JP3833363B2 - 商品処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量包装装置などの商品処理装置および該装置等に適用できる寸法測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、計量コンベヤ上で計量した商品を包装装置に送り出して、該包装装置で商品を上方の包装ステーションに持ち上げて商品をフィルムで包装する計量包装装置がある(たとえば、特開昭60−77843号、特開平7−257524号)。かかる計量包装装置の一例を図7に示す。
【0003】
図7において、100は計量コンベヤ、200は包装装置である。
前記計量コンベヤ100は、商品Mの重量を計量するロードセルのような重量検出器101と、重量検出器101の上部に支持された一対のプーリ102,102間に掛け渡された複数の駆動ベルト103を有している。これらの各駆動ベルト103には、トレーTの端部を押して包装装置200側に商品Mを送り込む爪状の突起104が固定されている。したがって、載置された商品Mは、重量が計量された後、搬送面105上を滑りながらトレーTごとエレベータ機構201上に送り込まれる。
【0004】
前記エレベータ機構201は、包装ステーションSの直下に配置されていると共に、昇降手段208により上下昇降自在とされている。このエレベータ機構201は、計量コンベヤ100から商品Mが供給されると、上昇して商品Mを包装ステーションSまで持ち上げる。
【0005】
一方、包装動作に先立ち、前記包装ステーションSには、張設状態のフィルムFが移送機構202,202によって供給されている。このフィルムFは、商品Mが押し上げられると、商品Mの上面に密着する。この状態で、フィルム折込み機構203は、図8の一対の左右折込板204,204と、後折込板205と、丸棒状の前折込部材206と、プッシャー207(図7)によって、フィルムFの前後左右の各側縁部を、トレーTの底面側に折り込んで商品Mを包装する。
【0006】
かかるストレッチ包装においては、フィルムFの消費効率や包装の仕上がり状態を向上させるために、図9のトレーTの奥行Dおよび幅Wに合わせて、図8のフィルムFの幅F2やフィルム長(カット長さ)F1を設定している。ここで、トレーTの前記両寸法D,Wを、包装の度ごとに入力するのは面倒なので、トレーTのサイズを包装前に検出して測定している(特公平6−2494号公報参照)。この測定方法の一例を図9に示す。
【0007】
図9に示すように、多数の反射型の光電検出器300を設け、トレーTが計量コンベヤ100(図7)上を移動する間に反射光が入射した検出器300の数からトレーTの幅Wを算出する。一方、透過型の光電検出器301,302を設け、トレーTが計量コンベヤ100(図7)上を移動する間に、光を遮光した時間と搬送速度からトレーTの奥行Dを算出する。
【0008】
しかし、この種の包装装置は毎分多数の商品Mを包装するものであるのに対し、トレーTが移動した後にトレーTの寸法を測定していたのでは、サイクルタイムを短縮できないなどの不都合がある。
【0009】
そこで、図7の計量コンベヤ100の上方にテレビカメラを設けて、トレーTを上方から撮像し、画像処理によってトレーTの寸法を求めることもなされている(たとえば特開平7−257524号公報参照)。この先行技術では、トレーTを搬送する前にトレーTの寸法を測定できるから、サイクルタイムの短縮が可能である。また、複数台の撮像装置を用いるのと異なり、1台のテレビカメラからの映像を画像処理して寸法を算出しているので、寸法算出の演算も簡単である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記先行技術では、1台のテレビカメラで撮像した映像からトレーTの寸法を算出しているので、トレーの正確な寸法を測定することはできない。たとえば、高さの高いトレーTの寸法は、実際よりも大きめに測定されてしまう。
【0012】
ところで、前述の1台のカメラでトレーの寸法を検出する包装装置では、撮像した映像からトレーの基準寸法を算出している。したがって、高さの高いトレーTは基準寸法自体が大きめに設定登録されるなど、基準寸法自体も不正確になり易い。一方、前述のように、毎回の包装ごとに測定される測定値も不正確であるから、比較する基準寸法および測定値が共に不正確な値であるため、トレーの特定に誤りが生じ易い。
【0013】
したがって、本発明の主な目的は、トレーの特定を正確に行い得る商品処理装置を提供することである。
【0014】
つぎに、本発明の構成の説明に先立って本発明にかかる寸法検出方法の一例について説明する。
