JP3832777B2 - エポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の液晶層の厚さを制御するための面内スペーサ、特に高い移動防止能を有するスペーサ等として好適な熱硬化性架橋樹脂被覆球状粒子の製造方法に関する。
【従来の技術】
液晶表示装置の液晶層の厚さを一定に保つための面内スペーサのうち、移動防止能を有するいわゆる固着スペーサとしては、熱可塑性樹脂を被覆した球状粒子が一般的である。しかしながら、液晶中での長期安定性、ポリイミド配向膜への固着能力等の点では熱硬化性樹脂によって被覆された球状粒子の方が優れていることは知られている。そのため、熱硬化性樹脂を被覆した球状粒子を製造する試みが為されてきたが、これまで熱硬化性樹脂が均一に被覆された単分散の球状粒子は得られていない。これまでの球状粒子に熱硬化性樹脂を被覆した粒子では、熱硬化性樹脂被覆が不均一であり、単分散の粒子ではなく、接着力が粒子間で異なり移動を生じるスペーサ粒子が出てくる。これでは、セルギャップを一定に保つことができない。また、樹脂が厚く付いている部分が有るために、液晶セル膜との接着時にその樹脂がセル膜上に広がり、異常配向、光抜けによるコントラストの低下を引き起こすという問題が生じる。
液晶表示装置用の面内スペーサを目的とする熱硬化性樹脂によって被覆された球状粒子としては、特開平1−197721号公報記載のものがある。本公報記載の複合粒子は、中心が、球状粒子である無機物(例えばシリカ球状粒子)またはガラス転移温度120℃以上の有機ポリマー(例えば架橋ポリスチレンビーズ)であり、その外周が、常温で非粘着性かつ熱硬化し得るエポキシ樹脂成分とその潜在型硬化剤、合計30〜100wt%と、エポキシ樹脂成分とは相分離状態にあるゴム成分0〜70wt%との混合物で覆われていることを特徴とするものである。本公報記載の複合粒子においては、球状粒子とそれを被覆しているエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂成分とゴム成分の混合物との間には化学結合はなく、球状粒子と被覆層とは単に物理吸着によって接合されているに過ぎない。このように、球状粒子とそれを被覆する樹脂成分が単なる物理吸着によって接合されているのみでは、超音波処理等により、容易に被覆樹脂成分が剥がれてしまい、面内スペーサとして利用できない(後述する比較例参照)。
また、本公報には、乳化法により複合粒子を製造する場合において、スペーサ成分(すなわち球状粒子)が無機質である場合には、事前にシラン系カップリング剤で親油化処理しておくことが好ましい旨の記載がある。しかしながら、ここで用いられるシラン系カップリング剤(実施例において、メチルトリエトキシシランが用いられている)と呼んでいるものは、いわゆるシラン系表面改質剤であり、あくまでも無機質からなる球状粒子表面を親油化処理するために用いられている。従って、反応性基として、エポキシ樹脂と結合し得る官能基を有しておらず、球状粒子と被覆樹脂層との間には化学結合は形成されないことは明らかである。
さらに、本公報の複合粒子の製造においては、球状粒子の表面にエポキシ樹脂成分等からなる層を均一な厚さで形成するための特別な手段は講じられておらず、それ故、コアとなる球状粒子の分散性を維持できず、湿式分級を行っても、得られた複合粒子の粒径の変動係数(CV値)は、コアとなる球状粒子の粒径の変動係数(CV値)を大きく上回っている(本公報実施例1において、シリカ球状粒子の粒径変動率が10%なのに対し、得られた複合粒子の粒子径変動率は19%である)。従って、本公報の方法では、液晶表示装置用面内スペーサ等として用いるのに充分な単分散性を有する複合粒子は得られない。
【発明が解決しようとする課題】
上記の現状の下、本発明は、球状粒子の表面に、球状粒子の単分散性を維持し得る均一な厚さの熱硬化性樹脂層を有し、かつ球状粒子と熱硬化性樹脂層との結合性が高く、従って超音波耐久性、機械的接着強度の高い熱硬化性樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、長期間の保存によっても粒子間の合着・凝集が起こらない、分散安定性の高い熱硬化性樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、下記の工程A〜Dを実施することにより、上記の所望特性を有する熱硬化性樹脂被覆熱接着性粒子が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(工程A)球状粒子からなるコアを反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理してコア粒子の表面に反応性官能基を導入する工程
(工程B)表面処理されたコア粒子を、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤の有機溶媒溶液中に均一に分散させ、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子をコア粒子表面に析出させるための処理を行った後、有機溶媒を除去してコア粒子表面にエポキシ樹脂粒子および潜在型硬化剤粒子が析出した乾燥粉体を得る工程
(工程C)得られた乾燥粉体を衝撃力または剪断力付与処理に付し、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層がコア粒子表面に融着された熱接着性層被覆粒子を得る工程
および
(工程D)得られた熱接着性層被覆粒子を分散安定剤の水性溶媒溶液中に分散させ、ここにシランカップリング剤のエマルジョンを添加してシランカップリング剤を熱接着性層に吸収させた後、シランカップリング剤の親水性置換基を加水分解してシロキサン結合を形成する工程
