JP3829600B2 - 吸着剤とそれを用いた吸着装置及びその他の物品並びに吸着方法 - Google Patents

吸着剤とそれを用いた吸着装置及びその他の物品並びに吸着方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被吸着成分としてのアルデヒド類を、長期間に亘り効率よく吸着して除去することのできる吸着剤と、該吸着剤を用いた吸着装置及びその他の物品、並びに吸着方法に関するものであり、この技術は、特に自動車や住宅・家屋等の室内におけるアルデヒド類の吸着に有効に活用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ガス中の被吸着成分を除去する方法として、例えば汚水処理設備や都市ごみ焼却設備の如き大規模設備の場合は、被吸着成分との反応性を有する薬剤を溶解した洗浄水等を用いた散水洗浄装置等が使用されている。しかし、例えばトイレや室内、あるいは車輛室内の如く限られた空間内の脱臭には、大規模な散水洗浄設備等を付設することができないので、通常は活性炭等の物理的吸着材を利用した脱臭法が広く活用されている。
【0003】
他方、例えば自動車などの車輛室内には、燃料やオイル等の分解ガス、煙草に由来する燃焼生成物、内装用ボード類や車内装備の接合などに用いられる接着剤、断熱用発泡樹脂などに由来するホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,ベンズアルデヒド等の如きアルデヒド類を有する化合物などの被吸着成分が含まれることが確認されており、また住宅・家屋においても、断熱材や合板材、接着剤等、或は煙草に由来する燃焼生成物などとして同様の被吸着成分が相当量含まれている。そしてこれらの被吸着成分についても、例えば空気清浄機などに活性炭吸着剤充填部を付設して被吸着成分を吸着除去する方法が知られている。
【0004】
しかしながら本発明者らが確認したところによると、吸着性の高い被吸着成分については活性炭等の吸着材によってある程度吸着除去できるが、前述のアルデヒド類については、活性炭等の吸着材では殆んど除去することができなかった。特に活性炭等の物理的吸着材は、吸着サイト内に被吸着成分を吸着捕捉して除去するものであり、被吸着成分によって吸着サイトが飽和されると、それ以上の吸着性能は発揮されない。しかも物理的吸着材は被処理ガス中の湿分(水分)も吸着し、該吸着材の吸着サイトが水分で飽和されると、それ以上の吸着捕捉能は発揮されない。しかるに、屋内や自動車室内等の被処理ガス中には多量の湿分が含まれているので、この種の物理的吸着材は極く短時間のうちに水分を吸着して被吸着成分に対する吸着活性を失なうものであった。更に、活性炭を吸着材として用いた場合に、何らかの要因で活性炭の使用環境温度が高くなると、吸着している成分を放出するという問題があった。
【0005】
ところで、特公平5−16299号公報には、自動車用脱臭剤として結晶性アルミノシリケ−トを用いる発明が開示されており、上記結晶性アルミノシリケ−トとして、H型ゼオライトを採用することが好ましいことが記載されている。しかしながら、H型ゼオライトを自動車用脱臭剤として用いた場合には、被吸着成分を密閉した容器内の限られた閉空間に入れて脱臭を行うと所定の効果を発揮することは上記公報に記載の実施例の通りであるが、被吸着成分を有する開放された空間内では、被吸着成分の量が多く早期に吸着性能が飽和してしまい、数十分間という短い時間で脱臭効果が低下するという問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、被吸着成分としてアルデヒド類を吸着して除去するにあたり、上記被吸着成分を長時間に亘り効率よく吸着することのできる吸着剤を開発し、更には該吸着剤を活用した小規模で簡単に被吸着成分を除去することのできる吸着装置およびその他の物品並びに吸着方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る吸着剤とは、ゼオライトを含有してなる吸着剤において、吸着の対象となる被吸着成分がアルデヒドであり、前記ゼオライトのイオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型またはフェリエライトであり、且つ該ゼオライトのSiO2/Al23モル比(Al23に対するSiO2のモル比率で、以下、「ケイバン比」ということがある)が30〜190であり、更に前記アルデヒドと反応して該アルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が、前記ゼオライトに担持されていることを要旨とするものである。
【0008】
上記吸着剤は、特にアセトアルデヒドを吸着の対象としたものが吸着性能の点から望ましく、また前記ゼオライトの結晶構造型としては、ZSM−5型であることが望ましく、担持される第4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方であることが特にアセトアルデヒド除去効果が長時間持続する点で望ましい。
【0009】
なお、特にアセトアルデヒドを吸着の対象とする場合には、前記ゼオライトのイオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型であり、且つ該ゼオライトのSiO2/Al23モル比が55〜190であり、更に前記アセトアルデヒドと反応して該アセトアルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が、前記ゼオライトに担持されていることが望ましい。この場合においても前記同様に、第4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方であることが望ましい。
【0010】
本発明に係る吸着剤において、前記被吸着成分がホルムアルデヒドの場合には、前記ゼオライトのイオン種がNH4型であることを要旨とするものである。
【0011】
この場合において、前記ゼオライトの結晶構造型は、ZSM−5型,Y型,β型,モルデナイト,及びフェリエライトよりなる群から選択される少なくとも1種であることが吸着性能の点から望ましく、これらの中でも特にZSM−5型がホルムアルデヒドのみならずアセトアルデヒドに対しても高い吸着性能を併せ持っているという点で望ましい。このZSM−5型のゼオライトの場合には、SiO2/Al23モル比が30〜190であることが望ましい。
【0012】
また、前記課題を解決した本発明に係る吸着装置とは、上述のいずれかに記載の吸着剤の充填部を備えていることを要旨とするものであり、例えば、前記吸着剤の充填部と、該充填部に対し被処理ガスを供給するファンを備えているものであっても良く、空調装置に付設されるものであってもよく、前記吸着剤の充填部が、着脱自在に取り付けられているものであってもよい。
【0013】
前記吸着装置以外の物品としては、空気清浄用フィルタ,建材,着用品,携帯品,住宅設備用品,家庭用品,燃焼式暖房機及び煙草への適用が考えられ、上述のいずれかの吸着剤を所定位置に有していればよい。
【0014】