図3(b)のように、高さHのトレーを撮像して、トレーTの平面的な寸法Wを測定しようとすると、見かけの寸法Waが測定値となる。ここで、実際のトレーTの平面的な寸法Wと見かけの寸法Waとは、下記の(1) 式の関係で表される。
Wa:W=Ha:(Ha−H) …(1)
但し、Ha−H:撮像装置からトレーのエッジTeまでの距離(高さ)
Ha:撮像装置から搬送面105までの距離(高さ)
前記(1) 式からトレーTの実際の寸法Wは、下記の(2) 式で表される。
W=Wa・(Ha−H)/Ha …(2)
したがって、撮像装置からトレーのエッジTeまでの距離(Ha−H)を知ることで、トレーの実際の寸法を知ることができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の商品処理装置は、トレーに載った商品に対して、トレーの種別に基づいて所定の処理を施す商品処理装置において、予め、トレーごとに商品の処理内容を設定登録すると共に、トレーごとにトレーの矩辺寸法および長辺寸法を入力操作手段から入力して設定登録し、商品の処理に先立ってトレーの前記両寸法を検出し、該検出により得た測定値と、前記設定登録された前記両寸法の設定登録値とを比較してトレーの種類を特定して、該特定したトレーの種類に基づいて商品の処理内容を選択し、商品ごとに使用する予定のトレーを予め設定登録すると共に、前記トレーを特定する際に、商品の種類に応じたトレーの種類の中からトレーを検索して選択することを可能にした商品処理装置であって、前記商品処理装置は、計量コンベヤ上で計量した商品を包装装置に送り出して、該包装装置によって商品をフィルムで包装する計量包装装置を備え、前記計量コンベヤの重量検出器が安定した時点で、前記トレーの両寸法を検出するようにしたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、商品の種類に応じたトレーの中からトレーを優先的に選択することができるので、候補が予め絞られるから、トレーを迅速、かつ、正確に特定することができる。
また、本発明によれば、トレーを載せる重量検出器が安定した時点で、トレーの寸法を検出するので、オペレータの手や衣服を誤って検出するおそれがない。
【0017】
本発明においては、トレーに載った商品を上方から撮像する撮像装置と、該撮像により得たトレーの見かけの寸法情報を算出する算出手段と、前記トレーの高さ情報を検出する高さ情報検出器とを更に備え、前記トレーの見かけの寸法情報を前記高さ情報により補正してトレーの平面的な寸法情報を得、該寸法情報に基づいて商品に所定の処理を施すようにするのが好ましい。
本態様によれば、トレーの見かけの寸法を高さ情報等で補正するから、1台の撮像装置と高さ情報検出器によって、つまり、簡単な装置によって、トレーの寸法を正確、かつ、迅速に測定することができる。
なお、「トレーの見かけの寸法情報」とは、図3(a)のトレーの見かけ上の平面的な寸法Waなどに限らず、見かけ上のエッジP N の位置情報も含まれる。
【0019】
本発明においては、商品の高さ情報を検出し、該商品の高さ情報とトレーの高さに基づいて、トレーのエッジよりも上方に突出している商品の盛り高さを算出するのが好ましい。
本態様によれば、トレーのエッジよりも上方に突出している商品の盛り高さを算出することにより、盛り高さに応じてフィルム長を変えることもできる。
【0020】
本発明においては、前記矩辺寸法および長辺寸法について、各々、前記測定値と前記各トレーの設定登録値とを比較し、矩辺寸法についての差の絶対値と、長辺寸法についての差の絶対値との和が最も小さいトレーを選択するのが好ましい。
【0021】
本発明においては、前記矩辺寸法および長辺寸法について、各々、前記測定値と前記各トレーの設定登録値とを比較し、前記矩辺寸法の差の絶対値、ならびに、前記長辺寸法の差の絶対値が、各々、所定の閾値よりも小さい場合にはトレーを選択し、一方、所定の閾値よりも大きい場合にはトレーの測定値に応じた処理を施するのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は商品処理装置の一例である計量包装値付装置を示す。該装置の計量・包装の機構は、図7の従来例と同様であり、以下の説明では、異なる部分について主に説明する。