を含むエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法を要旨とする。
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法において、目的物であるエポキシ樹 脂被覆熱接着性粒子(以下、単に「熱接着性粒子」ということがある)は、球状粒子からなるコアと、その表面を実質的に均一な厚さで被覆するエポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層からなる。
本発明の方法においてコアとして用いることができる球状粒子の材質としては、実質的に真球状の粒子であって、シランカップリング剤の親水性官能基と反応して、化学結合を形成できる無機材料または有機・無機複合材料が挙げられる。その材質の具体例としてはシリカ;WO、SnO 、TiO 、ZrO 、Al等の金属酸化物;ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ゲルマン酸塩ガラス、タングステン酸塩ガラス、モリブデン酸塩ガラス、テルル酸塩ガラス等のガラス;WO96/15986号公報に開示されている発明の黒色粒子および絶縁膜付き黒色粒子;オルガノシラン等の有機無機複合物等が挙げられ、目的とする熱接着性粒子の用途等に応じて適宜選択可能である。
上記の球状粒子からなるコアの粒径は、目的とする熱接着性粒子の用途等に応じて適宜選択可能である。例えば、本発明の熱接着性粒子を液晶表示パネル(液晶セル)用のスペーサーとして用いる場合、前記のコアは粒径が0.4〜29μmのシリカ粒子であることが特に好ましい。
上記のコア粒子表面を実質的に均一な厚さで被覆するエポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を構成するエポキシ樹脂は、軟化点が70℃以上のものであれば特に限定されないが、その具体例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール系エポキシ樹脂;ビフェニール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂;脂肪族または芳香族のアルコール型エポキシ樹脂;脂肪族または芳香族のエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はそれぞれ単独で使用されていてもよいし、2種以上が併用されていてもよいが、それらの軟化点が70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。
熱接着性層を構成する潜在型硬化剤は、上記のエポキシ樹脂を硬化させることができ、かつ、常温における可使時間が1日以上のものであればよく、その具体例としては、フェノールノボラック類、ポリビニルフェノール類、フェノール類、多価フェノール化合物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のジグリシジルエステル、ポリアミン類、イミダゾール類、酸無水物類等が挙げられる。潜在型硬化剤の種類は、使用するエポキシ樹脂の種類や、その可使時間等に応じて適宜選択される。
エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層は、次のような構造を有している。
潜在型硬化剤は、エポキシ樹脂と実質的に均一に混在した形態で、コア粒子の表面に付着されているか、または少なくともその一部が後述する衝撃力または剪断力付与処理によって融解し、潜在型硬化剤およびエポキシ樹脂が互いに溶融・混合し、一層となって存在している。
熱接着性層中においてエポキシ樹脂と共に存在する潜在型硬化剤は、熱を加えた時、例えば液晶セル膜との接着時に融解されて、エポキシ樹脂による液晶セル膜との接着をより強固にする役割を果たす。
次に、本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、コア粒子と熱接着性層を構成するエポキシ樹脂とがシランカップリング剤を介して化学結合されていることを特徴とする。
シランカップリング剤の一方の親水性置換基が、コア粒子を構成する材質との間で化学結合を形成しており、他方の反応性官能基がエポキシ樹脂と化学結合を形成している。コア粒子とエポキシ樹脂層とが化学的に結合されていることによって、コア粒子と熱接着性層とが強固に接合されているため、超音波処理等による熱接着性層の剥がれが無く、高い接着力が得られる。これにより、例えば液晶表示装置用固着型面内スペーサとして用いた場合、液晶セル膜との強固な接着が達成できる。
コア粒子とエポキシ樹脂との間の化学結合を形成する反応性官能基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シランカップリング剤」ということがある)は、置換基として反応性官能基を1つまたは2つ有し、親水性置換基がアルコキシ基であるものであれば特に限定されない。反応性官能基は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基等でエポキシ樹脂との反応性を有しているものが挙げられる。その具体例としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。好ましくはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等である。
なお、コア粒子の材質が無機材料である場合、上記の反応性官能基を有するシランカップリング剤と共に、テトラアルコキシシラン(例えばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)を反応させてもよい。加水分解速度の速いシリコンアルコキシドをシランカップリング剤と同時に反応させることにより、コア粒子表面がより疎水化され、エポキシ樹脂による被覆およびコア粒子とエポキシ樹脂との結合性がより良好となる。
