JP3831112B2 - 移動物体計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動物体計測装置に関し、特に、通路などの人の行き来がある場所において人数を計測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば駅の階段や改札口などの人が流通する通路において、各種の目的から人数計測が行われる。その際、手作業で人数を計数するのは極めて煩雑である。このため、画像処理により人数を計測する移動物体計測装置が提案されている。搬送される製品、車両、動物などの数を自動計測する場合にも移動物体計測装置が利用される。
【0003】
特開平8−123935号公報には、従来の移動物体計測装置が開示されている。この装置においては、カメラにより観測エリアの画像が取得される。その画像領域内には一次元の計数ラインが設定される。その計数ラインは移動物体の通過を監視するための観測ラインとして機能するものである。ここで、計数ライン上の背景を表す一次元画像と計数ライン上の移動物体像を含む一次元画像との差分を演算することにより移動物体像が順次抽出されている。そして、各時刻の移動物体像を時間軸方向に揃えて構成される二次元の物体像に対して、例えば、その総面積を基準値で除算することによって人数が計数されている。更に、この従来装置においては、上記計数ラインの上側及び下側に方向判定用の計数ラインが設定されている。そして、それらの計数ライン上における移動物体の通過位置及びその通過時間に基づいて移動物体の移動方向及び速度が判別されている。
【0004】
なお、特開平5−266196号公報にも、画像処理に基づく人数計測装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−123935号公報で提案された装置においては、混雑度が高いような場合、上記の上側及び下側の計数ラインを別人が同時に又は近時刻で通過する可能性があり、その場合には移動方向や移動速度の判別が困難又は不正確になるという問題が指摘される。また、混雑度が低い場合においても、計数ライン上で人が立ち止まったり、ある者を別の者が追い越したりすると上記同様の問題が生じるものと思われる。なお、この従来文献には、移動速度を考慮した人数計測処理、混雑度に応じた計測手法の切り換えなどについては何ら開示されていない。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、各移動物体の動きの推移を考慮して精度良く移動物体数の計測を行うことにある。
【0007】
本発明の他の目的は、混雑度を考慮して適切な手法により移動物体数の計測を行うことにある。
【0008】
本発明の他の目的は、特に移動速度を考慮して移動物体数の計測を行うことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、X軸に沿って設定されたX軸ウインドウを通過する移動物体を表すX軸二値化像を逐次取得し、各時刻のX軸二値化像を時間軸方向に揃えて二次元のX−T画像を形成する第1の画像形成手段と、前記X軸ウインドウの各位置を横切って整列設定された複数のY軸ウインドウのそれぞれについて移動物体の移動位置を表すY軸二値化像を逐次取得し、前記Y軸ウインドウごとに各時刻のY軸二値化像を時間軸方向に揃えて二次元のY−T画像を形成する第2の画像形成手段と、前記Y−T画像における移動物体ごとの移動軌跡の傾き方向から前記X軸ウインドウの各位置を横切る移動物体のY軸移動方向を解析する移動解析手段と、前記移動解析手段の解析結果を利用して、前記X−T画像に基づいて前記Y軸移動方向ごとに移動物体数を計数する計数手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、X軸ウインドウ上における移動物体の存在(又は変位)を表すX軸二値化像が取得され、そのX軸二値化像を時系列順で揃えることにより二次元のX−T画像が形成される。そのX−T画像の一方軸はX軸ウインドウの長手方向(X軸)に相当し他方軸は時間軸(T軸)に相当する。
【0011】
その一方、X軸ウインドウを横切るように複数のY軸ウインドウが設定され、各Y軸ウインドウ上における移動物体の位置(又は変位)を表すY軸二値化像が取得され、そのY軸二値化像を時系列順で揃えることにより二次元のY−T画像が形成される。そのY−T画像の一方軸はY軸ウインドウの長手軸(Y軸)に相当し他方軸は時間軸(T軸)に相当する。
【0012】
ちなみに、X−T画像と各Y−T画像の両者の時間軸は一致していることが望ましく、所定タイミング(一定周期又は移動が途絶えたタイミング)で両画像が形成されるように制御するのが望ましい。なお、上記のX軸は主移動方向に直交しているのが望ましく、上記のY軸は主移動方向に並行であることが望ましい。
【0013】
上記のようにY軸ウインドウ単位でY−T画像が得られると、各Y−T画像上において移動物体の動きが認識され、その動きを利用して移動方向の情報が取得される。軸ウインドウ上の各位置において、各移動物体の移動方向が異なりかつそれが時間的に変化する場合でも、上記のY−T画像によれば、各移動物体の運動に着目して移動方向などを忠実に判別可能である。上記の移動方向(Y軸移動方向)はY軸の正方向又は逆方向である。
【0014】
上述のように移動解析が行われると、その解析結果がX−T画像上における物体数の計数において利用される。その計数手法としては各種の手法を適用できるなお、各移動物体ごとに移動速度が取得される場合、その代表値(例えば平均値)を利用して計数処理を行ってもよく、あるいは個々の移動物体の移動速度を考慮して計数処理を行ってもよい。