更に上記課題を解決した本発明に係る吸着方法とは、ガス状の被吸着成分を、ゼオライトを含有してなる吸着剤に接触させて該吸着剤に吸着させる吸着方法であって、吸着の対象となる前記被吸着成分がアルデヒドであり、前記ゼオライトとして、イオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型またはフェリエライトであり、且つSiO2/Al23モル比が30〜190であり、更に前記アルデヒドと反応して該アルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が担持されているゼオライトを用いることを要旨とするものである。
【0015】
また、被吸着成分としてホルムアルデヒドを対象とする吸着方法では、イオン種がNH4型のゼオライトを用いることを要旨とするものである。
【0016】
なお、本発明に係る前記吸着方法において、用いるゼオライトのイオン種,結晶構造型,SiO2/Al23モル比に関する好ましい範囲,第4級アンモニウム塩の望ましい具体例については、夫々、本発明に係る吸着剤に用いるゼオライトの好ましい範囲と同様である。
【0017】
更に、本発明に係る吸着方法においては、被吸着成分がアセトアルデヒドである場合には、吸着反応によりアルキルアミノアルコールを生成する。また、吸着成分がホルムアルデヒドである場合には、ホルムアルデヒドとゼオライト中のカチオンイオンとの反応により熱的に安定な物質を生成させてホルムアルデヒドを吸着するものであり、具体的にはα−アミノメチルアルコールを生成するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
H型ゼオライトは、ガソリン臭の脱臭能力に優れていることから、例えば特公平5−16299号公報に記載の通り、自動車用脱臭剤に用いられていた。但し、煙草臭等のアルデヒド類の吸着能力は不十分であり、比較的短時間で吸着能力が飽和してしまうことが指摘されていた。そこで本発明者らは、アルデヒド類の吸着除去に適した吸着剤を開発すべく研究を行い、レゾルシン等のフェノール類を吸着用化合物として用いれば、長時間に亘って優れた吸着能力が得られることを突き止め、先に出願した(特願平10−271386)。
【0019】
その後、更に本発明者らが研究を重ねた結果、上記フェノール類を用いなくとも、ゼオライトの中で吸着用材料として今まで全く注目されていなかったNH4型ゼオライトを用い、特にアセトアルデヒドを被吸着成分とする場合には、その結晶構造型をZSM−5型またはフェリエライトとし、該ゼオライトのSiO2/Al23モル比を30〜190とし、且つ前記アルデヒドと反応して該アルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が前記ゼオライトに担持されているものを用いれば、長期間に亘ってホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのようなアルデヒド類の除去が可能であるという点で、かつての活性炭やH型ゼオライトでは考えられなかった程に非常に優れた特性が得られることを見出し、本発明に想到した。
【0020】
本発明において捕捉対象となる被吸着成分の具体例としては、ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,ベンズアルデヒド等のアルデヒド類が挙げられる。
【0021】
特に、被吸着成分がアセトアルデヒドの場合には、前記ゼオライトに第4級アンモニウム塩を担持させて使用することが、アセトアルデヒドの吸着性能上、必要である。第4級アンモニウム塩はゼオライトの特に結晶表面に存在する酸点に担持されており、ゼオライトの細孔にアセトアルデヒドが捕捉されたときに、第4級アンモニウム塩がその近接位置に担持されていると、第4級アンモニウム塩とアセトアルデヒドとが反応し、アルデヒド臭のないアルキルアミノアルコールが生成するものと考えられる。なお、本発明において、ゼオライトに「第4級アンモニウム塩」が担持されているとは、「第4級アンモニウム塩化合物」がそのままでゼオライトに担持されている形態と、「第4級アンモニウムイオン」となってゼオライトに担持されている形態の両方を示す。従って、「第4級アンモニウム塩」というのは、「第4級アンモニウム塩化合物」と「第4級アンモニウムイオン」の総称である。
【0022】
例えば、第4級アンモニウム塩化合物であるテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドをゼオライトに担持させた場合の反応としては、ゼオライトに担持したテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドが、図1に示したように、分離してトリプロピルアミンとモノ臭化プロパンとなり、トリプロピルアミンがアセトアルデヒドと反応して、プロピルアミノアルコールの状態でゼオライトに捕捉されるものと考えられる。また、第4級アンモニウムイオンがゼオライトに担持されている場合は、図2に示したように、第4級アンモニウムイオンがアセトアルデヒドと反応して、アルキルアミノアルコールが生成するものと考えられる。
【0023】
ところで、イオン種がNH4型以外の例えばNa型ゼオライトのような場合は、アセトアルデヒドの吸着性能は劣ったものとなるため好ましくない。これは、ゼオライトの酸点の種類の相違に起因して、該酸点に第4級アンモニウム塩が担持され難いものと推定され、第4級アンモニウム塩の担持量を充分に確保できないため、第4級アンモニウム塩とアセトアルデヒドとの反応量を多くすることができず、アセトアルデヒドの吸着性能が劣ると考えられる。しかし、イオン種がNH4型のゼオライトの酸点は、第4級アンモニウム塩を担持し易い種類のものであると推定され、このことが、アセトアルデヒドの吸着性能を高める要因になっていると考えられる。そこで、本発明ではNH4型のゼオライトを用いるのである。
【0024】
ゼオライトの上記酸点は、一般に結晶構造内部と結晶表面部に存在するものであるが、大きな分子径を持つ第4級アンモニウム塩のような場合、該第4級アンモニウム塩が上記結晶構造内部までは入り難いことから、結晶表面部の酸点に担持されていると考えられる。そして、特に結晶構造型がZSM−5型のものは、結晶表面部に酸点が多く存在していて第4級アンモニウム塩の担持量を多く確保できることから、アセトアルデヒドの吸着性能に優れていると推測される。
【0025】
なお、上述した吸着メカニズムは、第4級アンモニウム塩を後からゼオライトに担持させる場合を考慮したものであるが、ゼオライト合成時にテンプレート(結晶化調製剤)として使用された第4級アンモニウム塩を、その後除去することなく残存させることによってゼオライトに担持させている場合においても、同様の吸着性能及び吸着メカニズムを示す。ただし、製造初期のNH4型ゼオライトから他のイオン種のゼオライトに変更する場合は、加熱処理により上記テンプレートを完全に除去してから他のイオン種に変更しなければならないため、他のイオン種に変更した後、再度、第4級アンモニウム塩を担持させる必要があるが、イオン種がNH4型でないと、前記したように第4級アンモニウム塩の担持量が不足するため、充分なアルデヒド吸着性能を発揮することはできない。