さらに、本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、その熱接着性層の表面、すなわち粒子の表面に、エポキシ樹脂と化学結合しているシランカップリング剤の親水性官能基に由来するシロキサン結合(−Si−O−)が存在することを特徴とする。
粒子の表面にシロキサン結合を形成するシランカップリング剤は、コア粒子とエポキシ樹脂とを結合させるのに用いたものと同じ種類の化合物から選択して用いてもよいし、通常の疎水性官能基を有する化合物でもよい。また、コア粒子とエポキシ樹脂との結合に用いた化合物と同一のものでもよいし、異なる化合物でもよい。
ここで用いるシランカップリング剤の一方の疎水性官能基は、熱接着性層を構成するエポキシ樹脂と化学的または物理的結合を形成しており、他方の親水性置換基(アルコキシ基)は加水分解されて、シランカップリング剤の親水性置換基同士が結合してシロキサン結合を形成する。従って、熱接着性層の表面がシロキサン結合の網によって覆われているような状態になっているものと考えられる。
このように粒子表面にシロキサン結合が存在することにより、長期の保存によっても個々の粒子間の合着・凝集が起こらない。その表面にシロキサン結合が存在しない裸の状態の熱接着性層の表面には、エポキシ樹脂のグリシジル基(疎水性基)が露出し、粒子間でこれらのグリシジル基同士が分子間力等によって引き合い、粒子の合着・凝集が起こる。粒子の表面に親水性のシロキサン結合が存在すると、粒子同士が反発しあい、粒子同士の合着・凝集が起こらず、粒子の分散性が高くなる。粒子間の合着・凝集がないことは、液晶表示装置用面内スペーサに要求される性能の一つであり、本発明のエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子は、面内スペーサとして優れた性能を有している。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、熱を加える前は接着性を示さず、加熱によって初めて接着性を示すものであり、熱を加える前は、個々の粒子は合着・凝集していない状態にある。また、例えば液晶セル膜との熱接着後もまた接着性を示さなくなる。
液晶セル膜との熱圧着により、エポキシ樹脂層は液晶セル膜との接点付近において扁平化され、液晶セル膜と小さい面積で接着することができる。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子の全体の粒径は、目的とする用途によって適宜選択することができるが、例えば液晶表示装置用面内スペーサを目的とする場合には、通常0.5〜30μm、好ましくは0.7〜25μm、特に好ましくは1.0〜15μmの範囲である。精密接着剤を目的とする場合には、通常0.5〜100μm、好ましくは0.7〜80μm、特に好ましくは1.0〜60μmの範囲である。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子の熱接着性層の厚さも、目的とする用途によって適宜選択することができるが、通常0.001〜5.0μm、好ましくは0.005〜3.0μm、特に好ましくは0.01〜1.0μmの範囲である。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、極めて高い熱接着性を示し、熱接着後の引っ張り力が1×10−7kgf/個以上である。
また、本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、少なくとも30日間という長期保存によっても粒子間の合着・凝集が起こらないことが確認されており、長期保存安定性に優れている。
上記特性を有する熱接着性粒子は、液晶表示装置用面内スペーサとして用いた場合、高い移動防止能を有し、超音波照射、液晶注入、押出し時に移動を生じることがなく、面内散布密度が変化しないため、セルギャップを一定に保つことが可能である。また、本発明の熱接着性粒子は、コア粒子の単分散性を維持しているため、極めて高い精度で液晶セル膜厚を規定することができる。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、精密接着剤として用いた場合、硬化時の収縮が小さく、極めて高い精度で特定の間隔をもって接着が可能である。従って、例えば各種マイクロ光学部材の固定、導波路/光ファイバー間の接続に好適に用いることができる。
本発明の方法で得られた熱接着性粒子を均一に一層に並べて硬化させることにより、極めて微細かつ精密なサイズの濾過孔を有する精密濾過フィルターとすることができる。
次に本発明のエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法における工程A〜Dについて説明する。
本発明の製造方法は、
工程A:シランカップリング剤によるコア粒子の表面処理、
工程B:エポキシ樹脂と潜在型硬化剤のコア粒子表面への析出処理、
工程C:衝撃力または剪断力付与処理、および
工程D:シロキサン結合形成処理
を含む。
工程A:シランカップリング剤によるコア粒子の表面処理
工程Aは、シランカップリング剤の親水性置換基(アルコキシ基)とコア粒子を構成する物質との間に化学結合を形成し、次の工程Bでコア粒子とエポキシ樹脂との間で化学結合を形成するための反応性官能基をコア粒子の表面に導入する工程である。
工程Aでは、球状粒子からなるコアを反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理してコア粒子の表面に反応性官能基を導入する。
