JP3828057B2 - 建材パネル間のシール装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は建材パネル間の目地部のシール装置、特にガスケットを用いたシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建材パネルとしての外壁パネルを建築躯体のフレーム等に張り付けて建物の外壁を構築する際、建材パネルと建材パネルとの間に目地部が形成される。
従来、この目地部からの雨,風等の浸入を防止する目的で建材パネル間の目地部にガスケットを装着して目地部を水密にシールすることが行われている。
【0003】
そのようなガスケットによるシール構造として、従来図5に示すようなものが公知である。
同図において200は外壁用の建材パネルで、202はそれら建材パネル200と200との間に形成された目地部を表している。
【0004】
204はその目地部に装着されたガスケットで、全体がゴム等の弾性体にて構成されている。
このガスケット204は、本体206及び本体206から左右方向(目地部202に対する正面視において左右方向)に突き出した弾性を有する複数のリップ部208を有しており、そのリップ部208を弾性変形状態で各建材パネル200の側端面に当接させることで目地部202を水密にシールする。
【0005】
ここでガスケット204は、建材パネル200の施工後においてリップ部208を弾性変形させながらそれら建材パネル200と200との間に押し込まれ、目地部202に装着される。
しかしながら建材パネル200と200との間の目地部202の目地幅Wは、建材パネル200の寸法の誤差,施工誤差等に基づいて寸法にばらつきが生ずる。
【0006】
図5に示すガスケット204は、リップ部208の弾性変形に基づいて多少の寸法のばらつきを吸収できるものの、その寸法のばらつきの吸収能力は小さく、様々に変動する目地幅Wに対し対応可能な範囲がせいぜい2〜5mm程度が限度であった。
そのため従来にあっては、サイズの異なるガスケット204を数種類用意して揃えておき、その目地部202の目地幅Wの大小に応じてどのサイズのものが適合するかをその都度判断し、適切なものを選択して用いる必要があった。
【0007】
このようなことから、従来下記文献1に示すようなシール装置が提案されている。
この文献1に示すものは、図6に示すようにガスケット210を基材212と、その幅方向両端部に予め固着した弾性を有する止水材214とを有するように構成し、そして建材パネル200の側端面に沿って設けた挿入溝216に対し、ガスケット210を両端部の止水材214において挿入し、以って目地部202にガスケット210を装着して、それにより目地部202を水密にシールするようになしたものである。
[文献1] 特開2001−271429号
【0008】
しかしながらこの図6に示すシール装置の場合、止水材214を建材パネル200の挿入溝216に対し、抵抗に抗して挿入しなければならず、そのためガスケット210の目地部202への装着作業が容易ではなく、目地部202のシール作業性に多大の困難が伴う問題が内在している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の建材パネル間のシール装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、隣接する建材パネルの一対の側端面間に形成される目地部にガスケットを装着し、該ガスケットにより該目地部を水密にシールする建材パネル間のシール装置であって、前記建材パネルの側端面に沿って縦に突条部を設ける一方、前記ガスケットの形状を(イ)表側及び裏側の弾性アームと該表側及び裏側の弾性アームを内外方向に連結する連結部を備え、それら弾性アームにより該建材パネルの各突条部を表側と裏側とから弾性的に挟持する左右一対の弾性挟持部と、(ロ)各弾性挟持部における前記表側及び裏側の弾性アームと前記連結部とにより内側に形成された、該連結部と反対側の外方側端面が開口形状をなす一対の挿入溝とを有する形状として、各一対の挿入溝のそれぞれに前記一対の突条部のそれぞれを挿入するようになし、且つ前記ガスケットは成形時の自由形状状態において、前記弾性挟持部における前記開口側である自由端部の側の溝幅が前記突条部の厚みよりも狭くされているとともに、該ガスケットには締結作用時に該自由端部の側の溝幅を前記突条部の厚みよりも広く保持し、締結解除によって該保持を解除するファスナが設けてあることを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記突条部が断熱層に設けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記挿入溝における溝底面が前記内外方向に段差をもって形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記挿入溝の溝側面を形成する、前記表側及び裏側の弾性アームの各内面が左右方向に段差をもって形成され、且つ該段差が、前記連結部側の奥側の溝幅が幅広となる形状で形成してあることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ファスナが、表側の左右の一対の前記弾性アームの一方の側に形成された凸係合部と、他方の側に形成された凹係合部とを有し、それら凸係合部と凹係合部との係合により締結作用をなすものとしてあることを特徴とする。
【0014】