【0015】
本発明に係る装置は、望ましくは、駅の階段などの人が二方向(正逆方向)に流通する場所での人数計測に用いられる。すなわち、本発明によれば、混雑度が変動したり密集状態が形成されるような場所において、人数計数を高速にかつ高精度に行うことができる。
【0016】
(2)本発明において、望ましくは、前記X軸ウインドウ及び前記複数のY軸ウインドウを包含する観測エリアを撮像する撮像手段と、前記撮像手段にて取得された各画像に対し隣接フレーム間で差分演算を実行して差分画像を求める差分演算手段と、前記差分画像を基礎として前記X軸二値化像及び前記Y軸二値化像を作成する二値化像作成手段と、を含む。
【0017】
上記構成によれば、撮像手段で撮像された画像を基礎としてX軸二値化像及びY軸二値化像が取り出され、単一の撮像手段を用いて各二値化像を取得できる利点がある。ここで、撮像手段は、観測エリアの上方(望ましくはX軸ウインドウの中央上方)に設けるのが望ましく、そのように設定を行えば、移動物体の高さ(例えば身長)のばらつきや移動物体間の重なりによる測定誤差を極力低減できる。
【0018】
例えばカメラなどを利用して撮像を行う場合、カメラ直下からの各撮像位置の距離に依存して移動物体の像の見え方が異なるので、その場合にはその距離に応じた重み付けあるいは画像補正を行うのが望ましい。
【0019】
もちろん、X軸ウインドウ及び各Y軸ウインドウ用の専用の撮像手段を個別的に設けてもよい。そのような撮像手段として、CCD素子などを利用することができる。また、撮像された画像を記録装置に記録しておき、その再生画像を処理することにより移動物体数の計数を行ってもよい。
【0020】
差分画像は、変位があった部分だけ像として表した画像であり、移動物体の移動変位分のみを画像化でき、背景や静止物体(移動物体自体の静止を含む)の影響を排除できる。なお、差分画像に対しては、移動物体の変位を背景(ノイズ)から分離抽出するために例えば二値化処理などを施すのが望ましい。
【0021】
(3)本発明において、望ましくは、前記二値化像作成手段は、前記差分画像から前記X軸ウインドウに相当するX軸ウインドウ画像を切り出し、そのX軸ウインドウ画像をX軸に射影しかつ二値化処理することによって前記X軸二値化像を作成する手段と、前記差分画像から前記各Y軸ウインドウに相当するY軸ウインドウ画像を切り出し、そのY軸ウインドウ画像をY軸に射影しかつ二値化処理することによって前記Y軸二値化像を作成する手段と、を含む。
【0022】
二値化像の本質は、移動物体(又はその変位)の抽出・明確化にあり、それゆえ照明や撮像の工夫などにより、移動物体のみを弁別できる画像として各ウインドウ画像が取得されるのであれば、それらのウインドウ画像は実質的に上記二値化像に該当するものと考えられ、それをそのまま画像形成に利用してもよい。一般に、ノイズや局所的な明るさの相違などを排除して、移動物体を的確に抽出するために、各ウインドウ画像に射影処理及び二値化処理を施して二値化像を作成するのが望ましい。各二値化像は一次元像(ライン像)あるいは一定の幅をもった帯状の像として構成されるのが望ましい。
【0023】
(4)本発明において、望ましくは、前記移動解析手段は、前記Y−T画像において移動物体ごとの移動軌跡を認識する移動軌跡認識手段と、前記移動軌跡の傾き方向から当該移動物体の移動方向を判別する方向判別手段と、を含む。
【0024】
Y−T画像においては、各Y軸ウインドウで観測された移動物体の経時的な位置変化が移動軌跡として表され、その起動軌跡の傾き方向から移動方向が判別される。この場合、移動速度の変化により移動軌跡が直線とならないような場合には移動軌跡を近似する直線の傾き方向から移動方向を判別すればよい。
【0025】
上記処理によれば、各Y軸ウインドウにおいてそれを通過する移動物体ごとに移動方向が求められる。例えば、Y−T画像の時間軸範囲内において、特定のY軸ウインドウ内における移動物体の流通方向が逆転するような場合においても、上記処理によればその逆転も把握可能である。
【0026】
(5)本発明において、望ましくは、前記計数手段は、前記判別された移動方向に従って前記X−T画像に含まれる物体像を移動方向ごとに区分けする区分け手段と、前記区分け後のX−T画像に基づいて移動方向ごとに移動物体数の計数を行う方向別計数手段と、を含む。
【0027】
上述のように、各移動物体の移動方向が判別されるので、X−T画像上において各移動物体の移動方向を区別しながら移動物体数の計測を行える。
【0028】
(6)本発明において、望ましくは、前記移動解析手段は、前記Y−T画像において移動物体ごとの移動軌跡を認識する移動軌跡認識手段と、前記移動軌跡の傾きの大きさから当該移動物体の移動速度を判別する速度判別手段と、を含む。
【0029】
上記構成によれば、Y−T画像における移動軌跡の傾きは移動速度に相当しておりその傾きの大きさから移動速度が演算される。移動速度が途中で変化するような場合、変化前後の移動軌跡の傾きからそれぞれ移動速度を求めてもよいし、移動軌跡が直線近似できるような場合、速度の平均値として移動速度を求めてもよい。また、物体数計測での要請に応じて、1又は複数の代表的な移動軌跡のみについて移動速度を演算してもよい。
【0030】
(7)本発明において、望ましくは、前記計数手段は、前記判別された移動速度に基づいて単位面積を可変設定する手段と、前記X−T画像における物体像の総面積を前記単位面積で除した結果に基づいて移動物体数を計数する除算計数手段と、を含む。
【0031】