この図において、本体フレーム20内には、幅F2(図8)が互いに異なる複数本のフィルムロールFrが収納されており、何れか1本のフィルムロールFrを選択して包装ステーションSにフィルムFを巻き出せるようになっている。包装ステーションSの上方には、ラベル貼付機13が配設されている。該ラベル貼付機13は、ラベルプリンタ12から発行されたラベルを、図2の包装ステーションSにおいてフィルムFの表面に貼付する。図1の前記ラベルプリンタ12およびラベル貼付機13は、上方の支持フレーム21によって左右方向Xに移動自在に支持されていると共に、鉛直軸線のまわりに旋回自在に支持されており、ラベルを貼付する位置(貼り位置)やラベルの向きを選択することができるようになっている。
【0023】
図2において、計量コンベヤ100の上方には、超音波距離計1およびCCDカメラ(撮像装置)2が設けられている。前記超音波距離計1は、本発明の距離情報検出器および高さ情報検出器を構成しており、所定の周波数の超音波パルスを下方に向って送波し、商品MおよびトレーTからの反射波を受波して、受波するまでの時間によって、商品MおよびトレーTまでの最短距離を算出して、図4のマイコン3に出力する。前記CCDカメラ2は、上方の所定の位置から所定の角度で計量コンベヤ100上の所定の領域に載せられたトレーTを、図3(a)のように撮像して、輝度情報(撮像情報)を出力する。
【0024】
図4において、マイコン3には、図示しないインターフェイスを介して、前述の超音波距離計1およびCCDカメラ2の他に、計量手段106、タッチスクリーン(入力操作手段)10、ストロークキー部(入力操作手段)11、ラベルプリンタ12および計量包装値付制御器14などが接続されている。前記マイコン3は、CPU4およびメモリ5を備えている。前記CPU4は、画像処理手段40、寸法補正手段41およびトレー特定手段42を備えている。一方、メモリ5は、商品情報記憶部50およびトレー情報記憶部51を備えている。
【0025】
前記商品情報記憶部50には、図5(a)の商品の呼出No. に対応して、商品ごとに、品名および単価などの他に、使用する予定の1個または複数のトレーNo. が記憶されている。なお、品名および単価の情報はラベルの印字情報として用いられる。
【0026】
一方、図5(b)の前記トレー情報記憶部51には、トレーごとに、トレーの幅(長辺寸法)Wおよび奥行(矩辺寸法)Dからなるトレーのサイズと、各種の商品の処理内容が記憶されている。該処理内容としては、風袋引きをするためのトレーの重量、トレーの奥行寸法により定まるフィルムNo.(フィルムの幅)、トレーの幅により定まるフィルム長(カット長さ)、トレーの大きさにより定まるラベルの貼り位置および向きがある。
なお、前記商品情報記憶部50およびトレー情報記憶部51の情報は、図1のタッチスクリーン10およびストロークキー部11から入力して設定登録される。
【0027】
図4の前記画像処理手段40は、CCDカメラ2から入力された輝度情報から、以下に説明する手法によって、トレーTの見かけ上の平面的なエッジの位置を検出し、更に、該エッジの位置から、トレーTの見かけの大きさを算出する。
前記メモリ5の第1画像記憶部52には、トレーTが載っていない状態の計量コンベヤ100の画像が予め記憶されており、一方、第2画像記憶部53には、図3(a)のトレーTが載った状態の画像が記憶される。図4の前記画像処理手段40は、前記第1および第2画像記憶部52,53の輝度の変化から、トレーTにおけるエッジTeの位置を求める。
【0028】
一方、図3(a)のCCDカメラ2の撮像領域Aには、縦横に第1および第2の基準線C1,C2が設定されており、該両基準線C1,C2と撮像領域Aの端との交点ON と、前記両基準線C1,C2とエッジTeの交点PN との間の距離に基づいて、トレーTの見かけの大きさが算出される。たとえば、トレーTの見かけ上の幅Waは、下記の(3) 式により算出される。
Wa=Wo−(W1 +W2 ) …(3)
【0029】
図4の前記寸法補正手段41は、所定の演算式に従って、図3(b)の前記トレーTの見かけの寸法(幅)Waを、トレーまでの高さ(Ha−H)により補正して、トレーの大きさW,Dを求める。
たとえば、トレーTの幅Wは前述の下記の(2) 式により算出される。
W=Wa・(Ha−H)/Ha …(2)
【0030】
図4の前記トレー特定手段42は、前記検出および演算によって得たトレーTの大きさ(測定値)W,Dと、図5(b)に記憶されたトレーの設定登録値とを比較して、以下の手順で、トレーNo.(トレーの種類)を特定する。
まず、トレー特定手段42は、ストロークキー部11から入力された商品の呼出No. に対応するトレーNo. を読み出し、読み出した各トレーNo. のトレーの幅Wおよび奥行Dについて、各々、測定値と設定登録値とを比較し、幅Wについての差の絶対値ΔWと、奥行Dについての差の絶対値ΔDを求める。つづいて、トレー特定手段42は前記絶対値ΔW+ΔDの和が最も小さいトレーを特定すべき候補とする。