請求項6のものは、請求項5において、前記凸係合部が先細り形状となしてあり且つ該凸係合部における凸面が所定角度で傾斜する傾斜形状となしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項7のものは、請求項5,6の何れかにおいて、前記ファスナは、前記凸係合部と凹係合部との間の位置において前記ガスケットの表側から裏側に向う、前記表側の一対の弾性アームの開閉方向の弾性変形を助長する溝を有していることを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明のシール装置は、隣接する建材パネルのそれぞれの側端面に沿って縦に突条部を設け、そしてそれら突条部をガスケットの一対の挿入溝に挿入し、即ちガスケットにおける一対の挿入溝に建材パネルの突条部を呑み込ませるようにし、そしてそれら各建材パネルの突条部のそれぞれを、その挿入溝を内側に形成する弾性挟持部で挟持し、目地部を水密にシールするようになしたものである。
【0017】
このようなガスケットを用いた目地部のシール装置の場合、建材パネルの寸法誤差や施工誤差等によって目地部の幅が変動した場合であっても、挿入溝への突条部の呑込代を変化させることによってその目地幅の変動を吸収することができる。
即ち本発明のシール装置の場合、図5に示す従来のシール装置のようにガスケットにおけるリップ部の弾性変形によって目地幅の変動を吸収するのではなく、挿入溝における突条部の呑込代を変化させることで目地幅の変動を吸収するものであり、従って本発明のシール装置によれば、例えば目地幅が2〜20mmの範囲で大きく変動した場合であっても、単一種類のガスケットを用いて対応することが可能である。
【0018】
ところで本発明のシール装置におけるガスケットは、各一対の弾性挟持部で各建材パネルの縦の突条部を弾性的に挟持する関係上、少なくとも自由端部の側の溝幅が対応する各突条部の厚みよりも自由形状状態において狭いものである必要がある。
この場合、各建材パネルの各突条部を挿入溝に挿入させるようにしてガスケットを上から下に、又は下から上にスライド移動させてガスケットの取付けを行う際、大きな摩擦抵抗が発生してガスケットの装着作業が容易に行えない問題が発生する。
【0019】
ここにおいて本発明ではガスケットにファスナを設けておき、そのファスナによる締結作用時に、左右各一対の弾性挟持部の開口側の溝幅を含む全溝幅を対応する各突条部の厚みよりも広く保持しておくことができるため、そのようなファスナによる締結作用状態で容易にガスケットをスライド移動させて各挿入溝に、対応する各突条部を挿入させることができる。
【0020】
そしてガスケットを設定位置まで移動させた後、目地部における表側の間隙部分を通じてドライバ等の工具を差し込み、ファスナを開いて行くことで、一対の弾性挟持部が各突条部を弾性的に挟持する状態にガスケットを装着することができる。
このように本発明によれば、上下に長いガスケットを目地部に装着するに際しても、ガスケットにファスナが設けてあることによって容易にこれをなすことができる。
【0021】
本発明では、上記突条部を建材パネルにおける断熱層に設け、その断熱層と断熱層との間の部分にガスケットを装着してシールするようになすことができる(請求項2)。
このように断熱層に突条部を設けるようになした場合、化粧材(仕上げ材)に突条部を設ける場合に比べて容易にその突条部を設けることができる。
【0022】
本発明においては、上記挿入溝における溝底面を内外方向に段差をもって形成しておくことができる(請求項3)。
溝底面をこのような段差形状となしておくことで、突条部の端面と溝底面との間に確実に所定幅に亘って隙間を形成することができ、ガスケットの装着に際して、溝底面と突条部の端面とが接触することがあっても、それらの接触による摩擦抵抗を小さくすることができ、ガスケットの装着性を良好とすることができる。
【0023】
本発明ではまた、挿入溝の溝側面を形成する表側及び裏側の弾性アームの各内面を左右方向に段差をもって形成し、且つその段差を、連結部側の奥側の溝幅が幅広となる形状で形成しておくことができる(請求項4)。
このようになすことで、ガスケットを装着する際に溝側面と突条部の表側の面及び裏側の面との接触による抵抗を小さくでき、ガスケットの装着作業性をより良好となすことができる。
【0024】
次に請求項5は、上記ファスナを凸係合部と凹係合部とを有するように構成し、それら凸係合部と凹係合部との係合によりファスナ締結するようになしたもので、このようにすることで簡単な構成で容易にファスナをガスケットに備えることができる。
【0025】
この場合において凸係合部を先細り形状となし、且つその凸面を所定角度で傾斜する傾斜形状となしておくことができる(請求項6)。
このようにすることで凸係合部と凹係合部との係合操作、即ちファスナ締結操作を簡単に行うことができる。
【0026】
これらの場合において、凸係合部と凹係合部との間の位置においてガスケットの表側から裏側に向う溝を設け、その溝によって左右一対の弾性アームの開閉方向の弾性変形能を助長するようになすことができる(請求項7)。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において10は外壁用の建材パネルで、12は表側の化粧材、14は裏側の断熱材である。
ここで化粧材12は無機質系の板材からなっており、また断熱材14は発泡ポリウレタン材からなっており、化粧材12の裏面に一体に固着されている。
【0028】
16は建材パネル10と10との間の目地部18において、各建材パネル10における化粧材12と12との間を1次シールするための棒状のバックアップ材で、20はその表側において化粧材12と12との間に充填されたシーリング材である。
ここでバックアップ材16は発泡スチレン等の発泡体からなっている。
【0029】
