JP3827437B2 - タンディッシュの鉄皮構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンディッシュの鉄皮構造に関し、特に、連続鋳造に用いられるタンディッシュの外殻である鉄皮をパーマライニング及びワークライニングの膨張によるせり出しを吸収できる構造とするための新規な改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続鋳造においては一般的に中間容器として箱形、船形を呈したタンディッシュが用いられ、取鍋から注がれた溶鋼中の介在物浮上を積極的に行わせるために、タンディッシュを大型にし内容積を大きくしたりタンディッシュに堰を装着し溶鋼に上昇流れを作り、この流れで介在物を浮上分離させることで清浄化した清浄鋼を得るようにしている。
このタンディッシュの耐火物構造は通常のパーマライニング(裏張り)とワークライニング(内張り)の二層構造をなしている。
このパーマライニングは容器内側の鉄皮上に耐火レンガを張り付けた構造が一般的であり、ワークライニングはパーマライニング上に耐火レンガまたは不定形耐火物を施工した構造が一般的である。このレンガの施工は、築炉工がレンガを一枚一枚張り付けることによって行われるため、施工には長時間を要すると共に熟練とかなりの労力を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタンディッシュの鉄皮構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、鉄皮の壁面が平面である箱型タンディッシュでは、耐火物が熱膨張をした場合、拘束がない表側にせり出し、このせり出しが進行すると定形耐火物で施工した場合、耐火物と耐火物とを繋ぎ止める目地が開き、また不定形耐火物で施工したものにおいては亀裂が発生し、これらの目地や亀裂より溶鋼が進入したり、耐火物が脱落することも発生していた。
また、タンディッシュに施工するパーマ材及びワーク材は不定形耐火物あるいは定形耐火物からなっているが、両者の耐火物とも熱を受ける条件下においては熱膨張が生じ、その温度が高い部位ほど、すなわち溶鋼に近いワーク側ほど熱膨張は大きくなっていた。
そのため、高さ方向の膨張に関しては、耐火物施工時にタンディッシュ上部に膨張代を設けて膨張を逃がす対策を講じているが横方向は膨張代を取る事は困難であった。
さらに、前述したように耐火物は熱を受けると膨張するが、温度が低下すると収縮し、耐火物の材料によっては、残存膨張性のあるものもあるが、高温時に比べれば収縮し、この収縮が発生すると拘束力が働かなくなり、レンガ間の目地が開いたり亀裂が発生し、さらに亀裂の拡大となり、ついには地金の差し込みや、耐火物の脱落に至ることもあった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、鉄皮の側壁内側鉄皮と外側鉄皮の二重構造として内側鉄皮が耐火物の膨張に合わせて移動できるようにし、耐火物の膨張・収縮による迫り出しや目地開き・亀裂の発生を防止すると共に耐火物の膨張による鉄皮の変形を防ぐようにしたタンディッシュ鉄皮構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタンディッシュ鉄皮構造は、長辺鉄皮と短辺鉄皮を有するタンディッシュの鉄皮構造において、前記短辺鉄皮の内側に内側短辺鉄皮が設けられ、前記短辺鉄皮と内側短辺鉄皮との間に弾性部材を設け、前記内側短辺鉄皮は前記短辺鉄皮に対して移動する構成であり、また、前記長辺鉄皮の内側でかつ短辺鉄皮近傍で内方へ曲折する内側長辺曲折鉄皮が設けられ、この内側長辺曲折鉄皮が前記内側短辺鉄皮と係合する構成であり、また、前記長辺鉄皮の内側に内側長辺鉄皮が設けられ、この長辺鉄皮と内側長辺鉄皮との間には弾性部材が設けられている構成であり、さらに、前記弾性部材は、コイルスプリング、板ばね、ゴムの何れかよりなる構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるタンディッシュの鉄皮構造の好適な実施の形態について説明する。
まず、図1はタンディッシュ1を示す概略平面図であり、長辺壁2、短辺壁3、敷部4及び鉄皮5から構成されている。
前述の図1の構成では、鉄皮5の内側に周知パーマ材及びワーク材からなる耐火物6が形成されているが、この耐火物6の熱膨張特性は図6に示すように熱膨張率αは1500℃で一般的に0.7%程度であり、残存膨張率γは0.1%ぐらいあり、この熱膨張率αと残存膨張率γの差によってせり出しや亀裂が発生する。
通常、箱形タンディッシュ1の側壁鉄皮は船形や楕円形状のタンディッシュ1に比べて角を有している平面鉄皮構造であるために膨張によるせり出しの拘束力がなく、均等にせり出し力が掛からなく、弱い箇所に膨れが起きる。特に箱形のタンディッシュ1においては長辺壁2の膨張収縮Aが短辺壁2の膨張収縮Bに比べて大きい関係上長辺壁2の迫り出しや亀裂の発生がタンディッシュ1寿命に大きく影響を及ぼす。そのため、本発明においては、長辺壁2の熱膨張を吸収するように鉄皮5の側壁である短辺壁3を2種構造とした。
【0007】
すなわち、図2は本発明の鉄皮構造の第1形態が示されており、前記短辺壁3側の鉄皮5の短辺鉄皮5aの内側に内側短辺鉄皮5aAが可動式に設けられ、この短辺鉄皮5aと内側短辺鉄皮5aAとの間には、コイルスプリング、板ばね、ゴム等の復元力を有する弾性部材10が設けられている。
