】
また以上説明した液晶装置を、TFTアクティブマトリクス駆動方式以外の、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などいずれの方式の液晶装置に適用しても、横電界の悪影響の低減を図る本願独自の効果は発揮される。更に、駆動回路内蔵型の液晶装置(図1及び図2参照)のみならず、駆動回路を外付けする型の液晶装置に、第1実施形態を適用しても、やはり同様の効果が得られる。
【0081】
以上説明した液晶装置では、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10の外面には各々、偏光フィルム、位相差フィルムなどが所定の方向で配置されてもよい。
【0082】
更に、以上説明した液晶装置において、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等に開示されているように、TFTアレイ基板10上において画素スイッチング用TFT30に対向する位置(即ち、TFTの下側)にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けてもよい。このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板10の側からの裏面反射(戻り光)や複数の液晶装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に、他の液晶装置からプリズム等を突き抜けて来る投射光部分等が当該液晶装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。また、対向基板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。
【0083】
(投射型カラー表示装置)
次に、以上詳細に説明した液晶装置をライトバルブとして用いた投射型カラー表示装置について図8から図12を参照して説明する。
【0084】
先ず、本実施形態の投射型カラー表示装置の回路構成について図8のブロック図を参照して説明する。尚、図8は、投射型カラー表示装置における3枚のライトバルブのうちの1枚に係る回路構成を示したものである。これら3枚のライトバルブは、基本的にどれも同じ構成を持つので、ここでは1枚の回路構成に係る部分について説明を加えるものである。但し厳密には、3枚のライトバルブでは、入力信号が夫々異なり(即ち、R用、G用、B用の信号で夫々駆動され)、更にG用のライトバルブに係る回路構成では、R用及びB用の場合と比べて、画像を反転して表示するように画像信号の順番を各フィールド又はフレーム内で逆転させるか又は水平或いは垂直走査方向を逆転させる点も異なる。
【0085】
図8において、投射型カラー表示装置は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0086】
次に図9を参照して、本実施形態の投射型カラー表示装置の全体構成(特に光学的な構成)について説明する。ここに図9は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0087】
図9において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0088】
本実施形態では特に、図13に示したのと同様の原理に基づき、ライトバルブ100Gは、ライトバルブ100R及び100Bと比べてミラー反転された画像が表示されるように駆動される。そして、投射光学系の一例を構成するダイクロイックプリズム1112により、ライトバルブ100Gからの光がライトバルブ100R及び100Bからの光に対して相対的にミラー反転され、更に3枚のライトバルブ100R、100G及び100Bにおけるミラー反転軸が光学的に合わせられるように、これら3つの光が合成される。
【0089】
即ち、例えば図10に示すように、各ライトバルブに係るミラー反転軸110は、ダイクロイックプリズム1112により光学的に合わされ、ライトバルブ100Rから出射される文字“E”に対応するR光と、ライトバルブ100Gから出射されるに文字“E”の反転文字に対応するG光がミラー反転した後のG光と、ライトバルブ100Bから出射される文字“E”に対応するB光とが重ね合わされる。この結果、重ね合わされた光は、RGBの画像信号により規定される色の文字“E”に対応するカラー光となり、最終的にスクリーン1120にカラーの文字“E”が投射される。
【0090】
図11に、ライトバルブ100R、100G及び100Bにおける視角特性の一例を示す。尚、これら3つのライトバルブは同一仕様のものであり、製造誤差を除けば視角特性も同一である。ここに、図11の特性図は、画像表示領域をどの方向から見るかを、中心を基準とする方位に対応させて示すと共に、法線方向からどれだけ(何度)傾斜して見るかを、中心からの距離に対応させて示したものである。図11では特に、CR(コントラスト比)が50以上となる領域を右下がりのハッチングで示してあり、CRが100以上となる領域をクロスハッチングで示してある。
【0091】
図11に示すように、コントラスト比は、どれだけ斜めから見るかでばらつくだけでなく、上下左右等のどちらの方向から見るかで大きくばらついている。
【0092】
そこで本実施形態では図10に示すように、ライトバルブ100R、100G及び100Bにおいて夫々、ラビング方向Rbとミラー反転軸110の方向とを±7度以内に合わせる。これにより、ミラー反転軸110に対して良好な光学特性(コントラスト比及び透過率)の対称性が実現される。尚、この両者間のなす角度は、0度に近い程よいが、投射画像における色むら官能評価結果に基づけば、係る±7度以内であれば良好な画像を投射でき、更に垂直配向モードにおける視角特性からも、係る±7度以内であれば実用上問題はない。このようにミラー反転軸110に対して良好な光学特性の対称性が実現されると、ライトバルブとしての1枚の液晶装置では目立たないようなコントラスト比や明るさのむらが、色合成により相互に増長されて最終的に投射画像上で局所的に色むらや表示むらが目立つようになる事態を効果的に阻止し得る。例えば、投射画像の左寄り部分でR及びBの色の光が強くても或いはそれらのコントラスト比が高くても、Gの色の光も同様に強いため或いはそのコントラスト比も同様に高いため、3色合成における色バランスがこの左寄り部分でくずれることはない。他方、投射画像の右寄り部分でR及びBの色の光が弱くても或いはそれらのコントラスト比が低くても、Gの色の光も同様に強いため或いはそのコントラスト比も同様に低いため、やはり3色合成における色バランスがこの右寄り部分でくずれることはない。しかも、図11に示したように、垂直配向モードで駆動されるライトバルブは、TNモードやSTNモードの場合と比べてコントラスト比や視角特性に優れているため、例えば約30度の範囲で配光分布を有する入射光に対して高いコントラストを達成できる。従って、液晶装置が小型化されて配光範囲が広くなっても、液晶プロジェクタ1100で十分なコントラスト比や視角特性を実現可能となる。
【0093】
以上の結果、液晶プロジェクタ1100は、小型化に適しており、投射画像の全体に渡って色の再現性に優れており、視認性の高い鮮明な画像を表示できる。特に明るい室内環境でも鮮明な投射画像が得られる。
【0094】
尚、本実施形態では、図9に示したように、1個のランプユニット1102からの白色光をRGB3色光に分離するダイクロイックミラー1108と、3枚のライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導くミラー、レンズ等の入射光学系とから光源手段の一例が構成されているので、光損失を低減しつつ不要な熱の発生による温度上昇を防ぐことができる。
【0095】