22は2次シール材としてのガスケットであって、各建材パネル10における断熱材14の側端面に沿って縦に形成された突条部24を弾性的に挟む状態で装着されている。
ガスケット22はゴム等の弾性体からなっており、図に示しているように断面形状がH形状をなしている。
【0030】
ここでガスケット22は目地部18に対する正面視において右左の弾性挟持部26R,26Lを有している。
各弾性挟持部26R,26Lは、突条部24を表側から挟む弾性アーム30と、突条部24を裏側から挟む弾性アーム32と、それらを左右方向中央部で内外方向に連結する連結部34を有しており、内側にそれぞれ挿入溝36を形成している。
ここで挿入溝36の図中左右方向の外方側端面は開口部50とされている。
尚この例では、連結部34は一対の弾性挟持部26R,26Lに共通の連結部として構成されている。
【0031】
各弾性アーム30及び32の内面側には、シール用の凸部38が長手方向に沿って、即ち上下方向に沿って形成されており、実際にはそれら凸部38において各弾性アーム30,32の内面が突条部24に対し弾性接触してシールを行う。また左右の各挿入溝36のそれぞれは、溝底面と前後の各一対の溝側面とが段差をもって形成されている。
そしてその段差形状に基づいて溝底面と突条部24の端面との間に隙間S1が、また前後の一対の溝側面と突条部24との間に隙間S2が確保されている。
【0032】
この断面H形状をなすガスケット22の左右方向中央部、詳しくは表側の中央部にはファスナ40が、ガスケット22の長手方向に沿って、即ち図1において上下方向である紙面と直交方向に一列に連続して一体に形成されている。
このファスナ40は、図2に示しているように弾性挟持部26R,26Lにおける一方の弾性アーム30、詳しくはここでは弾性挟持部26Lの弾性アーム30側に形成された凹係合部42と、他方の弾性挟持部26Rの弾性アーム30側に形成された凸係合部44と、連結部34に沿って表側から裏側に向う溝46とを有している。
【0033】
ここで凹係合部42はネック部48を有しており、また一方凸係合部44は鉤部52を有している。
凸係合部44はまた先細り形状をなしており、一対の凸面45が所定角度で傾斜する傾斜形状となしてある。
これに応じて凹係合部42もまた、その凸係合部44に対応した形状で、即ちその凸係合部44に丁度嵌り合う形状で形成されている。
【0034】
この例において、ファスナ40は図2(B)に示しているように凸係合部44が凹係合部42内部に入り込んでネック部48が鉤部52に係合し、抜止めすることで締結状態となる。
また一方、図2(A)及び(C)に示しているように、凸係合部44の鉤部52が凹係合部42のネック部48から外れた状態で係合解除、即ち締結解除状態となる。
【0035】
本例において、ガスケット22は図2(A)に示す成形時の自由形状状態において、一対の弾性挟持部26R,26Lのそれぞれの開口部50側の自由端部の溝幅が、断熱材14の突条部24の厚みよりも小寸法となるようにその形状が定められている。
更にまた、図2(B)に示すようにファスナ40を閉じた状態、即ち凹係合部42と凸係合部44とを係合させた状態において、各弾性挟持部26R,26Lにおける開口部50側の自由端部における溝幅を含む挿入溝36の全体の溝幅が、突条部24の厚みよりも僅かに広くなるように(大寸法となるように)、ファスナ40を閉じたときの形状が定めてある。
【0036】
次に本例のシール装置を用いて目地部18をシールする手順を説明する。
本例のシール装置では、予め断熱材14に突条部24を一体に形成しておく。
そして化粧材12の裏側に断熱材14を一体に固着した外壁用の建材パネル10を先ず取付施工し、その後において図2(B)及び図3(I)に示しているように、突条部24に対しガスケット22を上から下向きに又は下から上向きにスライド移動させて取り付ける。
【0037】
このとき、ガスケット22はファスナ40を閉じた状態としておく。
このようにファスナ40を閉じた状態では一対の弾性挟持部26R,26Lにおける開口部50側の自由端部における溝幅、更には挿入溝36における全体の溝幅が突条部24の厚みよりも広くなっており、従ってこの状態で一対の挿入溝36に突条部24を挿入させるようにしてガスケット22をスライド移動して嵌め込む際、弾性挟持部26R,26Lと突条部24との間に大きな摩擦力を生ぜしめず、極めて軽やか且つスムーズにガスケット22をスライド移動させ得て、ガスケット22をセットすることができる。
【0038】
この状態で図2(C)に示しているように目地部18における表側の隙間、即ち化粧材12と12との間の隙間(このとき1次シール材としてのバックアップ材16及びシーリング材20は未だ施工されていない)を通じてドライバ等の工具を挿入し、そしてその先端をファスナ40にこじ入れてファスナ40の一部を開き、続いてこれをファスナ40に沿って縦に移動させて行くことで、簡単にファスナ40を全開することができる。
而してファスナ40が全開されると、各弾性挟持部26R,26Lにおける表側の弾性アーム30と裏側の弾性アーム32とが互いに接近して、それぞれが突条部24を表側と裏側とから弾性的に挟持した状態となる。
【0039】
具体的には、各弾性アーム30及び32の内面側に形成されたシール用の凸部38が、突条部24の表側の面と裏側の面とに弾性接触した状態となって、ここに突条部24とガスケット22との間が水密にシールされた状態となる。
即ちガスケット22を介して左右の断熱材14と14との間が目地部18において水密にシールされた状態となる。
図2(C)はこのときの状態を示している。
【0040】