コア粒子にシランカップリング剤の反応性官能基を導入するには、まず、超音波振動等を利用して、コア粒子をアルコール系溶媒中に分散させる。この分散液に、25〜30重量%アンモニア水を添加し、次いで反応性官能基を有するシランカップリング剤を添加して攪拌することにより、シランカップリング剤の親水性置換基(アルコキシ基)が加水分解されて、コア粒子を構成する物質との間で化学結合が形成され、かつコア粒子表面に反応性官能基が導入される。
本工程で用いられるアルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。このときに用いる溶媒は1種類のアルコールでもよいし、複数種のアルコールからなる混合物であってもよい。アルコール系溶媒の使用量は、コア粒子の重量の5〜30倍が好適である。
反応性官能基を有するシランカップリング剤の使用量は、コア粒子に対し、通常0.1〜500重量%、好ましくは0.5〜200重量%、特に好ましくは1〜100重量%の範囲である。シランカップリング剤の使用量が0.1重量%未満の場合、充分なエポキシ樹脂との化学結合を提供できるだけの反応性官能基を導入することができない。また、500重量%を超えるとシランカップリング剤の加水分解物が凝集し、これが粒子表面に付着して粒子の単分散性が損なわれ、不都合である。
シランカップリング剤の親水性置換基を加水分解するための25〜30重量%アンモニア水の添加量は、シランカップリング剤のモル数に対して2〜300倍が好適である。
加水分解時の反応温度は、通常20〜80℃であり、反応時間は、通常1〜24時間である。
前述したように、コア粒子の材質が無機材料である場合には、反応性官能基を有するシランカップリング剤でのコア粒子の表面処理時に、必要に応じて加水分解速度の速いシリコンアルコキシドを共存させることにより、コア粒子表面により均一な熱接着性層を形成するのに十分な量の反応性官能基を導入することができる。
工程B:エポキシ樹脂と潜在型硬化剤のコア粒子表面への析出処理
工程Bは上記工程Aで得た表面処理されたコア粒子に、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子を均一に析出させた乾燥粉体を得る工程であり、次の工程Cにおける衝撃力または剪断力付与処理を行うための前処理である。
具体的には、シランカップリング剤によって表面処理されたコア粒子を、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤を有機溶媒に均一に溶解した溶液中に加え、超音波振動等を利用して均一に分散させる。得られた分散液に、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤に対する貧溶媒を大量に加えて、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子をコア粒子の表面に均一に混在した状態で析出させ、次いで有機溶媒を減圧留去する等の手段で除去することにより、乾燥粉体とする。
ここで用いる、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤を溶解するための有機溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤を完全に溶解できる量以上であればよい。
エポキシ樹脂と潜在型硬化剤に対する貧溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール等が挙げられる。貧溶媒の添加量は、使用する有機溶媒の2倍以上が好ましい。
本工程で得られる乾燥粉体は、コア粒子に対して遥かに粒径の小さいエポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子がコア粒子の表面に実質的に均一に混在し、かつ均一な厚さで付着し、桑の実のような外観を有している。この段階では、エポキシ樹脂粒子と潜在型硬化剤からなる粒子は、コア粒子表面に付着しているか、弱い力でコア粒子表面に吸着しているに過ぎない。
エポキシ樹脂粒子および潜在型硬化剤をコア粒子表面に均一に混在した状態で析出させる方法としては、上述の貧溶媒を添加する方法以外に、ヘンシェルミキサー等の加熱攪拌装置により、攪拌状態下に有機溶媒を除去する方法を用いることも可能である。
工程C:衝撃力または剪断力付与処理
工程Cは、上記工程Bで得られたエポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる粒子がコア粒子表面に析出した乾燥粉体を衝撃力または剪断力付与処理に付し、コア粒子表面に弱い力で吸着しているエポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子をコア粒子表面に熱融着させると同時にコア粒子表面に導入されている反応性官能基とエポキシ樹脂との間に化学結合を形成させ、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層がコア粒子表面に融着された被覆粒子を得る工程である。
ここで、本発明において用いることができる衝撃力または剪断力付与処理の好ましい具体例として、ハイブリダイゼーション法が挙げられる。ハイブリダイゼーション法とは、微粒子の表面改質を行うのに用いられ、コア粒子とこれよりもさらに小さな改質用の微粒子を、一般には高速気流中で混合し、表面に改質層を形成させる方法である。より詳細には、コアとなる球状粒子と、この球状粒子の表面に形成しようとする改質層の材料となる粒子(コア粒子よりも小粒径のもの)とを秒速数十メートル以上という高速気流中で分散・移動させながら互いに衝突させ、このときに生じる衝突力、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用に伴う発熱・温度上昇を利用して、コア粒子の表面に熱融着によって所望の改質層を形成する方法である。