例えば混雑度が高いような場合、X−T画像において各物体像の個別カウントが困難になる。そこで、1移動物体当たりの基準面積で物体像の総面積を除算し移動物体数を求めるものである。その場合、基準面積は移動物体の速度(例えば平均速度)に応じて可変設定すれば、密集状態においても比較的高精度で物体数の計数を行える。
【0032】
(8)望ましくは、前記X−T画像に基づいて混雑度を判定する混雑度判定手段を含み、前記計数手段は、前記判定された混雑度に応じた計数方式に従って、前記X−T画像に基づいてY軸移動方向ごとに移動物体数の計数を行う。
【0033】
上記構成によれば、混雑度に応じて計数方式を切り換えて、状況に応じて適切な計数を行える。例えば、混雑度が低いような場合、実際の通過事実に忠実な計数方式が選択され、混雑度が高いような場合、移動物体が密集していても計数可能な計数方式が選択される。このように柔軟に計数方式を切り換えれば各計数方式の利点を十分に活かすことができる。
【0034】
(9)本発明において、望ましくは、前記混雑度は、前記X−T画像に含まれる物体像の総面積に基づいて判定される。X−T画像には一定期間内における移動物体の通過数が反映されているため、それを基準として混雑度が判定される。
【0035】
(10)本発明において、望ましくは、前記計数手段は、前記混雑度判定手段が低混雑度であると判定した場合に、前記X−T画像に含まれる物体像の個数を計数することにより移動物体数を演算する個別計数手段と、前記混雑度判定手段が高混雑度であると判定した場合に、前記X−T画像に含まれる物体像の総面積を基準面積で除することにより移動物体数を演算する除算計数手段と、を含む。
【0036】
上記構成によれば、低混雑度の場合すなわち各物体像の連結の可能性が低いような場合には個別計数方式が適用され、高混雑度の場合すなわち各物体像の連結の可能性が高いような場合には便宜的に面積を演算対象とした除算計数方式が適用される。なお、個別計数方式が適用される場合、各物体像の大きさ(面積)を移動速度に応じて評価してもよい。例えば、移動速度を考慮しても大きすぎる物体像が存在していた場合、それを物体像の連結と認識でき、その部分について除算演算方式を適用してもよい。ただし、人が大きな荷物を担いでいるような場合、それを二人と誤判定しないように他の画像処理を組み合わせて適用してもよい。
【0037】
(11)本発明において、望ましくは、前記個別計数手段及び前記除算計数手段は、移動方向ごとに移動物体数の計数を行う。この構成において、移動方向の判別は上述のY−T画像に基づいて行うのが望ましい。
【0038】
発明の好適な態様によれば、複雑なパラメータの設定やチューニングは不要であり、また、高価な設備を必要とせずに、混雑度が高い場合においても比較的高精度の計数を行うことができる。よって、低コストで実用性が高い移動物体計測装置を提供できる利点がある。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0040】
図1には、本発明に係る移動物体計測装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係る移動物体計測装置は例えば駅の改札口や階段に設けられる人数計測装置である。もちろん、本発明は人以外の他の物体を計測する場合においても適用可能である。
【0041】
図1において、画像入力部10は観測エリアを撮像した画像を取り込む手段である。この実施形態において、カメラ12で撮像された画像がA/D変換器14によってデジタル信号に変換されている。このようにカメラ12からの信号を直接的に入力してもよいが、例えばカメラ12で撮像された画像をいったん記録装置16に格納し、その記録装置16から読み出された信号を取り込むようにしてもよい。
【0042】
カメラ12は、人が通過する観測エリアの上方真下向きで設置されるのが望ましい。このようにカメラ12を配置すれば、上方から人の流通を観察することができるので、隠蔽や体格(身長など)のばらつきの影響を少なくすることができる。
【0043】
図2には、カメラ12で撮像された観測エリアの画像100が示されている。図2において、符号106はカメラ真下位置を示しており、符号108及び符号110はそれぞれ通路102の左端108及び右端110を示している。そのような各座標は、後述するパラメータ入力部30等によってユーザーにより登録される。図2において、X軸は主流通方向と直交しており、Y軸は主流通方向と平行である。
【0044】
カメラ12は、できる限り高い位置に配置するのが望ましく、そのように設置すれば、できるだけ人同士の重なり合いを防止して測定誤差を少なくできる。ちなみに、本実施形態の装置は、図2に示す通路102を順方向及び逆方向に流通する人の数を計測することを目的としており、その流通方向に直交する方向への人の動きは検知対象とはしていない。本発明の原理を拡張適用することによって、様々な方向へ移動する人の計測を行うことも可能である。
【0045】
撮像対象が平坦な通路ではなく、例えば階段であるような場合、カメラ10はその階段の上方あるいは斜め上方に設置される。何れにしても、上述したように、できる限り人同士の重なり合いがないような方向から撮像を行なうのが望ましい。
【0046】