さてこのようにしてガスケット22により建材パネル10と10との間を目地部18において2次シールしたところで、続いて化粧材12と12との間に先ずバックアップ材16を所定位置まで押し込み、続いて表側にペースト状のシーリング材20を詰めて化粧材12と12との間の隙間を埋め、1次シールを行う(図1参照)。
【0041】
本例のシール装置の場合、図4(A)に示しているように一対の建材パネル10と10との間の目地幅が狭い場合であっても、或いはまた(B)に示しているように目地幅が広い場合であっても、ガスケット22の挿入溝36への突条部24の呑込代を異ならせることで、それら目地幅の大きな変動に対しても十分に同一のガスケット22にて対応することができる。
【0042】
また本例のシール装置では、ガスケット22にファスナ40が設けてあって、そのファスナ40を閉じておくことによって一対の弾性挟持部26R,26Lの溝幅を、各対応する突条部24の厚みよりも広くしておくことができ、その状態でガスケット22を上から下に又は下から上にスライド移動させてセットすることができるため、そのセット作業時に大きな摩擦抵抗力を生ぜしめることなく簡単にガスケット22を所定位置にセットすることができる。
【0043】
而してそのセット後においてファスナ40を開くことによって、ガスケット22における一対の弾性挟持部26R,26Lが対応する突条部24を弾性的に挟持した状態とすることができ、ここにおいて隣接する建材パネル10と10との間を目地部18において水密にシール状態とすることができる。
【0044】
加えて本例ではそのファスナ40を凸係合部44と凹係合部42とを有するように構成し、それらを単に弾性的に係合させるだけでファスナ40を閉じた状態とすることができ、また凸係合部44を凹係合部42から外すことでファスナ40を開いた状態とすることができ、従って容易にファスナ40を開閉操作することができる。
またそのファスナ40は丁度建材パネル10における化粧材12と12との間の間隙部分に位置するため、その間隙を利用して工具等により容易にファスナ40を操作することができる。
【0045】
しかも本例では凸係合部44の凸面45が所定角度の傾斜面として形成されているため、その案内作用でかかる凸係合部44を凹係合部42に係合させるに際してスムーズにこれをなすことができる。
【0046】
更に本例のシール装置の場合、ガスケット22の挿入溝36における溝底面と突条部24の端面との間に隙間S1が確保され、更に前後一対の溝側面と突条部24の表側の面及び裏側の面との間に隙間S2が確保されているため、ガスケット22の挿入溝36への突条部24の挿入作業を容易に行うことができる。
【0047】
本例ではまた断熱材14に突条部24を設けているので、化粧材12に突条部24を設ける場合に比べて容易にそのような突条部24を設けることができる。
【0048】
更に本例では、凸係合部44と凹係合部42との間の位置においてガスケット22の表側から裏側に向う溝46を設けてあるので、表側の左右一対の弾性アーム30の開閉方向の弾性変形能を助長することができる。
【0049】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上例では断熱材14に突条部24を設けてそれら断熱材14の層において一対の建材パネル10を目地部18においてガスケット22によりシールするようにしているが、場合によってそのような断熱材14を有しない一対の建材パネルを、目地部においてガスケットによりシールするに際し本発明を適用することも可能である。
その他本発明はファスナの形状を上例以外の他の様々な形状で構成することができるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシール装置を建材パネルとともに示す図である。
【図2】同実施例におけるガスケットの形状変化の様子を示す説明図である。
【図3】同実施例のシール装置を用いたシール施工の手順の説明図である。
【図4】同実施例の作用説明図である。
【図5】従来のシール装置の一例を示す図である。
【図6】従来のシール装置の図5とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
10 建材パネル
14 断熱材(断熱層)
18 目地部
22 ガスケット
24 突条部
26R,26L 弾性挟持部
30,32 弾性アーム
34 連結部
36 挿入溝
40 ファスナ
42 凹係合部
44 凸係合部
45 凸面
46 溝
50 開口部
【発明の属する技術分野】
この発明は建材パネル間の目地部のシール装置、特にガスケットを用いたシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建材パネルとしての外壁パネルを建築躯体のフレーム等に張り付けて建物の外壁を構築する際、建材パネルと建材パネルとの間に目地部が形成される。
従来、この目地部からの雨,風等の浸入を防止する目的で建材パネル間の目地部にガスケットを装着して目地部を水密にシールすることが行われている。
【0003】
そのようなガスケットによるシール構造として、従来図5に示すようなものが公知である。
同図において200は外壁用の建材パネルで、202はそれら建材パネル200と200との間に形成された目地部を表している。
【0004】
204はその目地部に装着されたガスケットで、全体がゴム等の弾性体にて構成されている。
このガスケット204は、本体206及び本体206から左右方向(目地部202に対する正面視において左右方向)に突き出した弾性を有する複数のリップ部208を有しており、そのリップ部208を弾性変形状態で各建材パネル200の側端面に当接させることで目地部202を水密にシールする。
【0005】
ここでガスケット204は、建材パネル200の施工後においてリップ部208を弾性変形させながらそれら建材パネル200と200との間に押し込まれ、目地部202に装着される。