【0026】
ゼオライトに第4級アンモニウム塩を担持させるために使用できる第4級アンモニウム塩化合物としては、アルキル第4級アンモニウム塩化合物が入手し易いため好ましく、テトラアルキルアンモニウム塩が特に好ましく利用できる。アルキル第4級アンモニウム塩化合物の具体例としては、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイド,テトラメチルアンモニウムブロマイド,テトラエチルアンモニウムブロマイド,テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドなどを挙げることができる。これらは2種以上併用してもよい。特にアセトアルデヒド除去効果が長時間持続する点で、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドとテトラエチルアンモニウムブロマイドが最も好ましい。
【0027】
第4級アンモニウム塩をゼオライトに担持させるには、ゼオライト製造時に、テンプレート(結晶化調製剤)として使用した第4級アンモニウム塩を、テンプレートを除去するときの加熱処理条件を適宜調整することにより、ゼオライト上に残存させる方法や、第4級アンモニウム塩を水溶化してゼオライトに含浸させる方法等がある。なお、第4級アンモニウム塩は、特にアセトアルデヒドの吸着性能上、0.5質量%以上、担持させることが好ましい。
【0028】
NH4型ゼオライトのアセトアルデヒド吸着性能は、Al23に対するSiO2のモル比であるケイバン比によっても変化することが確認されている。前述の通り、第4級アンモニウム塩はゼオライトの特に結晶表面に存在する酸点に化学的に担持されており、上記第4級アンモニウム塩の全体の担持量は、ゼオライト全体の酸点数、及び個々の酸点強度の影響を受けるが、これら酸点数及び酸点強度はケイバン比と相関を有するため、ケイバン比が吸着性能に影響を及ぼすのである。
【0029】
ゼオライト全体の酸点強度は、ケイバン比が変化しても略一定であるため、個々の酸点強度はゼオライト全体の酸点数によって決定される。酸点数はケイバン比に反比例(ゼオライト全体のAl原子数に比例)し、ケイバン比が低ければ酸点数は多くなり、ケイバン比が高ければ酸点数は少なくなる。また、個々の酸点強度は、全体の酸点数が多くなれば弱くなり、逆に全体の酸点数が少なくなれば強くなる。
【0030】
従って、ケイバン比が30未満の場合は酸点、即ち第4級アンモニウム塩を担持し得るする点自身は多いが個々の酸点強度が弱いため、上記第4級アンモニウム塩の全体の担持量は低下してしまう。また、逆にケイバン比が190を超える場合は個々の酸点強度、つまり担持力は強くなるが、酸点数が少ないため、上記ケイバン比が30未満の場合と同様に全体としての上記第4級アンモニウム塩の担持量は低下してしまうのである。
【0031】
上記のようなことから、特にゼオライトのイオン種がZSM−5型の場合は優れたアセトアルデヒド吸着性能を得る上で、上記ケイバン比は30〜190が好ましく、特に55〜190が好ましい。
【0032】
アセトアルデヒドはゼオライトの細孔内に捕捉された後、この捕捉されたアセトアルデヒドに近接位置する第4級アンモニウム塩と反応する。ここで、アセトアルデヒドの分子径は約3Åであることから、アセトアルデヒドを有効に捕捉するためには、ゼオライトの細孔径(表面に存在する細孔の平均直径)が3Å以上であることが望ましい。従って、アセトアルデヒドを吸着する場合には、上記細孔径の観点から、ゼオライトとして、結晶構造型がZSM−5型(細孔径:5.5Å)またはフェリエライト(細孔径:4.3Å/3.4Å)のものを用いることが望ましい。ただし、例えばβ型(細孔径:6Å以上)のように細孔径が大き過ぎると、アセトアルデヒドを確実に捕捉することができないため、好ましくない。
【0033】
一方、被吸着成分がホルムアルデヒドの場合には、イオン種がNH4型のゼオライトにおいて優れた吸着性能が認められることが確認された。NH4型ゼオライトのホルムアルデヒド吸着メカニズムについては、図3に示すように、NH4型ゼオライト中に存在するNH4イオンとホルムアルデヒドが反応して、NH4型ゼオライトがH型ゼオライトとなると共に、アルデヒド臭のない反応物を生成するものと考えられる。すなわち、NH4型ゼオライト中に存在するNH4イオンとホルムアルデヒド(気体)が反応して、H型ゼオライトとα―アミノメチルアルコール(固体)を生成することにより、気体のホルムアルデヒドを固体のα―アミノメチルアルコールとして捕捉するものである。なお、イオン種がNH4型以外のゼオライトの場合は、ホルムアルデヒドとの反応で上記α―アミノメチルアルコール(固体)が生成されないため、ホルムアルデヒドの捕捉能がないと考えられる。
【0034】
また、前記した被吸着成分がアセトアルデヒドである場合と同様に、ホルムアルデヒドもゼオライトの細孔内に捕捉された状態で上記反応を起こすものであるため、分子径が約2Åのホルムアルデヒドを有効に捕捉するためには、ゼオライトの細孔径(表面に存在する細孔の平均直径)が2Å以上であることが望ましい。
【0035】
被吸着成分がホルムアルデヒドの場合は、結晶構造型がZSM−5型,Y型,β型,モルデナイト,及びフェリエライトのいずれかのゼオライトにおいて良好な吸着性能が認められたが、これらの中でも特にZSM−5型がアセトアルデヒドについても高い吸着性能を併せ持っているという点で吸着剤として望ましい。そして、このZSM−5型のゼオライトにおいてはケイバン比が30〜190の範囲内において、高い吸着性能を有することが確認された。
【0036】
本発明に用いるNH4型ゼオライトとしては、市販の合成ゼオライトを採用すればよく、上記ゼオライトは、使用時の通気抵抗を抑えるため通常は顆粒状で使用されるが、場合によってはハニカム状や多孔質の板状もしくはブロック状とすることも可能である。
【0037】
顆粒状にする場合の造粒方法としては、押出成形や高速混合造粒など公知の方法を用いればよく、バインダーも公知のものを用いれば良いが、ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性のものが望ましい。バインダーの添加量は、少な過ぎると造粒が困難であるので、1質量%以上が望ましく、2質量%以上であるとより望ましい。一方バインダーの添加量が多過ぎると、吸着性能が低下するので、50質量%以下が望ましく、20質量%以下であればより望ましい。
【0038】
本発明に係る吸着剤は非常にアルデヒド除去性能に優れているので、これを適当な容器に充填して被処理ガスを通過させると、該被処理ガス中に含まれるアルデヒド成分は効率よく除去される。このとき、吸着剤の充填部の前・後適当な位置にファンを配置しておけば、吸着剤充填部への被処理ガスの導入をスムーズに行えるので好ましく、また該ファンの送風能力を、被処理ガス中に含まれる被吸着成分の濃度等に応じて適宜調整可能にすることも勿論有効である。また、上記吸着剤充填部を部屋や車輛に設けられる空調設備の前・後適当な位置に付設しておけば、該空調設備のファンを吸着処理用のファンとして兼用することができるので好ましい。