但し、図12に変形例として示すように、3個のランプユニット1102’から発せられる光をコリメータレンズ1115並びにRGB別のカラーフィルタ1116R、1116G及び1116Bを夫々介して3枚のライトバルブ100R、100G及び100Bに入射するように液晶プロジェクタ1100’を構成してもよい。更に、この場合には、カラーフィルタ1116R、1116G及び1116Bをライトバルブ100R、100G及び100Bの出射側に夫々設けてもよい。
【0096】
本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう投射型カラー表示装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】図1の液晶装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図4】図1の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図5】図4のA−A’断面図である。
【図6】図1の液晶装置で用いられる1H反転駆動方式における各電極における電圧極性と横電界が生じる領域とを示す画素電極の図式的平面図である。
【図7】図1の液晶装置におけるラビング軸と偏光板の透過軸とのなす角度に対する透過率の変化特性を示す特性図である。
【図8】本実施形態の投射型カラー表示装置におけるライトバルブに係る回路構成を示したブロック図である。
【図9】本実施形態の投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
【図10】本実施形態に係るライトバルブにおけるミラー反転軸とラビング方向との関係を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係るライトバルブにおける視角特性の一例を示す特性図である。
【図12】本実施形態に係るカラー液晶プロジェクタの変形例を示す図式的断面図である。
【図13】カラー液晶プロジェクタにおける3色の色を合成する様子を示す色合成光学系の図式的断面図である。
【符号の説明】
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
16…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
30…TFT
50…液晶層
52…シール材
53…遮光膜
54…封止材
100…液晶装置
100R、100G、100B…ライトバルブ
110…ミラー反転軸
1100…液晶プロジェクタ
1102…ランプユニット
1108…ダイクロイックミラー
1112…ダイクロイックプリズム
1120…スクリーン
1121…リレーレンズ系
1122…入射レンズ
1123…リレーレンズ
1124…出射レンズ
Claims (9)
- (i)誘電率異方性が負である垂直配向型の液晶を挟持して互いに対向する一対の第1及び第2基板と、
該第1基板の前記液晶に対向する側に、平面的に見て第1方向に配列されており第1周期で反転駆動されるための第1画素電極群及び該第1画素電極群と横並びに前記第1方向に配列されており前記第1周期と相補の第2周期で反転駆動されるための第2画素電極群を含む複数の画素電極と、
前記第2基板の前記液晶に対向する側に、対向電極と、
前記第1基板の液晶に対面する側に、平面的に見て前記第1方向と交わる第2方向に電圧印加時の液晶分子の傾斜方向を向けさせる処理が施されており、前記液晶の配向状態を電圧無印加時にほぼ垂直配向とするように且つ前記第2方向に所定のプレティルト角を持つように該処理が施された配向膜と、
前記第1基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光軸が前記第2方向に対して斜めに配置された第1偏光板と、
前記第2基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と直交するように配置された第2偏光板と
を備えた液晶装置から夫々構成される3枚のライトバルブと、
(ii)光を前記3枚のライトバルブに夫々入射する光源手段と、
(iii)前記3枚のライトバルブから出射する3つの光を合成して投射する投射光学系とを備えており、
前記3枚のライトバルブのうち1枚は、他の2枚と比べてミラー反転された画像が表示されるように駆動され、
前記投射光学系は、前記1枚のライトバルブからの光を前記他の2枚のライトバルブからの光に対して相対的にミラー反転してから且つ前記3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸を光学的に合わせるように前記3つの光を合成し、
前記3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が前記ミラー反転軸の方向に±7度以内に合わせられていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 前記液晶装置において夫々、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、
前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、
前記第1偏光板と前記第2偏光板の偏光軸が直交することを特徴とする請求項1に記載の投射型カラー表示装置。 - 前記液晶装置において夫々、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45度の角度をなし、
前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45度の角度をなし且つ前記第1偏光板の偏光軸と直交し、
前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴とする請求項2に記載の投射型カラー表示装置。 - 前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に対向する側に、相交差する複数の走査線及び複数のデータ線を更に備えており、
前記第1及び第2画素電極群は夫々、前記走査線に沿って配列されており、
前記処理は、前記データ線に沿って施されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。 - 前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に対向する側に、前記複数の画素電極に夫々接続された複数のスイッチング素子を更に備えており、
前記複数の走査線及び前記複数のデータ線は夫々、前記複数のスイッチング素子に接続されたことを特徴とする請求項4に記載の投射型カラー表示装置。 - 前記液晶装置において夫々、前記処理は、前記第2基板上に施されており且つ前記第1基板上に施されていないことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。
- 前記投射光学系は、前記3枚のライトバルブから出射された3つの光を合成するダイクロイックミラー又はプリズムを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。
- 前記光源手段は、前記光を発する光源と、該光源から発せられた光を3色の光に分離して前記3枚のライトバルブに夫々導く入射光学系とを備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。
- 前記入射光学系は、前記光源から発せられた光を3色の光に分離するダイクロイックミラー又はプリズムを含むことを特徴とする請求項8に記載の投射型カラー表示装置。
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