しかしながら建材パネル200と200との間の目地部202の目地幅Wは、建材パネル200の寸法の誤差,施工誤差等に基づいて寸法にばらつきが生ずる。
【0006】
図5に示すガスケット204は、リップ部208の弾性変形に基づいて多少の寸法のばらつきを吸収できるものの、その寸法のばらつきの吸収能力は小さく、様々に変動する目地幅Wに対し対応可能な範囲がせいぜい2〜5mm程度が限度であった。
そのため従来にあっては、サイズの異なるガスケット204を数種類用意して揃えておき、その目地部202の目地幅Wの大小に応じてどのサイズのものが適合するかをその都度判断し、適切なものを選択して用いる必要があった。
【0007】
このようなことから、従来下記文献1に示すようなシール装置が提案されている。
この文献1に示すものは、図6に示すようにガスケット210を基材212と、その幅方向両端部に予め固着した弾性を有する止水材214とを有するように構成し、そして建材パネル200の側端面に沿って設けた挿入溝216に対し、ガスケット210を両端部の止水材214において挿入し、以って目地部202にガスケット210を装着して、それにより目地部202を水密にシールするようになしたものである。
[文献1] 特開2001−271429号
【0008】
しかしながらこの図6に示すシール装置の場合、止水材214を建材パネル200の挿入溝216に対し、抵抗に抗して挿入しなければならず、そのためガスケット210の目地部202への装着作業が容易ではなく、目地部202のシール作業性に多大の困難が伴う問題が内在している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の建材パネル間のシール装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、隣接する建材パネルの一対の側端面間に形成される目地部にガスケットを装着し、該ガスケットにより該目地部を水密にシールする建材パネル間のシール装置であって、前記建材パネルの側端面に沿って縦に突条部を設ける一方、前記ガスケットの形状を(イ)表側及び裏側の弾性アームと該表側及び裏側の弾性アームを内外方向に連結する連結部を備え、それら弾性アームにより該建材パネルの各突条部を表側と裏側とから弾性的に挟持する左右一対の弾性挟持部と、(ロ)各弾性挟持部における前記表側及び裏側の弾性アームと前記連結部とにより内側に形成された、該連結部と反対側の外方側端面が開口形状をなす一対の挿入溝とを有する形状として、各一対の挿入溝のそれぞれに前記一対の突条部のそれぞれを挿入するようになし、且つ前記ガスケットは成形時の自由形状状態において、前記弾性挟持部における前記開口側である自由端部の側の溝幅が前記突条部の厚みよりも狭くされているとともに、該ガスケットには締結作用時に該自由端部の側の溝幅を前記突条部の厚みよりも広く保持し、締結解除によって該保持を解除するファスナが設けてあることを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記突条部が断熱層に設けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記挿入溝における溝底面が前記内外方向に段差をもって形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記挿入溝の溝側面を形成する、前記表側及び裏側の弾性アームの各内面が左右方向に段差をもって形成され、且つ該段差が、前記連結部側の奥側の溝幅が幅広となる形状で形成してあることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ファスナが、表側の左右の一対の前記弾性アームの一方の側に形成された凸係合部と、他方の側に形成された凹係合部とを有し、それら凸係合部と凹係合部との係合により締結作用をなすものとしてあることを特徴とする。
【0014】
請求項6のものは、請求項5において、前記凸係合部が先細り形状となしてあり且つ該凸係合部における凸面が所定角度で傾斜する傾斜形状となしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項7のものは、請求項5,6の何れかにおいて、前記ファスナは、前記凸係合部と凹係合部との間の位置において前記ガスケットの表側から裏側に向う、前記表側の一対の弾性アームの開閉方向の弾性変形を助長する溝を有していることを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明のシール装置は、隣接する建材パネルのそれぞれの側端面に沿って縦に突条部を設け、そしてそれら突条部をガスケットの一対の挿入溝に挿入し、即ちガスケットにおける一対の挿入溝に建材パネルの突条部を呑み込ませるようにし、そしてそれら各建材パネルの突条部のそれぞれを、その挿入溝を内側に形成する弾性挟持部で挟持し、目地部を水密にシールするようになしたものである。
【0017】
このようなガスケットを用いた目地部のシール装置の場合、建材パネルの寸法誤差や施工誤差等によって目地部の幅が変動した場合であっても、挿入溝への突条部の呑込代を変化させることによってその目地幅の変動を吸収することができる。
即ち本発明のシール装置の場合、図5に示す従来のシール装置のようにガスケットにおけるリップ部の弾性変形によって目地幅の変動を吸収するのではなく、挿入溝における突条部の呑込代を変化させることで目地幅の変動を吸収するものであり、従って本発明のシール装置によれば、例えば目地幅が2〜20mmの範囲で大きく変動した場合であっても、単一種類のガスケットを用いて対応することが可能である。