その他の本発明において用いることができる衝撃力または剪断力付与処理の具体例としては、メカノフュージョン法が挙げられる。
本発明の方法においては、上記工程Bにおいて、衝撃力または剪断力付与処理前に予め表面改質用の粒子であるエポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子を、コア粒子の表面に均一に混在した状態で析出・付着させており、より確実に2種の表面改質用の粒子を均一に混在した状態で、かつ均一な厚さで熱融解させることができるため、均一な厚さでコア粒子表面に熱接着性層を形成することができる。また、この処理のときに、衝撃力または剪断力によって、コア粒子表面に導入されたシランカップリング剤の反応性官能基とエポキシ樹脂との間に化学結合が形成される。
シランカップリング剤の反応性官能基が導入されていないコア粒子と、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子を、単に衝撃力または剪断力付与処理することによって得られた表面改質粒子では、コア粒子と改質層との界面に化学結合がなく、また、改質層が微粒子の集合体で形成されるので超音波耐久性、機械的特性は良好ではない。従って、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子を、単に例えばハイブリダイゼーション法によって反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されていないコア粒子に融着させても、コア粒子と融着された熱接着性層との結合力は弱く、熱接着性層が超音波処理、その他の機械的外力によって容易にはがれてしまう。
しかしながら、本発明の熱接着性粒子の製造方法においては、コア粒子とエポキシ樹脂との間に反応性官能基を有するシランカップリング剤による化学結合が形成されるため、衝撃力または剪断力付与処理のみによる場合とは異なり、コア粒子と熱接着性層との間には極めて高い結合力が存在する。
本工程で用いるハイブリダイゼーション法は、例えば奈良機械製作所社製のハイブリダイザー(商品名)を用いて行うことができる。このハイブリダイザーを用いる場合のハイブリダイゼーションの好ましい条件は、以下の通りである。
ローター回転数:10000〜16000npm
処理時間:3〜30分
工程D:シロキサン結合形成処理
工程Dは、上記工程Cで得られた被覆粒子のエポキシ樹脂層、すなわち粒子表面にシランカップリング剤の親水性置換基に由来するシロキサン結合を形成する工程である。工程Cで得られた被覆粒子の表面には、熱接着性層を構成するエポキシ樹脂のグリシジル基が露出しており、このままでは各粒子の表面に存在するグリシジル基が互いに引き合い易く、長期間の保存によって粒子の凝集を起こす。これを防止するため、粒子表面に親水性基を形成する。
工程Cで得られた被覆粒子を分散安定剤の水性溶媒溶液中に分散させ、ここにシランカップリング剤のエマルジョンを添加して、シランカップリング剤を熱接着性層に吸収させた後、シランカップリング剤の親水性置換基を加水分解してシロキサン結合を形成する。
本工程で用いる、工程Cで得られた被覆粒子を分散させる水性溶媒としては、水、水−アルコール溶液等が挙げられる。水−アルコール溶液の場合のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが挙げられる。
本工程で用いる分散安定剤は、工程Cで得られた被覆粒子を安定に分散できるものであれば、特に限定されないが、例えば部分ケン化したポリビニールアルコール類、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。分散安定剤の濃度は、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜25重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の範囲である。
本工程で用いるシランカップリング剤は、上記工程Aで用いたものと同種のものである。シランカップリング剤の使用量は前記被覆粒子のエポキシ樹脂に対して、通常5〜500重量%、好ましくは10〜400重量%、特に好ましくは20〜300重量%の範囲である。
シランカップリング剤のエマルジョンを調製するために用いる溶媒としては、水が好ましい。エマルジョンを調製するための乳化剤としては、上述した分散安定剤、界面活性剤、両親媒性のシランカップリング剤等を用いることができる。具体的には、例えば部分ケン化したポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンエチレンアルキレンアルキルエーテル類、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸カリウム、炭素数が10〜18のアルキル鎖を1つ若しくは2つ有するシリコンアルコキシド類等が挙げられる。
熱接着性層にシランカップリング剤を吸収させて、シランカップリング剤の反応性官能基と熱接着性層を構成するエポキシ樹脂とを反応させて、化学的または物理的結合を形成させる。
シランカップリング剤の親水性置換基に由来するシロキサン結合を形成させるための脱水・縮合反応は、通常0〜70℃、好ましくは5〜60℃、特に好ましくは10〜40℃の範囲で行い、反応時間は、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間の範囲である。