【0031】
つぎに、トレー特定手段42は、前記各絶対値ΔWおよびΔDが、共に、予め設定した所定の測定誤差範囲(閾値)ΔA内であるか否かを判別し、共に測定誤差範囲ΔA内であれば、撮像したトレーが当該トレーNo. のものであると判断する。一方、前記トレー特定手段42は、各絶対値ΔW,ΔDの一方または双方が所定の測定誤差範囲ΔAよりも大きい場合は、トレーNo. を特定せずに、全ての種類のトレーについて前述と同様の演算を行い、該全ての種類のトレーの中からトレーNo. を特定する。なお、全てのトレーの中からトレーNo. を特定できない場合は、トレーを特定しない。
【0032】
CPU4は、トレーNo. を特定した場合には、図5(b)のトレー情報記憶部51から当該トレーNo. の商品の処理内容を読み出し、計量包装値付制御器14等に当該処理条件の出力等を行う。CPU4は、特定されたトレーNo. の風袋重量を計量値から減算して商品Mの重量を算出し、該重量の情報をラベルプリンタ12に印字させる。また、計量包装値付制御器14は特定されたトレーNo. のフィルムNo. およびフィルム長に基づいて商品Mを包装させる。また、ラベル貼付機13は出力された貼り位置および向きに応じてラベルを貼付する。なお、CPU4は、トレーNo. を特定しない場合には、所定の演算式に従って、商品の処理内容を算出し、計量包装値付制御器14等に当該処理内容の出力等を行う。
【0033】
つぎに、前記構成の動作について説明する。
まず、予め、登録モードに設定して、商品の呼出No. 、品名、単価および使用するトレーNo. などを、商品ごとに、タッチスクリーン10およびストロークキー部11から設定登録する。また、各トレーNo. ごとに、トレーの奥行、幅、風袋重量、使用するフィルムNo. 、フィルム長、貼り位置および向きなどを、タッチスクリーン10およびストロークキー部11から設定登録する。
【0034】
一方、商品を包装する際には、まず、包装モードに設定する。
次に、オペレータは包装する商品の呼出No. を入力した後、商品Mを載せたトレーTを図4の計量コンベヤ100上に載置すると、計量手段106は重量検出器101からの出力を重量に変換してマイコン3に出力する。マイコン3は、重量信号が安定(重量検出器101が安定)した時点で、CCDカメラ2からの輝度情報を取り込むと共に、超音波距離計1からの高さ情報を取り込む。ここで、トレーTはオペレータによって次々と計量コンベヤ100上に載置されるので、CCDカメラ2には、オペレータの手や衣服も撮像され、また、超音波距離計1には手や衣服で反射された反射波が入射するが、重量検出器101が安定した時点で、つまり、トレーTからオペレータの手が離れた時点で、前記輝度情報および高さ情報を取り込むから、取り込まれた情報には、手や衣服による誤差が生じにくい。
【0035】
その後、CPU4は、前述の手法に基づいてトレーのエッジTeを検出し、該エッジTeからトレーの見かけの寸法を求め、この見かけの寸法を高さ情報で補正して、トレーの幅Wおよび奥行Dを求め、更に、トレーを特定する。該特定されたトレーNo. の商品処理内容に従って、商品MがトレーTと共にストレッチ包装されると同時にラベルが貼付される。
【0036】
前記構成においては、前述の(2) 式のように、トレーの見かけ上の平面的な寸法を高さ情報によって補正するので、トレーの正確な寸法を測定することができる。また、1台のCCDカメラ2および超音波距離計1によって寸法の測定が可能となるうえ、演算式も簡単であるから、簡単な装置やソフトウェアで、かつ、迅速に測定することができる。
【0037】
特に、図3(a)のように、撮像領域Aに縦横に基準線C1,C2を設定して、該基準線C1,C2上においてトレーTの寸法を測定すれば、測定点が著しく少なくなるので、迅速な測定が可能となる。
【0038】
なお、本実施形態では、高さ情報検出器として超音波距離計1を用いたが、本発明ではレーザ距離計やその他の検出器を用いてもよい。たとえば、透過形の光電検出器を高さ方向に複数個並べて、遮光した検出器の数から高さを求めることもできる。
【0039】
しかし、超音波距離計1ではなく、レーザ距離計などによって高さ情報を得ようとすると、指向性が強すぎて、トレー上の商品が載っていない箇所における距離を測定してしまうなど、トレーのエッジTeまでの距離を正確に計ることができない。また、多数の光電検出器で高さ情報を得ようとすると、高さの分解能を小さくすることができない上、特別のソフトウェア等を開発する必要がある。
【0040】