図1に示すパラメータ入力部30は、例えばキーボードやマウスなどで構成されるものであり、撮像条件をユーザーにより入力させるための手段である。もちろん、予め撮像条件が既知であれば、必ずしもそのようなパラメータ入力部30を設ける必要はない。入力されるパラメータとしては、図2に示したようなカメラ真下位置106、通路の左端108及び右端110あるいは通路の幅といったものや、撮像に使用しているカメラ12の画角や設置高があげられる。それらのパラメータの入力に当たっては、例えばディスプレイ上に撮像された画像を表示し、図2に示すように、各パラメータに相当する座標をマウスなどのポインティングデバイスを利用してクリックさせることによりユーザー入力させてもよい。そのようなユーザーインターフェイスを利用すれば、ユーザーの負担を軽減でき、初期パラメータ設定にかかる煩雑さを大幅に解消可能である。カメラが常設されている場合には、各測定を行なう度にそのようなパラメータの入力を行なう必要はなく、あらかじめ登録しておけばよい。臨時にカメラを設置して人数計測を行うような場合でも、上述したようにパラメータの入力は簡単であり、即座に計測を実行できるという利点がある。
【0047】
図1に戻って、前処理部19には、A/D変換器14から出力されるデジタル信号としての画像が入力される。フレーム間差分演算部18はフレーム間において差分演算を実行することにより、差分画像を取得する手段である。その差分画像は人の動きすなわち変位を表した画像である。このような差分演算によれば、人の動きに着目でき、たとえば人が静止しているような場合に、それに対して重複した計測がなされてしまうことを排除できる。また、背景との分離を容易かつ確実に行えるという利点もある。
【0048】
二値化処理部20は、差分画像に対して二値化処理を実行する手段である。このような二値化によれば、ノイズなどを排除して、移動物体の変位のみを確実に抽出することが可能となる。その場合のしきい値は、しきい値設定部22によって設定されている。しきい値設定部22は、図2に示した画像100内における局所的な明るさの違いに対応するために、画像内の各部位の明るさに応じて設定される。このため、望ましくはA/D変換器14から出力される画像がしきい値設定部22で参照される。そして、しきい値設定部22はそのような画像に基づいて適切なしきい値の設定を行っている。この場合、後述するX軸ウインドウ112がX軸方向に沿って設定されることに対応して、しきい値はX軸上の各座標に対応して可変設定するのが望ましい。
【0049】
上述のように二値化処理された差分画像はメモリ24にいったん格納される。カメラ12においては、連続的に画像100の取り込みが行われており、メモリ24には連続的に取得される差分画像が順次格納されることになる。もちろん、後述するX軸二値化像形成部32及びY軸二値化像形成部40がそれぞれ記憶部を有するような場合には、独立してメモリ24を設ける必要はない。
【0050】
処理期間制御部26は、後に詳述するX−T画像及びY−T画像の形成期間すなわち処理期間を設定する手段であり、そのような処理期間は一定期間として、あるいは通路102上における人の流通が途絶えたタイミングとして設定される。このため、処理期間制御部26にはタイマー28が接続され、さらに必要に応じて差分画像が取り込まれている。処理期間制御部26がリフレッシュ信号を出力すると、そのタイミングでメモリ24の記憶内容がクリアされ、次の処理期間内の差分画像の格納が行われる。もちろん、メモリ24に格納された各差分画像は後述するX軸二値化像形成部32及びY軸二値化像形成部40に所定のタイミングで順次送られている。
【0051】
ちなみに、タイマ28はたとえば10秒の計測を行っており、すなわち人の流通が途絶えない限りにおいては、10秒間隔で以下に説明する画像処理及び人数計測が実行される。それらの説明に先だって、X軸ウインドウ(計数用ウインドウ)及びY軸ウインドウ(方向/速度検出用ウインドウ)について説明する。
【0052】
図3及び図4には、そのようなX軸ウインドウ112及びY軸ウインドウ114が概念的に示されている。それらのウインドウは観測エリア内に仮想的に設定されるものである。図3において、X軸ウインドウ112は、人の主流通方向(各図においてY軸方向)と直交する方向(各図においてX軸方向)に沿って設定されている。すなわち、X軸方向に伸長した長方形の領域としてX軸ウインドウ112が設定される。その幅W1は、少なくとも人数計測を行なう検知範囲と同じかそれ以上に設定される。その高さH1は図1に示した装置の画像処理速度やカメラ12の高さを考慮して、通過する人が1フレーム、望ましくは複数のフレームに現れる大きさとして設定する。もちろん、例えばベルトコンベア上において一定の低速度で流れる物品の個数を検出するような場合、このX軸ウインドウ112の高さH1は実質的に1画素としてもよい。ただし、人数計測を行なう場合には、人の予測される最大通過速度などを考慮して上述のように高さH1が設定される。
【0053】
X軸ウインドウ112は、図2に示したような各パラメータの入力にしたがって自動的に設定されており、X軸ウインドウ112の中央座標がカメラ真下位置106に相当している。
【0054】
図4において、X軸ウインドウ112の各位置を横切るようにすなわちY軸方向に沿って複数のY軸ウインドウ114が自動的に設定される。Y軸ウインドウ114は、基本的にX軸ウインドウ112に対して直交し、かつY軸ウインドウ114のY軸方向の中央座標がX軸ウインドウ112のY軸中央座標と一致するように設定される。図4に示す例では、n個のY軸ウインドウ114が設定されており、各Y軸ウインドウ114は互いに接している。ここで、Y軸ウインドウ114の個数を多くすれば、一般にそれだけ計測精度を向上できるが、その反面処理負荷が増加するので、装置の処理能力を考慮してY軸ウインドウ114の個数を定めるのが望ましい。
【0055】
各Y軸ウインドウ114のX軸方向の幅W2はX軸ウインドウ112のX軸方向の長さとY軸ウインドウ114の個数nとから決定され、各Y軸方向の高さH2は、予想される人の最大移動速度などに応じて適宜設定される。高さH2を大きくすればそれだけ後述する移動軌跡をより長時間あるいは長い距離に渡って取得できるが、その分処理負担が大きくなるので、システムの処理能力などに応じて高さH2を設定するのが望ましい。