【0039】
この他、車輛の天井部や、後部座席後方のリヤパッケージトレイ部などにファン付きの吸着装置として配置し、車内空気を循環させながら吸着できる様にすることも可能であり、更には吸着剤充填部と除塵用のフィルターを積層して一体型としたり、或はこれらのフィルターを直列に配列したりして組合せ配置し、吸着と除塵を同時に行える様にすることも好ましい実施形態の一つである。
【0040】
ちなみに図4は、循環処理タイプの吸着装置を例示する概念図であり、吸着装置本体1内には送風用のファン2が設けられると共に、その下流側に除塵フィルター3と吸着部4を設け、ファン2によって吸引される被処理ガスを除塵フィルター3と吸着部4に通すことにより、被処理ガスの除塵と吸着を行なう様にしている。図中5はセンサーを示し、該センサー5で被処理ガスの汚染度合いを検知し、該汚染度が所定値に達したときはこれを自動的に検知し、ファン2が作動する様に構成されている。従ってこの様な吸着装置1を、例えば図5に示す如く車輛内の天井部あるいは、後部座席後方のリヤパッケージトレイ部などの適所に設置しておけば、室内ガスを清浄に保つことができる。
【0041】
図6は、車輛の空調装置6に本発明の吸着装置を付設する場合の概念図であり、ファン2により除塵フィルター3を通して送り込まれてくる外気もしくは内気を、吸着部4およびエバポレータ7を通して車輛室内へ供給する様に構成されている。図中8はヒーターユニット、D1,D2は切り替え用のダンパを夫々示している。この様な空調装置6は、通常図5に略示する如く車輛の車室前部に設けられる。
【0042】
なお、本発明の吸着剤は、前述の如く被吸着成分と化学的に反応させて吸着するものであるから、使用期間が経過するにつれて吸着活性は徐々に低下し、吸着性化合物の全てが反応に消費されると吸着活性を失う。従って、吸着活性を失った後の吸着剤の取り替えを簡便に行える様、該吸着剤をカセット内に充填しておき、ガス処理部位にワンタッチで着脱できる様にすることは、本発明を実用化する際の好ましい態様として推奨される。
【0043】
更に、本発明に係る吸着剤をフィルターに含有させるにあたっては、該吸着剤を不織布や静電紙などの濾材にはさむ方法や、不織布等の濾材を吸着剤とバインダーとの混合溶液に浸漬し、その後乾燥して直接担持させる方法が例示できる。
【0044】
また、自動車の排ガスや煙草の煙、石油暖房器の排ガス等の被処理ガス(汚染空気)中からアルデヒド類の吸着を行うにあたっては、本発明の吸着剤と活性炭等の物理的吸着剤とを併用することが望ましく、図7(a)に示す様に、不織布や静電紙等の濾材10の間に、活性炭11と吸着剤12の混合物を含有させても良く、或いは図7(b)に示す様に、濾材10を介設することにより活性炭11と吸着剤12を別々の層に分けて含有させてもよい。
【0045】
更に、本発明に係る吸着剤は、被処理ガスを積極的に通過させることを前提とした吸着装置やフィルタ(通過型吸着)に用いる以外にも、例えば建材や壁紙または置物等の表面に担持させて吸着させる方法(接触型吸着)に用いてもよい。
【0046】
本発明に係る吸着剤が適用できる物品としては、石油ストーブや石油ファンヒーター等の燃焼式暖房機があり、暖房機以外の燃焼装置や燃焼設備一般(ボイラー,燃焼処理装置,焼却装置,ガスコンロ,家庭用ガス湯沸かし器など)が含まれる。
【0047】
また、建材としては、ドア,窓,シャッター,家屋内装材,タイル等が挙げられる。
【0048】
更に、着用品としては、衣類,帽子,マスク,履き物が例示でき、携帯品としては、鞄,携帯用袋物が挙げられ、住宅設備用品としては、テーブル,机,事務用家具,キャビネット,タンス,いす,ソファー,寝台,照明器具,換気機器,厨房設備用品が例示でき、家庭用品としては、消臭用置物,家庭用具一般,喫煙用パイプ,集塵機(家庭用だけでなく、オフィス用及び工場用などの業務用を含む),灰皿,掃除機,空気清浄機,除湿器,加湿器,カーペット,マット,畳,カーテン,ブラインド,壁紙,障子,襖,テント,インテリア用品のほか、家屋内の通気システム/経路内にセットする物品や、ガスコンロ上のフード内にセットする物品などが本発明に含まれる。
【0049】
なお、これらの物品は単なる例示であって、本発明の物品を限定するものではなく、本発明に係る吸着剤は、これらの物品以外に、防虫剤,塗料,接着剤,セメント,石材,粘土質材などと組み合わせて使用してもよい。
【0050】
以下、室内空気清浄用物品の本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図8は、本発明に係る物品の実施形態として、燃焼式温風暖房機である石油ファンヒーター20を示す断面図である。この石油ファンヒーター20は、石油燃料を燃焼させるバーナー22を、ケーシング23の中心部分に設けられた燃焼室(燃焼部)24内に備えている。また、石油ファンヒーター20は、ケーシング23の背面側に、ファン25が設けられた空気取り入れ口26を備え、ケーシング23の前面側に、温風を吹き出す空気吹出口27を備えている。そして、空気取り入れ口26と空気吹出口27の間に、上記燃焼室24と連通した暖房用空気通路28を備えている。空気取り入れ口26には、ファン25の背面側に、空気を浄化するためのフィルタ部材21が設けられている。上記構成において、室内の空気は、フィルタ部材21を図8の右から左への方向に通過して浄化され、さらに空気通路28を通る際に、燃焼室24で発生した熱を取り込んで温風となって、再度室内に吹き出される。
【0051】
吸着剤としては、本発明に係る吸着剤に加えて、アンモニア、塩化水素及び硫化水素に対して吸着能力の高いものを併用してもよい。アンモニアを吸着するのに好適なものは、フマル酸等の酸性脱臭剤、ベタイン(両性)化合物、アニコ(第1鉄化合物)等の錯体形成型脱臭剤等が挙げられる。また、塩化水素及び硫化水素を吸着するのに好適なものは、炭酸ナトリウム、アミン化合物等の塩基性脱臭剤、カルボン酸金属塩、ベタイン(両性)化合物等が挙げられる。このアンモニア、塩化水素及び硫化水素は、アルデヒド類と共に特に活性炭が放出する被吸着成分であり、物理的吸着剤に活性炭を用いてこれらの被吸着成分をも吸着処理しようとする場合には、上記物質を化学的吸着剤として併用することが望ましい。
【0052】
図8に示した石油ファンヒーター20では、吸着剤(物理的吸着剤と化学的吸着剤)を含むフィルタ部材21をファン25の上流側に配置したが、フィルタ部材21は、空気取り入れ口26側でファン25の下流側(つまりファン25と燃焼室24との間)に設けてもよい。
【0053】
また、吸着剤は、除塵用のフィルタ部材21とは別に設けてもよく、その場合、空気通路28内またはその近傍の任意の位置に設けることができる。ただし、物理的吸着剤が高温では被吸着成分を比較的放出しやすくなることや、化学的吸着剤への熱影響を避けることを考慮すれば、吸着剤は、燃焼室24の上流側、つまり空気取り入れ口26側に設けるのが好ましい。さらにフィルタ部材21は、場合によっては化学的吸着剤だけを含むものとしてよい。
【0054】