この脱水・縮合反応により、シランカップリング剤の親水性置換基(アルコキシ基)が加水分解され、粒子表面にシロキサン結合が形成される。ここで、エポキシ樹脂と結合したシランカップリング剤の親水性置換基の全てが加水分解されてシロキサン結合を形成する必要はなく、その一部のみが加水分解されてシロキサン結合を形成していてもよい。
シランカップリング剤の親水性官能基の加水分解は、通常25〜30重量%アンモニア水を用いるが、塩酸、硫酸、硝酸等の希薄水溶液で加水分解を行い、その後アンモニア水を用いて縮合反応を促進させ、シロキサン結合を形成してもよい。加水分解に用いるアンモニアの使用量はエポキシ樹脂層に縮合されたシランカップリング剤に対して、通常10〜5000重量%、好ましくは50〜2000重量%の範囲である。
本発明の方法によって得られたエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子は、合着・凝集がなく、コア粒子の単分散性を維持したものである。
本発明の方法においては、衝撃力または剪断力付与処理法を用い、コア粒子表面に均一な厚さの熱接着性層を形成することができるため、得られた熱接着性粒子は、極めて高い単分散性(CV値:2.0以下)を有し、かつコア粒子と熱接着性層との間に化学結合が存在するため、熱接着性層の剥がれがなく、極めて強固な熱接着性を示す。
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
工程A:シランカップリング剤によるコア粒子の表面処理
内容量1リットルのフラスコに、粒径分布が単分散のシリカ粒子(平均粒径:5.745μm、CV値:1.0%、個々の粒子は実質的に真球)50gを入れ、ここに2−プロパノール315gを加え、超音波振動によりシリカ粒子を均一に分散させた。この分散液に、メタノール315gを添加し、40℃で15分間攪拌した後、25wt%のアンモニア水125gを添加し、同温度で15分間攪拌した。得られた溶液にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン21.5gとテトラエトキシシラン2.8gの混合液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、60℃に昇温し、同温度で10時間攪拌した。攪拌終了後、反応溶液を静置してシリカ粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去した。残留シリカ粒子にメタノールを加えて攪拌し、静置してシリカ粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去することを繰り返し、未反応のシランカップリング剤を除去した。最後にメタノールを除去した後、得られた表面処理シリカ粒子を150℃のオーブン中で1時間乾燥した。
得られた表面処理シリカ粒子の平均粒径は5.747μmであり、CV値は1.0%、個々の粒子は実質的に真球であった。シリカ粒子表面にはγ−メタクリロキシプロピル基が導入されており、撥水性を示した。また、赤外線吸収スペクトルにて、ビニル基およびエステル基の吸収が認められた。
工程B:エポキシ樹脂と潜在型硬化剤のコア粒子表面への析出処理
固形タイプのエポキシ樹脂(商品名:エピコート1004、油化シェルエポキシ社製)1.467gおよび潜在型硬化剤(商品名:エピキュア171N、油化シェルエポキシ社製)0.333gを、アセトン100mlに溶解し、均一に溶解させた。この溶液に、上記工程Aで得られた表面処理されたシリカ微粒子30gを添加し、超音波により均一に分散させた。この分散液に、水500mlを一気に添加し、シリカ微粒子表面にエポキシ樹脂粒子と潜在型硬化剤粒子を析出させた。次いで、アセトンを減圧留去し、凍結乾燥を行い、エポキシ樹脂粒子と潜在型硬化剤粒子がその表面に付着したシリカ粒子を得た。
工程C:衝撃力または剪断力付与処理(ハイブリダイゼーション法
上記工程Bで得られた粒子を、ハイブリダイザー(奈良機械製作所(株)社製)にて、回転数16、000rpm、15分間処理し、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる均一被覆層(熱接着性層)をシリカ表面に形成せしめた。
得られた熱接着性層が形成されたシリカ粒子は、合着と凝集が認められず、平均粒径が5.827μmでCV値が1.1%とコア粒子の単分散性を維持しており、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を0.04μmの厚みで有していた。
工程D:シロキサン結合形成処理
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5g、界面活性剤(商品名:ノイゲンEA137、第一工業製薬社製)1gおよび水10mlをポリ容器に入れ、室温でホモジナイザーにて攪拌し、シランカップリング剤のエマルジョンを調製した。
別に、上記工程Cで得た熱接着性層が形成されたシリカ粒子10gを分散安定剤である分子量38万のポリビニルピロリドン2gを水200mlに溶解した溶液中に分散させた。この分散液を攪拌羽根で90rpmで攪拌しながら、ここに上記で調製したシランカップリング剤のエマルジョン2mlを添加した。同回転数にて、室温で4時間攪拌した後、ここに25wt%のアンモニア水10mlを添加し、室温にて一日攪拌を行った。
得られた熱接着性粒子は、合着と凝集が認められず、平均粒径が5.847μmでCV値が1.1%とコア粒子の単分散性を維持しており、その表面にシロキサン結合を有するエポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を0.05μmの厚さで有していた。
超音波耐久性試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて15分間超音波照射した。その後、SEM観察を行ったところ、熱接着性層の剥がれは全く認められず、平均粒径は5.848μmであり、上記工程Dで得られた熱接着性粒子が超音波耐久性に優れていることが明らかになった。
