JP3834207B2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機、印刷機等画像形成装置に用いられる給紙装置に関するものであり、詳しくは、シート収容部のシートが給送され尽くしたときに自動補給することが可能である給紙装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
画像形成装置内の給紙装置は複数段設けられており、それぞれ各種サイズのシートが収容されている。便宜上シート収容量は大きい程良いが、装置の小型化のためにある程度の制約はやむを得ず、装置内のデッドスペースをいかに利用するかが今日の課題となっている。
１つのシート収容部は１種類のサイズのシートしか収容できないため、小サイズのシートをセットした場合は給紙側と反対側のスペースが全く役に立たない。そこで、従来より様々な提案がなされてきた。
【０００３】
特開平３−１９５６３９号公報においては、シートの有無を検知する検知手段と、平行に上下動可能なシート収容部及び給紙用シート収容部とを備え、空きスペースを有効に活用した給紙装置を提案しているが、装置動作中は給紙用シート収容部にシート補給を行うことができないという不具合があった。
特開平６−１４４６００号公報では、シート収容部にロック機構を設けることなどで上記の問題を解決している。しかし、シート収容部の移動に伴い、ロック機構における歯形部のかみ合いのずれや、給紙装置本体とシート収容部とのコネクタの接続不良が発生することがあった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、給紙動作する方のシート収容部の給紙装置本体に対する位置決めが、簡単な構成で、確実に行うことができ、シート搬送性能が安定した給紙装置を提供することを目的とする。
また、第１シート収容部を給紙装置本体にセットしているときは常に第１シート収容部と給紙装置本体の電気接合を確実に保持し、誤動作を防止した給紙装置を提供することを目的とする。
さらに、第１シート収容部の停止位置を前後させることで横レジスト調整を行う給紙装置の、横レジスト調整作業の前後においても、第１シート収容部の給紙装置本体に対する位置決めが簡単な構成で、確実に行うことができ、誤動作を防止した給紙装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項１に記載の本発明は、複数枚のシートを積載する第１シート収容部と、第１シート収容部からシートを１枚ずつ給送する給紙手段と、第１シート収容部に対して水平且つ並列に配設された第２シート収容部と、第２シート収容部の積載シートを第１シート収容部へ一括して移送するシート移送手段と、第１シート収容部から給紙動作継続中は第２シート収容部のみシート移送方向と略直角に引き出すことが可能なロック機構を有する給紙装置において、第１シート収容部の前後方向のガタ及び第１シート収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたことを特徴とする給紙装置とする。
請求項２に記載の本発明は、請求項１に記載の給紙装置において、第１シート収容部と給紙装置本体の電気的な接離を行うコネクタを第１シート収容部と給紙装置本体側とにそれぞれ有し、コネクタの接合を確実に保持するための弾性部材を有し、弾性部材により発生する前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたことを特徴とする給紙装置とする。
請求項３に記載の本発明は、請求項１または２に記載の給紙装置において、第１シート収容部の横レジスト調整を、第１シート収容部を給紙装置本体にセットしたときの前後方向の停止位置調整で行う機構を有し、第１シート収容部の停止位置がいずれの位置であっても、第１シート収容部の前後方向のガタ及び第１シート収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたことを特徴とする給紙装置とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
＜第１の実施例＞
図１は本発明の給紙装置を備える画像形成装置の概略構成図である。図２は本発明の給紙装置の概略正面図であり、図３は概略平面図である。
第１シート収容部（１００）と、第２シート収容部（２００）は水平且つ並列に構成されていて、それぞれが独立したシート収容部として存在している。第１シート部（１００）と第２シート部（２００）とを一体化させるか、分離させるかは、第１ロック爪（１０７）の挙動によって決定される。第１ロック爪（１０７）はロック爪駆動装置（２０）によって駆動される。
図４にロック爪駆動装置（２０）の概略斜視図を示す。図５はロック爪駆動装置（２０）の部分拡大図であり、（ａ）は第２ロック爪（２２）が第１シート収容部（１００）に係合している様子を示し、（ｂ）は第１ロック爪（１０７）が第２シート収容部（２００）に係合している様子を示す。