【0018】
ところで本発明のシール装置におけるガスケットは、各一対の弾性挟持部で各建材パネルの縦の突条部を弾性的に挟持する関係上、少なくとも自由端部の側の溝幅が対応する各突条部の厚みよりも自由形状状態において狭いものである必要がある。
この場合、各建材パネルの各突条部を挿入溝に挿入させるようにしてガスケットを上から下に、又は下から上にスライド移動させてガスケットの取付けを行う際、大きな摩擦抵抗が発生してガスケットの装着作業が容易に行えない問題が発生する。
【0019】
ここにおいて本発明ではガスケットにファスナを設けておき、そのファスナによる締結作用時に、左右各一対の弾性挟持部の開口側の溝幅を含む全溝幅を対応する各突条部の厚みよりも広く保持しておくことができるため、そのようなファスナによる締結作用状態で容易にガスケットをスライド移動させて各挿入溝に、対応する各突条部を挿入させることができる。
【0020】
そしてガスケットを設定位置まで移動させた後、目地部における表側の間隙部分を通じてドライバ等の工具を差し込み、ファスナを開いて行くことで、一対の弾性挟持部が各突条部を弾性的に挟持する状態にガスケットを装着することができる。
このように本発明によれば、上下に長いガスケットを目地部に装着するに際しても、ガスケットにファスナが設けてあることによって容易にこれをなすことができる。
【0021】
本発明では、上記突条部を建材パネルにおける断熱層に設け、その断熱層と断熱層との間の部分にガスケットを装着してシールするようになすことができる(請求項2)。
このように断熱層に突条部を設けるようになした場合、化粧材(仕上げ材)に突条部を設ける場合に比べて容易にその突条部を設けることができる。
【0022】
本発明においては、上記挿入溝における溝底面を内外方向に段差をもって形成しておくことができる(請求項3)。
溝底面をこのような段差形状となしておくことで、突条部の端面と溝底面との間に確実に所定幅に亘って隙間を形成することができ、ガスケットの装着に際して、溝底面と突条部の端面とが接触することがあっても、それらの接触による摩擦抵抗を小さくすることができ、ガスケットの装着性を良好とすることができる。
【0023】
本発明ではまた、挿入溝の溝側面を形成する表側及び裏側の弾性アームの各内面を左右方向に段差をもって形成し、且つその段差を、連結部側の奥側の溝幅が幅広となる形状で形成しておくことができる(請求項4)。
このようになすことで、ガスケットを装着する際に溝側面と突条部の表側の面及び裏側の面との接触による抵抗を小さくでき、ガスケットの装着作業性をより良好となすことができる。
【0024】
次に請求項5は、上記ファスナを凸係合部と凹係合部とを有するように構成し、それら凸係合部と凹係合部との係合によりファスナ締結するようになしたもので、このようにすることで簡単な構成で容易にファスナをガスケットに備えることができる。
【0025】
この場合において凸係合部を先細り形状となし、且つその凸面を所定角度で傾斜する傾斜形状となしておくことができる(請求項6)。
このようにすることで凸係合部と凹係合部との係合操作、即ちファスナ締結操作を簡単に行うことができる。
【0026】
これらの場合において、凸係合部と凹係合部との間の位置においてガスケットの表側から裏側に向う溝を設け、その溝によって左右一対の弾性アームの開閉方向の弾性変形能を助長するようになすことができる(請求項7)。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において10は外壁用の建材パネルで、12は表側の化粧材、14は裏側の断熱材である。
ここで化粧材12は無機質系の板材からなっており、また断熱材14は発泡ポリウレタン材からなっており、化粧材12の裏面に一体に固着されている。
【0028】
16は建材パネル10と10との間の目地部18において、各建材パネル10における化粧材12と12との間を1次シールするための棒状のバックアップ材で、20はその表側において化粧材12と12との間に充填されたシーリング材である。
ここでバックアップ材16は発泡スチレン等の発泡体からなっている。
【0029】
22は2次シール材としてのガスケットであって、各建材パネル10における断熱材14の側端面に沿って縦に形成された突条部24を弾性的に挟む状態で装着されている。
ガスケット22はゴム等の弾性体からなっており、図に示しているように断面形状がH形状をなしている。
【0030】
ここでガスケット22は目地部18に対する正面視において右左の弾性挟持部26R,26Lを有している。
各弾性挟持部26R,26Lは、突条部24を表側から挟む弾性アーム30と、突条部24を裏側から挟む弾性アーム32と、それらを左右方向中央部で内外方向に連結する連結部34を有しており、内側にそれぞれ挿入溝36を形成している。
ここで挿入溝36の図中左右方向の外方側端面は開口部50とされている。
尚この例では、連結部34は一対の弾性挟持部26R,26Lに共通の連結部として構成されている。
【0031】
各弾性アーム30及び32の内面側には、シール用の凸部38が長手方向に沿って、即ち上下方向に沿って形成されており、実際にはそれら凸部38において各弾性アーム30,32の内面が突条部24に対し弾性接触してシールを行う。また左右の各挿入溝36のそれぞれは、溝底面と前後の各一対の溝側面とが段差をもって形成されている。
そしてその段差形状に基づいて溝底面と突条部24の端面との間に隙間S1が、また前後の一対の溝側面と突条部24との間に隙間S2が確保されている。
【0032】
この断面H形状をなすガスケット22の左右方向中央部、詳しくは表側の中央部にはファスナ40が、ガスケット22の長手方向に沿って、即ち図1において上下方向である紙面と直交方向に一列に連続して一体に形成されている。