【0056】
なお、例えば階段などを撮像した画像においては、その階段の上部と下部とではカメラからの距離が異なり、移動物体(人)の画像上における現れ方が相違してくる。そこで、後述するように、そのような見え方の相違に応じた画像補正や重み付けなどを行ってもよく、あるいはY軸ウインドウ114を台形状の領域とすることによって、重み付けを行ってもよい。
【0057】
図1に戻って、X軸二値化像形成部32には、メモリ24に格納された各差分画像が順次入力される。そして、X軸二値化像形成部32は、まず、図3に示したX軸ウインドウ112に相当するX軸ウインドウ画像を切り出し、それをX軸に射影するとともに、二値化処理を行ってX軸二値化像122(図5)を形成している。
【0058】
図5には、その処理内容が概念的に示されている。(A)に示すように、観測エリア内にはパラメータ入力部30によって入力されたパラメータを利用してX軸ウインドウ112が自動設定される。差分画像から切り出されるX軸ウインドウ画像内には移動物体の差分像120が含まれる。すなわち、この差分像120はフレーム間における人の変位を表す像である。(B)に示すように、X軸ウインドウ画像がX軸上に射影され、これによりX軸上の輝度値の頻度分布が作成される。その頻度分布をしきい値を利用して二値化処理することにより、図示されるようなX軸二値化像122が形成される。そのX軸二値化像122には上記の差分像120に対応した物体像124が含まれる。ちなみに、符号126は物体像124以外の背景部分を示している。
【0059】
図1に戻って、X−T画像形成部34は、上述のように作成されたX軸二値化像122を時系列順で時間軸方向に揃えることにより、二次元のX−T画像を形成する手段である。図6には、X−T画像130が示されている。上記のように、この画像は図5(B)に示したX軸二値化像122を時系列で連結させることにより作成されるものである。X−T画像130上において、物体像124は時間軸方向に連結し、それらによってクラスタ132が構成される。このクラスタ132は、X軸ウインドウ112を人が通過する期間内におけるその変位を表す物体像として位置づけられる。
【0060】
ところで、図7に示すように、カメラ12の真下に位置する人200とそこから変位した位置に存在する人202とでは、符号200A及び符号202Aに示すようにカメラ12からの見え方が相違する。そこで、見え方の相違に対応した補正を行なうのが望ましい。図1に示したX−T画像形成部34は、そのような補正を行なう機能も有しており、図8にはその補正内容が示されている。すなわち、上述のような見え方の相違はパラメータ入力部30で設定されるパラメータ及びクラスタの存在位置に応じて把握できるので、そのような見え方の相違を解消するように各クラスタの補正が行われる。図8に示すように、X軸上の中央に位置するクラスタに対しては特別の補正は行われず、その中央からX軸方向に左右に変位するにしたがって、その変位度合に応じて符号130にAで示すようにクラスタの面積の補正が行われる。もちろん、X−T画像130自体に対して図8に示したような補正を行ってもよいが、後述する人数計測に当たって見え方の相違に基づく重み付けを行えば、実質的に上記同様の補正を行なうことができる。
【0061】
上述のように形成されたX−T画像は、図1において、後述する方向別分離部52に送られると共に、混雑度判定部36に送られている。混雑度判定部36は、本実施形態においてX−T画像に基づき通路102上における人の混雑度を判定する手段である。たとえば、X−T画像の全体面積に対するクラスタの総面積の割合から混雑度を判定してもよい。なお、X軸ウインドウ112で観測される移動物体の検出継続時間などを基準として混雑度を判定してもよい。
【0062】
計数方式選択部38は、判定された混雑度に応じて、後述する各計数方式を選択する手段であり、混雑度に応じて計数方式を切り換えることにより、状況に応じて的確な人数計測を行うことができる。これについては後に詳述する。
【0063】
図1に示すY軸二値化像形成部40にはメモリ24から順次差分画像が入力さている。Y軸二値化像形成部40は、差分画像からY軸ウインドウに相当するY軸ウインドウ画像を切り出し、それをY軸上に射影すると共に二値化処理をすることによってY軸二値化像134(図9)を形成する手段である。
【0064】
図9には、Y軸二値化像形成部40の処理内容が概念的に示されている。(A)に示すように、観測エリア内においては、X軸ウインドウ112を横切るように複数のY軸ウインドウ114が自動設定される。そのようなY軸ウインドウ114の設定に当たっては、上述した各種のパラメータが参照される。Y軸二値化像形成部40は、個々のY軸ウインドウ114ごとにY軸ウインドウ画像を切り出し、さらにそのY軸ウインドウ画像をY軸に射影することによってY軸上における輝度値の頻度分布を形成する。その頻度分布をしきい値により二値化処理することによって、(B)に示すようなY軸二値化像134が形成される。ここで、Y軸二値化像134には物体像136が含まれ、その物体像136は差分画像に含まれていた差分像120に対応するものである。ちなみに、符号138は、物体像136以外の背景部分を示している。したがって、1つの差分画像に対して、n個のY軸ウインドウ114が設定され、各Y軸ウインドウ114ごとにY軸二値化像134が形成されることになる。
【0065】
図1に戻って、Y−T画像形成部42は、上述のように形成された各Y軸ウインドウごとのY軸二値化像134を時系列順で時間軸方向に揃えることにより二次元のY−T画像を形成する手段である。