【０００７】
ソレノイド（２３）のＯＮ状態で、第２ロック爪（２２）が矢印方向に回動し、第２ロック爪（２２）先端の歯形部（２２ａ）と、第１シート収容部（１００）に設けられた歯形部（１００ａ）が係合して給紙装置本体（６０）と第１シート収容部（１００）とをロックする構成となっている。それぞれの歯形部（２２ａ、１００ａ）の歯のピッチは、ほぼ同一の微小ピッチ（２ｍｍ以下）に設定されており、第２ロック爪（２２）回動時にそれぞれの歯形部（２２ａ、１００ａ）の歯の山同士がぶつかっても、第２ロック爪（２２）の組み付けガタ分でずれることで歯がかみ合うようになっている。
また、第２ロック爪（２２）に組み付けられた、スタッド（２５）にアーム（２１）が連結されていて、ソレノイド（２３）のＯＮ状態で、アーム（２１）はスタッド（２６）を支点として矢印方向に回動し、第１シート収容部内の第１ロック爪（１０７）をねじりコイルばね（２８）の作用に抗して支軸（２７）回りに回動させる。
【０００８】
＜第２の実施例＞
図６に本発明の給紙装置の概略平面図を示す。図７は第１シート収容部（１００）のコネクタと給紙装置本体（６０）の接続状態を示す図で、（ａ）は正常状態、（ｂ）は接続不良状態を示す。
第１シート収容部（１００）と第２シート収容部（２００）には、それぞれ給紙装置本体（６０）との電気的接続を行うための第１コネクタ（１２０）、第２コネクタ（２２０）が設けられており、対応する給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１、８２）とシート収容部セット時に接続するように構成している。
【０００９】
第２シート収容部（２００）には突起部（２２２）設けられている。給紙装置本体（６０）側には引き込み部材（９０）が設けられ、支軸（９０ｂ）を支点に弾性部材（９０ｃ）と回転体（９０ａ）の働きで第２シート収容部（２００）のセット時に回転体（９０ａ）が突起部（２２２）の頂点を乗り越えた位置で位置決めされ、セット時に適当なクリック感を与えるとともに矢印Ａ方向に第２シート収容部（２００）を引き込んでいる。それにより、第２シート収容部（２００）は、第１シート収容部（１００）を矢印Ａ方向に押し込み力を与えている。
【００１０】
一方、給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１、８２）は、支軸（８３）と弾性部材（８４）によってスライド可能で且つシート収容部のコネクタ（１２０、２２０）に給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１、８２）を矢印Ｂ方向に押しつけるように構成している。
シート収容部（１００、２００）による矢印Ａ方向への引き込み力は、給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１、８２）による矢印Ｂ方向の加圧力よりも大きく設定しているので、第１シート収容部（１００）と第２シート収容部（２００）とを一体で給紙装置本体（６０）にセットした時には図７（ａ）のようにシート収容部の第１コネクタ（１２０）または第２コネクタ（２２０）と給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１又は８２）は確実に接続された状態になり、給紙装置本体（６０）側のコネクタの支軸（８３）を固定している固定板（８０）から給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１又は８２）が少し離れたギャップＣの位置で停止する。
【００１１】
ところが、第１シート収容部（１００）からシート給紙中に第２シート収容部（２００）を引き出すと、第１シート収容部（１００）への矢印Ａ方向の押し付け力が無くなり、給紙装置本体（６０）側のコネクタ（８１）を加圧している弾性部材（８４）の力で給紙装置本体側コネクタ（８１）が固定板（８０）の位置まで押され、その勢いで第１シート収容部（１００）が押し出されてギャップＤの隙間が生じ、コネクタの接続不良が発生することがあった。
そこで、第２ロック爪（１０７）と第１シート収容部（１００）とを第１の実施例の構成にすることで、第２シート収容部（２００）を引き出す時の第１収容部（１００）の押し出され量は、それぞれの歯形部（２２ａ、１００ａ）の歯のピッチガタだけに抑えることができる。
【００１２】
＜第３の実施例＞
図８は、本発明の給紙装置の横レジスト調整機構を示す分解斜視図である。
本発明の構成の第１シート収容部（１００）側面にストッパー（１１０）が取り付け位置調整可能に設けてあり、それが給紙装置本体（６０）のフレーム（３０）の位置決め台（３１）に突き当たる位置で第１シート収容部（１００）のスライド方向の固定位置決めを行っている。つまり、ストッパー（１１０）の取り付け位置を移動することで第１シート収容部（１００）のスライド方向の固定位置を調整できる構成になっている。