これに対し、本実施形態では、指向性の小さいものである超音波距離計1を用いたから、1台の検出器でトレーのエッジTeまでの距離を、正確かつ容易に求めることができる。なお、トレーのエッジだけではなく、商品Mの上面においても超音波は反射されるから、商品Mまでの距離が測定されることが多いが、一般に、高いトレーの内容物の高さは高く、一方、低いトレーの内容物は低いので差程支障がない。
【0041】
また、本実施形態では、トレーを特定するのに、タッチスクリーン10やストロークキー部11などの入力操作手段から入力した値を基準寸法としているので、各トレーの基準寸法が正確であり、一方、トレーの見かけの寸法ではなく実際のトレーの寸法を測定するから、トレーを正確に特定することができる。
【0042】
ところで、商品の種類(品名等)によって使用するトレーは予め決まっている。ここで、前記実施形態では、まず、商品の呼出No. に対応したトレーの種類の中からトレーを選択してトレーを特定する。したがって、商品の呼出No. によって特定されるトレーの候補が予め絞られるので、トレーの特定が正確、かつ、迅速になる。
【0043】
ところで、前記実施形態では、トレーのエッジの代わりに商品までの高さを検出してしまう場合もある。また、トレーの高さによってフィルム長を変化させるだけでなく、商品の盛り高さによってもフィルム長を変化させるのが好ましいので、商品の盛り高さも検出するのが好ましい。その方法の例を図6に示す。
【0044】
図6(a)において、トレーTの載置領域の上方には、第1および第2超音波距離計1A,1Bが設置されている。第1超音波距離計1Aは、トレーTのエッジTeの真上あたりに配置されており、トレーのエッジTeまでの距離Dtを検出する。一方、第2超音波距離計1Bは、トレーTの略中央付近に配置されており、商品Mの頂点までの距離Dmを検出する。マイコン3(図4)は、前記エッジTeまでの距離DtからトレーTの高さHを求める。また、マイコン3(図4)は、下記の(4) 式から盛り高さHmを求める。
Hm=Dt−Dm …(4)
【0045】
また、図6(b)のように、トレーTが通過する下流の上方に超音波距離計1を設けて、トレーTの高さHおよび盛り高さHmを求めることもできる。すなわち、前記マイコン3(図4)は、超音波距離計1から出力される距離が急激に小さくなったところに、トレーのエッジTeが存在すると判断し、当該エッジ位置における高さ情報からトレーの高さを求める。また、マイコン3(図4)は、エッジTeの高さよりも高く、かつ、最大の高さの箇所に盛りのピークがあると判断し、前記(4) 式により盛り高さHmを求める。
【0046】
また、図6(c)のように、トレーTの搬送方向Xと直交する方向Yに超音波距離計1を走査して、トレーのエッジTeの高さと盛り高さHmを求めてもよい。なお、以上のように、トレーの高さに加えて商品の盛り高さHmをも検出する場合は、超音波距離計1の指向性を大きく(超音波が入射する角度を小さく)する方が好ましい。
【0047】
また、前記実施形態では、平面視が略方形状のトレーの平面的な寸法を測定したが、本発明方法を用いて、トレー以外の長円形やその他の形状の被測定物の寸法を測定してもよい。また、平面的な寸法(幅および奥行)ではなく、被測定物までの水平方向の距離などを測定して、被測定物の高さおよび長さなどを測定してもよい。
【0048】
また、前記実施形態では、図3(b)の見かけの寸法Waを高さ情報で補正したが、図3(a)の見かけ上の平面的なエッジの位置PN を高さ情報で補正してもよい。つまり、本発明はトレーの寸法に関わる情報(寸法情報)を高さ情報で補正すればよい。
【0049】
また、本実施形態では商品処理装置として計量包装値付装置を例にとって説明したが、本発明は、計量、包装、値付の何れか1つ以上の機能を持つ商品処理装置に適用することができる。また、高さ情報検出器および撮像装置は、計量コンベヤの上流のストックコンベヤなどに設けてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の商品処理装置は、撮像装置で撮像したトレーの見かけの寸法を比較してトレーを特定するのではなく、トレーの実際の矩辺と長辺を入力操作手段から入力するので、正しい基準値が得られ、また、見かけ上のトレーの矩辺および長辺の寸法を検出するのではなく、実際の両辺を検出測定し、この測定値と前記正しい基準値とを比較する。したがって、トレーの特定に誤りが生じにくい。
【0051】
特に、本発明によれば、商品の種類に応じたトレーの中からトレーを検索して優先的に選択することができるので、候補が予め絞られるから、トレーを迅速、かつ、正確に特定することができる。
【0052】