【0066】
図10にはY−T画像140が示されている。個々のY軸二値化像を揃えることにより、図9(B)に示した物体像136が時系列順で連結し、それらによりクラスタ142が構成される。そのクラスタ142は、Y軸ウインドウ内を人が一定速度で通過した場合直線状のパターンとして構成され、一方Y軸ウインドウ114内において人の移動速度が変化するような場合、その速度変化に対応して屈曲状あるいは曲線状のパターンとして構成される。
【0067】
何れにおいても、クラスタ142の傾きの方向は、人の移動方向に対応しており、また、クラスタ142の傾きの大きさは人の移動速度の大きさに対応しており、つまり、Y−T画像140によれば各Y軸ウインドウごとに各人の動きに着目して移動軌跡を求めることができる。
【0068】
図1に示す移動軌跡抽出部44は、図10に示したY−T画像140上において例えば隣接ピクセルごとにラベルを付与することによってラベリングを行い、これにより各クラスタ142すなわち移動軌跡を分離抽出する手段である。そのように抽出された各クラスタは方向判別部46及び速度判別部48に入力されている。
【0069】
方向判別部46は、クラスタの傾き方向から移動物体の移動方向を判別する手段であり、速度判別部48はクラスタの傾きの大きさから移動速度を判別する手段である。
【0070】
図11には、方向判別及び速度判別の概念が示されている。(A)に示すように、Y−T画像140上には通過する移動体ごとにクラスタ142が構成される。そのクラスタ142に対して例えばクラスタ要素の面積重心点を連結して近似直線146が求められる。そして、方向判別部46はその近似直線146の傾き方向から各移動物体ごとに移動方向の判別を行っている。また、速度判別部48は、近似直線146の傾きの大きさにしたがって各移動物体ごとに移動速度の判別を行っている。ここで、図11(A)に示すように、近似直線146の傾きが負であれば移動方向が下りと判別され、一方傾きが正であれば上りと判別される。また各近似直線146とT軸(あるいはY軸)とのなす角度θが演算により求められ、そのθにより上述したように移動速度が判別されている。
【0071】
図1に示す方向別マップ作成部50は、図11(B)に示す方向別パターン148をX軸方向に揃えることにより、図11(C)に示す方向別マップ150を作成する手段である。すなわち、方向別パターン148は、処理期間制御部26によって設定された処理期間内において特定のY軸ウインドウを通過した各移動物体の方向を表すパターンである。例えば、駅の階段においては、電車の発着などに応じて人の流通方向が刻々と変化するが、方向別パターン148は特定のY軸ウインドウについてそのような刻々と変化する人の流れを反映したパターンである。したがって、Y軸ウインドウ114の並び方向に沿ってすなわちX軸方向に沿って各Y軸ウインドウについて求められた方向別パターン148を整列配置すれば、上記の方向別マップ150を取得することができる。この方向別マップ150は一定の処理期間内における人の流通方向の変化をX軸上の各部位において表した画像である。
【0072】
図1に示す方向別分離部52には、X−T画像形成部34から出力されたX−T画像130と、方向別マップ作成部50から出力された方向別マップ150と、が入力されている。そして、方向別分離部52は、方向別マップ150に基づいてX−T画像130を方向別に分離する処理を行っている。図12にはその処理内容が示されており、(A)に示すように方向別マップ150とX−T画像130とが統合されると、(B)に示すように、上り画像130Aと下り画像130Bとが生成される。すなわち、X−T画像130内に含まれる各クラスタ132についてそれが上り方向か下り方向かが弁別されることになる。このような方向別の処理によれば、各方向ごとに人数計測を行える利点がある。
【0073】
図1において、上述のように分離された上り画像130Aと下り画像130Bは、個別計数部54及び除算計数部56に送られている。それらの計数部54,56は、混雑度に応じて択一的に機能するものであり、その動作は計数方式選択部38によって制御されている。本実施形態においては、低混雑度が判定された場合、計数方式選択部38により個別計数部54の動作が選択される。一方、高混雑度が判定された場合、計数方式選択部38によって除算計数部56の動作が選択されている。
【0074】
以下に、各計数部の動作について説明する。なお、本実施形態では、低混雑度及び高混雑度という二段階の評価を行ったが、もちろん三段階あるいはそれ以上の段階に分けて混雑度を評価してもよい。そして、混雑度に応じて適切な計数方式を選択するのが望ましい。
【0075】
個別計数部54は、図12(B)に示した上り画像130A及び下り画像130Bのそれぞれについてクラスタ132の個数をカウントすることによって処理期間内における通過人数を計数する手段である。閑散時においては、各移動物体が独立してクラスタリングされている可能性が高いことを考慮したものである。なお、後述する除算計数に当たっては、一人当たりの基準面積でクラスタの総面積の除算をすることが行われるが、閑散時においてはその各人の移動速度がまちまちである可能性が高く、この場合、一律の基準面積を用いると計数誤差が大きくなる。その意味においても低混雑時においては個別計数を行なうのが望ましい。
【0076】