この場合、ストッパーの取り付け位置が変わることによって、第１シート収容部（１００）を押し出そうとする矢印Ｂ方向の加圧力が変化することがあるが、本発明の構成によれば、その加圧力の変化にも影響を受けることなく第１シート収容部（１００）を固定して、コネクタの接続を保持することができる。
【００１３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の給紙装置では、第１シート収容部にかかる前後方向のガタ及び第１シート収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ、前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたことで、第１シート収容部の給紙装置本体に対する位置決めが簡単な構成で、確実に行え、シート搬送性が安定した給紙装置を提供することができる。
また、第１シート収容部と給紙装置本体の電気的な接離を行うコネクタの接合を確実に保持するための弾性部材により発生する前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたことで、第１シート収容部を給紙装置本体にセットしているときは常に第１シート収容部と給紙装置本体の電気接合が確実に保持でき、誤動作を防止した給紙装置を提供することができる。
さらに、横レジスト調整により、第１シート収容部の停止位置が前後方向にずれても、第１シート収容部の前後方向のガタ及び第１シートと収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ、前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けたので、第１シート収容部の給紙装置本体に対する位置決めが、レジスト調整時にも簡単な構成で、確実に行え、シート搬送性能が安定し、第１シート収容部と給紙装置本体の電気接合が確実に保持でき、誤動作を防止した給紙装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の給紙装置を備える画像形成装置の概略構成図である。
【図２】本発明の給紙装置の概略正面図である。
【図３】本発明の給紙装置の概略平面図である。
【図４】ロック爪駆動装置の概略斜視図である。
【図５】ロック爪駆動装置の部分拡大図である。
【図６】本発明の給紙装置の概略平面図である。
【図７】第１シート収容部のコネクタと給紙装置本体の接続状態を示す図である。
【図８】本発明の給紙装置の横レジスト調整機構を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
２０ ロック爪駆動装置
２１ アーム
２２ 第２ロック爪
２２ａ 第２ロック爪歯形部
２３ ソレノイド
２５ 第２スタッド
２６ 第１スタッド
２７ 支軸
２８ ねじりコイルばね
３０ フレーム
３１ 位置決め台
６０ 給紙装置本体
８０ 固定板
８１、８２ コネクタ
８３ 支軸
８４ 弾性部材
９０ 引き込み部材
９０ａ 回転体
９０ｂ 支軸
９０ｃ 弾性部材
１００ 第１シート収容部
１００ａ 第１シート収容部歯形部
１０７ 第１ロック爪
１１０ ストッパー
１２０ 第１コネクタ
２００ 第２シート収容部
２２０ 第２コネクタ
２２２ 突起部

Claims (3)

1. 複数枚のシートを積載する第１シート収容部と、第１シート収容部からシートを１枚ずつ給送する給紙手段と、第１シート収容部に対して水平且つ並列に配設された第２シート収容部と、第２シート収容部の積載シートを第１シート収容部へ一括して移送するシート移送手段と、第１シート収容部から給紙動作継続中は第２シート収容部のみシート移送方向と略直角に引き出すことが可能なロック機構を有する給紙装置において、
   第１シート収容部の前後方向のガタ及び第１シート収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けた ことを特徴とする給紙装置。
2. 請求項１に記載の給紙装置において、
   第１シート収容部と給紙装置本体の電気的な接離を行うコネクタを第１シート収容部と給紙装置本体側とにそれぞれ有し、コネクタの接合を確実に保持するための弾性部材を有し、
   弾性部材により発生する前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けた ことを特徴とする給紙装置。
3. 請求項１または２に記載の給紙装置において、
   第１シート収容部の横レジスト調整を、第１シート収容部を給紙装置本体にセットしたときの前後方向の停止位置調整で行う機構を有し、
   第１シート収容部の停止位置がいずれの位置であっても、第１シート収容部の前後方向のガタ及び第１シート収容部にかかる前後方向の変位スライド力を、ガタは極力小さくし、且つ前後方向の変位スライド力に抗する保持力を持つロック機構を設けた ことを特徴とする給紙装置。

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