また、トレーの寸法を超音波距離計で測定すれば、コストが安価になるだけでなく、超音波は適度に広がる小さな指向性を有するので、レーザ距離計などに比べトレーのエッジや内容物(商品)を検出し易いから、高さの検出精度が正確になる。
【0053】
また、トレーを載せる重量検出器が安定した時点で、トレーの寸法情報および高さ情報を検出するようにすれば、オペレータの手や衣服を誤って検出するおそれがない。
【0054】
なお、トレーのエッジよりも上方に突出している商品の盛り高さを算出すれば、盛り高さに応じてフィルム長を変えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる計量包装値付装置の概略斜視図である。
【図2】同概略の機構を示す断面図である。
【図3】見かけの寸法からトレーの幅および奥行を算出する方法を説明するための図である。
【図4】計量包装値付装置の概略構成図である。
【図5】商品およびトレー情報記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図6】トレーのエッジ高さに加えて、商品の盛り高さを検出する場合の検出方法の例を示す概念図である。
【図7】従来の計量包装装置の概略の機構を示す断面図である。
【図8】包装方法を示す斜視図である。
【図9】トレーの寸法の検出方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:超音波距離計(距離情報検出器、高さ情報検出器)
2:CCDカメラ(撮像装置)
10,11:入力手段
100:計量コンベヤ
101:重量検出器
106:計量手段
T:トレー(被測定物)
Te:エッジ
M:商品
Wa:見かけの幅(寸法)
W:トレーの幅
H:トレーの高さ
Claims (5)
- トレーに載った商品に対して、トレーの種別に基づいて所定の処理を施す商品処理装置において、
予め、トレーごとに商品の処理内容を設定登録すると共に、トレーごとにトレーの矩辺寸法および長辺寸法を入力操作手段から入力して設定登録し、
商品の処理に先立ってトレーの前記両寸法を検出し、該検出により得た測定値と、前記設定登録された前記両寸法の設定登録値とを比較してトレーの種類を特定して、該特定したトレーの種類に基づいて商品の処理内容を選択し、
商品ごとに使用する予定のトレーを予め設定登録すると共に、前記トレーを特定する際に、商品の種類に応じたトレーの種類の中からトレーを検索して選択することを可能にした商品処理装置であって、
前記商品処理装置は、計量コンベヤ上で計量した商品を包装装置に送り出して、該包装装置によって商品をフィルムで包装する計量包装装置を備え、
前記計量コンベヤの重量検出器が安定した時点で、前記トレーの両寸法を検出するようにした商品処理装置。 - 請求項1において、トレーに載った商品を上方から撮像する撮像装置と、
該撮像により得たトレーの見かけの寸法情報を算出する算出手段と、
前記トレーの高さ情報を検出する高さ情報検出器とを更に備え、
前記トレーの見かけの寸法情報を前記高さ情報により補正してトレーの平面的な寸法情報を得、該寸法情報に基づいて商品に所定の処理を施すようにしたことを特徴とする商品処理装置。 - 請求項2において、
商品の高さ情報を検出し、該商品の高さ情報とトレーの高さに基づいて、トレーのエッジよりも上方に突出している商品の盛り高さを算出するようにした商品処理装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記矩辺寸法および長辺寸法について、各々、前記測定値と前記各トレーの設定登録値とを比較し、矩辺寸法についての差の絶対値と、長辺寸法についての差の絶対値との和が最も小さいトレーを選択するようにした商品処理装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記矩辺寸法および長辺寸法について、各々、前記測定値と前記各トレーの設定登録値とを比較し、前記矩辺寸法の差の絶対値、ならびに、前記長辺寸法の差の絶対値が、各々、所定の閾値よりも小さい場合にはトレーを選択し、一方、所定の閾値よりも大きい場合にはトレーの測定値に応じた処理を施すようにした商品処理装置。
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JP27371597A JP3833363B2 (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 商品処理装置 |
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