次に、燃焼部と吸着剤とを備えた物品として、煙草について説明する。図9から図11の煙草31は、巻回紙を除去した状態で示しており、それぞれ、フィルタ部分に設けた吸着剤34(物理的吸着剤と化学的吸着剤)の構成態様が各図毎に異なっている。
【0055】
図9(a)の煙草31は、スポンジ状のフィルタ32の先端側に、活性炭33を充填すると共に、フィルタ32の中間部分に化学的吸着剤を含有した吸着剤34を設けたものである。また、図9(b)の煙草31は、フィルタ32の先端側に、該フィルタ32側から順に、吸着剤34と活性炭33とを重ねて設けたものである。図9(c)に示すように、吸着剤34は、煙草の製造に先立って予め通気性のある錠剤状に成形したり、化学的吸着剤の粒子を、煙草31の直径に適合した円板状に成形した通気性シート内に充填したりしておくと、吸着剤34を設ける場合でも煙草31の製造性が低下するのを防止できる。
【0056】
図10(a)の煙草31は、図9(a)の例とは逆に、活性炭33をフィルタ32の中間部分に配置し、吸着剤34をフィルタ32の先端側に配置したものである。また、図10(b)に示した煙草31は、フィルタ32の先端側に、該フィルタ32側から順に、図9(b)の例とは逆に活性炭33と吸着剤34とを重ねて設けたものである。
【0057】
さらに、図11(a)の煙草31は、吸着剤34の中に、化学的吸着剤に加えて活性炭33も含有させて、フィルタ32の中間部に配置した例で、図11(b)の煙草31は、化学的吸着剤と活性炭33とを含有した吸着剤34を、フィルタ32の先端側に配置した例である。
【0058】
このように煙草31に吸着剤34を設けておくと、煙が吸着剤34を通過するときにアルデヒド類を効果的に吸着でき、臭気や腐食などの問題も生じない。
【0059】
図9〜図11では、吸着剤34と活性炭33について、種々の配置を説明したが、活性炭33から吸着後に放出されるアルデヒド等を再吸着するという観点からは、上流側に活性炭33を設け、下流側に吸着剤34を設ける図9の例か、もしくは吸着剤34に活性炭33を混合する図11の例が好ましい。しかし、煙草の場合は発生するアルデヒドの量が多いので、図10に示すように上流側に吸着剤34を設け、下流側に活性炭33を設けてもよい。
【0060】
吸着剤を備えた他の物品の例として、図12に建材41を示す。この建材41は、図において基材42の下面に、ガラス繊維マット43、吸着剤シート44、ガラス繊維マット43、通気性部材45を順に積層した5層構造に構成されている。この建材41は、例えば天井材として使用されるもので、図の下面側(通気性部材45)が室内側の面となるようにして用いられる。基材42には、ウッドチップを接着剤で固めたものや、薄板を接着剤で張り合わせた合板などが用いられる。
【0061】
吸着剤シート44は、前記したのと同様の、粒状の吸着剤を含有したシート材であり、例えば不織布などの通気性を持った2枚のシート素材を貼り合わせ、その間に吸着剤を散在させたものを使用することができる。吸着剤には、化学的吸着剤のみを使用してもよいし、化学的吸着剤と物理的吸着剤とを併用してもよい。また、ガラス繊維マット43は補強材として用いられており、通気性部材45は多孔質の素材で形成された化粧板である。
【0062】
図12に示した建材41を建造物の天井などに貼り付けて使用すると、接着剤に含まれたアルデヒド類が放出されても、該アルデヒド類は吸着剤シート44で吸着され、室内までは達しない。また、例えば、室内で燃焼式暖房機を運転した場合や喫煙をした場合でも、その暖房運転や喫煙により発生したアルデヒド類が通気性部材45とガラス繊維マット43を通って吸着剤シート44まで達すると、該シート44内の吸着剤に捕捉される。したがって、室内のアルデヒド濃度が高くなるのを防止することができる。
【0063】
図13は、図12の建材41の変形例である。この建材41では、基材42の片面(図の下面)に多数の凹部42aが形成され、各凹部42aに、造粒した吸着剤46が充填されている。そして、各凹部42aを塞ぐように、通気性部材45が基材42の下面に積層されている。この構成においても、基材42は、ウッドチップを接着剤で固めたものや、薄板を接着剤で貼り合わせたものを使用でき、通気性部材45は、多孔質の素材で形成された化粧板などを使用できる。
【0064】
なお、通気性部材45は多数の通気孔(図示せず)を形成することによって通気性を備えた構成とすることが可能であるが、その場合、各通気孔は、吸着剤46が通過してしまわないように、該吸着剤46よりも小径に形成される。このような問題が生じないようにするためには、例えば吸着剤46を前記したように予め固体状に成形して、これを基材42の凹部42aに詰めて使用するとよい。
【0065】
この例でも、基材42に含まれた接着剤から放出されるアルデヒド類や、室内での燃焼暖房や喫煙に伴って発生するアルデヒド類などを上記各実施形態と同様の作用によって吸着剤46で吸着でき、室内のアルデヒド濃度の増加を防止できる。
【0066】
図14(a)は、建材41の他の変形例を示し、図14(b)はその部分拡大断面図である。図示の建材41は、図14(b)に示すように複数枚の薄板47を積層した合板の建材であり、各薄板47は、接着剤の層48a,48b,48cによって互いに接着されている。そして、最下層の接着剤48cに、吸着剤が混合されたものが使用されている。
【0067】
このようにすると、最下層の接着剤48cに含まれた吸着剤により、該最下層の接着剤48cから放出されるアルデヒド類はもとより、その上層の接着剤層48a,48bから放出されるアルデヒド類も、各薄板47を通過して最下層の接着剤48cに達することがあれば吸着されるので、アルデヒドが室内に放散されることを確実に防止できる。
【0068】
なお、この例では、最下層の接着剤48cにのみ吸着剤を含有したものとして説明したが、少なくとも最下層の接着剤48cに含有されていれば、他の層には、含有させてもよいし含有させなくてもよい。ただし、吸着剤を各層の接着剤48a,48b,48cに含有させると、各接着剤層48a,48b,48cから放出されるアルデヒド類を、その層48a,48b,48c内の吸着剤で吸着処理できるため、吸着の効率を高められる。
【0069】
また、接着剤層内に吸着剤を含有させることは、図12の例でも可能であり、その場合、吸着剤シート44を使用せず、ガラス繊維マット43と通気性部材45の間の最下層の接着剤にのみ、あるいは基材42、ガラス繊維マット43、及び通気性部材45の間の複数の接着剤層に吸着剤を含有させることができる。さらには、基材42中に吸着剤を含浸させて使用することも可能である。
【0070】
図15と図16に示した実施形態は、上記各実施形態で説明した物品以外の種々の物品に、本発明の吸着剤を設ける例を示すもので、その物品の例としては、例えば、着用品、携帯品、住宅設備用品、または家庭用品などがある。ただし、物品はこれらに限定されるものではなく、吸着剤は、さらに広範囲の物品に対して適用することができる。
【0071】
図15の例は、吸着剤が設けられる物品51の基材52に、2枚の繊維マット(織布、不織布等)53間に粒状の多数の吸着剤を散在させた吸着シート54を積層し、さらに通気性表皮材55を積層したものである。