ただし、複数人が縦あるいは横に並んで通過したような場合に計数誤差の発生が危惧される。そこで、本実施形態では、各クラスタが何人に相当するのかをその幅やその面積を基準として判定する処理が行われている。その幅の判定しきい値としてはX軸ウインドウ内で観測される人の幅を基準とすればよく、面積の判定しきい値としては速度判別部48によって判別された各クラスタの移動速度からX軸ウインドウ内における当該移動物体の滞在時間を推定し、それに対して上記の人の幅を乗算したものとして決定することができる。
【0077】
図13には、個別計数部54の動作の一例が示されている。なお、図13に示す動作は上り画像130A及び下り画像130Bのそれぞれに対して行われるものである。
【0078】
S101では、画像内から一つずつクラスタが抽出される。S102では、速度判別部48によって求められた当該クラスタの移動速度及び上述した人の幅(基準幅)に基づき基準面積が演算される。S103では、クラスタの幅が所定値以下か否かが判断され、S104ではクラスタ面積が基準面積以下か否かが判断される。幅が所定値以下でかつクラスタ面積が基準面積以下であれば、それは一人と認識することができるので、S105において計数が行われる。一方、S103又はS104の少なくとも一方においてNOが判定されると、S106において、当該クラスタが何人相当するかが判定される。例えば、クラスタの面積を基準面積で除算することによって人数が推定される。S107では、そのように推定された人数がカウントされることになる。S108では次のクラスタが存在しているか否かが判定され、次のクラスタがあればS101からの各工程が繰り返し実行される。その結果、上り画像130A及び下り画像130Bごとに処理期間内における通過人数が算出される。
【0079】
図1において、除算計数部56は、上り画像130A及び下り画像130Bにおけるクラスタ総面積を基準面積で除することによって人数を推定する手段である。ここで、その場合に用いられる基準面積は、上述同様に、移動物体の幅とX軸ウインドウにおける移動物体の滞在時間より決定される。ここで、各クラスタごとに滞在時間を算出してもよいが、一般に混雑しているような場合には通路上で同じ方向に一様の速度で移動物体が移動しているとみなすことができるので、各方向ごとにクラスタの平均移動速度を算出し、その平均移動速度を利用して基準面積を決定するのが望ましい。
【0080】
図14には、除算計数部56の動作の一例が示されている。ちなみに、この動作は上り画像130A及び下り画像130Bのそれぞれについて実行される。
【0081】
S201では、上述したように平均移動速度が演算される。すなわち、上り画像130A及び下り画像130Bにおいて、各クラスタについて求められた移動速度を平均化することによって平均移動速度が演算される。S202では、そのように求められた平均移動速度と基準幅とから基準面積が演算される。そして、S203では、上り画像130Aまたは下り画像130Bにおけるクラスタ総面積を演算し、その総面積を基準面積で除算することによって処理期間内における通過人数が算出されている。
【0082】
図1における出力制御部58には、個別計数部54における計数結果及び除算計数部56における計数結果が入力されている。すなわち出力制御部58には処理期間ごとに、方向別の通過人数が入力されることになる。出力制御部58は、各処理期間における方向別の通過人数に基づいてテーブルやグラフなどを作成し、それを表示器60に出力している。もちろん、プリントアウトされるように構成してもよい。したがって、表示器60には、処理期間ごとの通過人数が数値やヒストグラムなどのグラフとして表示され、例えば駅の階段における各時間帯における交通量調査などを自動的に行なうことが可能である。
【0083】
処理期間は、上述したように処理期間制御部26によって設定されており、上述の画像処理及び人数計測の動作は処理期間を単位として実行されている。すなわち、図6に示したX−T画像130、図10に示したY−T画像140及び図11(C)に示した方向別マップ150のそれぞれのT軸方向のデータ範囲は互いに一致している。
【0084】
図1に示した人数計測装置は、例えば汎用のコンピュータに対して画像入力部10を接続することによって構成することもできる。その場合に、図1に示した各構成の機能は実質的にソフトウエアによって実現されることになる。もちろん、たとえばX−T画像形成処理やY−T画像形成処理などは並列実行可能であり、そのような並列処理が可能になるように特別のハードウエアを構成してもよい。
【0085】
図1に示した装置は、人数計測以外においても利用できる。たとえば、ベルトコンベアを流れる物品の個数計測や高速道路を流通する車両の台数計測などにも適用可能である。計測対象の性質に応じて各種の画像処理条件あるいは計測条件を適宜設定すればよい。
【0086】
上述した実施形態によれば、複雑なパラメータ調整を行うことが不要であるので、例えば仮設カメラなどを利用して簡便に人数計測を行えるという利点がある。また、特に各人の移動軌跡に着目しその方向及び速度を簡単な処理によって算出し、それらを利用して高精度の人数測定を実現できるという利点がある。特に、低コストで実時間処理を可能にすることができる。さらに、混雑度に応じて計数方式を切り換えることができるので、各種の状況に対応して適切な人数計測を行えるという利点がある。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各移動物体の動きの推移を考慮して精度良く移動物体数の計測を行える。また、本発明によれば混雑度を考慮して適切な移動物体数の計測を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る人数計測装置の好適な実施形態を示すブロック図である。
【図2】 観測エリア内における座標関係を示す図である。