接着力測定試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子を、50mm角のガラス基板上に500個/mmの密度で均一に散布し、この上に50mm角のガラス基板を重ねて1kgf/cmの荷重を加えながら150℃で2時間加熱した。これにより、2枚のガラス基板が前記粒子により5.7μmの間隔で貼り合わされた。貼り合わされた上記2枚のガラス基板間の接着力を測定するために、引っ張り力を徐々に上げていったところ、5.0kgfの引っ張り力の時に両ガラス基板が剥がれた。上記工程Dで得られた熱接着性粒子は、加熱により、高い接着力を示すことがわかった。
長期保存分散安定性試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子を室温で30日間放置し、この粒子の0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて30秒間超音波照射した。光学顕微鏡にて分散性を観察したところ、合着と凝集が認められず、上記工程Dで得られた熱接着性粒子が長期保存分散安定性に優れていることがわかった。
(実施例2)
工程B:エポキシ樹脂と潜在型硬化剤の析出処理
固形タイプのエポキシ樹脂(商品名:エピコート1007、油化シェルエポキシ社製)3.0gおよび潜在型硬化剤(商品名:エピキュア171N、油化シェルエポキシ社製)0.6gを、アセトン100mlに溶解し、均一に溶解させた。この溶液に、実施例1の工程Aで得られたシランカップリング剤によって表面処理されたシリカ微粒子30gを添加し、超音波振動により均一に分散させた。この分散液に、水500mlを一気に添加し、シリカ微粒子表面にエポキシ樹脂粒子と潜在型硬化剤粒子を析出させた。次いで、アセトンを減圧留去し、凍結乾燥を行い、エポキシ樹脂粒子と潜在型硬化剤粒子がその表面に付着したシリカ粒子を得た。
工程C:衝撃力または剪断力付与処理(ハイブリダイゼーション法)
上記工程Bで得られた粒子を、ハイブリダイザー(奈良機械製作所(株)社製)にて、回転数16、000rpm、15分間処理し、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる均一被覆層(熱接着性層)をシリカ表面に形成せしめた。
得られた熱接着性層が形成されたシリカ粒子は、合着と凝集が認められず、平均粒径が5.907μmでCV値が1.1%とコア粒子の単分散性を維持しており、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を0.08μmの厚みで有していた。
工程D:シロキサン結合形成処理
アリルトリメトキシシラン4g、部分ケン化型ポリビニールアルコール(PVA)(分子量:3500)1.2gおよび水20mlをポリ容器に入れ、室温でホモジナイザーにて攪拌し、シランカップリング剤のエマルジョンを調製した。
別に、上記工程Cで得た熱接着性層が形成されたシリカ粒子10gを分散安定剤である分子量36万のポリビニルピロリドン2gを水200mlに溶解した溶液中に分散させた。この分散液を攪拌羽根で90rpmで攪拌しながら、ここに上記で調製したシランカップリング剤のエマルジョン2mlを添加した。同回転数にて、室温で4時間攪拌した後、ここに25wt%のアンモニア水10mlを添加し、室温にて一日攪拌を行った。
得られた粒子は、合着と凝集が認められず、平均粒径が5.928μmでCV値が1.1%とコア粒子の単分散性を維持しており、その表面にシロキサン結合を有するエポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を0.09μmの厚さで有していた。
超音波耐久性試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて15分間超音波照射した。その後、SEM観察を行ったところ、熱接着性層の剥がれは全く認められず、平均粒径は5.927μmであり、上記工程Dで得られた熱接着性粒子が超音波耐久性に優れていることが明らかになった。
接着力測定試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子を、50mm角のガラス基板上に500個/mmの密度で均一に散布し、この上に50mm角のガラス基板を重ねて1kgf/cmの荷重を加えながら150℃で2時間加熱した。これにより、2枚のガラス基板が前記熱接着性粒子により5.8μmの間隔で貼り合わされた。貼り合わされた上記2枚のガラス基板間の接着力を測定するために、引っ張り力を徐々に上げていったところ、10.0kgfの引っ張り力の時に両ガラス基板が剥がれた。上記工程Dで得られた熱接着性粒子は、加熱により、極めて高い接着力を示すことがわかった。
長期保存分散安定性試験
上記工程Dで得られた熱接着性粒子を室温で30日間放置し、この粒子の0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて30秒間超音波照射した。光学顕微鏡にて分散性を観察したところ、合着と凝集が認められず、上記工程Dで得られた熱接着性粒子が長期保存分散安定性に優れていることがわかった。
(比較例1)
本発明の工程Aのシランカップリング剤によるコア粒子の表面処理を行っていないシリカ粒子(平均粒径:5.745μm、CV値:1.0%)を用いて、上記実施例2と同一の条件で工程Bのエポキシ樹脂と潜在型硬化剤のコア粒子表面への析出処理および工程Cの衝撃力または剪断力付与処理を行った。