【0072】
吸着剤には、前記各実施形態で説明した化学的吸着剤58と物理的吸着剤57とが用いられている。そして、物理的吸着剤57,57,…と化学的吸着剤58,58,…とは互いに近傍に配置され、物理的吸着剤57が、化学的吸着剤58よりも基材52側に配置されている。そして、これら物理的吸着剤57,57,…及び化学的吸着剤58,58,…が、吸着シート54の厚み方向両面を構成する2枚の繊維マット53に挟持されている。なお、物理的吸着剤57と化学的吸着剤58の配置は任意であり、化学的吸着剤58を基材52側にして位置したり、両吸着剤57,58を混合して配置してもよい。繊維マット53,53の内側の面には、熱溶着性の接着剤(図示せず)が塗布されており、吸着剤57,58を繊維マット53,53間に挟持した状態で高温下において加圧することで、その接着剤により各繊維マット53,53と両吸着剤57,58とが接着されている。
【0073】
このように、物品の基材52に、吸着剤を含有した吸着シート54を設けておけば、その物品が使用される環境において、アルデヒド類を効果的に除去できる。例えば、衣類等の着用品に適用した場合には、その衣類着用者の周囲でのアルデヒド濃度を低減できる。このことから、作業者などに適用しても効果的である。
【0074】
図16の例は、吸着剤として化学的吸着剤のみを使用したものである。この例では、繊維マットを使用せず、化学的吸着剤58が基材52と通気性表皮材55との間に配置されている。具体的には、熱溶着性の接着剤52aを塗布した基材52上に化学的吸着剤58を散布してから、内面に熱溶着性の接着剤55aが塗布された通気性表皮材55を積層して、これらを高温下で加熱することで接着した構成としている。こうすることにより、化学的吸着剤58が基材52及び通気性表皮材55に接着されると共に、基材52と通気性表皮材55とが、周囲部や中間の所定位置で互いに接着される。
【0075】
また、このような方法以外にも、通気性表皮材55に化学的吸着剤58を散布して接着したものを、接着剤層52aを有する基材52に重ねて高温下で加熱して接合することも可能である。なお、これらの方法においては、基材52と通気性表皮材55の両方に接着剤層52a,55aを設けるものとしているが、接着剤層52a,55aは、基材52と通気性表皮材55の何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。さらに、この例では、吸着剤として化学的吸着剤58のみを使用しているが、図15の例と同様に、活性炭などの物理的吸着剤57を併用することも可能である。
【0076】
なお、図15及び図16に示した各例では、いずれも吸着剤を通気性表皮材55で覆った構成としているが、例えば吸着剤を設けるのが物品51の表面に出ない部分(人に見えない部分や人が触れない部分)であれば、この通気性表皮材55は必ずしも使用しなくてもよい。
【0077】
また、これらの各例では、化学的吸着剤と物理的吸着剤を併用したものと、化学的吸着剤のみを使用したものとを説明したが、いずれを選択するかは、対象とする被吸着成分等に応じて適宜設定するとよい。
【0078】
さらに、これらの例では吸着剤を基材52上に接着した構成としているが、吸着剤は、該吸着剤を設ける物品51に応じた構成で適宜配置すればよく、図示の構成に限定されるものではない。例えば、この吸着剤は、収納容器内に収納して使用することも可能である。
【0079】
【実施例】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
実施例1
吸着処理用材料として、活性炭,H型ゼオライト(H型でZSM−5型),NH4型ゼオライト(NH4型でZSM−5型、且つ製造時に使用した第4級アンモニウム塩を完全除去せず残存させたもの)を用いて、粉状の上記吸着処理用材料にポリビニルアルコール水溶液を加えて、粒状の計4種の吸着剤を作製した。
【0081】
得られた吸着剤0.2gを細いガラス管内に夫々入れ、アセトアルデヒド濃度が10ppmとなるように調整した空気を上流側から流速0.6m/sで流し、下流側でアセトアルデヒド濃度を経時的に測定する1パス性能維持試験を行い、アセトアルデヒドの除去率を調べた。結果を、図17に示した。
【0082】
NH4型ゼオライトを用いた本発明に係る吸着剤は、従来の活性炭やH型ゼオライトを用いた吸着剤に比べて、吸着性能を非常に長い期間に亘って発揮できることが解る。
【0083】
実施例2
表1に示す様に、結晶構造型やケイバン比の異なる各種のNH4型ゼオライトとNa型ゼオライトおよび天然ゼオライトを用いて実施例1と同様にして吸着剤を作製し、ホルムアルデヒドの吸着効果を調べた。吸着剤0.2gを用いて、ホルムアルデヒド濃度が35ppm、アセトアルデヒド濃度が10ppmであるガスを1リットル/分の流量で流して、30分間経過後のホルムアルデヒドの除去率を測定した。また、アセトアルデヒドについては、飽和吸着量を測定・算出した。このときのアセトアルデヒドの飽和吸着量は、第4級アンモニウム塩化合物担持前のデータとして表1に併記した。
【0084】
一方、第4級アンモニウム塩をゼオライトに担持させることによるアセトアルデヒド吸着効果を調べることを目的として、第4級アンモニウム塩化合物としてテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドを用い、実施例1と同様にして調製したゼオライトにテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドの水溶液を含浸させて、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドが担持したゼオライトを作成した。担持していない吸着剤の場合と同様にしてアセトアルデヒドの飽和吸着量を測定・算出して、第4級アンモニウム塩化合物担持後のデータとして表1に併記した。また、第4級アンモニウム塩化合物担持後(アセトアルデヒド吸着前)のゼオライトについて、その含有炭素量を測定し、C付着量として表1に示した。この値は後述するように、第4級アンモニウム塩化合物のゼオライトへの担持量の大小を示唆する値である。
【0085】
各吸着性能が従来の活性炭のアルデヒド除去性能と比較して、優れていれば○、非常に優れていれば◎、劣っていれば△、全く除去性能がない場合は×を付した。結果を表1に示した。なお、ケイバン比70のZSM−5型ゼオライトは、製造プロセスにおいてテンプレートとして用いられた第4級アンモニウム塩を含んでいるものである。また、表中のNH4型でY型ゼオライトにおいて*印を付したものは、同印を付していないY型のゼオライトとはメーカーが異なるものである。向上倍率というのは担持後のアセトアルデヒド吸着量(mg)を担持前の吸着量(mg)で除した値である。
【0086】
【表1】
Figure 0003829600
【0087】
NH4型ゼオライトではいずれもホルムアルデヒド除去性能に優れており、特に結晶構造型としてZSM−5型、Y型、β型、及びモルデナイトのゼオライトによる除去性能が高い。なお、上記ZSM−5型のゼオライトでは、ケイバン比が30〜190の範囲内において優れたホルムアルデヒド除去性能を有することが確認された。さらに、Na型や天然ゼオライトではホルムアルデヒドの吸着能がないことがわかった。