この内側短辺鉄皮5aAの側部は鉄皮5の長辺鉄皮5bと移動自在に係合し、短辺鉄皮5aと内側短辺鉄皮5aAとの間隔Dは、前述したように1500℃で一般的に0.7%程度あり、タンディッシュ1の容積、すなわち長辺鉄皮5bの長さによって膨張量が異なるので、長辺鉄皮5bの長さによって間隔を決定する。なお、前述の各鉄皮5b,5aAの内側には、パーマ材7、ワーク材6及びコーティング材8が設けられている。
【0008】
なお、図2に示す第1形態においては、パーマ材7としてろう石質のレンガを施工しワーク材6としてアルミナ質のキャスタブルを施工し、その表面にマグネシア質のコーティング材8を吹き付けた状態で溶鋼を受けているので、キャスタブルの温度は1200〜1500℃に上昇し、この時のキャスタブルの熱膨張は約0.5から0.7%であり、長辺壁2の長さが8000mmであるので、耐火物の熱膨張による鉄皮5の移動が可能な間隔を片壁30mm、両壁60mmとした。
【0009】
次に、図3で示す第2形態の場合、長辺鉄皮5bの内側でかつ短辺鉄皮5a近傍で内方へ曲折するばね材からなる内側長辺曲折鉄皮11が溶接等によって取付けられており、この内側長辺曲折鉄皮11の内面には前記内側短辺鉄皮5aAが相対移動自在に係合している。なお、他の部分は、図2と同じ部分については同一符号を付し、その説明は省略する。なお、この図3の構成では、パーマ材7のレンガ間に目開きを生じるが、図7のようにRを有する湾曲目地20とすることにより解決される。
また、図3の形態を用いてタンディッシュ1を構成すると、図5のようになり、長手方向の両端に内側長辺曲折鉄皮11が設けられ、この内側長辺曲折鉄皮11を用いた場合の各膨張吸収代は図8で示す通りである。
さらに、二重構造部すなわち弾性部材10の間隙部9は空気層を介在とした断熱構造とすると、タンディッシュ1内の溶鋼温度低下防止に威力を発揮し好ましいが、この間隙部9に内側短辺鉄皮5aAの動きを阻害しない程度の密度の低い耐熱性の詰め物を詰めて断熱層を形成してもよい。
【0010】
また、図4に示す第3形態においては、図2の構造の変形として、長辺形鉄皮5bの内側に内側長辺鉄皮5bAを弾性部材10を介して作動自在に設け、この内側長辺鉄皮5bAの内面に前記内側短辺鉄皮5aAを相対移動自在に係合させている。なお、他の部分は、図2と同じ部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0011】
【発明の効果】
本発明によるタンディッシュの鉄皮構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、タンディッシュ側壁耐火物の水平方向の膨張を鉄皮を二重構造にし、内側短辺鉄皮を可動可能にすることで吸収し、膨張によるせり出しを吸収できる。
また、一旦熱を受けて膨張した耐火物は冷却されると収縮するが、この時も耐火物の収縮に合わせて二重構造の内側短辺鉄皮が動き、耐火物を常に拘束するように作用する。これにより収縮時の亀裂の発生を防止できる。
従って、タンディッシュの耐火物の寿命を左右する、せり出しと亀裂の発生を防止することで、地金差し込みや耐火物の脱落の可能性が無くなり寿命延長が図られる。
更に、側壁鉄皮に耐火物の膨張による応力が加わらないため鉄皮の変形や亀裂の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタンディッシュの鉄皮構造概略図である。
【図2】耐火物施工後の図1の上面要部拡大図である。
【図3】図2の他の形態の上面図である。
【図4】図2の他の形態の上面図である。
【図5】図3の形態を示す全体斜視図である。
【図6】耐火物の熱膨張曲線である。
【図7】図3の要部の拡大図である。
【図8】図3の二重構造部の曲率を決定する説明図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ
5 鉄皮
5a 短辺鉄皮
5aA 内側短辺鉄皮
5b 長辺鉄皮
5bA 内側長辺鉄皮
6 ワーク材
7 パーマ材
10 弾性部材
11 内側長辺曲折鉄皮
Claims (4)
- 長辺鉄皮(5b)と短辺鉄皮(5a)を有するタンディッシュの鉄皮構造において、前記短辺鉄皮(5a)の内側に内側短辺鉄皮(5aA)が設けられ、前記短辺鉄皮(5a)と内側短辺鉄皮(5aA)との間に弾性部材(10)を設け、前記内側短辺鉄皮(5aA)は前記短辺鉄皮(5a)に対して移動する構成としたことを特徴とするタンディッシュの鉄皮構造。
- 前記長辺鉄皮(5b)の内側でかつ短辺鉄皮(5a)近傍で内方へ曲折する内側長辺曲折鉄皮(11)が設けられ、この内側長辺曲折鉄皮(11)が前記内側短辺鉄皮(5aA)と係合することを特徴とする請求項1記載のタンディッシュの鉄皮構造。
- 前記長辺鉄皮(5b)の内側に内側長辺鉄皮(5bA)が設けられ、この長辺鉄皮(5b)と内側長辺鉄皮(5bA)との間には弾性部材(10)が設けられていることを特徴とする請求項1記載のタンディッシュの鉄皮構造。
- 前記弾性部材(10)は、コイルスプリング、板ばね、ゴムの何れかよりなることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のタンディッシュの鉄皮構造。
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