【図3】 X軸ウインドウ(計数用ウインドウ)を示す概念図である。
【図4】 Y軸ウインドウ(方向/速度検出用ウインドウ)の概念を示す図である。
【図5】 X軸二値化像の形成原理を示す図である。
【図6】 X−T画像を示す説明図である。
【図7】 カメラ直下とそこから変位した位置における見え方の相違を説明するための図である。
【図8】 見え方の相違に応じたクラスタの補正を示す図である。
【図9】 Y軸二値化像の形成原理を示す図である。
【図10】 Y−T画像を示す説明図である。
【図11】 クラスタに基づく移動方向及び移動速度の判定と方向別マップを示す図である。
【図12】 X−T画像と方向別マップの統合処理を示す図である。
【図13】 個別計数処理の動作を示す図である。
【図14】 除算計数処理の動作を示す図である。
【符号の説明】
10 画像入力部、12 カメラ、18 フレーム間差分演算部、20 二値化処理部、22 しきい値設定部、26 処理期間制御部、30 パラメータ入力部、32 X軸二値化像形成部、34 X−T画像形成部、36 混雑度判定部、38 計数方式選択部、40 Y軸二値化像形成部、42 Y−T画像形成部、44 移動軌跡抽出部、46 方向判別部、48 速度判別部、50 方向別マップ作成部、52 方向別分離部、54 個別計数部、56 除算計数部。

Claims (8)

  1. X軸に沿って設定されたX軸ウインドウを通過する移動物体を表すX軸二値化像を逐次取得し、各時刻のX軸二値化像を時間軸方向に揃えて二次元のX−T画像を形成する第1の画像形成手段と、
    前記X軸ウインドウの各位置を横切って整列設定された複数のY軸ウインドウのそれぞれについて移動物体の移動位置を表すY軸二値化像を逐次取得し、前記Y軸ウインドウごとに各時刻のY軸二値化像を時間軸方向に揃えて二次元のY−T画像を形成する第2の画像形成手段と、
    前記Y−T画像における移動物体ごとの移動軌跡の傾き方向から前記X軸ウインドウの各位置を横切る移動物体のY軸移動方向を解析する移動解析手段と、
    前記移動解析手段の解析結果を利用して、前記X−T画像に基づいて前記Y軸移動方向ごとに移動物体数を計数する計数手段と、
    を含むことを特徴とする移動物体計測装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記計数手段は、前記移動解析手段の解析結果を利用して、前記X−T画像に含まれる物体像をY軸移動方向ごとに区分けし、区分け後のX−T画像に基づいて前記Y軸移動方向ごとに移動物体数を計数する、
    ことを特徴とする移動物体計測装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記移動解析手段は、前記X軸ウインドウの各位置における移動物体のY軸移動方向の時間変化を示す方向別マップを作成し、
    前記計数手段は、前記方向別マップに基づいて前記X−T画像に含まれる物体像をY軸移動方向別に区分けする、
    ことを特徴とする移動物体計測装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、
    更に、前記X−T画像に基づいて混雑度を判定する混雑度判定手段を有し、
    前記計数手段は、
    前記混雑度判定手段が低混雑度であると判定した場合に、前記X−T画像に含まれるY軸移動方向ごとの物体像の個数を計数することにより、前記Y軸移動方向ごとに移動物体数を演算し、
    前記混雑度判定手段が高混雑度であると判定した場合に、前記X−T画像に含まれるY軸移動方向ごとの物体像の総面積を基準面積で除することにより、前記Y軸移動方向ごとに移動物体数を演算する、
    ことを特徴とする移動物体計数装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記混雑度は、前記X−T画像に含まれる物体像の総面積に基づいて判定されることを特徴とする移動物体計測装置。
  6. 請求項4又は5記載の装置において、
    前記移動解析手段は、更に、前記Y−T画像における移動物体ごとの移動軌跡の傾きの大きさから当該移動物体の移動速度を判別し、
    前記計数手段は、前記Y軸移動方向ごとに算出される平均移動速度に基づいて前記基準面積を可変設定する、
    ことを特徴とする移動物体計測装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の装置において、
    前記X軸ウインドウ及び前記複数のY軸ウインドウを包含する観測エリアを撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段にて取得された各画像に対し隣接フレーム間で差分演算を実行して差分画像を求める差分演算手段と、
    前記差分画像を基礎として前記X軸二値化像及び前記Y軸二値化像を作成する二値化像作成手段と、
    を含むことを特徴とする移動物体計測装置。
  8. 請求項記載の装置において、
    前記二値化像作成手段は、
    前記差分画像から前記X軸ウインドウに相当するX軸ウインドウ画像を切り出し、そのX軸ウインドウ画像をX軸に射影しかつ二値化処理することによって前記X軸二値化像を作成する手段と、
    前記差分画像から前記各Y軸ウインドウに相当するY軸ウインドウ画像を切り出し、そのY軸ウインドウ画像をY軸に射影しかつ二値化処理することによって前記Y軸二値化像を作成する手段と、
    を含むことを特徴とする移動物体計測装置。
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