【0088】
一方、第4級アンモニウム塩化合物担持前のアセトアルデヒド吸着性能(比較例)については、いずれのゼオライトとも、さほど大きなものではない。しかし、ゼオライトの結晶構造型がZSM−5型とフェリエライトの場合、第4級アンモニウム塩を添加担持させることにより、アセトアルデヒドの吸着量が大きく増加して、活性炭および他のイオン種のゼオライトに比べて優れた除去性能を示した。中でもZSM−5型は、第4級アンモニウム塩を添加担持させない場合に比べて、アセトアルデヒドの吸着量が7.8〜11.1倍と大幅に増加することが解る。
【0089】
このことは、表1に示すようにC(炭素)付着量が、ZSM−5型ゼオライトが他のゼオライトに比べ格段に多く、次いでフェリエライトが多いことに関係しているものと考えられる。第4級アンモニウム塩はC(炭素)を含有しているので、ゼオライトへのC付着量を測定することによって、ゼオライトへの第4級アンモニウム塩の担持量を把握することができる。表1に示すように、ZSM−5型ゼオライトはC付着量が多いことから第4級アンモニウム塩の担持性に優れていることがわかり、この結果、第4級アンモニウム塩とアセトアルデヒドとの反応量が多くなって、優れたアセトアルデヒド吸着性能を示すと考えられる。
【0090】
また、NH4型のZSM−5型ゼオライトについては、上記第4級アンモニウム塩としてのテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドを担持した試料により、実施例2と同様にして、ホルムアルデヒドの30分間経過後の除去率を測定算出した。結果はケイバン比30のものが62%、ケイバン比55のものが70%、及びケイバン比190のものが67%であり、第4級アンモニウム塩を担持させないゼオライトと略同等のホルムアルデヒド除去率があることが確認された。
【0091】
実施例3
第4級アンモニウム塩化合物として、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドの4種類を用い、これらの第4級アンモニウム塩を担持させたタイプと、第4級アンモニウム塩を担持させないタイプのゼオライトについて、アセトアルデヒドの吸着性能の経時変化を調べた。ゼオライトは、イオン種がNH4型のZSM−5型でケイバン比55のものを用い、バインダーとしてポリビニルアルコールを2.5質量%用いた。第4級アンモニウム塩を担持させるのに、実施例2と同様な方法を用いた以外は、実施例1と同様にしてアセトアルデヒドの除去効果の経時変化を測定し、結果を図18に示した。
【0092】
図18から、ゼオライトに第4級アンモニウム塩を担持させておくと、担持させない場合に比べて、アセトアルデヒド除去率の経時劣化が少ないことがわかる。特に、テトラエチルアンモニウムブロマイドとテトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドを担持させたゼオライトは、30分経過後も100%のアルデヒド除去率を示した。
【0093】
実施例4
本発明に係る吸着剤と活性炭を用いて、アセトアルデヒドの再放出試験を行った。用いた本発明吸着剤は、ケイバン比70のZSM−5型(第4級アンモニウム塩担持タイプ)であり、試料(吸着剤または活性炭)0.2gに対して、濃度10ppmのアセトアルデヒド含有ガスを0.6m/secの流速で流し、30分間経過後、上記試料を20ml容器に密封し80℃で10分間加熱して、アセトアルデヒドの放出濃度を測定した。結果を図19に示す。
【0094】
活性炭では、約50ppmの大量のアセトアルデヒドを放出しているのに対し、本発明に係る吸着剤は、アセトアルデヒドの放出濃度が5ppm未満であり、非常に再放出量が少ないことが分かる。
【0095】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、被吸着成分としてのアルデヒド類を、長期間に亘り効率よく吸着して除去することのできる吸着剤の開発に成功し、更には該吸着剤を活用した小規模で簡単に被吸着成分を除去することのできる吸着装置やその他の物品および吸着方法が提供できることとなった。本発明によれば、コンパクトな装置であっても高レベルで非常に安定した吸着性能を確保することができ、特に自動車や住宅・家屋などの室内におけるアルデヒド類の吸着に有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第4級アンモニウム塩化合物を併用した場合のアセトアルデヒドとの反応例を示す説明図である。
【図2】第4級アンモニウムイオンがゼオライトに担持されている場合のアセトアルデヒドとの反応例を示す説明図である。
【図3】NH4型ゼオライトとホルムアルデヒドの反応例を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる吸着装置の具体例を示す概念図である。
【図5】吸着装置の車輛への配設位置を例示する説明図である。
【図6】本発明の吸着装置を自動車の空調装置に付設した例を示す説明図である。
【図7】(a)は本発明に係るフィルタ(活性炭併用タイプ)の一例を示す説明図であり、(b)は本発明に係るフィルタ(活性炭併用タイプ)の変形例を示す説明図である。
【図8】本発明に係る物品の一つである石油ファンヒーターの一例を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明に係る物品の一つである煙草を示す斜視図であり、(b)は本発明に係る煙草の変形例を示す斜視図であり、(c)は本発明に係る煙草に適用される吸着剤を示す斜視図である。
【図10】(a)は本発明に係る煙草の他の変形例を示す斜視図であり、(b)は本発明に係る煙草の別の変形例を示す斜視図である。
【図11】(a)は本発明に係る煙草の更に他の変形例を示す斜視図であり、(b)は本発明に係る煙草の更に他の変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る物品の一つである建材を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る建材の変形例を示す斜視図である。
【図14】(a)は本発明に係る建材の他の変形例を示す斜視図であり、(b)は(a)の部分拡大断面図である。
【図15】本発明に係る物品を示す断面図である。
【図16】本発明に係る物品の変形例を示す断面図である。
【図17】各種の吸着剤のアセトアルデヒド除去効果の持続性を示すグラフである。
【図18】テトラアルキルアンモニウム塩の種類を変えた吸着剤のアルデヒド除去率の経時変化を示すグラフである。
【図19】本発明に係る吸着剤と活性炭のアセトアルデヒド再放出試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸着装置
2 ファン
3 除塵フィルター
4 吸着部
5 センサー
6 空調装置
7 エバポレータ
8 ヒーターユニット
10 濾材
11 活性炭