得られた熱接着性層が付着形成されたシリカ粒子は、合着と凝集が認められず、平均粒径が5.860μmでCV値が1.1%とコア粒子の単分散性を維持しており、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層を0.08μmの厚みで有していた。
超音波耐久性試験
上記で得られた熱接着性層が付着形成されたシリカ粒子0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて15分間超音波照射した。その後、SEM観察を行ったところ、熱接着性層が剥がれ、平均粒径は5.700μmとなっていた。
上記の結果から、コア粒子であるシリカ粒子と熱接着性層を構成するエポキシ樹脂との間に、シランカップリング剤による化学結合を有していないと、超音波耐久性が得られないことが明らかとなった。
接着力測定試験
上記で得られた熱接着性層が付着形成されたシリカ粒子を、50mm角のガラス基板上に500個/mmの密度で均一に散布し、この上に50mm角のガラス基板を重ねて1kgf/cmの荷重を加えながら150℃で2時間加熱した。これにより、2枚のガラス基板が前記粒子により5.7μmの間隔で貼り合わされた。貼り合わされた上記2枚のガラス基板間の接着力を測定するために、引っ張り力を徐々に上げていったところ、0.5kgfの引っ張り力の時に両ガラス基板が剥がれた。
上記の結果から、コア粒子であるシリカ粒子と熱接着性層との間に、シランカップリング剤による化学結合を有していないと、接着力が弱いことが明らかとなった。これは、コア粒子と熱接着性層とが強固に結合されていないため、容易にコア粒子と熱接着性層が剥がれてしまうためと考えられる。
長期保存分散安定性試験
上記で得られた熱接着性層が付着形成されたシリカ粒子を、室温で30日間放置し、この粒子の0.01gを水4mlとエタノール1mlの混合溶媒に分散させ、150Wの超音波洗浄機にて30秒間超音波照射した。光学顕微鏡にて分散性を観察したところ、粒子が合着・凝集していることが認められた。上記で得られた粒子表面にシロキサン結合を有しない熱接着性層が付着形成されたシリカ粒子では長期保存分散安定性が低いことがわかった。
【発明の効果】
本発明の方法によって、初めて高い粒径精度(単分散性)を有し、コア粒子を均一な厚さで熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)によって被覆した熱接着性粒子が提供された。
本発明の方法によって提供される熱接着性粒子は、コア粒子とそれを被覆する熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)の間にシランカップリング剤による化学結合が存在するため、コア粒子と熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を含む被覆層(熱接着性層)とが剥がれ難く、極めて強固に結合しており、高い接着力を示す。
さらに、本発明の方法によって提供される熱接着性粒子は、その表面に親水性のシロキサン結合を有し、長期間の保存によっても粒子間の合着・凝集が起こらず、高い分散安定性を有している。
上記のような特性を有する本発明の方法で得られた熱接着性粒子は、液晶表示装置用の面内スペーサ、精密接着剤として、また精密濾過フィルターの材料等として有用である。

Claims (3)

  1. (工程A)球状粒子からなるコアを反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理してコア粒子の表面に反応性官能基を導入する工程
    (工程B)表面処理されたコア粒子を、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤の有機溶媒溶液中に均一に分散させ、エポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子をコア粒子表面に析出させるための処理を行った後、有機溶媒を除去してコア粒子表面にエポキシ樹脂粒子および潜在型硬化剤粒子が析出した乾燥粉体を得る工程
    (工程C)得られた乾燥粉体を衝撃力または剪断力付与処理に付し、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤からなる熱接着性層がコア粒子表面に融着された熱接着性層被覆粒子を得る工程
    および
    (工程D)得られた熱接着性層被覆粒子を分散安定剤の水性溶媒溶液中に分散させ、ここにシランカップリング剤のエマルジョンを添加してシランカップリング剤を熱接着性層に吸収させた後、シランカップリング剤の親水性置換基を加水分解してシロキサン結合を形成する工程
    を含むエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法。
  2. (工程B)が、表面処理されたコア粒子を、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤の有機溶媒溶液中に均一に分散させ、ここにエポキシ樹脂と潜在型硬化剤に対する貧溶媒を加えてエポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子をコア粒子表面に析出させた後、有機溶媒を除去してコア粒子表面にエポキシ樹脂と潜在型硬化剤からなる粒子が析出した乾燥粉体を得る工程であることを特徴とする請求項に記載のエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法。
  3. コア粒子がシリカ微粒子であり、(工程A)における反応性官能基を有するシランカップリング剤での表面処理時にシリコンアルコキシドを添加することを特徴とする請求項に記載のエポキシ樹脂被覆熱接着性粒子の製造方法。
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