このファスナ40は、図2に示しているように弾性挟持部26R,26Lにおける一方の弾性アーム30、詳しくはここでは弾性挟持部26Lの弾性アーム30側に形成された凹係合部42と、他方の弾性挟持部26Rの弾性アーム30側に形成された凸係合部44と、連結部34に沿って表側から裏側に向う溝46とを有している。
【0033】
ここで凹係合部42はネック部48を有しており、また一方凸係合部44は鉤部52を有している。
凸係合部44はまた先細り形状をなしており、一対の凸面45が所定角度で傾斜する傾斜形状となしてある。
これに応じて凹係合部42もまた、その凸係合部44に対応した形状で、即ちその凸係合部44に丁度嵌り合う形状で形成されている。
【0034】
この例において、ファスナ40は図2(B)に示しているように凸係合部44が凹係合部42内部に入り込んでネック部48が鉤部52に係合し、抜止めすることで締結状態となる。
また一方、図2(A)及び(C)に示しているように、凸係合部44の鉤部52が凹係合部42のネック部48から外れた状態で係合解除、即ち締結解除状態となる。
【0035】
本例において、ガスケット22は図2(A)に示す成形時の自由形状状態において、一対の弾性挟持部26R,26Lのそれぞれの開口部50側の自由端部の溝幅が、断熱材14の突条部24の厚みよりも小寸法となるようにその形状が定められている。
更にまた、図2(B)に示すようにファスナ40を閉じた状態、即ち凹係合部42と凸係合部44とを係合させた状態において、各弾性挟持部26R,26Lにおける開口部50側の自由端部における溝幅を含む挿入溝36の全体の溝幅が、突条部24の厚みよりも僅かに広くなるように(大寸法となるように)、ファスナ40を閉じたときの形状が定めてある。
【0036】
次に本例のシール装置を用いて目地部18をシールする手順を説明する。
本例のシール装置では、予め断熱材14に突条部24を一体に形成しておく。
そして化粧材12の裏側に断熱材14を一体に固着した外壁用の建材パネル10を先ず取付施工し、その後において図2(B)及び図3(I)に示しているように、突条部24に対しガスケット22を上から下向きに又は下から上向きにスライド移動させて取り付ける。
【0037】
このとき、ガスケット22はファスナ40を閉じた状態としておく。
このようにファスナ40を閉じた状態では一対の弾性挟持部26R,26Lにおける開口部50側の自由端部における溝幅、更には挿入溝36における全体の溝幅が突条部24の厚みよりも広くなっており、従ってこの状態で一対の挿入溝36に突条部24を挿入させるようにしてガスケット22をスライド移動して嵌め込む際、弾性挟持部26R,26Lと突条部24との間に大きな摩擦力を生ぜしめず、極めて軽やか且つスムーズにガスケット22をスライド移動させ得て、ガスケット22をセットすることができる。
【0038】
この状態で図2(C)に示しているように目地部18における表側の隙間、即ち化粧材12と12との間の隙間(このとき1次シール材としてのバックアップ材16及びシーリング材20は未だ施工されていない)を通じてドライバ等の工具を挿入し、そしてその先端をファスナ40にこじ入れてファスナ40の一部を開き、続いてこれをファスナ40に沿って縦に移動させて行くことで、簡単にファスナ40を全開することができる。
而してファスナ40が全開されると、各弾性挟持部26R,26Lにおける表側の弾性アーム30と裏側の弾性アーム32とが互いに接近して、それぞれが突条部24を表側と裏側とから弾性的に挟持した状態となる。
【0039】
具体的には、各弾性アーム30及び32の内面側に形成されたシール用の凸部38が、突条部24の表側の面と裏側の面とに弾性接触した状態となって、ここに突条部24とガスケット22との間が水密にシールされた状態となる。
即ちガスケット22を介して左右の断熱材14と14との間が目地部18において水密にシールされた状態となる。
図2(C)はこのときの状態を示している。
【0040】
さてこのようにしてガスケット22により建材パネル10と10との間を目地部18において2次シールしたところで、続いて化粧材12と12との間に先ずバックアップ材16を所定位置まで押し込み、続いて表側にペースト状のシーリング材20を詰めて化粧材12と12との間の隙間を埋め、1次シールを行う(図1参照)。
【0041】
本例のシール装置の場合、図4(A)に示しているように一対の建材パネル10と10との間の目地幅が狭い場合であっても、或いはまた(B)に示しているように目地幅が広い場合であっても、ガスケット22の挿入溝36への突条部24の呑込代を異ならせることで、それら目地幅の大きな変動に対しても十分に同一のガスケット22にて対応することができる。
【0042】
また本例のシール装置では、ガスケット22にファスナ40が設けてあって、そのファスナ40を閉じておくことによって一対の弾性挟持部26R,26Lの溝幅を、各対応する突条部24の厚みよりも広くしておくことができ、その状態でガスケット22を上から下に又は下から上にスライド移動させてセットすることができるため、そのセット作業時に大きな摩擦抵抗力を生ぜしめることなく簡単にガスケット22を所定位置にセットすることができる。
【0043】
而してそのセット後においてファスナ40を開くことによって、ガスケット22における一対の弾性挟持部26R,26Lが対応する突条部24を弾性的に挟持した状態とすることができ、ここにおいて隣接する建材パネル10と10との間を目地部18において水密にシール状態とすることができる。
【0044】