12 吸着剤
20 石油ファンヒーター
31 煙草
41 建材
51 物品

Claims (28)

  1. ゼオライトを含有してなる吸着剤において、
    吸着の対象となる被吸着成分がアルデヒドであり、
    前記ゼオライトのイオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型またはフェリエライトであり、且つ該ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜190であり、
    更に前記アルデヒドと反応して該アルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が、前記ゼオライトに担持されていることを特徴とする吸着剤。
  2. 前記被吸着成分がアセトアルデヒドである請求項1に記載の吸着剤。
  3. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型である請求項1に記載の吸着剤。
  4. 前記第4級アンモニウム塩が、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方である請求項1に記載の吸着剤。
  5. ゼオライトを含有してなる吸着剤において、
    吸着の対象となる被吸着成分がアセトアルデヒドであり、
    前記ゼオライトのイオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型であり、且つ該ゼオライトのSiO2/Al23モル比が55〜190であり、
    更に前記アセトアルデヒドと反応して該アセトアルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が、前記ゼオライトに担持されていることを特徴とする吸着剤。
  6. 前記第4級アンモニウム塩が、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方である請求項5に記載の吸着剤。
  7. ゼオライトを含有してなる吸着剤において、
    吸着の対象となる被吸着成分がホルムアルデヒドであり、
    前記ゼオライトのイオン種がNH4型であることを特徴とする吸着剤。
  8. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型,Y型,β型,モルデナイト,及びフェリエライトよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項7に記載の吸着剤。
  9. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型である請求項8に記載の吸着剤。
  10. 前記ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜190である請求項9に記載の吸着剤。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の吸着剤の充填部を備えていることを特徴とする吸着装置。
  12. 前記吸着剤の充填部と、該充填部に対し被処理ガスを供給するファンを備えている請求項11に記載の吸着装置。
  13. 空調装置に付設されるものである請求項11に記載の吸着装置。
  14. 吸着剤の充填部が、着脱自在に取り付けられている請求項11〜13のいずれかに記載の吸着装置。
  15. 空気清浄用フィルタ,建材,着用品,携帯品,住宅設備用品,家庭用品,燃焼式暖房機又は煙草のいずれかの物品であって、
    請求項1〜10のいずれかに記載の吸着剤を所定位置に有してなることを特徴とする物品。
  16. ガス状の被吸着成分を、ゼオライトを含有してなる吸着剤に接触させて該吸着剤に吸着させる吸着方法であって、
    吸着の対象とする前記被吸着成分がアルデヒドであり、
    前記ゼオライトとして、イオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型またはフェリエライトであり、且つSiO2/Al23モル比が30〜190であり、更に前記アルデヒドと反応して該アルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が担持されているゼオライトを用いることを特徴とする吸着方法。
  17. 前記被吸着成分がアセトアルデヒドである請求項16に記載の吸着方法。
  18. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型である請求項16に記載の吸着方法。
  19. 前記第4級アンモニウム塩が、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方である請求項16に記載の吸着方法。
  20. ガス状の被吸着成分を、ゼオライトを含有してなる吸着剤に接触させて該吸着剤に吸着させる吸着方法であって、
    吸着の対象とする前記被吸着成分がアセトアルデヒドであり、
    前記ゼオライトとして、イオン種がNH4型で、結晶構造型がZSM−5型であり、且つSiO2/Al23モル比が55〜190であり、更に前記アセトアルデヒドと反応して該アセトアルデヒドを吸着する第4級アンモニウム塩が担持されているゼオライトを用いることを特徴とする吸着方法。
  21. 前記第4級アンモニウム塩が、テトラエチルアンモニウム塩及びテトラ−n−プロピルアンモニウム塩の少なくとも一方である請求項20に記載の吸着方法。
  22. ガス状の被吸着成分を、ゼオライトを含有してなる吸着剤に接触させて該吸着剤に吸着させる吸着方法であって、
    吸着の対象とする前記被吸着成分がホルムアルデヒドであり、
    前記ゼオライトとして、イオン種がNH4型のゼオライトを用いることを特徴とする吸着方法。
  23. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型,Y型,β型,モルデナイト,及びフェリエライトよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項22に記載の吸着方法。
  24. 前記ゼオライトの結晶構造型が、ZSM−5型である請求項23に記載の吸着方法。
  25. 前記ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜190である請求項24に記載の吸着方法。
  26. 前記被吸着成分がアセトアルデヒドであり、吸着反応によりアルキルアミノアルコールを生成するものである請求項16〜21のいずれかに記載の吸着方法。
  27. ホルムアルデヒドとゼオライト中のカチオンイオンとの反応により熱的に安定な物質を生成させて前記ホルムアルデヒドを吸着するものである請求項22〜25のいずれかに記載の吸着方法。
  28. 前記反応によりα−アミノメチルアルコールを生成する請求項27に記載の吸着方法。
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