加えて本例ではそのファスナ40を凸係合部44と凹係合部42とを有するように構成し、それらを単に弾性的に係合させるだけでファスナ40を閉じた状態とすることができ、また凸係合部44を凹係合部42から外すことでファスナ40を開いた状態とすることができ、従って容易にファスナ40を開閉操作することができる。
またそのファスナ40は丁度建材パネル10における化粧材12と12との間の間隙部分に位置するため、その間隙を利用して工具等により容易にファスナ40を操作することができる。
【0045】
しかも本例では凸係合部44の凸面45が所定角度の傾斜面として形成されているため、その案内作用でかかる凸係合部44を凹係合部42に係合させるに際してスムーズにこれをなすことができる。
【0046】
更に本例のシール装置の場合、ガスケット22の挿入溝36における溝底面と突条部24の端面との間に隙間S1が確保され、更に前後一対の溝側面と突条部24の表側の面及び裏側の面との間に隙間S2が確保されているため、ガスケット22の挿入溝36への突条部24の挿入作業を容易に行うことができる。
【0047】
本例ではまた断熱材14に突条部24を設けているので、化粧材12に突条部24を設ける場合に比べて容易にそのような突条部24を設けることができる。
【0048】
更に本例では、凸係合部44と凹係合部42との間の位置においてガスケット22の表側から裏側に向う溝46を設けてあるので、表側の左右一対の弾性アーム30の開閉方向の弾性変形能を助長することができる。
【0049】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上例では断熱材14に突条部24を設けてそれら断熱材14の層において一対の建材パネル10を目地部18においてガスケット22によりシールするようにしているが、場合によってそのような断熱材14を有しない一対の建材パネルを、目地部においてガスケットによりシールするに際し本発明を適用することも可能である。
その他本発明はファスナの形状を上例以外の他の様々な形状で構成することができるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシール装置を建材パネルとともに示す図である。
【図2】同実施例におけるガスケットの形状変化の様子を示す説明図である。
【図3】同実施例のシール装置を用いたシール施工の手順の説明図である。
【図4】同実施例の作用説明図である。
【図5】従来のシール装置の一例を示す図である。
【図6】従来のシール装置の図5とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
10 建材パネル
14 断熱材(断熱層)
18 目地部
22 ガスケット
24 突条部
26R,26L 弾性挟持部
30,32 弾性アーム
34 連結部
36 挿入溝
40 ファスナ
42 凹係合部
44 凸係合部
45 凸面
46 溝
50 開口部
Claims (7)
- 隣接する建材パネルの一対の側端面間に形成される目地部にガスケットを装着し、該ガスケットにより該目地部を水密にシールする建材パネル間のシール装置であって、
前記建材パネルの側端面に沿って縦に突条部を設ける一方、前記ガスケットの形状を(イ)表側及び裏側の弾性アームと該表側及び裏側の弾性アームを内外方向に連結する連結部を備え、それら弾性アームにより該建材パネルの各突条部を表側と裏側とから弾性的に挟持する左右一対の弾性挟持部と、(ロ)各弾性挟持部における前記表側及び裏側の弾性アームと前記連結部とにより内側に形成された、該連結部と反対側の外方側端面が開口形状をなす一対の挿入溝とを有する形状として、各一対の挿入溝のそれぞれに前記一対の突条部のそれぞれを挿入するようになし、
且つ前記ガスケットは成形時の自由形状状態において、前記弾性挟持部における前記開口側である自由端部の側の溝幅が前記突条部の厚みよりも狭くされているとともに、該ガスケットには締結作用時に該自由端部の側の溝幅を前記突条部の厚みよりも広く保持し、締結解除によって該保持を解除するファスナが設けてあることを特徴とする建材パネル間のシール装置。 - 請求項1において、前記突条部が断熱層に設けてあることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記挿入溝における溝底面が前記内外方向に段差をもって形成されていることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記挿入溝の溝側面を形成する、前記表側及び裏側の弾性アームの各内面が左右方向に段差をもって形成され、且つ該段差が、前記連結部側の奥側の溝幅が幅広となる形状で形成してあることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記ファスナが、表側の左右の一対の前記弾性アームの一方の側に形成された凸係合部と、他方の側に形成された凹係合部とを有し、それら凸係合部と凹係合部との係合により締結作用をなすものとしてあることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
- 請求項5において、前記凸係合部が先細り形状となしてあり且つ該凸係合部における凸面が所定角度で傾斜する傾斜形状となしてあることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
- 請求項5,6の何れかにおいて、前記ファスナは、前記凸係合部と凹係合部との間の位置において前記ガスケットの表側から裏側に向う、前記表側の一対の弾性アームの開閉方向の弾性変形を助長する溝を有していることを特徴とする建材パネル間のシール装置。
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